JP2003231972A - 電子部品の製造方法、及び電子部品 - Google Patents

電子部品の製造方法、及び電子部品

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JP2003231972A
JP2003231972A JP2002035376A JP2002035376A JP2003231972A JP 2003231972 A JP2003231972 A JP 2003231972A JP 2002035376 A JP2002035376 A JP 2002035376A JP 2002035376 A JP2002035376 A JP 2002035376A JP 2003231972 A JP2003231972 A JP 2003231972A
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metal
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plating
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JP2002035376A
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Ikushi Yoshida
育史 吉田
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属酸化物と導体膜との間の良好な密着性を
確保し、かつ導体損失を低減させて共振特性を向上させ
ることのできるようにした。 【解決手段】 表面の平滑なセラミック素体1を作製し
た後(a)、Znの酸化還元電位よりも電気化学的に卑
な電位を有する両性金属の金属イオン、例えばA
3+、Si4+を添加したZn溶液を調製し、セラミ
ック素体1をZn溶液に浸漬して該セラミック素体1の
表面にZn皮膜2を形成し(b)、この後、無電解めっ
き処理を施してZn皮膜2上にめっき皮膜3を形成する
(c)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品の製造方
法、及び電子部品に関し、より詳しくは金属酸化物の表
面に導体膜を形成して電子部品を製造する電子部品の製
造方法、及び該製造方法により製造された高周波共振器
や高周波フィルタなど、高周波誘電体部品等の電子部品
に関する。
【0002】
【従来の技術】誘電体フィルタや誘電体共振器等の高周
波誘電体部品では、セラミック材料で形成された誘電体
素体の表面に導体膜が形成されている。
【0003】そして、この種の高周波誘電体部品では、
導電率を重視する観点から導体膜材料として主としてC
uやAgが使用されており、斯かる導体膜の形成方法と
しては、従来より、めっき法やペースト法で行われてい
る。
【0004】めっき法では、誘電体素体を塩化第1スズ
(SnCl)溶液に浸漬して誘電体素体の表面にSn
を吸着させた後、塩化パラジウム(PdCl)溶液に
浸漬し、酸化還元反応により5〜10nm程度の微粒な
Pdを誘電体素体の表面に置換析出させ、該誘電体素体
の表面を触媒活性化する。そしてこの後、還元剤が添加
された無電解めっき液に前記誘電体素体を浸漬させる
と、該誘電体素体の表面にはPdを核としてめっき金属
が析出し、これにより導体膜が誘電体素体に形成され
る。
【0005】一方、ペースト法では、CuやAg等の導
電性材料や有機ビヒクルにガラス成分を添加して導電性
ペーストを調製し、斯かる導電性ペーストを誘電体素体
の表面に塗布した後、焼付け処理を施し、これにより誘
電体素体の表面に導体膜を形成している。すなわち、誘
電体素体を形成するセラミック材料には低温焼結性を確
保する観点からガラス成分が含まれており、このため導
電性ペースト中にもガラス成分を含有させて該導電性ペ
ーストを誘電体素体の表面に塗布し焼成することによ
り、誘電体素体との密着性が良好な導体膜を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、この
種の高周波誘電体部品では、益々高周波化が進んできて
いるが、斯かる高周波化に伴ってエネルギ損失も大きく
なってきており、このため斯かるエネルギ損失の低減化
が求められている。
【0007】この種の前記エネルギ損失は、誘電体損失
と導体損失とに大別されるが、誘電体損失については、
高誘電率を有する誘電体部品でもエネルギ損失の低い材
料が開発され、実用化されるに至っている。
【0008】一方、導体損失に関しては、高周波帯では
導体と誘電体素体の界面に電流が集中するため、導体表
面に近づくほど表面抵抗(表皮抵抗)が大きくなり、導
体損失(ジュール損失)も大きくなる。すなわち、導体
内部では導体の表面から離間するに従って高周波電流が
指数関数的に減衰するという表皮効果が生じる。したが
って、高周波が進むに伴い、前記表皮効果によって導体
