JP2003239022A - 鋼材の製造条件作成装置 - Google Patents

鋼材の製造条件作成装置

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JP2003239022A JP2002039025A JP2002039025A JP2003239022A JP 2003239022 A JP2003239022 A JP 2003239022A JP 2002039025 A JP2002039025 A JP 2002039025A JP 2002039025 A JP2002039025 A JP 2002039025A JP 2003239022 A JP2003239022 A JP 2003239022A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造におけるチャージ編成を容易に行うこと
のできる鋼材の製造条件を作成する。 【解決手段】 過去に製造した製品毎に、素材成分と操
業条件それぞれの指示値と実績値、及び、材質実績値を
事例として蓄積する製造情報記憶手段と、入力される素
材成分及び操業条件の指示値に基づいて製品を製造した
時に得られる材質を、前記製造情報記憶手段に蓄積され
たデータを利用して推定する材質推定手段と、該材質推
定手段から出力された材質推定値とその推定誤差から、
要求仕様を満足する製品を製造することが可能な素材成
分及び操業条件の指示値を出力する製造条件作成手段
と、該製造条件作成手段からの出力値をもとにチャージ
編成を行い、そのチャージを構成する素材成分の指示値
と操業条件の指示値とを出力するチャージ編成手段と、
を備えた鋼材の製造条件作成装置により、前記課題を解
決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品に対する要求
仕様から、該製品を製造するための製造条件を作成する
鋼材の製造条件作成装置に係り、特に、鋳造におけるチ
ャージ編成を容易にすることが可能な鋼材の製造条件作
成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】客先から鋼材製品の発注があると、機械
試験特性値範囲など、客先の製品に対する要求仕様から
製品を製造するための製造条件を決定し、該製品を製造
する。
【0003】製造条件を決定する従来技術として、特開
平5−287341には、製造条件指示値の範囲と、そ
のときの機械試験特性実績範囲を格納したデータベース
を基に、要求仕様を満足する製造条件を求める方法が記
載されている。更に、特開平5−287342には、要
求仕様を満足する実績が無い場合、既存の材質推定モデ
ルを用いて材質を推定し、要求仕様を満足する製造条件
を求めることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、鋼材の鋳造プロ
セスにおいては1回の鋳込みで(以下、チャージとい
う)、複数の鋳片(素材)を製造することから、成分が
同じである製品の素材を複数まとめてチャージ編成を行
う必要がある。従って、前述のようにして要求仕様を満
足する製造条件を決定しても、決定した製品毎の素材成
分がばらついていれば、これらを同一チャージで製造で
きない、即ち、チャージ編成ができないという問題があ
る。
【0005】又、従来の材質推定モデルを用いて材質を
推定する方法は、過去の製造実績を基に材質の推定値を
出力するだけで、その推定誤差をも評価するものではな
い。従って、材質推定値から決定される製造条件を用い
て製品を製造したとしても、その製品が必ずしも要求仕
様を満足するとは限らない。
【0006】更に、一般に鋼材の製造実績は、製造条件
の指示値に対して、あるばらつきやバイアスを持ってい
て、これらは製造条件指示値に対する誤差となる。しか
もばらつきやバイアスを発生させる要因は、生産設備の
能力、保守状況、制御精度、あるいはオペレータの技能
や経験等から定まる操業実力の変動により変化する。
【0007】しかしながら、従来の方法では、このよう
な誤差要因や誤差の経年変化を考慮できないので、従来
の材質推定方法で求めた製造条件を用いて製品を製造し
ても該製品の材質実績が要求仕様を満足する保証はな
い。更に、設備改善や操業改善等により操業実力が向上
しているにも拘わらず、古い製造実績に基づいて製造条
件を決定すると、必要以上に高度の制御が要求されてし
まう等の問題点を有していた。
