JP2003236983A - アディティブ用耐熱フィルム基材入り金属箔付きbステージ樹脂組成物シート。 - Google Patents

アディティブ用耐熱フィルム基材入り金属箔付きbステージ樹脂組成物シート。

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JP2003236983A
JP2003236983A JP2002044798A JP2002044798A JP2003236983A JP 2003236983 A JP2003236983 A JP 2003236983A JP 2002044798 A JP2002044798 A JP 2002044798A JP 2002044798 A JP2002044798 A JP 2002044798A JP 2003236983 A JP2003236983 A JP 2003236983A
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heat
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JP2002044798A
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Morio Take
杜夫 岳
Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 アディティブ法にてメッキ銅接着力、耐熱
性、弾性率、信頼性に優れたビルドアッププリント配線
板を製造するための接着シートを得る。 【解決手段】 表面凹凸を有する金属箔aの表面に形成
したアディティブ用樹脂組成物層の樹脂側に、耐熱フィ
ルム基材に付着した基材補強Bステージ樹脂組成物層c
が接着した構成のアディティブ用耐熱フィルム基材入り
金属箔付きBステージ樹脂組成物シートを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アディティブ法によっ
て多層プリント配線板を作製するための耐熱フィルム基
材入り金属箔付きBステージ樹脂組成物シートに関する
ものであり、このシートを用いることにより、銅接着
力、耐熱性、信頼性等に優れた高密度多層プリント配線
板を作製可能であり、得られた多層プリント配線板は、
高密度の小型プリント配線板として、半導体チップを搭
載し、小型、軽量の新規な半導体プラスチックパッケー
ジ用等に主に使用される。
【0002】
【従来の技術】近年、ますます小型、薄型、軽量化する
電子機器において、高密度の多層プリント配線板が使用
されるようになってきている。この多層プリント配線板
は、細密回路が形成されており、従来のエポキシ樹脂内
に多量にゴムを添加した接着剤を用いたアディティブ法
多層プリント配線板は、絶縁層間が薄い場合、Z方向の
耐マイグレーション性等の信頼性に劣り、更に電気的特
性、耐熱性等にも劣り、高密度プリント配線板として使
用するのに限度があった。又、内層板が薄い場合、この
両側に基材補強の無いアディティブ用接着フィルムを使
用すると、ビルドアップして多層にしたプリント配線板
は曲げ強度、引張り強度等の機械的強度、弾性率(剛
性)が劣り、反りも発生し易く、アッセンブリ等の工程
で不良の原因となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した、多層プリント配線板の機械的強度が高
く、銅接着力、耐熱性等に優れ、信頼性にも優れた高密
度多層プリント配線板をアディティブ法にて製造するた
めの耐熱フィルム基材入り金属箔付きBステージ樹脂組
成物シートを提供するものである。
【0004】
【発明が解決するための手段】本発明は、基板上に導体
回路と層間樹脂絶縁層とを順次積層し、アディティブ法
によって多層プリント配線板を製造するための接着シー
トとして耐熱フィルムを基材にした金属箔付きBステー
ジ樹脂組成物シートを用いる。この内層基板に接着させ
る耐熱フィルム基材入り金属箔付きBステージ樹脂組成
物シートは表面凹凸を有する金属箔の表面に形成した、
好適には5〜20μmの厚さのアディティブ用樹脂組成物層
に、耐熱フィルム基材補強Bステージ樹脂組成物シート
が接着した構成のものである。
【0005】更に、該耐熱フィルム基材入り金属箔付き
Bステージ樹脂組成物シートの、少なくとも金属箔側の
アディティブ用絶縁層は硬化処理後に粗化溶液で粗化し
た際に粗化溶液に難溶性となる樹脂成分と可溶性の成分
が配合されたものであり、該難溶性となる樹脂成分とし
て、(a)多官能性シアン酸エステルモノマー、該シアン
酸エステルプレポリマー100重量部に対し、(b)室温で液
状のエポキシ樹脂15〜500重量部を配合し、(c)熱硬化触
媒を、(a+b)100重量部に対し0.005〜10重量部配合した
樹脂組成物を必須成分とする硬化性樹脂組成物を用いる
のが耐熱性、信頼性等を向上させるのに好適であり、こ
の硬化性樹脂組成物に硬化処理後にも粗化溶液に可溶性
の成分として、ブタジエン含有樹脂、有機粉体、無機粉
体の3成分のうち2成分以上を必須成分として使用する
ことにより、メッキ銅接着力にも優れたものが得られ
た。
【0006】又、この基材入り金属箔付きBステージ樹
脂組成物シートは、耐熱フィルム基材が入っているため
に、特に薄い内層板を使用してビルドアップして得られ
たプリント配線板は、基材が入っていない従来のBステ
ージ樹脂組成物シート使用のプリント配線板に比べて機
械的強度が高く、ソリ・ネジレが小さく、積層時の成形
厚みに優れたものが得られ、薄型のアディティブ法高密
度プリント配線板に適したものが得られた。又、Z方向
が耐熱フィルムで遮断されているためにZ方向の絶縁信
頼性が高く、耐マイグレーション性に非常に優れたプリ
ント配線板が得られた。
【0007】本発明の耐熱フィルム基材入り金属箔付き
Bステージ樹脂組成物シートの金属箔に接着する樹脂組
成物層は、アディティブ法にて回路が形成できる樹脂組
成物であり、熱硬化型、光硬化と熱硬化併用型等一般に
公知のものが挙げられる。この耐熱フィルム基材入り金
属箔付きBステージ樹脂組成物シートの樹脂組成物層
