JP4324355B2 - パターン形成体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機層表面に酸化されたパターンを有するパターン形成体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、基材上に図案、画像、文字、回路等の種々のパターンを形成するパターン形成体の製造方法としては、各種のものが製造されている。
【0003】
その中でも、無機層表面に酸化されたパターンを形成するパターン形成体は、例えば、半導体集積パターン等に利用されており、高精細なパターニングが必要とされている。このような半導体集積パターンの製造においては、導電層としてポリシランを使用する。この導電層上に紫外線照射によるパターニングを行い、紫外線の照射された部分を絶縁層化することにより、紫外線の照射されない部分が配線部および電極として形成される(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。また、原子間力顕微鏡(AFM)または走査型トンネル顕微鏡(STM)を利用した電界支援酸化手法によりナノスケールの微細な酸化パターンを形成する方法もある(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
しかしながら、上記のような従来の酸化層のパターニングの際には、強度の強い紫外線を用いても、長時間の紫外線照射を必要とし、このことは微細パターンのパターン精度の向上にも悪影響を及ぼす。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−291273号公報
【特許文献2】
特開平10−268521号公報
【特許文献3】
特開平10−12859号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、無機層表面への短時間のエネルギー照射により、高精細な酸化パターンを形成するパターン形成体の簡便な製造方法を提供することが望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1に記載するように、光触媒を含有する光触媒含有層および基材を有する光触媒含有層側基板と、前記光触媒含有層中の光触媒の作用により表面が酸化される無機層を有するパターン形成体用基板とを、前記光触媒含有層および前記無機層が密着、もしくは200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、光触媒含有層を透過した、または透過するパターン状の光を無機層に照射し上記光照射した部分の無機層の表面を酸化させ、次いで光触媒含有層側基板を取り外すことにより、無機層表面に酸化されたパターンを有するパターン形成体を得ることを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。
【0008】
このように、本発明においては、光触媒含有層と無機層とを所定の間隔で離して配置し、を照射することにより、照射した部分の無機層表面を酸化させてパターンを形成するものであるので、特にを照射することにより、効率よく照射した部分の無機層表面が酸化された酸化パターンを形成し、高精細な酸化パターンを有するパターン形成体を製造することができる。
【0009】
上記請求項1に記載の発明においては、請求項2に記載するように、上記パターン形成体用基板が、基体と上記基体上に形成された無機層とを有するものであってもよい。上記無機層が自己支持性がない場合、このような無機層を支持するために基体が必要であるからである。
【0010】
また、上記請求項1または請求項2に記載の発明においては、請求項3に記載するように、上記無機層が、ポリシラン、シリコン、あるいは金属を有することが好ましい。上記無機層が酸化されたパターンは、半導体集積パターン、フレキシブルスイッチ、バッテリー電極、太陽電池、センサー、帯電防止用保護膜、または電磁波シールド用筐体に適しているからである。
【0011】
上記請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項4に記載するように、上記光触媒含有側基板が、基材と、上記基材上にパターン状に形成された光触媒含有層とを有していてもよい。このように、光触媒含有層をパターン状に形成することにより、フォトマスクを用いることなく無機層表面に酸化されたパターンを形成することが可能となるからである。また、光触媒含有層のパターンに対向するパターン形成体用基板の無機層の領域のみ酸化されるものであるので、照射するは特に平行なに限られるものではなく、また、の照射方向も特に限定されるものではないことから源の種類および配置の自由度が大幅に増加するという利点を有する。
【0012】
また、上記請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項5に記載するように、上記光触媒含有層側基板が、基材と、上記基材上に形成された光触媒含有層と、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部とを有し、上記照射が、光触媒含有層側基板から行われるものであってもよい。このように、光触媒含有層側基板に、光触媒含有層と、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部とを有し、光触媒含有層側基板側からを照射することにより、フォトマスクを使用することなく、無機層表面に酸化されたパターンを形成することが可能となるからである。また、フォトマスクを用いないことから、フォトマスクの位置あわせ等の工程が不要となり、工程を簡略化することが可能となるからである。
【0013】
上記請求項5に記載の発明においては、請求項6に記載するように、上記光触媒含有層側基板において、上記基材上に上記光触媒含有層が形成され、上記光触媒含有層上に上記光触媒含有層側遮光部がパターン状に形成されているものであってもよく、請求項7に記載するように、上記光触媒含有層側基板において、上記光触媒含有層側遮光部が上記基材上にパターン状に形成され、さらにその上に上記光触媒含有層が形成されているものであってもよい。これにより、上記光触媒含有層側遮光部のみがパターン状に形成すればよく、上記光触媒含有層は全面に形成可能であることから、光触媒含有層側基板の形成が容易となり、コストや製造効率の面からも好ましいからである。