【0008】本発明は、前記従来の問題を解消されるべ
くなされたもので、誤差を考慮して材質を推定して推定
精度を向上させた上で、鋳造におけるチャージ編成を容
易とする鋼材の製造条件作成装置を提供することを第1
の課題とする。
【0009】本発明は、又、操業実力の変動にも対応で
きる、鋼材の製造条件作成装置を提供することを第2の
課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、過去に製造し
た製品毎に、素材成分と操業条件それぞれの指示値と実
績値、及び、材質実績値を事例として蓄積する製造情報
記憶手段と、入力される素材成分及び操業条件の指示値
に基づいて製品を製造した時に得られる材質を、前記製
造情報記憶手段に蓄積されたデータを利用して推定する
材質推定手段と、該材質推定手段から出力された材質推
定値とその推定誤差から、要求仕様を満足する製品を製
造することが可能な素材成分及び操業条件の指示値を出
力する製造条件作成手段と、該製造条件作成手段からの
出力値をもとにチャージ編成を行い、そのチャージを構
成する素材成分の指示値と操業条件の指示値とを出力す
るチャージ編成手段と、を備えたことを特徴とする鋼材
の製造条件作成装置である。
【0011】また、過去に製造した製品毎に、素材成分
と操業条件それぞれの指示値と実績値、及び、材質実績
値を事例として蓄積する製造情報記憶手段と、前記製造
情報記憶手段に蓄積されたデータから製造実績推定モデ
ルを作成し、該モデルを用いて、入力される素材成分及
び操業条件の指示値をもとに素材成分の実績値と操業の
実績を推定する製造条件実績推定手段と、該製造条件実
績推定手段から出力された素材成分実績推定値と操業条
件実績推定値を用いて、前記製造情報記憶手段に蓄積さ
れたデータを利用して製品材質を推定する材質推定手段
と、該材質推定手段から出力された材質推定値とその推
定誤差から、要求仕様を満足する製品を製造することが
可能な素材成分及び操業条件の指示値を出力する製造条
件作成手段と、該製造条件作成手段からの出力値をもと
にチャージ編成を行い、そのチャージを構成する素材成
分の指示値と操業条件の指示値とを出力するチャージ編
成手段と、を備えたことを特徴とする鋼材の製造条件作
成装置である。
【0012】なお、前記製造条件実績推定手段が作成す
る製造実績推定モデルは最新データを用いて更新されて
いるものとするのが好適であり、また、前記材質推定手
段は、材質に与える影響の大きい入力変数をルールに従
って限定する入力変数限定手段と、該限定した入力変数
を用いて距離関数を定義し、この距離関数を用いて前記
製造情報記憶手段に蓄積されている素材成分実績値と操
業条件実績値を用いて入力値との距離を計算し、計算し
た距離に基づいて入力値に近い事例を抽出し、該抽出さ
れた事例の材質実績値から材質の推定値及びその推定誤
差を計算し、出力する材質推定計算手段と、を備えてい
るのが好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明によ
る第1の実施形態について詳細に説明する。
【0014】図1において、20は本実施形態に係る製
造条件作成装置である。該製造条件作成装置20には、
ローカルエリアネットワーク(LAN)30を介して、
製造実績収集装置22と材料試験実績収集装置24が接
続されている。これら各装置20、22、24は計算
機、例えばワークステーションから構成することができ
る。
【0015】製造実績収集装置22は、図2に示す如
く、過去に製造した製品14毎に、素材(鋳片)10の
成分の指示値と実績値、および、加熱、圧延、冷却、熱
処理などの製造プロセス12における操業条件の指示値
と実績値、を収集し、製造条件作成装置20へ供給す
る。また、材料試験実績収集装置24は、同じく、過去
に製造された製品14毎に、製品の材料試験で得られる
機械試験特性値実績(強度、靭性等。以下材質実績値と
称する)を収集し、製造条件作成装置20へ供給する。
【0016】製造条件作成装置20は、図3に示す如
く、製造条件作成手段202、材質推定手段204、製
造情報記憶手段206、及び、チャージ編成手段208
を備えており、要求仕様を基にチャージ編成を可能とす
る製造条件(成分および操業条件)の指示値を出力する
ものである。
【0017】製造情報記憶手段206には、前記製造実
績収集装置22及び材料試験実績収集装置24で収集さ
れた製造条件の指示値と実績値、及び、材質実績値が事
例として蓄積される。具体的には、図4に示す如く、製
