JP2003232448A - 旋回装置 - Google Patents

旋回装置

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JP2003232448A
JP2003232448A JP2002032529A JP2002032529A JP2003232448A JP 2003232448 A JP2003232448 A JP 2003232448A JP 2002032529 A JP2002032529 A JP 2002032529A JP 2002032529 A JP2002032529 A JP 2002032529A JP 2003232448 A JP2003232448 A JP 2003232448A
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output shaft
seal
oil seal
oil
annular chamber
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JP2002032529A
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English (en)
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Tatsuya Takeshita
達也 武下
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Kobelco Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Kobelco Construction Machinery Co Ltd
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  • Component Parts Of Construction Machinery (AREA)
  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力軸に発生する曲げ変形に対して、オイル
シールに発生する押し付け力の上昇を防止して、オイル
シールの偏磨耗と短寿命化を防止すること。 【解決手段】 本旋回装置10は、上部旋回体に固定し
た旋回減速機20の出力軸13にピニオン15を取り付
けるとともに、下部走行体に内歯歯車14を取り付け
て、両歯車をオイルバス17内で噛み合わせるように構
成しておき、出力軸13とベアリング下部の摺動ディス
ク23aとリテーナ27との間に、出力軸13に外嵌さ
れるオイルシール30を保持する環状室28が形成さ
れ、オイルシール30は、出力軸13の外周面と接する
第1のシール部と、環状室28の上下壁面の一方と接す
る第2のシール部とを有し、環状室28の周壁とオイル
シール30の外径面との間に空間を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ルの下部走行体に搭載された上部旋回体を旋回させる旋
回装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば図10に示すように、一般的に上
部構造体が下部構造体に対して全旋回可能な機械の旋回
装置100の旋回減速機120は、ギアオイルを密封し
た構造をしており、油圧モータ110の回転駆動力をこ
の旋回減速機120を介して出力軸121に伝達してい
る。そして、旋回減速機120のケーシング122と出
力軸121との隙間をシールするためにオイルシール1
30が採用されている。
【0003】オイルシール130は、旋回減速機120
の軸受下部123の摺動ディスク123aの下面とリテ
ーナ124と出力軸121(ここでは、スリーブ125
が介装されている。)とで区画される環状スペース12
6に内装され、スリーブ125側にスプリング131,
132でそれぞれ弾性付勢されるシールリップ133,
134が設けられている。
【0004】旋回装置100を組み込んだ旋回ユニット
においては、機械が旋回して図示しない旋回ベアリング
の内歯車140と、旋回減速機120の出力軸121の
軸端に取り付けられたピニオン150とがグリスを充填
したグリスバス160内で噛み合うように構成されてい
る。
【0005】しかし、旋回減速機120の構造上の理由
等により、オイルシール130はピニオン150に近接
して設けられているので、機械旋回時にグリスが両歯車
140,150の歯間から押し出されると、その圧力で
オイルシール130のシールリップ133,134が押
し広げられ、グリスが旋回減速機120内部に侵入する
おそれがあった。
【0006】そして、旋回減速機120内部に侵入した
