JP2003231880A - 酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体とその製造方法及び放射線像変換パネル - Google Patents

酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体とその製造方法及び放射線像変換パネル

Info

Publication number
JP2003231880A
JP2003231880A JP2002033863A JP2002033863A JP2003231880A JP 2003231880 A JP2003231880 A JP 2003231880A JP 2002033863 A JP2002033863 A JP 2002033863A JP 2002033863 A JP2002033863 A JP 2002033863A JP 2003231880 A JP2003231880 A JP 2003231880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkaline earth
phosphor
rare earth
oxygen
earth metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002033863A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Wakamatsu
秀明 若松
Hiroyuki Nabeta
博之 鍋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2002033863A priority Critical patent/JP2003231880A/ja
Publication of JP2003231880A publication Critical patent/JP2003231880A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物輝尽性蛍光体を安定して得ること、及びそれ
を用いた放射線像変換パネルを提供する。 【解決手段】 予め反応母液に還元剤溶液を添加して製
造することを特徴とする、下記一般式(1)で表わされ
る酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化
物輝尽性蛍光体の製造方法。 一般式(1) Ba1-x(M2xFBry1-y:aM1
bLn,cO 〔式中、M1:Li,Na,K,Rb,Cs、M2:B
e,Mg,Sr及びCa、Ln:Ce,Pr,Sm,E
u,Gd,Tb,Tm,Dy,Ho,Nd,Er及びY
b、0≦x≦0.3,0<y≦0.3,0≦a≦0.0
5,0<b≦0.2,0<c≦0.1を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸素導入希土類賦活
アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体、その
輝尽性蛍光体の製造方法、及びその輝尽性蛍光体を用い
た放射線像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる有効な診断
手段として、特開昭55−12145号などに記載の輝
尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方法が知られてい
る。
【0003】この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射
線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートとも呼ばれる。)
を利用するもので、被写体を透過した、あるいは被検体
から発せられた放射線を輝尽性蛍光体に吸収させ、可視
光線、紫外線などの電磁波(励起光と言う。)で時系列
的に輝尽性蛍光体を励起して、蓄積されている放射線エ
ネルギーを蛍光(輝尽発光光という。)として放射さ
せ、この蛍光を光電的に読みとって電気信号に変換し、
得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体の放
射線画像を可視画像として再生するものである。読み取
り後の変換パネルは、残存画像の消去が行なわれ、次の
撮影に供される。
【0004】この方法によれば、放射線写真フィルムと
増感紙とを組み合わせて用いる放射線写真法に比して、
はるかに少ない被爆線量で情報量の豊富な放射線画像が
得られる利点がある。又、放射線写真法では撮影毎にフ
ィルムを消費するのに対して、放射線像変換パネルは繰
り返し使用されるので、資源保護や経済効率の面からも
有利である。
【0005】放射線像変換パネルは、支持体とその表面
に設けられた輝尽性蛍光体層、又は自己支持性の輝尽性
蛍光体層のみからなり、輝尽性蛍光体層は通常輝尽性蛍
光体とこれを分散支持する結合材からなるものと、蒸着
法や焼結法によって形成される輝尽性蛍光体の凝集体の
みから構成されるものがある。又、該凝集体の間隙に高
分子物質が含浸されているものも知られている。更に、
輝尽性蛍光体層の支持体側とは反対側の表面には通常、
ポリマーフィルムや無機物の蒸着膜からなる保護膜が設
けられる。
【0006】輝尽性蛍光体としては、通常400〜90
0nmの範囲にある励起光によって波長300〜500
nmの範囲にある輝尽発光を示すものが一般的に利用さ
れ、特開昭55−12145号、同55−160078
号、同56−74175号、同56−116777号、
同57−23673号、同57−23675号、同58
−206678号、同59−27289号、同59−2
7980号、同59−56479号、同59−5648
0号等に記載の希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物蛍光体;特開昭59−75200号、同60
−84381号、同60−106752号、同60−1
66379号、同60−221483号、同60−22
8592号、同60−228593号、同61−236
79号、同61−120882号、同61−12088
3号、同61−120885号、同61−235486
号、同61−235487号等に記載の2価のユーロピ
ウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体;特
開昭55−12144号に記載の希土類元素賦活オキシ
ハライド蛍光体;特開昭58−69281号に記載のセ
リウム賦活3価金属オキシハライド蛍光体;特開昭60
−70484号に記載のビスマス賦活アルカリ金属ハロ