と誘電体素体の界面で高周波電流が一層集中することと
なり、しかも誘電体素体の表面には微小な表面凹凸が形
成されているため、該表面凹凸による導体損失が大きく
なり、共振特性の低下を招来する。
【0009】つまり、誘電体損失に関して新規材料の開
発等で低減化されてきたが、導体損失に関しては未だ十
分に低減化されておらず、したがって共振特性を示す無
負荷時の機械的品質係数Qmは誘電体損失よりも導体損
失が支配的になってきている。
【0010】そして、このような導体損失の低減化を図
る方策としては、上記誘電体素体の表面を平滑化するこ
とが考えられるが、この場合、以下のような問題点が新
たに生じる。
【0011】すなわち、導体膜を上記めっき法で形成し
た場合、誘電体素体と導体膜との密着力は、前処理にお
けるSnの吸着力に支配される。つまり、従来のめっき
法では、誘電体素体表面の微小凹凸を利用してSnが吸
着されて密着しており(アンカー効果)、したがって、
その後の無電解めっきで形成される導体膜も、このよう
なアンカー効果により誘電体素体への密着性が確保され
ている。
【0012】したがって、誘電体素体の表面を平滑化し
た場合は、上記アンカー効果が十分に得られず、このた
め誘電体素体と導体膜との密着力は、ファン・デル・ワ
ールス力程度の微小な吸着力でしかなくなり、所望の密
着性を確保することができなくなるという問題点が新た
に生じる。
【0013】一方、導体膜を上記ペースト法で形成した
場合は、導電性ペーストに含有されるガラス成分と上述
したアンカー効果とにより誘電体素体と導体膜との密着
性が確保されるが、誘電体素体の表面を平滑化すると、
めっき法の場合と同様、アンカー効果は十分に得られな
くなり、このため密着力を向上させようとすると、導電
性ペースト中のガラス成分量を多くしなければならず、
その結果、導体膜中の導電性材料が相対的に減少し、電
気的特性の低下を招来して所望の共振特性が得られなく
なるという問題点が新たに生じる。
【0014】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであって、金属酸化物と導体膜との間の良好な密着性
を確保し、かつ導体損失を低減させて共振特性を向上さ
せることのできる電子部品の製造方法、及び該製造方法
で製造された高周波誘電体部品等の電子部品を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決すための手段】表面粗さ(平均粗さ)Ra
の小さい平滑な金属酸化物上に密着性の良好な導体膜を
形成する方法としては、アルミニウム合金材やマグネシ
ウム金属の表面に形成されるめっき皮膜の密着性を良好
にするために、従来から行われているジンケート処理を
適用することが考えられる。
【0016】該ジンケート処理は、下地となるアルミニ
ウム等が大気と接触することにより下地表面に金属酸化
膜が形成されてめっき皮膜との密着性を阻害することか
ら、めっき皮膜を形成する前にZn(亜鉛)溶液を使用
し、金属酸化膜とZnとの間の電位差を利用した置換反
応によって金属酸化膜をZnと置換し、これにより密着
性の良好なめっき皮膜の形成を可能にしている。
【0017】しかしながら、アルミニウム等の金属表面
(又は合金表面)に形成される金属酸化膜は、大気との
接触により自然に形成されるものであるため、膜厚も非
常に薄く、浸食されて容易にZn溶液中に溶解し、した
がって、Zn溶液に浸漬することにより金属酸化膜はZ
nと容易に置換される。
【0018】一方、セラミックスのように焼成して得ら
れる金属酸化物の場合は、通常のZn溶液に浸漬しても
Znとの置換が非常に進行しにくく、このためその後に
めっき液に浸漬させて無電解めっきを施してもめっき金
属の析出が非常に困難であり、また、たとえめっき金属
が析出しても所望の良好な密着性を得ることができない
ことが判明した。
【0019】そこで、本発明者は、金属酸化物と導体膜
との間の密着性に優れた高周波誘電体部品を得るべく鋭
意研究した結果、Znの酸化還元電位よりも電気化学的
に卑な電位を有する両性金属の金属イオンを添加した亜
鉛溶液を使用することにより、金属酸化物上には密着性
の良好なZn皮膜を形成することができ、しかも共振特
性も向上させることができるという知見を得た。
【0020】本発明はこのような知見に基づきなされた
ものであって、本発明に係る電子部品の製造方法は、金
属酸化物の表面に導体膜が形成された電子部品を製造す
る電子部品の製造方法であって、亜鉛の酸化還元電位よ
りも電気化学的に卑な電位を有する両性金属の金属イオ
ンを添加して亜鉛溶液を調製し、該亜鉛溶液を使用して
前記金属酸化物の表面に亜鉛皮膜を形成し、この後、無
電解めっき処理を施して前記導体膜を形成することを特
徴としている。
【0021】上記製造方法によれば、Zn溶液に両性金
属の金属イオンが添加されているので、該金属イオンを
両性金属であるZn溶液に安定的に溶解させることでき
