JP2003231785A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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Abstract
ンスに優れた、更にシート加工時にシートの汚染が少な
い熱可塑性樹脂組成物を工業上極めて有利に提供するも
のである。 【解決手段】 スチレン系単量体単位及び(メタ)アク
リル酸エステル系単量体単位からなる共重合体とゴム状
物質を含有する熱可塑性樹脂であって、該共重合体の連
続相中にゴム状物質が粒子状の分散相を形成しており、
この粒子状の分散相が2種類の特定の粒子径を有し、ゴ
ム成分を特定量含有し、重量平均分子量(Mw)と、重
量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比が特定
された熱可塑性樹脂と、重量平均分子量(Mw)と、重
量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比が特定
されたメタクリル酸エステル系単量体単位とアクリル酸
エステル系単量体単位からなる共重合体にフェノール系
加工安定剤を含有してなる熱可塑性樹脂組成物がこの課
題にかなう
Description
に優れ、更にシート加工時にシート汚染が少ない熱可塑
性樹脂組成物に関するものである。
ム粒子にスチレン、メチルメタクリレート、アルキルア
クリレートをグラフトした共重合体と、メチルメタクリ
レートとスチレンの共重合体を混合することにより、耐
衝撃性と透明性に優れた熱可塑性樹脂が得られることが
知られている(特公昭63−47745号公報)。しか
しながら、これらの熱可塑性樹脂をレンズ等の光学用途
に用いようとした場合、衝撃強度と透明性の両者を同時
に満足させるものではなかった。更に、スチレン系単量
体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体の共重合体を
連続相とし、二峰性を有するゴム粒子を分散相としたゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物が知られている(特開平8
−269142号公報)。しかしながら、これらの樹脂
組成物をレンズ等の光学用途に用いようとした場合、衝
撃強度は十分だが、曇度が高く、透明性において必ずし
も満足させるものではなかった。また、これらの樹脂組
成物を押出し機にてシート加工すると、押出し機のシリ
ンダー内やダイス(吐出口)等に付着した樹脂が熱履歴
を受け、シートが変色したり、シート表面を汚染し商品
価値を低下させる問題があった。また、この問題を解消
するために、適宜シリンダー内やダイスの掃除を行うこ
とが必要となり、著しく生産性を低下させ、経済性に乏
しいという欠点を有していた。
強度、及び透明性のいずれもがバランス良く高く、更に
シート加工時にシートの汚染が少ないスチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体を含有する熱可塑性
樹脂組成物を提供しようとするものである。
解決すべく鋭意検討をした結果、スチレン系単量体単位
及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる
共重合体とゴム状物質を含有する熱可塑性樹脂であっ
て、該共重合体の連続相中にゴム状物質が粒子状の分散
相を形成しており、この粒子状の分散相が2種類の特定
の粒子径を有し、ゴム成分を特定量含有し、重量平均分
子量(Mw)と、重量平均分子量の数平均分子量(M
n)に対する比が特定された熱可塑性樹脂と、重量平均
分子量(Mw)と、重量平均分子量の数平均分子量(M
n)に対する比が特定されたメタクリル酸エステル系単
量体単位とアクリル酸エステル系単量体単位からなる共
重合体にフェノール系加工安定剤を含有してなる熱可塑
性樹脂組成物がこの課題にかなうことを見い出し、本発
明を完成するに至った。
単位20〜80質量%及び(メタ)アクリル酸エステル
系単量体単位80〜20質量%からなる共重合体(X)
とゴム状物質(Y)を含有してなる熱可塑性樹脂であっ
て、共重合体(X)は連続相を、ゴム状物質(Y)は粒
子状の分散相を形成しており、該粒子状の分散相[以
下、分散粒子という]は数平均粒子径が1.0〜2.0
μmである分散粒子(I)、及び数平均粒子径が0.1
〜0.5μmである分散粒子(II)からなり、分散粒
子(I)に含まれるゴム成分量が0.2〜3.5質量
%、分散粒子(II)に含まれるゴム成分量が4〜20
質量%であって、かつその熱可塑性樹脂の重量平均分子
量(Mw)が80,000〜250,000であり、か
つ重量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比
(Mw/Mn)が2.5以下である熱可塑性樹脂100
質量部に対して、メタクリル酸エステル系単量体単位3
0〜70質量%及びアクリル酸エステル系単量体単位7
0〜30質量%からなる共重合体であり、その共重合体
の重量平均分子量(Mw)が150,000〜300,
000であり、かつ重量平均分子量の数平均分子量(M
n)に対する比(Mw/Mn)が2〜3.5である共重
合体(Z)を0.05〜2質量部を含有してなる熱可塑
性樹脂組成物、(2)共重合体(Z)を構成するメタク
リル酸エステル系単量体がメチルメタクリレート及び/
又はn−ブチルメタクリレート、アクリル酸エステル系
単量体がn−ブチルアクリレートである(1)記載の熱
可塑性樹脂組成物、(3)(1)又は(2)記載の熱可
塑性樹脂組成物100質量部に対して、フェノール系加
工安定剤0.05〜2質量部を含有してなる熱可塑性樹
脂組成物、(4)フェノール系加工安定剤が、2−[1
