JP2003226787A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2003226787A
JP2003226787A JP2002027390A JP2002027390A JP2003226787A JP 2003226787 A JP2003226787 A JP 2003226787A JP 2002027390 A JP2002027390 A JP 2002027390A JP 2002027390 A JP2002027390 A JP 2002027390A JP 2003226787 A JP2003226787 A JP 2003226787A
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thermoplastic resin
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JP2002027390A
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English (en)
Inventor
Yasushi Seta
寧 瀬田
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Riken Technos Corp
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Riken Technos Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉状体成形時のガス化、ピンホール、ブロッ
キング等を解決し、耐候性、耐傷つき性、耐熱性に優
れ、且つ、裏面の平滑な成形品を与える粉状体成形用熱
可塑性樹脂組成物を提供。 【解決手段】 (a)エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸
化物 1〜60質量部、(b)ポリエチレン 1〜90
質量部、(c)親水性官能基を有する架橋剤架橋型ポリ
オレフィン系樹脂 1〜60質量部、(d)親水性官能
基を有するエラストマー及び/又はエラストマー組成物
1〜60質量部(但し、(a)+(b)+(c)+
(d)=100質量部)を主成分とする熱可塑性樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成
物及びそれからなる成形体に関し、特に粉状体成形用の
熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を用いた粉状体成形は、複
雑な形状の成形に適すること、材料歩留まりの高いこ
と、成形品の肉厚の均一化が容易なことなどから、玩
具、自動車内装部品等の成形法として、広く用いられて
いる。この粉状体成形は、ペレット状、もしくは粉末状
の熱可塑性樹脂材料を加熱した金型の内壁または外壁に
接触させて、材料を金型に付着溶融させることで行われ
ている。このような粉状体成形の特徴から、金型に付着
した熱可塑性樹脂材料は、短時間のうちに融解して成形
品にピンホールを形成しないこと、金型表面の「しぼ」
を転写すること、金型の細部にまで材料が行きわたるこ
となどが求められている。また、成形の際には、金型に
付着しなかった材料は、原料箱へ回収され、次回の成形
に再度使用されることになるため、この回収された材料
表面の一部が先の成形時に受けた熱履歴により融解し、
粉末同士の凝集(以下、ブロッキングと言う)を起こさ
ないことも必要である。
【0003】従来、粉状体成形用の熱可塑性樹脂原料と
しては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂などが使用されてきた
が、それぞれ以下のような欠点を抱えていた。ポリ塩化
ビニル樹脂は、低分子量の可塑剤を大量に含有するた
め、可塑剤の凝固点以下ではソフト感が失われてしまう
という問題がある。また長期の使用において可塑剤の成
形体表面への移行による艶消し効果やソフト感の消失と
いった問題もある。ポリオレフィン系樹脂は、安価で優
れた耐候性を有するが、粉状体成形性や耐傷つき性に劣
るという難点がある。耐傷つき性を塗装等の表面加飾に
よって改良することも検討されているが、コストが高く
なり実用的ではない。熱可塑性ポリウレタン系樹脂は、
成形サイクルが長く、成形時に糸引きや、ブロッキング
を起こしやすいという問題がある。また、成形品の裏面
が滑らかで無く、後加工において、該裏面上で発泡性樹
脂を成形する際に、凹凸部分から発泡したガスがもれる
という問題がある。さらに、高価で、耐候性、難燃性に
劣るという問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粉状体成形
における上記の諸問題点、成形時のガス化、ピンホール
の発生、ブロッキングの発生等の問題を解決し、耐候
性、耐傷つき性、耐熱性に優れ、且つ、裏面の平滑な成
形品を与える熱可塑性樹脂組成物、該熱可塑性樹脂組成
物からの成形体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、特定量のエチレン−酢酸
ビニル共重合体鹸化物、ポリエチレン、親水性官能基を
有する架橋剤架橋型ポリオレフィン系樹脂、親水性官能
基を有するエラストマー及び/又はエラストマー組成物
を含有する熱可塑性樹脂組成物が、粉状体成形における
成形時のガス化、ピンホールの発生、ブロッキングの発
生等を解決し、耐候性、耐傷つき性、耐熱性に優れ、か
つ、裏面の平滑な成形品を与える熱可塑性樹脂組成物と
なることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の第1の発明は、下記
(a)、(b)、(c)、(d)成分を主成分とする熱
可塑性樹脂組成物である。 (a)エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物 1〜60
質量部 (b)ポリエチレン 1〜75 質量部 (c)親水性官能基を有する架橋剤架橋型ポリオレフィ
ン系樹脂 1〜60質量部 (d)親水性官能基を有するエラストマー及び/又はエ
ラストマー組成物 1〜60質量部 (但し、(a)+(b)+(c)+(d)=100質量
部)
