JP4175883B2 - ゴム変性スチレン系樹脂及びそのシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート押出し時にシート汚染が少ないゴム変性スチレン系樹脂及びそのシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる共重合体からなる共重合体が知られているが、押出し機にてシート押出しすると、押出し機のダイス(吐出口)等に樹脂が付着しやすくなり、樹脂が熱履歴を受け、シートが変色したり、シート表面を汚染し商品価値を低下させる問題があった。また、この問題を解消するために、適宜ダイスの掃除を行うことが必要となり、著しく生産性を低下させ、経済性に乏しいという欠点を有していた。
【0003】
このダイスへの樹脂付着を防止する方法として、ダイスへのWCコーティングによるエッジのシャープ化が効果的であるという報告がある(非特許文献1参照。)。しかし、長時間の使用でのエッジ部の摩耗により、再び樹脂付着が発生する欠点を有している。また、樹脂の改良によるダイスへの樹脂付着防止技術は未だ見出されていない。
【0004】
【非特許文献1】
川辺剛士著「コンバーテック」(株)加工技術研究会発行、2001年12月号、p.24
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、透明性が優れ、シート押出し時にシートの汚染が少ないスチレン−メタアクリル酸エステル系共重合体を含有するゴム変性スチレン系樹脂及びそのシートを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討をした結果、スチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を主成分とする共重合体中にメルカプト残基を特定量存在させることによりこの課題にかなうことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、(1)スチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体(X)とゴム状物質(Y)を含有してなる熱可塑性樹脂組成物であって、共重合体(X)は連続相を、ゴム状物質(Y)は粒子状の分散相を形成しており、該粒子状の分散相[以下、分散粒子という]は数平均 粒子径が1.0〜2.0μmである分散粒子(I)、及び数平均粒子径が0.1〜0.5μmである分散粒子(II)からなり、分散粒子(I)に含まれるゴム成分量が2.2〜3.5質量%、分散粒子(II)に含まれるゴム成分量が4〜20質量%であって、その熱可塑性樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量と数平均分子量の比が2.5以下であるゴム変性スチレン系共重合体のMEK不溶分中に、メルカプト残基を4000〜8000ppm含有する、シート押出し時にシート汚染が少ないゴム変性スチレン系樹脂、(2)(1)記載のゴム変性スチレン系樹脂からなるシート押出し時にシート汚染が少ないシートである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に用いられるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられるが、好ましくはスチレンである。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上併用してもよい。
【0009】
本発明に用いられる(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート等が挙げられる。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上を併用してもよい。好ましくは、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートまたはこれらの混合物である。
【0010】
また、必要に応じてアクリロニトリル等のその他共重合性単量体を用いることもできる。
【0011】
分散相を形成するゴム状物質としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等を用いることができる。連続相の共重合体と屈折率を一致させやすいという意味において、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を好適に用いることができる。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上併用しても良い。
【0012】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含有される分散粒子は、数平均粒子径が1.0〜2.0μmである分散粒子(I)、及び数平均粒子径0.1〜0.5μmである分散粒子(II)とからなる。
【0013】
分散粒子(I)の数平均粒子径は1.0〜2.0μmである。好ましくは1.2〜1.8μmである。1.0μm未満では、衝撃強度が低下する。2.0μmを越えると、全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。
【0014】
