JP2003228172A - パターン形成体の製造方法 - Google Patents
パターン形成体の製造方法Info
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Abstract
で、パターン形成体の製造に際して、高精度にパターン
を形成することが可能であり、かつコスト負荷および環
境負荷が小さいパターン形成体の製造方法を提供するこ
とを主目的とするものである。 【解決手段】 本発明は、基体と、前記基体上に形成さ
れ、光触媒の作用により分解除去され、かつ膜自体に機
能性を有する機能性薄膜とを有するパターン形成体用基
板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、光触媒
を含有する光触媒含有層および基体を有する光触媒含有
層側基板における前記光触媒含有層と前記機能性薄膜と
を、200μm以下となるように間隙をおいて配置した
後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、
前記機能性薄膜がパターン状に分解除去されたパターン
を形成するパターン形成工程とを有することを特徴とす
るパターン形成体の製造方法の製造方法を提供すること
により上記課題を解決する。
Description
いることが可能な、機能性薄膜がパターン状に形成され
たパターン形成体の製造方法に関するものである。
ニングすることにより、種々の機能を有する機能性素子
を形成する方法が知られている。
ト材を金属薄膜を有する基材上に形成し、このレジスト
材をフォトリソグラフィー法等によりパターニング・現
像し、露出した金属薄膜をエッチングすることにより形
成されている。しかしながら、この方法においては、レ
ジスト材に感光性を付与する必要があること、現像の際
に使用されるアルカリ溶液が大量であることや、複雑な
工程が必要であり、コストや環境面等からも、問題があ
った。
されていない。
に鑑みてなされたもので、パターン形成体の製造に際し
て、高精度にパターンを形成することが可能であり、か
つコスト負荷および環境負荷が小さいパターン形成体の
製造方法を提供することを主目的とするものである。
に、本発明は請求項1において、基体と、上記基体上に
形成され、光触媒の作用により分解除去され、かつ膜自
体に機能性を有する機能性薄膜とを有するパターン形成
体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、
光触媒を含有する光触媒含有層および基体を有する光触
媒含有層側基板における上記光触媒含有層と上記機能性
薄膜とを、200μm以下となるように間隙をおいて配
置した後、所定の方向からエネルギーを照射することに
より、上記機能性薄膜がパターン状に分解除去されたパ
ターンを形成するパターン形成工程とを有することを特
徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。
ギー照射に伴う光触媒の作用により分解除去されること
から、エネルギー照射されていない領域のみに、特に露
光後の後処理も必要無く、膜自体に機能性を有する機能
性薄膜を劣化させることなく、パターン状に形成するこ
とが可能であり、種々の用途展開を図ることが可能とな
る。
が、上述した範囲内であるので、効率よくかつ精度が良
好に機能性薄膜がパターン状に形成されたパターン形成
体を得ることができる。
は、請求項2に記載するように、上記光触媒含有層側基
板が、基材と、上記基材上にパターン状に形成された光
触媒含有層とからなることが好ましい。このように、光
触媒含有層をパターン状に形成することにより、フォト
マスクを用いることなくパターン形成体上に、機能性薄
膜が分解除去されたパターンを形成することが可能とな
るからである。また、光触媒含有層に対応する面のみの
機能性薄膜が分解除されるものであるので、照射するエ
ネルギーは特に平行なエネルギーに限られるものではな
く、また、エネルギーの照射方向も特に限定されるもの
ではないことから、エネルギー源の種類および配置の自
由度が大幅に増加するという利点を有するからである。
は、請求項3に記載するように、上記光触媒含有層側基
板が、基材と、上記基材上に形成された光触媒含有層
と、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部とか
らなり、上記パターン形成工程におけるエネルギーの照
射が、光触媒含有層側基板から行なわれるものであるこ
とが好ましい。
有層側遮光部を有することにより、露光に際してフォト
マスク等を用いる必要がないことから、フォトマスクと
位置合わせ等が不要となり、工程を簡略化することが可
能となるからである。
は、請求項4に記載するように、上記光触媒含有層側基
板において、上記光触媒含有層側遮光部が上記基材上に
パターン状に形成され、さらにその上に上記光触媒含有
層が形成されているものであってもよく、また請求項5
に記載するように上記光触媒含有層側基板において、上
記基材上に光触媒含有層が形成され、上記光触媒含有層
上に上記光触媒含有層側遮光部がパターン状に形成され
ているものであってもよい。
い位置に配置されることが、得られる分解除去されたパ
ターンの精度上好ましいものであるといえる。したがっ
て、上述した位置に光触媒含有層側遮光部を配置するこ
とが好ましいのである。また、光触媒含有層上に光触媒
含有層側遮光部を形成した場合は、上記パターン形成工
程における光触媒含有層と機能性薄膜との配置に際して
のスペーサとして用いることができるという利点を有す
るものである。
の請求項に記載された発明においては、請求項6に記載
するように、上記光触媒含有層が、光触媒からなる層で
あることが好ましい。光触媒含有層が光触媒のみからな
る層であれば、機能性薄膜を分解除去する効率を向上さ
せることが可能であり、効率的にパターン形成体を製造
することができるからである。
は、請求項7に記載するように、上記光触媒含有層が、
光触媒を真空製膜法により基材上に製膜してなる層であ
ることが好ましい。このように真空製膜法により光触媒
含有層を形成することにより、表面の凹凸が少なく均一
な膜厚の均質な光触媒含有層とすることが可能であり、
機能性薄膜表面へのパターンの形成を均一にかつ高効率
で行うことができるからである。
かの請求項に記載された発明においては、請求項8に記
載するように、上記光触媒処含有層が、光触媒とバイン
ダとを有する層であってもよい。このようにバインダを
用いることにより、比較的容易に光触媒含有層を形成す
ることが可能となり、結果的に低コストでパターン形成
体の製造を行うことができるからである。
の請求項に記載された発明においては、請求項9に記載
するように、上記光触媒が、酸化チタン(TiO2)、
酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸
ストロンチウム(SrTiO 3)、酸化タングステン
(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、および酸化
鉄(Fe2O3)から選択される1種または2種以上の
物質であることが好ましく、中でも請求項10に記載す
るように、上記光触媒が酸化チタン(TiO2)である
ことが好ましい。これは、二酸化チタンのバンドギャッ
プエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ
化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だからであ
