JP2003235665A - リクライニング装置 - Google Patents

リクライニング装置

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JP2003235665A
JP2003235665A JP2002035968A JP2002035968A JP2003235665A JP 2003235665 A JP2003235665 A JP 2003235665A JP 2002035968 A JP2002035968 A JP 2002035968A JP 2002035968 A JP2002035968 A JP 2002035968A JP 2003235665 A JP2003235665 A JP 2003235665A
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Japan
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hole portion
viscous liquid
rotary damper
reclining device
large hole
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Application number
JP2002035968A
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English (en)
Inventor
Hidenori Sugano
秀則 菅野
Ryota Shimura
良太 志村
Masanori Itagaki
正典 板垣
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Somic Ishikawa KK
Original Assignee
Somic Ishikawa KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートクッション固定部から突出する部位の
突出方向及び径方向の外形寸法をいずれも小さいものと
する。 【解決手段】 シートクッション固定部20に固定され
る本体ケース41と、該本体ケース41外に突出する軸
部42a、及び該軸部42aに突設され、本体ケース4
1内に形成される粘性液体が充填される液体室44内で
揺動可能に配設されるベーン42bを有し、軸部42a
がシートバック固定部10に連結されることにより支軸
として機能するロータ42とを備え、渦巻きばね30の
略中央に形成される空間内部に配設される回転ダンパ4
0を具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用シートなどに用
いられるリクライニング装置に関し、特にシートバック
の回転動作を緩慢なものとさせる回転ダンパを利用した
リクライニング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のリクライニング装置とし
て、図7(a)に示したように、シートクッション固定
部110と、該シートクッション固定部110に支軸1
00を介して回動可能に連結されるシートバック固定部
120と、シートバック固定部120を前方向に付勢す
る渦巻きばね130とを備えると共に、渦巻きばね13
0の外側に、該渦巻きばね130の付勢力に抗してシー
トバック固定部120の回転動作を緩慢なものとさせる
回転ダンパ140を取り付けたものが知られている。
【0003】かかる回転ダンパ140は、一般に次のよ
うな構造を有する。すなわち、固定側部材と、この固定
側部材に対して回転可能に設けられる可動側部材と、そ
の固定側部材と可動側部材との間に形成される僅かなク
リアランスに充填される粘性液体とを有して構成され
る。そして、可動側部材が渦巻きばね130の外側に位
置してシートバック固定部120に固定されると共に、
固定側部材が支軸100に連結され、シートバックの回
転動作に伴って可動側部材が回転することにより生ずる
粘性液体の粘性抵抗を利用してシートバック(シートバ
ック固定部120)の回転動作を緩慢なものにさせるも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
リクライニング装置では、回転ダンパ140が渦巻きば
ね130の外側に位置して配設されているため、回転ダ
ンパ140が設けられていないリクライニング装置と比
較して、回転ダンパ140を取り付けた部位が、回転ダ
ンパ140の厚さ分だけ外方に突出して構成されること
となる。その結果、例えば、自動車の前部シートに上記