は、特に限定はなく、一般に公知のものが使用される。
この樹脂層には、硬化処理した場合に粗化溶液に可溶性
の成分、粗化溶液に難溶性となる樹脂成分が含まれてお
り、可溶性成分が難溶性となる樹脂成分中に均一に分散
したものである。ここで、本発明で使用する「可溶
性」、「難溶性」の意味は、硬化処理後に同一の粗化溶
液で同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の速い
ものを「可溶性」、遅いものを「難溶性」と表現してい
る。
【0008】本発明の可溶性樹脂は、一般に公知のもの
が挙げられる。この樹脂は溶剤に可溶性のもの、液状の
ものであり、難溶性樹脂中に配合される。これらは特に
限定はないが、具体的にはポリブタジエンゴム、アクリ
ロニトリルーブタジエンゴム、これらのエポキシ化物、
マレイン化物、イミド化物、カルボキシル基含有物、イ
ミド化物、(メタ)アクリル化物等、スチレンーブタジ
エンゴム等公知のものが挙げられる。特に分子内にブタ
ジエン骨格が入ったものが、粗化液への溶解性、電気的
特性等の点から好適に使用される。又、無官能のものよ
り官能基を含むものが、後硬化処理で他の未反応の樹脂
の官能基と反応して架橋し、特性が向上するので好まし
い。
【0009】本発明の可溶性有機粉体としては特に限定
はないが、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の粉体が挙げ
られ、粗化溶液に浸漬した場合、硬化処理した難溶性樹
脂よりも溶解性が速いものであれば特に限定はない。形
状は、球状、破砕された無定形状のもの、針状等があ
り、組み合わせて使用可能である。球状、破砕したもの
が好適に使用され、粒径は特に限定はないが、好ましく
は平均粒径0.1〜10μm、更に好ましくは平均粒径0.2〜5
μmである。粒子径は大きいもの、小さいものを組み合
わせて使用するのが好ましい。この場合、金属箔上に塗
布した樹脂層厚みより最大径が小さいものを使用する。
例えば塗布樹脂層を金属箔の凸部先端から7μmの厚みに
する場合、粒子の最大径は7μm以下、好ましくは6μm以
下として、塗布後に粒子が樹脂表面より出ないようにす
る。この場合は平均粒径は6μm未満である。
【0010】具体例としては、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン
樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、アクリルゴム、
ポリスチレン、MBSゴム、ABS等の粉体、これらの多重構
造(コアーシェル)ゴム粉体等が挙げられる。これらは
1種或いは2種以上が適宜選択して配合される。
【0011】本発明の可溶性無機粉体としては、特に限
定はないが、例えばアルミナ、水酸化アルミニウム等の
アルミニウム化合物;炭酸カルシウム等のカルシウム化
合物類;マグネシア等のマグネシウム化合物類;シリ
カ、ゼオライト等のシリカ化合物類等が挙げられ、1種
或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0012】本発明の難溶性樹脂としては、熱硬化性樹
脂、感光性樹脂等公知のものが1種或いは2種以上組み
合わせて使用され、特に限定はないが、具体的には、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、多官能性シアン酸エステ
ル樹脂、マレイミド樹脂、2重結合付加ポリフェニレン
エーテル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、エポキシアクリレート、不飽和基含有ポリ
カルボン酸樹脂、多官能(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。更にこれらの公知の臭素化物、リン含有化合物
も使用される。この中で、耐マイグレーション性、耐熱
性等、吸湿後の耐熱性等の点から多官能性シアン酸エス
テル樹脂が好ましい。特に、好適には(a)多官能性シア
ン酸エステルモノマー、該シアン酸エステルプレポリマ
ー 100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂を1
5〜500重量部配合し、(c)熱硬化触媒をこの(a+b)成分10
0重量部に対し0.005〜10重量部配合した樹脂組成物を必
須成分とした熱硬化性樹脂組成物を用いる。
【0013】本発明で好適に使用される多官能性シアン
酸エステル化合物とは、分子内に2個以上のシアナト基
を有する化合物である。具体的に例示すると、1,3-又は
1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼ
ン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナト
ナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジシ
アナトビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)メタ
ン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス
(3,5-ジブロモー4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4
-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニ
ル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホ
ン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス
(4-シアナトフェニル)ホスフェート、およびノボラック
とハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート
類等である。
【0014】これらのほかに特公昭41-1928、同43-1846
8、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及