る。
請求項に記載された発明においては、請求項11に記載
するように、上記機能性薄膜の膜厚が、0.5nm〜3
00nmの範囲内であることが好ましい。照射されるエ
ネルギー量や機能性薄膜の材質等にもよるが、機能性薄
膜の膜厚を上記範囲内とすることにより、問題無くパタ
ーニングが可能であると共に、機能を発揮するのに十分
な膜厚とすることができる。
かの請求項に記載の発明においては、請求項12に記載
するように、上記機能性薄膜が、自己組織化単分子膜、
ラングミュア−ブロジェット膜、吸着膜、もしくは交互
吸着膜のいずれかであることが好ましい、このような製
法で得られた膜は、種々の機能性薄膜として好適に用い
ることができるからである。
かの請求項に記載された発明においては、請求項13に
記載するように、上記機能性薄膜が、レジスト材として
の機能を有することが好ましい。このように上記機能性
薄膜をレジスト材として用いれば、レジスト材に感光性
等の従来要求されていた特性が不要となるため、極めて
多様な材料をレジスト材として用いることができる。こ
れによりエッチング剤の選択の幅も広がることから、種
々の材料のパターン化に用いることが可能となる。
ように、請求項13記載のパターン形成体の製造方法に
おいて得られるパターン形成体の基体が、基板と基板上
に形成された導電性層とからなるものであり、上記レジ
スト材としての機能を有する機能性薄膜をレジスト材と
して用い、上記導電性層をエッチングする工程を有する
ことを特徴とする導電性パターン形成体の製造方法を提
供する。本発明によれば、レジスト材の現像のための現
像液を用いる必要もなく、かつレジスト材を剥離する必
要がある場合でも、再度光触媒を作用させることにお
り、容易にレジスト材の剥離を行うことができる。
うに、請求項1から請求項12までのいずれかの請求項
に記載のパターン形成体の製造方法において得られるパ
ターン形成体の機能性薄膜が、生体物質と付着性を有す
ることを特徴とするバイオチップ用基材の製造方法を提
供する。生体物質との付着性を有する機能性薄膜を全面
に形成し、これをパターニングすることにより、極めて
容易にバイオチップ用基材を得ることができるからであ
る。
製造方法について説明する。本発明のパターン形成体の
製造方法は、基体と、上記基体上に形成され、光触媒の
作用により分解除去され、かつ膜自体に機能性を有する
機能性薄膜とを有するパターン形成体用基板を調製する
パターン形成体用基板調製工程と、光触媒を含有する光
触媒含有層および基体を有する光触媒含有層側基板にお
ける上記光触媒含有層と上記機能性薄膜とを、200μ
m以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方
向からエネルギーを照射することにより、上記機能性薄
膜がパターン状に分解除去されたパターンを形成するパ
ターン形成工程とを有することを特徴とするものであ
る。
る光触媒含有層および基材を有する光触媒含有層側基板
を調整する光触媒含有層側基板調整工程を有していても
よく、この場合、光触媒を含有する光触媒含有層および
基材を有する光触媒含有層側基板を調整する光触媒含有
層側基板調整工程と、上記光触媒含有層中の光触媒の作
用により表面の特性が変化する特性変化層を有するパタ
ーン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製
工程と、上記光触媒含有層および前記特性変化層を、2
00μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所
定の方向からエネルギーを照射することにより、上記特
性変化層表面に特性の変化したパターンを形成するパタ
ーン形成工程とを有することを特徴とするパターン形成
体の製造方法であって、上記パターン形成体用基板調製
工程が、基体上に特性変化層としての機能性薄膜を形成
する工程であり、上記パターン形成工程が、上記特性変
化層である機能性薄膜をパターン状に分解除去する工程
であるものである。
造方法においては、光触媒含有層および機能性薄膜を所
定の間隙を有するように配置した後、所定の方向からエ
ネルギー照射することにより、光触媒含有層中の光触媒
の作用により、露光された部分の機能性薄膜がパターン
状に分解除去され、機能性薄膜のパターンが基体上に形
成される。したがって、パターン形成に際して露光後の
現像・洗浄等の後処理が不要となるので、従来より少な
い工程で、かつ安価に、パターン状に形成された機能性
薄膜の劣化等の問題がないパターン形成体とすることが
できる。さらに、この膜自体が機能性を有する機能性薄
膜の材料を選択することにより、様々な用途に用いるこ
とができるパターン形成体とすることができる。
触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去した後、光
触媒含有層側基板を取り外してパターン形成体側基板を
パターン形成体としたものであるので、得られるパター
ン形成体には必ずしも光触媒が含有されている必要がな
い。したがって、得られるパターン形成体が光触媒の作
用により経時的に劣化するといった不具合を防止するこ
とができる。
造方法について、図面を用いて具体的に説明する。図1
は、本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示すも
のである。
媒含有層2が形成されてなる光触媒含有層側基板3と、
基体4上に機能性薄膜5が形成されてなるパターン形成
体用基板6とを調整する(図1(a))。
媒含有層側基板3とパターン形成体用基板6とを、それ
ぞれの光触媒含有層2および機能性薄膜5が所定の間隔
を有するように配置した後、必要とされるパターンが描
かれたフォトマスク7を用い、これを介して紫外光8を
光触媒含有層側基板3側から照射する。これにより、図
1(c)に示すように、機能性薄膜5が分解除去された
パターン9が形成される(パターン形成工程)。
膜5とは、図1では所定の間隔をおいて配置されている
が、本発明においては、必要であれば物理的に密着状態
で接触するようにしてもよい。
ォトマスク7を介したものであるが、後述するように光
触媒含有層がパターン状に形成されたものや、光触媒含
有層側基板内に遮光部(光触媒含有層側遮光部)が形成
されたものを用いてもよく、この場合は、フォトマスク
7等を用いることなく、全面に露光することになる。
ら光触媒含有層側基板を外す工程が行われ(図1
(d))、表面に機能薄膜をパターン状に有するパター
ン形成体6を得ることができる。
方法について、各工程毎に詳細に説明する。
ついて説明する。本発明おけるパターン形成体用基板調
製工程とは基体と、上記基体上に形成され、光触媒の作
用により分解除去され、かつ膜自体に機能性を有する機
能性薄膜とを有するパターン形成体用基板を調製するパ
ターン形成体用基板調製工程を調製する工程である。
後述するパターン形成工程において、光触媒の作用によ
り基体上に形成された機能性薄膜が除去されて、膜自体
が機能性を有する機能性薄膜のパターンが基体上に形成
される点に特徴を有する。これにより、パターン状に残
存している機能性薄膜の機能性を利用して、様々な用途
に利用することが可能なパターン形成体を製造すること
が可能となるのである。
触媒の作用により除去される程度の膜厚である必要があ
る。このような膜厚としては、用いる材料や照射するエ
ネルギー、さらには光触媒の種類等によって大きく異な
るものではあるが、0.5nm〜300nmの範囲内、
特に1.5nm〜150nmの範囲内とすることが好ま