品毎の素材成分(成分1〜成分K)の指示値と実績値、
操業条件(操業1〜操業L)の指示値と実績値、及び材
質実績値(材質1〜材質M)が記載された表形式のデー
タベース(1行分が過去に製造された製品14毎のデー
タであり、1事例に相当する)とすることができる。こ
の製造情報記憶手段206に蓄積されたデータベース
は、更に素材成分や操業条件が近いグループに分類(ク
ラスタリングと称する)して、各グループ毎のデータベ
ースとして製造情報記憶手段に蓄積させることもでき
る。
【0018】材質推定手段204は、製造情報記憶手段
206に蓄積された製造条件の実績値及び材質実績値を
もとに、ある製造条件(素材の成分指示値及び操業条件
の指示値)で製造した場合の製品材質を推定するととも
に、その推定誤差も併せて求める。
【0019】また、製造条件作成手段202は、材質推
定手段204に材質推定を行うように指示するととも
に、材質推定手段が求めた材質推定値および推定誤差を
用いて、要求仕様を満足するすべての製造条件を複数の
製品に対して算出する。
【0020】更に、チャージ編成手段208は、前記製
造条件作成手段202が算出した製造条件の中からチャ
ージ編成が可能となる製造条件を抽出して出力するもの
である。
【0021】次に、上記材質推定手段204について詳
細に説明する。材質推定手段204は図5に示すよう
に、入力変数限定手段204A、材質推定計算手段20
4B、及び、入力変数限定ルール格納千段204Cを備
えている。
【0022】前記入力変数限定ルール格納手段204C
には、多数の入力変数の中から製品材質の推定に使用す
る入力変数を選択するためのルールが格納されている。
即ち、製品の材質に影響を与える要因には、素材(鋳
片)の化学成分(含有元素、含有量等)、加熱条件(鋼
材抽出温度、在炉時間等)、圧延条件(鋼材温度履歴、
圧延寸法、圧下率、圧延速度等)、冷却条件(鋼材温度
履歴、冷却速度等)、熱処理条件(炉内温度履歴、炉内
雰囲気等)等、非常に多くのものがあり、例えば50〜
100にも昇る。このような多数の材質影響要因を有す
る対象に対して、全ての材質影響要因を変数(入力変
数)として材質推定を行うと、入力空間の次元が多すぎ
て推定に非常に長い時間を要することから、材質推定に
使用する入力変数を選択することで推定に要する時間の
短縮を図る。そのためのルールを格納するのが入力変数
限定ルール格納手段204Cである。例えば、材質を作
り込む冶金プロセスには、素材のある成分Aは、ある含
有量a以上にならないと材質に影響しないという特性が
ある。従って、入力変数Aは入力値a以上の入力空間領
域では材質推定に用いるが、入力値a未満の領域では用
いない。このように入力変数の特性に着目して、入力空
間の領域により、入力変数を限定することができる。こ
うした入力変数限定ルールは、様々な方法で作成でき
る。例えば、物理現象に関する先見情報を蓄積したルー
ルを予め作成しておくことができる。あるいは、決定木
などにより、蓄積したデータから自動的にルールを作成
することもできる。
【0023】入力変数限定手段204Aは、材質を推定
しようとする製品に関する入力情報、即ち、素材の成分
指示値(含有元素、含有量等)及び製造プロセス12に
おける加熱条件(鋼材抽出温度、在炉時間等)、圧延条
件(鋼材温度履歴、圧延寸法、圧下率、圧延速度等)、
冷却条件(鋼材温度履歴、冷却速度等)、熱処理条件
(炉内温度履歴、炉内雰囲気等)などの操業条件の指示
値を基に、入力変数限定ルールを参照して材質推定に使
用する入力変数を選択・限定し、この結果を材質推定計
算手段204Bに出力する。更に、入力された各指示値
の中から限定された入力変数に対応する指示値を抽出し
て、材質推定計算手段204Bに出力する。
【0024】材質推定計算手段204Bは、入力変数限
定手段204Aで選択された入力変数を用いて距離関数
(後述)を定義し、この距離関数を用いて、製造情報記
憶手段206に貯蔵されているデータの中から、入力値
に近いデータを有する事例を複数個抽出する。そして抽
出された事例の材質実績値を用いて、材質を推定して出
力する。併せて、推定誤差も出力する。
【0025】ここで、上記製造条件作成装置20は1つ
の計算機の中に構築することもできるが、複数計算機で
構築するようにしてもよい。
【0026】以上の構成からなる鋼材の製造条件作成装
置を用いて、鋳造におけるチャージ編成手順を、図6を
参照して説明する。
【0027】まず、ステップSlで、ある要求仕様を有
