JP2003237100A - カートリッジの選択により特徴を変更できる印刷 - Google Patents

カートリッジの選択により特徴を変更できる印刷

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JP2003237100A
JP2003237100A JP2002044923A JP2002044923A JP2003237100A JP 2003237100 A JP2003237100 A JP 2003237100A JP 2002044923 A JP2002044923 A JP 2002044923A JP 2002044923 A JP2002044923 A JP 2002044923A JP 2003237100 A JP2003237100 A JP 2003237100A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクカートリッジを交換することなく各ノ
ズル列から吐出されるインクを変更させることが可能な
技術を提供する。 【解決手段】 複数のノズルで構成されるノズル列を複
数個備える印刷ヘッドと、複数種類のインクをそれぞれ
収容するための複数のインクタンクを装着可能なインク
タンク装着部と、この複数のインクタンクの各々を複数
のノズル列のいずれかに接続するインク供給部とを備え
る印刷装置である。この印刷装置では、複数のノズル列
と複数のインクタンクとの間の接続関係を切り替えるこ
とが可能なので、インクカートリッジを交換することな
く容易に各ノズル列から吐出されるインクを変更させる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、印刷ヘッドを主
走査方向に移動させつつ印刷媒体上にインクドットを記
録することによって印刷を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出することにより、印刷媒
体上にインクドットを形成して画像を印刷する印刷装置
(以下、インクジェット式印刷装置)は、コンピュータ
で作成した画像の出力装置として広く使用されている。
インクジェット式印刷装置の印刷ヘッドには、複数のノ
ズル列が設けられており、これらのノズル列は互いに異
なるインクをそれぞれ吐出する。また、近年では、イン
クカートリッジを交換することにより、各ノズル列から
吐出されるインクの色を積極的に変更して多様な利用を
可能とする印刷装置も販売されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インクカート
リッジの交換は、印刷装置のユーザにとって煩雑な作業
である。特に、交換するカートリッジの数が多くなる
と、これが顕著となる。
【0004】本発明は、上述した従来の課題を解決する
ためになされたものであり、インクカートリッジを交換
することなく各ノズル列から吐出されるインクを変更さ
せることが可能な技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するために、本発明は、インクを印刷媒体
上に吐出することによって印刷を行う印刷装置であっ
て、同一のインクを吐出する複数のノズルで構成される
ノズル列を複数個備える印刷ヘッドと、複数種類のイン
クをそれぞれ収容するための複数のインクタンクを装着
可能なインクタンク装着部と、前記複数のインクタンク
の各々を前記複数のノズル列のいずれかに接続するイン
ク供給部とを備え、前記インク供給部は、前記複数のノ
ズル列と前記複数のインクタンクとの間の接続関係を切
り替える接続切替部を備えることを特徴とする。
【0006】本発明の印刷装置では、複数のインクタン
クと複数のノズル列との間の接続関係を切り替えること
ができるので、インクカートリッジを交換することなく
容易に各ノズル列から吐出されるインクを変更させるこ
とができる。
【0007】上記印刷装置において、前記接続切替部
は、n種類(nは1以上の整数)のインクを前記複数の
ノズル列から吐出可能とする第1の接続状態と、前記n
種類のインクに加えてさらにm種類(mは1以上の整
数)のインクを前記複数のノズル列から吐出可能とする
第2の接続状態に切り替えることが可能であるようにし
ても良い。
【0008】上記印刷装置において、前記複数のノズル
列は、前記接続関係の切り替えにより接続されるインク
タンクが変更される可変インクノズル列と、前記接続関
係の切り替えにより接続されるインクタンクが変更され
ない固定インクノズル列とを備え、前記固定インクノズ
ル列は、シアン、マゼンタ、イエロの3つのインクをそ
れぞれ収容するインクタンクに常時接続されているノズ
ル列を含むようにするのが好ましい。
【0009】こうすれば、シアン、マゼンタ、イエロの
3つのインクについては、接続の切替の状態に拘わらず
常に吐出可能なので、カラー印刷が常時可能となる。
【0010】上記印刷装置において、前記固定インクノ
ズル列は、さらにブラックインクを収容するインクタン
クに常時接続されているノズル列を含むようにするのが
好ましい。
【0011】こうすれば、接続の切替の状態に拘わら
ず、グレイでないブラックを再現可能なカラー印刷とブ
ラックの線画印刷とが常時可能となる。
【0012】上記印刷装置において、前記可変インクノ
ズル列は、前記接続関係の切り替えに応じて、前記固定
インクノズル列が接続されている複数のインクタンクの
うちのいずれか、あるいは前記インクタンク装着部に装
着された複数のインクタンクのうち前記固定インクノズ
ル列が接続されていない他のインクタンクのうちのいず
れか、のいずれか一方に接続されるようにしても良い。
【0013】上記印刷装置において、前記インクタンク
装着部は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロの各基
本色と、シアンの基本色インクに比べて濃度が低い淡シ
アンと、マゼンタの基本色インクに比べて濃度が低い淡
マゼンタと、イエロの基本色インクに比べて明度が低い
暗イエロと、およびブラックの基本色インクに比べて明
度が高い淡ブラックと、の各色のインクを収容する複数
のインクタンクが装着可能であり、前記固定インクノズ
ル列は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロの4つの
基本色インクをそれぞれ吐出する4つの基本色インクタ
ンクに常時接続され、前記接続切替部は、前記淡シアン
インクと、淡マゼンタインクと、暗イエロインクと、淡
ブラックインクとを収容する各インクタンクを前記可変
インクノズル列のそれぞれに接続する第1の接続形態
と、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロの各基本色を
収容する各インクタンクを前記可変インクノズル列のそ
れぞれに接続する第2の接続形態と、を含む複数の接続
形態のいずれかに切替可能であるようにするのが好まし
い。
【0014】こうすれば、8色のインクで印刷を行う高
画質印刷と、各色毎に2つのノズル列を利用して4色の
インクで印刷を行う高速印刷と、の間の切替をインク供
給部の接続形態を切り替えることで容易行うことができ
る。
【0015】上記印刷装置において、前記淡シアンイン
クを吐出可能な可変インクノズル列とシアンの基本イン
クを吐出する固定インクノズル列の2つのノズル列が有
する複数のノズルは、千鳥に配列されており、前記淡マ
ゼンタインクを吐出可能な可変インクノズル列とマゼン
タの基本インクを吐出する固定インクノズル列の2つの
ノズル列が有する複数のノズルは、千鳥に配列されてお
り、前記暗イエロインクを吐出可能な可変インクノズル
列とイエロの基本インクを吐出する固定インクノズル列
の2つのノズル列が有する複数のノズルは、千鳥に配列
されており、前記淡ブラックインクを吐出可能な可変イ
ンクノズル列とブラックの基本インクを吐出する固定イ
ンクノズル列の2つのノズル列が有する複数のノズル
は、千鳥に配列されているようにするのが好ましい。
【0016】こうすれば、千鳥に配列された2つのノズ
ル列の組は、副走査方向に重複しない位置にノズル列を
有することになるので、1回の主走査で形成されるラス
タラインの数を2倍にすることができる。なお、千鳥に
配列されていない場合には、1回の主走査で実質的に2
回のオーバーラップ印刷が可能となるので、特にオーバ
ーラップ印刷で速度の向上が図られることになる。ある
いは、印刷ヘッドの主走査速度を2倍にすることも可能
となるので、これにより記録速度を向上させることもで
きる。
【0017】上記印刷装置において、前記淡シアンイン
クを吐出可能な可変インクノズル列とシアンの基本イン
クを吐出する固定インクノズル列の2つのノズル列は、
主走査方向に隣接して配列されており、前記淡マゼンタ
インクを吐出可能な可変インクノズル列とマゼンタの基
本インクを吐出する固定インクノズル列の2つのノズル
列は、主走査方向に隣接して配列されており、前記暗イ
エロインクを吐出可能な可変インクノズル列とイエロの
基本インクを吐出する固定インクノズル列の2つのノズ