【0007】また、本発明の第2の発明は、(e)有機
過酸化物 0.001〜5質量部をさらに配合し、溶融
混練して得られることを特徴とする第1の発明に記載の
熱可塑性樹脂組成物である。
【0008】また、本発明に第3の発明は、(c)親水
性官能基を有する架橋剤架橋型ポリオレフィン系樹脂
が、エチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴と
する第1又は2の発明に記載の熱可塑性樹脂組成物であ
る。
【0009】また、本発明の第4の発明は、(d)親水
性官能基を有するエラストマー及び/又はエラストマー
組成物が、(dα)親水性官能基を有する架橋剤架橋型
エラストマー20〜95質量%、及び(dβ)親水性官
能基を有する架橋剤分解型樹脂80〜5質量%からなる
組成物[(dα)+(dβ)の合計]100質量部に対
して、有機過酸化物0.001〜5質量部を配合し溶融
混練して得られることを特徴とする第1〜3のいずれか
の発明に記載の熱可塑性樹脂組成物である。
【0010】また、本発明の第5の発明は、(dα)親
水性官能基を有する架橋剤架橋型エラストマーが、エチ
レン−アクリル酸メチル共重合体エラストマーであり、
(dβ)親水性官能基を有する架橋剤分解型樹脂が、ポ
リエステル系樹脂であることを特徴とする第4の発明に
記載の熱可塑性樹脂組成物である。
【0011】また、本発明の第6の発明は、第1〜5の
いずれかの発明に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる粉
状体成形用のペレット又は粉末である。
【0012】また、本発明の第7の発明は、第6の発明
に記載の粉状体成形用のペレット又は粉末からなる成形
体である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性樹脂組成物を構
成する各成分について以下に説明する。
【0014】1.熱可塑性樹脂組成物の構成成分 (1)エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物(a) 本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体鹸化物(a)成分は、熱可塑性樹脂組成物
の粉状体成形の成形性、特にピンホールの発生の抑制、
成形体裏面の平滑性を付与する機能を果たす成分であ
る。成分(a)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を鹸
化した化合物(以下、EVOHという)であって、下記
の、、を満たすものが好ましい。
【0015】 酢酸ビニル単位の鹸化度 本発明で用いるEVOHの酢酸ビニル単位の鹸化度は、
70モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ま
しく、90モル%以上が最も好ましい。鹸化度が低過ぎ
ると、溶融混練時の熱履歴や架橋剤の作用により架橋し
て粉状体成形性が不充分になりやすい。
【0016】 エチレンの含有量 本発明で用いるEVOHのエチレン含有量は、30〜9
8モル%が好ましく、50〜95モル%がより好まし
い。エチレン含有量が少なすぎると、EVOHが高融点
になり粉状体成形性が不充分になりやすく、また、エチ
レン含有量が多すぎると、質量あたりの融解熱量が大き
くなり粉状体成形性が不充分になりやすい。
【0017】 メルトフローレート(MFR) 本発明で用いるEVOHのMFR(JIS K6924
−2準拠、190℃、荷重21.18Nで測定)は、好
ましくは5g/10分以上、より好ましくは10〜10
00g/10分、最も好ましくは20〜500g/10
分である。MFRが低すぎる場合は、流動性が低いため
粉状体成形性が不充分になりやすく、MFRが高すぎる
場合は、機械物性、耐熱性に劣るものになりやすい。
【0018】成分(a)の配合量は、以下に述べる成分
(b)、成分(c)及び成分(d)との合計を100質
量部とすると、1〜60質量部であり、好ましくは2〜
50質量部であり、より好ましくは3〜45質量部であ
る。成分(a)の配合量が、1質量部より少ないと成形
性が悪く、ピンホールが発生し、成形品裏面の平滑性も
悪化する。また、成分(a)の配合量が60質量部を超
えると耐熱性及び柔軟性が低下する。
【0019】(2)ポリエチレン(b) 本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いるポリエチレン
(b)成分は、1質量部以上配合することにより、粉状
体成形時に発生するブロッキングの抑制、及び粉砕する
ことにより粉末状の熱可塑性樹脂組成物を得るときに粉
砕動力を小さく、粉砕歩留まりを向上でき、粉体流動性
に優れたものを得やすくする機能を発揮する成分であ
る。成分(b)は、下記の、を満たすものが好まし
い。
【0020】 密度 本発明で用いるポリエチレンの密度は、好ましくは94
0Kg/m以下、より好ましくは935Kg/m
下であり、最も好ましくは930Kg/m以下であ
る。940Kg/mを越えるものは融解熱量が大きい
ために裏面の平滑度が不充分になりやすい。
【0021】 メルトフローレート(MFR) 本発明で用いるポリエチレンのMFR(JIS K69
24−2準拠、190℃、荷重21.18Nで測定)
は、好ましくは5g/10分以上、より好ましくは10
〜1000g/10分、最も好ましくは20〜500g
/10分である。MFRが低い場合は、熱可塑性樹脂組
成物の流動性が低いため、粉状体成形性が不充分になり
やすく、MFRの高い場合は機械物性、耐熱性に劣るも
のになりやすい。
【0022】本発明で用いるポリエチレンは、どのよう
な方法で製造されたものであってもよく、上記の物性を
満足していれば、長鎖分岐の有無やα−オレフィン等の
コモノマーの種類は、本発明の目的に対して実質的な影
響を及ぼすものではない。
【0023】成分(b)の配合量は、成分(a)、以下
に述べる成分(c)及び成分(d)との合計を100質
量部とすると、1〜75質量部であり、好ましくは1〜
70質量部である。成分(b)の配合量が75質量部を
超えると質量あたりの融解熱量が大きい成分であるため
成形体裏面の平滑度が低下し、成形品にピンホールが発
生する。
【0024】(3)親水性官能基を有する架橋剤架橋型