び特開昭51-63149等に記載の多官能性シアン酸エステル
化合物類も用いら得る。また、これら多官能性シアン酸
エステル化合物のシアナト基の三量化によって形成され
るトリアジン環を有する分子量400〜6,000 のプレポリ
マーが使用される。このプレポリマーは、上記の多官能
性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス酸
等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級アミン類
等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重合
させることにより得られる。このプレポリマー中には一
部未反のモノマーも含まれており、モノマーとプレポリ
マーとの混合物の形態をしており、このような原料は本
発明の用途に好適に使用される。一般には可溶な有機溶
剤に溶解させて使用する。これらの臭素付加化合物、液
状の樹脂等も使用できる。
【0015】室温で液状のエポキシ樹脂としては、一般
に公知のものが使用可能である。具体的には、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポ
キシ樹脂、ポリエーテルポリオールのジグリシジル化
物、酸無水物のエポキシ化物、脂環式エポキシ樹脂等が
単独或いは2種以上組み合わせて使用される。使用量
は、多官能性シアン酸エステル化合物、該シアン酸エス
テルプレポリマー 100重量部に対し、15〜500重量部、
好ましくは20〜300重量部である。室温で液状とは、室
温(25℃)で破砕できないものを言う。
【0016】これらの液状エポキシ化合物以外に、公知
の室温で破砕できる固形の上記エポキシ樹脂、更にはク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポ
キシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が難溶性樹脂と
して単独或いは2種以上組み合わせて使用される。
【0017】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて上記以
外の種々の添加物を配合することができる。これらの添
加物としては、各種樹脂類、この樹脂類の公知の臭素、
燐化合物、公知の無機、有機の充填剤、染料、顔料、増
粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光増感
剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ性付与剤等の
各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせて用いられ
る。必要により、反応基を有する化合物は公知の硬化
剤、触媒が適宜配合される。
【0018】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、それ自体
は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済
性等に劣るため使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱
硬化触媒を用い得る。使用量は、熱硬化性樹脂100重量
部に対し、0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量%
である。
【0019】本発明の樹脂組成物中に均一分散している
可溶性樹脂、有機粉体、無機粉体の配合量は、特に限定
はないが、好適には全体の3〜50重量%、更に好適には5
〜35重量%を使用する.。これらの成分は3成分のうち2
成分以上を使用する。又、同一粒径よりは異なる粒径の
ものを用いることにより、凹凸の形状がより複雑となっ
てアンカー効果が増し、銅メッキ接着力に優れたものが
得られる。
【0020】本発明の各成分を均一に混練する方法は、
一般に公知の方法が使用され得る。例えば、各成分を配
合後、三本ロールにて、室温或いは加熱下に混練する
か、ボールミル、ライカイ機等、一般に公知のものが使
用される。また、溶剤を添加して加工法に合う粘度とし
て使用する。
【0021】本発明で使用する表面に凹凸のある金属箔
は特に限定はなく、具体的にはアルミニウム箔、銅箔等
が挙げられる。樹脂を付着させる面の凹凸は特に限定は
ないが、好適には平均粗度Rzが1〜10μm、更に好ましく
は2〜7μmである。これは粗化前に凹凸が大きいと、粗
化時間が短く、且つ水分の浸透も少ないために、メッキ
した銅層の加熱による膨れ軽減等が図れる。
【0022】金属箔の厚みは特に限定はないが、その後
にエッチング等して除去するために薄い方が良く、好ま
しくは9〜20μmを使用する。もちろん金属箔に凹凸がな
くても、粗化時間を長くすれば銅メッキ接着力は高いも
のが得られるが、吸水などの点では粗化処理時間は短い
方が好ましい。
【0023】金属箔にBステージ樹脂組成物層を付着さ
せる場合、方法は公知の方法が使用できる。例えば、金
属箔上に直接ロールで塗布、乾燥してBステージ化する
か、離型フィルムに塗布、乾燥してBステージ化した後
に樹脂組成物側に金属箔を配置して、加熱、加圧ロール
等で圧着し、一体化した金属箔付きBステージ樹脂組成
物シートとする。この場合樹脂組成物中に少量の溶剤が
残存しても良い。樹脂組成物の厚みは特に限定はない
が、一般的には金属箔の凸の先端から3〜100μm、好ま
しくは4〜50μm、更に好適には5〜20μmである。この厚
みは目的とする絶縁層の厚みにより、耐熱フィルムの厚
みとあわせて適宜選択し、メッキした銅の接着力が確保
できる凹凸を付けるための厚みとする。
【0024】また、耐熱フィルム基材入りのBステージ
樹脂組成物シートの耐熱フィルム基材は、種類、厚さに
は特に制限はなく公知のものが使用できる。具体的に
は、ポリイミド(カプトン)フィルム、ポリパラバン酸
フィルム、液晶ポリエステルフィルム、全芳香族ポリア
ミドフィルム等が使用される。厚さは目的により適宜選
択する。ラミネート成形後の絶縁層間の厚みを20〜40μ