る。そして、Zn溶液にはZnの酸化還元電位よりも電
気化学的に卑な電位を有する金属イオンが添加されてい
るので、Zn溶液中のZn2+はZnよりも卑な電位を
有する金属イオンから電子が供給され易くなってZnの
金属酸化物表面への析出が促進され、Znは金属酸化物
上に強固に密着する。
【0022】また、上記金属イオンとしては、実用的に
は、Al3+又はSi4+を使用することができる。
【0023】また、上記金属イオンを添加したZn溶液
で金属酸化物をZnに置換する場合、1回のZn処理で
Zn膜の膜厚が均一とならない場合は、複数回のZn処
理で膜厚を均一化することができる。
【0024】すなわち、本発明の製造方法は、亜鉛溶液
を使用した処理を複数回行うことを特徴とするのも好ま
しい。
【0025】また、上記処理が終了した後は、Znが還
元剤の酸化反応に対し触媒活性を有する場合は、Pd溶
液等で表面を触媒活性化する必要もなく、直接自己触媒
型の無電解めっきを行うことができる。
【0026】また、上記処理が終了した後に直接置換型
無電解めっきを行うこともでき、斯かる場合、Znの酸
化還元電位よりも貴な可逆電位を有する金属、例えばC
u、Co、Ni、Ni合金、Ag、Pd、Pt、又はA
uを含有しためっき浴を使用することができる。
【0027】すなわち、本発明の製造方法は、前記無電
解めっき処理が、Znの酸化還元電位よりも電気化学的
に貴な酸化還元電位を有する金属を含有しためっき液を
使用して行なうことを特徴とし、また前記めっき液は、
Cu、Co、Ni、Ni合金、Ag、Pd、Pt、又は
Auから選択された少なくとも1種以上の金属を含有し
ていることを特徴とすることにより、Znは酸化還元反
応により上記金属と容易に置換され、置換後はこれら金
属の有する自己触媒機能によってめっき反応を進行させ
ることが可能となる。
【0028】また、Znを金属酸化物上に析出させるた
めには、金属酸化物はZnの酸化還元電位よりも電気化
学的に卑な電位を有する金属、例えばAlやSiを含有
した酸化物を使用する必要がある。
【0029】すなわち、本発明の製造方法は、前記金属
酸化物が、Znの酸化還元電位よりも電気化学的に卑な
電位を有する金属を含有していることを特徴とし、さら
に前記金属酸化物が、アルミニウム酸化物又はケイ素酸
化物のうちの少なくとも1種を含有していることを特徴
としている。
【0030】また、本発明に係る電子部品は、上記製造
方法により金属酸化物の表面に導体膜が形成されている
ことを特徴としている。
【0031】上記構成によれば、上述したようにZnで
表面処理した後、所望金属からなる導体膜を形成してい
るので、下地である金属酸化物に対する導体膜の密着性
が良好な電子部品を得ることができる。
【0032】また、上記製造方法を利用すれば、金属酸
化物の表面のみならず金属材料である電極上にも密着性
の良好な導体膜を形成することが可能になる。
【0033】すなわち、本発明の電子部品は、前記金属
酸化物の表面に電極が形成され、かつ該電極の表面に前
記導体膜が形成されていることを特徴とするのも好まし
い。
【0034】また、本発明に係る電子部品は、高周波誘
電体部品であることを特徴とするのが好ましく、これに
より誘電体表面が平滑化され、導体損失の低減化された
電子部品を得ることが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0036】図1(a)〜(c)は、本発明に係る電子
部品としての高周波モジュールの製造方法の一実施の形
態(第1の実施の形態)を示す製造工程図である。
【0037】図1(a)において、1はBaCO、S
iO、Al等の金属酸化物を含有したセラミッ
ク素体(高周波モジュール用基板)であって、該セラミ
ック素体1は以下のようにして製造される。
【0038】すなわち、まず、セラミック素体1の組成
が、所定組成比となるように前記金属酸化物を主成分と
する出発原料を秤量・混合し、次いで湿式粉砕してスラ
リー状とし、該スラリー状の粉砕物を脱水、乾燥、仮
焼、粉砕等の各工程を経て、プレス成形等により成形し
た後、所定寸法に切断してセラミック成形体を作製す
る。そして、該セラミック成形体を所定温度で所定時間
焼成処理し、セラミック焼結体を作製し、次いで表面粗
さRaが0.2μm〜0.4μmとなるまでサンドブラ
スト法で表面研磨し、これにより表面が平滑化されたセ
ラミック素体1を製造する。
【0039】次に、Znの酸化還元電位よりも電気化学
的に卑な電位を有する両性金属の金属イオンを添加し、
Zn溶液を調製する。
【0040】そして、セラミック素体1を前記Zn溶液
に浸漬させると、セラミック素体1を形成している金属
酸化物の表層面が溶解する一方、酸化還元反応によりZ
nがセラミック素体1の表面に置換析出し、これにより
図1(b)に示すように、セラミック素体1の表面には
Zn皮膜2が形成される。
【0041】すなわち、Zn溶液には、Znの酸化還元
