JP2003235487A - 豆類加工食品の製造方法 - Google Patents

豆類加工食品の製造方法

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JP2003235487A JP2002038809A JP2002038809A JP2003235487A JP 2003235487 A JP2003235487 A JP 2003235487A JP 2002038809 A JP2002038809 A JP 2002038809A JP 2002038809 A JP2002038809 A JP 2002038809A JP 2003235487 A JP2003235487 A JP 2003235487A
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Yasuyuki Susa
康之 須佐
Eiichi Nishi
栄一 西
Kaiki Yamamoto
海記 山本
Hiroyuki Nakakoshi
裕行 中越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】豆類加工食品の製造方法において、豆類加工食
品の加工工程、もしくはその後の他の食品との混合製品
化、及びそれらの輸送中において発生する豆類の子葉部
の割れを防止し、製品化率を高める。 【解決手段】種皮を剥皮した豆類の子葉部の加工工程に
おいて、蛋白質及び/又はその加水分解物の水溶液を付
着させた後乾燥させると、豆類の子葉部の割れが低減す
る。加えて蛋白質及び/又はその加水分解物の水溶液に
トランスグルタミナーゼを併用することにより、子葉部
の割れをさらに低減させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、豆類加工食品の製
造方法に関し、豆類加工食品の乾燥、油ちょう、焙煎、
湯煮、蒸煮、調味等の各工程、もしくはその後の他の食
品との混合製品化、及びそれらの輸送中において発生す
る豆類の子葉部の割れを防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】豆類の利用形態は、サヤエンドウや、野
菜用インゲンマメなど野菜として莢ごと食されるもの、
枝豆(大豆の若い種実)、茹で落花生など莢ごと加熱調
理して食す直前に莢を外して種子を食されるもの、大
豆、落花生、そら豆、小豆、など収穫後に莢を外し、中
の種子をそのまま、もしくは乾燥を経てから加工・調理
されるものなど様々である。
【0003】これら豆類に共通する基本的構造を簡単に
説明すると、莢(さや)の中に種子(種実)が収まり、
種子は表面を覆う種皮(薄皮、表皮ともよばれる)と子
葉部からなり、子葉部は中央部で2つに割れる構造にな
っている。この子葉部が2つに割れる構造が、豆類の加
工を難しくしている。
【0004】第一に、品質の良い製品を製造するには、
豆類の加工過程において、個々の種子への加熱履歴が揃
っていることが重要であるが、割れた豆の混入率が高い
と個々の種子への加熱履歴や調味液の浸透度などがばら
つき、製品の品質を不安定にさせる原因となっている。
【0005】第二に、種子もしくは種子から種皮を剥い
だ子葉部の形態を保ったまま加工されて店頭にのぼる豆
類加工食品では、子葉部が2つに割れていると外観が良
くないとされ、その商品価値を著しく低下させてしまう
ケースが多い。たとえば、調味ピーナツなどは、加工過
程で2つに割れた豆は割れていない正常な豆と分離選別
され、より付加価値の低い用途へ利用される。割れた豆
が多いほど、そこから得られる利益が低下するのは言う
までもない。
【0006】このように種子の割れを防ぎ、商品価値を
高めることは、豆類加工業者において、特に大きな課題
となっている。特に、豆類の種子から種皮を剥ぐと、割
れが極端に発生しやすくなるため、種皮を剥いだ後は、
割れを防ぐために従来は、乾燥、油ちょう、焙煎、湯
煮、蒸煮、調味等の各加工工程や製品の移送において、
衝撃の大きさを少なくしたり、工程上の工夫などにより
衝撃を与える機会を少なくしたりするなど、外部環境を
改善する方法が施されてきた。しかし、加工工程におい