しい。上記範囲より膜厚が厚い場合は、パターン形成工
程における機能性薄膜の除去が困難であることから好ま
しくなく、上記範囲より膜厚が薄い場合は、機能性薄膜
としての機能を発揮できない可能性があることから好ま
しくない。
定されるものではなく、フッ素系や炭化水素系の撥液性
を有する樹脂を溶媒に溶解させ、例としてスピンコート
法等の一般的な成膜方法により形成することが可能であ
るが、機能性を有する薄膜を形成するうえで好適であ
り、欠陥のない膜を形成することが可能であることか
ら、機能性薄膜、すなわち、自己組織化単分子膜、ラン
グミュア−ブロジェット膜、吸着膜、および交互吸着膜
等を用いることがより好ましいといえる。
ては、後述するパターン形成工程において、パターン化
された際に機能を有するような機能性材料であれば特に
限定されるものではない。ここで、本発明の機能性薄膜
の機能とは、例えば化学的機能、電子・電気的機能、ま
たは生態的機能等が挙げられる。
性、耐レジストエッチング剤性等が挙げられる。
は、例えば例えばガスセンサー、湿度センサー、DNA
マイクロアレイ、たんぱく質マイクロアレイ、細胞培養
基板等に応用することができ、材料としてはポリエチレ
ンイミン、ポリアリルアミン、ポリリジン、キトサン、
ポリアクリル酸、ポリスチレン、アミノプロピルトリエ
トキシシラン等が挙げられる。
を有する場合には、例えばレジスト材等とすることがで
き、材料としてはポリメチルメタクリレート、ノボラッ
ク樹脂、カリックスアレーン等が挙げられる。
性、圧電性、焦電性、光電変換性、半導体性等が挙げら
れる。
は、例えばフレキシブルな電気配線等とすることがで
き、材料としてはポリアセチレン、ポリビロール、ポリ
エチレンオキサイド−リチウムトリフレート錯体、ポリ
ビスメトキシエトキシドホスファセン(MEEP)、ポ
リチオフェン、ポリフルオレン等が挙げられる。
は、例えばアクチュエータ、圧力センサー、歪みセンサ
ー等とすることができ、材料としてはポリアセチレン・
ポリパラフェニレン、ポリフッ化ビニリデン等が挙げら
れる。
は、例えば温度センサー等とすることができ、材料とし
てはトリグリシンサルフェート、フッ化ビニリデン−ト
リフルオロエチレン共重合等が挙げられる。
には、例えば有機EL素子、光電変換素子等とすること
ができ、材料としてはフタロシアニンポリビニルアセテ
ート、ポリメタクリル酸4−N,Nジフェニルアミノフ
ェニル、フタロシアニン、ポルフィリン等が挙げられ
る。
は、例えば有機トランジスタ等とすることができ、材料
としてはポリビニルカルバゾール(PVK)、チアビリ
リューム誘導体/トリフェニルメタン、クロルジャンブ
ルー誘導体/ピラゾリン、オリゴチオフェン、ペンタセ
ン、フタロシアニン等が挙げられる。
には、例えば液晶配向膜等とすることができ、材料とし
てはポリイミド、ポリビニルアルコール等が挙げられ
る。
る。
には、例えば選択的細胞培養基材等とすることができ、
材料としてはポリテトラフルオロエチレン、セグメント
化ポリウレタン、ポリエーテルスルフォン(PES)、
ポリスルフォン、セグメント化ポリウレタン、多孔質ポ
リプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリア
ミノ酸、キチン、シリコン、ポリメタクリル酸2ヒドロ
キシエチル、ポリビニルピロリドン、シリコン、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリ−αシアノアクリル酸エス
テル等が挙げられる。
体上に形成される。このような機能性薄膜が形成される
基体としては、シリコンウェハ、金属、クオーツ、ガラ
ス、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DL
C)、アルミナ、高分子材料などを用いることができ、
これらは後述する用途に応じて適宜選択されて用いられ
るものである。
に制限されるものではなく、これも後述する用途に応じ
て好適な形状とすることが可能であり、具体的には、用
途がバイオチップ等の場合は板状のものが好適に用いら
れる。
にパターン形成体用基板側遮光部をパターン状に形成し
たものを用いることが可能である。
おけるエネルギー照射を、パターン形成体用基板側から
行う必要が生じることから、パターン形成体用基板が透
明であることが必要である。
の形成方法としては、上述した光触媒含有層側遮光部と
同様であるので、ここでの説明は省略する。
形成方法は、特に限定されるものではなく、パターン形
成体用基板側遮光部の形成面の特性や、必要とするエネ
ルギーに対する遮蔽性等に応じて適宜選択されて用いら
れる。
により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属
薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより
形成されてもよい。このパターニングの方法としては、
スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることがで
きる。
金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有
させた層をパターン状に形成する方法であってもよい。
用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等
の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹
脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例え
ば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用
いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとし
ては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができ
る。このよう樹脂製遮光部のパターニングの方法は、フ
ォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用
いることができる。
る。本発明のパターン形成工程は、光触媒を含有する光
触媒含有層および基体を有する光触媒含有層側基板にお
ける上記光触媒含有層と上記機能性薄膜とを、所定の間
隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照
射することにより、上記機能性薄膜をパターン状に分解
除去する工程である。
いられる光触媒含有層側基板について説明する。本発明
に用いられる光触媒含有層側基板とは、光触媒を含有す
る光触媒含有層および基材を有するものである。本発明
において用いられる光触媒含有層側基板は、このよう
に、少なくとも光触媒含有層と基材とを有するものであ
り、通常は基材上に所定の方法で形成された薄膜状の光
触媒含有層が形成されてなるものである。また、この光
触媒含有層側基板には、パターン状に形成された光触媒
含有層側遮光部が形成されたものも用いることができ
る。以下、光触媒含有層側基板の各構成について説明す
る。
光触媒が、対象とする機能性薄膜を分解除去するような
構成であれば、特に限定されるものではなく、光触媒と
バインダとから構成されているものであってもよいし、
光触媒単体で製膜されたものであってもよい。また、そ
の表面の濡れ性は特に親液性であっても撥液性であって
もよい。
は、例えば上記図1(a)等に示すように、基材1上に