する製品Pjに関する、素材成分の指示値及び操業条件
の指示値を製造条件作成装置20に入力する。ここで入
力する各指示値は特に厳密さは必要なく、経験や過去の
実績等から適宜決定すればよい。また、この入力は人間
が行ったり、他の計算機から行うようにしたり、あるい
は、製造条件作成開始の入力があった時点で、製造条件
作成装置自身に自動生成させるなど、いかようにしても
よい。
【0028】次にステップS2で、初期入力された製品
Pjに関する指示値をもとに、製造条件作成手段202
は、材質推定手段204に製品材質の推定を行うよう指
令を出し、材質推定手段204は、図7に示すサブルー
チンに従って材質の推定を行う。
【0029】即ち、まずステップS21で、入力変数限
定手段204Aは入力変数限定ルール格納手段204C
に格納されているルールを参照して、ステップSlで入
力された製品Pjに関する指示値(素材の成分とその含
有量、加熱炉における鋼材抽出温度や在炉時間、熱間圧
延における圧延温度、圧下率、寸法、及び圧延速度、そ
の他各種製造条件)を基に、材質に対する影響が大きい
入力変数を選択する。例えば、素材成分中の不可避的不
純物Pは通常含有量が0.01質量%以下であれば製品
の材質に悪影響を及ぼさないが、これより多く含有され
ると材質に影響を与えるというルールがあれば、入力さ
れたPの含有量が0.006質量%の場合は、Pは入力
変数とはされないが、0.02質量%であれば、入力変
数として選択されることになる。このようにして限定さ
れた入力変数、及びこれらの入力変数に相当する入力値
(指示値)は材質推定計算手段204Bに供給される。
【0030】次いで、ステップS22に進み、材質推定
計算手段204BはステップS21で抽出された入力変
数、入力値、及び製造情報記憶手段206に格納された
データ中で前記抽出された入力変数に対応するデータを
用いて、距離関数を定義する。距離関数としては、例え
ば、選択された入力変数の数に相当する次元を有する空
間おけるユークリッド距離を用いることができる。ユー
クリッド距離Lは、入力された指示値を(X10、X2
0、・・・)とし、製造情報記憶手段206内のデータ
を(X1、X2、・・・)とすると、次式で表わされ
る。
【0031】 L=[w1(X1−X10)2+w2(X2−X20)2+・・・]1/2 ・・・(1)
【0032】ここで、wiは重み係数であり、例えば、
入力値が材質(即ち出力値)に与える影響を多重回帰分
析により求めることができる。
【0033】そして、上記(1)式に基づいて製造情報
記憶手段206に貯蔵されている各事例のデータと入力
値の間の距離を計算する。この距離は貯蔵されている事
例の数だけ算出される。
【0034】次いでステップS23に進み、図8に示す
如く、入力値の近傍にある事例のデータを製造情報記憶
手段206に蓄積されているデータから取得する。これ
には様々な方法があるが、例えば製造情報記憶手段20
6の中のデータで、前記(1)式で計算した距離Lが小
さい方からN個(Nは予め定めた定数)の事例のデータ
を入力値近傍にある事例のデータと定義することができ
る。
【0035】次いでステップS24に進み、入力値の近
傍にある取得された事例のデータか材質に関連するデー
タ(図4の材質1〜材質Mの実績値)を用いて、その入
力値に対する材質推定値(出力値)とその推定誤差を計
算する。
【0036】これには、様々な方法があるが、例えば上
記のようにして取得された材質に関連する実績データの
平均値[材質11〜[材質M]を次式で算出し、これら
を材質推定値として出力し、同じくそれらの標準偏差を
計算し、推定誤差として出力することができる。あるい
は、特開平6−95880に記載されているように、近
傍の事例との類似度を評価することもできる。
【0037】 [材質1]=Σ材質1i/N [材質2]=Σ材質2i/N ・・・・・・・・・・・ [材質M]=Σ材質Mi/N ・・・(2) ここで、i=1〜N
【0038】出力値(材質推定値)としては、例えば、
引張強度、降伏点、伸び、シャルピー吸収エネルギーな
どの材質を表わす出力変数を用いることができる。
【0039】上述のステップS23、S24の処理は、
いずれも材質推定計算手段204Bが行い、その結果は
製造条件作成手段202に出力される。
【0040】次に図6のステップS3に進み、材質推定
手段204が求めた材質推定値及び推定誤差を用いて、
製造条件作成手段202は、下記式に基づく判定、即
ち、推定誤差を考慮した材質推定値が要求仕様の許容範
