JP2003237404A - エンジン補機取付構造 - Google Patents
エンジン補機取付構造Info
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Abstract
のエンジン補機の取り付けに際し、前方からの外力によ
ってエンジンが後退したとしても、エンジン補機からの
押圧によるマスタシリンダの後退を回避することがで
き、また、エンジン補機自体の損傷が軽減される、エン
ジン補機の取付構造を提供することを課題とする。 【解決手段】 横置き状態で搭載されたエンジン1のヘ
ッドカバー13上面に、車体前後方向に長手方向を有す
るOCV41を取り付ける。その場合、該OCV41の
前端部が該OCV41の後方側の車体に取り付けられて
前方に突出するマスタシリンダ22の中心軸の延長線Y
とオーバーラップすると共に、その後端部が該延長線Y
より車体幅方向の内方を指向するように傾斜させる。
Description
ジン補機の取付構造に関し、エンジンの技術分野に属す
る。
る交流電流を発生させるオルタネータ、エンジン冷却水
をウォータジャケットに循環させるウォータポンプ、ク
ランク軸に対するカム軸の位相角を変えてバルブの開閉
タイミングを変更するための可変バルブタイミング装置
へ供給する作動油圧を制御する油圧制御弁(OCV)等
の各種の補機が装備される。そのうち、エンジンへのO
CVの取付構造としては、例えば、特開平11−280
730号公報に開示されているものがある。
のカムプーリ側に可変バルブタイミング装置が設けら
れ、該可変バルブタイミング装置の近傍に上記カム軸に
直交する方向に長手方向を有するOCVが取り付けられ
た構成とされている。
エンジンへのOCVの取付構造では、前方からの外力に
よって、エンジンルーム内に横置き状態つまりクランク
軸ないしカム軸を車体幅方向に向けて搭載されたエンジ
ンが車体後方へ移動すると、長手方向が車体前後方向を
向くことになるOCVの後方に、車体前方に突出するよ
うにマスタシリンダが車体に取り付けられている場合、
該エンジンと一体に後退するOCVの後端部がこのマス
タシリンダの先端部に当接することがある。その結果、
OCVからの押圧によってマスタシリンダが後退し、そ
れに伴って、マスタシリンダに連結されたブレーキペダ
ルが後退するおそれがある。一方、マスタシリンダが後
退しないまでも、OCV自体が損傷するおそれがある。
の後端部とマスタシリンダの先端部との当接を回避可能
に、車体幅方向あるいは車体高さ方向におけるOCVの
取付位置を変更することが考えられる。しかしながら、
OCVはカム軸の駆動を制御するための可変バルブタイ
ミング装置へ供給する作動油圧を制御するものであるこ
とから、油路を短縮することで油圧制御の応答性を確保
すべく、このOCVをカムプーリ側に近接して設ける必
要があるが、限定されたスペースのエンジンルーム内と
いうことも相俟って、上記のようなOCVの取付位置の
変更には制約がある。
向に向けたエンジンへのエンジン補機の取り付けに際
し、前方からの外力によってエンジンが後退したとして
も、エンジン補機からの押圧によるマスタシリンダの後
退を回避することができ、また、エンジン補機自体の損
傷が軽減される、エンジン補機の取付構造を提供するこ
とを課題とする。
め、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
ランク軸方向を車体幅方向に向けて車両に搭載されたエ
ンジンへ、車体前方に突出するように車体に取り付けら
れたマスタシリンダの前方に位置するように、車体前後
方向に長いエンジン補機を取り付ける構造に関するもの
で、該エンジン補機は、その車体後方側の端部が、上記
マスタシリンダの中心より車体幅方向の内方または外方
を指向するように傾斜して、上記エンジンに取り付けら
れていることを特徴とする。
によってエンジンが後退する場合、該エンジンと一体に
後退するエンジン補機の車体後方側の端部はマスタシリ
ンダの先端部に当接しなく、また、エンジン補機とマス
タシリンダとが接触したとしても、エンジン補機の右側