て豆に与える衝撃を少なくするには限界があり、工程上
の工夫ではこれ以上の割れ防止効果は期待できないのが
現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、豆類
加工食品の製造方法において、豆類加工食品の乾燥、油
ちょう、焙煎、湯煮、蒸煮、調味等の各工程、もしくは
その後の他の食品との混合製品化、及びそれらの輸送中
において発生する豆類の子葉部の割れを防止し、製品化
率を高めることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
述のような問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、
種皮が剥皮した豆類の加工工程において、蛋白質及び/
又はその加水分解物の水溶液を付着させた後乾燥させる
と、割れが低減すること、加えて該水溶液にトランスグ
ルタミナーゼを併用することにより、子葉部の割れをさ
らに低減させることができることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明の対象は、種子から種皮が剥ぎ取られているがまだ
2つに割れていない子葉部(以下「割れていない豆」と
略す)である。この条件を満たせば、それまでの加工履
歴は問わない。全く熱を加えていない生の状態でもよい
し、乾燥、茹で、焙煎などを経ていてもよい。もちろん
種皮を剥がすための前処理の方法も問わない。生のまま
種皮を剥ぎ取るのは難しいので、一般的には水や塩水の
冷水や温水、熱水につけ込んで種皮を柔らかくしたり、
焙煎してからこそげ取りやすくしたりする処理が行われ
る。
【0010】本発明で使用される蛋白質については、カ
ゼイン類、ホエー蛋白、脱脂粉乳、卵白、ゼラチン、コ
ラーゲン、血漿蛋白、の動物性蛋白質素材や、大豆蛋白
質、小麦蛋白(グルテン)等、の植物性蛋白質素材が使
用でき、さらにそれらの加水分解物も使用できる。その
中でも、水への溶解性が高く、風味も比較的良好で、乾
燥時の外観も良好であり、後述するトランスグルタミナ
ーゼと併用した場合の効果に優れるカゼインのナトリウ
ム塩もしくはカリウム塩が好ましい。
【0011】対象となる豆類の子葉部に対する蛋白質の
付着量は豆100gに対して0.01〜1g、好ましく
は0.03g〜1gがよい。この範囲以下では目的とす
る子葉部の割れ防止効果がみられず、これ以上では外観
上、蛋白質の膜が目立って豆類の子葉部本来のつやつや
した外面と異なり、食感にも違和感が生じるため、商品
として好ましくないものとなる。
【0012】また、付着させる溶液には蛋白質以外の成
分、例えば、砂糖、乳糖、ブドウ糖等の糖類、グリシ
ン、アラニン等のアミノ酸類、クエン酸、コハク酸、等
の有機酸塩類、各種リン酸塩、食塩、塩化カリ等、一般
的に食品の調味、改質、pH調整剤などを必要に応じて添
加することができる。
【0013】次に、割れていない子葉部に対して蛋白質
を含む溶液を付着させる方法について説明する。付着方
法としては、割れていない豆に噴霧ないし塗布する方法
や、蛋白質を含む溶液に、割れていない豆を浸漬する方
法がとられる。具体的には、蛋白質を含む溶液を噴霧器
(スプレー)で表面に吹き付けたり、ブラシで表面に塗
りつけたり、または、溶液中に一定時間漬け込むといっ
た方法がとられるが、蛋白質を含む溶液が付着される方
法であれば、どのような方法でもよい。この際、蛋白質
を含む溶液は、豆の表面のみならず、同一豆内の子葉部
の割れ目の隙間にも入り込む。この段階では、割れは防
止されていないが、続く工程により割れ防止効果が発現
する。
【0014】ひとつの工程として、乾燥が挙げられる。
乾燥により、蛋白質は乾燥固化し、豆の表面に付着した
蛋白質は、割れ目の周囲を連結し、割れ目の隙間に入り
込んだ蛋白質は子葉部同士を面で連結する。常温で乾燥
してもよいが、望ましくは加熱された条件で乾燥を進め
た方がよい。加熱により、蛋白質の加熱変性が同時に進
み、蛋白質で形成される構造が強固になるだけでなく、
蛋白質構造の表面と、豆表面および子葉部割れ目表面と
の親和性が強固になり、両要素が相まって連結構造が強
固になるからである。おそらく加熱変性により蛋白質構
造の表面極性が疎水的となり、豆表面および子葉部割れ