全面に形成されたものであってもよいが、例えば図2に
示すように、基材1上に光触媒含有層2がパターン上に
形成されたものであってもよい。
成することにより、後述するパターン形成工程において
説明するように、光触媒含有層を機能性薄膜と所定の間
隔をおいて配置させてエネルギーを照射する際に、フォ
トマスク等を用いるパターン照射をする必要がなく、全
面に照射することにより、機能性薄膜が分解除去された
パターンを形成することができる。
特に限定されるものではないが、例えばフォトリソグラ
フィー法等により行うことが可能である。
薄膜のみが分解除去され、分解除去されるものであるの
で、エネルギーの照射方向は上記光触媒含有層と機能性
薄膜とが面する部分にエネルギーが照射されるものであ
れば、いかなる方向から照射されてもよく、さらには、
照射されるエネルギーも特に平行光等の平行なものに限
定されないという利点を有するものとなる。
るような二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構
は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって
生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、ある
いは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、
有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられてい
る。本発明においては、このキャリアが光触媒含有層近
傍に配置される機能性薄膜中の化合物に作用を及ぼすも
のであると思われる。
体として知られる例えば二酸化チタン(TiO2)、酸
化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ス
トロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(W
O3)、酸化ビスマス(Bi 2O3)、および酸化鉄
(Fe2O3)を挙げることができ、これらから選択し
て1種または2種以上を混合して用いることができる。
バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性
もなく、入手も容易であることから好適に使用される。
二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発
明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型
の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタン
は励起波長が380nm以下にある。
ては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル
(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、
石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナタ
ーゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平
均粒径12nm))等を挙げることができる。
果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が
好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好
ましい。
ように光触媒単独で形成されたものであってもよく、ま
たバインダと混合して形成されたものであってもよい。
は、機能性薄膜の分解除去に対する効率が向上し、処理
時間の短縮化等のコスト面で有利である。一方、光触媒
とバインダとからなる光触媒含有層の場合は、光触媒含
有層の形成が容易であるという利点を有する。
法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真
空蒸着法等の真空製膜法を用いる方法を挙げることがで
きる。真空製膜法により光触媒含有層を形成することに
より、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒含有
層とすることが可能であり、これにより機能性薄膜の分
解除去を均一に行うことが可能であり、かつ光触媒のみ
からなることから、バインダを用いる場合と比較して効
率的に機能性薄膜上の分解除去を行うことが可能とな
る。
形成方法としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合
は、基材上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成によ
り結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。
ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩
化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、
脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキ
シチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブト
キシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合
物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得る
ことができる。次いで、400℃〜500℃における焼
成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜
700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性するこ
とができる。
の主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないよ
うな高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例え
ばオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
ンダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒
とバインダであるオルガノポリシロキサンとを必要に応
じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製
し、この塗布液を基材上に塗布することにより形成する
ことができる。使用する溶剤としては、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好まし
い。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコ
ート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法
により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型
の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理