電位(−0.763V(vs.NHE(標準水素電
極)))よりも電気化学的に卑な電位を有する金属イオ
ンを添加されているので、Zn溶液中のZnがセラミッ
ク素体1に析出し易くなり、また、前記金属イオンがZ
nと同様の両性金属であることから該金属イオンもZn
溶液中で安定的に溶解させることができ、これによりセ
ラミック素体1の表面にはZnの析出が促進され、Zn
はセラミック素体1上に強固に化学吸着されて密着性の
優れたZn皮膜2が形成されることになる。
【0042】そして、処理液濃度、処理温度、水素イオ
ン指数pH、処理時間等を制御することにより、Zn皮
膜2の膜厚を所望の範囲となるようにすることができ
る。尚、1回のZn処理で所望膜厚のZn皮膜2を形成
することができない場合は、複数回繰り返して上述した
Zn処理を行なうのも好ましい。
【0043】また、Zn溶液中に添加される金属イオン
は、Znの酸化還元電位よりも電気化学的に卑な両性金
属であれば特に限定されるものではないが、実用的には
Al(−1.68V(vs.NHE))、Si(−0.9
9V(vs.NHE))を使用することができる。
【0044】また、各金属イオンの供給源も特に限定さ
れるものではなく、例えば、Zn であればZnSO
、Al3+であればAl(SO、Si4+
あればNaSiOを使用することができる。
【0045】また、これら金属イオンは、金属として溶
液中に添加して溶解させてもよく、この場合、アルカリ
性水溶液を作製する場合は、NaOHやKOH等を使用
することができ、酸性水溶液を作製する場合には、HC
lやHSO等を使用することができる。
【0046】また、Zn溶液中には、エチレンジアミン
四酢酸(EDTA)等のキレート剤やポリエチレングリ
コール等の界面活性剤を添加するのも好ましく、斯かる
キレート剤や界面活性剤をZn溶液中に添加することに
より、セラミック素体1の表層面をより一層効果的に溶
解させることができ、Znとの置換反応を促進させるこ
とができる。
【0047】次に、このようにしてセラミック素体1の
表面にZn皮膜2を形成した後、無電解めっきを施し、
図1(c)に示すように、Zn皮膜2の表面に所望のめ
っき皮膜3(導体膜)を形成する。
【0048】すなわち、所定のめっき液中に還元剤を添
加し、還元剤の酸化反応によりめっき液中の金属イオン
に電子が供給され、Zn皮膜2の表面に所望金属からな
るめっき皮膜3が形成される。
【0049】尚、還元剤としては、めっき液中の金属イ
オンの酸化還元電位よりも電気化学的に卑な酸化還元電
位を有し、Znが還元剤の酸化反応に対して触媒活性を
有していれば特に限定されるものではなく、析出金属に
応じて例えばジメチルアミンボラン等のホウ素化合物や
ホルムアルデヒド等のアルデヒド系化合物を使用するこ
とができる。
【0050】また、Znが還元剤の酸化反応に対して触
媒活性を有していない場合は、広汎な触媒活性を有する
PdでZnを置換することにより、自己触媒型の無電解
めっきを行うことができる。
【0051】また、本第1の実施の形態では、自己触媒
型の無電解めっきを施しているが、置換型の無電解めっ
きを施してもよい。すなわち、めっき液に還元剤を添加
する代わりに、Znとの間で化学的に置換反応を生じさ
せ、これによりをZn皮膜2をめっき皮膜3と置換させ
てもよい。この場合、めっき析出する金属としては、Z
nの酸化還元電位よりも電気化学的に貴な電位であるこ
とが必要であり、たとえば、Cu、Co、Ni、Ni合
金、Ag、Pd、Pt、又はAu等を含有しためっき液
を使用して直接無電解めっきを行うことができる。
【0052】さらに、Zn皮膜2をめっき皮膜3と置換
させた後、還元剤を添加しためっき液中に被めっき物を
浸漬させ、めっき皮膜3の有する自己触媒機能により所
望膜厚のめっき皮膜3を形成するようにしてもよい。
【0053】このように本第1の実施の形態では、表面
粗さRaが小さく平滑化された金属酸化物を主成分とす
るセラミック素体1を、Znの酸化還元電位よりも電気
化学的に卑な電位を有する両性金属の金属イオン、例え
ばAl3+、Si4+を添加したZn溶液で前処理して
いるので、Zn皮膜2がセラミック素体1上に強固に固
着し、密着性の良好な高周波モジュール等の電子部品を
得ることが可能となる。
【0054】図2(a)〜(d)は、本発明に係る第2
の実施の形態を示す製造工程図であって、本第2の実施
の形態では、セラミック素体1の表面に金属酸化物皮膜
4が形成された場合を示している。
【0055】すなわち、上記第1の実施の形態と同様の
作製方法で、図2(a)に示すように、セラミック素体
1を作製し、次いで、図2(b)に示すように、セラミ
ック素体1の表面にZnよりも電気化学的に卑な電位を
有する金属を含有した金属酸化物皮膜4を形成する。
【0056】具体的には、AlやSi等の金属元素を含
有した有機化合物をセラミック素体1の表面に塗布して
熱処理し、これにより、これら金属元素を含有した金属
酸化物皮膜4をセラミック素体1の表面に形成する。
