JP6478097B2 - 減速機付き油圧走行モータ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、クローラによって走行する油圧ショベルのような建設車両等に使用される減速機付き走行モータに関し、さらに詳細には減速機の歯車寿命のバラツキを低減し、歯車寿命を向上することができる減速機付き油圧走行モータに関する。
図6に示すように、走行中に減速機103内のキャリア104が回転しないようにモータケーシング101に結合する減速機付き油圧モータ100が特許文献1に開示されている。キャリア104及びモータケーシング101は、キャリア104及びモータケーシング101に形成されたスプライン102により互いにスプライン結合されている。
このとき、スプライン102の歯と溝が同寸法、同形状で円周方向に等間隔に形成された場合、キャリア104とモータケーシング101がスプライン結合する位置関係がスプライン102に形成される歯又は溝の数だけ存在する。そのため、減速機103内において、キャリア104に保持される遊星歯車105は組み付け時に常に同じ円周方向の位置関係になるとは限らない。
特開2006−161753号公報
このため、キャリア104とモータケーシング101とがスプライン結合された際に、減速機103内の潤滑油が複数の遊星歯車105に触れる位置で結合されるときと、結合されないときがある。これにより、減速機付き油圧モータ100の歯車寿命がばらつくことがある。
本発明は、係る課題を解決するためになされたもので、歯車寿命のバラツキを軽減させ、さらに、歯車寿命を向上させることで、寿命向上を実現できる減速機付き油圧走行モータを提供することを目的とする。
本発明は、
モータケーシング内に出力軸の回転数を切り換える可変容量機構を有する容量可変型の油
圧走行モータと、
前記モータケーシングに回転可能に支持され減速機本体内に前記油圧走行モータの回転を
減速する遊星歯車減速機構が配置された減速機と、
を備える減速機付き油圧走行モータであって、
前記油圧走行モータは、
前記モータケーシングの一端面の円周方向に複数個形成された突起部と、
前記突起部の後方に位置し前記モータケーシングの外方に設けられたスプラインと、
前記モータケーシングの内方に形成されたモータ室と、を備え、
前記減速機は、
前記減速機本体と、
前記減速機本体内に形成された減速機室と、
前記減速機室内に回転自在に設けられ前記モータ室内で支持された前記出力軸と、
前記出力軸の一端に取付けられ当該出力軸に略同軸に設けられた太陽歯車群と、
前記太陽歯車群に噛合する遊星歯車群と、
前記遊星歯車群を保持する複数個のキャリアと、
前記遊星歯車群及びキャリアに挿入するピン部材と、を備え、
前記出力軸が前記油圧走行モータの動力を前記減速機に伝達する前記減速機付き油圧走行
モータにおいて、
前記ピン部材が前記突起部の円周方向の間に係入し、前記キャリアが前記スプラインに係
合して前記モータケーシングに結合することを特徴(以下、本段落の内容を基本構成と記す)とする。
請求項1に記載の発明は、
上記基本構成に記載の減速機付き油圧走行モータであって
前記遊星歯車群のうち三個の遊星歯車が前記キャリアのうち一個に保持されており、
該遊星歯車の少なくとも一部が前記減速機室内に封入された潤滑油の油面より下に位置し
て該潤滑油に触れる位置で該キャリアが前記モータケーシングに結合されており、
該遊星歯車の三個のうち一個は全体が該潤滑油に浸されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
上記基本構成に記載の減速機付き油圧走行モータであって
前記遊星歯車群のうち四個の遊星歯車が前記キャリアのうち一個に保持されており、
該遊星歯車の少なくとも一部が前記減速機室内に封入された潤滑油の油面より下に位置し
て該潤滑油に触れる位置で該キャリアが前記モータケーシングに結合されており、
該遊星歯車の四個のうち二個は全体が該潤滑油に浸されていることを特徴とする。