部あるいは左側部とマスタシリンダの先端部との接触を
介しながらエンジン補機は後退することになるから、該
エンジン補機からの押圧によるマスタシリンダの後退は
回避される。したがって、マスタシリンダに連結された
ブレーキペダルは後退しない。そして、エンジン補機の
後方側の端部とマスタシリンダの先端部とが当接する場
合に比較して、エンジン補機の損傷は軽減される。
項1に記載のエンジン補機取付構造において、エンジン
補機の車体後方側の端部は、マスタシリンダの中心より
車体幅方向の内方を指向していることを特徴とする。
エンジンの右側前方から作用する外力によってエンジン
が後退する場合、該エンジン及びエンジン補機はマスタ
シリンダから概ね離反方向に後退するから、エンジン補
機からの押圧によるマスタシリンダの後退は一層回避さ
れる。また、エンジン補機自体も、後退するときマスタ
シリンダに接触したとしても、軽度の損傷で済む。
項1または請求項2に記載のエンジン補機構造におい
て、エンジン補機の車体後方側の端部は、マスタシリン
ダの先端部よりも車体後方側に位置していることを特徴
とする。
体後方側の端部をマスタシリンダの先端部よりも後方側
に位置させたから、前方からの外力によってエンジン及
びエンジン補機が後退する場合、エンジン補機の後方側
の端部がマスタシリンダを後退させるように押圧するこ
とはない。したがって、マスタシリンダの後退が確実に
回避される。
求項1から請求項3のいずれかに記載のエンジン補機取
付構造において、エンジン補機は、可変バルブタイミン
グ装置へ供給する作動油圧を制御する油圧制御弁である
ことを特徴とする。
する取付位置などの設計変更が制約される油圧制御弁の
場合でも、該油圧制御弁をマスタシリンダの中心に対し
て前述のように傾斜させることによって、マスタシリン
ダの後退を効果的に回避することができるから、大幅な
設計変更を行なうことなく前述の不具合の解消が可能と
なる。
て説明する。なお、以降の説明において、「前、後」と
あるのは、運転席から見て車体の前方側、後方側を意味
し、また、「左、右」とあるのは、同じく運転席から見
て左側、右側を意味する。
態に係る矢印X方向を前方とする車両のエンジン1は、
車体前部のエンジンルーム内に横置き状態つまりクラン
ク軸方向(後述)を車体幅方向に向けて搭載されてお
り、下方からシリンダブロック11、シリンダヘッド1
2、及びヘッドカバー13によって全体形状が構成され
ている。そして、エンジン1の車体前方側の側面には吸
気系を構成するサージタンク14と吸気管15とが取り
付けられると共に、車体後方側の側面には排気マニホル
ド16が取り付けられている。また、シリンダブロック
11の下方には、オイルパン17が取り付けられてい
る。
シュパネル21から車体前方に向かって適宜角度で上方
に傾斜するように突出するマスタシリンダ22が取り付
けられており、該マスタシリンダ22は、マスタバック
23を介してブレーキベダル24に連結されている。
幅方向(図2において、紙面垂直方向)に延びる吸気弁
駆動カム軸31及び排気弁駆動カム軸32が収容されて
おり、これらのカム軸31,32の右側端部(図2にお
いて、紙面手前側)には、それぞれカムプーリ31a,
32aが組み付けられている。そして、吸気弁駆動カム
軸31側のカムプーリ31aの外側には、シリンダブロ
ック11下部に配設されて車体幅方向に延びるクランク
軸33に対する吸気弁駆動カム軸31の位相角を変えて
バルブの開閉タイミングを変更するための可変バルブタ
イミング装置34が備えられている。そして、両カムプ
ーリ31a,32aとクランク軸33の右側端部に組み
付けられたクランクプーリ33aとに亘って無端状のタ
イミングベルト35が巻き掛けられており、該タイミン
グベルト35を介して、吸気弁及び排気弁駆動カム軸3
1,32がクランク軸33の半分の角速度で回転する。
上記可変バルブタイミング装置34には、例えば特開平
11−280730号公報に開示されている構成のもの
が使用可能である。
タポンプやオルタネータ等の補機(図示せず)が配設さ
れると共に、これらの補機の駆動軸に組み付けられたプ