の回転ダンパ140を備えるリクライニング装置を取り
付けた場合には、回転ダンパ140を設けたことによっ
て外方に突出した部位が、リクライニング装置と同様の
位置に設けられるシートベルトと接触して邪魔になるな
ど、レイアウト上の問題があった。
【0005】このような問題を解消するため、特開20
00−166680公報には、概略図7(b)に示した
ように、回転ダンパ140に凹部を形成し、この凹部に
渦巻きばね130を配置し、あるいは概略図7(c)に
示したように、渦巻きばね130の略中央に形成される
空間内部に回転ダンパ140を配置して、回転ダンパ1
40のシートクッション固定部110からの突出高さH
を可及的に小さくしたリクライニング装置が開示されて
いる。
【0006】しかしながら、かかるリクライニング装置
において、回転ダンパ140に凹部を形成し、この凹部
に渦巻きばね130を配置したものでは、回転ダンパ1
40の突出高さHを小さくできるものの、回転ダンパ1
40の外径Dが大きくなるので、結局、シートクッショ
ン固定部110から突出する部位全体をコンパクトなも
のにすることができない。一方、渦巻きばね130の略
中央に形成される空間内部に回転ダンパ140を配置し
たものでは、回転ダンパ140として粘性抵抗を利用し
たものを用いているために、回転ダンパ140の突出高
さHを僅かに小さくできるに過ぎない。すなわち、粘性
抵抗を利用した回転ダンパは、固定側部材と可動側部材
との相対的な回転により、両者の間隙に充填された粘性
液体の粘性抵抗を生じさせる構造であるため、一定の粘
性抵抗を生じさせるためには、それに対応する固定側部
材と可動側部材との対向面積を確保することが必要であ
る。従って、回転ダンパ140として、渦巻きばね13
0の略中央に形成される空間内部に配設し得る小径のも
のを用いて、シートバックの回転動作を遅動させるに
は、突出方向の外形寸法(厚さ)が大きなものを用いざ
るを得ない。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、シートクッション固定部から突出する部位の突出方
向及び径方向の外形寸法をいずれも従来よりも小さいも
のとすることができるリクライニング装置を提供するこ
とを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の本発明は、シートバック固定部と
シートクッション固定部とを有し、両者が支軸を介して
回動可能に連結されていると共に、シートバック固定部
を前方向に付勢する渦巻きばねが設けられているリクラ
イニング装置において、前記シートクッション固定部に
固定される本体ケースと、該本体ケース外に突出する軸
部、及び該軸部に突設され、前記本体ケース内に形成さ
れる粘性液体が充填される液体室内で揺動可能に配設さ
れるベーンを有し、前記軸部が前記シートバック固定部
に連結されることにより前記支軸として機能するロータ
とを備え、前記渦巻きばねの略中央に形成される空間内
部に配設される回転ダンパを具備することを特徴とする
リクライニング装置を提供する。請求項2に記載の本発
明は、前記回転ダンパは、前記本体ケースに前記渦巻き
ばねの基端部が係合する溝を有することを特徴とする請
求項1記載のリクライニング装置を提供する。請求項3
に記載の本発明は、前記回転ダンパは、前記ベーンが一
方向へ揺動した場合にのみ制動力を発揮させる弁機構を
備えることを特徴とする請求項1又は2記載のリクライ
ニング装置を提供する。請求項4に記載の本発明は、前
記弁機構は、前記ベーンが前記液体室に配設されること
により形成される2つの室のうち、粘性液体の圧力が生
ずる側に連通するように形成される大孔部と、該大孔部
に連通し、かつ前記2つの室のうち、粘性液体の圧力が
生じない側に連通するように形成される小孔部と、前記
大孔部内に設けられ、前記大孔部又は小孔部に流入する
粘性液体の流動圧を受けることによって前記大孔部と小
孔部との境界を閉塞又は開放する弁体とを備えることを
特徴とする請求項3記載のリクライニング装置を提供す
る。請求項5に記載の本発明は、前記回転ダンパは、前
記ベーンの揺動に伴って移動する粘性液体の流量を負荷
の変化に対応して自動的に調節することにより、発揮す
る制動力を調節する自動制動力調節機構を備えることを
特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載のリクラ
イニング装置を提供する。請求項6に記載の本発明は、
前記自動制動力調節機構は、前記ベーンが前記液体室に
配設されることにより形成される2つの室のうち、粘性
液体の圧力が生ずる側に連通するように形成される大孔
部と、該大孔部に連通し、かつ前記2つの室のうち、粘
性液体の圧力が生じない側に連通するように形成される