ポリオレフィン系樹脂(c) 本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いる親水性官能基を有
する架橋剤架橋型ポリオレフィン系樹脂(c)成分は、
熱可塑性樹脂組成物に柔軟性の機能を付与する成分であ
る。成分(c)としては、エチレンと親水性官能基を有
するコモノマーとの共重合体樹脂であって、例えば、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(EEA、EMM
A、EMA等)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体(EAA、EMAA等)などを挙げることができ、単
独でも、複数種を併用して用いてもよい。これらの中で
は、EVAが好ましく、成分(c)は、下記の、を
満たすものが好ましい。
【0025】 エチレン単位の含有量 本発明で用いる成分(c)のエチレン単位の含有量は、
95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ま
しく、70〜85モル%が最も好ましい。エチレン単位
の少な過ぎるものは柔軟性が不充分であり、エチレン単
位の多過ぎるものは耐熱性に劣るものになりやすい。
【0026】 メルトフローレート(MFR) 本発明で用いる成分(c)のMFR(JIS K692
4−2準拠、190℃、荷重21.18Nで測定)は、
好ましくは0.5g/10分以上、より好ましくは1〜
200g/10分、最も好ましくは1.5〜100g/
10分である。MFRが低すぎる場合は、熱可塑性樹脂
組成物の流動性が低くなり、粉状体成形性が不充分にな
りやすく、MFRが高すぎる場合は、熱可塑性樹脂組成
物が機械物性、耐熱性に劣るものになりやすい。
【0027】成分(c)の配合量は、成分(a)、成分
(b)及び以下に述べる成分(d)との合計を100質
量部とすると、1〜60質量部であり、好ましくは5〜
50質量部であり、より好ましくは10〜45質量部で
ある。成分(c)の配合量が60質量部を超えると熱可
塑性樹脂組成物の耐熱性が低下する。1質量部未満で
は、ブロッキング、柔軟性などが不満足なものになる。
【0028】(4)親水性官能基を有するエラストマー
及び/又はエラストマー組成物(d) 本発明の熱可塑性樹脂組成物で用いる親水性官能基を有
するエラストマー及び/又はエラストマー組成物(d)
成分は、主として炭素原子、水素原子、及び酸素原子か
ら構成される極性基を有するエラストマー及び/又はエ
ラストマー組成物であって、具体的には水酸基、エステ
ル基、カルボキシル基、エーテル基、カルボニル基など
を有するエラストマー及び/又はエラストマー組成物で
ある。該エラストマー及び/又はエラストマー組成物
は、架橋剤架橋型、架橋剤分解型の親水性官能基を有す
るエラストマー及び/又はエラストマー組成物であり、
好ましくは、次のようにして製造することができる。
【0029】成分(d)は、(dα)親水性官能基を有
する架橋剤架橋型エラストマーと(dβ)親水性官能基
を有する架橋剤分解型樹脂とを、架橋剤、架橋助剤の存
在下、又は不在下、溶融混練して得られる。
【0030】上記(dα)親水性官能基を有する架橋剤
架橋型エラストマーとしては、(メタ)アクリル酸系エ
ラストマー、例えばエチレンと(メタ)アクリル酸エス
テルとカルボキシル基を側鎖に持つ不飽和炭化水素との
(メタ)アクリル酸系三元共重合体エラストマーが挙げ
られ、他にポリアクリロニトリル系樹脂(アクリロニト
リル−ブタジエン系ゴム、アクリロニトリル−アクリル
酸エステル系共重合体)等が挙げられ、過酸化物の存在
下に架橋を行う場合、エチレンとアクリル酸エステルと
カルボキシル基を側鎖に持つ不飽和炭化水素との三元共
重合体系エラストマーが特に好ましい。成分(dα)
は、親水性官能基を持つ化合物であるが、有機過酸化物
や硫黄化合物、アミン化合物、金属石鹸架橋剤等の架橋
剤の存在下で架橋反応が分解反応よりも優先的に進行
し、結果的に架橋する化合物である。この中でも有機過
酸化物の存在下で架橋反応が分解反応よりも優先的に進
行し、結果的に架橋する化合物が特に好ましい。
【0031】上記(dβ)親水性官能基を有する架橋剤
分解型樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられ、これらの中
では、ポリエステル系樹脂が好ましい。成分(dβ)
は、架橋剤の存在下において分解反応が架橋反応よりも
優先する化合物である。本発明で好適に用いられるポリ
エステル系樹脂は、以下の飽和ポリエステル系樹脂やポ
リエステル系熱可塑性エラストマー(COPE)を挙げ
ることが出来る。この中でも飽和ポリエステル系樹脂が
特に好ましい。
【0032】上記飽和ポリエステル系樹脂とは、ジカル
ボン酸成分とジオール成分の共縮重合により形成される
飽和ポリエステルであり、ジカルボン酸としては、テレ
フタル酸,イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジ
ピン酸、コハク酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸
等を、ジオール成分としてはエチレングリコルール、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコー等を用い、これらの種々の組み合わせ
及び配合量の変化により共縮重合させたものである。こ
れらの中でも結晶性樹脂であることが好ましい。
【0033】上記飽和ポリエステル系樹脂の製造法は任
意であるが、工業的には、脂肪族ジカルボン酸と過剰の
ジオールを出発原料として、脱水重縮合反応および脱ジ
オール反応によって合成されるもの、さらに芳香族化合
物を導入したもの、ラクチドの開環重合、乳酸の縮重
合、高分子量化したポリカプロラクトン、一酸化炭素と
ホルマリンから合成されたポリグリコール酸等が挙げら
れる。
【0034】上記飽和ポリエステル系樹脂の構造は任意
であるが、飽和脂肪族ポリエステルの中で脂肪族−芳香
族ランダムコポリエステルは、ジオール、脂肪酸、芳香
族酸の共重合ポリエステル系樹脂であって、繰返し単位
が、[−{(O−R−O) −(CO−R−CO)
}−{(O−R−O)−(CO−Ar−C
O) }−]からなるポリエステル樹脂であり、更に任
意成分として分岐剤(BA) を含む[−{(O−R
−O)−(CO−R−CO)}−{(O−R