ーリとクランク軸33に組み付けられた別なるクランク
プーリとに亘って無端状のタイミングベルトが巻き掛け
られており、クランク軸33の回転によって上記補機が
駆動されるようになっているが、この構成は本発明と直
接係らないことから、詳しい説明は省略する。
明の特徴部分である可変バルブタイミング装置34へ供
給する作動油圧を制御する油圧制御弁(以下、OCVと
いう)41がベース部材42を介して取り付けられてい
る。該OCV41は、概ね車体前後方向に長い形状とさ
れており、側面視で車体前方ほど適宜角度で上方へ傾斜
し、且つ、平面視でその前端部が符号Y(図2参照)で
示すマスタシリンダ22の中心軸の延長線とオーバーラ
ップすると共に後端部が該延長線Yより車体幅方向の内
方を指向するように傾斜して備えられている。
ず)の進退によって可変バルブタイミング装置34へ供
給する油圧及び方向をデューティ制御可能に構成された
電磁ソレノイド式のもので、可変バルブタイミング装置
34へ作動油圧を供給する油路に介設されている。すな
わち、OCV41は、一方の端部が図示しない油圧供給
通路に接続すると共に他方の端部が該OCV41に連通
する油路43と、一方の端部が該OCV41に連通する
と共に他方の端部がシリンダヘッド12に連通する二つ
の油路44,45とが備えられている。
CV41に供給された作動油圧は、該OCV41で油圧
や方向が制御された上で、油路44あるいは油路45を
通ってシリンダヘッド12内の可変バルブタイミング装
置34へ供給され、該可変バルブタイミング装置34に
よって吸気弁の作動タイミングが進角側あるいは遅角側
に変更される。例えば、進角用の油路44を経由して可
変バルブタイミング装置34に作動油圧が供給される
と、ロータ(図示せず)が進角方向に相対回転されて、
カムプーリ31aと吸気弁駆動カム軸31との回転位相
が変化する。この場合には、吸気弁の作動タイミングが
進角側に変更され、排気側と吸気側とのバルブリフトの
オーバーラップが多くなる。一方、遅角用の油路45を
経由して可変バルブタイミング装置34に作動油圧が供
給されると、吸気弁駆動カム軸31と一体回転する可変
バルブタイミング装置34に備えられたロータが遅角方
向に相対回転されて、カムプーリ31aと吸気弁駆動カ
ム軸31との回転位相が変化する。この場合には、吸気
弁の作動タイミングが遅角側に変更され、排気側と吸気
側とのバルブリフトのオーバーラップが少なくなる。
ジン1の略中央前方から外力Zが作用することによって
該エンジン1が後退すると、ヘッドカバー13上面に取
り付けられたOCV41も該エンジン1と一体に後退す
る。
るOCV41を、その前端部がマスタシリンダ22の中
心軸の延長線Yとオーバーラップすると共に、その後端
部が該延長線Zよりも車体幅方向の内方を指向するよう
に傾斜させてヘッドカバー13に取り付けたから、OC
V41とマスタシリンダ22とが接触したとしても、一
例として鎖線で示すように、OCV41はその右側部と
マスタシリンダ22の先端部との接触を介して後退す
る。つまり、OCV41の後端部がマスタシリンダ22
の先端部を押圧しないから、マスタシリンダ22の後退
が回避される。したがって、マスタシリンダ22に連結
されたブレーキペダル24は後退しない。そして、OC
V41の後端部とマスタシリンダ22の先端部とが当接
する場合に比較して、OCV41の損傷は軽減される。
31のカムプーリ31aに近接して設けることができた
から、可変バルブタイミング装置34に対する油圧制御
の良好な応答性を確保することができる。しかも、エン
ジン1へのOCV41の取り付けに際し、大幅な設計変
更を伴わないメリットは大きい。
ジン1の中央から車体幅方向に右方にオフセットして外
力Zが作用することによって該エンジン1が後退する場
合、OCV41を、その後端部がマスタシリンダ22の
中心軸の延長線Yよりも車体幅方向の内方を指向するよ
うに傾斜させてヘッドカバー13上面に取り付けたか
ら、一例として鎖線で示すように、OCV41はエンジ
ン1と共にマスタシリンダ22から離反方向に移動する
こととなり、OCV41の後端部からの押圧によるマス