本発明によれば、キャリアがモータケーシングにスプライン結合するときに、遊星歯車群のうちの複数の遊星歯車をキャリアに保持するために挿入するピン部材がモータケーシングの一端面に形成された複数個の突起部の間に係入される。これにより、減速機内において、該各遊星歯車が潤滑油に動作時に常に触れるように、キャリアに保持された該各遊星歯車を位置決めすることができる。
本発明は、モータケーシングの一端面に突起部を形成して、ピン部材が突起部の円周方向の間に係入することにより、各遊星歯車が潤滑油に触れる位置とする。これにより、各遊星歯車の潤滑性が向上して、減速機付き油圧走行モータの歯車寿命のバラツキを軽減させ、さらに、歯車寿命を向上させることができて、減速機付き油圧走行モータの寿命向上を実現できる。
本発明の実施の形態の一例である減速機付き油圧走行モータ10の略縦断面図である。 図1のII−II線の略横断面図である。 図1のIII−III線の略横断面図である。 図1のIV−IV線の略横断面図である。 図5(a1)は第一の形態、図5(b1)は第二の形態、図5(c1)は第三の形態である。また、図5(a2)、図5(b2)、図5(c2)は他の実施形態である。 従来例の減速機付き油圧モータ100の略縦断面図である。
本発明の減速機付き油圧走行モータ10につき、好適な実施の形態を挙げ添付図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、減速機付き油圧走行モータ10は、基本的には油圧走行モータ11と、減速機14とにより構成されており、スプライン22でスプライン結合される。そして、油圧走行モータ11と減速機14との径方向に減速機本体16を回転可能に支持する軸受18a、18bと、減速機室51の潤滑油の漏れを防ぐメカニカルシール19、20と、が設けられている。また、出力軸24を介して油圧走行モータ11の動力が減速機14に伝達される。
軸受18a、18bは、モータケーシング13の外周面38に嵌合されており、減速機本体16をモータケーシング13に対して回転可能に支持するものである。また、キャリア54とモータケーシング13と軸受18aとの間にスナップリング33が嵌装される。前記スナップリング33はモータケーシング13からキャリア54が抜けるのを防止するために抜止めとして取付けられている。
メカニカルシール19は、モータケーシング13と減速機本体16との間に設けられており、減速機室51内を液密に封止し、減速機室51内の潤滑油がモータケーシング13と減速機本体16との係合部から外部に漏れるのを防止する。
参照符号20は、モータケーシング13と出力軸24との間に設けられたメカニカルシール(フローティングシール)で、該メカニカルシール20は減速機室51内を液密に封止し、減速機室51内の潤滑油がモータケーシング13と出力軸24との隙間からモータ室23に漏れるのを防止する。
また、図1に示すように、油圧走行モータ11は、配管ポート12、モータケーシング13、出力軸24、シリンダブロック25、ピストン26、可変容量機構30等により構成されている。そして、油圧走行モータ11は、図示しない油圧ポンプから配管ポート12を通って供給又は排出される圧油により出力軸24を回転させると共に、可変容量機構30によって出力軸24の回転数を変化させるものである。
モータケーシング13は、油圧走行モータ11の外殻をなす中空の段付形状を成し、該モータケーシング13内方の内側39にモータ室23が形成されている。また、モータケーシング13の一端面37(図1で左端面)に複数個の突起部21が形成されている。
さらに、突起部21の後方(図1の右側)に位置しモータケーシング13外方(図1の上下側)の外周面38は段付形状を成し、該外周面38がキャリア54に噛合するスプライン22が該外周面38及びキャリア54の内側に形成されている。また、外周面38には固定フランジ34が形成されており、固定フランジ34は(図示しない)建設車両等の下部走行体を構成するトラックフレーム等にボルト等を用いて固着される。