小孔部と、前記大孔部又は小孔部に流入する粘性液体の
流動圧を受けることによって前記大孔部内で移動可能に
設けられる弁体と、前記小孔部内に設けられ、前記弁体
を前記大孔部と小孔部との境界から離間させる方向に付
勢するコイルばねとを備えることを特徴とする請求項5
記載のリクライニング装置を提供する。請求項7に記載
の本発明は、前記回転ダンパは、粘性液体を蓄積可能な
アキュムレータを備えることを特徴とする請求項1から
6のいずれか1に記載のリクライニング装置を提供す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳しく説明する。図1は、本発明の一の実施
の形態に係るリクライニング装置を示す概略図であり、
図2は、図1のA−A部断面図である。これらの図に示
したように、本実施形態に係るリクライニング装置は、
自動車の前部シート等のシートバックに固定されるシー
トバック固定部10と、シートクッションに固定される
シートクッション固定部20と、シートバック固定部1
0を前方向に付勢する渦巻きばね30と、渦巻きばね3
0の付勢力に抗してシートバック固定部10の前方向へ
の回転動作を遅動させる回転ダンパ40とを有して構成
される。
【0010】なお、本実施形態に係るリクライニング装
置は、ギアのかみ合いによりシートバック固定部10を
回動不能にロックするロック機構と、そのロックを解除
する操作レバーとをさらに備えるものであるが、シート
バックをリクライニングさせる機構自体は従来公知のも
のを採用することができ、本発明の要旨ではないため、
図示を省略している。
【0011】シートバック固定部10は、ブラケット1
1と、このブラケット11に固定される連結用のアーム
12とを有して構成される。アーム12は、ブラケット
11との間にシートクッション固定部20、渦巻きばね
30及び回転ダンパ40を配設し得る空間を形成する形
状に形成され、ブラケット11に対して略平行に配置さ
れる板状部12aの上端側には、渦巻きばね30の他端
部30bが係止される係止部12bを有すると共に、そ
の下端側には、回転ダンパ40を構成するロータ42の
軸部42aが係合する孔部12cを有する。
【0012】シートクッション固定部20は、回転ダン
パ40を取り付けるためのボルト50が挿通されるボル
ト挿通孔20aを有し、シートバック固定部10を構成
するブラケット11の外側に配置されている。ボルト挿
通孔20aは、シートバック固定部10の回転中心と同
心的に形成されている。
【0013】渦巻きばね30は、シートクッション固定
部20の外側において、基端部30aが回転ダンパ40
を構成する本体ケース41に形成された溝41fに係合
することにより、また他端部30bがシートバック固定
部10を構成するアーム12に形成された係止部12b
に係止されることにより、それぞれ支持されると共に、
シートバック固定部10が後方向に回動することにより
巻き締められるように配設されている。
【0014】回転ダンパ40は、図3及び図4に示した
ように、本体ケース41外に突出する軸部42aと、該
軸部42aに突設され、本体ケース41内に形成される
粘性液体が充填される液体室44内で揺動可能に配設さ
れるベーン42bとを有するロータ42を備えて構成さ
れる。
【0015】この回転ダンパ40は、本体ケース41の
底壁41c外面をシートクッション固定部20の表面に
当てて、シートクッション固定部20の背面側からボル
ト挿通孔20aに挿通される固定用のボルト50を、本
体ケース41の軸心に沿って形成されたネジ孔41dに
螺合させることにより、本体ケース41が渦巻きばね3
0の略中央に形成される空間内部に位置してシートクッ
ション固定部20に固定されている。
【0016】回転ダンパ40をこのように渦巻きばね3
0の略中央に形成される空間内部に配設したことによ
り、シートクッション固定部20から突出する部位の突
出方向及び径方向の外形寸法をいずれも小さいものとす
ることができる。
【0017】もっとも、上記したように、回転ダンパを
渦巻きばねの略中央に形成される空間内部に配設する構
成は公知である。しかしながら、本実施形態において採
用した回転ダンパ40は、液体室44内に配設されたベ
ーン42bが揺動して粘性液体を押圧することにより生
ずる抵抗を利用したものであり、粘性抵抗を利用したも
のではないため、粘性抵抗を利用した回転ダンパと比較
して、軸方向及び径方向の外形寸法がいずれも小さい小
型のものでも、大きな制動力を発揮することができる。
【0018】例えば、自動車の前部シートのシートバッ
クに適用した場合、シートバックの前倒回転時に回転ダ
ンパ40には約15N・m以上の負荷が加えられること
