JP2003238950A - 無機蛍光体の製造方法及び製造装置並びに無機蛍光体 - Google Patents

無機蛍光体の製造方法及び製造装置並びに無機蛍光体

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JP2003238950A
JP2003238950A JP2002036269A JP2002036269A JP2003238950A JP 2003238950 A JP2003238950 A JP 2003238950A JP 2002036269 A JP2002036269 A JP 2002036269A JP 2002036269 A JP2002036269 A JP 2002036269A JP 2003238950 A JP2003238950 A JP 2003238950A
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inorganic phosphor
inorganic
producing
reaction furnace
phosphor
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Application number
JP2002036269A
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English (en)
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Takayuki Suzuki
隆行 鈴木
Satoshi Ito
聡 伊藤
Naoko Furusawa
直子 古澤
Hisahiro Okada
尚大 岡田
Hideki Hoshino
秀樹 星野
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱分解反応炉の耐久性が優れ、製造過程で繰り
返しの熱衝撃を与えても、割れたりせず、また焼成むら
が発生することがなく、製造安定性に優れた無機蛍光体
の製造方法及び製造装置並びに十分な発光特性を有する
無機蛍光体を提供することである。 【解決手段】無機蛍光体の構成元素を含有する溶液、及
び/又は無機蛍光体前駆体を含有する懸濁溶液を、キャ
リヤガスと共に液滴状にして熱分解反応炉内に導入し加
熱することで行う無機蛍光体の製造方法において、該熱
分解反応炉が1×10−6/℃以下の線膨張率である素
材で構成されることを特徴とする無機蛍光体の製造方法
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機蛍光体の製造方
法及び製造装置並びに無機蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプ、表示装置の1例であるPD
P(プラズマディスプレイ)、エレクトロルミネッセン
ス装置及び能動発光液晶装置などに用いられる無機蛍光
体は、従来、原料粉末を混合したものを坩堝などの焼成
容器に入れた後、高温で長時間加熱することにより固相
反応を起こさせ、それをボールミルなどで微粉砕するこ
とにより製造されてきた。
【0003】然しながら、このような方法で製造された
蛍光体は、不規則形状粒子が凝集した粉末から成ってお
り、この蛍光体を上記用途に使用した場合には、蛍光体
を塗布して得られる蛍光膜が不均質で充填密度の低いも
のとなるために発光特性などに問題があった。また、固
相反応後のボールミルなどによる微粉砕処理中におい
て、蛍光体に対し物理的及び化学的な衝撃が加えられる
ために、粒子内や表面に欠陥が発生して発光強度が低下
するという不都合があった。更には、坩堝などの焼成容
器に入れて高温で長時間加熱するために、坩堝からの不
純物の混入による発光特性の低下が起こることや、原料
粉末の粒度によっては固相反応が十分に進行せずに不純
物相が混在して発光特性の低下を招くことがあった。ま
た、高温で長時間加熱する際の消費エネルギーが大きい
ために、蛍光体の製造コストを高くしていた。
【0004】近年、表示装置の高解像度化に伴い、紫外
光で励起され、小粒径で、且つ、発光強度の高い無機蛍
光体への市場ニーズが高くなってきているが、今だ満足
すべきレベルのものが得られてはいないのが現状であ
る。
【0005】上記の問題を解決するために特開2000
−87033、特開2000−96048、特開200
0−109825などに、噴霧熱分解法による、無機蛍
光体製造方法が開示されている。噴霧熱分解法に使用す
る熱分解反応炉は、加熱時に腐食性ガスや、高反応性ガ
スを発生したり、熱分解反応炉と化学反応を起こした
り、融着を起こすなどの特性を有する被加熱物に対して
これらの弊害を防ぐためにセラミックス系の材質からな
る熱分解反応炉が多用されている。
【0006】然し、本発明者等の研究によれば、熱分解
反応炉が割れたりすることがあったり、焼成むらが発生
してしまうということが判った。そこで、十分な発光特
性を有すると共に、製造安定性に優れた無機蛍光体の製
造方法について研究を続けた結果、熱分解反応炉が割れ
たりするのは、加熱部と非加熱部との温度差が大きく、
熱衝撃によることが原因であることが、判明した。ま
た、焼成むらについても、熱分解反応炉の素材ないし材
料が原因であることを突き止めた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記から明らかなよう
に、本発明の課題は、熱分解反応炉の耐久性が優れ、製
造過程で繰り返しの熱衝撃を与えても、割れたりせず、
また焼成むらが発生することがなく、製造安定性に優れ
た無機蛍光体の製造方法及び製造装置並びに十分な発光
特性を有する無機蛍光体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、下記構成を有する。 1.無機蛍光体の構成元素を含有する溶液、及び/又は
無機蛍光体前駆体を含有する懸濁溶液を、キャリヤガス
と共に液滴状にして熱分解反応炉内に導入し加熱するこ
とで行う無機蛍光体の製造方法において、該熱分解反応
炉が1×10−6/℃以下の線膨張率である素材で構成
されることを特徴とする無機蛍光体の製造方法。
【0009】2.熱分解反応炉が、1×10−6/℃以
下の線膨張率である素材を50重量%以上含有する材料
で構成されることを特徴とする前記1に記載の無機蛍光
体の製造方法。
【0010】3.1×10−6/℃以下の線膨張率であ
る素材がチタン酸アルミナであることを特徴とする前記
1又は2に記載の無機蛍光体の製造方法。
【0011】4.得られる無機蛍光体の平均粒径を1.