m位に薄くするためには、好適には厚さ4〜20μmの耐熱
フィルムを使用する。耐熱フィルムの表面に接着剤樹脂
層を形成する場合、無処理でも良いが、好適にはコロナ
処理、プラズマ処理、薬液処理サンドブラスト処理等の
処理を行い、表面凹凸を付ける等の公知の処理を行う。
この耐熱フィルム基材の両面に公知の耐熱フィルム用接
着剤を塗布、乾燥してBステージとした後、この片面に
金属箔或いは金属箔付きBステージ樹脂組成物シートを
ラミネートして接着させる方法、耐熱フィルム基材の片
面に公知の耐熱フィルム用接着剤を塗布、乾燥してBス
テージとした後、もう一方の片面に金属箔付きBステー
ジ樹脂組成物シートをラミネートして接着させる方法等
で作製される。耐熱フィルム基材両面に樹脂層が同じ厚
みでも良く、又金属箔付きBステージ樹脂層が付着する
面は樹脂層を薄くしておき、この薄い樹脂層面に金属箔
付きBステージ樹脂層を付着させることも可能である。
製造方法は必ずしもこの方法に限定されるものではな
い。
【0025】耐熱フィルム基材に接着させる樹脂層は公
知のものが使用できる。又アディティブ用樹脂組成物を
使用しても良いが、使用する耐熱フィルムに対して接着
力が確保できる樹脂組成物として使用する。耐熱フィル
ムを使用することによりZ方向の絶縁性に優れ、その後
の無電解銅メッキでのメッキ付着が耐熱フィルム基材で
止まり、耐マイグレーション性等の信頼性に優れた多層
プリント配線板が作製できる。
【0026】本発明の多層化の場合、銅張積層板や耐熱
フィルム基材補強銅張シート等を用いて導体回路を形成
した内層板を使用して、導体に公知の表面処理を施した
後、又は両面粗化箔を使用した内層用回路板の表裏に上
記耐熱フィルム基材入り金属箔付きBステージ樹脂組成
物シートを配置し、公知の方法にて加熱、加圧、好適に
は真空下に積層成形或いはラミネートして硬化処理を行
い、粗化溶液で粗化できる硬化度とする。積層又はラミ
ネート後にエッチング等で金属箔を除去する。
【0027】本発明の多層化する際の硬化処理積層成形
条件は、特に限定はないが、酸或いは酸化剤での粗化が
適正にできる条件を、使用した樹脂組成によって適宜選
択する。一般には温度60〜250℃、圧力2〜50kgf/cm2
時間は0.5〜3時間である。又、真空下に積層成形するの
が好ましい。装置は真空ラミネータプレス、一般の多段
真空プレス等、公知のものが使用できる。
【0028】本発明で得られた金属箔張板の表層の金属
を除去後、公知の方法にて樹脂の粗化を酸或いは酸化剤
等で行う。使用する酸としては硫酸、塩酸、硝酸、燐
酸、蟻酸等が挙げられ、酸化剤としては過マンガン酸ナ
トリウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸、クロム硫
酸等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
この処理前は必要により公知の膨潤液を使用し、処理後
は中和液で中和する。この粗化処理で形成する粗化面の
平均粗度は、金属箔の凹凸とは別に平均粗度Rz 0.1〜10
μm、好適には0.2〜5μmとする。金属箔の凹凸と粗化に
よる凹凸を合わせた粗度は、一般には平均粗度Rzが3〜1
5 μm、好適にはRz 5〜12 μmとする。
【0029】本発明の硬化性樹脂組成物は、粗化溶液に
溶解性が速い成分を2成分以上配合しているために、平
均粗度が余り大きくなくても、小さい凹凸が粗化された
凹みの中にあり、銅メッキした場合に接着力は高くな
る。1成分だと凹凸は複雑とならず、高い銅接着力を得
るのが困難である。
【0030】その後は、公知のセミアディティブ法、フ
ルアディティブ法等にて無電解メッキ、厚付け無電解メ
ッキ、蒸着、スパッタリング等を行い、必要により電気
メッキを行って導体を厚付けする。樹脂組成によっても
異なるが、一般には粗化できる硬化度では、このままプ
リント配線板にすると耐熱性、信頼性等が劣り、高密度
プリント配線板としては使用できない。従って、一般に
は回路形成前に後硬化する。樹脂組成によって異なる
が、一般には温度100〜250℃で30分〜5時間後硬化す
る。次に公知の方法で回路を形成し、プリント配線板と
する。この同一工程を順次繰り返してビルドアップにて
多層化する。
【0031】この基材入り銅箔付きBステージ樹脂組成
物シートは一般の銅張積層板、多層板用の積層用Bステ
ージ樹脂組成物シートとしても使用でき、サブトラクテ
ィブ法でプリント配線板を製造することも可能である。
【0032】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。 実施例1 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマーを400
部を150℃に溶融させ、撹拌しながら4時間反応させ、平
均分子量1,900のプレポリマーを得た。これをメチルエ
チルケトンに溶解し、ワニスAとした。これに室温で液
状のエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂(商品名::エピコート828、油化シェルエポキシ<
株>製)100部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品
名:EXA830LVP、大日本インキ化学工業<株>製)150部、
ノボラック型エポキシ樹脂(商品名:DEN438、ダウケミカ
ル<株>製)100部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商
品名::エピコート1001、油化シェルエポキシ<株>製)
150部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:
ESCN220F、住友化学工業<株>製)100部を配合し、熱硬化
触媒としてアセチルアセトン鉄0.3部をメチルエチルケ
トンに溶解して加えた。これに液状のエポキシ化ポリブ
タジエン樹脂(商品名:E-1000-8.0、日本石油化学<株>
製)100部、エポキシ基変性アクリル多層構造粉体(商
品名:スタフィロイドIM-203、平均粒子径0.2μm、Max.