を行うことにより光触媒含有層を形成することができ
る。
を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一
般式SiX4で表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エ
トキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、そ
れらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量
3000以下のポリシロキサンが好ましい。
ライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が
挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆
体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、
基材上に空気中の水分により加水分解させてシラノール
を形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触
媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を10
0℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面
の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あ
るいは2種以上を混合して用いることができる。
光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜
40重量%の範囲で設定することができる。また、光触
媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ま
しい。
インダの他に、界面活性剤を含有させることができる。
具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL B
L、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デ
ュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)
製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工
業(株)製メガファックF−141、144、ネオス
(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキ
ン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリ
ーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフ
ッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙
げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもでき
る。
剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
有層側基板3は、少なくとも基材1とこの基材1上に形
成された光触媒含有層2とを有するものである。
は、後述するパターン形成工程におけるエネルギーの照
射方向や、得られるパターン形成体が透明性を必要とす
るか等により適宜選択される。
なものを基体として用いる場合においては、エネルギー
照射方向は必然的に光触媒含有層側基板側からとなり、
図1(b)に示すように、フォトマスク7を光触媒含有
層側基板3側に配置して、エネルギー照射をする必要が
ある。また、後述するように光触媒含有層側基板に光触
媒含有層側遮光部を予め所定のパターンで形成してお
き、この光触媒含有層側遮光部を用いてパターンを形成
する場合においても、光触媒含有層側基板側からエネル
ギーを照射する必要がある。このような場合、基材は透
明性を有するものであることが必要となる。
あれば、パターン形成体用基板側にフォトマスクを配置
してエネルギーを照射することも可能である。また、後
述するようにこのパターン形成体用基板内にパターン形
成体側遮光部を形成する場合は、パターン形成体用基板
側からエネルギーを照射する必要がある。このような場
合においては、基材の透明性は特に必要とされない。
有するもの、例えば樹脂製フィルム等であってもよい
し、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であっ
てもよい。これは、後述するパターン形成工程における
エネルギー照射方法により適宜選択されるものである。
側基板に用いられる基材は特にその材料を限定されるも
のではないが、本発明においては、この光触媒含有層側
基板は、繰り返し用いられるものであることから、所定
の強度を有し、かつその表面が光触媒含有層との密着性
が良好である材料が好適に用いられる。
プラスチック等を挙げることができる。
を向上させるために、基材上にアンカー層を形成するよ
うにしてもよい。このようなアンカー層としては、例え
ば、シラン系、チタン系のカップリング剤等を挙げるこ
とができる。
状に形成された光触媒含有層側遮光部が形成されたもの
を用いても良い。このように光触媒含有層側遮光部を有
する光触媒含有層側基板を用いることにより、露光に際
して、フォトマスクを用いたり、レーザ光による描画照
射を行う必要がない。したがって、光触媒含有層側基板
とフォトマスクとの位置合わせが不要であることから、
簡便な工程とすることが可能であり、また描画照射に必
要な高価な装置も不必要であることから、コスト的に有
利となるという利点を有する。
光触媒含有層側基板は、光触媒含有層側遮光部の形成位
置により、下記の二つの実施態様とすることができる。
上に光触媒含有層側遮光部12を形成し、この光触媒含
有層側遮光部12上に光触媒含有層2を形成して、光触
媒含有層側基板3とする実施態様である。もう一つは、
例えば図4に示すように、基材1上に光触媒含有層2を
形成し、その上に光触媒含有層側遮光部12を形成して
光触媒含有層側基板3とする実施態様である。
クを用いる場合と比較すると、光触媒含有層側遮光部
が、上記光触媒含有層と機能性薄膜とが間隙をもって位
置する部分の近傍に配置されることになるので、基材内
等におけるエネルギーの散乱の影響を少なくすることが
できることから、エネルギーのパターン照射を極めて正
確に行うことが可能となる。
層側遮光部を形成する実施態様においては、光触媒含有
層と機能性薄膜とを所定の間隙をおいて配置する際に、
この光触媒含有層側遮光部の膜厚をこの間隙の幅と一致
させておくことにより、上記光触媒含有層側遮光部を上
記間隙を一定のものとするためのスペーサとしても用い
ることができるという利点を有する。
含有層と機能性薄膜とを接触させた状態で配置する際
に、上記光触媒含有層側遮光部と機能性薄膜とを密着さ
せた状態で配置することにより、上記所定の間隙を正確
とすることが可能となり、そしてこの状態で光触媒含有
層側基板からエネルギーを照射することにより、機能性
薄膜上にパターンを精度良く形成することが可能となる
のである。
の形成方法については、上述したパターン形成体用基板
におけるパターン形成体用基板側遮光部の形成方法と同
様であるので、ここでの説明は省略する。
側遮光部の形成位置として、基材と光触媒含有層との