0μm以下に調整することを特徴とする前記1〜3のい
ずれかに記載の無機蛍光体の製造方法。
【0012】5.無機蛍光体が140nm〜400nm
に励起波長を有することを特徴とする前記1〜4のいず
れかに記載の無機蛍光体の製造方法。
【0013】6.無機蛍光体前駆体を液相法により製造
することを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の無
機蛍光体の製造方法。
【0014】7.前記1〜6のいずれかに記載の無機蛍
光体の製造方法により製造されたことを特徴とする無機
蛍光体。
【0015】8.無機蛍光体の構成元素を含有する溶液
及び/又は無機蛍光体前駆体を含有する懸濁溶液を、キ
ャリヤガスと共に液滴状にして熱分解反応炉に導入して
加熱することで行われる無機蛍光体の製造装置におい
て、該熱分解反応炉が1×10 /℃以下の線膨張率
である素材で構成されることを特徴とする無機蛍光体の
製造装置。
【0016】9.熱分解反応炉が、1×10−6/℃以
下の線膨張率である素材を50重量%以上含有する材料
で構成されることを特徴とする前記8に記載の無機蛍光
体の製造装置。
【0017】10.1×10−6/℃以下の線膨張率で
ある素材がチタン酸アルミナであることを特徴とする前
記8又は9に記載の無機蛍光体の製造装置。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の無機蛍光体の製造方法において、無機蛍光体の
構成元素を含有する溶液を作成するために用いられる原
料は、これらの元素を含有する塩や有機金属化合物な
ど、水やアルコールなどに可溶であり、しかも、必要に
より高温に加熱した際に酸化物或いは硫化物に分解反応
する原料ならば、何れのものでも使用することができ
る。然し、蛍光体の合成を容易にするためには、硝酸塩
など、加熱により容易に分解する原料が好ましい。ま
た、良好な発光特性を得るためには、キラーセンターと
なる鉄やニッケルなどの不純物元素の少ない原料が好ま
しい。
【0019】無機蛍光体の構成元素を含有する溶液の濃
度は、溶解する範囲内ならばよいが、蛍光体組成換算
で、0.005mol/L〜3mol/Lが好ましく、
より好ましくは0.01mol/L〜0.4mol/L
である。上記範囲内において、所望の蛍光体粒子の直径
に対する超音波噴霧などにより形成される液滴の直径に
従って調整される。即ち、蛍光体粒子直径に対する液滴
直径の比が大きければ、溶液内の溶質濃度を低くし、そ
の比が小さければ溶質濃度を高く調整する。また、溶媒
種は原料が溶解し、目的とする蛍光体が合成できれば何
を用いてもよいが、アルコール、水などが特に好ましく
用いられる。
【0020】無機蛍光体の構成元素を含有する溶液は、
無機蛍光体の構成元素以外の物質を含有してもよく、例
えば、溶液に少量のフラックス(融剤)を添加すると熱
分解反応時に比較的低温度で短時間に結晶性の高い蛍光
体球状粒子が生成するので、予めフラックスを溶液中に
溶解しておいてもよい。
【0021】次に、無機蛍光体前駆体を含有する懸濁溶
液について説明する。無機蛍光体前駆体とは加熱処理前
の無機蛍光体原料混合物であり、無機蛍光体前駆体を調
製する工程は、公知の方法を用いて製造できるが、最終
的に得られる無機蛍光体の発光強度の良好なものを製造
する観点からは、製造時に機械的破砕工程を経ない、つ
まりビルドアップ法で合成されるものが好ましく、特に
液相法が好ましい。
【0022】無機蛍光体前駆体を含有する懸濁溶液は、
無機蛍光体前駆体以外の物質を含有してもよく、例え
ば、反応温度が高く、組成に影響しにくい、アルミナな
どを添加し、焼結防止効果を得ることもできるし、ま
た、少量のフラックス(融剤)を添加すると熱分解反応
時に比較的低温度で短時間に結晶性の高い蛍光体粒子が
生成するので、フラックスを懸濁液に添加しておいても
よい。更に、溶媒種は無機蛍光体前駆体を懸濁させ、目
的とする蛍光体が合成できれば何を用いてもよいが、ア
ルコール、水などが特に好ましく用いられる。
【0023】本発明に係る液相法について説明する。本
発明に係る液相法としては、ゾルゲル法、晶析法が好ま
しい。
【0024】本発明に係るゾルゲル法とは、一般的には
母体又は賦活剤又は共賦活剤に用いる元素(金属)を、
例えば、Si(OCHやEu3+(CHCOC