粒径0.5μm)30部、を加え、良く攪拌混合して均一なワ
ニスBにした。
【0033】このワニスBを連続して厚さ18μmの銅箔マ
ット面(凹凸3.5〜6.2μm、平均粗度Rz:4.6μm)に塗
布、乾燥して銅箔のMax.凸部の先端から5.7μmの高さの
Bステージ樹脂組成物層(170℃でのゲル化時間48秒)
を形成し、乾燥ゾーンから出てきた時点で樹脂側に厚さ
20μmの保護ポリロピレンフィルムを配置し、100℃、4k
gf/cmの線圧でラミネートして銅箔付きBステージ樹脂
組成物シートCを作製した。
【0034】又、上記ワニスAの固形分1000部にビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート1001、
油化シェルエポキシ<株>製)700部、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本インキ化
学工業<株>製)140部、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(商品名:ESCN220F、住友化学工業<株>製)160部
を配合し、熱硬化触媒としてアセチルアセトン鉄0.5部
をメチルエチルケトンに溶解して加えた。これに液状の
エポキシ化ポリブタジエン樹脂(商品名:E-18000-8.
0、日本石油化学<株>製)150部、エポキシ基変性アクリ
ル多層構造粉体(商品名:スタフィロイドIM-203、平均
粒子径0.2μm、Max.粒径0.5μm)80部、タルク(平均粒
径1.8μm.Max.粒径4.2μm)400部を加え、良く攪拌混
合して均一なワニスDにした。
【0035】このワニスDを厚さ25μmの表面平滑な離
型PETフィルムEの片面に連続的に塗布、乾燥してゲル化
時間55秒、厚さ25μmのBステージ樹脂層を形成し、乾
燥ゾーンを出てきた時に樹脂面に厚さ20μmのポリプロ
ピレン保護フィルムを当て、100℃、線圧4kgf/cmでラミ
ネートし、離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シー
トFを作製した。これを厚さ10μmのポリイミドフィルム
の両面をプラズマ処理した片面に保護フィルムを剥離し
ながら配置し、もう一方の面には上記銅箔付きBステー
ジ樹脂組成物シートCを、保護フィルムを剥離しながら
配置し、100℃、5kgf/cmの線圧で連続的にラミネートし
て一体化し、耐熱フィルム基材入り銅箔付きBステージ
樹脂組成物シートGを作製した。この絶縁層厚さは銅箔
の凸部先端から約41μmであった。
【0036】一方、内層板として絶縁層厚さ0.2mm、12
μm両面銅箔のBTレジン銅張積層板(商品名:CCL-HL83
0、三菱ガス化学<株>製 )に回路を形成し、黒色酸化銅
処理を銅箔に施した板の両面に、上記耐熱フィルム基材
入り銅箔付きBステージ樹脂組成物シートGを、樹脂層
が内層板側を向くように配置し、プレス装置に仕込んだ
後、室温から170℃まで25分で温度を上げ、圧力は最初
から15kgf/cm2とし、真空度は0.5Torrで170℃にて30分
保持した後、冷却して取り出し、4層の多層板を得た。
この表面の銅箔をエッチング除去後、炭酸ガスレーザー
出力15mJで1ショット照射して孔径100μmのブラインド
ビア孔をあけた。過マンガン酸カリウム系デスミア溶液
(日本マクダーミッド<株>)で膨潤、デスミア(溶
解)、中和して、樹脂表面からの凹を3.5〜5.1μm(平
均粗度Rz:4.2μm)、表層からの凹凸合計で6.9〜11.0μm
(平均粗度Rz:8.6μm)、とした。同時にブラインドビア
孔底部に残存している樹脂層を溶解除去した。次に、こ
の粗化表面に無電解銅メッキ層を0.7μm付着させ、更に
電気銅メッキを25μm付着させ、加熱炉に入れて100℃か
ら徐々に温度を30分で150℃まで上げ、更に徐々に温度
を上げて200℃で60分加熱硬化した。クロスセクション
で絶縁層間の厚みを測定したところ、ほぼ30μmであっ
た。これを用いてセミアディティブ法にて銅導体回路を
形成し、更に導体回路表面黒色酸化銅処理して同一工程
を繰り返し、6層の多層プリント配線板を作製した。こ
の特性を測定した結果を表1に示す。
【0037】実施例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコ−ト1
001、油化シェルエポキシ<株>製)500部、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂(商品名:DEN438、ダウケミカ
ル<株>製造)500部、イミダゾール系硬化剤(商品名:2
E4MZ、四国化成<株>製)30部、カルボキシル基変性アク
リル多層構造粉体(商品名:スタフィロイドIM-301、平
均粒子径0.2μm、Max.粒径0.9μm)50部、微粉砕シリカ
(平均粒子径2.4μm、Max.粒径5.0μm)40部、及びアク
リロニトリルーブタジエンゴム(商品名:ニポール103
1、日本ゼオン<株>製)30部をメチルエチルケトンに溶解
した溶液を加え、3本ロールにて良く分散した。これを
厚さ20μmで表面凹凸が1.3〜5.5μm(平均粗度Rz:4.0μ