−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニ
ル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアク
リレート及び/又は、オクタデシル−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
トである(3)記載の熱可塑性樹脂組成物である。
本発明の熱可塑性樹脂を構成する共重合体(X)は、ス
チレン系単量体単位20〜80質量%及び(メタ)アク
リル酸エステル系単量体単位80〜20質量%からな
る。各単量体単位の構成割合がこの範囲を外れると、透
明性が低下するので好ましくない。
は、メタクリル酸エステル系単量体単位70〜95質量
%及びアクリル酸エステル系単量体単位30〜5質量%
からなる。各単量体単位の構成割合がこの範囲を外れる
と、シート加工時にシートの変色やシート表面が汚染さ
れやすいので好ましくない。
可塑性樹脂100質量部に対して、0.05〜2質量部
である。0.05質量部未満では、シート加工時にシー
トの変色やシート表面が汚染されやく、2質量部を超え
ると透明性が低下するので好ましくない。
ては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられるが、好ま
しくはスチレンである。これらは、単独で使用するかあ
るいは2種類以上併用してもよい。
ステル系単量体としては、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−
ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
オクチルアクリレート等が挙げられる。これらは、単独
で使用するかあるいは2種類以上併用してもよい。特に
共重合体(X)に使用するのに好ましくは、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレ
ートまたはこれらの混合物である。また、特に共重合体
(Z)に使用するのに好ましくは、メタクリル酸エステ
ル系単量体としてメチルメタクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、またはこれらの混合物であり、アクリル
酸エステル系単量体としてn−ブチルアクリレートであ
る。
必要に応じてアクリロニトリル等のその他共重合性単量
体を用いることもできる。
リブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合
体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等を用いる
ことができる。連続相の共重合体と屈折率を一致させや
すいという意味において、スチレン−ブタジエンランダ
ム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を
好適に用いることができる。これらは、単独で使用する
かあるいは2種類以上併用しても良い。
分散粒子は、数平均粒子径が1.0〜2.0μmである
分散粒子(I)、及び数平均粒子径0.1〜0.5μm
である分散粒子(II)とからなる。
2.0μmである。好ましくは1.2〜1.8μmであ
る。1.0μm未満では、衝撃強度が低下し、2.0μ
mを越えると、透明性が低下するので好ましくない。
〜0.5μmである。好ましくは0.15〜0.45μ
mである。0.1μm未満では、衝撃強度が低下し、
0.5μmを越えると、透明性が低下するので好ましく
ない。
(I)に含有されるゴム成分量は、0.2〜3.5質量
%である。好ましくは0.3〜3質量%である。0.2
質量%未満では、衝撃強度が低下し、3.5質量%を越
えると、透明性が低下するので好ましくない。
(II)に含有されるゴム成分量は、4〜20質量%で
ある。好ましくは6〜18質量%である。4質量%未満
では衝撃強度が低下し、18質量%を越えると透明性が
低下するので好ましくない。
ターによる測定値である。ゴム成分量は、ハロゲン付加
法により測定したポリブタジエン量を示す。
(Mw)は80,000〜250,000であり、かつ
重量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比(M
w/Mn)が2.5以下であることが必要である。Mw
が80,000未満では衝撃強度が低下し、250,0
00を超えると安定したシート押出しができなくなるの
で好ましくない。また、Mw/Mnが2.5を越えると
衝撃強度が低下し、衝撃強度と透明性のバランスの良さ
が失われる。
(Mw)は150,000〜300,000であり、か
つ重量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比
(Mw/Mn)が2〜3.5であることが必要である。
これらの範囲外では、シート加工時にシートの変色やシ
ート表面が汚染されやすいので好ましくない。重量平均
分子量、数平均分子量ともゲルパーミエ−ションクロマ
トグラフィ(GPC)法により、ポリスチレン換算値と
して測定する。
剤としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3
−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、2−[1−(2−ヒドロキシ
−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,
6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる
が、特に、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−