HCOCH等の金属アルコキシドや金属錯体又は
それらの有機溶媒溶液に金属単体を加えて作るダブルア
ルコキシド(例えば、Al(OCの2−ブタ
ノール溶液に金属マグネシウムを加えて作るMg[Al
(OCなど)、金属ハロゲン化物、有機
酸の金属塩、金属単体として必要量混合し、熱的又は化
学的に重縮合することによる製造方法を意味する。
【0025】本発明に係る晶析法とは、冷却、蒸発、p
H調節、濃縮等による物理的又は化学的な環境の変化、
或いは化学反応によって混合系の状態に変化を生じる場
合などにおいて液相中から固相を析出させることであ
り、一般に晶析現象といわれているが、この様な晶析現
象発生を誘引する物理的、化学的操作を施す製造方法を
意味する。
【0026】液滴の形成は、様々な噴霧方法により実施
可能である。例えば、加圧空気で液体を吸い上げながら
噴霧して1〜50μmの液滴を形成する方法、圧電結晶
からの2MHz程度の超音波を利用して4〜10μmの
液滴を形成する方法、穴径が10〜20μmのオリフィ
スが振動子により振動し、そこへ一定の速度で供給され
ている液体が振動数に応じて一定量ずつ穴から放出され
5〜50μmの液滴を形成する方法、回転している円板
上に液を一定速度で落下させて遠心力によってその液か
ら20〜100μmの液滴を形成する方法、液体表面に
高い電圧を印加して0.5〜10μmの液滴を発生する
方法などが採用できる。
【0027】サブミクロンオーダーの粒径の揃った蛍光
体を製造するには、液滴径の比較的均一な4〜10μm
の液滴を形成できる超音波を利用する噴霧方法が特に好
ましい。
【0028】噴霧液滴の供給は1個所からでもよく、複
数個所からでもよい。供給位置は必要に応じて熱分解反
応炉のどこに設けてもよい。またその際の供給液は反応
性の違いなどにより、元素毎に分割してもよく、粒経制
御のために、全く同じ液を数個所から供給してもよい。
【0029】形成した液滴は、キャリアガスにより熱分
解反応炉内に導入されて加熱されることにより蛍光体粒
子となる。キャリアガスの種類、キャリアガス流量、熱
分解反応炉内の温度など加熱速度に影響を与える因子に
より、中空の球、ポーラス、中の詰まった粒子、破砕さ
れた粒子などと生成する粒子の形態及び表面状態が変化
する。キャリアガスとしては不活性ガス、還元性ガス、
酸化性ガス、硫黄雰囲気など、目的に合わせて選ぶこと
ができる。
【0030】熱分解反応は、例えば600〜1800℃
の範囲内の温度で加熱することによって行われる。この
時の熱分解反応温度が低すぎると、反応が十分に進まな
い。一方、熱分解反応温度が高すぎると、不要なエネル
ギーを消費する。従って、熱分解反応炉内での加熱温度
が800〜1400℃の範囲内にすると、反応の十分に
進んだ中の詰まった粒子が得られるので好ましい。
【0031】熱分解反応は、0.1秒〜10分の範囲内
の滞留時間で行うのが好ましい。反応時間が短すぎる
と、反応が十分に進まない。一方、反応時間が長すぎる
と、不要なエネルギーを消費する。特に、熱分解反応炉
内での滞留時間が10秒以上1分以内にすると、反応の
十分に進んだ粒子を不要なエネルギーを消費することな
く効率よく生産できる。
【0032】熱分解反応炉内で加熱する工程の後、焼結
防止剤を混合し、更に600〜1800℃の範囲内の温
度で0.1秒〜24時間の範囲内の時間だけ再加熱処理
してもよい。再加熱温度を1000〜1600℃にする
と、高い発光特性を示し、しかも、凝集粒子の少ない蛍
光体を得ることができるのでより好ましい。また、再加
熱時間を30分〜10時間にすると、高い発光特性を示
し、しかも、凝集粒子の少ない蛍光体を得ることができ
るので、より好ましい。
【0033】添加する焼結防止剤は、アルミナやシリカ
などの金属酸化物、界面活性剤や、ポリマーなどの有機
物など、一般的なものが使用できる。また、再加熱の温
度を低くし、短時間に結晶性の高い蛍光体粒子を生成さ
せる目的で、フラックス(融剤)を添加してもよい。
【0034】熱分解反応炉は直径0.1cm〜1m、長
さ1cm〜10m、厚み0.1cm〜10cmの円筒
に、導入部をつけた形が望ましい。また、熱源は、目的
温度に達すれば何を用いてもよく、ニクロム線や、炭化
珪素などが利用できる。応答速度、耐久性などを考え、
炭化珪素などを用いることが望ましい。また、熱分解反