【0014】
また、上記請求項7に記載の発明においては、請求項8に記載するように、上記光触媒含有層側基板が、透明な基材上にパターン状に形成された上記光触媒含有層遮光部上にプライマー層を介して上記光触媒含有層が形成されたものであってもよい。これにより、光触媒含有層側遮光部のパターニングの際に生じる、光触媒含有層側遮光部もしくは光触媒含有層側遮光部間の開口部に存在する残渣等が、光触媒の作用に影響を与えることを防止することが可能となる。したがって、光触媒の感度を向上させることが可能であり、短時間の照射により酸化されたパターンを得ることができるからである。
【0015】
上記請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項9に記載するように、上記光触媒含有層が、光触媒からなる層であることが好ましい。上記光触媒含有層が、光触媒のみからなる層であれば、無機層表面を酸化させる効率を向上させることが可能であり、効率的にパターン形成体を製造することができるからである。
【0016】
上記請求項9に記載された発明においては、請求項10に記載するように、上記光触媒含有層が、光触媒を真空成膜法により基材上に成膜してなる層であることが好ましい。このように真空成膜法により光触媒含有層を形成することにより、表面の凹凸が少なく均一な膜厚の均質な光触媒含有層とすることが可能であり、無機層表面が酸化されたパターンの形成を均一に、かつ高効率で行うことができるからである。
【0017】
一方、請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項11に記載するように、上記光触媒含有層が、光触媒とバインダとを有する層であってもよい。このようにバインダを用いることにより、比較的容易に光触媒含有層を形成することが可能となり、結果的に低コストでパターン形成体の製造を行うことができるからである。
【0018】
上記請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項12に記載するように、上記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることが好ましく、中でも請求項13に記載するように、上記光触媒が酸化チタン(TiO)であることが好ましい。これは、二酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だからである。
【0019】
上記請求項1から請求項13までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項14に記載するように、上記照射が、上記光触媒含有層を加熱しながらなされることが好ましい。上記照射を、光触媒含有層を加熱しながら行うことによって、光触媒の効果を高めることが可能となり、短時間で効率的にパターンの形成を行うことが可能となるからである。
【0020】
上記請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項15に記載するように、上記無機層の表面に、上記光触媒含有層を対向させて照射する際に、上記光触媒含有層と、上記無機層表面との間隔を、0.2μm〜10μmの範囲内とすることが好ましい。上記のように照射する際に、上述した程度の微細な間隔を開けた状態で照射することにより、無機層の酸化をより効果的に行うことが可能となるからである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパターン形成体の製造方法について詳細に説明する。本発明のパターン形成体の製造方法は、光触媒を含有する光触媒含有層および基材を有する光触媒含有層側基板と、上記光触媒含有層中の光触媒の作用により酸化される無機層を有するパターン形成体用基板とを、上記光触媒含有層および上記無機層が200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、パターン状にエネルギーを照射し、エネルギー照射した部分の無機層の表面を酸化させ、次いで光触媒含有層側基板を取り外すことにより、無機層表面に酸化されたパターンを有するパターン形成体を得ることを特徴とするものである。
【0022】
このように、本発明のパターン形成体の製造方法においては、光触媒含有層および無機層が200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、パターン状にエネルギーを照射し、光触媒含有層中の光触媒の作用によりエネルギー照射した部分の無機層の表面が酸化され、無機層表面のエネルギー照射された部分、すなわち酸化された部分による酸化パターンが形成される。
【0023】
上記のような酸化パターンは、光触媒作用により生じたヒドロキシラジカルやスーパーオキシドアニオン等の活性酸素種が無機層表面に作用することにより、酸化が促進されて形成されると推定される。
【0024】
このような本発明のパターン形成体の製造方法について、図面を用いて説明する。なお、本発明におけるパターンとは、図案、画像、回路、文字等の種々の模様を示すものであり、特に限定されるものではない。
【0025】
図1は、本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示すものである。この製造方法においては、まず、基材1およびこの基材1上に形成された光触媒含有層2からなる光触媒含有層側基板3と、基体4およびこの基体4上に形成された無機層5からなるパターン形成体用基板6とを準備する。
【0026】
次に、この光触媒含有層側基板3の光触媒含有層2と、パターン形成体用基板6の無機層5とを、200μm以下になるように間隙をおいて配置する(図1(a)参照)。
【0027】
そして、このように光触媒含有層2と無機層5とを配置した状態で、必要とされるパターンのフォトマスク7を用い、これを介してエネルギー8を光触媒含有層側基板3側から照射する(図1(b)参照)。これにより、光触媒含有層2が形成されている部分の無機層5の表面を酸化して、酸化された領域9が形成される(図1(c)参照)。
【0028】
その後、光触媒含有層側基板3を取り外す(離す)ことにより、酸化された領域9と酸化されない領域10とからなる酸化パターンが形成されたパターン形成体6’を得ることができる(図1(d)参照)。
【0029】