目表面との疎水結合が強化されるためと想像される。乾
燥方法としては、そのまま常温で静置する方法、風をあ
てる方法、減圧乾燥法、加温して静置する方法、熱風を
あてる方法、油ちょう(減圧下も含む)、焙煎、焙焼、
赤外線照射、電子レンジ加熱などがとられるが、一般的
に乾燥、加熱に利用される方法であれば特に限定されな
い。
【0015】もうひとつの工程として、湿加熱が挙げら
れる。高水分下もしくは高湿下での加熱により、蛋白質
は変性凝固し、表面に付着した蛋白質は、割れ目の周囲
を連結し、割れ目の隙間に入り込んだ蛋白質は子葉部同
士を面で連結する。加熱方法としては、茹で、蒸し、レ
トルト加熱、湿った熱風をあてる方法などが挙げられる
が、水分が十分に保持される環境であれば、加熱方法は
限定されない。
【0016】上記方法において、蛋白質及び/又はその
加水分解物の水溶液にトランスグルタミナーゼを添加す
ることにより、さらに豆の割れを少なくすることができ
る。さらに、より少ない蛋白質量で豆の割れを抑制でき
るため、都合により風味の悪い蛋白質素材を使わざるを
得ない場合でも少ない添加量で割れを抑制し風味への影
響を最小限にすることができるし、外観や風味の自然さ
が厳しく要求される製品の割れ抑制も容易に実現でき
る。また、トランスグルタミナーゼを添加した場合は、
湿潤した条件で蛋白質をゲル化させることができること
から、十分な乾燥や加熱を経ていない段階で豆の割れを
抑制することができるため、乾燥もしくは加熱されるま
での物理的衝撃に対する耐性が付与されるので、工程上
さらに有利である。もちろん乾燥や加熱を経ると、さら
により大きな効果を得ることができる。
【0017】本発明で用いられるトランスグルタミナー
ゼは、トランスグルタミナーゼ活性を有する限り、その
起源を特に問わない。例えば、ストレプトベリチシリウ
ム属(Streputoverticillium属)等に属する微生物由来
のもの(特開昭64−27471号公報参照)、モルモ
ットなど哺乳動物由来のもの(特公平1−50382号
参照)、タラなど魚類由来のもの(関信夫等「日本水産
学会誌」56巻1号125ページ(1990)参照)、
バイオテクノロジーを利用した遺伝子組替法によって得
られるもの(特開平1−300889号公報、特開平5
−199883号公報及び特開平6−225775号公
報参照)等を用いることができる。このうち、カルシウ
ムがなくても作用すること及び大量に入手できるなどの
理由から微生物由来のTGを用いることが好ましい。
【0018】トランスグルタミナーゼの添加量について
は、必要なトランスグルタミナーゼの架橋反応が進むの
に必要な酵素量を添加してやればよい。一般的に蛋白質
及び/又はその加水分解物の水溶液中の蛋白質及び/又
はその加水分解物1gに対して、2〜1000ユニッ
ト、さらに好ましくは5〜500ユニットが望ましい。
トランスグルタミナーゼの使用量が少なすぎると添加効
果がみられないし、多すぎると蛋白質溶液の粘度上昇が
速すぎて製造が難しくなる。
【0019】トランスグルタミナーゼを添加した場合、
その添加効果を得るためには、続く乾燥もしくは加熱ま
での間、もしくは乾燥中もしくは加熱中に条件を整え
て、トランスグルタミナーゼによる蛋白質の架橋反応
を、必要な架橋反応量を得られるまで進める必要があ
る。架橋反応量は、溶液中の蛋白質に対するトランスグ
ルタミナーゼの添加量と、温度および時間によって決ま
る。これら3つの要素を調節し、工程に適した条件を見
つければよい。
【0020】まず反応温度について述べる。トランスグ
ルタミナーゼによる反応は、トランスグルタミナーゼの
失活が始まる60℃より低ければ安定して進行する。常
温による乾燥の場合は、乾燥工程をそのまま反応時間と
してあてることができる。また、加熱乾燥の場合でも6
0℃以下で乾燥する工程をとればよいし、60℃以上で
あっても水分が蒸発している間は気化熱により豆の温度
は乾燥温度以下になる時間があるので、この中で必要な
量の反応を進めればよい。60℃以上で油ちょうする場
合は、豆の温度は速やかに60℃以上に上がるため、油
ちょう中に反応を進めることはほぼ不可能なので、油ち
ょう前に60℃以下で必要な反応を進めるか、もしくは
事前に60℃以下で油ちょうする工程を入れればよい。