t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペ
ンチルフェニルアクリレート、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネートが好適に用いることができる。これら
は、単独で使用するかあるいは2種類以上併用しても良
い。
剤の配合量は、該熱可塑性樹脂100質量部に対して
0.05〜2質量部である。好ましくは0.1〜1.5
質量部である。0.05質量部未満では、シート加工時
の更なるシート変色防止効果やシート表面汚染防止効果
が図れず、2質量部を越えると熱可塑性樹脂組成物の透
明性が低下するので好ましくない。
特に制限はないが、スチレン系単量体単位及び(メタ)
アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体で分
散粒子を含まないもの[以下、共重合体(A)と記
す]、スチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体単位からなる共重合体であって数平均粒
子径1.0〜2.0μmの分散粒子(I)を含むもの
[以下、共重合体(B)と記す]、スチレン系単量体単
位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からな
る共重合体であって数平均粒子径0.1〜0.5μmの
分散粒子(II)を含むもの[以下、共重合体(C)と
記す]、及びメタクリル酸エステル単量体単位とアクリ
ル酸エステル単量体単位からなる共重合体[以下、共重
合体(D)と記す]を別々に製造しておき、これらを混
合し熱可塑性樹脂を得る方法は分散粒子を均一に分布さ
せやすい利点があり、好ましい製造方法である。
に特に制限はなく、共重合体(A)、共重合体(B)、
共重合体(C)、共重合体(D)の各々重合前、重合途
中、重合後に配合する方法、共重合体(A)、共重合体
(B)、共重合体(C)、共重合体(D)の混合時に配
合する方法等が挙げられる。
体(C)の各連続相、分散粒子(I)を形成するゴム状
物質、分散粒子(II)を形成するゴム状物質の各屈折
率は互いに近接していることが好ましく、透明性の観点
からそれぞれの屈折率差は、0.02以内であることが
好ましい。
体(C)、共重合体(D)の製造方法に特に制限はない
が、共重合体(A)及び共重合体(D)の製造には塊状
重合法、懸濁重合法、溶液重合法を、共重合体(B)の
製造には塊状重合法、塊状−懸濁重合法、溶液重合法
を、共重合体(C)の製造には乳化重合法を好適に採用
できる。
体(C)、共重合体(D)及びフェノール系加工安定剤
の混合方法については特に制限はないが、例えば、ヘン
シェルミキサーやタンブラーミキサー等の公知の混合装
置にて予備混合した後、単軸押出機または二軸押出機等
の押出機を用いて溶融混練を行うことにより、均一に混
合することができる。
応じて添加剤を配合することができる。例えば、流動性
や離型性を向上させるために、可塑剤、滑剤、シリコン
オイル等を配合することができる。また、成形品の防塵
のために帯電防止剤を配合することができる。また、光
拡散性を付与するために、ガラスビーズを配合すること
ができる。また、耐光性を付与するため、光安定剤や紫
外線吸収剤を配合することができるが、成形品の表面に
紫外線硬化剤を塗布して紫外線硬化する場合は、硬化に
影響を及ぼすので注意が必要である。その他、着色剤等
を配合することもできる。
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。尚、実施例中の部、%はいずれも質量基準
で表した。
チルメタクリレート(MMA)57.5部、重合開始剤
として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、分子量調
整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.1部、懸濁安
定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水20
0部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度13
0℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾
燥を行い、ビーズ状の共重合体(A1)を得た。共重合
体(A1)のGPC法にて測定したポリスチレン換算重
量平均分子量は、145,000であった。また、組成
はスチレン/MMA=43.0/57.0であった。
を用いなかった以外は同様の方法にて重合を行い、共重
合体(A2)を得た。共重合体(A2)の重量平均分子
量は、167,000であった。
チルメタクリレート57.5部、スチレン−ブタジエン
共重合ゴム(スチレン含量25%、旭化成工業社製「タ
フデン2000」(商品名))5部を仕込み、3時間室
温にて攪拌後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサ
イド0.04部、分子量調整剤としてt−ドデシルメル
カプタン0.2部を添加し、攪拌数200rpmにて攪
拌しながら、温度90℃にて、重合転化率30%まで塊
状重合した。次いで、重合開始剤としてジクミルパーオ
キサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カル
シウム0.5部、純水200部を加え、温度100℃で
2時間、115℃で1.5時間、130℃で2.5時間
重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビー
ズ状の共重合体(B1)を得た。共重合体(B1)のゴ
ム成分量は3.7%であった。該ゴム状物質は粒子状の