以下、上述した製造方法を例として、本発明のパターン形成体の製造方法について詳しく説明する。
【0030】
1.光触媒含有層側基板
まず、本発明のパターン形成体の製造方法に用いられる光触媒含有層側基板について説明する。この光触媒含有層側基板は、少なくとも光触媒含有層と基材とを有するものであり、通常は基材上に所定の方法で形成された薄膜状の光触媒含有層が形成されてなるものである。また、この光触媒含有層側基板は、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部が形成されたものも用いることができる。以下、これらについてわけて説明する。
【0031】
(光触媒含有層)
本発明に用いられる光触媒含有層は、光触媒含有層中の光触媒が、間隙をあけて近接する無機層の表面を酸化させるような構成であれば、特に限定されるものではなく、光触媒とバインダとから構成されているものであってもよいし、光触媒単体で成膜されたものであってもよい。
【0032】
本発明において用いられる光触媒含有層は、例えば図1に示すように、光触媒含有層側基板3の基材1上に光触媒含有層2が全面に形成されたものであってもよいが、例えば図2に示すように、基材1上に光触媒含有層2がパターン状に形成されたものであってもよい。
【0033】
このように光触媒含有層をパターン状に形成することにより、光触媒含有層を無機層と所定の間隔をおいて配置させてエネルギーを照射する際に、フォトマスク等を用いるパターン照射をする必要がなく、全面に照射することにより、無機層表面に酸化された領域と酸化されない領域とからなる酸化パターンを形成することができる。
【0034】
この光触媒含有層のパターニング方法は、特に限定されるものではないが、例えばフォトリソグラフィー法等により行うことが可能である。
【0035】
また、このようにパターン状に形成された光触媒含有層と無機層とを対向させてエネルギー照射を行う場合には、実際に光触媒含有層の形成された部分のみが酸化されるものであるので、エネルギーの照射方向は上記光触媒含有層と無機層とが対向する部分にエネルギーが照射されるものであれば、いかなる方向から照射されてもよく、さらには、照射されるエネルギーも特に平行光等の平行なものに限定されないという利点を有するものとなる。
【0036】
この光触媒含有層における、後述するような二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、エネルギー照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、無機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。本発明においては、このキャリアが光触媒含有層上で近接する無機層中の化合物に作用を及ぼすものであると思われる。
【0037】
本発明で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0038】
本発明においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0039】
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0040】
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
【0041】
本発明における光触媒含有層は、上述したように光触媒単独で形成されたものであってもよく、またバインダと混合して形成されたものであってもよい。
【0042】
光触媒のみからなる光触媒含有層の場合は、無機層表面の酸化に対する効率が向上し、処理時間の短縮化等のコスト面で有利である。一方、光触媒とバインダとからなる光触媒含有層の場合は、光触媒含有層の形成が容易であるという利点を有する。
【0043】
光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法等の真空成膜法を用いる方法を挙げることができる。真空成膜法により光触媒含有層を形成することにより、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒含有層とすることが可能であり、これにより無機層の表面を均一に酸化させることが可能であり、かつ光触媒のみからなることから、バインダを用いる場合と比較して効率的に無機層表面を酸化させることが可能となる。
【0044】
また、光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合は、基材上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
【0045】
また、バインダを用いる場合は、バインダの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えばオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0046】
このようにオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することができる。
【0047】
また、バインダとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiXで表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0048】
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基材上に空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0049】
バインダを用いた場合の光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0050】
また、光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0051】
さらに、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0052】
(基材)
次に、本発明における光触媒含有層側基板の基材について説明する。本発明においては、例えば図1(a)に示すように、光触媒含有層側基板3は、少なくとも基材1とこの基材1上に形成された光触媒含有層2とを有するものである。この際、用いられる基材を構成する材料は、エネルギーの照射方向等により適宜選択される。