グリスは、ギアオイルと混合されて、その性状を劣化さ
せるのみならず、侵入油量がさらに増すと、旋回減速機
120のオイルレベルゲージなどの開口部から油が噴出
するおそれもあった。
【0007】そこで、例えば実開平1-165349号公報や、
特開平3-96526号公報に開示された技術では、オイルシ
ールのシールリップ位置を、機械旋回時に押し出された
グリスの圧力が直接かからない位置にして、オイルシー
ルのシールリップを押し広げるような力がかかりにくく
していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記いずれ
の従来技術においても、旋回減速機120の出力軸12
1は、図11に示すように、この旋回減速機120内の
上部軸受127と下部軸受123とにより保持されてい
るので、例えば機械の上部構造体がA方向へ旋回する際
に、歯車140,150の噛み合いによる反力で、出力
軸121にはB方向の曲げ変形(振れ)が発生する。し
たがって、上記では、この出力軸121の曲げ変形によ
り、オイルシール130の一定方向に高い押し付け力が
作用する一方、他方向には低い押し付け力しか作用しな
いか、甚だしい場合には全く押し付け力が作用しなくな
る。このため、オイルシール130のシール性の確保が
困難となるとともに、オイルシール130が偏磨耗して
寿命が短くなるといった問題があった。
【0009】本発明は以上のような課題を考慮してなさ
れたものであり、出力軸に発生する曲げ変形に対して、
オイルシールに局部的に発生する押し付け力の上昇を防
止して、常に良好なシール性を確保するとともに、オイ
ルシールの偏磨耗の発生とこれに伴う短寿命化とを防止
することができる旋回装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上部旋回体を下部走行体に対して旋回自在に設け、上部
旋回体に固定した旋回減速機の出力軸に駆動ギアを取り
付けるとともに、下部走行体に被駆動ギアを取り付け
て、両ギアを潤滑油槽内で噛み合わせるように構成した
旋回装置において、出力軸とこの出力軸を覆うケーシン
グとの間に、出力軸に外嵌されるオイルシールを保持す
る環状室が形成され、オイルシールは、出力軸の外周面
と接する第1のシール部と、環状室の上下壁面の一方と
接する第2のシール部とを有し、前記環状室の周壁とオ
イルシールの外径面との間に空間を有することを特徴と
するものである。なお、出力軸には、スリーブが介装さ
れることがある。
【0011】この構成によれば、出力軸とこの出力軸を
覆うケーシングとの間に、出力軸に外嵌されるオイルシ
ールを保持する環状室が形成され、オイルシールは、出
力軸の外周面と接する第1のシール部と、環状室の上下
壁面の一方と接する第2のシール部とを有し、前記環状
室の周壁とオイルシールの外径面との間に空間を有して
いるので、機械旋回時に駆動ギアと被駆動ギアとの噛み
合いによる反力で、出力軸に曲げ変形が発生したとして
も、オイルシール全体が環状室内でこの出力軸の曲げ変
形に応じて移動する。したがって、従来例のようにオイ
ルシールに一定方向に高い押し付け力が集中して作用す
ることがなくなり、オイルシールが出力軸をシールする
力はシールリップ部全周で常に一定となる。その結果、
出力軸に曲げ変形が発生した場合であっても、常に良好
なシール性が確保されるとともに、オイルシールに偏磨
耗が生じなくなり、その寿命が長くなる。
【0012】請求項2記載の発明のように、オイルシー
ルは、第1,第2のシール部のそれぞれにシールリップ
部を備え、各シールリップ部は、それぞれ対応するシー
ル部側に向かって弾性付勢されていることとすれば、第
1のシール部は出力軸又はスリーブに弾性接触し、第2
のシール部はこの出力軸を覆うケーシングに弾性接触し
て、両シール部から潤滑油などが通過するのを確実に阻
止(シール)するので、より良好なシール性が確保され
る。
【0013】請求項3記載の発明のように、オイルシー
ルは、出力の外周面に沿った第1のシール部のシールリ
ップ部の下方又は上方に突起部を備えたこととすれば、
出力軸が上記したような曲がり変形によって傾いた場合
でも、その傾き方向にかかわらず突起部が出力軸に当接
し、その押し力によってオイルシール全体が出力軸の変
形に応じて移動するので、シール単体による出力軸の変
形の追従作用が得られるようになる。これにより、さら
に良好なシール性が確保される。
【0014】請求項4記載の発明のように、突起部は、
出力軸に沿った円弧面を有することとすれば、出力軸が
傾いた場合でも、その傾き方向にかかわらず突起部が出
力軸に当接し、出力軸の変形によるシール円周方向の締
め付け力にばらつきが発生しないようにシール本体を移
動させる作用が得られる。これにより、一層良好なシー
ル性が確保される。
【0015】請求項5記載の発明のように、環状室の上