ル列は、主走査方向に隣接して配列されており、前記淡
ブラックインクを吐出可能な可変インクノズル列とブラ
ックの基本インクを吐出する固定インクノズル列の2つ
のノズル列は、主走査方向に隣接して配列されているよ
うにするのが好ましい。
【0018】このようなノズル列の配置にすれば、イン
ク流路の接続切替部とノズルとの間の距離を小さくする
ことができるので、接続の切替に伴うインクの混濁を抑
制することができる。
【0019】上記印刷装置において、前記淡シアンイン
クを吐出可能な可変インクノズル列とシアンの基本イン
クを吐出する固定インクノズル列の2つのノズル列は、
副走査方向に直列に配列されており、前記淡マゼンタイ
ンクを吐出可能な可変インクノズル列とマゼンタの基本
インクを吐出する固定インクノズル列の2つのノズル列
は、副走査方向に直列に配列されており、前記暗イエロ
インクを吐出可能な可変インクノズル列とイエロの基本
インクを吐出する固定インクノズル列の2つのノズル列
は、副走査方向に直列に配列されており、前記淡ブラッ
クインクを吐出可能な可変インクノズル列とブラックの
基本インクを吐出する固定インクノズル列の2つのノズ
ル列は、副走査方向に直列に配列されているようにして
も良い。
【0020】このように、一部のノズル列が副走査方向
に直列に配列されている印刷ヘッドにも本発明は適用す
ることができる。
【0021】上記印刷装置において、前記淡シアンイン
クを吐出可能な可変インクノズル列は、前記淡シアンイ
ンクがシアンの基本インクよりも後に前記印刷媒体の同
一位置に吐出できるように、シアンの基本インクを吐出
する固定インクノズル列に対して配列されており、前記
淡マゼンタインクを吐出可能な可変インクノズル列は、
前記淡マゼンタインクがマゼンタの基本インクよりも後
に前記印刷媒体の同一位置に吐出できるように、マゼン
タの基本インクを吐出する固定インクノズル列に対して
配列されており、前記暗イエロインクを吐出可能な可変
インクノズル列は、前記暗イエロインクがイエロの基本
インクよりも先に前記印刷媒体の同一位置に吐出できる
ように、シアンの基本インクを吐出する固定インクノズ
ル列に対して配列されており、前記淡ブラックインクを
吐出可能な可変インクノズル列は、前記淡ブラックイン
クがブラックの基本インクよりも後に前記印刷媒体の同
一位置に吐出できるように、ブラックの基本インクを吐
出する固定インクノズル列に対して配列されているよう
にするのが好ましい。
【0022】ノズル列が縦方向に配列される場合には、
このように濃度の低いインクが後から吐出されるように
すれば、濃インクが淡インクの影響を受けにくくなるの
で豊かな階調表現が可能となる。
【0023】上記印刷装置において、前記接続切替部
は、n種類(nは1以上の整数)のインクを前記複数の
ノズル列から吐出可能とする第1の接続状態と、前記n
種類のインクとは異なるm種類(mは1以上の整数)の
インクを前記複数のノズル列から吐出可能とする第2の
接続状態に切り替えることが可能であるようにしても良
い。たとえば、前記複数のノズル列は、前記接続関係の
切り替えに応じて、シアン、マゼンタ、イエロの3つの
顔料インクをそれぞれ収容するインクタンクと、シア
ン、マゼンタ、イエロの3つの染料インクをそれぞれ収
容するインクタンクと、のいずれか一方に接続されるよ
うにしても良い。
【0024】上記印刷装置において、前記接続関係の切
り替えに応じて、自動的に前記可変インクノズル列から
所定の量だけインクを吐出させるクリーニング処理部を
備えるようにするのが好ましい。
【0025】こうすれば、接続状態の切替に伴うインク
の混濁を抑制することができる。なお、クリーニングの
ために行われるインクの吐出は、ポンプによる吸引によ
って行うようにしても良いし、印刷ヘッドを駆動して行
うようにしても良い。
【0026】本発明の印刷ヘッドユニットは、複数種類
のインクをそれぞれ収容するための複数のインクタンク
を装着可能な印刷装置に用いられる印刷ヘッドユニット
であって、同一のインクを吐出する複数のノズルで構成
されるノズル列を複数個備える印刷ヘッドと、前記複数
のインクタンクから供給された複数種類のインクの各々
を前記複数のノズル列のいずれかに導くインク供給部と
を備え、前記インク供給部は、前記複数のノズル列の各
々に導かれる前記複数種類のインクを切り替える接続切
替部を備えることを特徴とする。
【0027】このような印刷ヘッドユニットを利用すれ
ば、容易に本発明を適用することができる。
【0028】本発明の印刷制御装置は、インクを印刷媒
体上に吐出することによって印刷を行う印刷部に供給す
べき印刷データを生成する印刷制御装置であって、前記
印刷部は、同一のインクを吐出する複数のノズルで構成
されるノズル列を複数個備える印刷ヘッドと、複数種類
のインクをそれぞれ収容するための複数のインクタンク
を装着可能なインクタンク装着部と、前記複数のインク
タンクの各々を前記複数のノズル列のいずれかに接続す
るインク供給部と、前記切り替えられた接続状態を表す
情報を含む接続形態信号を前記印刷制御装置に送信する
接続形態信号送信部とを備え、前記印刷制御装置は、前
記受信した接続形態信号に応じて、前記接続形態におけ
る前記印刷部に印刷を実行させるように構成された印刷
データを生成するための処理モードを決定する印刷モー
ド管理部と、前記決定された処理モードで印刷データを
生成する印刷データ生成部とを有することを特徴とす
る。
【0029】このような印刷制御装置を利用すれば、接
続形態の切替に応じて、自動的に印刷データ生成処理の
モードが切り替わるので、インクの切替に伴うユーザの
負担をさらに軽減することができるとともに、誤操作を
減少させることができる。
【0030】なお、本発明は、種々の態様で実現するこ
とが可能であり、たとえば、印刷ヘッドユニット、印刷
方法および印刷装置、印刷制御方法および印刷制御装
置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコ
ンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを
記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み
搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現す
ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.装置の構成: B.本発明の第1実施例: C.本発明の第2実施例: D.本発明の第3実施例: E.本発明の第4実施例: F.本発明の第5実施例: G.本発明の第6実施例: H.変形例:
【0032】A.装置の構成:図1は、本発明の一実施
例としての印刷システムの構成を示すブロック図であ
る。この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピ
ュータ90と、印刷部としてのカラープリンタ20と、
を備えている。なお、カラープリンタ20とコンピュー
タ90の組み合わせを、広義の「印刷装置」と呼ぶこと
ができる。
【0033】コンピュータ90では、所定のオペレーテ
ィングシステムの下で、アプリケーションプログラム9
5が動作している。オペレーティングシステムには、ビ
デオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれ
ており、アプリケーションプログラム95からは、これ
らのドライバを介して、カラープリンタ20に転送する
ための印刷データPDが出力されることになる。アプリ
ケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して
所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介して
CRT21に画像を表示する。
【0034】アプリケーションプログラム95が印刷命
令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ9
6が、画像データをアプリケーションプログラム95か
ら受け取り、これをカラープリンタ20に供給するため
の印刷データPDに変換する。図1に示した例では、プ
リンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール
97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュ
ール99と、印刷データ生成モジュール100と、印刷
モード管理部101と、複数の色変換テーブルLUT
と、が備えられている。なお、複数の色変換テーブルL
UTが備えられている理由については後述する。
【0035】解像度変換モジュール97は、アプリケー
ションプログラム95が扱っているカラー画像データの
解像度(即ち、単位長さ当りの画素数)を、プリンタド
ライバ96が扱うことができる解像度に変換する役割を
果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだ
RGBの3色からなる画像情報である。色変換モジュー
ル98は、色変換テーブルLUTを参照しつつ、各画素
ごとに、RGB画像データを、カラープリンタ20が利
用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
【0036】色変換された多階調データは、例えば25
6階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール
99は、インクドットを分散して形成することにより、
カラープリンタ20でこの階調値を表現するためのハー
フトーン処理を実行する。ハーフトーン処理された画像
データは、印刷データ生成モジュール100によりカラ
ープリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えられ、
最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷
データPDは、各主走査時のドットの記録状態を示すラ
スタデータと、副走査送り量を示すデータとを含んでい
る。なお、印刷モード管理部101の機能と、印刷モー
ド管理部101が受信する接続形態信号とについては後
述する。
【0037】なお、プリンタドライバ96は、印刷デー
タPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相
当する。プリンタドライバ96の機能を実現するための
プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に
記録された形態で供給される。このような記録媒体とし
ては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気デ
ィスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカー
ド、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピ
ュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)
および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能
な種々の媒体を利用できる。
【0038】図2は、カラープリンタ20の概略構成図
である。カラープリンタ20は、紙送りモータ22によ
って印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構
と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30をプ
ラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走
査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッド
ユニット60(「印刷ヘッド集合体」とも呼ぶ)を駆動
してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆
動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモー
タ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32
との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えてい
る。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュー
タ90に接続されている。
【0039】印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、
紙送りモータ22の回転をプラテン26と用紙搬送ロー
ラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図
示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査
送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリ
ッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッ
ジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設する
プーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位
置センサ39とを備えている。
【0040】図3は、制御回路40を中心としたカラー
プリンタ20の構成を示すブロック図である。制御回路
40は、CPU41と、プログラマブルROM(PRO
M)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを
記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45と、カラ
ープリンタ20の動作環境を保持するデータベースであ
るMIB(Management Information Base)46とを備
えた算術論理演算回路として構成されている。この制御
回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェー
スを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専
用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動し
てインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモ
ータ22およびキャリッジモータ24を駆動するモータ
駆動回路54とを備えている。
【0041】I/F専用回路50は、パラレルインタフ
ェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコン
ピュータ90から供給される印刷データPDを受け取る
ことができる。カラープリンタ20は、この印刷データ
PDに従って印刷を実行する。なお、RAM44は、ラ
スタデータを一時的に格納するためのバッファメモリと
して機能する。また、コンピュータ90は、MIB46
にアクセスすることにより、プリンタ20の動作環境に
関する情報を得ることができる。この動作環境には、装
着されているカートリッジに関する情報が含まれてい
る。
【0042】印刷ヘッドユニット60は、印刷ヘッド2
8を有しており、また、インクカートリッジを搭載可能
である。なお、印刷ヘッドユニット60は、1つの部品
としてカラープリンタ20に着脱される。すなわち、印
刷ヘッド28を交換しようとする際には、印刷ヘッドユ
ニット60を交換することになる。
【0043】図4は、印刷ヘッドユニット60の斜視図
である。印刷ヘッドユニット60には、図3にも示すよ
うに、ブラックインクを収容するブラックインクカート
リッジ171Bkと、シアンインクを収容するシアンイ
ンクカートリッジ171Cと、マゼンタインクを収容す
るマゼンタインクカートリッジ171Mと、イエロイン
クを収容するイエロインクカートリッジ171Yと、淡
シアンインクを収容する淡シアンインクカートリッジ1
71Lcと、淡マゼンタインクを収容する淡マゼンタイ
ンクカートリッジLmと、ダークイエロインクを収容す
るダークイエロインクカートリッジ171Dyと、淡ブ
ラックインクを収容する淡ブラックインクカートリッジ
171Lkと、が装着可能である。
【0044】なお、本明細書においては、淡インクや暗
インク以外の4つのインクC,M,Y,Kを「4つの基
本色インク」と呼ぶ。より詳しく言えば、「4つの基本
色インク」とは、ほぼ等量を混合することによってブラ
ックを再現することのできるシアンインク、マゼンタイ
ンク、およびイエローインクに、さらにグレーでないブ
ラックインクを加えたものを意味している。なお、本明
細書においては、これらの4つの基本色インクを吐出す
るための4つのノズル列Y,M,C,Kを「基本色ノズ
ル列」と呼ぶ。
【0045】ダークイエロインクとは、イエロインクと
比較して明度が低いインクをいい、暗イエロインクとも
呼ばれる。具体的には、ダークイエローインクは、イエ
ローインクに他のインク用の色材(例えば濃シアンと濃
マゼンタ)が混合されたインクである。濃シアン成分と
濃マゼンタ成分とを含むダークイエローインクを用いる
と、イエローと濃シアンと濃マゼンタのインク滴を別々
に吐出する場合に比べて、印刷媒体上に吐出するインク
量(特に溶剤の量)が少なくて済む。この結果、特にシ
ャドー部の印刷画質を向上させることができるという利
点がある。
【0046】淡ブラックインクとは、ブラックインクに
比べて明度が高いインクをいう。淡ブラックインクLk
を用いると、コンポジットブラックの生成に伴うカラー
バランスのばらつきや、シャドー部における粒状感を抑