囲内かどうかを判定する。
【0041】 要求仕様の下限値≦材質推定値士推定誤差≦要求仕様の上限値 ・・・(3)
【0042】(3)式を満足した場合には、ステップS
4に進んで、上記判定に使用した製造条件指示値を図示
しない記憶手段に記憶し、ステップS5に進む。一方、
ステップS3で(3)式を満足しなかった場合には、ス
テップS5に飛ぶ。
【0043】ステップS5では、取り得る製造条件指示
値の全てについて、材質推定を行ったか否かを判定し、
判定結果が否である場合にはステップS6に進み、下記
(4)式、(5)式に従って製造条件指示値を変更し、
ステップS2に戻る。
【0044】
【数1】
【0045】式中のα、βは各成分、各操業条件の増減
分であり、予め実験的、経験的に決めておく必要があ
る。〈 〉は、この〈 〉中のいずれか1つを選択する
ことを意味する。成分1を例にとれば、現在の成分1の
指示値[成分1]iにα1だけ増加させて新指示値[成
分1]i+1とするケース、α1だけ減じて新指示値[成
分1]i+1とするケース、あるいは、[成分1]iをその
まま新指示値[成分1] i+1とするケースがある。
【0046】一方、ステップS5において、取り得る製
造条件指示値の全てについて、材質推定を行ったと判定
された場合にはステップS7に進み、チャージ編成手段
208は、ステップ4で保存されている、要求仕様を満
足する製造条件が得られた製品の個数が、チャージ編成
の検討を行うに足るかどうかを判定する。否と判定され
た場合は、ステップSlに戻り、別の製品に対して同様
の処理を行う。
【0047】ステップS7で正と判定された場合にはス
テップS8に進み、これまでに保存されているデータを
用いて素材の成分が同じである製品を選択し、ステップ
S9に進む。このステップでは、該選択された製品の個
数が、チャージ編成を行うに足るかどうかを判定する。
チャージ編成が可能と判断されれば、ステップS10で
それら各製品の製造条件指示値を出力して終了する。チ
ャージ編成ができない場合には、ステップSlに戻り、
他の製品に対して同様の処理を行うことになる。
【0048】ここでチャージ編成について、図9を用い
て詳細に説明する。
【0049】要求仕様を満足する製造条件指示値が得ら
れた製品として、P1、P2、〜、P6が保存されてい
るとする。また、製品P1に対する要求仕様を満足する
製造条件指示値には5通りが存在し、素材成分指示値と
しては、図示のように成分A〜Eがある。製品P2につ
いては、要求仕様を満足する製造条件指示値には3通
り、成分指示値としては成分B,D,Fがある。製品P
3〜P6についても同様である。これらの中から、最も
多くの製品について素材成分指示値が同じになっている
ものを選択する。この例では成分Dが5つの製品に共通
しており、最多である。従って、チャージ編成に必要な
製品数5を満足することから、製品P1、P2、P4、
P5、P6を1チャージ分として編成することができ
る。そこで、製造条件作成装置20は、製品Pl、P
2、P4、P5、P6に関する素材成分及び製造条件の
指示値を出力することになる。
【0050】そして、該出力結果に基づいて、成分指示
値を成分Dとして鋼を溶製し、鋳造して素材としての鋳
片を得る。次いで、同時に出力された操業条件指示値を
もとに製造プロセス(加熱、熱延、冷却、熱処理等)の
各操業条件を設定してその条件下で製造することによ
り、要求仕様を満足する製品P1、P2、P4、P5、
P6を得ることができる。なお、製品P3に関しては、
同一チャージに組み込むことができないから、別の製品
と組み合わせ可能となるまで、製品P3のデータは保存
されることになる。
【0051】なお、上記のようにして得られた製造条件
指示値は、製造情報記憶手段206に記憶するようにし
ておけば、これに対応する製造条件実績値と材質実績値
を収集するだけで、事例を追加できる。
【0052】次に本発明による第2の実施形態について
述べる。
【0053】この実施形態に係る製造条件作成装置2
0′を図10に示す。前述した第1の実施形態に係る製
造条件作成装置20とは、製造条件推定手段210を付
加した点で異なり、その他についてはほぼ同様の構成で
あるので、製造条件推定手段210を中心に説明し、そ
の他の説明は省略する。
【0054】製造条件推定手段210は、製造条件作成
手段202からの指令があると、製造情報記憶手段20
6に蓄積されている、過去に製造した製品毎の素材成分
の指示値とその実績値、及び、製造条件の指示値とその