モータ室23は、モータケーシング13の内側39に段付形状を成して設けられており、該モータ室23内には、出力軸24、シリンダブロック25、シュー27、斜板28等が配置される構成となっている。
出力軸24はモータ室23内及び減速機室51内に回転可能に設けられており、モータ室23内の軸受29a、29bによって支持されている。また、軸受29a、29bはシリンダブロック25、斜板28等を挟んでモータ室23内に設けられる。
シリンダブロック25は、モータ室23内に配置されて出力軸24の外周側に設けられており、出力軸24にスプライン結合されて該出力軸24と一体になって回転する。そして、シリンダブロック25内にはピストン26が摺動可能に挿嵌されている。
ピストン26は、シリンダブロック25内にその軸方向に摺動可能に複数個挿嵌されており、シリンダブロック25の回転によってシリンダブロック25内を往復動する。
シュー27は、各ピストン26の先端側(図1の左側)に揺動可能に設けられた円板状で、該シュー27はピストン26によって斜板28の表面に押圧されることで、シリンダブロック25の回転に伴って斜板28上に環状の軌跡を描くように摺動する。
可変容量機構30は、モータケーシング13内に設けられており、斜板28、傾転アクチュエータ31等により構成されている。そして、可変容量機構30は、斜板28の傾転角度を傾転アクチュエータ31によって変化させることにより、シリンダブロック25内に供給される圧油の容量を調整し、出力軸24の回転数、出力トルクを変化させる。
斜板28は、各ピストン26の先端側に位置してモータ室23内に傾転可能に設けられており、出力軸24を取囲む円板状に形成されている。そして、斜板28の裏面側(図1で左面側)は、モータケーシング13に傾転可能に支持され、斜板28の表面側(図1で右面側)は、シリンダブロック25の回転に伴って各シュー27が環状の軌跡を描くように摺動する摺動面となっている。
さらに、図1に示すように、減速機14は油圧走行モータ11に一体に取付けられており、出力軸24の回転を減速して大きなトルクを出力するものである。ここで、減速機14は、減速機本体16と、出力軸24と、遊星歯車減速機構48、49とにより大略構成されている。
減速機本体16は減速機14の外殻をなしており、該減速機本体16外方の外周側は段付形状を成し、駆動フランジ35が形成されている。駆動フランジ35は(図示しない)建設車両等の下部走行体を構成するクローラ等にボルト等を用いて固着される。また、減速機本体16内方は減速機室51が設けられ、減速機本体16内方の内周側には全周に亘って減速機内歯車52が形成されている。
減速機室51は減速機本体16内に設けられており、モータケーシング13の外周面38と、減速機本体16と、モータケーシング13の一端面37と、減速機本体16に蓋をするカバー17とで囲まれた領域である。そして、減速機室51内には遊星歯車減速機構48、49が収容されている。
出力軸24は油圧走行モータ11に設けられており、軸方向に太陽歯車56、57からなる太陽歯車群41を有する。また、減速機室51内においてカバー17に軸受72が取り付けられることで、スラストによって発生して太陽歯車56のカバー17側に作用する回転方向の摩擦抵抗を緩和する。
遊星歯車減速機構48は、減速機室51内の一段目(図1の左側)に配置され、油圧走行モータ11の出力軸24と結合して一体に回転する太陽歯車56と、該太陽歯車56と減速機内歯車52とに噛合して太陽歯車56の周囲を公転しつつ自転する複数個の遊星歯車58と、該各遊星歯車58を回転可能に支持するキャリア53と、により構成されている。また、キャリア53にはキャリア内歯車55が形成されており、太陽歯車57に噛合している。さらに、減速機室51内に設けられてカバー17及びキャリア53の間に取り付けられた軸受77によって、遊星歯車減速機構48に作用する回転方向の抵抗を緩和する。