m)のアルミニウム箔(商品名:20CF1、日本蓄電器工業<
株>製)の片面に連続的に塗布、乾燥してMax.凸部先端
から6.0μmの樹脂層を形成したアルミニウム箔付きBス
テージ樹脂組成物シートH(170℃でのゲル化時間51
秒)を作製し、乾燥ゾーンから出てきた時点で樹脂面に
厚さ25μmの保護ポリプロピレンフィルムを配置し、温
度100℃、線圧5kgf/cmのロールにて連続的にラミネート
し、巻き取った。
【0038】又、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商
品名:エピコ−ト1001、油化シェルエポキシ<株>製)50
0部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:D
EN438、ダウケミカル<株>製造)450部、イミダゾール系
硬化剤(商品名:2E4MZ、四国化成<株>製)30部、カル
ボキシル基変性アクリル多層構造エポキシ樹脂粉体粉体
(商品名:スタフィロイドIM-301、平均粒径0.2μm)50
部を加え、更にタルク(平均粒径4.2μm)300部を加
え、3本ロールにて良く均一分散し、ワニス I とし
た。このワニス I を連続的に厚さ25μmの離型PETフィ
ルムに塗布、乾燥して樹脂組成物厚さ19μm、ゲル化時
間が60秒のBステージ樹脂組成物層Jを形成し、これを
連続的に厚さ25μmの液晶ポリエステルフィルムの片面
に配置し、その反対面に上記アルミニウム箔付きBステ
ージ樹脂組成物シートHの保護フィルムを剥離しながら
配置し、温度100℃、線圧5kgf/cmの加熱ロールにて連続
的にラミネートし、巻き取って耐熱フィルム基材入りア
ルミニウム箔付きBステージ樹脂組成物シートK を作製
した。この絶縁層厚みは金属箔凸部先端からの厚み約50
μmであった。
【0039】一方、厚さ0.2mm、12μm両面銅箔のエポキ
シ系銅張積層板(商品名:CCL-EL170、三菱ガス化学<株
>製)回路を形成し、導体回路に黒色酸化銅処理後に、
この両面に上記耐熱フィルム基材入りアルミニウム箔付
きBステージ樹脂組成物シート K の離型PETフィルムを
剥離して配置し、プレス装置に仕込んで、170℃まで25
分で温度を上げ、圧力は最初から15kgf/cm2とし、真空
度0.5Torrにて温度170℃にて30分保持して硬化処理をし
た後、冷却して取り出し、4層多層板Lを得た。この表面
のアルミニウム箔を10%塩酸溶液で溶解除去後、炭酸ガ
スレーザー出力12mJで1ショット照射して孔径100μmの
ブラインドビア孔をあけた。
【0040】クロム酸水溶液で粗化処理をして、樹脂表
面からの凹を3.6〜5.0μm(平均粗度Rz:4.1μm)とした。
表層からの凹凸合計で4.7〜10.0μm(平均粗度Rz:8.0μ
m)とした。この際に耐熱フィルムには凹部先端は到達し
なかった。同時にブラインドビア孔底部に残存している
樹脂層を溶解除去した。成形後の絶縁層間の厚みはほぼ
40μmであった。
【0041】次に、この粗化表面に無電解銅メッキ層を
0.5μm付着させ、更に電気銅メッキを25μm付着させ、
加熱炉に入れて温度を100℃から30分で150℃まで徐々に
上げ、更に温度を徐々に上げて170℃で60分加熱硬化し
た。これを用いてセミアディティブ法にて導体回路を形
成し、更に導体回路に黒色酸化銅処理を行い、同様に加
工して6層の多層プリント配線板を作製した。この特性
を測定した結果を表1に示す。
【0042】比較例1、2 実施例1、2でそれぞれワニスD及び I を使用し、銅
箔及び金属箔の凹凸部に付着するBステージの樹脂層の
厚さを、凸部先端からそれぞれ40、50μm付着させて金
属箔付きBステージ樹脂組成物シートを作製し、実施例
1、2において耐熱フィルム基材を使用せず、この金属
箔付きBステージ樹脂組成物シートのみを使用して同様
に積層硬化処理成形し、粗化処理を同様に行って、実施
例1,2と同様に表層からの凹凸合計で5〜11μm(平均
粗度Rz:8〜9μm)とし、同様に6層の多層プリント配線板
とした。この評価結果を表1に示す。
【0043】比較例3 実施例1において、ワニスDを厚さ20μmのガラス織布に
含浸、乾燥して総厚さ(ガラス織布+樹脂組成物層)40
μm、ゲル化時間(170℃)が54秒のプリプレグMを製造
した。このプリプレグを各1枚内層板の両側に配置し、
その外側に18μmの銅箔を置き、同様に積層硬化処理成
形して4層の多層板を作製した。この表層の銅箔をエッ
チング除去後に、ブラインドビア孔を形成し、同様に粗
化処理を行って、表層からの凹凸合計を5〜11μmとし、
無電解銅メッキ、電気銅メッキ後に同様に回路形成、導
体黒色酸化銅処理、プリプレグK配置、18μmの銅箔配
置、同様に積層してから表層の銅箔除去、ブラインドビ
ア孔形成、、デスミア処理、無電解銅メッキ、電気銅メ
ッキ後に回路形成を行って6層の多層プリント配線板を
作製した。銅メッキ断面を観察すると、ガラスクロスに
粗化の凹が到達し、銅メッキが付着している箇所多数が
あった。この評価結果を表1に示す。
【0044】比較例4 実施例2において、エポキシ樹脂粉体、カルボキシル基
変性アクリル多層構造粉体、微粉砕シリカ、及びアクリ
ロニトリルーブタジエンゴムを用いないでワニスを調整