制することができるという利点がある。カラーバランス
とは、カラーインクを用いてコンポジットブラックを形
成する際のシアン、マゼンタ、イエロのバランスをい
う。カラーバランスがばらつくと、すなわち、たとえば
シアンが多いとシアンがかったブラックとなるという問
題がある。
【0047】印刷ヘッドユニット60には、各インクカ
ートリッジに挿入されてインク流路を形成するための8
個の導入管72Bk、72Lk、72C、72Lc、7
2M、72Lm、72Y、72Dyが立設されている。
これらの導入管72Bk、72Lk、72C、72L
c、72M、72Lm、72Y、72Dyは、後述する
接続切替部を経由して、印刷ヘッドユニット60の下部
に装備されている印刷ヘッド28が有する各ノズル列に
接続されている。
【0048】図5は、印刷ヘッド28の下面におけるノ
ズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面に
は、8つのノズル列N1〜N8が設けられている。各ノ
ズル列は48個のノズルを有している。48個のノズル
は、副走査方向SSに沿って一定のノズルピッチK・D
でそれぞれ整列している。ここで、Kは整数であり、D
は副走査方向における印刷解像度に相当するピッチ
(「ドットピッチ」と呼ぶ)である。なお、隣接する2
つのノズル列は千鳥に配列されている。
【0049】また、各ノズル列の複数のノズルは、副走
査方向に沿って一直線上に配列されている必要はなく、
例えば千鳥状に配列されていてもよい。本明細書におい
て、「副走査方向に沿って配列されたノズル」とは、一
直線上に配列されたノズルという意味と、千鳥状に配列
されたノズルという意味と、を包含する広い意味を有し
ている。なお、ノズルが千鳥状に配列されている場合に
も、副走査方向に測ったノズルピッチK・Dは、図5の
場合と同様に定義することができる。
【0050】各ノズルには、各ノズルを駆動してインク
滴を吐出させるための駆動素子としてのピエゾ素子(図
示せず)が設けられている。印刷時には、印刷ヘッド2
8が主走査方向MSに移動しつつ、各ノズルからインク
滴が吐出される。
【0051】以上説明したハードウェア構成を有するカ
ラープリンタ20は、紙送りモータ22により用紙Pを
搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24に
より往復動させ、同時に印刷ヘッド28のピエゾ素子を
駆動して、各色インク滴の吐出を行い、インクドットを
形成して用紙P上に多色多階調の画像を形成する。
【0052】B.本発明の第1実施例:図6は、本発明
の第1実施例におけるインク流路の接続の切替の様子を
示す概念図である。図6(a)は、比較例における複数
のインクカートリッジと印刷ヘッド28との間のインク
流路を示している。比較例では、8つのノズル列N1〜
N8に接続されるインクタンクは固定されている。
【0053】図6(b)と図6(c)は、本発明の第1
実施例における複数のインクカートリッジと印刷ヘッド
28との間のインク流路を示している。本発明の第1実
施例における印刷ヘッド28と複数のインクカートリッ
ジは比較例における印刷ヘッド28等と同一である。た
だし、本発明の第1実施例は、印刷ヘッド28と複数の
インクカートリッジとの間に接続切替部105が備えら
れている点で比較例と異なる。接続切替部105は、4
個の二股に分岐した流路P1と、8個の分岐しない流路
P2とを備えている。
【0054】図6(b)は、印刷ヘッドユニット60に
装着されたインクカートリッジが収容する8色のすべて
のインクを使用して8色印刷モードで印刷を行う場合の
接続形態を示している。図6(c)は、印刷ヘッドユニ
ット60に装着されたインクカートリッジが収容するイ
ンクのうち4つの基本色インクのみを使用して4色印刷
モードで印刷を行う場合の接続形態を示している。
【0055】図6(b)に示される8色印刷モードで
は、8個の分岐しない流路P2を用いて、8個のインク
カートリッジが8個のノズル列にそれぞれ接続されてい
る。このときの接続関係は、比較例における接続関係と
同一である。この結果、各色のインクタンクは各ノズル
列に接続されているので、8色のインクを用いた高画質
の印刷が可能となっている。この印刷ヘッドユニット6
0の接続切替部105を右側にずらすと、8色印刷モー
ドから図6(c)に示される4色印刷モードに接続関係
が切り替わる。具体的には、各インクタンクと各ノズル
列との間の8個の分岐しない流路P2による8色印刷モ
ードの接続が切り離され、4個の分岐した流路P1によ
る4色印刷モードの接続関係に切り替わることになる。
【0056】図6(c)に示される4色印刷モードで
は、4個の分岐した流路P1を用いて、4個の基本色イ
ンクカートリッジが8個のノズル列に接続されている。
たとえばブラックインクカートリッジは、分岐した流路
P1を通じて2つのノズル列N1、N2に接続されてい
る。他の基本色インクカートリッジも同様にそれぞれ2
つのノズル列に接続されている。この結果、各色のイン
クタンクは、各々が2つのノズル列に接続されているの
で、各色毎に2つのノズル列が有するノズルを用いた高
速印刷が可能となっている。
【0057】8色印刷モードの接続状態と4色印刷モー
ドの接続状態とを比較すると、8個のノズル列には、接
続切替部105の操作に拘わらずインクカートリッジと
の接続関係が変わらない4個のノズル列N1、N3、N
5、N7と、接続切替部105の操作により接続関係が
切り替わる4個のノズル列N2、N4、N6、N8と、
が含まれていることが分かる。本明細書では、前者は固
定インクノズル列と、後者は可変インクノズル列と、そ
れぞれ呼ばれる。なお、ノズル列が固定インクノズル列
であるか可変インクノズル列であるかは、ノズル列に接
続されるインク供給部が有する接続切替部105の構成
によって決定されることが分かる。
【0058】4個の固定インクノズル列N1、N3、N
5、N7には、ブラックインクカートリッジと、シアン
インクカートリッジと、マゼンタインクカートリッジ
と、イエローインクカートリッジと、がそれぞれ接続さ
れている。これにより、接続切替部105の操作に拘わ
らず、4つの基本色インクを吐出してカラー印刷を行う
ことが可能となっている。
【0059】4個の可変インクノズル列N2、N4、N
6、N8には、8色印刷モード時と4色印刷モード時と
で異なるインクカートリッジが接続される。具体的に
は、8色印刷モード時には、淡ブラックインクカートリ
ッジと、淡シアンインクカートリッジと、淡マゼンタイ
ンクカートリッジと、暗イエロインクカートリッジと、
が可変インクノズル列N2、N4、N6、N8にそれぞ
れ接続される。そして、これらのインクカートリッジに
収容されるインクが利用可能となる。これにより、8色
印刷モード時には、淡インクや暗インクを用いた多階調
の高画質印刷が可能となっている。
【0060】一方、4色印刷モード時には、ブラックイ
ンクカートリッジと、シアンインクカートリッジと、マ
ゼンタインクカートリッジと、イエロインクカートリッ
ジと、が可変インクノズル列N2、N4、N6、N8に
それぞれ接続される。これにより、固定インクノズル列
と、4つの基本色の各色について2つのノズル列が利用
可能となる。この2つのノズル列は千鳥に配列されてい
るので、千鳥に配列された一列のノズル列として用いる
ことができる。この結果、4色印刷モード時には、各色
について2つのノズル列を用いた高速印刷が可能とな
る。
【0061】なお、淡シアンインクノズル列はシアンイ
ンクノズル列に対して主走査方向に隣接して配列されて
おり、また、淡マゼンタインクノズル列はマゼンタイン
クノズル列に対して、暗イエロインクノズル列はイエロ
インクノズル列に対して、淡ブラックインクノズル列は
ブラックインクノズル列に対して、それぞれ主走査方向
に隣接して配列されている。このような配置としたの
は、インク流路の接続切替部とノズルとの間の距離を小
さくすることにより、接続の切替に伴うインクの混濁を
抑制するためである。
【0062】また、印刷ヘッドユニット60は、図示し
ないスイッチを備えており、いずれの接続状態であるか
を自動的に検知可能である。検知された結果は、接続形
態信号CSとして制御回路40を経由してコンピュータ
90に送信される。接続形態信号CSを受け取ったコン
ピュータ90は、以下に説明するように切り替えられた
接続形態に対応した印刷制御モードに切り替えられる。
【0063】図7は、本発明の実施例における印刷処理
のための準備手順を示すフローチャートである。この準
備手順は、カラープリンタ20の電源が「ON」にされ
ると自動的に開始される(ステップS101)。なお、
この準備手順は、カラープリンタ20の電源が「ON」
の状態で、接続切替部105の切替が検知されたときに
も同様に開始される。この場合は、次のステップS10
2から手順が開始される。
【0064】ステップS102では、カラープリンタ2
0のCPU41は、接続切替部105の接続形態を確認
する。確認された接続形態は、最後に印刷ないしノズル
クリーニングが行われたときの接続形態と比較される。