【0053】
光触媒含有層側基板に光触媒含有層側遮光部を予め所定のパターンで形成しておき、この光触媒含有層側遮光部を用いてパターンを形成する場合や、図1に示すように、光触媒含有層側基板3側にフォトマスク7を用いてパターンの形成を行う場合には、光触媒含有層側基板3側からエネルギー照射をする必要がある。このような場合、基材1は透明性を有するものであることが必要となる。
【0054】
一方、パターン形成体用基板にフォトマスクを配置して、エネルギーを照射することも可能である。このような場合においては、基材の透明性は特に必要とされない。
【0055】
また、本発明において用いられる基材は、可撓性を有するもの、例えば樹脂性フィルム等であってもよいし、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であってもよい。
【0056】
このように、本発明における光触媒含有層側基板に用いられる基材は、特にその材料を限定されるものではない。しかしながら、本発明においては、この光触媒含有層側基板は、繰り返し用いられるものであることから、所定の強度を有し、かつその表面が光触媒含有層との密着性が良好である材料が好適に用いられる。
【0057】
具体的には、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等を挙げることができる。
【0058】
なお、基材表面と光触媒含有層との密着性を向上させるために、基材上にアンカー層を形成するようにしてもよい。このようなアンカー層としては、例えば、シラン系、チタン系のカップリング剤等を挙げることができる。
【0059】
(光触媒含有層側遮光部)
次に、本発明における光触媒含有層側遮光部について説明する。本発明に用いられる光触媒含有層側基板には、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部が形成されたものを用いてもよい。このように光触媒含有層側遮光部を有する光触媒含有層側基板を用いることにより、エネルギー照射の際に、フォトマスクを用いたり、レーザ光による描画照射を行う必要がない。したがって、光触媒含有層側基板とフォトマスクとの位置合わせが不要であることから、簡便な工程とすることが可能であり、また描画照射に必要な高価な装置も不必要であることから、コスト的に有利となるという利点を有する。
【0060】
このような光触媒含有層側遮光部を有する光触媒含有層側基板は、光触媒含有層側遮光部の形成位置により、下記の二つの実施態様とすることができる。
【0061】
一つが、例えば図3に示すように、基材1上に光触媒含有層側遮光部11を形成し、この光触媒含有層側遮光部11上に光触媒含有層2を形成して、光触媒含有層側基板3とする実施態様である。もう一つは、例えば図4に示すように、基材1上に光触媒含有層2を形成し、その上に光触媒含有層側遮光部11を形成して光触媒含有層側基板3とする実施態様である。
【0062】
いずれの実施態様においても、フォトマスクを用いる場合と比較すると、光触媒含有層側遮光部が、上記光触媒含有層と無機層とが間隙をもって位置する部分の近傍に配置されることになるので、基材内等におけるエネルギーの散乱の影響を少なくすることができることから、エネルギーのパターン照射を極めて正確に行うことが可能となる。
【0063】
さらに、上記光触媒含有層上に光触媒含有層側遮光部を形成する実施態様においては、光触媒含有層と無機層とを所定の間隙をおいて配置する際に、この光触媒含有層側遮光部の膜厚をこの間隙の幅と一致させておくことにより、上記光触媒含有層側遮光部を、一定の上記間隙を保つためのスペーサとしても用いることができるという利点を有する。
【0064】
すなわち、所定の間隙をおいて上記光触媒含有層と無機層とを対向させた状態で配置する際に、上記光触媒含有層側遮光部と無機層とを密着させた状態で配置することにより、上記所定の間隙を正確とすることが可能となり、そしてこの状態で光触媒含有層側基板側からエネルギーを照射することにより、無機層表面に酸化パターンを精度良く形成することが可能となるのである。
【0065】
このような光触媒含有層側遮光部の形成方法は、特に限定されるものではなく、光触媒含有層側遮光部の形成面の特性や、必要とするエネルギーに対する遮蔽性等に応じて適宜選択されて用いられる。
【0066】
このような本発明における光触媒含有層側遮光部としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成されたものでもよい。このパターニングの方法としては、スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることができる。
【0067】
また、本発明における光触媒含有層側遮光部は、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層がパターン状に形成されたものあってもよい。用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。このよう樹脂製遮光部のパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
【0068】
なお、上記説明においては、光触媒含有層側遮光部の形成位置として、基材と光触媒含有層との間、および光触媒含有層表面の二つの場合について説明したが、その他、基材の光触媒含有層が形成されていない側の表面に光触媒含有層側遮光部を形成する態様も採ることが可能である。この態様においては、例えばフォトマスクをこの表面に着脱可能な程度に密着させる場合等が考えられ、酸化パターンを小ロットで変更するような場合に好適に用いることができる。
【0069】
(プライマー層)
次に、本発明における光触媒含有層側基板に用いられるプライマー層について説明する。本発明において、上述したように基材上に光触媒含有層側遮光部をパターン状に形成して、その上に光触媒含有層を形成して光触媒含有層側基板とする場合においては、上記光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層との間にプライマー層を形成してもよい。
【0070】