し、これを同様に凹凸が形成されたアルミニウム箔上
に、凸部先端から厚さ50μmとなるように塗布、乾燥し
て、ゲル化時間(170℃)が77秒の樹脂層を形成したアル
ミニウム箔付きBステージ樹脂組成物シートNを作製し
た。このアルミニウム箔付きBステージ樹脂組成物シー
トNを内層板の両側に各1枚配置し、同様に積層硬化処
理成形して4層の多層板を作製し、表層のアルミニウム
箔を10%の塩酸で溶解除去後に、同様にCO2レーザーでブ
ラインドビア孔を形成し、実施例2と同じ条件で粗化処
理を行い、無電解銅メッキ、電気銅メッキ後に導体回路
形成、導体黒色酸化銅処理、アルミニウム箔付きBステ
ージ樹脂組成物シートN配置、積層成形を行い、その後
同様に加工して6層プリント配線板とした。この評価結
果を表1に示す。
【0045】 (表1) 項目 実施例 比較例 1 2 1 2 3 4 銅接着力(kgf/cm) 1.25 1.37 1.24 1.37 1.16 0.46 半田耐熱性 異常なし 異常なし 異常なし 一部膨れ 一部膨れ 一部膨れ ガラス転移温度 DMA (℃) 201 153 201 153 202 168 弾性率25℃ (kgf/mm2) 1505 1389 1087 995 1829 776 ソリ・ネジレ(mm) 1.2 1.5 4.0 5.1 1.6 5.3 厚みバラツキ (μm) 4.5 6.1 9.8 12.6 7.8 12.9 ブラインドビア孔・ヒートサイクル試験 抵抗値変化率(%) 1.6 2.0 2.0 2.8 1.8 >10 クラック発生 200サイクル 0/1000 0/1000 0/1000 0/1000 0/1000 210/1000 400サイクル 0/1000 51/1000 0/1000 70/1000 66/1000 970/1000 耐マイグレーション性 (Ω) 常態 6x1013 4x1013 5x1013 6x1013 4x1013 5x101 3 200hrs. 6x1011 6x1010 4x1010 5x108 5x109 2x108 500hrs. 3x1011 5x1010 2x109 <108 <108 <108
【0046】<測定方法> 1)銅接着力: JIS C6481に準じて測定した。 2)半田耐熱性: 6層のプリント配線板をプレッシャクッ
カー試験処理(PCT:121℃・203kPa・4hrs.)後に260℃の
半田中に30sec.浸漬してから異常の有無を観察した。 3)ガラス転移温度: 各ワニスを銅箔上に塗布、乾燥を重
ねて厚さ0.8mmとし、その後、この樹脂組成物面に銅箔
を置いて各積層硬化条件で硬化させてから、表層の銅箔
をエッチングし、DMA法にて測定した。尚、比較例3
はプリプレグを14枚使用して積層成形して厚さをほぼ0.
8mmとしたものを使用した。 4)弾性率: 2)で測定したDMAのチャートの25℃での弾性
率を示した。 5)ソリ、ネジレ: 250x250mmで作製した6層のプリント配
線板を用い、定盤上に置き、ソリ、ネジレの最大値を測
定した。 6)厚みバラツキ:5)の250x250mmの6層のプリント配線板
の片面の積層した層の厚みのバラツキを厚み測定器で測
定し、(最大値−最小値)で表した。 7)ブラインドビア孔・ヒートサイクル試験による抵抗
値変化及びクラック:各6層プリント配線板の表層から2
層目に形成したブラインドビア孔(孔径100μm、ランド
180μmを2層目と3層目を交互に1000孔つなぎ、-65℃/
30分←→+150℃/30分を1サイクルとして200サイクル繰
り返し、抵抗値の変化の最大値を測定した。又、200、4
00サイクルでの孔断面を観察し、樹脂クラックの発生を
見た。分子に発生数、分母に試験数を示した。 8)耐マイグレーション性: 各実施例、比較例の6層板の
2層目と3層目に10mm角の銅箔を同じ位置に残して100
個つなぎ、Z方向の絶縁層間の絶縁抵抗値を85℃・85%R
Hにて100VDC印加して測定した。
【0047】
【発明の効果】表面凹凸を有する金属箔の表面に形成し
たアディティブ用樹脂組成物層の樹脂側に、耐熱フィル
ム基材に付着した基材補強Bステージ樹脂組成物層が接
着した構成のアディティブ用耐熱フィルム基材入り金属
箔付きBステージ樹脂組成物シートを使用することによ
り、弾性率(剛性)も高く、ソリ、ネジレ、厚み精度に
優れた、且つZ方向の耐マイグレーション性に優れた多
層プリント配線板を製造することができた。又、基材入
り金属箔付きBステージ樹脂組成物の少なくともアディ
ティブ用樹脂組成物は、硬化処理後に難溶性となる樹脂
成分として、(a)多官能性シアン酸エステルモノマー、
該シアン酸エステルプレポリマー100重量部に対し、(b)
室温で液状のエポキシ樹脂15〜500重量部を配合し、(c)
熱硬化触媒を、(a+b)100重量部に対し0.005〜10重量部
配合した樹脂組成物を必須成分とする硬化性樹脂組成物
を使用することにより、耐熱性が高く、耐マイグレーシ
ョン性、耐クラック性等の信頼性に優れた多層プリント
配線板を得ることができた。更に硬化処理後にも粗化溶
液に可溶性の成分として、ブタジエン含有樹脂、樹脂粉
体、無機粉体の3成分のうち2成分以上を必須成分とす
ることにより、粗化によるアンカー効果が増し、銅メッ