となり、シートバックの回転動作を遅動させるには、そ
の負荷に対応して大きな制動力を発揮する必要がある。
本実施形態において採用した回転ダンパ40によれば、
渦巻きばね30の略中央に形成される空間内部に配設す
るために本体ケース41の外径を例えば40mm以下と
しても、該本体ケース41の軸方向の外形寸法(厚さ)
を例えば15mm以下に設定することが可能である。
【0019】これに対し、粘性抵抗を利用した回転ダン
パでは、本実施形態において採用した回転ダンパ40と
同様に、外径を40mm以下とし、軸方向の外形寸法
(厚さ)を15mm以下に設定したとすると、固定側部
材と可動側部材との対向面積が小さくなるので、負荷に
対応した大きな制動力を発揮することができない。この
ため、径方向の外形寸法を大きくするには構造上の限界
があるので、どうしても軸方向の外形寸法(厚さ)を上
記寸法よりも大きくしなければならない。
【0020】従って、本実施形態のリクライニング装置
によれば、回転ダンパ40として、上記構成のものを採
用し、かつ該回転ダンパ40を渦巻きばね30の略中央
に形成される空間内部に配設したことにより、シートク
ッション固定部20から突出する部位の突出方向及び径
方向の外形寸法をいずれも従来よりもさらに小さいもの
とすることができる。
【0021】また、回転ダンパ40は、本体ケース41
の軸心に沿って配設され、本体ケース41外に突出する
ロータ42の軸部42aの端部がシートバック固定部1
0を構成するアーム12の孔部12cに挿通され、該孔
部12cと係合している。このため、ロータ42の軸部
42aは、シートバック固定部10の回転中心に位置し
て、シートバック固定部10をシートクッション固定部
20に対して回動可能に連結する支軸として機能する。
【0022】回転ダンパ40としては、上記したよう
に、シートクッション固定部20に固定される本体ケー
ス41と、該本体ケース41外に突出する軸部42a、
及び該軸部42aに突設され、本体ケース41内に形成
される粘性液体が充填される液体室44内で揺動可能に
配設されるベーン42bを有し、軸部42aがシートバ
ック固定部10に連結されることにより支軸として機能
するロータ42とを備え、渦巻きばね30の略中央に形
成される空間内部に配設し得るものであれば、その構造
は限定されるものではないが、例えば、以下の構成要素
を具備するものであることが好ましい。
【0023】すなわち、回転ダンパ40は、本体ケース
41に渦巻きばね30の基端部30aが係合する溝41
fを有することが好ましい。この溝41f内に渦巻きば
ね30の基端部30aが係合して支持されるため、その
基端部30aを支持するための支持部を別途設ける必要
がなく、製造コストを低く抑えることができる。
【0024】また、回転ダンパ40には、ベーン42b
が一方向へ揺動した場合にのみ制動力を発揮させる弁機
構45が設けられることが好ましい。かかる弁機構45
の働きにより、後述するように、シートバックに対し、
前倒回転時には回転ダンパ40による制動力を付与し、
後倒回転時には回転ダンパ40による制動力を付与しな
いようにすることができる。
【0025】弁機構45の構成は上記機能を果たし得る
限り限定されるものではないが、例えば、図3及び図4
に示したように、互いに連通する大孔部45a及び該大
孔部45aよりも小さい孔からなる小孔部45bと、大
孔部45a内に設けられる弁体45cとを有して構成さ
れるものを採用することが好ましい。
【0026】大孔部45aは、第1の液体通路45dを
介して、ベーン42bが液体室44に配設されることに
より形成される2つの室44a,44bのうち、粘性液
体の圧力が生ずる側(以下「圧力室」という。)44a
に、小孔部45bは、第2の液体通路45eを介して、
上記2つの室44a,44bのうち、粘性液体の圧力が
生じない側(以下「非圧力室」という。)44bに、そ
れぞれ連通している。
【0027】かかる弁機構45を有する回転ダンパ40
によれば、軸部42aが一方向(制動力発揮方向)へ回
転し、それに伴ってベーン42bが圧力室44a内の粘
性液体を押圧すると、圧力室44a内の粘性液体は、第
1の液体通路45dを通じて大孔部45a内に流入す
る。そして、弁体45cが大孔部45a内に流入する粘
性液体の流動圧を受けると、大孔部45a内で小孔部4
5bに近接する方向へ向かって移動し、大孔部45aと
小孔部45bとの境界を閉塞する。これにより、粘性液
体の小孔部45bへの移動が阻止され、粘性液体は、本
体ケース41とロータ42とが摺接する部位に形成され
る僅かな隙間を通じてのみ移動することとなるため、圧
力室44a内において粘性液体の圧力が生じ、この圧力
によってロータ42の回転速度が減速される。