ゲン化物蛍光体;特開昭60−141783号、同60
−157100号に記載の2価のユーロピウム賦活アル
カリ土類金属ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−1570
99号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金
属ハロほう酸塩蛍光体;特開昭60−217354号に
記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属水素化
ハロゲン化物蛍光体;特開昭61−21173号、同2
1182号に記載のセリウム賦活希土類複合ハロゲン化
物蛍光体;特開昭61−40390号に記載のセリウム
賦活希土類ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−78151
号に記載の2価のユーロピウム賦活ハロゲン化セリウム
・ルビジウム蛍光体;特開昭60−78151号に記載
の2価のユーロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体、等
が挙げられ、中でも、沃素を含有する2価のユーロピウ
ム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体、沃素
を含有する希土類元素賦活オキシハロゲン化物蛍光体及
び沃素を含有するビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化
物蛍光体系蛍光体等の輝尽性蛍光体が知られているが、
依然、高輝度の輝尽性蛍光体が求められている。また、
輝尽性蛍光体を利用する放射線像変換方法の利用が進む
につれて、得られる放射線像の画質の向上、たとえば、
鮮鋭度の向上や粒状性の向上が更に求められるようにな
ってきた。先に記した、輝尽性蛍光体の製造方法は、固
相法、あるいは焼結法と呼ばれる方法であり、焼成後の
粉砕が必須であり、感度、画像性能に影響する粒子形状
の制御が困難であるという問題を有する。放射線画像の
画質の向上の手段の中で、輝尽性蛍光体の微粒子化と微
粒子化された輝尽性蛍光体の粒径を揃えること、即ち、
粒径分布を狭くすることは有効である。
【0007】特開平9−291278、特開平7−23
3369等で開示されている液相からの輝尽性蛍光体の
製造法は、蛍光体原料溶液の濃度を調整して微粒子状の
輝尽性蛍光体前駆体を得る方法であり、粒径分布の揃っ
た輝尽性蛍光体粉末の製造法として有効である。この方
法で得られる輝尽性蛍光体前駆体は、高温での焼成によ
り初めて輝尽発光性を獲得し、前駆体から輝尽性蛍光体
が製造されるが、従来知られていた焼成方法で発現する
輝尽発光強度は十分なものでは無かった。低い輝尽発光
強度は、輝尽性蛍光体から放射線像変換パネルを製造し
たときに放射線像変換パネルが低感度となってしまうた
め、同じ画質の放射線像を得るための放射線量がより多
く必要となる点で不利となる。
【0008】放射線被爆量の低減という観点から希土類
賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体の
うち沃素含有量が高いものが好ましいことが知られてい
る。これは臭素に対して沃素がX線吸収率が高いためで
ある。
【0009】上記のように液相で製造されるアルカリ土
類金属弗化沃化物輝尽性蛍光体は輝度、粒状性の点で有
利であるが、液相にて前駆体結晶を得る場合、以下のよ
うな問題を持っている。
【0010】液相でアルカリ土類金属弗化沃化物粒子を
作製する場合、反応時、及び保管時にヨウ素成分の分解
が起こり、脱離ヨウ素が粒子表面へ吸着し不安定な表面
状態となり、それが蛍光体特性に影響を与える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、酸素
導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽
性蛍光体を安定して得ることであり、それらを用いた高
感度高画質高耐久性の放射線像変換パネルを提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の本発
明の構成により達成された。
【0013】1.前記一般式(1)で表わされる酸素導
入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性
蛍光体の製造方法であり、予め反応母液に還元剤溶液を
添加して製造することを特徴とする酸素導入希土類賦活
アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体の製造
方法。
【0014】2.予め反応母液中に存在する還元剤の濃
度が1ppm以上1000ppm以下であることを特徴
とする前記1に記載の酸素導入希土類賦活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体の製造方法。
【0015】3.前記1又は2に記載の製造方法によっ
て得られた酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物輝尽性蛍光体。
【0016】4.前記3に記載の酸素導入希土類賦活ア
ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体を蛍光体
層に含むことを特徴とする放射線像変換パネル。
【0017】本発明者らは上記課題を鑑みて鋭意検討を
行った結果、前駆体作製時より還元剤を添加することに
より晶析段階からのヨウ素脱離を防ぐことにより高輝度
と高画質特性を維持した状態で生産安定性と高い耐久性
を有することを見出し、本発明に至った次第である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の液相法による希土類賦活
アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体の製造
方法の代表的な態様を以下に詳しく説明する。
【0019】液相法による輝尽性蛍光体前駆体製造につ
いては、特開平10−140148号に記載された前駆
体製造方法、特開平10−14777号に記載された前
駆体製造装置が好ましく利用できる。ここで輝尽性蛍光
体前駆体とは、一般式(1)の物質が600℃以上の高
温を経ていない状態を示し、輝尽性蛍光体前駆体は、輝
尽発光性や瞬時発光性をほとんど示さない。
【0020】(製造法1)最初に、水系媒体中を用いて
弗素化合物以外の原料化合物を溶解させる。すなわち、
BaI2とLnのハロゲン化物、そして必要により更に
2のハロゲン化物、そして更にM1のハロゲン化物を水