下壁面を出力軸に向かって下りとなる円弧面としたこと
とすれば、オイルシールのシールリップ部は出力軸の振
れに関係なく常に最適な角度で出力軸と接するため、よ
り一層良好なシール性が確保される。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態に係る
旋回装置を備えた油圧ショベルの全体構成を示す斜視
図、図2は本旋回装置の概略構成図であって、(a)は
平面図、(b)は(a)におけるX−X線断面図であ
る。
【0017】図1に示すように、例えば油圧ショベルで
は、上部旋回体1が下部走行体2に対して全旋回可能と
なっている。この旋回のために、上部旋回体1は、下部
走行体2の主フレーム中央の上面に、外輪3が上部旋回
体1側に、また内歯歯車を有する内輪4が下部走行体2
側に固定された旋回ベアリング5を介して旋回自在に組
み付けられている。
【0018】そして、上部旋回体1には、図2に示すよ
うに、入力軸11が油圧モータ12などによって駆動さ
れる旋回装置10が設けられており、その出力軸13の
先端には、旋回ベアリング5の内輪4の内歯歯車(被駆
動ギア)14と噛み合うピニオン(駆動ギア)15を固
定している。このピニオン15が回転することにより、
その反力で上部旋回体1を旋回させるようになってい
る。
【0019】この旋回装置10においては、重量及び慣
性力の大きい上部旋回体1の起動と停止は、全てピニオ
ン15と、これに噛み合う内歯歯車14とでなされる。
したがって、両歯車14,15の歯面には大きな負荷が
繰り返し加わり、しかも相互に歯列に沿って摺動運動す
るので、そのスムーズな運転状態の確保と耐久性の向上
とが要請される。
【0020】このため、薄鋼板製のカバー16を、下部
走行体2の上面の旋回ベアリング5に取り付け、内輪4
の内歯歯車14とカバー16との間に、ピニオン15の
回遊幅を確保した開放環状のグリスバス(潤滑油槽)1
7を設け、このグリスバス17に所定量のグリスを充填
して、両歯車14,15の潤滑を行っている。
【0021】旋回装置10を構成する旋回減速機20の
出力軸13は、図2に示すように、ケーシング21に内
装された上部軸受22と下部軸受(ベアリング)23と
で支持され、このケーシング21内部には、密閉状態で
グリスとは性状の異なるギアオイルが充填されている。
【0022】そして、ケーシング21と出力軸13との
間には、オイルシール30が設けられ、このオイルシー
ル30によって、ケーシング21内部のギアオイルの外
部への流出と、外部からのグリスなどのケーシング21
内部への侵入とを防止している。
【0023】また、ケーシング21の上部にはオイルレ
ベルゲージを装着するためのレベルポート24やギアオ
イルを給油するための給油ポート25が設けられ、下部
にはギアオイルを排出するための廃油ポート26などが
設けられている。
【0024】図3は本旋回装置の要部拡大図、図は4オ
イルシールの断面を示す斜視図、図5はオイルシールの
突起部の拡大図である。
【0025】オイルシール30は、図3〜図5に示すよ
うに、その中心に出力軸13を挿入できるような環状に
形成された、例えばカーボンファイバ入りのテフロン
(登録商標)、ポリエチレン等の合成樹脂等からなるも
のであって、縦断面は適当に面取りされた略矩形状をな
している。このオイルシール30は、前記図1のケーシ
ング21に内装された下部軸受23の下部の摺動ディス
ク(以下、ベアリング下部の摺動ディスクという。)2
3aとリテーナ27と出力軸13とで区画される環状室
28内で、出力軸13の径方向に摺動自在で、かつ、出
力軸13に沿って摺動自在に保持されており、出力軸1
3に沿った摺動面31と、出力軸13の径方向の摺動面
32とには、いわゆる片持ち構造のシールリップ(シー
ルリップ部)33,34がそれぞれ形成されている。
【0026】すなわち、オイルシール30の本体中心側
上部には、上方に開口させた断面U字の環状溝35と、
この環状溝35と同形状で中心側に開口させた環状溝3
6とが設けられている。両環状溝35,36の内部には
断面V字の環状に形成された例えばステンレス製の板ば
ね37,38がそれぞれ圧縮状態で嵌め込まれており、
これらの板ばね37,38によって、シールリップ3
3,34は摺動面31,32側にそれぞれ弾性付勢され
ている。
【0027】ところで、出力軸13に沿った摺動面31
に上記のようなシールリップ33を設けた場合、出力軸
13の変形を受ける点がこの摺動面31の最下端となっ
てシールリップ33から遠くなるため、出力軸13の変
形時にこの最下端が支点となってシールリップ33が大
きく変形するおそれがある。そこで、本実施形態では、
出力軸13に沿った摺動面31のシールリップ33の下
方には、このシールリップ33の最大高さよりも若干低
い突起部39を備え、出力軸13の変形時にこの突起部