【0028】一方、軸部42aが上記とは逆方向(非制
動力発揮方向)へ回転し、それに伴ってベーン42bが
非圧力室44b内の粘性液体を押圧すると、非圧力室4
4b内の粘性液体は、第2の液体通路45eを通じて小
孔部45b内に流入する。そして、弁体45cが小孔部
45b内に流入する粘性液体の流動圧を受けると、大孔
部45a内で小孔部45bから離間する方向へ向かって
移動し、大孔部45aと小孔部45bとの境界を開放す
る。これにより、粘性液体の大孔部45aへの移動が可
能となるため、非圧力室44b内においては粘性液体の
圧力が殆ど生じることがなく、ロータ42は減速されず
に回転することとなる。
【0029】また、上記した弁機構45は、図3及び図
4に示したように、大孔部45a及び小孔部45bがと
もに円形の孔からなり、また弁体45cが球状であるた
め、弁体45cが大孔部45aと小孔部45bとの境界
を閉鎖したときの密閉性(シール性)が非常に良好であ
る。従って、弁体45cと上記境界との間からの液漏れ
により生ずる制動力の低下を防止することができる。
【0030】なお、図示した回転ダンパ40は、かかる
弁機構45がベーン42bに形成されているが、これに
限定されるものではなく、本体ケース41とロータ42
を構成する軸部42aとの間に設けられ、本体ケース4
1と軸部42aとの間に形成される空間を仕切る隔壁部
43に、かかる弁機構45を形成することもできる。
【0031】また、上記隔壁部43により仕切り形成さ
れた空間が液体室44であり、該液体室44には、粘性
液体が充填される。粘性液体としてはシリコンオイル等
を用いることができる。粘性液体は、軸部42aの本体
ケース41外に突出する端部に、その軸心に沿って形成
された充填孔42gから本体ケース41内に注入され
る。充填孔42gは、本体ケース41内に粘性液体を充
填した後、球状の栓48aと、該栓48aの脱落を防止
する押さえネジ48bにより閉塞される。
【0032】また、ロータ42を構成するベーン42b
は、上記液体室44において、一面42cが、本体ケー
ス41を構成し、そのケース本体部41aの開口部を閉
塞する閉塞部41bに、他面42dが、本体ケース41
の底壁(ケース本体部41aの底壁)41cに、先端面
42eが、本体ケース41(ケース本体部41a)の内
周面41eに、それぞれ摺接して揺動するように配設さ
れている。
【0033】また、回転ダンパ40には、ベーン42b
の揺動に伴って移動する粘性液体の流量を負荷の変化に
対応して自動的に調節することにより、発揮する制動力
を調節する自動制動力調節機構46が設けられることが
好ましい。
【0034】自動制動力調節機構46の構成は上記機能
を果たし得る限り限定されるものではないが、例えば、
図5及び図6に示したように、圧力室44aに連通する
ように形成される大孔部45aと、該大孔部45aに連
通し、かつ非圧力室44bに連通するように形成される
小孔部45bと、大孔部45a又は小孔部45bに流入
する粘性液体の流動圧を受けることによって大孔部45
a内で移動可能に設けられる弁体45cと、小孔部45
b内に設けられ、弁体45cを大孔部45aと小孔部4
5bとの境界から離間させる方向に付勢するコイルばね
46aとを備えたものを採用することが好ましい。
【0035】すなわち、この自動制動力調節機構46
は、上記した一方向性の弁機構45の構成を包含し、弁
機構45の小孔部45b内に、弁体45cを大孔部45
aと小孔部45bとの境界から離間させる方向に付勢す
るコイルばね46aを設けて構成されるものである。
【0036】かかる自動制動力調節機構46を有する回
転ダンパ40によれば、まず、自動制動力調節機構46
が弁機構45の構成を包含して構成されるため、上記し
た弁機構45の動作原理と同様の動作原理により、ベー
ン42bが一方向へ揺動した場合にのみ制動力を発揮さ
せることが可能である。そして、さらに、自動制動力調
節機構46は、弁体45cを大孔部45aと小孔部45
bとの境界から離間させる方向に付勢するコイルばね4
6aを有するため、大孔部45a及び小孔部45bを通
じて圧力室44aから非圧力室44bへ移動する粘性液
体の流量を、負荷の変化に対応して自動的に変化させ
る、すなわち、回転ダンパ40に加えられる負荷が大き
くなる程大孔部45a及び小孔部45bを通過する粘性
液体の流量を自動的に少なくし、負荷が小さくなる程そ
の流量を自動的に多くすることにより、発揮する制動力
を調節することができる。
【0037】具体的には、例えば、自動車の前部シート
のシートバックには、取り外し可能なヘッドレストが設
けられており、ヘッドレストが取り付けられている場合
と、取り外されている場合とでは、シートバックの前倒
回転時に回転ダンパに加えられる負荷の大きさが異な