分散粒子(II)の数平均粒子径は0.1〜0.5μmである。好ましくは0.15〜0.45μmである。0.1μm未満では、衝撃強度が低下する。0.5μmを越えると、全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。
【0015】
本発明の熱可塑性樹脂組成物中の分散粒子(I)に含有されるゴム成分量は、0.2〜3.5質量%である。好ましくは0.3〜3質量%である。0.2質量%未満では、衝撃強度が低下する。3.5質量%を越えると、全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。
【0016】
本発明の熱可塑性樹脂組成物中の分散粒子(II)に含有されるゴム成分量は、4〜20質量%である。好ましくは6〜18質量%である。4質量%未満では衝撃強度が低下する。18質量%を越えると全光線透過率が低下し光拡散性が低下する。
【0017】
なお、分散粒子の数平均粒子径は、熱可塑性樹脂組成物1gをN,N−ジメチルホルムアミド100ml中で24時間攪拌した液を用い、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS230(ベックマン・コールター社製)を使用して測定した。ゴム成分量は、ハロゲン付加法により測定したポリブタジエン量を示す。
【0018】
また、本発明で用いられるメルカプト基を有する化合物としては、n−ブチルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、sec−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のアルキル基、置換アルキル基を有する第一級、第二級及び第三級メルカプタン、フェニルメルカプタン、チオクレゾール等の芳香族メルカプタン、チオグリコール酸とそのエステル及びエチレンチオグリコール等が挙げられる。これらは単独で使用するかあるいは2種類以上を併用してもよい。
好ましくは、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンまたは、これらの混合物である。
【0019】
本発明のゴム変性スチレン系樹脂に含有されるメルカプト残基は、ゴム変性共重合体のMEK不溶分中に、10〜8000ppmであり、好ましくは4000〜8000ppmである。
メルカプト残基が10ppm以下では、シート押出し時にシート汚染が発生し、8000ppmを超えるとシート押出しが安定しなくなる。
【0020】
本発明のゴム変性スチレン系樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は2.5以下であることが必要である。2.5を越えると強度が低下し、シート巻き取り時に割れてしまう。重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnとも、下記記載のゲルパーミエ−ションクロマトグラフィ(GPC)法により測定した。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作成し、重量平均分子量Mw、数平均分子量MnはPS換算値で表した。
【0021】
本発明のゴム変性スチレン系樹脂に含有されるメルカプト残基由来のSHの定量は、下記操作により行った。
ゴム変性スチレン系樹脂1gをMEK100mlに25℃で24時間かけて溶解させ、日立工機社製遠心分離機CR26Hを用いて、温度10℃、回転数8500rpmで15分間遠心分離を行った。
次に、不溶分を60℃の真空乾燥機で24時間乾燥させた。
その後、乾燥した不溶分を250mg分取し、以下の条件で燃焼させ、得られた吸収液中の吸収させた硫酸イオンをイオンクロマトグラフにより定量分析し、SH量に換算して求めた。
<燃焼条件>
装置名:試料燃焼装置 QF−02型(ダイアインスツルメンツ社製)
キャリアガス:Air/O2 100ml/分
700℃でAirからO2に切替え、試料を完全燃焼する。
吸収液:0.3%過酸化水素水
燃焼時間:60分
【0022】
本発明のゴム変性スチレン系樹脂の製造方法に特に制限はないが、スチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体で分散粒子を含まないもの[以下、共重合体(A)と記す]、スチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体であって数平均粒子径1.0〜2.0μmの分散粒子(I)を含むもの[以下、共重合体(B)と記す]、及びスチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体であって数平均粒子径0.1〜0.5μmの分散粒子(II)を含むもの[以下、共重合体(C)と記す]を別々に製造しておき、これらを混合し熱可塑性樹脂を得る方法は分散粒子を均一に分布させやすい利点があり、好ましい製造方法である。
また、メルカプト基を有する化合物は、共重合体(A)の重合時、共重合体(B)の重合時、共重合体(C)の重合時に添加することが好ましく、1種の共重合体の重合時に添加してもよく、または複数の共重合体の重合時に添加しても良い。
【0023】
ゴム変性スチレン系樹脂の製造に特に制限はないが、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法を好適に採用できる。