遊星歯車減速機構49は、減速機室51内の二段目(図1の右側)に配置されており、キャリア内歯車55に噛合した太陽歯車57と、該太陽歯車57と減速機本体16の減速機内歯車52とに噛合し太陽歯車57の周囲で自転する複数個の遊星歯車59と、該各遊星歯車59を回転可能に支持するキャリア54とにより構成されている。そして、キャリア54の軸方向の一端側(図1の右側)はモータケーシング13にスプライン22により結合している。
また、各遊星歯車減速機構48,49は、減速機室51内において、複数個の遊星歯車58、59からなる遊星歯車群43を二段に区分されて構成されている。遊星歯車群43を形成する各遊星歯車58、59は、キャリア53、54と共にピン部材91、92が挿入される。さらに、各ピン部材91、92をキャリア53、54に固定させるためにスプリングピン93、94が挿入される。さらにまた、各遊星歯車58、59の回転抵抗を軽減するために、各ピン部材91、92と各遊星歯車58、59との間にニードル81、82が嵌装されている。
そして、各遊星歯車減速機構48,49は、油圧走行モータ11の回転を減速して減速機本体16に伝達し、該減速機本体16を高トルクで回転させるものである。この場合、減速機本体16の駆動フランジ35には、(図示しない)クローラ式油圧ショベルの履帯を駆動するスプロケットが取付けられ、このスプロケットを回転させて履帯を駆動することにより、油圧ショベル等の建設車両を走行させることができる構成となっている。
図2に示すように、減速機室51内において、キャリア54がスプライン22に係合してモータケーシング13に結合されており、キャリア54とモータケーシング13とは互いにスプライン結合により結合する。
図3、図4に示すように、遊星歯車減速機構49において、キャリア54に三個の遊星歯車59が等間隔に保持される場合、モータケーシング13の一端面37に同一円周方向に等角度間隔に三個の突起部21が形成され、突起部21の横断面は円弧形状になる。また、同一円周方向に等角度間隔に三個のピン部材92を各遊星歯車59及びキャリア54に挿入して、各遊星歯車59がキャリア54に保持されている。さらに、該各ピン部材92が各突起部21の円周方向の間に係入する。
また、ピン部材92の本数は突起部21と同数であり、突起部21の円周方向の間にピン部材92が係入することで、キャリア54がモータケーシング13にスプライン結合する位置決めができるので結合する位置が組み付け時に常に同じ位置になる。これにより、減速機51内に封入される潤滑油に動作時に常に触れるようにキャリア54及びキャリア54に保持された複数の遊星歯車59の位置を決定することができる。
さらに、該各ピン部材92の一端(図1の右端)が各突起部21の間に係入するが、該各ピン部材92はキャリア54に当接しない部分である一端側面92a(図3参照)を有する。
さらにまた、図1に示すように、ピン部材92の一端(図1の右端)はスプライン22の結合部に近接又は当接しており、スプリングピン94によってピン部材92はキャリア54に固定されている。また、スプライン22はピン部材92とスナップリング33とにより両端から固定されている。これにより、スプライン結合が軸方向に外れないようにすることができる。
次に、図5は、図4のキャリア54に保持される複数の遊星歯車59及びキャリア54に挿入されるピン部材92と突起部21との位置関係並びに油面L1、L2、L3に対する遊星歯車群43の位置関係を示す概略説明図である。
図5(a1)に示すように、潤滑油を減速機室51の体積の二分の一である油面L1まで封入して、減速機付き油圧走行モータ10が使用される場合に、例えば、同一円周方向に等角度間隔に三個の遊星歯車59をキャリア54に保持させる。
このとき、各遊星歯車59のうち一個(図5(a1)の下側)の全体が潤滑油に浸されるように、キャリア54とモータケーシング13とがスプライン結合する。このスプライン結合する位置決めはモータケーシング13の一端面37に形成された三個の突起部21と、三個のピン部材92とにより行う。