る。従って、制動力を調節する機能をもたない回転ダン
パでは、発揮する制動力の大きさが一定のため、ヘッド
レストが取り付けられている場合と取り外されている場
合とで、シートバックの回転速度に差が生じる。
【0038】この点、上記した自動制動力調節機構46
によれば、ヘッドレストが取り付けられている場合に
は、回転ダンパ40に加えられる負荷が大きいので、こ
の場合、大孔部45a内に流入する粘性液体の流動圧が
大きいものとなり、コイルばね46aが強い力で圧縮さ
れることとなる。これにより、例えば図6(a)に示し
たように、弁体45cが大孔部45aと小孔部45bと
の境界をほぼ閉鎖し、弁体45cと上記境界との間の隙
間が極めて小さいものとなり、大孔部45a及び小孔部
45bを通過する粘性液体の流量が少なくなるため、大
きな制動力を発揮することができる。
【0039】一方、ヘッドレストが取り外されている場
合には、回転ダンパ40に加えられる負荷が小さくなる
ので、この場合、大孔部45a内に流入する粘性液体の
流動圧も小さいものとなり、コイルばね46aが比較的
弱い力で圧縮されることとなる。これにより、例えば図
6(b)に示したように、弁体45cと上記境界との間
の隙間が比較的大きいものとなり、大孔部45a及び小
孔部45bを通過する粘性液体の流量が多くなるため、
発揮する制動力はヘッドレストが取り付けられている場
合よりも小さくなる。
【0040】その結果、ヘッドレストが取り付けられて
いるか否かにかかわらず、いずれの場合にも、ほぼ一定
のゆっくりとした速度でシートバックを回動させること
ができる。また、制動力の調節にあたって、外部から何
ら操作する必要がないというメリットがある。
【0041】また、回転ダンパ40には、アキュムレー
タ47が設けられることが好ましい。このアキュムレー
タ47は、図3及び図4に示したように、第3の液体通
路47aを介して上記した小孔部45bに連通するよう
にロータ42に形成された溝42fに収容されている。
【0042】粘性液体中にエアが多く含まれていると、
ベーン42bに押圧された際に、そのエアが圧縮される
だけで粘性液体の圧力が小さいものとなるため、発揮す
る制動力が低下する。これを防ぐため、本体ケース41
内の液体室44が脱泡された粘性液体で完全に満たされ
ることが望ましいが、単に粘性液体の充填率を高めただ
けでは、温度変化に伴う粘性液体の膨張により、回転ダ
ンパ40が破壊するおそれがある。
【0043】この点、アキュムレータ47を有する回転
ダンパ40によれば、粘性液体が膨張しても、アキュム
レータ47により、これを吸収して一時的に蓄積するこ
とができる。従って、粘性液体の充填率を高めて発揮す
る制動力を大きくすることができると共に、粘性液体の
膨張による回転ダンパ40の破壊を防止することができ
る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のリクライ
ニング装置は、シートバック固定部とシートクッション
固定部とを有し、両者が支軸を介して回動可能に連結さ
れていると共に、シートバック固定部を前方向に付勢す
る渦巻きばねが設けられているリクライニング装置にお
いて、前記シートクッション固定部に固定される本体ケ
ースと、該本体ケース外に突出する軸部、及び該軸部に
突設され、前記本体ケース内に形成される粘性液体が充
填される液体室内で揺動可能に配設されるベーンを有
し、前記軸部が前記シートバック固定部に連結されるこ
とにより前記支軸として機能するロータとを備え、前記
渦巻きばねの略中央に形成される空間内部に配設される
回転ダンパを具備して構成される。従って、シートクッ
ション固定部から突出する部位の突出方向及び径方向の
外形寸法をいずれも従来よりも小さいものとすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施の形態に係るリクラ
イニング装置を示す概略図である。
【図2】図2は、図1のA−A部断面図である。
【図3】図3は、回転ダンパの内部構造を示す横断面図
である。
【図4】図4は、図3のA−A部断面図である。
【図5】図5は、自動制動力調節機構の構成を説明する
ための図である。
【図6】図6は、自動制動力調節機構の構成及び作用を
説明するための図であり、(a)及び(b)はともに図
5のA−A部断面を示す。
【図7】図7は、従来のリクライニング装置を示す概略
図である。
【符号の説明】