O)−(CO−Ar−CO)}−](BA)の様
な構造であっても良い。
【0035】ここで、上記構造単位において、脂肪酸残
基:−CO−R−CO−は、炭素原子3〜40、好ま
しくは3〜12の脂肪酸の残基であって、脂肪酸として
は、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル
酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3
−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸及び2,
5−ノルボルナンジカルボン酸からなる群から選ばれ、
4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボン酸、
ヒドロキシピバリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、グ
リコール酸、乳酸、及びそれらのエステル形成性誘導体
のようなヒドロキシ酸もまた、これらのコポリエステル
を製造するための脂肪酸成分として使用できる。
【0036】また、芳香族酸残基:−CO−Ar−CO
−は、炭素原子8〜40、好ましくは8〜14の芳香族
酸の残基であって、芳香族酸としては、例えば、1,4
−テレフタル酸、1,3−テレフタル酸、2,6−ナフ
トエ酸、1,5−ナフトエ酸、それらのエステル形成性
誘導体及びそれらの組合せからなる群から選ばれる。
【0037】さらに、ジオール残基:−O−R−O−
及び−O−R−O−は、炭素原子2〜20のジオール
の残基であって、ジオールとしては、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール、1,3
−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,
3−シクロブタンジオール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール及びそれらの組合せからなる
群から選ばれる。ジオール成分は同じでも異なっていて
もよい。
【0038】さらにまた、任意成分である分岐剤:(B
A)(ただし、xは分岐剤の重量%を表し0.01〜
10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1.0
重量%である。)は、その重量平均分子量が、好ましく
は約50〜5000、より好ましくは92〜3000の
であって、3〜6のヒドロキシ基を有するポリオール、
3若しくは4個のカルボキシル基を有するポリカルボン
酸又は水酸基とカルボキシル基とを合計で3〜6個有す
るヒドロキシ酸が挙げられる。例えば、低分子量ポリオ
ールの例としては、グリセロール、トリメチロールプロ
パン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリ
トール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトー
ル、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソ
シアヌレート及びジペンタエリスリトールが挙げられ
る。高分子量ポリオール(Mw:400〜3000)の
例としては、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド
のような炭素数2〜3のアルキレンオキシドをポリオー
ル開始剤で縮合することにより誘導されたトリオールが
挙げられる。ポリカルボン酸としては、ヘミメリット
酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、
ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸、
1,1,2−エタントリカルボン酸、1,3,5−ペン
タントリカルボン酸、及び1,2,3,4,−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸が挙げられるが、このように酸
は使用してもよいが、好ましくは、それらの低級アルキ
ルエステル又は環状無水物が形成しうる場合にはそれら
の環状無水物の形態で用いられる。ヒドロキシ酸として
は、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、3−ヒドロキシグル
タル酸、ムチン酸(又は粘液酸)、トリヒドロキシグル
タル酸及び4−(β−ヒドロキシエチル)フタル酸が挙
げられるが、このようなヒドロキシ酸は、ヒドロキシル
基とカルボキシル基とを3つまたはそれ以上組み合わせ
て含む。これらの中で、特に好ましい分岐剤には、トリ
メリット酸、トリメシン酸、ペンタエリスリトール、ト
リメチロールプロパン及び1,2,4−ブタントリオー
ルが挙げられる。
【0039】本発明で好適に用いられる飽和ポリエステ
ル系樹脂としては、ポリブチレンサクシネート(コハク
酸と1,4−ブタンジオールの2元系縮合物)、ポリブ
チレンサクシネートアジペート(コハク酸およびアジピ
ン酸、ならびに1,4−ブタンジオールの3元系縮合
物)、ポリブチレンサクシネートテレフタレート(コハ
ク酸およびテレフタル酸、ならびに1,4−ブタンジオ
ールの3元系縮合物)などが挙げられる。
【0040】また、本発明で用いる飽和ポリエステル系
樹脂には、機能性の改質を目的とし、イソシアネート
基、ウレタン基といった反応基を構造中に導入すること
も可能である。さらに、ポリ乳酸などを共重合したコポ
リエステルのような種々の共重合体を用いることもでき
る。
【0041】本発明で用いる飽和ポリエステル系樹脂と
しては、一般的に市販されているものを用いることがで
きる。例えば、商品名として、ビオノーレ(昭和高分子
(株)製)、Easter Bio(Eastoman
Chemicals製)、バイオポール(日本モンサ
ント製)、Biomax(DuPont製)、Ecof
lex(BASF製)などが挙げられるが、用途や特性
に応じた樹脂を任意に選定することができる。
【0042】上記飽和共重合ポリエステルの重量平均分
子量は、3,000〜500,000、好ましくは1
0,000〜300,000である。また、使用にあた
っては、共重合ポリエステルの融点に制限されるが、好