さらに減圧中で60℃以下にて低温油ちょうする方法も
適用できる。このように、反応時間は必要なトランスグ
ルタミナーゼの架橋反応が進むのに必要な時間を環境に
応じて確保してやればよい。低温なら長く、高温なら短
くてすむ。一般的には、反応時間は10分から24時間
が適当で、生産効率等を考えると、5時間以内が好まし
い。
【0021】以上の工程を経ることにより、2つの子葉
部は強力に接合され、その後の調味、調理、混合、包
装、輸送過程における割れが抑制されるのである。
【0022】続いて、豆の割れ抑制が特に大きな課題と
なっている落花生の加工を例に、乾燥を行う工程をとる
豆への本発明の適用例を説明する。他の豆類と同じく、
落花生の種子は、種皮(薄皮)に包まれており、さらに
その外側は殻で被覆されている。従来から豆菓子として
市販されている落花生製品は、殻のついた落花生製品と
殻を取り除いた落花生製品に大別され、さらに殻を取り
除いた落花生製品は、薄皮のついたままの落花生製品
(薄皮付き落花生)と薄皮を除去した落花生製品に分け
られる。これらの落花生製品は、外観や風味、そして製
造法も相違する。
【0023】種皮付き落花生は、殻を除去した落花生を
塩水または調味液などに浸し、さらに表面乾燥を行なっ
たのち、煎り機にて焙焼して製品としたものであり、種
皮がついたままなので、割れにくい状態であり、本発明
の対象とはならない。
【0024】薄皮を除去した落花生製品としては、ロー
ストピーとバタピーと称されるものがある。種皮を除去
する脱皮の方法は、水等を使用するか否かで2通りに分
かれる。脱皮ローストピーは、殻を除去した種皮付き落
花生を煎り機にて焙焼し、ついで種皮の脱皮を行い、そ
の後、植物性油脂、食塩、調味料等にて味付け加工した
ものである。この場合、脱皮を行った後に、蛋白質を含
む溶液もしくはトランスグルタミナーゼと蛋白質を含む
溶液を付着させればよい。この溶液に調味料を添加して
おいてもよい。豆の表面は付着した蛋白質溶液で粘ちょ
うになっているため、豆菓子とする場合はその後に乾燥
が行われる。バタピーは、殻を除去した種皮付き落花生
を水やお湯などと接触させてから脱皮し、その表面を乾
燥させ、次いでフライヤーにて120〜180℃の温度
で、5〜15分間油ちょうし、その後味付け加工したも
のである。この場合、脱皮後の乾燥前、好ましくは脱皮
乾燥後の油ちょうするまでの間に、蛋白質を含む溶液も
しくはトランスグルタミナーゼと蛋白質を含む溶液を付
着させ、反応を進めてから油ちょうすればよい。通常
は、脱皮した豆がコンベヤーでフライヤーに輸送され、
乾燥する工程に当溶液を連続的に付着させ、反応を完了
させる方法がとられることが多い。
【0025】蛋白質を含む溶液を落花生に噴霧、塗布、
浸漬する方法は、特に限定されるものではないが、工業
的には、スクリューコンベアーやベルトコンベアーでの
輸送中に、上方から噴霧、塗布したり、蛋白質溶液中を
潜らせたりする方法、ドラム中で豆類の子葉部を撹拌も
しくは転がしながらそこへ噴霧する方法、バケツ等で浸
漬する方法がとられることが多い。
【0026】トランスグルタミナーゼを併用する場合、
その使用量は豆100gあたり0.01ユニット以上が
望ましく、蛋白質溶液中の蛋白質量1gに対しては、2
〜1000ユニット、さらに好ましくは5〜500ユニ
ットが望ましい。トランスグルタミナーゼの使用量が少
なすぎると添加効果がみられないし、多すぎると蛋白質
溶液の粘度上昇が速すぎて製造が難しくなる。
【0027】反応時間については、蛋白質溶液の組成と
トランスグルタミナーゼの添加量や反応時の温度にもよ
るが、一般的に10分から24時間が必要で、30分〜
5時間程度が好ましい。反応温度はトランスグルタミナ
ーゼが失活する温度である60℃よりも低い温度が好ま
しい。
【0028】このようにして加工された落花生は、その
後の輸送や、あられやスナックと混合する工程を経ても
割れにくいため、外観が優れた落花生入り菓子などを製
造することが可能となる。
【0029】ここでは代表例として落花生について記述
したが、これらの機能は、何もバター落花生に限られる
ことではなく、子葉部が2つに割れる構造になっている
豆類全般に適用できる。加工条件が落花生にもっとも近