応炉は単独で用いてもよく、生産性を考慮して複数本並
列に用いてもよい。更に、熱分解反応炉の強度が足りな
くて、所望の長さが得られず、滞留時間が満たない場合
は直列に使用してもよい。
【0035】本発明においては、熱分解反応炉に線膨張
率が1×10−6/℃以下の素材を用いることが特徴で
ある。好ましくは、線膨張率が0.5×10−7/℃〜
0.7×10−6/℃である素材を用いること、又は、
線膨張率が1×10−6/℃以下である素材を50重量
%以上含有する材料を用いることである。
【0036】線膨張率が1×10−6/℃以下である素
材を50重量%以上含有する材料としては、線膨張率が
1×10−6/℃以下である素材が少なくとも1種以上
含有されることであり、且つ線膨張率が1×10−6
℃以下である素材の合計が50重量%以上であればよ
い。また線膨張率が1×10−6/℃を超える素材を少
なくとも1種以上含有してもよいが、この場合は線膨張
率が1×10−6/℃を超える素材の合計が50重量%
未満であればよい。
【0037】本発明において、線膨張率が1×10−6
/℃以下の素材ないし材料としては、石英ガラス(線膨
張率が5.5×10−7/℃)、チタン酸アルミナ(A
TiO)(線膨張率が5.2×10−7/℃)な
どが特に好ましく用いられる。
【0038】加熱処理後の無機蛍光体の捕集方法はフィ
ルター、バグフィルター、電気集塵器、DMA、サイク
ロン、液状トラップなど、合成された蛍光体の特性に応
じて、既存のあらゆる方法を用いることができる。
【0039】次に、本発明に係る無機蛍光体製造装置に
ついて説明する。図1は、本発明に係る無機蛍光体の製
造装置の1例を示す概略図である。図1に示す無機蛍光
体の製造装置1は、熱分解反応炉2、熱源3、噴霧ノズ
ル4、粉体捕集装置5、導入管6、排出管7、粉体取り
出し部8を主な構成要素とする。
【0040】図1において、熱分解反応炉2は熱源3に
よって加熱され、熱分解反応炉2内に投入された液滴状
の無機蛍光体の構成元素を含有する溶液及び/又は無機
蛍光体前駆体を含有する懸濁溶液の加熱処理が行われ、
小粒径で発光強度の高い本発明の無機蛍光体が製造され
る。
【0041】また、熱分解反応炉2の内部にキャリアガ
スと無機蛍光体の構成元素を含有する溶液及び/又は無
機蛍光体前駆体を含有する懸濁溶液を導入し得るよう
に、導入管6が接続し、更に粉体捕集装置にはガス排出
管7が接続している。そして、本発明においては、熱分
解反応炉に線膨張率が1×10−6/℃以下である素材
を用いることが特徴である。好ましくは、線膨張率が
0.5×10−7/℃〜0.7×10−6/℃である素
材を用いること、又は、線膨張率が1×10−6/℃以
下である素材を50重量%以上含有する材料を用いるこ
とである。
【0042】線膨張率が1×10−6/℃以下である素
材を50重量%以上含有する材料としては、線膨張率が
1×10−6/℃以下である素材が少なくとも1種以上
含有されることであり、且つ線膨張率が1×10−6
℃以下である素材の合計が50重量%以上であればよ
い。また線膨張率が1×10−6/℃を超える素材を少
なくとも1種以上含有してもよいが、この場合は線膨張
率が1×10−6/℃を超える素材の合計が50重量%
未満であればよい。
【0043】本発明において、線膨張率が1×10−6
/℃以下の素材ないし材料としては、石英ガラス(線膨
張率が5.5×10−7/℃)、チタン酸アルミナ(A
TiO)(線膨張率が5.2×10−7/℃)な
どが特に好ましく用いられる。
【0044】次に、本発明に係る平均粒径が1.0μm
以下である無機蛍光体について説明する。本発明に係る
無機蛍光体は、平均粒径が1.0μm以下と小さな粒径
でありながら、発光強度の高い無機蛍光体であることが
特徴である。ここで、前記無機蛍光体の平均粒径として
は、0.8μm以下であることが好ましく、更に好まし
くは0.1〜0.6μmである。
【0045】上記の平均粒径は、球換算粒径であり、球
換算粒径とは、粒子の体積と同体積の球を想定し、該球
の粒径をもって表わした粒径である。ここで、本発明に
係る無機蛍光体の粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)
又は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定できる。