ましくは95〜160℃、より好ましくは100〜14
0℃である。
【0043】上記(dβ)親水性官能基を有する架橋剤
分解型樹脂のポリエステル系熱可塑性エラストマー(C
OPE)としては、分子内のハードセグメントとしてポ
リエステルを、ソフトセグメントとしてガラス転移温度
(Tg)の低いポリエーテル又はポリエステルを用い
た、マルチブロックコポリマーが好ましい。例えば、ハ
ードセグメントとして、ポリブチレンテレフタレートな
どの芳香族結晶性ポリエステルを、ソフトセグメントと
して、ポリエーテルを用いたポリエステル/ポリエーテ
ル型、ハードセグメントとして、芳香族結晶性ポリエス
テルを、ソフトセグメントとして脂肪族系ポリエステル
を用いたポリエステル/ポリエステル型などが挙げられ
る。
【0044】ここで、ポリエステル/ポリエーテル型と
しては、例えば、テレフタル酸ジメチルと1,4−ブタ
ンジオール及びポリテトラメチレングリコールなどを出
発原料として、エステル交換反応、重縮合反応によって
合成されたものが挙げられる。また、ポリエステル/ポ
リエステル型としては、例えば、テレフタル酸ジメチル
と1,4−ブタンジオール及びε−カプロラクトンなど
を出発原料として、エステル交換反応、開環反応によっ
て合成されたものが挙げられる。
【0045】成分(d)の製造における親水性官能基を
有する架橋剤架橋型エラストマー(dα)と親水性官能
基を有する架橋剤分解型樹脂(dβ)の配合比におい
て、成分(dα)は、20〜95質量%が好ましく、よ
り好ましくは30〜90質量%であり、特に好ましくは
40〜80質量%である。また、成分(dβ)は、80
〜5質量%が好ましく、より好ましくは70〜30質量
%であり、特に好ましくは60〜20質量%である。成
分(dα)が少ないとエラストマーの柔軟性が不足し、
多すぎると粉状体成形性に悪影響が出易い。また、成分
(dβ)が少ないと溶融混練作業性が低くなり好ましく
ない。
【0046】成分(d)を製造する際に、必要に応じて
用いる架橋剤としては、有機過酸化物、硫黄化合物、ア
ミン化合物、金属石鹸等が挙げられるが、その中でも特
に有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物は、ラジカル
を発生せしめ、そのラジカルを連鎖的に反応させて、成
分(dα)同士、成分(dβ)同士、及び成分(dα)
と成分(dβ)とを架橋せしめる働きをする。有機過酸
化物としては、熱可塑性樹脂組成物において、必要に応
じて、配合する後述の有機過酸化物成分(e)と同じも
のを挙げることができる。また、有機過酸化物を使用す
る場合は、架橋助剤を併用することが好ましい。架橋助
剤は、エステル系架橋助剤が好ましく、有機過酸化物に
よる架橋処理に際して配合することができ、これにより
均一、かつ効率的な架橋反応を行うことができる。架橋
助剤としては、熱可塑性樹脂組成物において、必要に応
じて、配合する後述の架橋助剤成分(f)と同じものを
挙げることができる。
【0047】成分(d)の製造における、架橋剤の配合
量は、成分(dα)と成分(dβ)の合計100質量部
に対して、0.001〜5質量部であり、より好ましく
は0.01〜1質量部である。架橋剤の配合量が0.0
01質量部未満では、架橋を十分達成できず、得られる
エラストマー組成物の耐熱性、機械的強度が低くなる。
一方、5質量部を超えると、粉状体成形性が悪くなる。
また、成分(d)の製造における、架橋助剤の配合量
は、成分(dα)と成分(dβ)の合計100質量部に
対して、0.001〜5質量部が好ましく、より好まし
くは0.01〜1質量部である。架橋助剤の配合量が5
質量部を超えると、架橋助剤成分の自己重合により
(d)成分の架橋度が低下して効果が得られなくなる。
【0048】また、成分(d)の製造においては、耐傷
付き性や製造時の混練機からの排出性という観点から、
ポリエチレン系ワックスとポリエーテル変性シリコンオ
イルをそれぞれ成分(dα)と成分(dβ)の合計量1
00重量部に対して0.1〜10重量部使用することが
好ましい。
【0049】本発明の熱可塑性樹脂組成物における、成
分(d)の配合量は、成分(a)、成分(b)、成分
(c)との合計を100質量部とすると、1〜60質量
部であり、好ましくは2〜50質量部であり、より好ま
しくは3〜45質量部である。成分(d)の配合量が6
0質量部を超えると、ピンホールの発生、成形体裏面の
平滑性低下、ブロッキングなどの不具合が生じる。1質
量部未満では、耐傷付き性が低下する。
【0050】(5)有機過酸化物(e) 本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、必要に応じ
て、有機過酸化物(e)成分を配合して、(a)〜
(d)成分を溶融混練架橋処理することができる。成分
(e)としては、例えば、ジクミルパーオキシド、ジ−
tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−
ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3、3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス
(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイ
ルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、tert−
ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキ
シド、ラウロイルパーオキシド、tert−ブチルクミ
ルパーオキシド等を挙げることができる。これらのうち
で、臭気性、着色性、スコーチ安全性の観点から、2,
5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t
ert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が特に好まし
い。上記(d)成分の製法で用いる有機過酸化物として
も(e)成分と同じものが好ましい。
【0051】本発明の熱可塑性樹脂組成物における、成
分(e)の配合量は、成分(a)、成分(b)、成分
(c)、成分(d)の合計100質量部に対して、0.
001〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.01
〜1質量部である。成分(e)の配合量が5質量部を超
えると、粉状体成形性が低下する。
【0052】(6)架橋助剤(f) 本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、必要に応じ
て、有機過酸化物(e)成分を配合する場合は、架橋助
剤(f)成分を更に配合して、溶融混練架橋処理を行う
ことができる。成分(f)としては、エステル系架橋助
剤が好ましく、上記(e)有機過酸化物による架橋処理
に際して配合することにより、より均一、かつ効率的な
架橋反応を行うことができる。成分(f)の具体例とし
ては、例えば、トリアリルシアヌレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレート、エチ
レングリコールの繰り返し数が9〜14のポリエチレン
グリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、アリルメタクリレート、2−メチ
ル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,
9−ノナンジオールジメタクリレートのような多官能性
メタクリレート化合物、ポリエチレングリコールジアク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジアクリレートのような多官能性アクリレート
化合物、ビニルブチラート又はビニルステアレートのよ
うな多官能性ビニル化合物を挙げることができる。これ
らは単独あるいは2種類以上を組み合わせても良い。こ
れらの架橋助剤のうち、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、2−メ
チル−1,8−オクタンジオールジメタクリレートが特
に好ましい。
【0053】本発明の熱可塑性樹脂組成物における、成
分(f)の配合量は、成分(a)、成分(b)、成分
(c)、成分(d)の合計100質量部に対して、0.
001〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.01
〜1質量部である。架橋助剤の配合量が5質量部を超え
ると、架橋助剤成分の自己重合により架橋助剤としての
効果が得られなくなったり、ブツとして外観不良を起こ
したりする。
【0054】(7)離型剤(g) 本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、適切
な離型剤成分(g)を使用することができる。離型剤と
しては、本発明の目的を損なわない限り、特に限定され
ないが、具体的には、東レ・ダウコーニング・シリコー
ン株式会社のSH200−20CSなどの低粘度シリコ
ンオイル、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイ
ン酸アミド等の酸アミド類、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸
類等を好ましく用いることができる。
【0055】本発明の熱可塑性樹脂組成物における、成
分(g)の配合量は、成分(a)、成分(b)、成分
(c)、成分(d)の合計100質量部に対して、2質
量部以下が好ましく、より好ましくは1質量部以下であ
る。成分(g)の配合量が2質量部を越えると耐フォギ
ング性、耐プレートアウト性などが不満足なものにな
る。
【0056】(8)その他の成分 本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を損な
わない範囲において、さらに必要に応じて、リン系、フ
ェノール系、硫黄系など各種の酸化防止剤、老化防止
剤、光安定剤、紫外線吸収剤など各種の耐候剤、変性シ
リコンオイル、シリコンオイル、ワックス、酸アミド、
脂肪酸、脂肪酸塩など各種の滑剤、芳香族リン酸金属塩
系、ゲルオール系など各種の造核剤、グリセリン脂肪酸
エステル系、脂肪族系パラフィンオイル、芳香族系パラ
フィンオイル、フタル酸系、エステル系など各種の可塑
剤、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、タルクなど各種のフィラー、各種
の着色剤などの添加剤等を使用することができる。なお
成形品表面にブリードアウトするなどのトラブルを防止
するため、本発明の熱可塑性樹脂組成物との相容性の高
いものが好ましい。また、これらの成分は、熱可塑性樹
脂組成物中に存在しておればよく、成分(d)の製造時
に配合してもよい。
【0057】2.熱可塑性樹脂組成物 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(a)〜(d)成分、
必要に応じて、(e)〜(g)等の成分を配合して溶融
混練して得られる。これによって(c)成分が架橋して
耐熱性に優れたものになる。
【0058】溶融混練の方法は、特に制限がなく、通常
公知の方法を使用することができる。例えば、単軸押出
機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサーまたは各
種ニーダー等を使用することができる。ここで、溶融混
練の温度は、用いる樹脂の種類によって異なるが、16
0〜240℃が好ましい。
【0059】得られた熱可塑性樹脂組成物は、粉状体成
形性を保持するためには微細ペレット状、又は微細粉末
状であることが好ましい。熱可塑性樹脂組成物を微細ペ
レット状、又は微細粉末状にするためには、冷凍粉砕機
等により微細ペレット状又は微細粉末状にするのが好ま
しい。
【0060】本発明の熱可塑性樹脂組成物からの微細ペ
レット、又は微細粉末の好ましい粒径は、粉体流動性の
観点により決めることが好ましく、複雑な形状に対応す
るためには細かい方が良いが、凝集を防止するためには
粗い方が良い。微細ペレット又は微細粉末は、30メッ
シュ篩を通過し200メッシュ篩を通過する成分をカッ
トした粒径分布をもつものが好ましく、より好ましく
は、42メッシュ篩を通過し200メッシュ篩を通過す
る成分をカットした粒径分布をもつものである。
【0061】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物からの
微細ペレット、又は微細粉末には、必要に応じて、粉体
流動性改良剤を添加することができる。粉体流動性改良
剤としては、例えば、日本アエロジル株式会社の商品名
AEROSILシリーズのAEROSIL200CF、
AEROSIL300CF等、株式会社トクヤマの商品
名レオロシールシリーズのレオロシールQS−10、レ
オロシールQS−20、レオロシールQS−30等を挙
げることができる。使用する粉体流動性改良剤は、粉体
流動性と粉状体成形性、特に成形体裏面の平滑度、ピン