このプライマー層の作用・機能は必ずしも明確なものではないが、光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層との間にプライマー層を形成することにより、プライマー層は光触媒の作用による無機層の酸化を阻害する要因となる光触媒含有層側遮光部および光触媒含有層側遮光部間に存在する開口部からの不純物、特に、光触媒含有層側遮光部をパターニングする際に生じる残渣や、金属、金属イオン等の不純物の拡散を防止する機能を示すものと考えられる。したがって、プライマー層を形成することにより、高感度で無機層表面の酸化処理が進行し、その結果、高解像度のパターンを得ることが可能となるのである。
【0071】
なお、本発明においてプライマー層は、光触媒含有層側遮光部のみならず光触媒含有層側遮光部間に形成された開口部に存在する不純物が光触媒の作用に影響することを防止するものであるので、プライマー層は開口部を含めた光触媒含有層側遮光部全面に渡って形成されていることが好ましい。
【0072】
図5はこのようなプライマー層を形成した光触媒含有層側基板の一例を示すものである。光触媒含有層側基板3の光触媒含有層側遮光部11が形成された基材1の光触媒含有層側遮光部11が形成されている側の表面にプライマー層12が形成されており、このプライマー層12の表面に光触媒含有層2が形成されている。
【0073】
本発明におけるプライマー層は、光触媒含有層側基板の光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層とが接触しないようにプライマー層が形成された構造であれば特に限定されるものではない。
【0074】
このプライマー層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、光触媒の作用により分解されにくい無機材料が好ましい。具体的には無定形シリカを挙げることができる。このような無定形シリカを用いる場合は、この無定形シリカの前駆体は、一般式SiXで示され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物であり、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0075】
また、プライマー層の膜厚は、0.001μmから1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.001μmから0.1μmの範囲内であることが好ましい。
【0076】
2.パターン形成体用基板
次に、本発明に用いられるパターン形成体用基板について説明する。本発明に用いられるパターン形成体用基板は、上記光触媒含有層中の光触媒の作用により表面が酸化される無機層を少なくとも有するものであれば特に限定されるものではない。上記無機層が自己支持性を有しない場合は、例として図1(a)に示すように、基体4上に無機層5が形成されたパターン形成体用基板6であってもよく(以下第一実施態様とする)、また、無機層が自己支持性を有する場合は、例として図6に示すように、無機層5上のみからなるパターン形成体用基板6であってもよい(以下第二実施態様とする)。
【0077】
以下、それぞれの態様についてわけて説明する。
【0078】
(1)第一実施態様
本発明のパターン形成体用基板の第一実施態様は、無機層と基体とを有するパターン形成体用基板に関するものである。以下、それぞれ説明する。
【0079】
(無機層)
まず、本実施態様の無機層について説明する。本実施態様の無機層は、上述した光触媒含有層の作用により表面が酸化される層であれば、特に限定されるものではない。
【0080】
また、本実施態様においては、このような無機層が、乾式法、すなわち真空蒸着法等により形成されたものであってもよく、また湿式法、すなわちスピンコート法、ディップコート法、あるいはゾル-ゲル法等の方法により形成されたものであってもよい。
【0081】
このように、本実施態様における無機層は、上記光触媒の作用により表面が酸化される層であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリシラン、シリコン、あるいは金属を有することが好ましい。
【0082】
このように、エネルギー照射により表面が酸化される無機層とすることにより、上記光触媒含有層側基板を介したエネルギー照射を行うことにより容易に無機層の表面がパターン状に酸化され、酸化された領域と酸化されない領域とからなる酸化パターンを形成することが可能となる。
【0083】
また、本実施態様に用いられる無機層は、表面が光触媒の作用により酸化し得る材料で形成されたものであれば、自己支持性を有する材料であってもよく、また自己支持性を有さない材料であってもよい。なお、本実施態様でいう自己支持性を有するとは、他の支持材無しで有形な状態で存在し得ることをいうこととする。
【0084】
(基体)
次に、本実施態様における基体について説明する。本実施態様においては、図1(a)に示すように、基体4上に上記無機層5が設けられる。
【0085】
この基体としては、上記無機層を支持できるものであれば特に限定されるものでない。また、この基体は、可撓性を有するものであっても、可撓性を有さないものであってもよい。上記基体の材質は、パターン形成体の用途に応じて適宜選択される。
【0086】
(2)第二実施態様
次に本発明のパターン形成体用基板の第二実施態様について説明する。本実施態様のパターン形成体用基板は、無機層が自己支持性を有するものであり、例えば図6に示すように、無機層のみから構成されたパターン形成体用基板である。
【0087】
本実施態様の無機層は、上述した光触媒含有層の作用により表面が酸化される層であり、自己支持性を有する層であれば、特に限定されるものではない。
【0088】
本実施態様の無機層である自己支持性を有する材料としては、例えば、板状もしくはフィルム状のシリコンまたは金属等を挙げることができる。
【0089】
なお、本実施態様における無機層の形成方法およびエネルギー照射は、第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0090】
3.無機層と光触媒含有層の配置
次に、無機層と光触媒含有層との配置について説明する。本発明のパターン形成体の形成工程においては、ますエネルギー照射時に光触媒含有層と無機層とを光触媒の作用が及ぶように所定の間隙をおいて配置する必要があり、本発明においては、上述した光触媒含有層および無機層を200μm以下の間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射する。この際、光触媒含有層および無機層を密着させてもよい。