【0046】また、本発明に係る無機蛍光体は、1.0
μm以下の粒径の粒子が、質量で全粒子の50%以上を
占める無機蛍光体であり、最も好ましくは、1.0μm
以下の粒径の粒子が、質量で全粒子の70%以上を占め
る無機蛍光体である。
【0047】更に、平均粒径が1.0μm以下の粒子の
粒径分布の変動係数が50%以下である無機蛍光体が好
ましく、変動係数が30%以下である無機蛍光体が最も
好ましく用いられる。ここで粒径分布の変動係数(粒子
分布の広さ)とは、下式によって定義される値である。
【0048】粒径分布の変動係数(粒子分布の広さ)
[%]=(粒径の標準偏差/平均粒径)×100
【0049】次に、本発明に係る140nm〜400n
mに励起波長を有する無機蛍光体について説明する。1
40nm〜400nmに励起波長を有する無機蛍光体
は、その応用範囲が広く、紫外線を励起源とする表示装
置、蛍光ランプ等に用いることができる。好ましくは、
140〜180nm、及び250〜370nmの紫外領
域に励起波長を有することが好ましい。ここで、励起波
長の測定は、励起波長及び蛍光波長を各々走査可能な、
分光蛍光光度計によって容易に測定できる。
【0050】本発明の無機蛍光体の製造方法により好適
に得られる、無機蛍光体の組成は例えば、特開昭50−
6410号、同61−65226号、同64−2298
7号、同64−60671号、特開平1−168911
号等に記載されており、特に制限はないが、結晶母体で
あるYS、ZnSiO、Ca(PO
Clなどに代表される金属酸化物及びZnS、SrS、
CaS等に代表される硫化物に、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Ybなどの希土類金属のイオンやAg、Al、M
n、Sbなどの金属のイオンを賦活剤又は共賦活剤とし
て組み合わせたものが好ましい。
【0051】結晶母体の好ましい例としては、例えば、
ZnS、YS、YAl 12、YSi
、ZnSiO、Y、BaMgAl10
17、BaAl1219、(Ba、Sr、Mg)O・
aAl、(Y、Gd)BO 、YO、(Zn、
Cd)S、SrGa、SrS、GaS、Sn
、Ca10(PO(F,Cl)、(Ba、
Sr)(Mg、Mn)Al1017、(Sr、Ca、
Ba、Mg)10(POCl、(La、Ce)
PO、CeMgAl1119、GdMgB
10、Sr、Sr Al1425など
が挙げられる。
【0052】以上の結晶母体及び賦活剤又は共賦活剤
は、同族の元素と一部置き換えたものでも構わないし、
特に元素組成に制限はない。
【0053】以下に、本発明に係る無機蛍光体の化合物
例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されない。
【0054】 (青色発光無機蛍光化合物) (BL−1) Sr:Sn4+ (BL−2) SrAl1425:Eu2+ (BL−3) BaMgAl1017:Eu2+ (BL−4) SrGa:Ce3+ (BL−5) CaGa:Ce3+ (BL−6) (Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017:Eu2+ (BL−7) (Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu2+ (BL−8) BaAlSi:Eu2+ (BL−9) Sr(POCl:Eu2+ (BL−10) Sr:Eu2+ (BL−11) Sr(HPO:Eu2+
【0055】 (緑色発光無機蛍光化合物) (GL−1) (BaMg)Al1627:Eu2+,Mn2+ (GL−2) SrAl1425:Eu2+ (GL−3) (SrBa)AlSi:Eu2+ (GL−4) (BaMg)SiO:Eu2+ (GL−5) YSiO:Ce3+,Tb3+ (GL−6) Sr−Sr:Eu2+ (GL−7) (BaCaMg)(POCl:Eu2+ (GL−8) SrSi−2SrCl:Eu2+ (GL−9) ZrSiO,MgAl1119:Ce3+,Tb3+ (GL−10) BaSiO:Eu2+ (GL−11) Ca(SiO:Tb3+ (GL−12) YAl12:Tb3+ (GL−13) LaGaSiO14:Tb3+