【0057】そしてこの後、上記第1の実施の形態と同
様のZn溶液を使用し、セラミック素体1をZn溶液中
に浸漬させると、金属酸化物皮膜4に含有されている金
属とZn溶液中のZnとの間で酸化還元反応が生じ、金
属イオンとなって溶解する一方、Zn溶液中のZn2+
には十分な電子が供給されて金属酸化物との置換が促進
され、図2(c)に示すように、セラミック素体1の表
面にZn皮膜2が形成される。そしてこの後、上記第1
の実施の形態と同様、無電解めっきを施すことにより、
図2(d)に示すように、Zn皮膜2上に所望金属から
なるめっき皮膜3が形成される。
【0058】このように本第2の実施の形態では、セラ
ミック素体1上に形成した金属酸化物皮膜4をZn処理
してZnを置換析出させているので、第1の実施の形態
と同様、Zn皮膜2がセラミック素体1上に強固に固着
し、その後無電解めっきを施してめっき皮膜3を形成す
ることにより、セラミックス素体1とめっき皮膜3との
密着性が良好な高周波モジュール等の電子部品を得るこ
とが可能となる。
【0059】図3(a)〜(d)は、本発明に係る第3
の実施の形態を示す製造工程図であって、本第3の実施
の形態では、セラミック素体1上に電極5及び金属酸化
物皮膜4が形成された場合を示している。
【0060】すなわち、上記第1の実施の形態と同様の
作製方法で、図3(a)に示すように、セラミック素体
1を作製し、次いで、CuやAg等の導電性材料を含有
した導電性ペーストを塗布、焼成し、図3(b)に示す
ように、セラミック素体1の表面に電極5を形成する。
次いで、図3(c)に示すように、電極5の表面にZn
よりも電気化学的に卑な電位を有する金属を含有した金
属酸化物皮膜4を形成する。尚、この金属酸化物皮膜4
の作製方法は、第2の実施の形態と同様である。
【0061】そしてこの後、上記第1の実施の形態と同
様、Zn溶液を使用し、セラミック素体1をZn溶液中
に浸漬させると、金属酸化物皮膜4に含有されている金
属とZn溶液中のZnとの間で酸化還元反応が生じ、金
属イオンとなって溶解する一方、Zn溶液中のZn2+
には十分な電子が供給されて金属酸化物との置換が促進
され、図3(d)に示すように、電極5の表面にZn皮
膜2が形成される。そしてこの後、上記第1の実施の形
態と同様の無電解めっきを施すことにより、図3(e)
に示すように、Zn皮膜2上に所望金属からなるめっき
皮膜3が形成される。
【0062】このように本第3の実施の形態では、電極
5上に形成した金属酸化物皮膜4をZn溶液で処理して
Znを置換析出させているので、第1及び第2の実施の
形態と同様、Zn皮膜2が電極5上に強固に固着し、そ
の後無電解めっきを施してめっき皮膜3を形成すること
により、電極5とめっき皮膜3との密着性が良好な高周
波モジュール等の電子部品を得ることが可能となる。
【0063】図4は上記製造方法により製造された電子
部品の一実施の形態としての誘電体空洞共振器の斜視図
であって、直方体形状に形成された誘電体ブロック6の
一方の両側面には一対の入出力電極7a、7bが形成さ
れると共に、該入出力電極7a、7bを除く略全面には
外導体8が形成されている。また、誘電体ブロック6の
他方の側面には共振孔9a〜9cが貫設され、各共振孔
9a〜9cの内部には内導体10a〜10cが形成され
ている。そして、各共振孔9a〜9cの一方の開口端1
1a〜11cは非導体形成部とされて外導体8と電気的
に非接続とされ、また各共振孔9a〜9cの他方の開口
端12a〜12cは外導体8と電気的に接続されてい
る。
【0064】そして、外導体8、及び内導体9a〜9c
は、上記第1の実施の形態の方法により、金属酸化物か
らなる誘電体ブロック6の外表面又は内表面に形成さ
れ、また、入出力電極7a、7bは、上記第3の実施の
形態の方法により、下地電極のの表面にめっき皮膜が形
成されている。
【0065】そして、上述した製造方法を使用して本誘
電体空洞共振器を製造することにより、誘電体ブロック
6の表面粗さRaを0.2μm〜0.4μmに平滑化し
た場合であっても、下地材に対して密着性の良好な内導
体10a〜10c、外導体8、入出力電極7a、7bを
形成することができ、これにより、密着性が良好で導体
損失の少ない共振特性に優れた高周波誘電体部品を得る
ことができる。
【0066】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものでないのはいうまでもない。
【0067】
【実施例】次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0068】〔第1の実施例〕 〔実施例1〕本発明者は、BaCO、SiO、Al
を主成分とする金属酸化物を含有したセラミック
素体としての高周波モジュール用基板(縦120mm、
横120mm、厚み2mm)を用意した。
【0069】次いで、ZnSO:30kg/m及び
NaOH:300kg/mにAl (SO