系媒体中に入れ充分に混合し、溶解させて、それらが溶
解した水溶液を調製する。ただし、BaI2濃度が2m
ol/L以上、好ましくは3.5mol/L以上、さら
に好ましくは4.0mol/L以上となるように、Ba
2濃度と水系溶媒との量比を調整しておく。さらに、
ヨウ素保恒剤としてBaI2に対して1ppm以上10
00ppm以下の濃度となるように還元剤を添加する。
還元剤としては、次亜リン酸、次亜リン酸塩、亜リン
酸、亜リン酸塩、ヒドラジン、ヒドラジウム誘導体等が
好ましいが、ヨウ素保恒作用があればその限りではな
い。また、このとき、所望により、少量の酸、アンモニ
ア、アルコール、水溶性高分子ポリマー、水不溶性金属
酸化物微粒子粉体などを添加してもよい。この水溶液
(反応母液)は50℃以上、好ましくは80℃以上の温
度に維持される。
【0021】次に、撹拌されている水溶液に、無機弗化
物(弗化アンモニウム、アルカリ金属の弗化物など)の
水溶液をポンプ付きのパイプなどを用いて注入する。こ
の注入は、撹拌が特に激しく実施されている領域部分に
行なうのが好ましい。この無機弗化物水溶液の反応母液
への注入によって、前記の一般式(1)に該当する希土
類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体
前駆体結晶が沈澱する。
【0022】本発明の前記一般式(1)で表される酸素
導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽
性蛍光体は、前記のように、ハロゲン化アンモニウム
(NH 4BrまたはNH4ClまたはNH4I)とLnの
ハロゲン化物とを含み、そして前記一般式(1)のxが
0でない場合には更にM2のハロゲン化物を、そしてy
が0でない場合には更にM1のハロゲン化物を含み、そ
れらが溶解した後のハロゲン化アンモニウム濃度が3m
ol/L以上の水溶液を調製する工程;この水溶液を5
0℃以上、好ましくは80℃以上の温度に維持しなが
ら、これに無機弗化物の水溶液とBaI2の水溶液とを
前者の弗素と後者のBaとの比率を一定に維持しながら
連続的もしくは間欠的に添加して希土類賦活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体前駆体結晶の沈澱
物を得る工程;この前駆体結晶沈澱物を水溶液から分離
する工程;そして分離した前駆体結晶沈澱物を焼結を避
けながら焼成する工程からなる製造法(製造法2)を利
用しても製造することができる。
【0023】次に、この製造法を詳しく説明する。 (製造法2)まず、水系媒体中を用いてBaI2と弗素
化合物とを除く原料化合物、そしてハロゲン化アンモニ
ウム(NH4BrまたはNH4ClまたはNH4I)を溶
解させる。すなわち、ハロゲン化アンモニウムとLnの
ハロゲン化物、そして必要により更にM2のハロゲン化
物、そして更にM1のハロゲン化物を水系媒体中に入れ
充分に混合し、溶解させて、それらが溶解した水溶液を
調製する。ただし、ハロゲン化アンモニウムの濃度が3
mol/L以上の範囲に入るように、ハロゲン化アンモ
ニウムと水との量比を調整しておく。さらに、ヨウ素保
恒剤としてBaI 2に対して1ppm以上1000pp
m以下の濃度となるように還元剤を添加する。このと
き、所望により、少量の酸、アンモニウム、アルコー
ル、水溶性高分子ポリマー、水不溶性の金属酸化物微粒
子粉体などを添加してもよい。この水溶液(反応母液)
は50℃以上、好ましくは80℃以上の温度に維持され
る。次に、撹拌されている水溶液に、無機弗化物(弗化
アンモニウム、アルカリ金属の弗化物など)の水溶液と
BaI2の水溶液とを同時に、無機弗化物の弗素と後者
のBaI2との比率を一定に維持するように調節しなが
ら連続的もしくは間欠的に、ポンプ付きのパイプなどを
用いて注入する。この注入は、撹拌が特に激しく実施さ
れている領域部分に行なうのが好ましい。このように、
蛍光体結晶生成中にBaイオンが過剰にならないように
配慮して反応を進行させることによって、前記一般式
(1)に該当する酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体前駆体結晶が沈澱する。
【0024】上記の2製法により輝尽性前駆体結晶を得
ることができる。次に、上記の蛍光体前駆体結晶を、濾
過、遠心分離などによって溶液から分離し、メタノール
などによって充分に洗浄し、乾燥する。この乾燥蛍光体
前駆体結晶に、アルミナ微粉末、シリカ微粉末などの焼
結防止剤を添加、混合し、結晶表面に焼結防止剤微粉末
を均一に付着させる。なお、焼成条件を選ぶことによっ
て焼結防止剤の添加を省略することも可能である。次
に、蛍光体前駆体の結晶を、石英ポート、アルミナルツ
ボ、石英ルツボなどの耐熱性容器に充填し、電気炉の炉
心に入れて焼結を避けながら焼成を行なう。焼成温度は
400〜1300℃の範囲が適当であって、500〜1
000℃の範囲が好ましい。焼成時間は蛍光体原料混合
物の充填量、焼成温度および炉からの取出し温度などに
よっても異なるが、一般には0.5〜12時間が適当で
ある。
【0025】焼成雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、ア
ルゴンガス雰囲気等の中性雰囲気、あるいは少量の水素
ガスを含有する窒素ガス雰囲気、一酸化炭素を含有する
二酸化炭素雰囲気などの弱還元性雰囲気が利用される。
本発明においては弱還元性雰囲気下での焼成が好まし
い。
【0026】また、焼成時、焼成炉内を微量酸素導入雰
囲気とすることで、輝尽性蛍光体中の酸素量を制御する
ことが可能である。特開2000−8034に記載のあ
る方法により焼成を行うことも可能である。
【0027】尚、本発明に係る粒子(結晶)は平均粒径
が1〜10μmで、かつ単分散性のものが好ましく、平
均粒径が1〜5μm、平均粒径の分布(%)が20%以
下のものがより好ましく、特に平均粒径が1〜3μm、
平均粒径の分布が15%以下のものが好ましい。本発明
における平均粒径とは、粒子(結晶)の電子顕微鏡写真
より無作為に粒子200個を選び、球換算の体積粒子径
で平均を求めたものである。
【0028】本発明の放射線像変換パネルにおいて用い
られる支持体としては各種高分子材料、ガラス、金属等
が用いられる。特に情報記録材料としての取り扱い上可
撓性のあるシートあるいはウェブに加工できるものが好
適であり、この点からいえばセルロースアセテートフィ
ルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィル
ム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィル
ム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、鉄、銅、