【0056】 (赤色発光無機蛍光化合物) (RL−1) YS:Eu3+ (RL−2) (BaMg)SiO:Eu3+ (RL−3) (BaMg)Al1627:Eu3+ (RL−4) (BaCaMg)(POCl:Eu3+ (RL−5) YVO:Eu3+ (RL−6) CaS:Eu3+ (RL−7) YAlO:Eu3+ (RL−8) Ca(SiO:Eu3+ (RL−9) LiY(SiO:Eu3+ (RL−10) YVO:Eu3+,Bi2+ (RL−11) GdS:Eu3+ (RL−12) CaS:Eu3+Cl (RL−13) (CaMg)(PO:Sn2+
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されない。
【0058】実施例1 図1に示す熱分解反応炉2として純度90%のチタン酸
アルミナから成る材料(線膨張率5.2×10−7
℃)で構成されたものを5本用意し、無機蛍光体の化学
組成がBaMgAl1017:Eu0.1となるよう
に硝酸バリウム、硝酸マグネシウム六水和物、硝酸アル
ミニウム九水和物及び硝酸ユーロピウムを水に溶解し、
少量の硝酸を添加して溶質濃度が0.1モル/リットル
の均質な溶液を作成した。この液を4MHzの振動子を
有する超音波噴霧器に入れて液滴を形成し、窒素98%
−水素2%をキャリアガスとして使用して1000℃の
温度に保持した熱分解反応炉内にこの液滴を導入して1
5秒間熱分解反応を行い無機蛍光体1(BaMgAl
1017:Eu0.1)を得た。得られた無機蛍光体
1は、極大励起波長233nm、極大発光波長447n
mであった。
【0059】上記の無機蛍光体1を得るという操作を、
5本の熱分解反応炉の各々について、20回繰り返し行
い、得られた100回分の無機蛍光体1夫々に励起波長
233nmの紫外線を照射し、それぞれの発光強度を測
定し、平均値および標準偏差を算出した。更に得られた
100回分の無機蛍光体の平均粒径、粒径分布の変動係
数の平均値を算出し、製造安定性を評価した。得られた
結果を表1に示す。
【0060】また、熱分解反応炉2の耐久性も同時に評
価した。その結果、5本の熱分解反応炉2の全てにおい
て、内表面の変質・割れ・ひび等の異常は見られなかっ
た。
【0061】比較例1 実施例1に記載の熱分解反応炉2として純度98%のア
ルミナからなる材質(線膨張率5.7×10−6/℃)
のものに変更した熱分解反応炉2Aを用いた以外は、実
施例1と同様な操作を行い、無機蛍光体2(BaMgA
1017:Eu0.1)を得た。得られた無機蛍光
体2は、極大励起波長233nm、極大発光波長447
nmであった。
【0062】上記の無機蛍光体2を得るという操作を、
5本の熱分解反応炉2Aの各々について、20回繰り返
し行い、、得られた100回分の無機蛍光体2それぞれ
に励起波長233nmの紫外線を照射し、それぞれの発
光強度を測定し、平均値および標準偏差を算出した。更
に得られた100回分の無機蛍光体の平均粒径、粒径分
布の変動係数の平均値を算出し、製造安定性を評価し
た。得られた結果を表1に示す。
【0063】また、熱分解反応炉2Aの耐久性も同時に
評価した。その結果、5本の熱分解反応炉2Aうち2本
の熱分解反応炉2Aは16〜18回目の加熱処理時に割
れが生じた。また、割れが生じた箇所は、熱分解反応炉
2Aの中でも温度勾配の大きい熱源3に近接した部分で
あった。
【0064】
【表1】
【0065】(注)得られた100回分の無機蛍光体1
及び無機蛍光体2(比較)に付いての発光強度の平均値
を示す。標準偏差は、無機蛍光体1の平均値を100と
した相対値を示す。
【0066】表1から、得られた無機蛍光体1は小粒径
で粒径分布が狭く、発光強度の高い無機蛍光体が安定に
製造できていることが明らかである。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、熱分解反応炉の耐久性
に優れ、製造過程で繰り返しの熱衝撃を与えても、割れ
たり、焼成むらが発生することがなく、製造安定性に優
れた無機蛍光体の製造方法、無機蛍光体の製造装置、及
び十分な発光特性を有する無機蛍光体を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無機蛍光体の製造装置の一実施例
を示す模式図
【符号の説明】