【0091】
本発明において上記間隙は、パターン精度が極めて良好であり、光触媒の感度も高く、したがって無機層表面の酸化の効率が良好である点を考慮すると特に0.2μm〜10μmの範囲内、好ましくは1μm〜5μmの範囲内とすることが好ましい。このような間隙の範囲は、特に間隙を高い精度で制御することが可能である小面積のパターン形成体用基板に対して特に有効である。
【0092】
一方、例えば300mm×300mmといった大面積のパターン形成体用基板に対して処理を行う場合は、接触することなく、かつ上述したような微細な間隙を光触媒含有層側基板とパターン形成体用基板との間に形成することは極めて困難である。したがって、パターン形成体用基板が比較的大面積である場合は、上記間隙は、10〜100μmの範囲内、特に50〜75μmの範囲内とすることが好ましい。間隙をこのような範囲内とすることにより、パターンがぼやける等のパターン精度の低下の問題や、光触媒の感度が悪化して酸化の効率が悪化する等の問題が生じることなく、さらに無機層表面の酸化にムラが発生しないといった効果を有するからである。
【0093】
このように比較的大面積のパターン形成体用基板にエネルギーを照射する際には、エネルギー照射装置内の光触媒含有層側基板とパターン形成体用基板との位置決め装置における間隙の設定を、10μm〜200μmの範囲内、特に25μm〜75μmの範囲内に設定することが好ましい。設定値をこのような範囲内とすることにより、パターン精度の大幅な低下や光触媒の感度の大幅な悪化を招くことなく、かつ光触媒含有層側基板とパターン形成体用基板とが接触することなく配置することが可能となるからである。
【0094】
このように光触媒含有層と無機層とを所定の間隔で離して配置することにより、酸素と水および光触媒作用により生じた活性酸素種が脱着しやすくなる。すなわち、上記範囲より光触媒含有層と無機層との間隔を狭くした場合は、上記活性酸素種の脱着がしにくくなり、結果的に酸化速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくない。また、上記範囲より間隔を離して配置した場合は、生じた活性酸素種が無機層に届き難くなり、この場合も酸化速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくない。
【0095】
本発明においては、このような配置状態は、少なくともエネルギー照射の間だけ維持されればよい。
【0096】
このような極めて狭い間隙を均一に形成して、光触媒含有層と無機層とを配置する方法としては、例えばスペーサを用いる方法を挙げることができる。そして、このようにスペーサを用いることにより、均一な間隙を形成することができると共に、このスペーサが接触する部分は、光触媒の作用が無機層表面に及ばないことから、このスペーサを上述したパターンと同様のパターンを有するものとすることにより、無機層表面に所定のパターンを形成することが可能となる。
【0097】
このようなスペーサを一つの部材として形成してもよいが、工程の簡略等のため、上記光触媒含有層側基板の光触媒含有層表面に形成することが好ましい。なお、上記「1.光触媒含有層側基板」中における説明おいては、光触媒含有層側遮光部として説明したが、本発明においては、このようなスペーサは無機層表面に光触媒の作用が及ばないように表面を保護する作用を有すればよいものであることから、特に照射されるエネルギーを遮蔽する機能を有さない材料で形成されたものであってもよい。
【0098】
4.対向する部分へのエネルギー照射
本発明においては、上述したような配置を維持した状態で、対向する部分へのエネルギー照射が行われる。なお、本発明でエネルギー照射(露光)とは、光触媒含有層による無機層表面を酸化させることが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、可視光の照射に限定されるものではない。
【0099】
通常このようなエネルギーに用いる光の波長は、400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定される。これは、上述したように光触媒含有層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
【0100】
このようなエネルギー照射に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。
【0101】
上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行う方法の他、エキシマ、YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
【0102】
また、エネルギー照射に際してのエネルギーの照射量は、光触媒含有層中の光触媒の作用により無機層表面が酸化されるのに必要な照射量とする。
【0103】
この際、光触媒含有層を加熱しながらエネルギー照射することにより、感度を上昇させることが可能となり、効率的な酸化を行うことができる点で好ましい。具体的には、30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ましい。
【0104】
本発明におけるエネルギー照射方向は、光触媒含有層側遮光部もしくはパターン状の光触媒含有層が形成されているか否か等のパターン形成体の形成方法や、光触媒含有層側基板もしくはパターン形成体用基板が透明であるか否かにより決定される。
【0105】
すなわち、光触媒含有層側基板に光触媒含有層側遮光部が形成されている場合は、光触媒含有層側基板側からエネルギー照射が行われる必要があり、かつ、この場合は光触媒含有層側基板が照射されるエネルギーに対して透明である必要がある。なお、この場合、光触媒含有層上に光触媒含有層側遮光部が形成され、かつ、この光触媒含有層側遮光部を上述したようなスペーサとしての機能を有するように用いた場合においては、エネルギー照射方法は光触媒含有層側基板側からでもパターン形成体用基板側からであってもよい。
【0106】