ホール発生との兼ね合いにより選択される。粉体流動性
改良剤の添加量は、0.05〜1.0質量%が好まし
く、より好ましくは0.1〜0.3質量%である。
【0062】本発明の熱可塑性樹脂組成物からは、公知
の粉状体成形法により、自動車インスツルメントパネル
表皮、グリップ表皮、人形、ボルトキャップ等の粉状体
成形体を得ることができる。本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、耐候性、耐傷つき性、耐熱性に優れており、か
つ、粉状体成形時のガス化、ピンホールの発生、ブロッ
キングの発生等を解決し、かつ粉状体成形法で得られた
成形体は、裏面の平滑な成形品となり、玩具や自動車内
装部品に好適に用いることができる。
【0063】
【実施例】本発明を以下の実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。なお本発明で用いた物性の評価法及び原料等を
以下に示す。
【0064】1.粉状体成形性、成形体の評価 (1)ピンホール:微粉末状の熱可塑性樹脂組成物を金
型温度240℃、金型回転数2回の条件で粉状体成形を
行い、得られた成形品の表面のピンホールを目視にて観
察し、以下の基準で評価した。 ◎:ピンホールが無い △:一部にピンホールが存在 ×:全体にピンホールが存在 (2)裏面の平滑性(溶融性):光沢計(村上色彩研究
所製GMX−202)を用いて粉状体成形後の成形品裏
面に光を入射角60度で入射し光沢値を測定し、以下の
基準で評価した。 ◎:光沢値50%以上 〇:光沢値10〜50%以上 △:光沢値10%未満 ×:粉体の形状をそのまま残す (3)ブロッキング:粉状体成形時、パウダーボックス
に回収された材料が熱履歴によりブロッキングしている
かを目視にて観察し、次の基準で評価した。 ◎:全く無い △:ブロッキングが観察される ×:著しいブロッキングが起こる (4)耐熱性:粉状体成形により得られた成形体をギア
オーブン中に120℃×100時間静置し、結果を次の
基準で評価した。 ◎:問題なし △:てかり(しぼ流れ)が観察される ×:溶融してしまう (5)耐傷付き性:粉状体成形により得られた成形体か
ら切出した試験片についてJIS K 7204に準拠
し、摩耗輪CS−10、250g、1000回転の条件
でテーバー磨耗量を測定し、結果を次の基準で評価し
た。 ◎:テーバー磨耗量 2mg未満 ○:テーバー磨耗量 2mg以上、3mg未満 △:テーバー磨耗量 3mg以上、5mg未満 ×:テーバー磨耗量 5mg以上 (6)柔軟性:粉状体成形品から3号ダンベル形状の試
験片を成形時の回転方向と平行方向に打ち抜き、この試
験片について、JIS K 6251に準拠し、引張速
度500mm/min、測定温度23℃の条件で引張試
験を行い、結果を次の基準で評価した。 ◎:10%モジュラス 2.5MPa未満 ○:10%モジュラス 2.5MPa以上、3.5MP
a未満 △:10%モジュラス 3.5MPa以上、5.0MP
a未満 ×:10%モジュラス 5.0MPa以上
【0065】2.原料 (1)エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物成分
(a):EVOH(メルセン1H01A;東ソー株式会
社製);MFR(190℃、21.18N荷重) 22
4g/10分、鹸化度 >97%、ベースEVAのコモ
ノマー(VA)含量 14モル%(33質量%)、密度
970Kg/m、DSCピークトップ融点110
℃、DSCピークトップ結晶化温度 94℃、ビカット
軟化点 100℃ (2)ポリエチレン成分(b−1):C−LLDPE
(ノバテックLL−UJ790;日本ポリケム株式会社
製);MFR(190℃、21.18N荷重)50g/
10分、コモノマー種類 1−ブテン、密度 928K
g/m、DSCピークトップ最高融点 126℃ (3)ポリエチレン成分(b−2):C−LLDPE
(Engage8407;デュポン・ダウエラストマー
社製);MFR(190℃、21.18N荷重)30g
/10分、コモノマー種類 1−オクテン、密度 87
0kg/m、DSCピークトップ融点 60℃ (4)エチレン−酢酸ビニル共重合体成分(c−1):
EVA−40L(エバフレックスEV40LX;三井・
デュポンケミカル株式会社社製);MFR(190℃、
21.18N荷重) 2.0g/10分、酢酸ビニル単
位の含有量 18モル%(41質量%)、密度 970
Kg/m、DSCピークトップ融点 40℃、ビカッ
ト軟化点 <30℃ (5)エチレン−酢酸ビニル共重合体成分(c−2):
EVA−45L(エバフレックスEV45LX;三井・
デュポンケミカル株式会社社製);MFR(190℃、
21.18N荷重) 2.5g/10分、酢酸ビニル単
位の含有量 22モル%(46質量%)、密度980
Kg/m、DSC曲線に明確な融点なし、ビカット軟
化点 <30℃ (6)有機過酸化物成分(e):2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサン(パーヘ
キサ25B;日本油脂株式会社製) (7)架橋助剤成分(f):1,9−ノナンジオールジ
メタクリレートと、2−メチル−1、8−オクタンジオ
ールジメタクリレートとの15:85(質量比)混合物
(NKエステルIND;新中村化学株式会社製) (8)離型剤成分(g):シリコンオイル(SH200
−20CS;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会
社製) (9)親水性官能基を有する架橋剤架橋型エラストマー
成分(dα):エチレン・アクリル酸メチル系共重合体
(ベイマックGLS;三井・デュポンケミカル株式会社
製) (10)親水性官能基を有する架橋剤分解型エラストマ
ー成分(dβ):ポリエステル系樹脂(EASTAR
BIO GP;イーストマンケミカル社製) (11)酸化防止剤:HP2215(チバスペシャルテ
ィケミカルズ社製) (12)耐候剤:111FDL、TC−326、TV−
123(チバスペシャルティケミカルズ社製) (13)ポリエチレン系ワックス:LBT−77(堺化
学株式会社製) (14)ポリエーテル変性シリコンオイル:SF842
7(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)
【0066】実施例1 (1)第1段階(成分(d)の製造) (dα)親水性官能基を有する架橋剤架橋型エラストマ
ーとして、エチレン・アクリル酸メチル共重合体系エラ
ストマーを60質量部、(dβ)親水性官能基を有する
架橋剤分解型樹脂としてポリエステル系樹脂を40質量
部、有機過酸化物として、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサンを0.06質量
部、架橋助剤として、1,9−ノナンジオールジメタク
リレートと、2−メチル−1、8−オクタンジオールジ
メタクリレートとの15:85(質量比)混合物を0.