10 シートバック固定部 11 ブラケット 12 アーム 20 シートクッション固定部 30 渦巻きばね 40 回転ダンパ 41 本体ケース 41a ケース本体部 41b 閉塞部 41f 溝 42 ロータ 42a 軸部 42b ベーン 43 隔壁部 44 液体室 44a 圧力室 44b 非圧力室 45 弁機構 45a 大孔部 45b 小孔部 45c 弁体 46 自動制動力調節機構 46a コイルばね 47 アキュムレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 9/32 Z (72)発明者 板垣 正典 東京都墨田区本所1−34−6 株式会社ソ ミックエンジニアリング内 Fターム(参考) 3B099 AA05 BA04 CA35 DA07 3J069 AA42 CC09 CC34 EE01 EE62

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートバック固定部とシートクッション
    固定部とを有し、両者が支軸を介して回動可能に連結さ
    れていると共に、シートバック固定部を前方向に付勢す
    る渦巻きばねが設けられているリクライニング装置にお
    いて、 前記シートクッション固定部に固定される本体ケース
    と、該本体ケース外に突出する軸部、及び該軸部に突設
    され、前記本体ケース内に形成される粘性液体が充填さ
    れる液体室内で揺動可能に配設されるベーンを有し、前
    記軸部が前記シートバック固定部に連結されることによ
    り前記支軸として機能するロータとを備え、前記渦巻き
    ばねの略中央に形成される空間内部に配設される回転ダ
    ンパを具備することを特徴とするリクライニング装置。
  2. 【請求項2】 前記回転ダンパは、前記本体ケースに前
    記渦巻きばねの基端部が係合する溝を有することを特徴
    とする請求項1記載のリクライニング装置。
  3. 【請求項3】 前記回転ダンパは、前記ベーンが一方向
    へ揺動した場合にのみ制動力を発揮させる弁機構を備え
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のリクライニン
    グ装置。
  4. 【請求項4】 前記弁機構は、前記ベーンが前記液体室
    に配設されることにより形成される2つの室のうち、粘
    性液体の圧力が生ずる側に連通するように形成される大
    孔部と、該大孔部に連通し、かつ前記2つの室のうち、
    粘性液体の圧力が生じない側に連通するように形成され
    る小孔部と、前記大孔部内に設けられ、前記大孔部又は
    小孔部に流入する粘性液体の流動圧を受けることによっ
    て前記大孔部と小孔部との境界を閉塞又は開放する弁体
    とを備えることを特徴とする請求項3記載のリクライニ
    ング装置。
  5. 【請求項5】 前記回転ダンパは、前記ベーンの揺動に
    伴って移動する粘性液体の流量を負荷の変化に対応して
    自動的に調節することにより、発揮する制動力を調節す
    る自動制動力調節機構を備えることを特徴とする請求項
    1から4のいずれか1に記載のリクライニング装置。
  6. 【請求項6】 前記自動制動力調節機構は、前記ベーン
    が前記液体室に配設されることにより形成される2つの
    室のうち、粘性液体の圧力が生ずる側に連通するように
    形成される大孔部と、該大孔部に連通し、かつ前記2つ
    の室のうち、粘性液体の圧力が生じない側に連通するよ
    うに形成される小孔部と、前記大孔部又は小孔部に流入
    する粘性液体の流動圧を受けることによって前記大孔部
    内で移動可能に設けられる弁体と、前記小孔部内に設け
    られ、前記弁体を前記大孔部と小孔部との境界から離間
    させる方向に付勢するコイルばねとを備えることを特徴
    とする請求項5記載のリクライニング装置。
  7. 【請求項7】 前記回転ダンパは、粘性液体を蓄積可能
    なアキュムレータを備えることを特徴とする請求項1か
    ら6のいずれか1に記載のリクライニング装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006092891A1 (ja) * 2005-03-03 2006-09-08 Kabushiki Kaisha Somic Ishikawa ロータリーダンパ及びコンソールボックス
JP2015178852A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 株式会社ソミック石川 ロータリーダンパ
JP2016188683A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 株式会社ソミック石川 複合装置

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