クロム等の金属シートあるいは該金属酸化物の被覆層を
有する金属シートが好ましい。
【0029】また、これら支持体の層厚は用いる支持体
の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜10
00μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましく
は80μm〜500μmである。
【0030】これらの支持体の表面は滑面であってもよ
いし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマ
ット面としてもよい。さらに、これら支持体は、輝尽性
蛍光体層との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層
が設けられる面に下引層を設本発明に係る下引層では、
架橋剤により架橋できる高分子樹脂と架橋剤とを含有し
ていることが好ましい。
【0031】下引層で用いることのできる高分子樹脂と
しては、特に制限はないが、例えば、ポリウレタン、ポ
リエステル、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、
塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニ
ルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロース
等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム
系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル
系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。なかで
もポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合
体、ポリビニールブチラール、ニトロセルロース等を挙
げることができ、請求項2に係る発明では、下引層で用
いる高分子樹脂の平均ガラス転移点温度(Tg)が25
℃以上であることが特徴の1つであり、好ましくは25
〜200℃のTgを有する高分子樹脂を用いることであ
る。
【0032】本発明に係る下引層で用いることのできる
架橋剤としては、特に制限はなく、例えば、多官能イソ
シアネート及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、
アミノ樹脂及びその誘導体等を挙げることができるが、
架橋剤として多官能イソシアネート化合物を用いること
が好ましく、例えば、日本ポリウレタン社製のコロネー
トHX、コロネート3041等が挙げられる。
【0033】下引層は、例えば、以下に示す方法により
支持体上に形成することができる。まず、上記記載の高
分子樹脂と架橋剤を適当な溶剤、例えば後述の輝尽性蛍
光層塗布液の調製で用いる溶剤に添加し、これを充分に
混合して下引層塗布液を調製する。架橋剤の使用量は、
目的とする放射線像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体層
及び支持体に用いる材料の種類、下引層で用いる高分子
樹脂の種類等により異なるが、輝尽性蛍光体層の支持体
に対する接着強度の維持を考慮すれば、高分子樹脂に対
して、50質量%以下の比率で添加することが好まし
く、特には、15〜50質量%であることが好ましい。
【0034】下引層の膜厚は、目的とする放射線像変換
パネルの特性、輝尽性蛍光体層及び支持体に用いる材料
の種類、下引層で用いる高分子樹脂及び架橋剤の種類等
により異なるが、一般には3〜50μmであることが好
ましく、特には、5〜40μmであることが好ましい。
下引層では、架橋剤により架橋できる高分子樹脂と架橋
剤とを含有していることが好ましい。
【0035】下引層で用いることのできる高分子樹脂と
しては、特に制限はないが、例えば、ポリウレタン、ポ
リエステル、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、
塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニ
ルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロース
等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム
系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル
系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。なかで
もポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合
体、ポリビニールブチラール、ニトロセルロース等を挙
げることができ、下引層で用いる高分子樹脂の平均ガラ
ス転移点温度(Tg)が25℃以上であることが好まし
く、更に好ましくは25〜200℃のTgを有する高分
子樹脂を用いることである。
【0036】下引層で用いることのできる架橋剤として
は、特に制限はなく、例えば、多官能イソシアネート及
びその誘導体、メラミン及びその誘導体、アミノ樹脂及
びその誘導体等を挙げることができるが、架橋剤として
多官能イソシアネート化合物を用いることが好ましく、
例えば、日本ポリウレタン社製のコロネートHX、コロ
ネート3041等が挙げられる。
【0037】下引層は、例えば、以下に示す方法により
支持体上に形成することができる。まず、上記記載の高
分子樹脂と架橋剤を適当な溶剤、例えば後述の輝尽性蛍
光層塗布液の調製で用いる溶剤に添加し、これを充分に
混合して下引層塗布液を調製する。架橋剤の使用量は、
目的とする放射線像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体層
及び支持体に用いる材料の種類、下引層で用いる高分子
樹脂の種類等により異なるが、輝尽性蛍光体層の支持体
に対する接着強度の維持を考慮すれば、高分子樹脂に対
して、50質量%以下の比率で添加することが好まし
く、特には、15〜50質量%であることが好ましい。
【0038】下引層の膜厚は、目的とする放射線像変換
パネルの特性、輝尽性蛍光体層及び支持体に用いる材料
の種類、下引層で用いる高分子樹脂及び架橋剤の種類等
により異なるが、一般には3〜50μmであることが好
ましく、特には、5〜40μmであることが好ましい。
【0039】輝尽性蛍光体層に用いられる結合剤の例と
