JP2003232991A - 撮像レンズ - Google Patents
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Abstract
セントリック性を高めるとともに、コマ収差、歪曲収差
を効果的に補正することにより、光学性能を向上させる
ことができ、さらに、製造性を向上させることことので
きる撮像レンズを提供する。 【解決手段】 物体側から、物体側に凸面を向けた正の
パワーを持つメニスカスレンズとされた第1レンズ1、
絞り3、像面側に強い凸面を向けた正のパワーを持つレ
ンズとされた第2レンズ2を順次配設し、前記第1レン
ズ1および第2レンズ2は、 (1)4×f2 ≧f1 ≧f2 (2)1.5×fl≧f2 ≧0.9×fl 但し、 fl:レンズ系全体の焦点距離 f1 :第1レンズの焦点距離 f2 :第2レンズの焦点距離 の条件を満足することを特徴とする。
Description
特に携帯型のコンピュータ、テレビ電話、携帯電話等に
搭載されるCCD、CMOS等の撮像素子を利用した撮
像装置に用いられ、小型軽量化を図ることを可能とした
2枚レンズ構成の撮像レンズに関する。
例えば、携帯型のコンピュータやテレビ電話、携帯電話
等に搭載するためのCCD、CMOS等の固体撮像素子
を利用したカメラの需要が著しく高まっている。このよ
うなカメラは、限られた設置スペースに搭載する必要が
あることから、小型であり、かつ、軽量であることが望
まれている。
撮像レンズも、同様に、小型軽量であることが要求され
ており、このような撮像レンズとしては、従来から、1
枚のレンズを用いた1枚構成のレンズ系が用いられてい
る。
Fと呼ばれる約11万画素程度の解像度を持った固体撮
像素子に適用する場合には、十分対応することができる
が、近年、VGAと呼ばれる約30万画素程度の高い解
像度を有する固体撮像素子の利用が検討されてきてお
り、このような高解像度の固体撮像素子の解像能力を十
分に発揮させるためには、従来の1枚構成のレンズ系で
は対応することができないという問題がある。
比較して光学性能に優れる2枚構成のレンズ系あるいは
3枚構成のレンズ系が各種提案されている。
は、光学性能の低下につながる各収差を有効に補正する
ことができることから、極めて高い光学性能を得ること
が可能となるが、3枚構成のレンズ系では、部品点数が
多いことから、小型化が困難であり、各構成部品に高い
精度が要求されるため製造コストも高くなってしまうと
いう問題を有している。
枚構成のレンズ系ほどの光学性能を望むことはできない
ものの、1枚構成のレンズ系より高い光学性能を得るこ
とができ、小型でかつ高解像度の固体撮像素子に好適な
レンズ系であるといえる。
して、従来から、レトロフォーカス型と呼ばれる負レン
ズと正レンズを組み合わせたレンズ系が多数提案されて
いる。しかし、このようなレトロフォーカス型のレンズ
系では、部品点数を低減させることによる低コスト化は
可能であるが、バックフォーカス距離が長くなるため1
枚構成のレンズ系と同程度の小型化はその構成からみ
て、実質的に不可能である。
テレフォト型と呼ばれる正レンズと負レンズを組み合わ
せたレンズ系がある。しかし、このようなテレフォト型
のレンズ系は、本来銀塩写真用に開発されたものであ
り、バックフォーカス距離が短すぎ、また、テレセント
リック性の問題もあり、固体撮像素子用の撮像レンズと
して適用することは事実上不可能である。
わせた2枚構成のレンズ系も提案されている。このよう
な光学系としては、例えば、特開平7−181379号
公報、特開平7−287164号公報、特開平10−2
06725号公報等に開示されているものがある。
うな従来の2枚の正レンズを組み合わせた2枚構成の撮
像レンズにおいては、いずれの公報に開示されているレ
ンズ系においても、銀塩写真用あるいはコピー機やファ
クシミリ装置等の光学系として開発されているものであ
るため、焦点距離が20mm以上と極めて長く、しか
も、FNoが4.0以上と極めて暗いレンズ系であり、固
体撮像素子用としてはそのまま適用することができない
という問題を有している。
で、射出瞳と撮像面(センサ)との間の距離を維持して