39を支点としてシールリップ33が適正量だけ変形す
るようにした。また、突起部39を備えた場合であって
も、その先端を出力軸13に沿った平坦面としたので
は、出力軸13の傾きとともにシール本体も同量だけ傾
くので、出力軸13の径方向をシールしているシールリ
ップ34が大きく変形するおそれがある。そこで、本実
施形態では、さらに、突起部39に出力軸13に沿った
円弧面(曲率R0)を形成することとし、この円弧面に
よって、図5の一点鎖線で示すように出力軸13が多少
傾いたとしても、シールリップ34が大きく変形しない
ようにした。その結果、出力軸13の傾き方向によっ
て、シールの締付け力を決定する板ばね37,38の締
め代に大きな差異を生じさせないようにした。
【0028】また、シールリップ33のシール性能は、
シールリップ33と出力軸13との接触角で決まるが、
出力軸13が傾くとこの接触角が変化し、そのシール性
能が低下するおそれがある。そこで、本実施形態では、
環状室28の上下壁面29,29を出力軸13に向かっ
て下りとなる円弧面とし、かつ、出力軸13の径方向の
摺動面32,32を上下壁面29,29に応じた形状と
した。これによって、出力軸13が傾いても、この接触
角を最適な角度に保つことができるようにした。各円弧
面の曲率R1〜R3は、出力軸13の変形方向を考慮し
て決定される。環状室28の外径(外周壁の内側の直
径)は、出力軸13が変形した状態となっても、出力軸
13に緩く嵌合されたオイルシール30が当接しない程
度の隙間(空間)を確保できるように決定される。な
お、本実施形態では、出力軸13に沿った摺動面31に
よって第1のシール部が構成され、出力軸13の径方向
の摺動面(上側)32によって第2のシール部が構成さ
れている。
【0029】図6は本旋回装置の動作を示す縦断面図、
図7は本旋回装置の動作を示す横断面図である。以下、
本旋回装置10の動作について説明する。
【0030】図6に示すように、オイルシール30は、
環状室28内で、出力軸13の径方向に摺動自在で、か
つ、出力軸13に沿って摺動自在に保持されているの
で、旋回時にピニオン15と内輪歯車14との噛み合い
による反力で、出力軸13にB方向の曲げ変形が発生し
たとしても、同図中の一点鎖線で示すように、オイルシ
ール30全体が環状室28内でこの曲げ変形に応じて移
動する。
【0031】例えば図7(a)は前記上部旋回体1が旋
回していない状態を示しており、この状態では環状室2
8の中心と出力軸13の中心とが一致し、またオイルシ
ール30の中心もこれらと一致している。したがって、
このときには、出力軸13に沿う摺動面31に設けられ
たシールリップ33はこの出力軸13の全周にわたりほ
ぼ均一な力でもって弾性接触し、出力軸13の径方向の
摺動面32に設けられたシールリップ34はベアリング
下部の摺動ディスク23aの下面にほぼ均一な力でもっ
て弾性接触して、両摺動面31,32からギアオイルな
どが通過するのを効果的に阻止(シール)する。
【0032】ついで、前記ピニオン15と内歯歯車14
との噛み合いの反力により出力軸13が変形したものと
する。例えば図7(b)に示すように、出力軸13の中
心は環状室28の中心から左側にδだけずれたものとす
ると、この出力軸13のずれによって、オイルシール3
0の突起部39は左側に押圧され、オイルシール30全
体が環状室28内を左側にδだけ移動するが、その中心
は出力軸13の中心と一致したままとなっている。
【0033】このとき、突起部39の円弧面の曲率R0
でもって出力軸13の変形によるシール円周方向の締付
け力にばらつきが発生しないようにシール本体を移動さ
せ、また、環状室28の上下壁面29,29とオイルシ
ール30の摺動面32,32の各円弧面の曲率R1〜R
3でもって、シールリップ33が常に出力軸13と最適
な角度で接する状態を保ちつつ、オイルシール30の移
動が行われる。
【0034】したがって、出力軸13の変形に追従し
て、オイルシール30はスムーズに移動されるので、こ
のときにも、出力軸13に沿う摺動面31に設けられた
シールリップ33はこの出力軸13全周にわたりほぼ均
一な力でもって弾性接触し、出力軸13の径方向の摺動
面32に設けられたシールリップ34はベアリング下部
の摺動ディスク23aの下面にほぼ均一な力でもって弾
性接触して、両摺動面31,32からギアオイルなどが
通過するのを効果的に阻止(シール)する。
【0035】或いは、図7(c)に示すように、出力軸
13の中心が環状室28の中心から右側にδだけずれた
ものとすると、この出力軸13のずれによって、オイル
シール30の突起部39は右側に押圧され、オイルシー
ル30全体が環状室28内を右側にδだけ移動するが、
その中心は出力軸13の中心と一致したままとなってい
る。
【0036】このとき、突起部39の円弧面の曲率R0