実績値、を基に製造実績推定モデルを作成し、このモデ
ルを用いて、新たに製造しようとする製品の素材成分の
指示値と製造条件の指示値に対する実績値を推定する
(実際に製造した場合の実績値を意味するのではなく、
現在の操業実力で製造すれば、こうなるであろうと推定
される実績推定値を算出する)と同時に、その結果を材
質推定手段202へ出力する。
【0055】前述の第1実施形態では、製造条件指示値
を用いて材質を推定するようにしているが、本実施形態
では、製造実績推定モデルで推定した製造実績推定値を
用いて材質を推定するようにしているので、製造条件指
示値に対する製造実績のバイアスやばらつきに起因する
誤差を排除することができる。
【0056】上記製造実績推定モデルは、例えば、図1
1に示すように、製造情報記憶手段206に蓄積された
事例300個のデータを用いて、各パラメータ毎に、製
造条件の指示値を横軸(入力)とし、製造条件の実績値
を縦軸(出力)として最小2乗法で線形回帰式を作成し
て、これをモデルとすることができる。
【0057】さらにこの製造実績推定モデルは、製造情
報記憶手段206に新たな事例が蓄積される毎に、事例
300個のなかで、最も古い事例を削除するようにし
て、該モデルを更新するように構成することができる。
このように構成することで、該モデルは現在の操業実力
を反映したものとなり、従って操業実力の経年変化にも
対応することが可能となる。なお、本実施形態による製
造条件作成装置20′は1つの計算機の中に構築するこ
ともできるが、複数計算機で構築するようにしてもよ
い。
【0058】図12に本実施形態での、製造条件を作成
するための手順を示す。図6に示したフローチャートに
ステップS11を追加したものであり、説明は省略す
る。
【0059】上記2つの実施形態においては、製造情報
記憶手段に蓄積されている事例を、特にクラスタリング
していないが、素材成分、操業条件が広範囲にわたる場
合には事例を近いグループにクラスタリングし、各グル
ープ毎のデータベースを製造情報記憶手段206に構築
するようにしてもよい。例えば、成分Cの含有量に応じ
て、極低炭素鋼、低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼のよう
なグループにクラスタリングすることが考えられる。こ
れによれば、信頼性の高い推定値を得ることができ、ま
た、推定に要する時間を更に短縮することができる。
【0060】また、製造条件作成装置への過去の事例収
集は、製造実績収集装置22、材料試験実績収集装置2
4が行うことで説明したが、これに限らず、人間が直接
入力してもよいし、フレキシブルディスクなどの記録媒
体を介してもよい。
【0061】さらに、材質推定値の推定誤差は材質推定
計算手段204Bが計算、出力することで、説明した
が、別の手段が行うようにしてもよい。
【0062】なお、製造情報記憶手段206は、素材の
指示値と実績値、操業条件の指示値と実績値、及び、材
質実績値を蓄積することで説明したが、第1実施形態で
は、素材の指示値及び操業条件の指示値は使用しないか
ら、これらを必ずしも蓄積する必要はない。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、鋼材製品に対する要求
仕様に基づいて、鋳造におけるチャージ編成を行うこと
のできる鋼材の製造条件を精度よくかつ容易に作成する
ことができる。
【0064】また、製造条件を作成する際、製造条件推
定手段による製造条件の実績推定値を用いる場合には、
より製造設備の実力を反映してチャージ編成が行える。
【0065】さらにこの際、製造条件推定手段が最新の
製造条件の指示値と実績値を用いることで、操業実力の
変動にも的確に対応できる。
【0066】なお、製造条件を作成するにあたって使用
する材質推定手段として、材質に与える影響の大きい入
力変数を限定する入力変数限定手段と、限定した入力変
数を用いて作成した距離関数を基に材質推定値及びその
推定誤差を計算し、出力する材質推定計算手段と、を有
するものを用いることで、高精度の製造条件を作成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実現するに好適な装置構成を示すブロ
ック図
【図2】図1の装置構成において、過去の製造情報を収
集している様子を示すブロック図
【図3】第1の実施形態による製造条件作成装置を示す
ブロック図
【図4】前記実施形態で用いられる材質データベースの
例を示す図表