このような最後の接続形態はMIB46に記憶されてい
る。この比較の結果、接続形態に変更が認められたとき
には、CPU41は、印刷ヘッドユニット60の接続形
態に変更があった旨と、変更後の接続形態とを表す接続
形態信号CSをコンピュータ90の印刷モード管理部1
01に送信する。
【0065】ステップS103では、印刷モード管理部
101は、接続形態信号に応じて印刷ヘッドのクリーニ
ングの許可をユーザに求める画面(図8)を表示する。
図8に示される例は、図6(b)に示される8色印刷モ
ードから図6(c)に示される4色印刷モードに変更さ
れたときに表示される画面である。この画面上で、ユー
ザが、「はい」をクリックすると、印刷ヘッドのクリー
ニングが行われる。一方、ユーザが、「いいえ」をクリ
ックすると、印刷画質が一時的に劣化する旨の警告が現
れた後に、この画面が消える。
【0066】図9は、クリーニング機構200の構成を
示す概念図である。クリーニング機構200は、ヘッド
キャップ210と、ホース220と、ポンプローラ23
0とを備えている。なお、図9においては、ホース22
0は途中までしか示されていない。
【0067】ヘッドキャップ210は、図9に示すよう
に、その内部空間が8つの吸引室VBk、VLk、V
C、VLc、VM、VLm、VY、VDyに分かれてい
る。このヘッドキャップ210が上昇して印刷ヘッド2
8の下面に密着すると、8つの吸引室VBk、VLk、
VC、VLc、VM、VLm、VY、VDyは、各ノズ
ル列Bk、Lk、C、Lc、M、Lm、Y、Dy(図
5)を覆う8つの閉空間を形成する。これら8つの閉空
間の各々は、ヘッドキャップ210内でそれぞれが備え
る図示しない電磁弁を経由して、ホース220に接続さ
れている。各閉空間が電磁弁を備えているのは、ノズル
列毎にノズルクリーニングを可能とするためである。
【0068】ポンプローラ230は、その周縁部の近傍
に2つの小ローラ232,234を有している。これら
の2つの小ローラ232,234の周囲には、ホース2
20が巻回されている。紙送りモータ31がポンプロー
ラ230に接続され、これが矢印A方向に回転すると、
小ローラ232,234によってホース220内の空気
が押され、これによってヘッドキャップ210内の各閉
空間から排気される。いずれの閉空間から排気するか
は、電磁弁を開閉することにより制御される。
【0069】たとえば、図6(b)に示される8色印刷
モードから図6(c)に示される4色印刷モードに変更
するときには、淡シアンインクノズル列Lcはシアンイ
ンクでフラッシングされ、また、淡マゼンタインクノズ
ル列Lmはマゼンタインクで、ダークイエロインクノズ
ル列Dyはイエロインクで、淡ブラックインクノズル列
Lkはブラックインクで、それぞれフラッシングされ
る。これにより、8色印刷モードで使用されるインクを
淡シアンインクノズル列Lc等から排出することができ
る。これにより、8色印刷モードで使用されるインクと
4色印刷モードで使用されるインクの混濁を抑制するこ
とができる。なお、本実施例では、印刷モード管理部1
01とクリーニング機構200とが、特許請求の範囲に
おける「クリーニング処理部」に相当する。
【0070】ステップS104では、印刷モード管理部
101は、接続形態信号CSに応じて印刷モードを管理
する。具体的には、印刷モード管理部101は、色変換
モジュール98と印刷データ生成モジュール100とに
対して処理モードの切替を要求する。
【0071】色変換モジュール98は、印刷モード管理
部101からの要求に応じて、色変換に用いる色変換テ
ーブルLUTを切り替える。色変換テーブルLUTに
は、8色印刷モード用の色変換テーブルと4色印刷モー
ド用の色変換テーブルとを含んでいる。
【0072】8色印刷モード用の色変換テーブルは、与
えられた画像と、4つの基本色インクと淡シアンインク
と淡マゼンタインクと淡ブラックインクとダークイエロ
インクとを使用して表現するための各色階調値の組合せ
と、を対応づけた色変換テーブルである。4色印刷モー
ド用の色変換テーブルは、与えられた画像と、4つの基
本色インクのみを使用して表現するための各色階調値の
組合せと、を対応づけた色変換テーブルである。
【0073】印刷データ生成モジュール100は、印刷
モード管理部101からの要求に応じて、プリンタ20
に出力するための最終処理のモードを切り替える。最終
処理のモードには、8色印刷モード用の処理モードと4
色印刷モード用の処理モードとが含まれている。
【0074】8色印刷モードでは、同一のインクを吐出
するノズルピッチK・Dで配列された48個のノズルを
有する各ノズル列を用いて印刷が行われる。一方、4色
印刷モードでは、同一のインクを吐出するK・D/2で
配列された96個のノズルを有する4組のノズル列を用
いて印刷が行われる。印刷データ生成モジュール100
は、最終処理のモードの切り替えにより、8色印刷モー
ドあるいは4色印刷モードに適した各主走査時のドット
の記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示す
データとが生成可能となる。
【0075】このような処理が完了すると、コンピュー
タ90は、設定された新たな動作環境をMIB46に保
存する。そして、印刷装置は、印刷ヘッドユニット60
の接続状態に対応した印刷処理を行うことが可能な状態
となる。
【0076】このように、本実施例では、印刷ヘッドユ
ニット60が備える接続切替部105を操作することに
より、インクカートリッジを交換することなく各ノズル
列から吐出されるインクを変更させることができる。こ
の結果、8色のインクを用いた高画質の印刷と各色につ
いて96個のノズルを用いた高速の印刷とを容易に切り
替えることが可能となる。
【0077】なお、本実施例では、接続形態の切替に応
じて、自動的に印刷データ生成処理のモードが切り替わ
るように構成されているが、たとえばユーザがコンピュ
ータ90に接続形態に応じて処理モードを切り替えるよ
うな簡易な構成としても良い。ただし、前者にはインク
の切替に伴うユーザの負担をさらに軽減することができ
るとともに、誤操作を減少させることができるという利
点がある。
【0078】C.本発明の第2実施例:図10は、本発
明の第2実施例におけるインク流路の接続の切替の様子
を示す概念図である。本実施例は第1実施例と2つの点
で異なる。第1の相違点は、利用可能なインク色が8色
から7色に減らされている点である。第2の相違点は、
可変インクノズル列がノズル列N2のみに減らされると
ともに、ノズル列N2に接続可能なインクカートリッジ
が淡ブラックインクカートリッジからダークイエロイン
クカートリッジに変更されている点である。図10から
分かるように、接続切替部105aは、ブラックインク
カートリッジと2つのノズル列N1、N2との間のイン
ク流路にのみ含まれており、他のインク流路とはクリア
ランスCLRで分離されている。
【0079】この実施例では、7色モードの接続状態に
おいては7色の高画質印刷が可能となる一方、4色モー
ドの接続状態においては4色のカラー印刷または2つの
ノズル列N1、N2を用いた高速ブラック印刷が可能と
なる。このように、接続関係の切替は単一のノズル列に
ついて行うような構成でも良い。
【0080】D.本発明の第3実施例:図11は、本発
明の第3実施例におけるインク流路の接続の切替の様子
を示す概念図である。本実施例は、ノズル列N2が可変
ノズル列でなく固定ノズル列である点で第1実施例と異
なる。図11から分かるように、接続切替部105b
は、五つのカラーインクカートリッジと5つのノズル列
N3〜N7との間のインク流路にのみ含まれており、ブ
ラックインクのためのインク流路とはクリアランスCL
Rで分離されている。
【0081】この実施例では、7色モードの接続状態に
おいては7色の高画質印刷または2つのノズル列N1、
N2を用いた高速ブラック印刷が可能となる一方、4色
モードの接続状態においては4色のカラー印刷またはブ
ラック印刷が可能となるという利点がある。
【0082】E.本発明の第4実施例:図12は、本発
明の第4実施例におけるインク流路の接続の切替の様子
を示す概念図である。この実施例は、すべてのノズル列
N1〜N8が可変インクノズル列である点で前述の各実
施例と異なる。接続切替部105cは、流路P1cと流
路P2cとを、それぞれ4個ずつ備えている。4個の流
路P1cは、顔料インクを収容するインクタンクと8個
のノズル列N1〜N8との間を接続可能なように構成さ
れている。4個の流路P2cは、染料インクを収容する
インクタンクと8個のノズル列N1〜N8とを接続可能
なように構成されている。接続切替部105を操作する
と、4個の流路P2cないし4個の流路P1cのいずれ
か一方がノズル列N1〜N8と接続されることにより、
顔料インク4色モードの接続状態ないし染料インク4色
モードの接続状態が達成される。
【0083】この実施例では、顔料インク4色モードの
接続状態においては4色の顔料インクBp、Cp、M
p、Ypを用いたカラー印刷が可能となる一方、染料イ
ンク4色モードの接続状態においては4色の染料インク