1 無機蛍光体製造装置 2 熱分解反応炉 3 熱源 4 噴霧ノズル 5 粉体捕集装置 6 導入管 7 排出管 8 粉体取り出し部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古澤 直子 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 岡田 尚大 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 星野 秀樹 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 4G076 AA02 AA18 AB07 BA21 DA11 4H001 CA01 CA02 CF02 XA08 XA12 XA13 XA56 YA63

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機蛍光体の構成元素を含有する溶液、及
    び/又は無機蛍光体前駆体を含有する懸濁溶液を、キャ
    リヤガスと共に液滴状にして熱分解反応炉内に導入し加
    熱することで行う無機蛍光体の製造方法において、該熱
    分解反応炉が1×10−6/℃以下の線膨張率である素
    材で構成されることを特徴とする無機蛍光体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】熱分解反応炉が、1×10−6/℃以下の
    線膨張率である素材を50重量%以上含有する材料で構
    成されることを特徴とする請求項1に記載の無機蛍光体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】1×10−6/℃以下の線膨張率である素
    材がチタン酸アルミナであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の無機蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】得られる無機蛍光体の平均粒径を1.0μ
    m以下に調整することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の無機蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】無機蛍光体が140nm〜400nmに励
    起波長を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の無機蛍光体の製造方法。
  6. 【請求項6】無機蛍光体前駆体を液相法により製造する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無機
    蛍光体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の無機蛍光
    体の製造方法により製造されたことを特徴とする無機蛍
    光体。
  8. 【請求項8】無機蛍光体の構成元素を含有する溶液及び
    /又は無機蛍光体前駆体を含有する懸濁溶液を、キャリ
    ヤガスと共に液滴状にして熱分解反応炉に導入して加熱
    することで行われる無機蛍光体の製造装置において、該
    熱分解反応炉が1×10−6/℃以下の線膨張率である
    素材で構成されることを特徴とする無機蛍光体の製造装
    置。
  9. 【請求項9】熱分解反応炉が、1×10−6/℃以下の
    線膨張率である素材を50重量%以上含有する材料で構
    成されることを特徴とする請求項8に記載の無機蛍光体
    の製造装置。
  10. 【請求項10】1×10−6/℃以下の線膨張率である
    素材がチタン酸アルミナであることを特徴とする請求項
    8又は9に記載の無機蛍光体の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003336044A (ja) * 2002-05-23 2003-11-28 Konica Minolta Holdings Inc 金属酸化物系無機蛍光体の製造装置及び製造方法

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