すなわち、各ピン部材92が各突起部21の間に係入することでスプライン結合する位置決めができる。これにより、三個の遊星歯車59全てが減速機室51内の潤滑油に触れる位置とすることができるので、潤滑油が各遊星歯車59に有効に作用する。
しかし、図5(a2)に示すように、例えば図5(a1)を左に60°回転しているような場合、各遊星歯車59のうちいずれの一個も全体が潤滑油に浸されておらず、潤滑油に二個(図5(a2)の下側)の遊星歯車59が触れる位置ではあるが、他の一個(図5(a2)の上側)が触れる位置ではない。よって、潤滑油が各遊星歯車59に有効に作用しない。
次に、図5(b1)に示すように、潤滑油を図5(a1)の油面L1を超えて油面L2まで封入して、減速機付き油圧走行モータ10が使用される場合に、例えば、同一円周方向に等角度間隔に四個の遊星歯車59をキャリア54に保持させる。
このとき、各遊星歯車59のうち二個(図5(b1)の下側)の全体が潤滑油に浸されるように、キャリア54とモータケーシング13とがスプライン結合する。このスプライン結合する位置決めをモータケーシング13の一端面37に形成された四個の突起部21と、四個のピン部材92とにより行う。
すなわち、各ピン部材92が各突起部21の間に係入することでスプライン結合する位置決めができる。これにより、四個の遊星歯車59全てが減速機室51内の潤滑油に触れる位置とすることができるので、潤滑油が各遊星歯車59に有効に作用する。
しかし、図5(b2)に示すように、例えば図5(b1)を左に45°回転しているような場合、各遊星歯車59のうち一個(図5(b2)の下側)のみの全体が潤滑油に浸され、潤滑油に三個の遊星歯車59が触れる位置ではあるが、他の一個(図5(b2)の上側)が触れる位置ではない。よって、潤滑油が遊星歯車59に有効に作用しない。
次に、図5(c1)に示すように、潤滑油を図5(b1)の油面L2を超えて油面L3まで封入して、減速機付き油圧走行モータ10が使用される場合に、例えば、同一円周方向に等角度間隔に三個の遊星歯車59をキャリア54に保持させる。
このとき、各遊星歯車59のうち一個(図5(c1)の右下側)の全体が潤滑油に浸されるように、キャリア54とモータケーシング13とがスプライン結合する。このスプライン結合する位置決めをモータケーシング13の一端面37に形成された三個の突起部21と、三個のピン部材92とにより行う。
すなわち、各ピン部材92が各突起部21の間に係入することでスプライン結合する位置決めができる。これにより、三個の遊星歯車59全てが減速機室51内の潤滑油に触れる位置とすることができるので、潤滑油が各遊星歯車59に有効に作用する。
しかし、図5(c2)に示すように、例えば図5(c1)を左に30°回転しているような場合、各遊星歯車59のうちの二個(図5(c2)の下側)の全体が潤滑油に浸され、潤滑油に二個の遊星歯車59が触れる位置ではあるが、他の一個(図5(c2)の上側)が触れる位置ではない。よって、潤滑油が各遊星歯車59に有効に作用しない。
また、減速機付き油圧走行モータ10に組み付けられている各遊星歯車59は、例えば、油面L1、L2、L3に対して、潤滑油に触れるように位置決めされていればよく、各遊星歯車59の個数は三個又は四個に限るものではない。
本発明に係る減速機付き油圧走行モータ10は、モータケーシング13の一端面37において円周方向に突起部21の間にピン部材92が係入できる該突起部21を複数個形成する第一工程と、該ピン部材92の一端側面92aがキャリア54に当接しない部分を有するように各遊星歯車59及びキャリア54に該各ピン部材92を挿入して各遊星歯車59をキャリア54に保持させる第二工程と、一端側面92aと突起部21とが同一横断面(III−III線横断面)を共有するように各ピン部材92を突起部21の間に係入させてキャリア54をスプライン22に係合させモータケーシング13に結合させることでキャリア54をモータケーシング13に組み付ける第三工程と、により組み立てられる。