テレセントリック性を高めるとともに、コマ収差、歪曲
収差を効果的に補正することが可能となることにより、
光学性能を向上させることができ、さらに、製造性を向
上させることのできる撮像レンズを提供することを目的
とするものである。
請求項1に記載の発明に係る撮像レンズは、物体側か
ら、物体側に凸面を向けた正のパワーを持つメニスカス
レンズとされた第1レンズ、絞り、像面側に強い凸面を
向けた正のパワーを持つレンズとされた第2レンズを順
次配設し、前記第1レンズおよび第2レンズは、 (1)4×f2 ≧f1 ≧f2 (2)1.5×fl≧f2 ≧0.9×fl 但し、 fl:レンズ系全体の焦点距離 f1 :第1レンズの焦点距離 f2 :第2レンズの焦点距離 の条件を満足することを特徴とするものである。
式(1)および式(2)の条件を満たすことにより、射
出瞳と撮像面(センサ)との間の距離を維持してテレセ
ントリック性を高めることにより、センサ端部に入射す
る光線の有効利用が可能となる。また、コマ収差、歪曲
収差を効果的に補正することが可能となることにより、
光学性能を向上させることができ、さらに、製造性を向
上させることができるものである。
において、前記絞りは、前記第1レンズと第2レンズの
間であって前記第1レンズの近傍に配置されていること
を特徴とするものである。
レンズと第2レンズの間であって第1レンズの近傍に絞
りを配置するようにしているので、射出瞳と撮像面(セ
ンサ)との間の距離を維持することがより確かとなり、
第2レンズの形状等に負荷をかけることなく、テレセン
トリック性を高めることができる。
または請求項2において、前記第2レンズは、像面側に
凸面を向けたメニスカスレンズであることを特徴とする
ものである。
レンズを像面側に凸面を向けたメニスカスレンズとして
いるので、テレセントリック性を有効に確保することが
でき、コマ収差、歪曲収差を効果的に補正することがで
きる。
から請求項3のいずれかにおいて、前記第1レンズおよ
び第2レンズは樹脂材料により形成され、これら第1レ
ンズおよび第2レンズの少なくとも1面は、非球面であ
ることを特徴とするものである。
レンズおよび第2レンズを樹脂材料により形成するとと
もに、第1レンズおよび第2レンズの少なくとも1面を
非球面としているので、製造性を確保しつつ、高い光学
性能を維持することができる。
ら図11を参照して説明する。
形態を示したもので、この撮像レンズは、例えば、ガラ
スまたは樹脂材料等からなり、物体側に凸面を向けた正
のパワーを持つメニスカスレンズとされた第1レンズ1
および像面側に強い凸面を向けた正のパワーを持つレン
ズとされた第2レンズ2を有している。ここで、第1レ
ンズ1および第2レンズ2の各レンズ面を物体側から順
に第1面、第2面と呼ぶこととする。そして、第1レン
ズ1および第2レンズ2のそれぞれ第1面および第2面
のうち少なくとも1面は、非球面とされている。
ズ2の第1面との間であって、第1レンズ1の第2面の
近傍には、絞り3が配設されており、この絞り3より第
2レンズ2の第1面寄りには、光量制限板4が配設され
ている。前記第2レンズ2の第2面側には、カバーガラ
ス、IRカットフィルタ、ローパスフィルタ等の各種フ
ィルタ5およびCCDあるいはCMOS等の撮像素子の
受光面である撮像面6がそれぞれ配設されている。前記
各種フィルタ5は必要に応じて省略することも可能であ
る。
ンズ1および第2レンズ2は、次の条件を満たすように
なっている。 (1)4×f2 ≧f1 ≧f2 (2)1.5×fl≧f2 ≧0.9×fl 但し、flはレンズ系全体の焦点距離、f1 は第1レン
ズ1の焦点距離、f2は第2レンズ2の焦点距離であ
る。
離を維持してテレセントリック性を高めつつ、コマ収
差、歪曲収差を効果的に補正するための条件である。式
(1)において、f1 が4×f2 より大きいと、2つの
レンズのパワーのバランスが崩れて、コマ収差、歪曲収
差の効果的な補正が困難となり、しかも、第2レンズ2
の曲率が大きくなり製造が困難となる。また、f1 がf
2 より小さいと、射出瞳とセンサとの間の距離を維持す
ることができないため、テレセントリック性が極めて低
くなり、センサ端部に入射する光線を有効に利用できな