いものに、空豆が挙げられる。空豆も落花生と同様に油
ちょうしたり焙煎したりした後食塩等で調味して商品化
され、その際の割れが問題となっているため、本発明を
同様に応用することにより、大幅な改善が図られる。さ
らに、豆類に限らず、衝撃により割れやすい構造をもつ
食品、例を挙げると、カシューナッツやアーモンドなど
のナッツ類にも本発明を適用することができる。
【0030】続いて、煮豆の製造を例に、乾燥を行わな
い、湿加熱による接合をとる場合の本発明の適用例につ
いて説明する。乾燥を行わない豆類加工食品として、煮
豆が挙げられる。煮豆には脱皮されないものと、脱皮を
行ったものと2種類あり、脱皮を行ったものは割れがお
こりやすい。また、意図して脱皮しない場合も、調理過
程において部分的に皮が脱落し、そのような豆はやはり
割れやすい。一般的に、乾燥状態で脱皮された、もしく
は脱皮されていない乾燥豆を水に浸漬して膨潤、軟化さ
せ、その後、必要に応じ脱皮され、調味液や他の具材を
加えて蒸煮、レトルト等の加熱が行われる。この浸漬用
の水に蛋白質素材を添加し、豆の組織中に吸収させる
と、その後の加熱により凝固し、より強固な煮豆とな
る。蛋白質素材とともに、トランスグルタミナーゼを添
加してもよい。また、煮豆の場合は蛋白質素材を用い
ず、トランスグルタミナーゼのみを添加してもある程度
の効果がみられる。これらの方法は、特に長期保存を可
能にするためにレトルト加熱される煮豆の製造において
利用価値が高い。
【0031】以下、実施例により本発明を更に詳しく説
明する。
【実施例1〜12】バターピーナツの製造(スプレー
法)比較例1〜3 殻付き落花生を90℃の熱水に3間分浸漬し、剥皮して
生落花生を得た。この落花生200gに対して、表1に
従いカゼインナトリウム溶液、及びカゼインナトリウム
(表中ではカゼインNaと略す)(「ミプロダンCW」
日本新薬より購入、蛋白質含量90%)とトランスグル
タミナーゼ(味の素株製「アクティバTG」を使用、表
中ではTGと略す)の混合溶液を作成し、噴霧器を用い
て所定量を噴霧した(豆に対する噴霧量を表1に示
す)。その後、20℃において2時間放置し、トランス
グルタミナーゼによる反応と乾燥を行った。この乾燥落
花生を150℃の大豆白絞油中で7分間油ちょうし、油
を切り、室温で放冷した。
【0032】こうして得られた油ちょう済み落花生を、
「ロッキングミキサー」(愛知電機工作所製 RM−1
2)の回転ドラム(径約25cm)に投入し、回転数30
rpmで1分間回転させ、衝撃を与えた。割れた落花生と
割れていない落花生をよりわけ、それぞれの重量を測定
し、全重量に対する割れていない落花生の重量の割合を
正常品率とした。また、外観(油ぎった感じ、くすみ)
と食味(無添加区との差異)を官能的に評価した。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示すように、カゼインナトリウムも
しくはカゼインナトリウムとトランスグルタミナーゼの
溶液を乾燥前の落花生に噴霧して乾燥することにより、
製品の割れを著しく抑制し、多くの正常品を得ることが
できた。また、トランスグルタミナーゼの添加により、
製品の割れがさらに抑制された。
【0035】無処理品(比較例1)およびカゼインナト
リウム添加量が対豆0.01%以下の場合(実施例1)
は、わずかに表面に油ぎった感じがあるのに対し、カゼ
インナトリウム添加量が対豆0.03%以上の場合は油
ぎった感じが軽減され、外観が向上していた。添加量が
1%を越えるとくすんだ感じ(つや、照りが無くなる)
が目立ち、外観が劣る傾向にあった。食味については、
カゼインナトリウム含量が0.5%を越えると、無添加
品との差異が感じられ、1%を越えるとわずかに苦みが
感じられた。
【0036】
【実施例13〜18】(浸漬法)比較例4,5 殻付き落花生を90℃の熱水に3間分浸漬し、剥皮して
生落花生を得た。表2に従い調製した溶液を20℃に調
整し、生落花生を浸漬し、1分間保持して引き上げ、液
を切った。その際の重量を記録し、豆に付着した溶液の
重量を測定した。溶液を付着させた豆を20℃において
2時間放置し、トランスグルタミナーゼによる反応と乾
燥を行った。この乾燥落花生を150℃の大豆白絞油中