これにより、第一工程において形成する突起部21の位置を決めることで、キャリア54がモータケーシング13にスプライン結合する歯と溝の組み合わせを制限できるので、各遊星歯車59の位置を決定することができる。
すなわち、組み立てる前に突起部21を形成する位置を決めることで、遊星歯車59の位置を制御できるので、キャリア54に保持される全ての遊星歯車59の位置を潤滑油が有効に作用する位置とすることができる。
これにより、減速機14内の潤滑性が向上し、減速機付き油圧走行モータ10の歯車寿命のバラツキを軽減させ、さらに、歯車寿命を向上させることができて、減速機付き油圧走行モータ10の寿命向上を実現できる。
本発明の実施の形態に係る減速機付き油圧走行モータ10は基本的には以上のように構成されるものであり、次に動作について説明する。
図1に示すように、油圧走行モータ11は固定フランジ34を介して図示しない建設車両のフレームに固定され、遊星歯車減速機構48、49を有する減速機14は駆動フランジ35を介して図示しない建設車両のクローラの駆動輪と連結されている。
図示しない油圧ポンプ等から配管ポート12を経由して油圧走行モータ11に圧油が供給されて、油圧走行モータ11が回転する。また、油圧走行モータ11が回転すると、その回転動力が該油圧走行モータ11と一体となって回転する出力軸24を介して減速機14に伝達されて減速される。
また、出力軸24が回転(自転)すると、減速機室51において、太陽歯車群41が自転し、太陽歯車群41が自転すると、太陽歯車群41に噛合する遊星歯車群43が自転する。
つまり、出力軸24が回転(自転)すると、減速機室51において、出力軸24に係合して太陽歯車群41を構成する太陽歯車56、57が自転する。また、太陽歯車56が自転すると、太陽歯車56に噛合する各遊星歯車58が自転する。さらに、各遊星歯車58が自転すると、各遊星歯車58が減速機内歯車52に噛合して減速機本体16が自転する。
さらにまた、太陽歯車57が自転すると、太陽歯車57がキャリア内歯車55に噛合してキャリア53が自転する。これにより、キャリア53に保持されている各遊星歯車58が回転(公転)する。
また、太陽歯車57が自転すると、太陽歯車57に噛合する各遊星歯車59が自転し、各遊星歯車59が自転すると、各遊星歯車59が減速機内歯車52に噛合しているので、減速機本体16が自転する。
以上より、減速機室51内において、各遊星歯車58は自転及び公転するため、位置が固定されず、各遊星歯車58は一定の間隔で潤滑油に触れる。しかし、各遊星歯車59は自転するが、各遊星歯車59を保持するキャリア54がモータケーシング13にスプライン22で結合して固定されるので、各遊星歯車59は出力軸24の周囲を公転しない。
これにより、キャリア54とモータケーシング13とをスプライン22で結合させるときに各遊星歯車59は位置が固定されてしまうため、例えば、図5(a1)〜(c1)に示すように各遊星歯車59が潤滑油に触れる位置で結合されるときと、図5(a2)〜(c2)に示すように潤滑油に触れない位置で結合されるときがある。
そのため、モータケーシング13の一端面37に複数の突起部21を形成して、各遊星歯車59及びキャリア54に挿入するピン部材92を該各突起部21の円周方向の間に係入させることで、各遊星歯車59が潤滑油に触れるように位置決めすることができる。
これにより、各遊星歯車59全てが潤滑油に触れる位置でキャリア54がモータケーシング13にスプライン結合することができるので、各遊星歯車59の潤滑性が向上し、減速機付き油圧走行モータ10の歯車寿命のバラツキを軽減させ、さらに、歯車寿命を向上させることで、減速機付き油圧走行モータ10の寿命向上を実現できる。
10 減速機付き油圧走行モータ
11 油圧走行モータ
13 モータケーシング
14 減速機
16 減速機本体
21 突起部
22 スプライン
23 モータ室
24 出力軸
30 可変容量機構
37 一端面
41 太陽歯車群
43 遊星歯車群
48、49 遊星歯車減速機構
51 減速機室
53、54 キャリア