間、および光触媒含有層表面の二つの場合について説明
したが、その他、基材の光触媒含有層が形成されていな
い側の表面に光触媒含有層側遮光部を形成する態様も採
ることが可能である。この態様においては、例えばフォ
トマスクをこの表面に着脱可能な程度に密着させる場合
等が考えられ、パターン形成体を小ロットで変更するよ
うな場合に好適に用いることができる。
マー層について説明する。本発明において、上述したよ
うに基材上に光触媒含有層側遮光部をパターン状に形成
して、その上に光触媒含有層を形成して光触媒含有層側
基板とする場合においては、上記光触媒含有層側遮光部
と光触媒含有層との間にプライマー層を形成してもよ
い。
明確なものではないが、光触媒含有層側遮光部と光触媒
含有層との間にプライマー層を形成することにより、プ
ライマー層は光触媒の作用による機能性薄膜の分解除去
を阻害する要因となる光触媒含有層側遮光部および光触
媒含有層側遮光部間に存在する開口部からの不純物、特
に、光触媒含有層側遮光部をパターニングする際に生じ
る残渣や、金属、金属イオン等の不純物の拡散を防止す
る機能を示すものと考えられる。したがって、プライマ
ー層を形成することにより、高感度で分解除去の処理が
進行し、その結果、高解像度のパターンを得ることが可
能となるのである。
触媒含有層側遮光部のみならず光触媒含有層側遮光部間
に形成された開口部に存在する不純物が光触媒の作用に
影響することを防止するものであるので、プライマー層
は開口部を含めた光触媒含有層側遮光部全面にわたって
形成されていることが好ましい。
有層側基板の光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層とが
接触しないようにプライマー層が形成された構造であれ
ば特に限定されるものではない。
は、特に限定されるものではないが、光触媒の作用によ
り分解されにくい無機材料が好ましい。具体的には無定
形シリカを挙げることができる。このような無定形シリ
カを用いる場合には、この無定形シリカの前駆体は、一
般式SiX4で示され、Xはハロゲン、メトキシ基、エ
トキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物であ
り、それらの加水分解物であるシラノール、または平均
分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
μmから1μmの範囲内であることが好ましく、特に
0.001μmから0.1μmの範囲内であることが好
ましい。
ンの形成について説明する。本発明のパターン形成工程
においては、上述した光触媒含有層および機能性薄膜を
200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、
所定の方向からエネルギーを照射し、上記機能性薄膜を
パターン状に分解除去し、機能性薄膜がパターン状に形
成されたパターン形成体とする。
および機能性薄膜の分解除去の効率の面を考慮して、1
00μ以下、特に0.2μm〜10μmの範囲内とする
ことが好ましい。
とを所定の間隔で離して配置することにより、酸素と水
および光触媒作用により生じた活性酸素種が脱着しやす
くなる。すなわち、上記範囲より光触媒含有層と機能性
薄膜との間隔を狭くした場合は、上記活性酸素種の脱着
がしにくくなり、結果的に機能性薄膜の分解除去の速度
を遅くしてしまう可能性があることから好ましくなく、
上記範囲より間隔を離して配置した場合は、生じた活性
酸素種が機能性薄膜に届き難くなり、この場合も機能性
薄膜の分解除去の速度を遅くしてしまう可能性があるこ
とから好ましくないのである。
た配置状態は、少なくとも露光の間だけ維持されればよ
い。
て光触媒含有層と機能性薄膜とを配置する方法として
は、例えばスペーサを用いる方法を挙げることができ
る。そして、このようにスペーサを用いることにより、
均一な間隙を形成することができると共に、このスペー
サが接触する部分は、光触媒の作用が機能性薄膜表面に
及ばないことから、このスペーサを上述したパターンと
同様のパターンを有するものとすることにより、機能性
薄膜上に所定のパターンを形成することが可能となる。
一つの部材として形成してもよいが、工程の簡略化等の
ため、上記光触媒含有層側基板調整工程の欄で説明した
ように、光触媒含有層側基板の光触媒含有層表面に形成
することが好ましい。なお、上記光触媒含有層側基板調
製工程における説明においては、光触媒含有層側遮光部
として説明したが、本発明においては、このようなスペ
ーサは機能性薄膜表面に光触媒の作用が及ばないように
表面を保護する作用を有すればよいものであることか
ら、特に照射されるエネルギーを遮蔽する機能を有さな
い材料で形成されたものであってもよい。
状態で、接触する部分へのエネルギー照射が行われる。
なお、本発明でいうエネルギー照射(露光)とは、光触
媒含有層による機能性薄膜表面を分解除去させることが
可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であ
り、可視光の照射に限定されるものではない。
400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範
囲から設定される。これは、上述したように光触媒含有
層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、
この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネ
ルギーとして、上述した波長の光が好ましいからであ
る。
としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノ
ンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げる
ことができる。
を介したパターン照射により行う方法の他、エキシマ、
YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方
法を用いることも可能である。
は、機能性薄膜表面が光触媒含有層中の光触媒の作用に
より機能性薄膜の分解除去が行われるのに必要な照射量
とする。
することにより、感度を上昇させることが可能となり、
効率的な分解除去を行うことができる点で好ましい。具
体的には30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ま
しい。
側遮光部もしくはパターン形成体用基板側遮光部が形成
されているか否か等のパターンの形成方法や、光触媒含
有層側基板もしくはパターン形成体用基板が透明である
か否かにより決定される。
れている場合は、光触媒含有層側基板側から露光が行な
われる必要があり、かつこの場合は光触媒含有層側基板
が照射されるエネルギーに対して透明である必要があ
る。なお、この場合、光触媒含有層上に光触媒含有層側
遮光部が形成され、かつこの光触媒含有層側遮光部を上
述したようなスペーサとしての機能を有するように用い
た場合においては、露光方向は光触媒含有層側基板側か
らでもパターン形成体用基板側からであってもよい。
成されている場合は、パターン形成体用基板側から露光
が行われる必要があり、かつこの場合は、パターン形成
体用基板が照射されるエネルギーに対して透明である必
要がある。なお、この場合も、機能性薄膜上にパターン
形成体用基板側遮光部が形成され、このパターン形成体
用基板側遮光部が上述したようなスペーサとしての機能
を有するように用いられた場合、露光方向は光触媒含有