しては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサ
ッカライド、またはアラビアゴムのような天然高分子物
質;および、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、
ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン
・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリ
レート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレ
タン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルア
ルコール、線状ポリエステルなどのような合成高分子物
質などにより代表される結合剤を挙げることができる。
このような結合剤の中で特に好ましいものは、ニトロセ
ルロース、線状ポリエステル、ポリアルキル(メタ)ア
クリレート、ニトロセルロースと線状ポリエステルとの
混合物、ニトロセルロースとポリアルキル(メタ)アク
リレートとの混合物およびポリウレタンとポリビニルブ
チラールとの混合物である。なお、これらの結合剤は架
橋剤によって架橋されたものであってもよい。
【0040】輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方
法により下引層上に形成することができる。まず、ヨウ
素含有輝尽性蛍光体、上記黄変防止のための亜燐酸エス
テル等の化合物および結合剤を適当な溶剤に添加し、こ
れらを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体粒子および
該化合物の粒子が均一に分散した塗布液を調製する。
【0041】結着剤としては、例えばゼラチンの如き蛋
白質、デキストランの如きポリサッカライドまたはアラ
ビアゴム、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニ
トロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニルデン・
塩化ビニルコポリマー、ポリメチルメタクリレート、塩
化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セル
ロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール等
のような通常層構成に用いられる造膜性の結着剤が使用
される。一般に結着剤は輝尽性蛍光体1質量部に対して
0.01乃至1質量部の範囲で使用される。しかしなが
ら得られる放射線像変換パネルの感度と鮮鋭性の点では
結着剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの兼合い
から0.03乃至0.2質量部の範囲がより好ましい。
【0042】塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との
混合比(ただし、結合剤全部がエポキシ基含有化合物で
ある場合には該化合物と蛍光体との比率に等しい)は、
目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、
エポキシ基含有化合物の添加量などによって異なるが、
一般には結合塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノ
ール、エノタール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、n−ブタノールなどの低級アルコール;メチレンク
ロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化
水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステ
ル;ジオキサン、エチレングリコールエチルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテ
ル;トルエン;そして、それらの混合物を挙げることが
できる。
【0043】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍
光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後
の輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結
合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混
合されていてもよい。そのような目的に用いられる分散
剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン
酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。そし
て可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリク
レジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸
ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エス
テル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール
酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;
そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリ
エステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエ
ステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸
とのポリエステルなどを挙げることができる。
【0044】上記のようにして調製された塗布液を、次
に下引層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗
膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、例え
ば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどを用いることにより行なうことができる。