【0024】
本発明のゴム変性スチレン系樹脂には、必要に応じて添加剤を配合することができる。例えば、流動性や離型性を向上させるために、可塑剤、滑剤、シリコンオイル等を配合することができる。また、成形品の防塵のために帯電防止剤を配合することができる。また、耐熱性を付与するため、熱安定剤を配合することができる。また、耐光性を付与するため、光安定剤や紫外線吸収剤を配合することができるが、成形品の表面に紫外線硬化剤を塗布して紫外線硬化する場合は、硬化に影響を及ぼすので注意が必要である。その他、着色剤等を配合することもできる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、実施例中の部、%はいずれも質量基準で表した。
【0026】
共重合体(A)の製造
攪拌機付きオートクレーブにスチレン42.5部及びメチルメタクリレート(MMA)57.5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、メルカプト基を有する化合物としてt−ドデシルメルカプタン0.1部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(A1)を得た。共重合体(A1)のGPC法にて測定したポリスチレン換算重量平均分子量は、145,000であった。また、組成はスチレン/MMA=43.0/57.0であった。
【0027】
共重合体(A1)の製造と、メルカプト基を有する化合物を用いなかった以外は同様の方法にて重合を行い、共重合体(A2)を得た。共重合体(A2)の重量平均分子量は、167,000であった。
【0028】
共重合体(A1)の製造と、メルカプト基を有する化合物としてt−ドデシルメルカプタンをを0.5%添加した以外は同様の方法にて重合を行い、共重合体(A3)を得た。共重合体(A3)の重量平均分子量は、127,000であった。
【0029】
共重合体(B)の製造
攪拌機付きオートクレーブにスチレン42.5部及びメチルメタクリレート57.5部、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(スチレン含量25%、旭化成工業社製「タフデン2000」(商品名))5部を仕込み、3時間室温にて攪拌後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.04部、メルカプト基を有する化合物としてt−ドデシルメルカプタン0.2部を添加し、攪拌数200rpmにて攪拌しながら、温度90℃にて、重合転化率30%まで塊状重合した。次いで、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を加え、温度100℃で2時間、115℃で1.5時間、130℃で2.5時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(B1)を得た。共重合体(B1)のゴム成分量は3.7%であった。該ゴム状物質は粒子状の分散相を形成し、その分散粒子の数平均粒子径は1.4μmであった。また、重量平均分子量は129,000であった。
【0030】
共重合体(B1)の製造と同様の方法にて、塊状重合時の撹拌数のみを変化させることにより、数平均粒子径0.8μmの分散粒子を有する共重合体(B2)及び2.5μmの分散粒子を有する共重合体(B3)を得た。
【0031】
共重合体(B1)の製造と、メルカプト基を有する化合物としてt−ドデシルメルカプタン0.3部を添加した以外は同様の方法にて重合を行い共重合体(B4)を得た。
該共重合体(B4)の重量平均分子量は103,000であった。また、その分散粒子の数平均粒子径は1.4μmであった。
【0032】
共重合体(B1)の製造と、メルカプト基を有する化合物としてt−ドデシルメルカプタンを添加しなかった以外は同様の方法にて重合を行い共重合体(B5)を得た。
該共重合体(B5)の重量平均分子量は153,000であった。また、その分散粒子の数平均粒子径は1.4μmであった。
【0033】
共重合体(C)の製造
撹拌機付きオートクレーブにブタジエン49部、スチレン16部、純水150部、オレイン酸カリウム0.5部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.13部、ロンガリット0.03部、硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩0.003部、ピロリン酸ナトリウム0.1部、t−ドデシルメルカプタン1.0部を仕込み、温度45℃にて17時間重合した。得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックスの数平均粒子径は0.08μmであった。
ラテックスに、ナトリウムスルホサクシネート0.005部を加えて安定化させた。このラテックスに、撹拌下にて、塩化水素水溶液を加えることにより、ラテックス粒子を凝集肥大化させ、数平均粒子径0.2μmのゴムラテックスを得た。このラテックスにスチレン16部、MMA17部、n−ブチルアクリレート2部、ジビニルベンゼン0.04部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.08部を加え、温度60℃で6時間重合した。このラテックスにt−ブチルフェノール0.5部、ジラウリルチオプロピオネート0.5部を添加した後、塩酸により共重合体を析出し、中和洗浄、脱水乾燥して、粉末状の共重合体(C1)を得た。