一方、光触媒含有層がパターン状に形成されている場合におけるエネルギー照射方向は、光触媒含有層と無機層とが対向する部分にエネルギーが照射されるのであれば、いかなる方向から照射されてもよく、フォトマスク等を用いることなくエネルギー照射のパターン照射を行うことができる。
【0107】
同様に、上述したスペーサを用いる場合も、対向する部分にエネルギーが照射されるのであれば、いかなる方向から照射されてもよい。フォトマスク等を用いることなくエネルギー照射のパターニングを行うことができる。
【0108】
フォトマスクを用いる場合は、フォトマスクが配置された側からエネルギーが照射される。この場合は、フォトマスクが配置された側の基板、すなわち光触媒含有層側基板もしくはパターン形成体用基板のいずれかが透明であることが必要である。
【0109】
5.光触媒含有層側基板の取り外し
上述したようなエネルギー照射が終了すると、光触媒含有層側基板が無機層との配置位置から離され、これにより図1(d)に示すようにパターン形成体6’が得られる。このようにして得られたパターン形成体は、表面に無機層表面が酸化された領域と酸化されない領域とからなる酸化パターンを有するものである。
【0110】
6.パターン形成体
次に、パターン形成体について説明する。本発明のパターン形成体は、上記「2.パターン形成体用基板」の項で説明したパターン形成体用基板上に、無機層表面が酸化された領域と酸化されない領域とからなる酸化パターンが形成されたものである。この無機層の材料としては、上述したパターン形成体用基板の項で説明した材料を用いることができ、具体的に形成されるパターンとしては、パターン形成体において、無機層が酸化されない領域と無機層が酸化された領域とからなる酸化パターンが形成されていることをいう。
【0111】
また、本発明のパターン形成体において、形成された酸化パターン間の幅は、0.1〜1000μmであることが好ましく、特に好ましくは1〜10μmの範囲内である。ただし、この酸化パターン間の幅は用途に応じて適宜決定される。
【0112】
なお、本発明のパターン形成体のその他の構成に関しては、上述した「2.パターン形成体用基板」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0113】
本発明のパターン形成体は、パターン形成体自体が機能性素子として機能性を有するものであってもよい。また、本発明のパターン形成体は、その無機層の酸化により形成された酸化パターンに沿って、機能性部形成用組成物を付着させることにより、種々の機能性素子を得ることが可能である。例えば、無機電解質溶液中にパターン形成体を浸し、電気を通すと、パターン形成体の酸化されない領域に無機層とは異なる金属を析出させることができる。これにより、回路パターンが形成され、半導体集積回路等に利用できる。
【0114】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0115】
【実施例】
以下、本発明について、実施例を通じてさらに詳述する。
【0116】
[実施例1]
<光触媒含有層側基板の製造方法>
トリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)5gと0.5規定塩酸2.5gを混合し、8時間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより10倍に希釈しプライマー層用組成物とした。
【0117】
上記プライマー層用組成物を、フォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明なプライマー層(厚み0.2μm)を形成した。
【0118】
次に、イソプロピルアルコール30gとトリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと光触媒無機コーティング剤であるST−K03(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒含有層用組成物とした。
【0119】
上記光触媒含有層用組成物を、プライマー層が形成されたフォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な光触媒含有層(厚み0.15μm)を形成した。
【0120】
<露光によるパターン形成体の製造方法>
光触媒含有層側基板と銅箔とをアライメントをとり、100μmのギャップを設けて対向させて、フォトマスク側からDeep−UVランプ(ウシオ電機製、波長254nm 10mW/cm)により300秒間露光し、未露光部とCu−O結合を持つ露光部がパターン状に形成されたパターン形成体を作製した。
【0121】
[実施例2]
<光触媒含有層側基板の製造方法>
トリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)5gと0.5規定塩酸2.5gを混合し、8時間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより10倍に希釈しプライマー層用組成物とした。
【0122】
上記プライマー層用組成物を、フォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明なプライマー層(厚み0.2μm)を形成した。
【0123】
次に、イソプロピルアルコール30gとトリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと光触媒無機コーティング剤であるST−K03(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒含有層用組成物とした。
【0124】
上記光触媒含有層用組成物を、プライマー層が形成されたフォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な光触媒含有層(厚み0.15μm)を形成した。
【0125】
<ポリシランの製造方法>
窒素気流下に、金属ナトリウム5.06g(220mmol)をトルエン60ml中に添加し、高速で撹拌しながら110℃に加熱し分散させた。これにフェニルメチルジクロルシラン19.1g(100mmol)を撹拌下にゆっくり滴下した。原料が消失するまで4時間撹拌し、反応を完結させた。次いで、放冷後、塩を濾過し濃縮して、ポリシラン粗生成物10.0g(粗収率83%)を得た。このポリマーは再度30mlのトルエンに溶解させ、その溶液にヘキサン120mlを添加し析出分離して、重量平均分子量45,000のフェニルメチルポリシラン6.6g(収率55%)を得た。