【0045】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱する
ことにより乾燥して、下引層上への輝尽性蛍光体層の形
成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放
射線像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤
と蛍光体との混合比などによって異なるが、10μm〜
1000μmの範囲から選ばれるのが好ましく、10μ
m〜500μmの範囲から選ばれるのがより好ましい。
【0046】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高
速インペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散
機などの分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布
液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥するこ
とにより輝尽性蛍光体層が形成される。前記塗布液を保
護層上に塗布し、乾燥した後に輝尽性蛍光体層と支持体
とを接着してもよい。
【0047】本発明の放射線像変換パネルの輝尽性蛍光
体層の膜厚は目的とする放射線像変換パネルの特性、輝
尽性蛍光体の種類、結着剤と輝尽性蛍光体との混合比等
によって異なるが、10μm〜1000μmの範囲から
選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの範囲か
ら選ばれるのがより好ましい。
【0048】以上、ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウ
ム等の輝尽性蛍光体の例について主に説明したが、ユー
ロピウム賦活弗化臭化バリウムその他の一般式(1)で
表される輝尽性蛍光体の製造についても、上記を参照す
ればよい。
【0049】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を例証する。
【0050】実施例1 (蛍光体前駆体、蛍光体の調製)ユーロピウム賦活弗化
ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前駆体を合成するため
に、BaI2水溶液(4mol/L)2500mlとE
uI3水溶液(0.2mol/L)26.5mlを反応
器に入れた。更に、水溶液中に次亜リン酸30%水溶液
を0.1ml添加した。この反応器中の反応母液を撹拌
しながら83℃で保温した。弗化アンモニウム水溶液
(8mol/L)322mlを反応母液中にローラーポ
ンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入終了後
も保温燒結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒
子サイズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微
粒子粉体を1質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して、
結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させ
た。これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて
水素ガス雰囲気中、850℃で2時間焼成してユーロピ
ウム賦活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子を得た。次に上
記蛍光体粒子を分級することにより平均粒径5μmの粒
子を得た。尚、輝尽性蛍光体の平均粒径は走査型電子顕
微鏡写真より計測した。
【0051】《放射線像変換パネルの作製》 〔下引層の形成〕以下に記載の下引層塗布液を、ドクタ
ーブレードを用いて、厚さ188μmの発泡ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(東レ社製 188E60
L)に塗布し、100℃で5分間乾燥させて、乾燥膜厚
30μmの下引層を塗設した。
【0052】(下引層塗布液)ポリエステル樹脂溶解品
(東洋紡社製 バイロン55SS、固形分35%)28
8.2gに、β−銅フタロシアニン分散品0.34g
(固形分35%、顔料分30%)及び硬化剤としてポリ
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製 コ
ロネートHX)11.22gを混ぜ、プロペラミキサー
で分散して下引層塗布液を調製した。
【0053】〔蛍光体層の形成〕 (蛍光体層塗布液の調製)上記調製したユーロピウム賦
活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子300gと、ポリエス
テル樹脂(東洋紡社製 バイロン530、固形分30
%、溶剤:メチルエチルケトン/トルエン=5/5)5
2.63gとを、メチルエチルケトン0.13g、トル
エン0.13g及びシクロヘキサノン41.84gの混
合溶剤に添加、プロペラミキサーによって分散して蛍光
体層塗布液を調製した。なお、蛍光体層塗布液中におけ
るシクロヘキサンの溶剤比率は、53質量%である。
【0054】(蛍光体層1の形成、蛍光体シート1の作
製)上記調製した蛍光体層塗布液を、ドクターブレード
を用いて、上記形成した下引層上に、膜厚が180μm
となるように塗布したのち、100℃で15分間乾燥さ
せて蛍光体層1を形成して、蛍光体シート1を作製し
た。
【0055】〔防湿性保護フィルムの作製〕上記作製し
た蛍光体シート1の蛍光体層塗設面側の保護フィルムと
して下記構成(A)のものを使用した。
【0056】構成(A) NY15///VMPET12///VMPET12/
//PET12///CPP20 NY:ナイロン PET:ポリエチレンテレフタレート CPP:キャステングポリプロピレン VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタラ
イジング社製) 各樹脂フィルムの後ろに記載の数字は、樹脂層の膜厚
(μm)を示す。
【0057】上記「///」は、ドライラミネーション
接着層で、該接着層の厚みが3.0μmであることを意
味する。使用したドライラミネーション用の接着剤は、
2液反応型のウレタン系接着剤を用いた。
【0058】また、蛍光体シート1の支持体裏面側の保
護フィルムは、CPP30μm//アルミフィルム9μ
m//ポリエチレンテレフタレート188μmの構成の