58、59 遊星歯車
91、92 ピン部材
L1、L2、L3 油面

Claims (2)

  1. モータケーシング内に出力軸の回転数を切り換える可変容量機構を有する容量可変型の油
    圧走行モータと、
    前記モータケーシングに回転可能に支持され減速機本体内に前記油圧走行モータの回転を
    減速する遊星歯車減速機構が配置された減速機と、
    を備える減速機付き油圧走行モータであって、
    前記油圧走行モータは、
    前記モータケーシングの一端面の円周方向に複数個形成された突起部と、
    前記突起部の後方に位置し前記モータケーシングの外方に設けられたスプラインと、
    前記モータケーシングの内方に形成されたモータ室と、を備え、
    前記減速機は、
    前記減速機本体と、
    前記減速機本体内に形成された減速機室と、
    前記減速機室内に回転自在に設けられ前記モータ室内で支持された前記出力軸と、
    前記出力軸の一端に取付けられ当該出力軸に略同軸に設けられた太陽歯車群と、
    前記太陽歯車群に噛合する遊星歯車群と、
    前記遊星歯車群を保持する複数個のキャリアと、
    前記遊星歯車群及びキャリアに挿入するピン部材と、を備え、
    前記出力軸が前記油圧走行モータの動力を前記減速機に伝達する前記減速機付き油圧走行
    モータにおいて、
    前記ピン部材が前記突起部の円周方向の間に係入し、前記キャリアが前記スプラインに係
    合して前記モータケーシングに結合し、
    前記遊星歯車群のうち三個の遊星歯車が前記キャリアのうち一個に保持されており、
    該遊星歯車の少なくとも一部が前記減速機室内に封入された潤滑油の油面より下に位置し
    て該潤滑油に触れる位置で該キャリアが前記モータケーシングに結合されており、
    該遊星歯車の三個のうち一個は全体が該潤滑油に浸されていることを特徴とする前記減速
    機付き油圧走行モータ。
  2. モータケーシング内に出力軸の回転数を切り換える可変容量機構を有する容量可変型の油
    圧走行モータと、
    前記モータケーシングに回転可能に支持され減速機本体内に前記油圧走行モータの回転を
    減速する遊星歯車減速機構が配置された減速機と、
    を備える減速機付き油圧走行モータであって、
    前記油圧走行モータは、
    前記モータケーシングの一端面の円周方向に複数個形成された突起部と、
    前記突起部の後方に位置し前記モータケーシングの外方に設けられたスプラインと、
    前記モータケーシングの内方に形成されたモータ室と、を備え、
    前記減速機は、
    前記減速機本体と、
    前記減速機本体内に形成された減速機室と、
    前記減速機室内に回転自在に設けられ前記モータ室内で支持された前記出力軸と、
    前記出力軸の一端に取付けられ当該出力軸に略同軸に設けられた太陽歯車群と、
    前記太陽歯車群に噛合する遊星歯車群と、
    前記遊星歯車群を保持する複数個のキャリアと、
    前記遊星歯車群及びキャリアに挿入するピン部材と、を備え、
    前記出力軸が前記油圧走行モータの動力を前記減速機に伝達する前記減速機付き油圧走行
    モータにおいて、
    前記ピン部材が前記突起部の円周方向の間に係入し、前記キャリアが前記スプラインに係
    合して前記モータケーシングに結合し、
    前記遊星歯車群のうち四個の遊星歯車が前記キャリアのうち一個に保持されており、
    該遊星歯車の少なくとも一部が前記減速機室内に封入された潤滑油の油面より下に位置し
    て該潤滑油に触れる位置で該キャリアが前記モータケーシングに結合されており、
    該遊星歯車の四個のうち二個は全体が該潤滑油に浸されていることを特徴とする前記減速
    機付き油圧走行モータ。
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