この共重合体(C1)のゴム成分量は48.0%であった。
【0034】
共重合体(C1)の製造と同様の方法にて、ゴムラテックスの凝集条件のみを変化させることにより、数平均粒子径0.08μmの分散粒子を有する共重合体(C2)及び0.6μmの分散粒子を有する共重合体(C3)を得た。
【0035】
メルカプト基を有する化合物としてt−ドデシルメルカプタンの添加量を0.05%に変更させること以外は、共重合体(C1)の製造と同様の方法にて、数平均粒子径0.2μmの分散粒子を有する共重合体(C4)を得た。
【0036】
メルカプト基を有する化合物としてt−ドデシルメルカプタンの添加量を0.01%に変更させること以外は、共重合体(C1)の製造と同様の方法にて、数平均粒子径0.2μmの分散粒子を有する共重合体(C5)を得た。
【0037】
比較例11、比較例13、比較例14、実施例1〜2、比較例1〜10
共重合体(A)、(B)、(C)を表1及び表2に示す配合比にて混合し、40mm径の単軸押出機にて、温度240℃、スクリュー回転数100rpmにて混練し、ペレット化を行い、ペレットを得た。
このペレットを用いて組成物のGPCを測定した。また、このペレットを用いて温度220℃にて射出成形し、試験片を得た。この試験片を用いて各種物性測定を行った。
また、更にTダイ方式の押出機にて、シリンダー温度230℃にてシートを成形した。物性測定値を表1及び表2に示した。
得られたシートの物性、透明性、シート加工時の汚染開始時間を表1及び表2に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
各物性値の測定方法は以下の通りである。
(1)全光線透過率、曇度:表1及び表2に示したものは、射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度220℃で厚さ1mm、2mm、3mmの3段プレートを成形した。この3段プレートの厚さ2mm部を用いて、ASTM D−1003に準じて、HAZEメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP)を用いて測定した。
また、表1及び表2のシート成形品物性に示したものは、得られたシートを用いて、ASTM D−1003に準じて、HAZEメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP)を用いて測定した。
【0041】
(2)シャルピー衝撃強度:東芝機械社製(IS−80CVN)を用いて、シリンダー温度220℃で、12.7×64×6.4mm寸法の試験片を成形した。この試験片を用いて、ISO179−2に準じて測定した。
【0042】
(3)折り曲げ試験:シート押出によって作成したサンプルシートを引き取り方向、反引き取り方向の2方向に折り曲げを行い、シートの割れの発生を目視観察した。
○:良好(割れなし)
×:不良(割れあり)
また、表1及び表2のシート加工時汚染開始時間とは、シート加工時でシートの汚染が始まる時間のことをいう。例えば、表1の実施例1のシート加工時汚染開始時間が10時間とは、シート加工を始めてから10時間後にシートの汚染が始まる意味である。シートの汚染とは、前述のように樹脂組成物を押出し機にてシート加工すると、押出し機のシリンダー内やダイス(吐出口)等に付着した樹脂が熱履歴を受け、シートが変色したり、シート表面を汚染してシートの商品価値を低下させることをいう。
【0043】
【発明の効果】
本発明により、従来にない衝撃強度、及び透明性のバランスに優れた、シート加工時にシートの汚染が少ないゴム変性スチレン系樹脂及びそのシートを工業上極めて有利に提供することができる。本発明のゴム変性スチレン系樹脂及びそのシートは、衝撃強度、透明性に優れていることより、特にフレネルレンズやレンチキュラーレンズ等の光学用途に好適に用いることができる。
Claims (2)
- スチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体(X)とゴム状物質(Y)を含有してなる熱可塑性樹脂組成物であって、共重合体(X)は連続相を、ゴム状物質(Y)は粒子状の分散相を形成しており、該粒子状の分散相[以下、分散粒子という]は数平均粒 子径が1.0〜2.0μmである分散粒子(I)、及び数平均粒子径が0.1〜0.5μmである分散粒子(II)からなり、分散粒子(I)に含まれるゴム成分量が2.2〜3.5質量%、分散粒子(II)に含まれるゴム成分量が4〜20質量%であって、その熱可塑性樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量と数平均分子量の比が2.5以下であるゴム変性スチレン系共重合体のMEK不溶分中に、メルカプト残基を4000〜8000ppm含有する、シート押出し時にシート汚染が少ないゴム変性スチレン系樹脂。
- 請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂からなるシート押出し時にシート汚染が少ないシート。
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