1.5kg/mを添加したZn溶液を作製し、前記高
周波モジュール用基板を前記Zn溶液に温度20℃で1
5分間浸漬し、水洗後、さらに5分間浸漬し、高周波モ
ジュール用基板の表面にZn皮膜を形成した。
【0070】次いで、還元剤としてのジメチルアミンボ
ランをCuめっき液(奥野製薬社製「カッパーLP」)
に添加し、水素イオン指数pHを8.7に調製しためっ
き液を作製した。そして、前記高周波モジュール基板を
前記めっき液に温度55℃で30分間浸漬させ、Cuが
めっき析出するか否かを確認した。
【0071】〔実施例2〕実施例1と同様の高周波モジ
ュール用基板を用意すると共に、ZnSO:30kg
/m及びNaOH:300kg/mにNaSi
:1.5kg/m を添加したZn溶液を作製し
た。そして、前記高周波モジュール用基板を前記Zn溶
液に温度20℃で15分間浸漬し、水洗後、さらに5分
間浸漬し、高周波モジュール用基板の表面にZn皮膜を
形成した。
【0072】次いで、実施例1と同様に調整しためっき
液を使用し、Cuがめっき析出するか否かを確認した。
【0073】〔比較例1〕実施例1と同様の高周波モジ
ュール用基板を用意すると共に、ZnSO:30kg
/m及びNaOH:300kg/mを含有したZn
溶液を作製した。そして、前記高周波モジュール用基板
を前記Zn溶液に温度20℃で15分間浸漬し、水洗
後、さらに5分間浸漬した。
【0074】次いで、実施例1と同様に調整しためっき
液を使用し、Cuがめっき析出するか否かを確認した。
【0075】そして、比較例1では、Zn溶液がZnS
とNaOHとの混合物であり、本発明の金属イオン
が添加されていないので、高周波モジュール用基板の表
面に所望のZn皮膜を形成することができず、このため
Cuをめっき析出させることができないことが確認され
た。
【0076】これに対して実施例1及び実施例2では、
Znの酸化還元電位よりも電気化学的に卑な電位を有す
る両性金属イオンとしてAl3+又はSi4+がZn溶
液に添加されているので、高周波モジュール用基板の表
面に所望の密着性の良好なZn皮膜を形成することがで
き、これによりZn皮膜上にはCuを析出させることが
できることが確認された。
【0077】〔第2の実施例〕 〔実施例11〕本発明者は、BaCO、TiO、C
aCOを主成分とする金属酸化物を含有したセラミッ
ク素体としての誘電体ブロック(縦7mm、横3mm、
厚み3mm)について、表面粗さが0.24μm、0.
42μm、0.64μm、0.98μmの4種類を夫々
用意した。
【0078】次いで、誘電体ブロックの表面に有機アル
ミニウム化合物溶液を塗布し、熱分解させ、アルミニウ
ム酸化物を主成分とする金属酸化物皮膜を作製した。
【0079】次に、実施例1で作製したZn溶液を使用
し、上記誘電体ブロックを斯かるZn溶液に20℃で3
分間浸漬し、水洗後、さらに3分間浸漬させた。
【0080】次いで、還元剤としてのジメチルアミンボ
ランをCuめっき液(奥野製薬社製「カッパーLP」)
に添加し、水素イオン指数pHを8.7に調製しためっ
き液を作製した。次いで、前記誘電体ブロックを前記め
っき液に温度55℃で30分間浸漬させ、膜厚0.2μ
mのCu皮膜を形成した。さらに還元剤としてのホルム
アルデヒドを前記Cuめっき液に添加し、水素イオン指
数pHを12.5に調製しためっき液を作製した。そし
て、前記誘電体ブロックを前記めっき液に温度60℃で
50分間浸漬させ、膜厚3.3μmのCu皮膜を形成
し、これにより総計3.5μmのCu皮膜を形成した。
【0081】尚、本実施例11は、第1回目のめっき処
理では0.2μm程度の薄膜のCu皮膜しか形成できな
かったため、第2回目ではより強力な還元剤を使用して
無電解めっきを行なった。
【0082】〔比較例11〕上記誘電体ブロックに対
し、周知のセンシタイザー・アクチベータ法により表面
を活性化させた後、無電解めっきを行なってCu皮膜を
形成した。
【0083】すなわち、誘電体ブロックをSnCl
液に浸漬させてSnを誘電体ブロックに吸着させ、この
後該誘電体ブロックをPdCl溶液に浸漬してSnを
Pdと置換させて表面を触媒活性化させ、その後、上記
実施例11と同様のめっき液を使用し、これによりPd
を核としためっき反応を進行させ、膜厚3.5μmのC
u皮膜を誘電体ブロックの表面に形成した。
【0084】次に、本発明者は、実施例11及び比較例
11の試験片について、Cu皮膜を2mm□に切り出
し、該Cu皮膜にリード線をはんだ付けして引っ張り、
Cu皮膜が剥離したときの密着強度を測定した。
【0085】図5は表面粗さRaと密着強度Pとの関係
を示す共振特性であって、横軸が表面粗さRa(μ
m)、縦軸が密着強度P(N/2mm□)である。ま
た、図中、実線が実施例11、破線が比較例11であ
る。
【0086】この図5から明らかなように、比較例11
では、Zn処理を行なっていないため誘電体ブロックと
めっき皮膜との間の密着性が悪く、表面粗さRaが0.