層側基板側からでもパターン形成体用基板側からであっ
てもよい。
れている場合における露光方向は、上述したように、光
触媒含有層と機能性薄膜とが接触する部分にエネルギー
が照射されるのであればいかなる方向から照射されても
よい。
も、接触する部分にエネルギーが照射されるのであれば
いかなる方向から照射されてもよい。
クが配置された側からエネルギーが照射される。この場
合は、フォトマスクが配置された側の基板、すなわち光
触媒含有層側基板もしくはパターン形成体用基板のいず
れかが透明である必要がある。
と、光触媒含有層側基板が機能性薄膜との接触位置から
離され、これにより図1(d)に示すようにで機能性薄
膜がパターン状に分解除去されたパターン9が機能性薄
膜5上に形成される。
能性薄膜を、エネルギー照射に伴う光触媒の作用によ
り、エネルギーが照射された部分のみを除去し、これに
より、劣化等の問題がない機能性薄膜からなるパターン
を形成することができるのである。
のパターンを容易に形成することができることから、こ
の機能性薄膜の特性を利用して、後述するようにレジス
ト材としての用途、バイオチップとしての用途等に用い
ることが可能である。
り得られるパターン形成体は、その機能性薄膜の変化に
よる種々のパターンを容易に形成することが可能であ
る。例えば、機能性薄膜表面に凹部を有するパターンを
形成することが可能であり、これにより例えば後述する
マイクロ流体チップ用基板の凹部を形成することも可能
となる。このように、本発明で得られるパターン形成体
は種々の用途に用いることが可能である。
やパターンの形成方法により、上記表中にも記載したよ
うに種々のものを挙げることができる。その中の一例と
して、レジスト材およびバイオチップ用基材を挙げて説
明する。
て機能するものを用いることにより、レジストワークを
極めて簡便化することができる。
としての機能性薄膜が、何らかのエッチング剤に対して
耐性を有するレジスト材としての機能を有しており、基
体が基板上に被処理層が形成されている点に特徴を有す
るものである。
の機能を有するものであれば、上記パターン形成工程に
おいて、エネルギー照射時の光触媒の作用により、機能
性薄膜、すなわちレジスト材をパターン状に除去するこ
とが可能となる。この後、上記被処理層をエッチングす
ることができるエッチング剤を用いて現像することによ
り、被処理層のパターニングを容易に行なうことが可能
となる。そして、必要に応じて行われるレジスト材の剥
離は、同様に光触媒の存在下における露光、すなわち上
記パターン形成工程において行われる方法を用いること
により容易に剥離することができる。
光触媒の存在下におけるエネルギー照射により行うこと
が可能となる。したがって、レジスト材に対して光照射
による現像性の変化に関する材料設計をする必要がない
ことから、レジスト材の選択の自由度が極めて高いもの
となる。また、レジスト材の現像工程は基本的に必要が
なく、従って現像液を使う必要もない。よって、現像液
の処理等において問題が生じることはない。
を用いた導電性パターン形成体を得ることも可能であ
る。すなわち、上記基体を基板と基板上に形成された導
電性層とから形成し、上記レジスト材として機能する機
能性薄膜を用い、上記導電性層をエッチングする工程を
行うことにより、導電性パターン形成体を得ることがで
きるのである。
しては、例えば、プリント配線基板、電気的検出法用D
NAチップ、電気的検出法用タンパク質チップ、電気的
検出法用細胞チップ等の電気的検出法用バイオチップ用
機能性基板、電気泳動工程等の電力の入力を必要とする
化学チップ(Lab-on-a-Chip)、分析チップ等のマイク
ロ流体チップ用機能性基板等に用いることが可能とな
る。
ジスト材として用い、下地の金属薄膜をエッチングする
技術に関する参考文献としては、例えばアルカンチオレ
ート膜/Auの組み合わせとしては、J. L. Wilbur et a
l., Advanced Materials, vol. 6, 600-604 (1994) を
挙げることができる。また。アルカンチオレート類/Ag
の組み合わせとしては、Younan Xie et al., Journal o
f the ElectrochemicalSociety, vol. 143, 1070-1079
(1996)を挙げることができる。さらに、アルカンカンチ
オレート膜/Cuの組み合わせとしては、Younan Xie et
al., Chemistryof Materials, vol. 8, 601-603 (1996)
を挙げることができる。
することができる固定化膜とすることにより、容易にバ
イオチップ用基材を製造することができる。すなわち、
機能性薄膜として生体物質と付着性(生体物質の固定化
性)を有する固定化膜を用い、これを基体上の全面に付
着させる。次いで、パターン形成工程において、必要な
部分を残してこの固定化膜を分解除去する。これによ
り、高精細なパターンを有するバイオチップ用基材を得
ることができるのである。
物質を固定化させることにより、バイオチップを得るこ
とができる。このようなバイオチップ表面では、上記機
能性薄膜が固定化層として働き、ここにDNAやタンパク
質等の生体物質が固定化されて種々の用途に用いられる
のである。
を不溶性担体に固定化したバイオリアクターの研究開発
において盛んに研究された固定化技術を応用することが
できる。その技術内容については、例えば、千畑一郎
編、“固定化酵素”、講談社サイエンティフィック、19
75及び、その参考文献に詳しい。
化、イオン結合(静電的相互作用)による固定化、物理
的吸着による固定化の3種に大別することができる。本
発明に関する生体物質の固定化においては、一般的に基
板上に生体物質を一層固定化する。そのため、生体物質
の脱着があってはならず、この点で物理的吸着による固
定化技術は不適である。よって、本発明に関する生体物
質の固定化法としては、共有結合による固定化及びイオ
ン結合(静電的相互作用)による固定化が適していると
いえる。
機能性薄膜がカルボニル基(アルデヒド基)を有する場
合は、生体物質のアミノ基と直接反応させていわゆる
“シッフ塩基”を形成し固定化することができる。ま
た、機能性薄膜がアミノ基を有する場合は、生体物質と
共に系中にグルタルアルデヒドなどの架橋剤を共存させ
て直接“シッフ塩基”を形成し固定化することができ
る。しかし、機能性薄膜あるいは生体物質の官能基のい
ずれかを活性化させた後に固定化反応させる技術の方が
参考にできる多様な報告例がある。この時、生体物質が
タンパク質の場合は、活性化処理中に構造が損なわれる
など悪影響が生じる可能性があるので、一般に機能性薄
膜を活性化させることが好ましい。
有する場合はジアゾ化により活性化する方法、機能性薄
膜が有する官能基がカルボキシル基の場合はアジド化、
クロリド化、イミド化、イソシアナート化などにより活
性化する方法、水酸基の場合は臭化シアンで活性化する
方法、エチルクロロフォルメートで活性化する方法など
が挙げられる。
法を用いる場合があり、このような場合は上記バイオチ
ップ用基材表面に電極を形成する必要がある。この際に
は、上述したレジスト材の欄で説明した方法により電極
を形成してもよく、また一般的なフォトレジスト法等に
より形成するようにしてもよい。
定化膜を全面に付着させ、この上に全面にわたって生体
材料を固定化させておき、その後上記パターン形成工程
により、生体材料のみ、もしくは生体材料および固定化
膜を分解除去することによりバイオチップを得るように
してもよい。