くなる(シェーディングの原因となる)。しかも、バッ
クフォーカス距離の確保が困難となり、各種フィルタの
挿入が不可能となる。
を高めつつ、コマ収差、歪曲収差を効果的に補正すると
ともに、製造性を高めるための条件である。式(2)に
おいて、f2 が1.5×flより大きいと、テレセント
リック性が低下するため、センサ端部において周辺光量
が低下してシェーディングの原因となる。しかも、第1
レンズ1の形状が制限されて製造性が低下する。また、
f2 が0.9×flより小さいと、2つのレンズのパワ
ーのバランスが崩れて、コマ収差、歪曲収差の効果的な
補正が困難となり、しかも、第2レンズ2の曲率が大き
くなり製造が困難となる。
レンズ1および第2レンズ2は、次の条件を満たすよう
になっている。 (3)1.1×fl≧Ad≧0.65×fl 但し、Adは第1レンズ1の第1面から第2レンズ2の
第2面までの距離である。
もに、テレセントリック性を高く維持しつつ、製造性を
向上させるための条件である。
り大きいと、光学系全体が大型化してしまい、各レンズ
の製造性が低下する。また、Adが0.65×flより
小さいと、各レンズの小型化により、許容誤差量が小さ
くなり、組立が困難となる。しかも、テレセントリック
性が低下し、シェーディングの原因となる。
式(3)の条件を満たすことにより、射出瞳とセンサと
の間の距離を維持してテレセントリック性を高めること
により、光線の有効利用が可能となる。また、コマ収
差、歪曲収差を効果的に補正することができ、光学性能
を向上させることができ、さらに、製造性を向上させる
ことができるものである。
2の第1面との間であって、第1レンズ1の第2面の近
傍に絞り3を配置することにより、射出瞳とセンサとの
間の距離を維持することがより確かとなり、第2レンズ
2の形状等に負荷をかけることなく、テレセントリック
性を高めることができる。
向けた正のパワーを持つメニスカスレンズとしてもよ
い。このように第2レンズ2をメニスカスレンズとする
ことにより、高いテレセントリック性を確保することが
できるとともに、コマ収差、歪曲収差を効果的に補正す
ることができる。
1を参照して説明する。
系全体の焦点距離(mm)、f1 は第1レンズ1の焦点
距離(mm)、f2 は第2レンズ2の焦点距離(m
m)、FNoはFナンバーを示す。また、rは光学面の中
心曲率半径(mm)、dは光軸上における各光学面間の
間隔(mm)、ndは次の光学面までの間に存在する光
学材料(媒質)の屈折率、νdはアッベ数を示す。
にZ軸、光軸と垂直方向にX軸をとり、光の進行方向を
正とし、k、a4 、a6 、a8 、a10を非球面係数とし
たとき次式で表している。
を示したもので、本実施例においては、図1に示す第1
実施形態の撮像レンズと同様に、第1レンズ1の第2面
近傍に絞り3を配置するとともに、この絞り3と第2レ
ンズ2の第1面との間に光量制限板4を配置している。
の条件に設定されている。
前記(1)式を満足するものである。また、f2 /fl
=0.99となり、前記(2)式を満足するものであ
る。
面収差、非点収差、歪曲収差を図3に示す。これによれ
ば、球面収差、非点収差、歪曲収差のいずれもほぼ満足
できる値となり、十分な光学特性を得ることができるこ
とがわかる。 <第2実施例>図4は本発明の第2実施例を示したもの
で、本実施例においては、図1に示す第1実施形態の撮
像レンズと同様に、第1レンズ1の第2面近傍に絞り3
を配置している。
の条件に設定されている。
前記(1)式を満足するものである。また、f2 /fl
=1.04となり、前記(2)式を満足するものであ
る。
面収差、非点収差、歪曲収差を図5に示す。これによれ
ば、球面収差、非点収差、歪曲収差のいずれもほぼ満足
できる値となり、十分な光学特性を得ることができるこ
とがわかる。 <第3実施例>図6は本発明の第3実施例を示したもの
で、本実施例においては、図1に示す第1実施形態の撮
像レンズと同様に、第1レンズ1の第2面近傍に絞り3
を配置するとともに、この絞り3と第2レンズ2の第1
面との間に光量制限板4を配置している。
の条件に設定されている。
前記(1)式を満足するものである。また、f2 /fl