分散相を形成し、その分散粒子の数平均粒子径は1.4
μmであった。また、重量平均分子量は129,000
であった。
て、塊状重合時の撹拌数のみを変化させることにより、
数平均粒子径0.8μmの分散粒子を有する共重合体
(B2)及び2.5μmの分散粒子を有する共重合体
(B3)を得た。
としてt−ドデシルメルカプタン0.3部を添加した以
外は同様の方法にて重合を行い共重合体(B4)を得
た。該共重合体(B4)の重量平均分子量は103,0
00であった。また、その分散粒子の数平均粒子径は
1.4μmであった。
ン16部、純水150部、オレイン酸カリウム0.5
部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.13部、ロ
ンガリット0.03部、硫酸第一鉄0.002部、エチ
レンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩0.003部、ピ
ロリン酸ナトリウム0.1部、t−ドデシルメルカプタ
ン1.0部を仕込み、温度45℃にて17時間重合し
た。得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックスの数
平均粒子径は0.08μmであった。ラテックスに、ナ
トリウムスルホサクシネート0.005部を加えて安定
化させた。このラテックスに、撹拌下にて、塩化水素水
溶液を加えることにより、ラテックス粒子を凝集肥大化
させ、数平均粒子径0.2μmのゴムラテックスを得
た。このラテックスにスチレン16部、MMA17部、
n−ブチルアクリレート2部、ジビニルベンゼン0.0
4部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.08部を
加え、温度60℃で6時間重合した。このラテックスに
t−ブチルフェノール0.5部、ジラウリルチオプロピ
オネート0.5部を添加した後、塩酸により共重合体を
析出し、中和洗浄、脱水乾燥して、粉末状の共重合体
(C1)を得た。この共重合体(C1)のゴム成分量は
48.0%であった。
て、ゴムラテックスの凝集条件のみを変化させることに
より、数平均粒子径0.08μmの分散粒子を有する共
重合体(C2)及び0.6μmの分散粒子を有する共重
合体(C3)を得た。
MA)64部、n−ブチルメタクリレート(n−BM
A)18部、及びn−ブチルアクリレート(n−BA)
18部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド
0.2部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタ
ン0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム
0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時
間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了
後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(D
1)を得た。共重合体(D1)のGPC法にて測定した
ポリスチレン換算重量平均分子量は、210,000で
あった。また、Mw/Mnは2.8であった。組成はM
MA/n−BMA/n−BA=64.0/18.0/1
8.0であった。
メルカプタンを0.25部とした以外は同様の方法にて
重合を行い、共重合体(D2)を得た。共重合体(D
2)の重量平均分子量は、180,000であった。ま
た、Mw/Mnは2.4であった。
メルカプタンを0.1部とした以外は同様の方法にて重
合を行い、共重合体(D3)を得た。共重合体(D3)
の重量平均分子量は、270,000であった。また、
Mw/Mnは3.3であった。
メルカプタンを0.3部とした以外は同様の方法にて重
合を行い、共重合体(D4)を得た。共重合体(D4)
の重量平均分子量は、130,000であった。また、
Mw/Mnは1.8であった。
メルカプタンを用いなかった以外は同様の方法にて重合
を行い、共重合体(D5)を得た。共重合体(D5)の
重量平均分子量は、340,000であった。また、M
w/Mnは3.7であった。
MA)76部、n−ブチルメタクリレート(n−BM
A)22部、及びn−ブチルアクリレート(n−BA)
2部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド
0.2部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタ
ン0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム
0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時
間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了
後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(D
6)を得た。共重合体(D6)のGPC法にて測定した
ポリスチレン換算重量平均分子量は、210,000で
あった。また、Mw/Mnは2.8であった。組成はM
MA/n−BMA/n−BA=76.0/22.0/
2.0であった。
MA)47部、n−ブチルメタクリレート(n−BM
A)13部、及びn−ブチルアクリレート(n−BA)
40部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド
0.2部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタ
ン0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム
0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時
間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了
後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(D
7)を得た。共重合体(D7)のGPC法にて測定した
ポリスチレン換算重量平均分子量は、210,000で
あった。また、Mw/Mnは2.8であった。組成はM
MA/n−BMA/n−BA=47.0/13.0/4
0.0であった。
ル系加工安定剤を表1及び表2に示す配合比にて混合
し、40mm径の単軸押出機にて、温度240℃、スク
リュー回転数100rpmにて混練し、ペレット化を行
い、ペレットを得た。このペレットを用いて組成物のG
PCを測定した。また、このペレットを用いて温度22
0℃にて射出成形し、試験片を得た。この試験片を用い
て各種物性測定を行った。更に、このペレットを40m
m径の単軸押出し機にて、温度240℃、スクリュー回
転数100rpmにて厚み1mmのシート加工を連続的
に行い、シート汚染が開始する時間を測定した。これら
の結果を表1及び表2に示す。尚、フェノール系加工安
定剤は、(イ)2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−
ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t
−ペンチルフェニルアクリレート、(ロ)オクタデシル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネートを使用した。
−1003に準じて測定した。 (2)シャルピー衝撃強度:4mm厚のノッチ付き試験
片を用いて、ISO179−2に準じて測定した。
始時間とは、シート加工時でシートの汚染が始まる時間
のことをいう。例えば、表1の実施例1のシート加工時
汚染開始時間が8時間とは、シート加工を始めてから8
時間後にシートの汚染が始まることを意味する。シート
の汚染とは、前述のように樹脂組成物を押出機にてシー
ト加工すると、押出機のシリンダー内やダイス(吐出
口)等に付着した樹脂が熱履歴を受け、シートが変色し
たり、シート表面を汚染してシートの商品価値を低下さ
せることをいう。
び透明性の物性バランスに優れた、更にシート加工時に
シートの汚染が少ない熱可塑性樹脂組成物を工業上極め
て有利に提供することができる。本発明の熱可塑性樹脂
組成物は、衝撃強度、透明性に優れていることより、特
にフレネルレンズやレンチキュラーレンズ等の光学用途
に好適に用いることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 スチレン系単量体単位20〜80質量%
及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位80〜2
0質量%からなる共重合体(X)とゴム状物質(Y)を
含有してなる熱可塑性樹脂であって、共重合体(X)は
連続相を、ゴム状物質(Y)は粒子状の分散相を形成し
ており、該粒子状の分散相[以下、分散粒子という]は
数平均粒子径が1.0〜2.0μmである分散粒子
(I)、及び数平均粒子径が0.1〜0.5μmである
分散粒子(II)からなり、分散粒子(I)に含まれる
ゴム成分量が0.2〜3.5質量%、分散粒子(II)
に含まれるゴム成分量が4〜20質量%であって、かつ
その熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)が80,0
00〜250,000であり、かつ重量平均分子量の数
平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)が2.5
以下である熱可塑性樹脂100質量部に対して、メタク
リル酸エステル系単量体単位70〜95質量%及びアク
リル酸エステル系単量体単位30〜5質量%からなる共
重合体であり、その共重合体の重量平均分子量(Mw)
が150,000〜300,000であり、かつ重量平
均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/M
n)が2〜3.5である共重合体(Z)を0.05〜2
質量部を含有してなる熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 共重合体(Z)を構成するメタクリル酸
エステル系単量体がメチルメタクリレート及び/又はn
−ブチルメタクリレート、アクリル酸エステル系単量体
がn−ブチルアクリレートである請求項1記載の熱可塑
性樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成
物100質量部に対して、フェノール系加工安定剤0.
05〜2質量部を含有してなる熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項4】 フェノール系加工安定剤が、2−[1−
(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニ
ル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアク
リレート及び/又は、オクタデシル−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
トである請求項3記載の熱可塑性樹脂組成物。
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