でもって出力軸13の変形によるオイルシール30の円
周方向の締付け力にばらつきが発生しないようにシール
本体を移動させ、また、環状室28の上下壁面29,2
9とオイルシール30の摺動面32,32の各円弧面の
曲率R1〜R3でもって、シールリップ33が常に出力
軸13と最適な角度で接する状態を保ちつつ、オイルシ
ール30の移動が行われる。
【0037】したがって、出力軸13の変形に追従し
て、オイルシール30はスムーズに移動されるので、こ
のときにも、出力軸13に沿う摺動面31に設けられた
シールリップ33はこの出力軸13全周にわたりほぼ均
一な力でもって弾性接触し、出力軸13の径方向の摺動
面32に設けられたシールリップ34はベアリング下部
の摺動ディスク23aの下面にほぼ均一な力でもって弾
性接触して、両摺動面31,32からギアオイルなどが
通過するのを効果的に阻止(シール)する。
【0038】さらに、図示はしていないが、環状室28
の中心に対して出力軸13が上記以外の任意の方向に変
形したとしても、上記と同様に、オイルシール30はそ
の出力軸13の変形方向に追従してスムーズに移動する
ので、このときにも、出力軸13に沿う摺動面31に設
けられたシールリップ33はこの出力軸13全周にわた
りほぼ均一な力でもって弾性接触し、出力軸13の径方
向の摺動面32に設けられたシールリップ34はベアリ
ング下部の摺動ディスク23aの下面にほぼ均一な力で
もって弾性接触して、両摺動面31,32からギアオイ
ルなどが通過するのを効果的に阻止(シール)する。
【0039】このように、本実施形態では、オイルシー
ル30全体の出力軸13の径方向へのスムーズな移動に
より、従来例のようにオイルシール30に一定方向に高
い押し付け力が作用することがなくなり、オイルシール
30が出力軸13をシールする力はシールリップ33の
全周で常に一定となる。その結果、出力軸13に曲げ変
形が発生した場合であっても、常に良好なシール性が確
保されるとともに、オイルシール30に偏磨耗が生じな
くなり、その寿命が長くなる。
【0040】なお、上記実施形態では、出力軸13の径
方向の摺動面(上側)32に設けられたシールリップ3
4がベアリング下部の摺動ディスク23aの下面に弾性
接触するように構成しているが、図8に示すように、こ
のシールリップ34をリテーナ27に弾性接触するよう
に構成してもよく、その場合も上記と同様の作用効果が
得られるが、ここでは、出力軸13の径方向の摺動面
(下側)32によって第2のシール部が構成される。
【0041】また、上記実施形態では、出力軸13に沿
う摺動面31に設けられたシールリップ33の下方に突
起部39を設けたが、この突起部39はシールリップ3
3の上方に設けることとしてもよい。ただし、上記実施
形態のようにした方が、シールリップ33がグリスの圧
力を直接受けないので好ましい。
【0042】また、上記実施形態では、環状室28をベ
アリング下部の摺動ディスク23aの下面とリテーナ2
7と出力軸13とで区画されているものとしたが、上記
従来例のように出力軸13側にスリーブを介在させるこ
ととしてもよい。その場合には、図9に示すように、下
部軸受23の下部の摺動ディスク23bは、リテーナ2
7とスリーブ23cとの間に配置され、この摺動ディス
ク23bとリテーナ27とスリーブ23との間に上記隙
間を有する環状室28が形成される。また、環状室28
の形状は、図7に示すような真円状でなくてもよく、出
力軸の変形方向に隙間のある楕円状としてもよい。
【0043】また、上記実施形態では、旋回装置10の
駆動源は油圧モータ11であって、この油圧モータ11
で駆動される旋回減速機20を例示したが、油圧モータ
の代わりに電動モータを用いるものであってもよい。ま
た、本発明を旋回モータ、走行モータ等に適用してもよ
い。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、機械旋回時に駆動ギア
と被駆動ギアとの噛み合いによる反力で、出力軸に曲げ
変形が発生したとしても、オイルシール全体が環状室内
でこの曲げ変形の方向に移動するので、従来例のように
オイルシールに一定方向に高い押し付け力が作用するこ
とがなくなり、オイルシールが出力軸をシールする力は
シールリップ部の全周で常に一定となる。その結果、出
力軸に曲げ変形が発生した場合であっても、常に良好な
シール性を確保できるとともに、オイルシールに偏磨耗
が生じなくなり、その長寿命化を図ることができる。
【0045】請求項2記載の発明によれば、第1のシー
ル部は出力軸又はスリーブに弾性接触し、第2のシール
部はこの出力軸を覆うケーシングに弾性接触して、両シ
ール部から潤滑油などが通過するのを確実に阻止(シー
ル)するので、より良好なシール性を確保できる。
【0046】請求項3記載の発明によれば、出力軸が上