キの接着力の大きいものが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のプリント配線板の製造工程。 (1) 耐熱フィルムの両面にBステージ樹脂層が付着し
た耐熱フィルム基材入り銅箔付きBステージ樹脂組成物
シート (2) 硬化処理積層成形後に表層の銅箔をエッチング除
去後の粗化 (3) 粗化された樹脂表面
【図2】比較例1の粗化された樹脂表面
【図3】比較例3のプリント配線板の製造工程。 (1) 硬化処理積層成形時の構成 (2) 硬化処理積層成形してからに表層の銅箔をエッチ
ング除去後の粗化 (3) ガラス繊維まで 粗化された樹脂表面
【符号の説明】
a 銅箔 b 銅箔の凹凸部 c Bステージ樹脂組成物層 d 有機粉体 e 耐熱フィルム f 保護フィルム g 内層板導体回路 h 内層板絶縁層 i 銅箔をエッチング除去後の表面凹凸部 j 粗化された表面樹脂層 k プリプレグ l ガラス繊維糸 m ガラス繊維断面 n 粗化によりガラスクロスに到達した箇所 O 無機粉体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/38 H05K 3/38 A 3/46 3/46 T Fターム(参考) 4F100 AA01B AA01C AB01B AB01D AB01E AB17 AB33 AC10 AK01A AK01B AK01C AK07 AK25 AK29B AK29C AK42 AK49 AK53B AK53C AL05B AL05C AT00A BA04 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10C BA10D BA10E CA02 DE01B DE01C EC03 EC032 EH46 EH462 EJ61 EJ611 EJ86 EJ862 GB43 JJ03 JJ03A JK01 JL11 YY00B YY00C 4J002 BB00W BC03W BG04W BN15W BN16W CC03X CD00W CH07W CM02X CM04W CP03X DE077 DE147 DE237 DJ007 DJ017 ER006 FD017 FD13X 5E343 AA02 AA13 AA16 AA17 AA18 AA36 AA38 BB15 BB21 BB71 DD32 GG04 5E346 AA06 AA12 AA38 BB01 CC02 CC08 CC09 CC32 DD02 DD33 EE31 EE38 FF04 GG02 GG17 GG22 GG27 GG28 HH11 HH18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱フィルム基材の両面にBステージ樹
    脂組成物層が付着しており、この片面に表面凹凸を有す
    る金属箔の凹凸面が接着した構造であり、少なくとも金
    属箔に接着しているBステージ樹脂組成物がアディティ
    ブ用Bステージ樹脂組成物であることを特徴とするアデ
    ィティブ用耐熱フィルム基材入り金属箔付きBステージ
    樹脂組成物シート。
  2. 【請求項2】 該アディティブ用樹脂組成物層の厚みが5
    〜20μmの厚さである請求項1記載のアディティブ用耐
    熱フィルム基材入り金属箔付きBステージ樹脂組成物シ
    ート。
  3. 【請求項3】 該耐熱フィルム基材の片面の樹脂層を薄
    くするか、使用しないで、この面側に該アディティブ用
    金属箔付きBステージ樹脂組成物シートの樹脂側が接着
    した構造の請求項1又は2記載のアディティブ用耐熱フ
    ィルム基材入り金属箔付きBステージ樹脂組成物シー
    ト。
  4. 【請求項4】 該アディティブ用樹脂組成物、耐熱フィ
    ルム基材補強Bステージ樹脂組成物の少なくともアディ
    ティブ用樹脂組成物は硬化処理後に粗化溶液で粗化した
    際に粗化溶液に難溶性となる樹脂成分と可溶性の成分が
    配合されたものであり、該難溶性となる樹脂成分とし
    て、(a)多官能性シアン酸エステルモノマー、該シアン
    酸エステルプレポリマー100重量部に対し、(b)室温で液
    状のエポキシ樹脂15〜500重量部を配合し、(c)熱硬化触
    媒を、(a+b)100重量部に対し0.005〜10重量部配合した
    樹脂組成物を必須成分とする請求項1、2又は3記載の
    アディティブ用耐熱フィルム基材入り金属箔付きBステ
    ージ樹脂組成物シート。
  5. 【請求項5】 該硬化処理後にも粗化溶液に可溶性の成
    分として、ブタジエン含有樹脂、有機粉体、無機粉体の
    3成分のうち2成分以上を必須成分として使用する請求
    項1、2,3又は4記載のアディティブ用基材入り金属
    箔付きBステージ樹脂組成物シート。
  6. 【請求項6】 該耐熱フィルム基材の厚さが4〜20μmで
    ある請求項1、2、3、4又は5記載のアディティブ用
    耐熱フィルム基材入り金属箔付きBステージ樹脂組成物
    シート。
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