ドライラミネートフィルムとした。また、この場合の
「//」は接着剤層の厚みは1.5μmで2液反応型の
ウレタン系接着剤を使用した。
【0059】〔放射線像変換パネルの作製〕前記作製し
た蛍光体シート1を、各々一辺が20cmの正方形に断
裁した後、上記作製した防湿性保護フィルムを用いて、
減圧下で周縁部をインパルスシーラーを用いて融着、封
止して、放射線像変換パネルを作製した。尚、融着部か
ら蛍光体シート周縁部までの距離は1mmとなるように
融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒータ
ーは3mm幅のものを使用した。
【0060】実施例2 実施例1においてヒドラジン20%水溶液を0.2ml
添加したこと以外は実施例1と同様にして輝尽性蛍光体
粒子及び放射線像変換パネルを得た。
【0061】比較例1 実施例1において還元剤を添加しないこと以外は実施例
1と同様にして輝尽性蛍光体粒子及び放射線像変換パネ
ルを得た。
【0062】比較例2 実施例1において次亜リン酸30%水溶液を100ml
添加したこと以外は実施例1と同様にして輝尽性蛍光体
粒子及び放射線像変換パネルを得た。
【0063】比較例3 実施例1においてヒドラジン20%水溶液を150ml
添加したこと以外は実施例1と同様にして輝尽性蛍光体
粒子及び放射線像変換パネルを得た。
【0064】〈放射線像変換パネルの評価〉 (輝度評価)各放射線像変換パネルについて、管電圧8
0kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレー
ザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から
放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子
像倍管)で受光して、その強度を測定して、これを輝度
と定義し、比較例1の放射線像変換パネルの輝度を10
0とした、相対値で表示した。
【0065】(鮮鋭性の安定性評価)基準パネル及び強
制劣化処理パネルを作製し、以下に示す方法に従い、強
制劣化処理有無による鮮鋭性の安定性評価を行った。
【0066】鮮鋭性については、放射線像変換パネルに
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線
を照射した後、パネルHe−Neレーザー光で操作して
励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を上記と同じ
受光器で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/
デジタル変換して磁気テープに記録し、磁気テープをコ
ンピューターで分析して磁気テープに記録されているX
線像の1サイクル/mmにおける変調伝達関数(MT
F)を調べ、基準パネルのMTFに対する強制劣化処理
パネルのMTFの劣化率を算出し、鮮鋭性の劣化率とし
た。その劣化率を、下記の基準に則りランク付けを行っ
た。
【0067】 SS:鮮鋭度劣化率が3%未満 S:鮮鋭度劣化率が3〜5%未満 A:鮮鋭度劣化率が5〜10%未満 B:鮮鋭度劣化率が10%以上 上記ランクにおいて、S以上であれば、実用上問題ない
と判定した。結果を下記表1にまとめて示す。
【0068】
【表1】
【0069】本発明の試料は、輝度が高く、強制劣化処
理によるMTFの劣化率も小さく、優れた放射線像変換
パネルが得られることが分かる。
【0070】
【発明の効果】予め、反応母液に還元剤を添加してから
反応を行い、酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化
ハロゲン化物輝尽性蛍光体の前駆体沈殿物を得ることに
より、その後の焼成により安定した輝尽性蛍光体を得る
ことができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H001 CA08 CF02 XA04 XA09 XA12 XA20 XA35 XA38 XA53 XA56 YA03 YA08 YA11 YA19 YA37 YA55 YA58 YA59 YA60 YA62 YA63 YA64 YA65 YA66 YA67 YA68 YA69 YA70

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされる酸素導入
    希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍
    光体の製造方法であり、予め反応母液に還元剤溶液を添
    加して製造することを特徴とする酸素導入希土類賦活ア
    ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体の製造方
    法。 一般式(1) Ba1-x(M2xFBry1-y:aM1
    bLn,cO 〔式中、M1:Li,Na,K,Rb,Csからなる群
    より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属、 M2:Be,Mg,Sr及びCaからなる群より選ばれ
    る少なくとも一種のアルカリ土類金属、 Ln:Ce,Pr,Sm,Eu,Gd,Tb,Tm,D
    y,Ho,Nd,Er及びYbからなる群より選ばれる
    少なくとも一種の希土類元素、 x,y,a,b及びcは、それぞれ0≦x≦0.3,0
    <y≦0.3,0≦a≦0.05,0<b≦0.2,0
    <c≦0.1〕
  2. 【請求項2】 予め反応母液中に存在する還元剤の濃度
    が1ppm以上1000ppm以下であることを特徴と
    する請求項1に記載の酸素導入希土類賦活アルカリ土類
    金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法によっ
    て得られた酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハ
    ロゲン化物輝尽性蛍光体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の酸素導入希土類賦活ア
    ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体を蛍光体
    層に含むことを特徴とする放射線像変換パネル。