Bd、Cd、Md、Ydを用いたカラー印刷が可能とな
るという利点がある。このように、すべてのノズル列が
可変インクノズル列であるような構成でも良い。
【0084】F.本発明の第5実施例:図13は、本発
明の第5実施例における印刷ヘッド28aの下面におけ
るノズル配列を示す説明図である。本実施例は、印刷ヘ
ッドが少なくとも一部のノズル列が副走査方向に直列に
配列されている縦配列の印刷ヘッド28aである点で異
なる。ただし、インク流路の接続の切替の様子は、図6
に示される第1実施例と同様である。
【0085】図6(b)に示されるような8色印刷モー
ドでは、第1実施例と同様に、8色のインクを用いた高
画質の印刷が可能となっている。一方、図6(c)に示
される4色印刷モードようなでは、4個の分岐した流路
P1を用いて、4個の基本色インクカートリッジが8個
のノズル列に接続されている。たとえばブラックインク
カートリッジは、分岐した流路P1を通じて2つのノズ
ル列N1、N2に接続されている。この2つのノズル列
は、つながった1列のノズル列として扱われ、他のノズ
ル列と共に高速印刷を可能としている。
【0086】このように、本発明は、すべてのノズル列
が主走査方向に配列された横配列ヘッドを利用する印刷
装置に限られず、少なくとも一部のノズル列が副走査方
向に直列に配列されている縦配列ヘッドを利用する印刷
装置にも適用することができる。
【0087】ただし、ノズル列が縦方向に配列される場
合には、濃度や明度の低いインクが後から吐出されるよ
うに配置するのが好ましい。こうすれば、濃インクが淡
インクの影響を受けにくくなるので豊かな階調表現が可
能となるからである。
【0088】G.本発明の第6実施例:図14は、本発
明の第6実施例におけるインク流路の接続の切替の様子
を示す概念図である。本実施例は、インクカートリッジ
がキャリッジ30e上に装着されていない点で前述の各
実施例と異なる。図14では、キャリッジ30e上に装
備された第1実施例と同一の印刷ヘッド28と接続切替
部105eと、の一部が示されている。
【0089】本実施例では、インク流路は以下のように
構成されている。シアンインクタンク171Cと淡シア
ンインクタンク171Lcは、インク流路110、11
2によってノズル列N3,N4とそれぞれ接続されてい
る。これらのインク流路110、112は、印刷ヘッド
28の近傍で連絡流路114によって互いに接続されて
いる。連絡流路114には、バルブV2が設けられてい
る。また、インク流路112上の連絡流路114との接
続部よりも上流部にもバルブV1が設けられている。
【0090】この構成では、各ノズル列と各インクカー
トリッジは以下のように接続される。ノズル列N3には
常時シアンインクが導かれる。ノズル列N4には、8色
印刷モードでは、バルブV1が開かれてバルブV2が閉
じられることにより、淡シアンインクが導かれる。一
方、4色印刷モードでは、バルブV2が開かれてバルブ
V1が閉じられることによりシアンインクが導かれる。
この結果、8色印刷モードでは、シアンインクと淡シア
ンインクが利用可能となり、4色印刷モードでは、シア
ンインクが2つのノズル列N3、N4から吐出可能とな
る。
【0091】このように、複数のノズル列と複数のイン
クタンクとの接続関係の切り替えは、バルブを用いて行
うようにしても良い。また、接続切替部は、インクカー
トリッジからノズルまでのインク流路のいずれかの位置
に装備されていれば良く、必ずしもキャリッジ30e上
に装備されている必要はない。ただし、ノズル列の近く
装備するほど、接続切替に伴うクリーニングに要するイ
ンクの吐出量を削減することができるという利点があ
る。
【0092】H.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0093】H−1.上記実施例では、有色のインクが
使用されているが、たとえば無色の液剤(たとえば保護
剤や耐光材)を利用可能な印刷装置にも本発明は適用で
きる。一般に、本発明は、複数種類のインクを吐出可能
な印刷装置に適用可能である。また、本明細書では、イ
ンクの語は、有色の液剤のならず無色の液剤(たとえば
保護剤や耐光材)をも含む広い概念である。
【0094】H−2.上記実施例では、接続切替の際の
クリーニングはインクの吸引によって行われているが、
たとえばクリーニング用印刷データをプリンタ20に送
信して印刷ヘッドを駆動することにより行っても良い。
一般に、本発明におけるクリーニングは、ノズルからイ
ンクを吐出するものであれば良い。なお、上記構成で
は、印刷モード管理部101と印刷データ生成モジュー
ル100とが特許請求の範囲における「クリーニング処
理部」に相当する。
【0095】H−3.上記実施例では、各インク毎に独
立したインクカートリッジを印刷ヘッドユニット60に
装着できるように、印刷ヘッドユニットが構成されてい
るが、複数のインクタンクを有するインクカートリッジ
が装着可能となるように構成されても良い。一般に、本
発明で使用されるインクタンク装着部は、結果として複
数種類のインクをそれぞれ収容するための複数のインク
タンクが装着可能であれば良い。
【0096】なお、この説明からも理解できるように、
本明細書において、「インクタンク」とは、1種類のイ
ンクを収容するための容器を意味している。また、イン
クカートリッジとは、一体として形成され、少なくとも
1つのインクタンクを有する容器を意味している。
【0097】この発明は、ドラムプリンタにも適用でき
る。尚、ドラムプリンタでは、ドラム回転方向が主走査
方向、キャリッジ走行方向が副走査方向となる。また、
この発明は、インクジェットプリンタのみでなく、一般
に、複数のノズル列を有する記録ヘッドを用いて印刷媒
体の表面に記録を行うドット記録装置に適用することが
できる。
【0098】上記実施例において、ハードウェアによっ
て実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換え
るようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現
されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるよう
にしてもよい。例えば、図1に示したプリンタドライバ
96の機能の一部または全部を、プリンタ20内の制御
回路40が実行するようにすることもできる。この場合
には、印刷データを作成する印刷制御装置としてのコン
ピュータ90の機能の一部または全部が、プリンタ20
の制御回路40によって実現される。
【0099】本発明の機能の一部または全部がソフトウ
ェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピ
ュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記
録媒体に格納された形で提供することができる。この発
明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」
とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携
帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコ
ンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコ
ンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として印刷システムの構成を
示すブロック図。
【図2】プリンタの構成を示す説明図。
【図3】カラープリンタ20における制御回路40の構
成を示すブロック図。
【図4】印刷ヘッドユニット60の斜視図。
【図5】印刷ヘッド28の下面におけるノズル配列を示
す説明図。
【図6】本発明の第1実施例におけるインク流路の接続
の切替の様子を示す概念図。
【図7】本発明の実施例における印刷処理の手順を示す
フローチャート。
【図8】印刷ヘッドのクリーニングの許可をユーザに求
めるための画面。
【図9】クリーニング機構200の構成を示す概念図。
【図10】本発明の第2実施例におけるインク流路の接
続の切替の様子を示す概念図。
【図11】本発明の第3実施例におけるインク流路の接
続の切替の様子を示す概念図。
【図12】本発明の第4実施例におけるインク流路の接
続の切替の様子を示す概念図。
【図13】本発明の第5実施例における印刷ヘッド28
aの下面におけるノズル配列を示す説明図。
【図14】印刷ヘッドユニット60外にインクカートリ
ッジが装着された構成の一部を示す説明図。
【符号の説明】
20…カラープリンタ 21…CRT 22…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28、28a…印刷ヘッド 30、30a…キャリッジ 31…紙送りモータ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置センサ 40…制御回路 41…CPU 44…RAM 46…MIB 50…I/F専用回路 52…ヘッド駆動回路 54…モータ駆動回路 56…コネクタ 60…印刷ヘッドユニット 72Bk、72Lk、72C、72Lc、72M、72