【0126】
<パターン形成体用基板の製造方法>
上記製造したフェニルメチルポリシランをトルエンに溶解して10重量%のポリシラン溶液を調製した。ガラス基板上にこのポリシラン溶液を3,000rpm,10秒でスピンコートし、2mmHg/50℃で乾燥させて、厚さ1.0μmのポリシラン膜を形成し、これをパターン形成用基板とした。
【0127】
<露光によるパターン形成体の製造方法>
光触媒含有層側基板とパターン形成体用基板とをアライメントをとり、100μmのギャップを設けて対向させて、フォトマスク側からDeep−UVランプ(ウシオ電機製、波長254nm 10mW/cm)により5秒間露光し、ポリシランの未露光部とSi−O結合を持つポリシランの露光部がパターン状に形成されたパターン形成体を作製した。
【0128】
このとき、未露光部及び露光部と水との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、それぞれ、66°と10°であった。
【0129】
[比較例1]
光触媒含有層側基板を用いずに露光する以外は実施例2同様に露光した結果、5秒の露光では、Si−O結合は形成されず、濡れ性の変化もほとんど無かった。
【0130】
【発明の効果】
本発明においては、光触媒含有層と無機層とを所定の間隔で離して配置し、エネルギーを照射することにより、エネルギー照射した部分の無機層表面を酸化させてパターンを形成するものであるので、特にエネルギーを照射することにより、効率よくエネルギー照射した部分の無機層表面が酸化された酸化パターンを形成し、高精細な酸化パターンを有するパターン形成体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明に用いられるパターン形成体用基板の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 … 基材
2 … 光触媒含有層
3 … 光触媒含有層側基板
4 … 基体
5 … 無機層
6 … パターン形成体用基板
6’ … パターン形成体
7 … フォトマスク
8 … エネルギー
9 … 酸化された領域
10 … 酸化されない領域
11 … 光触媒含有層側遮光部
12 … プライマー層

Claims (15)

  1. 光触媒を含有する光触媒含有層および基材を有する光触媒含有層側基板と、前記光触媒含有層中の光触媒の作用により表面が酸化される無機層を有するパターン形成体用基板とを、前記光触媒含有層および前記無機層が密着、もしくは200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、光触媒含有層を透過した、または透過するパターン状の光を無機層に照射し前記光照射した部分の無機層の表面を酸化させ、次いで光触媒含有層側基板を取り外すことにより、無機層表面に酸化されたパターンを有するパターン形成体を得ることを特徴とするパターン形成体の製造方法。
  2. 前記パターン形成体用基板が、基体と、前記基体上に形成された無機層とを有することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成体の製造方法。
  3. 前記無機層が、ポリシラン、シリコン、あるいは金属を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成体の製造方法。
  4. 前記光触媒含有層側基板が、基材と、前記基材上にパターン状に形成された光触媒含有層とを有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  5. 前記光触媒含有層側基板が、基材と、前記基材上に形成された光触媒含有層と、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部とを有し、前記照射が、光触媒含有層側基板から行われることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  6. 前記光触媒含有層側基板において、前記基材上に前記光触媒含有層が形成され、前記光触媒含有層上に前記光触媒含有層側遮光部がパターン状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のパターン形成体の製造方法。
  7. 前記光触媒含有層側基板において、前記光触媒含有層側遮光部が前記基材上にパターン状に形成され、さらにその上に前記光触媒含有層が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のパターン形成体の製造方法。
  8. 前記光触媒含有層側基板が、透明な基材上にパターン状に形成された前記光触媒含有層側遮光部上にプライマー層を介して前記光触媒含有層が形成されたものであることを特徴とする請求項7に記載のパターン形成体の製造方法。
  9. 前記光触媒含有層が、光触媒からなる層であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  10. 前記光触媒含有層が、光触媒を真空成膜法により基材上に成膜してなる層であることを特徴とする請求項9に記載のパターン形成体の製造方法。
  11. 前記光触媒含有層が、光触媒とバインダとを有する層であることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  12. 前記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  13. 前記光触媒が酸化チタン(TiO)であることを特徴とする請求項12記載のパターン形成体の製造方法。
  14. 前記照射が、前記光触媒含有層を加熱しながらなされることを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  15. 前記無機層の表面に、前記光触媒含有層を対向させて照射する際に、前記光触媒含有層と、前記無機層表面との間隔を、0.2μm〜10μmの範囲内とすることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
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