【図5】材質推定手段を示すブロック図
【図6】製造条件作成の手順を示す流れ図
【図7】材質推定の手順を示す流れ図
【図8】入力データの近傍の事例データから局所的に推
定するモデルを示す図
【図9】チャージ編成を示す模式図
【図10】第2の実施形態による製造条件作成装置を示
すブロック図
【図11】製造条件推定モデルを示す図
【図12】製造条件作成の手順を示す流れ図
【符号の説明】
10…素材 12…製造プロセス 14…製品 20…製造条件作成装置 22…製造実績収集装置 24…材料試験実績収集装置 202…製造条件作成手段 204…材質推定手段 206…製造情報記憶手段 208…チャージ編成手段 210…製造条件推定手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過去に製造した製品毎に、素材成分と操業
    条件の実績値、及び、材質実績値を事例として蓄積する
    製造情報記憶手段と、 入力される素材成分及び操業条件の指示値に基づいて製
    品を製造した時に得られる材質を、前記製造情報記憶手
    段に蓄積されたデータを利用して推定する材質推定手段
    と、 該材質推定手段から出力された材質推定値とその推定誤
    差から、要求仕様を満足する製品を製造することが可能
    な素材成分及び操業条件の指示値を出力する製造条件作
    成手段と、 該製造条件作成手段からの出力値をもとにチャージ編成
    を行い、そのチャージを構成する素材成分の指示値と操
    業条件の指示値とを出力するチャージ編成手段と、 を備えたことを特徴とする鋼材の製造条件作成装置。
  2. 【請求項2】過去に製造した製品毎に、素材成分と操業
    条件それぞれの指示値と実績値、及び、材質実績値を事
    例として蓄積する製造情報記憶手段と、 前記製造情報記憶手段に蓄積されたデータから製造実績
    推定モデルを作成し、該モデルを用いて、入力される素
    材成分及び操業条件の指示値をもとに素材成分の実績値
    と操業の実績を推定する製造条件実績推定手段と、 該製造条件実績推定手段から出力された素材成分実績推
    定値と操業条件実績推定値を用いて、前記製造情報記憶
    手段に蓄積されたデータを利用して製品材質を推定する
    材質推定手段と、 該材質推定手段から出力された材質推定値とその推定誤
    差から、要求仕様を満足する製品を製造することが可能
    な素材成分及び操業条件の指示値を出力する製造条件作
    成手段と、 該製造条件作成手段からの出力値をもとにチャージ編成
    を行い、そのチャージを構成する素材成分の指示値と操
    業条件の指示値とを出力するチャージ編成手段と、 を備えたことを特徴とする鋼材の製造条件作成装置。
  3. 【請求項3】前記製造条件実績推定手段が作成する製造
    実績推定モデルは最新データを用いて更新されているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の鋼材の製造条件作成装
    置。
  4. 【請求項4】前記材質推定手段は、 材質に与える影響の大きい入力変数をルールに従って限
    定する入力変数限定手段と、 該限定した入力変数を用いて距離関数を定義し、この距
    離関数を用いて前記製造情報記憶手段に蓄積されている
    素材成分実績値と操業条件実績値を用いて入力値との距
    離を計算し、計算した距離に基づいて入力値に近い事例
    を抽出し、該抽出された事例の材質実績値から材質の推
    定値及びその推定誤差を計算し、出力する材質推定計算
    手段と、 を備えてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の製造条件作成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003268428A (ja) * 2002-03-08 2003-09-25 Jfe Steel Kk 鋼材の製品品質制御装置
JP2017120638A (ja) * 2015-12-24 2017-07-06 Jfeスチール株式会社 結果予測装置及び結果予測方法
JP2017120640A (ja) * 2015-12-24 2017-07-06 Jfeスチール株式会社 電磁鋼板の磁気特性予測装置及び磁気特性制御装置

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