JP2002033863A 2002-02-12 2002-02-12 酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体とその製造方法及び放射線像変換パネル Pending JP2003231880A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002033863A JP2003231880A (ja) 2002-02-12 2002-02-12 酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体とその製造方法及び放射線像変換パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002033863A JP2003231880A (ja) 2002-02-12 2002-02-12 酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体とその製造方法及び放射線像変換パネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003231880A true JP2003231880A (ja) 2003-08-19

Family

ID=27776533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002033863A Pending JP2003231880A (ja) 2002-02-12 2002-02-12 酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体とその製造方法及び放射線像変換パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003231880A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4883005B2 (ja) 希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物輝尽性蛍光体及びそれを用いた放射線画像変換パネル
WO2007007829A1 (ja) ハロゲン化物系輝尽性蛍光体前駆体、ハロゲン化物系輝尽性蛍光体、放射線画像変換パネルおよびこれらの製造方法
JPWO2006054532A1 (ja) 希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体の製造方法
JP4051972B2 (ja) 酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体とその製造方法及び放射線像変換パネル
WO2006082715A1 (ja) 希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体の前駆体の製造方法、希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体及び放射線画像変換パネル
JP2003268364A (ja) 希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とその製造方法及び放射線像変換パネル
JP3783464B2 (ja) 輝尽性蛍光体の製造方法
JP4165029B2 (ja) 希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法
JP2003231880A (ja) 酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体とその製造方法及び放射線像変換パネル
JP3777700B2 (ja) 希土類付活バリウム弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及びそれを用いる放射線画像変換パネル
JP3820957B2 (ja) 酸素導入希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及び放射線画像変換パネル
JP3705021B2 (ja) 輝尽性蛍光体の製造方法及び放射線像変換パネル
JP3777701B2 (ja) 放射線画像変換パネル
JP3959984B2 (ja) 酸素導入希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とその製造方法及び放射線画像変換パネル
JP3846295B2 (ja) 酸素導入希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とその製造方法及び放射線画像変換パネル
JP2002277590A (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造方法
JP4228550B2 (ja) 希土類付活アルカリ土類金属弗化ヨウ化物系輝尽性蛍光体の製造方法
JP2005171078A (ja) 希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体の製造方法、希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体前駆体、希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体及び放射線像変換パネル
JP2006008977A (ja) 希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体、その製造方法及び放射線画像変換パネル
JP2005171077A (ja) 輝尽性蛍光体の製造方法、輝尽性蛍光体前駆体、輝尽性蛍光体及び放射線画像変換パネル
JP4207393B2 (ja) 希土類付活アルカリ土類金属弗化ヨウ化物系輝尽性蛍光体の製造方法、放射線画像変換パネル及び放射線画像撮影方法
JP3760692B2 (ja) 希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体粒子の形成方法及びそれを用いた放射線像変換パネル
JP2006083329A (ja) 希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とそれを用いた放射線像変換パネル
JP2004018601A (ja) 希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法、希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体、及び放射線像変換パネル
JP2005054044A (ja) 希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物輝尽性蛍光体とその製造方法及びそれを用いた放射線像変換パネル