=1.27となり、前記(2)式を満足するものであ
る。
面収差、非点収差、歪曲収差を図7に示す。これによれ
ば、球面収差、非点収差、歪曲収差のいずれもほぼ満足
できる値となり、十分な光学特性を得ることができるこ
とがわかる。 <第4実施例>図8は本発明の第4実施例を示したもの
で、本実施例においては、図1に示す第1実施形態の撮
像レンズと同様に、第1レンズ1の第2面近傍に絞り3
を配置している。
の条件に設定されている。
前記(1)式を満足するものである。また、f2 /fl
=1.39となり、前記(2)式を満足するものであ
る。
面収差、非点収差、歪曲収差を図9に示す。これによれ
ば、球面収差、非点収差、歪曲収差のいずれもほぼ満足
できる値となり、十分な光学特性を得ることができるこ
とがわかる。 <第5実施例>図10は本発明の第5実施例を示したも
ので、本実施例においては、図1に示す第1実施形態の
撮像レンズと同様に、第1レンズ1の第2面近傍に絞り
3を配置するとともに、この絞り3と第2レンズ2の第
1面との間に光量制限板を配置してある。また、本実施
例においては、第2レンズ2の第1面が球面とされてい
る。
の条件に設定されている。
前記(1)式を満足するものである。また、f2 /fl
=0.99となり、前記(2)式を満足するものであ
る。
面収差、非点収差、歪曲収差を図11に示す。これによ
れば、球面収差、非点収差、歪曲収差のいずれもほぼ満
足できる値となり、十分な光学特性を得ることができる
ことがわかる。
されるものではなく、必要に応じて種々変更することが
可能である。
に係る撮像レンズは、式(1)および式(2)の条件を
満たすことにより、射出瞳と撮像面(センサ)との間の
距離を維持してテレセントリック性を高めることがで
き、光線の有効利用が可能となる。また、コマ収差、歪
曲収差を効果的に補正することが可能となるため、光学
性能を向上させることができ、さらに、製造性を向上さ
せることができる。
ズ1と第2レンズの間であって第1レンズ1の近傍に絞
りを配置するようにしたので、射出瞳と撮像面(セン
サ)との間の距離を維持することがより確かになり、第
2レンズの形状等に負荷をかけることなく、テレセント
リック性を高めることができる。
ズを像面側に凸面を向けた正のパワーを持つメニスカス
レンズとしたので、テレセントリック性を有効に確保す
ることができ、コマ収差、歪曲収差を効果的に補正する
ことができる。
ズおよび第2レンズを樹脂材料により形成するととも
に、第1レンズおよび第2レンズの少なくとも1面を非
球面としているので、製造性を確保しつつ、高い光学性
能を維持することができる等の効果を奏する。
す概略構成図
構成図
曲収差を示す説明図
構成図
曲収差を示す説明図
構成図
曲収差を示す説明図
構成図
曲収差を示す説明図
略構成図
差、歪曲収差を示す説明図
Claims (4)
- 【請求項1】 物体側から、物体側に凸面を向けた正の
パワーを持つメニスカスレンズとされた第1レンズ、絞
り、像面側に強い凸面を向けた正のパワーを持つレンズ
とされた第2レンズを順次配設し、前記第1レンズおよ
び第2レンズは、 (1)4×f2 ≧f1 ≧f2 (2)1.5×fl≧f2 ≧0.9×fl 但し、 fl:レンズ系全体の焦点距離 f1 :第1レンズの焦点距離 f2 :第2レンズの焦点距離 の条件を満足することを特徴とする撮像レンズ。 - 【請求項2】 前記絞りは、前記第1レンズと第2レン
ズの間であって前記第1レンズの近傍に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。 - 【請求項3】 前記第2レンズは、像面側に凸面を向け
たメニスカスレンズであることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2に記載の撮像レンズ。 - 【請求項4】 前記第1レンズおよび第2レンズは樹脂
材料により形成され、これら第1レンズおよび第2レン
ズの少なくとも1面は、非球面であることを特徴とする
請求項1から請求項3のいずれかに記載の撮像レンズ。
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