タシリンダ22の後退が一層回避される。そして、OC
V41自体も、後退するときにマスタシリンダ22に接
触したとしても、軽度の損傷で済む。
するが、OCV41を、その前端部がマスタシリンダ2
2の中心軸の延長線Yとオーバーラップすると共に、そ
の後端部が該延長線Yより車体幅方向の外方を指向する
ように傾斜させて備えることができる。その場合、図3
におけると同様にエンジン1の略中央前方から外力Zが
作用することによって該エンジン1が後退すると、OC
V41とマスタシリンダ22とが接触したとしても、O
CV41はその左側部とマスタシリンダ22の先端部と
の接触を介して後退する。つまり、OCV41の後端部
がマスタシリンダ22の先端部を押圧しないから、この
場合にも、マスタシリンダ22の後退が回避される。ま
た、OCV41の後端部とマスタシリンダ22の先端部
とが当接する場合に比較して、OCV41の損傷は軽減
される。
すように、OCV41を、その後端部がマスタシリンダ
22の中心軸の延長線Yより車体幅方向の内方を指向す
るように傾斜させると共に、該後端部が予めマスタシリ
ンダ22の先端部よりも車体後方側に位置するように、
ヘッドカバー13上面に取り付けることができる。こう
することにより、エンジン1の略中央前方から外力Zが
作用することによって該エンジン1及びOCV41が後
退する際、OCV41とマスタシリンダ22とが接触し
たとしても、一例として鎖線で示すように、OCV41
はその右側部とマスタシリンダ22の先端部との接触を
介して後退する。そして、仮にOCV41の長手方向と
マスタシリンダ22の中心軸の方向Yとが一致するよう
になったとしても、OCV41の後端部がマスタシリン
ダ22の先端部に当接することはない。したがって、O
CV41の後端部からの押圧によるマスタシリンダ22
の後退が確実に回避される。
クランク軸方向を車体幅方向に向けたエンジンへのエン
ジン補機の取り付けに際し、車体前方に突出するように
車体に取り付けられたマスタシリンダの前方に位置する
エンジン補機を、その車体後方側の端部がマスタシリン
ダの中心より車体幅方向の内方または外方を指向するよ
うに傾斜してエンジンに取り付けたから、前方からの外
力によってエンジンが後退したとしても、エンジン補機
からの押圧によるマスタシリンダの後退を回避すること
ができ、また、エンジン補機自体の損傷が軽減される、
エンジン補機の取付構造が提供される。本発明は、横置
きのエンジンが搭載された車両分野に広く好適である。
エンジン周辺の概略平面図である。
マスタシリンダとの位置関係を示す要部抜粋平面図であ
る。
した場合の、OCVとマスタシリンダとの位置関係を示
す要部抜粋平面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 クランク軸方向を車体幅方向に向けて車
両に搭載されたエンジンへ、車体前方に突出するように
車体に取り付けられたマスタシリンダの前方に位置する
ように、車体前後方向に長いエンジン補機を取り付ける
構造であって、該エンジン補機は、その車体後方側の端
部が、上記マスタシリンダの中心より車体幅方向の内方
または外方を指向するように傾斜して、上記エンジンに
取り付けられていることを特徴とするエンジン補機取付
構造。 - 【請求項2】 エンジン補機の車体後方側の端部は、マ
スタシリンダの中心より車体幅方向の内方を指向してい
ることを特徴とする請求項1に記載のエンジン補機取付
構造。 - 【請求項3】 エンジン補機の車体後方側の端部は、マ
スタシリンダの先端部よりも車体後方側に位置している
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエン
ジン補機取付構造。 - 【請求項4】 エンジン補機は、可変バルブタイミング
装置へ供給する作動油圧を制御する油圧制御弁であるこ
とを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載
のエンジン補機取付構造。
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