24μmでは密着強度が10N/2mm□近くまで低下
している。
【0087】これにに対し、実施例11はZn処理を行
なっているため表面粗さRaが0.24μmの場合であ
っても誘電体ブロックとめっき皮膜との間の密着密度は
40N/2mm□以上であり、密着性が良好であること
が確認された。
【0088】また、本発明者は、実施例11及び比較例
11の試験片について、インピーダンスアナライザ(Y
HP社製4194A)を使用して機械的品質係数Qmを
実測し、機械的品質係数Qmの理論値との比(対理論値
Q)を算出した。
【0089】図6は表面粗さRaと対理論値Qとの関係
を示す共振特性であって、横軸が表面粗さRa(μ
m)、縦軸が対理論値Q(%)である。また、図中、実
線が実施例11、破線が比較例11である。
【0090】この図6から明らかなように、比較例11
では、Zn処理を行なっておらず、誘電体ブロックとめ
っき皮膜との間の密着性が悪いため、特に表面粗さRa
が小さく表面凹凸の小さい領域で共振特性が低下してい
る。
【0091】これに対し、実施例11はZn処理を行な
っているため誘電体ブロックとめっき皮膜との間の密着
性が良好であり、表面粗さRaを小さくして表面の平滑
性を上げた場合であっても共振特性が低下するのを極力
抑制することのできることが確認された。
【0092】〔第3の実施例〕 〔実施例21〕本発明者は、上記第2の実施例で使用し
たのと同様の誘電体ブロックについて、表面粗さが0.
16μm、0.35μm、0.45μm、0.61μm
の4種類を夫々用意した。
【0093】次いで、誘電体ブロックの表面に有機ケイ
素化合物溶液を塗布し、熱分解させ、ケイ素酸化物を主
成分とする金属酸化物皮膜を作製した。
【0094】次に、実施例2で作製したZn溶液を使用
し、上記誘電体ブロックを前記Zn溶液に20℃で3分
間浸漬し、水洗後、さらに3分間浸漬させた。
【0095】次いで、第2の実施例の実施例11と同様
の手法により還元剤の異なるCuめっき液を使用し、2
回の無電解めっきを行なって総計3.5μmのCu皮膜
を形成した。
【0096】〔比較例21〕上記誘電体ブロックに対
し、第2の実施例の比較例11と同様、周知のセンシタ
イザー・アクチベータ法により表面を活性化させた後、
無電解めっきを行ない、膜厚3.5μmのCu皮膜を誘
電体ブロックの表面に形成した。
【0097】そして、本発明者は、第2の実施例と同
様、実施例21及び比較例21について密着強度及び共
振特性を測定した。
【0098】図7は表面粗さRaと密着強度Pとの関係
を示す共振特性であって、横軸が表面粗さRa(μ
m)、縦軸が密着強度P(N/2mm□)である。ま
た、図中、実線が実施例21、破線が比較例21であ
る。
【0099】この図7から明らかなように、比較例21
では、Zn処理を行なっていないため誘電体ブロックと
めっき皮膜との間の密着性が悪く、表面粗さRaが0.
16μmでは密着強度が10N/2mm□以下まで低下
している。
【0100】これに対し、実施例21はZn処理を行な
っているため表面粗さRaが0.16μmの場合であっ
ても誘電体ブロックとめっき皮膜との間の密着密度は3
0N/2mm□程度あり、密着性が良好であることが確
認された。
【0101】図8は表面粗さRaと対理論値Qとの関係
を示す共振特性であって、横軸が表面粗さRa(μ
m)、縦軸が対理論値Q(%)である。また、図中、実
線が実施例21、破線が比較例21である。
【0102】この図8に示すように、比較例21では、
Zn処理を行なっておらず、誘電体ブロックとめっき皮
膜との間の密着性が悪いため、特に表面粗さRaが小さ
く表面凹凸の小さい領域で共振特性が低下している。
【0103】これに対し、実施例21はZn処理を行な
っているため誘電体ブロックとめっき皮膜との間の密着
性が良好であり、表面粗さRaを小さくして表面の平滑
性を上げた場合であっても共振特性が低下するのを極力
抑制することのできることが確認された。
【0104】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る電子部
品の製造方法は、金属酸化物の表面に導体膜が形成され
た電子部品を製造する電子部品の製造方法であって、Z
nの酸化還元電位よりも電気化学的に卑な電位を有する
両性金属の金属イオン(例えば、Al3+又はS
4+)を添加してZn溶液を調製し、該Zn溶液を使
用して前記金属酸化物の表面にZn皮膜を形成し、この
後、無電解めっき処理を施して前記導体膜を形成してい
るので、Znは表層面の金属酸化物と置換して該金属酸
化物上に容易に析出する。したがって金属酸化物の表面
粗さRaが小さく平滑な場合であってもZn皮膜は金属
酸化物上に強固に密着し、その結果、無電解めっきで形
成される導体膜の金属酸化物への密着性向上を図ること
ができる。
【0105】また、前記Zn溶液を使用した処理を複数
回行うことにより、1回のZn処理でZn膜の膜厚が均
一とならない場合は、複数回のZn処理で膜厚を均一化
することができる。
【0106】また、上記処理が終了した後は、Znが還
元剤の酸化反応に対し触媒活性を有していれば、Pd溶
液等で表面を触媒活性化する必要もなく、直接自己触媒
型の無電解めっきを行うことができる。
【0107】また、本発明の製造方法は、前記無電解め
っき処理が、Znの酸化還元電位よりも電気化学的に貴
な酸化還元電位を有する金属、具体的にはCu、Co、
Ni、Ni合金、Ag、Pd、Pt、又はAuから選択
された少なくとも1種以上の金属を含有しためっき浴を
使用して行うことにより、酸化還元反応によってZnは
上記金属と容易に置換され、また置換後は上記金属の有
する自己触媒機能によってめっき反応を進行させること