記したような曲がり変形によって傾いた場合でも、その
傾き方向にかかわらず突起部が出力軸に当接し、その押
し力によってオイルシール全体が出力軸の変形に応じて
移動するので、シール単体による出力軸の変形の追従作
用が得られる。これにより、さらに良好なシール性を確
保できる。
【0047】請求項4記載の発明によれば、出力軸が傾
いた場合でも、その傾き方向にかかわらず突起部が出力
軸に当接し、出力軸の変形によるシール円周方向の締め
付け力にばらつきが発生しないようにシール本体を移動
させることができる。これにより、一層良好なシール性
を確保できる。
【0048】請求項5記載の発明によれば、オイルシー
ルを出力軸の変形方向にスムーズに移動させることがで
きるので、シールのリップ部が常に最適な角度で接する
状態を保持しつつ、シールを移動させることができる。
これにより、一層良好なシール性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る旋回装置を備えた油
圧ショベルの全体構成を示す斜視図である。
【図2】本旋回装置の概略構成図であって、(a)は平
面図、(b)は(a)におけるX−X線断面図である。
【図3】本旋回装置の要部拡大図である。
【図4】オイルシールの斜視図である。
【図5】オイルシールの突起部の拡大図である。
【図6】本旋回装置の動作を示す縦断面図である。
【図7】本旋回装置の動作を示す横断面図である。
【図8】変形例に係る旋回装置の要部拡大図である。
【図9】他の変形例に係る旋回装置の要部拡大図であ
る。
【図10】従来の旋回装置の概略構成図である。
【図11】従来の旋回装置の出力軸の動作を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 上部旋回体 2 下部走行体 10 旋回装置 11 油圧モータ 13 出力軸 14 内歯歯車(被駆動ギア) 15 ピニオン(駆動ギア) 17 グリスバス(潤滑油槽) 20 旋回減速機 23a ベアリング下部の摺動ディスク 27 リテーナ 28 環状室 29 上下壁 30 オイルシール 31,32 摺動面(第1,第2のシール部) 33,34 シールリップ(シールリップ部) 37,38 板ばね 39 突起部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部旋回体を下部走行体に対して旋回自
    在に設け、上部旋回体に固定した旋回減速機の出力軸に
    駆動ギアを取り付けるとともに、下部走行体に被駆動ギ
    アを取り付けて、両ギアを潤滑油槽内で噛み合わせるよ
    うに構成した旋回装置において、 出力軸とこの出力軸を覆うケーシングとの間に、出力軸
    に外嵌されるオイルシールを保持する環状室が形成さ
    れ、 オイルシールは、出力軸の外周面と接する第1のシール
    部と、環状室の上下壁面の一方と接する第2のシール部
    とを有し、 前記環状室の周壁とオイルシールの外径面との間に空間
    を有することを特徴とする旋回装置。
  2. 【請求項2】 オイルシールは、第1,第2のシール部
    のそれぞれにシールリップ部を備え、各シールリップ部
    は、それぞれ対応するシール部側に向かって弾性付勢さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の旋回装置。
  3. 【請求項3】 オイルシールは、出力の外周面に沿った
    第1のシール部のシールリップ部の下方又は上方に突起
    部を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の旋回
    装置。
  4. 【請求項4】 突起部は、出力軸に沿った円弧面を有す
    ることを特徴とする請求項3記載の旋回装置。
  5. 【請求項5】 環状室の上下壁面を出力軸に向かって下
    りとなる円弧面としたことを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の旋回装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008232270A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Komatsu Ltd 電動旋回装置
JP2008232269A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Komatsu Ltd 電動旋回装置
KR101618089B1 (ko) 2014-07-07 2016-05-04 현대중공업 주식회사 굴삭기용 선회장치

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