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
ン:φ200μm、ピッチ500μm)表面に、テイカ
(株)製の光触媒用酸化チタンコーティング剤TKC3
01をコーティングし、350℃で3時間乾燥させ、光
触媒含有層側基板を調整した。
ト済みスライドガラス(松浪ガラス製)を被露光基板と
して用い、上記光触媒含有層側基板を該露光基板上にソ
フトコンタクトさせ、常温・常圧下で紫外線露光した。
その結果、露光部のポリリジンがエッチングされ親水性
表面となり、直径約200μmのポリリジンパターンが
規則的に配置された、パターン化ポリリジン付き基板を
作製することができた。
の化学蒸着により自然酸化膜付きシリコンウェハ表面を
疎水化した。これを被露光基板とし、実施例1と同様の
光触媒含有層側基板(遮光部パターン:φ200μm、
ピッチ500μm)を該基板上にギャップ10μmでセ
ットし、紫外線露光した。その結果、露光部のオクタデ
シル基がエッチングされ基板表面のシラノ−ル基が露出
した。この基板をグリシジルプロピルトリメトキシシラ
ンの1%イソプロパノール溶液に24時間浸漬した。そ
の後、基板をイソプロパノール、エタノール、水の順で
洗浄し、表面にパターン状にグリシジルプロピル基を有
し周囲をオクタデシル基でマスクされたシリコンウェハ
を得た。
さ5cm、深さ50μmの溝とアライメントマークが形
成された10cm角のポリスチレン板をUV/オゾン処
理した後、ポリジアリルジメチルアンモニウム(PDD
A)の0.4%溶液に2分間浸漬、イオン交換水で3分
間洗浄した。次いでポリスチレンスルホン酸(PSS)
の0.4%溶液に2分間浸漬、イオン交換水で3分間洗
浄した。次いでPDDA溶液に2分間浸漬、イオン交換
水で3分間洗浄した。この処理により、溝付きポリスチ
レン板の全面にPDDA/PSS/PDDA複合吸着膜
を形成した。
ク(遮光部パターン:幅210μm、長さ5cm)を用
いて実施例1と同様に光触媒含有層側基板を形成し、該
ポリスチレン板の上にアライメントし、ソフトコンタク
トさせて紫外線照射した。その結果、溝の底面および側
面以外のPDDA/PSS/PDDA複合吸着膜がエッ
チングされたポリスチレン板を得た。
ルギー照射に伴う光触媒の作用により分解除去されるこ
とから、エネルギー照射されていない領域のみに、特に
露光後の後処理も必要無く膜自体に機能性を有する機能
性薄膜がパターン状に形成されたパターンを劣化させる
ことなく容易に形成することが可能であり、種々の用途
展開を図ることが可能となる。
が、上述した範囲内であるので、効率よくかつ精度が良
好に機能性薄膜がパターン状に形成されたパターン形成
体を得ることができる。
す工程図である。
を示す概略断面図である。
例を示す概略断面図である。
例を示す概略断面図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 基体と、前記基体上に形成され、光触媒
の作用により分解除去され、かつ膜自体に機能性を有す
る機能性薄膜とを有するパターン形成体用基板を調製す
るパターン形成体用基板調製工程と、 光触媒を含有する光触媒含有層および基体を有する光触
媒含有層側基板における前記光触媒含有層と前記機能性
薄膜とを、200μm以下となるように間隙をおいて配
置した後、所定の方向からエネルギーを照射することに
より、前記機能性薄膜がパターン状に分解除去されたパ
ターンを形成するパターン形成工程とを有することを特
徴とするパターン形成体の製造方法。 - 【請求項2】 前記光触媒含有層側基板が、基材と、前
記基材上にパターン状に形成された光触媒含有層とから
なることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成体
の製造方法。 - 【請求項3】 前記光触媒含有層側基板が、基材と、前
記基材上に形成された光触媒含有層と、パターン状に形
成された光触媒含有層側遮光部とからなり、 前記パターン形成工程におけるエネルギーの照射が、光
触媒含有層側基板から行なわれることを特徴とする請求
項1に記載のパターン形成体の製造方法。 - 【請求項4】 前記光触媒含有層側基板において、前記
光触媒含有層側遮光部が前記基材上にパターン状に形成
され、さらにその上に前記光触媒含有層が形成されてい
ることを特徴とする請求項3に記載のパターン形成体の
製造方法。 - 【請求項5】 前記光触媒含有層側基板において、前記
基材上に光触媒含有層が形成され、前記光触媒含有層上
に前記光触媒含有層側遮光部がパターン状に形成されて
いることを特徴とする請求項3に記載のパターン形成体
の製造方法。 - 【請求項6】前記光触媒含有層が、光触媒からなる層で
あることを特徴とする請求項1から請求項5までのいず
れかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。 - 【請求項7】 前記光触媒含有層が、光触媒を真空製膜
法により基材上に製膜してなる層であることを特徴とす
る請求項6に記載のパターン形成体の製造方法。 - 【請求項8】 前記光触媒含有層が、光触媒とバインダ
とを有する層であることを特徴とする請求項1から請求
項5までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の
製造方法。 - 【請求項9】 前記光触媒が、酸化チタン(Ti
O2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、
チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タング
ステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、およ
び酸化鉄(Fe2O3)から選択される1種または2種
以上の物質であることを特徴とする請求項1から請求項
8までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製
造方法。 - 【請求項10】 前記光触媒が酸化チタン(TiO2)
であることを特徴とする請求項9記載のパターン形成体
の製造方法。 - 【請求項11】 前記機能性薄膜の膜厚が、0.5nm
〜300nmの範囲内であることを特徴とする請求項1
から請求項10に記載のパターン形成体の製造方法。 - 【請求項12】 前記機能性薄膜が、自己組織化単分子
膜、吸着膜、ラングミュア−ブロジェット膜、もしくは
交互吸着膜のいずれかであることを特徴とする請求項1
から請求項11までのいずれかの請求項に記載のパター
ン形成体の製造方法。 - 【請求項13】 前記機能性薄膜が、レジスト材として
の機能を有することを特徴とする請求項1から請求項1
2までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製
造方法。 - 【請求項14】 請求項13記載のパターン形成体の製
造方法において得られるパターン形成体の基体が、基板
と基板上に形成された導電性層とからなるものであり、
前記レジスト材としての機能を有する機能性薄膜をレジ
スト材として用い、前記導電性層をエッチングする工程
を有することを特徴とする導電性パターン形成体の製造
方法。 - 【請求項15】 請求項1から請求項12までのいずれ
かの請求項に記載のパターン形成体の製造方法において
得られるパターン形成体の機能性薄膜が、生体物質と付
着性を有することを特徴とするバイオチップ用基材の製
造方法。
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