Lm、72Y、72Dy…導入管 90…コンピュータ 91…ビデオドライバ 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…解像度変換モジュール 98…色変換モジュール 99…ハーフトーンモジュール 100…印刷データ生成モジュール 101…印刷モード管理部 105、105a…接続切替部 171Bk…ブラックインクカートリッジ 171C…シアンインクカートリッジ 171Dy…ダークイエロインクカートリッジ 171Lc…淡シアンインクカートリッジ 171Lk…淡ブラックインクカートリッジ 171M…マゼンタインクカートリッジ 171Y…イエロインクカートリッジ 200…クリーニング機構 210…ヘッドキャップ 220…ホース 230…ポンプローラ 232,234…小ローラ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを印刷媒体上に吐出することによ
    って印刷を行う印刷装置であって、 同一のインクを吐出する複数のノズルで構成されるノズ
    ル列を複数個備える印刷ヘッドと、 複数種類のインクをそれぞれ収容するための複数のイン
    クタンクを装着可能なインクタンク装着部と、 前記複数のインクタンクの各々を前記複数のノズル列の
    いずれかに接続するインク供給部と、を備え、 前記インク供給部は、前記複数のノズル列と前記複数の
    インクタンクとの間の接続関係を切り替える接続切替部
    を備えることを特徴とする、印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記接続切替部は、n種類(nは1以上の整数)のイン
    クを前記複数のノズル列から吐出可能とする第1の接続
    状態と、前記n種類のインクに加えてさらにm種類(m
    は1以上の整数)のインクを前記複数のノズル列から吐
    出可能とする第2の接続状態に切り替えることが可能で
    ある、印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の印刷装置であ
    って、 前記複数のノズル列は、 前記接続関係の切り替えにより接続されるインクタンク
    が変更される可変インクノズル列と、 前記接続関係の切り替えにより接続されるインクタンク
    が変更されない固定インクノズル列と、を備え、 前記固定インクノズル列は、シアン、マゼンタ、イエロ
    の3つのインクをそれぞれ収容するインクタンクに常時
    接続されているノズル列を含む、印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の印刷装置であって、 前記固定インクノズル列は、さらにブラックインクを収
    容するインクタンクに常時接続されているノズル列を含
    む、印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の印刷装置であ
    って、 前記可変インクノズル列は、前記接続関係の切り替えに
    応じて、前記固定インクノズル列が接続されている複数
    のインクタンクのうちのいずれか、あるいは前記インク
    タンク装着部に装着された複数のインクタンクのうち前
    記固定インクノズル列が接続されていない他のインクタ
    ンクのうちのいずれか、のいずれか一方に接続される、
    印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の印刷装置であって、 前記インクタンク装着部は、ブラック、シアン、マゼン
    タ、イエロの各基本色と、シアンの基本色インクに比べ
    て濃度が低い淡シアンと、マゼンタの基本色インクに比
    べて濃度が低い淡マゼンタと、イエロの基本色インクに
    比べて明度が低い暗イエロと、およびブラックの基本色
    インクに比べて明度が高い淡ブラックと、の各色のイン
    クを収容する複数のインクタンクが装着可能であり、 前記固定インクノズル列は、ブラック、シアン、マゼン
    タ、イエロの4つの基本色インクをそれぞれ吐出する4
    つの基本色インクタンクに常時接続され、 前記接続切替部は、前記淡シアンインクと、淡マゼンタ
    インクと、暗イエロインクと、淡ブラックインクとを収
    容する各インクタンクを前記可変インクノズル列のそれ
    ぞれに接続する第1の接続形態と、ブラック、シアン、
    マゼンタ、イエロの各基本色を収容する各インクタンク
    を前記可変インクノズル列のそれぞれに接続する第2の
    接続形態と、を含む複数の接続形態のいずれかに切替可
    能である、印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の印刷装置であって、 前記淡シアンインクを吐出可能な可変インクノズル列と
    シアンの基本インクを吐出する固定インクノズル列の2
    つのノズル列が有する複数のノズルは、千鳥に配列され
    ており、 前記淡マゼンタインクを吐出可能な可変インクノズル列
    とマゼンタの基本インクを吐出する固定インクノズル列
    の2つのノズル列が有する複数のノズルは、千鳥に配列
    されており、 前記暗イエロインクを吐出可能な可変インクノズル列と
    イエロの基本インクを吐出する固定インクノズル列の2
    つのノズル列が有する複数のノズルは、千鳥に配列され
    ており、 前記淡ブラックインクを吐出可能な可変インクノズル列
    とブラックの基本インクを吐出する固定インクノズル列
    の2つのノズル列が有する複数のノズルは、千鳥に配列
    されている、印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の印刷装置であ
    って、 前記淡シアンインクを吐出可能な可変インクノズル列と
    シアンの基本インクを吐出する固定インクノズル列の2
    つのノズル列は、主走査方向に隣接して配列されてお
    り、 前記淡マゼンタインクを吐出可能な可変インクノズル列
    とマゼンタの基本インクを吐出する固定インクノズル列
    の2つのノズル列は、主走査方向に隣接して配列されて
    おり、 前記暗イエロインクを吐出可能な可変インクノズル列と
    イエロの基本インクを吐出する固定インクノズル列の2
    つのノズル列は、主走査方向に隣接して配列されてお
    り、 前記淡ブラックインクを吐出可能な可変インクノズル列
    とブラックの基本インクを吐出する固定インクノズル列
    の2つのノズル列は、主走査方向に隣接して配列されて
    いる、印刷装置。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の印刷装置であって、 前記淡シアンインクを吐出可能な可変インクノズル列と
    シアンの基本インクを吐出する固定インクノズル列の2
    つのノズル列は、副走査方向に直列に配列されており、 前記淡マゼンタインクを吐出可能な可変インクノズル列
    とマゼンタの基本インクを吐出する固定インクノズル列
    の2つのノズル列は、副走査方向に直列に配列されてお
    り、 前記暗イエロインクを吐出可能な可変インクノズル列と
    イエロの基本インクを吐出する固定インクノズル列の2
    つのノズル列は、副走査方向に直列に配列されており、 前記淡ブラックインクを吐出可能な可変インクノズル列
    とブラックの基本インクを吐出する固定インクノズル列
    の2つのノズル列は、副走査方向に直列に配列されてい
    る、印刷装置。
  10. 【請求項10】 請求項6または9に記載の印刷装置で
    あって、 前記淡シアンインクを吐出可能な可変インクノズル列
    は、前記淡シアンインクがシアンの基本インクよりも後
    に前記印刷媒体の同一位置に吐出できるように、シアン
    の基本インクを吐出する固定インクノズル列に対して配
    列されており、 前記淡マゼンタインクを吐出可能な可変インクノズル列
    は、前記淡マゼンタインクがマゼンタの基本インクより
    も後に前記印刷媒体の同一位置に吐出できるように、マ
    ゼンタの基本インクを吐出する固定インクノズル列に対
    して配列されており、 前記暗イエロインクを吐出可能な可変インクノズル列
    は、前記暗イエロインクがイエロの基本インクよりも先
    に前記印刷媒体の同一位置に吐出できるように、シアン
    の基本インクを吐出する固定インクノズル列に対して配
    列されており、 前記淡ブラックインクを吐出可能な可変インクノズル列
    は、前記淡ブラックインクがブラックの基本インクより
    も後に前記印刷媒体の同一位置に吐出できるように、ブ
    ラックの基本インクを吐出する固定インクノズル列に対