が可能となる。
【0108】また、本発明の製造方法は、前記金属酸化
物は、Znの酸化還元電位よりも電気化学的に卑な電位
を有する金属(例えばAl、Si)を含有させることに
より、Znを金属酸化物上に容易に析出させることがで
きる。
【0109】また、本発明に係る電子部品は、上記製造
方法により金属酸化物の表面に導体膜が形成されている
ので、下地である金属酸化物に対する導体膜の密着性が
良好な電子部品を得ることができる。
【0110】さらに、本発明の電子部品は、前記金属酸
化物の表面に電極が形成され、かつ該電極の表面に前記
導体膜が形成されることにより、金属酸化物の表面のみ
ならず金属材料である電極表面上にも密着性の良好なめ
っき皮膜を形成することができる。
【0111】また、本発明の電子部品は、高周波誘電体
部品であることを特徴とするのも好ましく、これにより
誘電体表面が平滑化され、導体損失の低減化された電子
部品を得ることが可能となる。
【0112】このように本発明によれば、平滑な金属酸
化物表面上に密着性の良好なめっき皮膜を形成すること
ができ、特に高周波共振器、高周波フィルタ等の高周波
誘電体部品では密着性等の機械的強度を確保すると共
に、導体損失の低減化を図ることができ、電気的特性の
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子部品としての高周波モジュー
ルの製造方法の一実施の形態(第1の実施の形態)を示
す製造工程図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す製造工程図で
ある。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す製造工程図で
ある。
【図4】本発明の製造方法により製造された電子部品と
しての誘電体空洞共振器の一実施の形態を示す斜視図で
ある。
【図5】本発明の一実施例における共振特性を比較例と
共に示した図である
【図6】本発明の一実施例における密着性評価を比較例
と共に示した図である
【図7】本発明の他の実施例における共振特性を比較例
と共に示した図である
【図8】本発明の他の実施例における密着性評価を比較
例と共に示した図である
【符号の説明】 1 セラミック素体(金属酸化物) 2 Zn皮膜 3 めっき皮膜(導体膜) 4 金属酸化物(アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物) 5 電極 6 誘電体ブロック(金属酸化物) 7a、7b 入出力電極(電極) 8 外導体(導体膜) 9a〜9c 内導体(導体膜)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物の表面に導体膜が形成された
    電子部品を製造する電子部品の製造方法であって、 亜鉛の酸化還元電位よりも電気化学的に卑な電位を有す
    る両性金属の金属イオンを添加して亜鉛溶液を調製し、
    該亜鉛溶液を使用して前記金属酸化物の表面に亜鉛皮膜
    を形成し、この後、無電解めっき処理を施して前記導体
    膜を形成することを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属イオンは、アルミニウムイオン
    又はケイ素イオンの中から選択された少なくとも1種を
    含むことを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記亜鉛溶液を使用した処理は、複数回
    行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子
    部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記無電解めっき処理は、亜鉛の酸化還
    元電位よりも電気化学的に貴な酸化還元電位を有する金
    属を含有しためっき液を使用して行なうことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記めっき液は、銅、コバルト、ニッケ
    ル、ニッケル合金、銀、パラジウム、白金、又は金の中
    から選択された少なくとも1種以上の金属を含有してい
    ることを特徴とする請求項4記載の電子部品の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記金属酸化物は、亜鉛の酸化還元電位
    よりも電気化学的に卑な電位を有する金属を含有してい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに
    記載の電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記金属酸化物が、アルミニウム酸化物
    又はケイ素酸化物のうちの少なくとも1種を含有してい
    ることを特徴とする請求項6記載の電子部品の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の製造方法により金属酸化物の表面に導体膜が形成され
    ていることを特徴とする電子部品。
  9. 【請求項9】 前記金属酸化物の表面に電極が形成さ
    れ、かつ該電極の表面に前記導体膜が形成されているこ
    とを特徴とする請求項8記載の電子部品。
  10. 【請求項10】 高周波誘電体部品であることを特徴と
    する請求項8又は請求項9記載の電子部品。
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