で7分間油ちょうし、油を切り、室温で放冷した。
【0037】こうして得られた油ちょう済み落花生を、
ロッキングミキサー(愛知電機工作所製 RM−12)
の回転ドラム(径約25cm)に投入し、回転数30rpm
で1分間回転させ、衝撃を与えた。割れた落花生と割れ
ていない落花生をよりわけ、それぞれの重量を測定し、
全重量に対する割れていない落花生の重量の割合を正常
品率とした。また、外観(油ぎった感じ、くすみ)と食
味(無添加区との差異)を官能的に評価した。
【0038】
【表2】
【0039】表2に示すように、カゼインナトリウムも
しくはカゼインナトリウムとトランスグルタミナーゼの
溶液に落花生を漬浸して乾燥することにより、外観、風
味的には無添加区との差異をほとんど感じさせない中
で、製品の割れを著しく抑制し、多くの正常品を得るこ
とができた。また、トランスグルタミナーゼの添加によ
り、製品の割れがさらに抑制された。
【0040】
【実施例19、20】 蛋白加水分解物を用いたスプレ
ー法によるバターピーナツの製造 蛋白質素材として、蛋白加水分解物である「ユニフィッ
クス」(日本新薬製、蛋白加水分解物含量90%、※未
分解の蛋白質を含む)を用い、実施例1〜12と同じ製
法によりバターピーナツの製造および評価を行った。
【0041】
【表3】
【0042】表3に示すように、蛋白加水分解物または
蛋白加水分解物とトランスグルタミナーゼの溶液を乾燥
前の落花生に噴霧して乾燥することにより、製品の割れ
を著しく抑制し、多くの正常品を得ることができた。ま
た、トランスグルタミナーゼの添加により、製品の割れ
がさらに抑制された。
【0043】
【発明の効果】 種皮が剥皮された豆類の子葉部の表面
及びその割れ目に蛋白質溶液またはトランスグルタミナ
ーゼを含む蛋白質溶液を付着、浸透させ、乾燥および/
または加熱工程により乾固もしくは凝固させることによ
り、子葉部の構造を支持し、豆類の子葉部の2つ割れを
顕著に防止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 海記 東京都大田区蒲田5−37−1 ニッセイア ロマスクエア4階 味の素株式会社東京支 社内 (72)発明者 中越 裕行 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社調味料研究開発部内 Fターム(参考) 4B020 LB24 LC09 LG09 LK07 LK19 LP30 4B036 LH15 LH25 LH49 LP09 LP12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 種皮が剥皮された豆類の子葉部に、蛋白
    質及び/又はその加水分解物の水溶液を付着させた後、
    乾燥することを特徴とする豆類加工食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 蛋白質及び/又はその加水分解物の添加
    量が、剥皮した豆類の子葉部100gあたり、0.01
    〜1gである、請求項1に記載の豆類加工食品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 蛋白質及び/又はその加水分解物の水溶
    液に、さらにトランスグルタミナーゼを加えることを特
    徴とする請求項1に記載の豆類加工食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 蛋白質及び/又はその加水分解物に対す
    るトランスグルタミナーゼの添加量が、蛋白質及び/又
    はその加水分解物1gあたり、2〜1000ユニットで
    ある請求項3に記載の豆類加工食品の製造方法。
  5. 【請求項5】 豆類が落花生である請求項1〜4に記載
    の豆類加工食品の製造方法。
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WO2022044736A1 (ja) * 2020-08-24 2022-03-03 不二製油グループ本社株式会社 塊肉様食品の製造方法

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