    して配列されている、印刷装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記接続切替部は、n種類(nは1以上の整数)のイン
    クを前記複数のノズル列から吐出可能とする第1の接続
    状態と、前記n種類のインクとは異なるm種類(mは1
    以上の整数)のインクを前記複数のノズル列から吐出可
    能とする第2の接続状態に切り替えることが可能であ
    る、印刷装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の印刷装置であって、 前記複数のノズル列は、前記接続関係の切り替えに応じ
    て、シアン、マゼンタ、イエロの3つの顔料インクをそ
    れぞれ収容するインクタンクと、シアン、マゼンタ、イ
    エロの3つの染料インクをそれぞれ収容するインクタン
    クと、のいずれか一方に接続される、印刷装置。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    の印刷装置であって、さらに、 前記接続関係の切り替えに応じて、自動的に前記可変イ
    ンクノズル列から所定の量だけインクを吐出させるクリ
    ーニング処理部を備える、印刷装置。
  14. 【請求項14】 複数種類のインクをそれぞれ収容する
    ための複数のインクタンクを装着可能な印刷装置に用い
    られる印刷ヘッドユニットであって、 同一のインクを吐出する複数のノズルで構成されるノズ
    ル列を複数個備える印刷ヘッドと、 前記複数のインクタンクから供給された複数種類のイン
    クの各々を前記複数のノズル列のいずれかに導くインク
    供給部と、を備え、 前記インク供給部は、前記複数のノズル列の各々に導か
    れる前記複数種類のインクを切り替える接続切替部を備
    えることを特徴とする、印刷ヘッドユニット。
  15. 【請求項15】 インクを印刷媒体上に吐出することに
    よって印刷を行う印刷部に供給すべき印刷データを生成
    する印刷制御装置であって、 前記印刷部は、 同一のインクを吐出する複数のノズルで構成されるノズ
    ル列を複数個備える印刷ヘッドと、 複数種類のインクをそれぞれ収容するための複数のイン
    クタンクを装着可能なインクタンク装着部と、 前記複数のインクタンクの各々を前記複数のノズル列の
    いずれかに接続するインク供給部と、 前記切り替えられた接続状態を表す情報を含む接続形態
    信号を前記印刷制御装置に送信する接続形態信号送信部
    と、を備え、 前記印刷制御装置は、 前記受信した接続形態信号に応じて、前記接続形態にお
    ける前記印刷部に印刷を実行させるように構成された印
    刷データを生成するための処理モードを決定する印刷モ
    ード管理部と、 前記決定された処理モードで印刷データを生成する印刷
    データ生成部と、を有することを特徴とする、印刷制御
    装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の印刷制御装置であっ
    て、さらに、 前記印刷ヘッドは、 ブラック、シアン、マゼンタ、イエロの4つの基本色イ
    ンクをそれぞれ吐出する4つの基本色ノズル列と、 シアンの基本色インクに比べて濃度が低い淡シアンイン
    クを吐出可能な淡シアンインクノズル列と、 マゼンタの基本色インクに比べて濃度が低い淡マゼンタ
    インクを吐出可能な淡マゼンタインクノズル列と、 イエロの基本色インクに比べて明度が低い暗イエロイン
    クを吐出可能な暗イエロインクノズル列と、 ブラックの基本色インクに比べて明度が高い淡ブラック
    インクを吐出可能な淡ブラックインクノズル列と、を備
    え、 前記インクタンク装着部は、ブラック、シアン、マゼン
    タ、イエロの各基本色と、シアンの基本色インクに比べ
    て濃度が低い淡シアンと、マゼンタの基本色インクに比
    べて濃度が低い淡マゼンタと、イエロの基本色インクに
    比べて明度が低い暗イエロと、およびブラックの基本色
    インクに比べて明度が高い淡ブラックと、の各色のイン
    クを収容する複数のインクタンクが装着可能であり、 前記固定インクノズル列は、ブラック、シアン、マゼン
    タ、イエロの4つの基本色インクをそれぞれ吐出する4
    つの基本色インクタンクに常時接続され、 前記接続切替部は、前記淡シアンインクと、淡マゼンタ
    インクと、暗イエロインクと、淡ブラックインクとを収
    容する各インクタンクを前記可変インクノズル列にそれ
    ぞれ接続する第1の接続形態と、シアンインクと、マゼ
    ンタインクと、イエロインクと、ブラックインクとを収
    容する各インクタンクを前記可変インクノズル列にそれ
    ぞれ接続する第2の接続形態とを含む複数の接続形態の
    いずれかに切替可能であり、 前記印刷制御装置は、 前記第1の接続形態における印刷で用いられる第1の色
    変換モードと、前記第2の接続形態における印刷で用い
    られる第2の色変換モードとを有する色変換部を備え、 前記第1の色変換モードは、与えられた画像と、前記4
    つの基本色インクと前記淡シアンインクと前記淡マゼン
    タインクと前記暗イエロインクと前記淡ブラックインク
    とを含む複数種類のインクを使用して表現するための各
    色階調値の組合せと、を対応づけた第1の色変換テーブ
    ルを用いて色変換を行うモードであり、 前記第2の色変換モードは、与えられた画像と、前記4
    つの基本色インクを使用して表現するための各色階調値
    の組合せと、を対応づけた第2の色変換テーブルを用い
    て色変換を行うモードである、印刷制御装置。
  17. 【請求項17】 インクを印刷媒体上に吐出することに
    よって印刷を行う印刷方法であって、(a)同一のイン
    クを吐出する複数のノズルで構成されるノズル列を複数
    個備える印刷ヘッドを準備する工程と、(b)複数種類
    のインクをそれぞれ収容するための複数のインクタンク
    を装着する工程と、(c)前記複数のインクタンクの各
    々を前記複数のノズル列のいずれかに接続するインク供
    給部と、を備え、 前記工程(c)は、前記複数のノズル列と前記複数のイ
    ンクタンクとの接続関係を切り替える工程を含むことを
    特徴とする、印刷方法。
  18. 【請求項18】 インクを印刷媒体上に吐出することに
    よって印刷を行う印刷部に供給すべき印刷データを生成
    する印刷制御方法であって、 前記印刷部は、 同一のインクを吐出する複数のノズルで構成されるノズ
    ル列を複数個備える印刷ヘッドと、 複数種類のインクをそれぞれ収容するための複数のイン
    クタンクを装着可能なインクタンク装着部と、 前記複数のインクタンクの各々を前記複数のノズル列の
    いずれかに接続するインク供給部と、 前記切り替えられた接続状態を表す情報を含む接続形態
    信号を前記印刷制御装置に送信する接続形態信号送信部
    と、を備え、 前記印刷制御方法は、(a)前記接続形態信号を受信す
    る工程と、(b)前記接続形態信号に応じて、前記接続
    形態における前記印刷部に印刷を実行させるように構成
    された印刷データを生成するための処理モードを決定す
    る工程と、(c)前記決定された処理モードで印刷デー
    タを生成する工程と、を有することを特徴とする、印刷
    制御方法。
  19. 【請求項19】 インクを印刷媒体上に吐出することに
    よって印刷を行う印刷部に供給すべき印刷データを生成
    するための処理をコンピュータに実行させるためのコン
    ピュータプログラムであって、 前記印刷部は、 同一のインクを吐出する複数のノズルで構成されるノズ
    ル列を複数個備える印刷ヘッドと、 複数種類のインクをそれぞれ収容するための複数のイン
    クタンクを装着可能なインクタンク装着部と、 前記複数のインクタンクの各々を前記複数のノズル列の
    いずれかに接続するインク供給部と、 前記切り替えられた接続状態を表す情報を含む接続形態
    信号を前記印刷制御装置に送信する接続形態信号送信部
    と、を備え、 前記ンピュータプログラムは、 前記接続形態信号を受信する機能と、 前記接続形態信号に応じて、前記接続形態における前記
    印刷部に印刷を実行させるように構成された印刷データ
    を生成するための処理モードを決定する機能と、 前記決定された処理モードで印刷データを生成する機能
    と、を前記コンピュータに実現させるコンピュータプロ
    グラム。
  20. 【請求項20】 請求項19記載のコンピュータプログ
    ラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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