11質量部、さらに各種安定剤等の添加剤を表1に示す
比率で配合し、株式会社森山製作所のDS3−7.5M
WH−H型加圧双腕型ニーダーを用いて溶融混練を行
い、表1に示す組成の親水性官能基を有するエラストマ
ー(d−1)成分を得た。
【0067】
【表1】
【0068】(2)第2段階(成分(a)、(b)、
(c)、(d)の溶融混練) 表2に示すように、成分(a)を25質量部、成分(b
−1)を15質量部、成分(c−1)を40質量部、上
記成分(d−1)を20質量部、成分(e)を0.05
質量部、及び成分(f)を0.09質量部、成分(g)
を0.5質量部の比率で配合し、東芝機械株式会社のT
EM−37型二軸混練押出機により溶融混練して得た樹
脂ペレットを、東邦冷熱株式会社の冷凍粉砕機により4
2メッシュ篩を通過し200メッシュ篩を通過する成分
をカットした粒径分布の微細粉末状に冷凍粉砕し、更
に、粉体流動性改良剤(レオロシールQS−10;株式
会社トクヤマ製)を0.2質量%添加して、ヘンシュル
ミキサーにより、混合して粉状体成形用の粉末状熱可塑
性樹脂組成物を得た。次に得られた粉末状熱可塑性樹脂
組成物を用い、金型温度240℃、金型回転数2回の条
件で粉状体成形を行い、成形体を得た。上記のように粉
状体成形体の評価をおこなった。その結果を表2に示
す。
【0069】実施例2 第2段階において、成分(a)を35質量部、成分(b
−1)を5質量部、成分(b−2)を10質量部、成分
(c−1)を30質量部、成分(d−1)を20質量
部、成分(e)を0.04質量部、成分(f)を0.0
7質量部、成分(g)を0.5質量部の比率で配合した
以外は、実施例1と同様にして粉状体成形体を得た。そ
の結果を表2に示す。
【0070】実施例3 第2段階において、成分(a)を35質量部、成分(b
−1)を5質量部、成分(c−2)を30質量部、成分
(d−1)を30質量部、成分(e)を0.04質量
部、成分(f)を0.07質量部、成分(g)を0.5
質量部の比率で配合した以外は、実施例1と同様にして
粉状体成形体を得た。その結果を表2に示す。
【0071】実施例4 第1段階において、(dα)エチレン・アクリル酸メチ
ル共重合体系エラストマーを70質量部、(dβ)ポリ
エステル系樹脂を30質量部で配合する以外は、実施例
1の(1)第1段階(成分(d)の製造)と同様にして
表1に示す組成の親水性官能基を有するエラストマー
(d−2)成分を得た。第2段階において、成分(a)
を15質量部、成分(b−1)を15質量部、成分(b
−2)を10質量部、成分(c−2)を20質量部、成
分(d−2)を40質量部、成分(e)を0.03質量
部、成分(f)を0.04質量部、成分(g)を0.5
質量部の比率で配合した以外は、実施例1と同様にして
粉状体成形体を得た。その結果を表2に示す。
【0072】実施例5 第2段階において、成分(a)を5質量部、成分(b−
1)を35質量部、成分(b−2)を35質量部、成分
(c−2)を20質量部、成分(d−2)を5質量部、
成分(e)を0.03質量部、成分(f)を0.04質
量部、成分(g)を0.5質量部の比率で配合した以外
は、実施例1と同様にして粉状体成形体を得た。その結
果を表2に示す。
【0073】実施例6 第1段階において、第1段階において、(dα)エチレ
ン・アクリル酸メチル共重合体系エラストマーを50質
量部、(dβ)ポリエステル系樹脂を50質量部で配合
する以外は、実施例1の(1)第1段階(成分(d)の
製造)と同様にして表1に示す組成の親水性官能基を有
するエラストマー(d−3)成分を得た。第2段階にお
いて、成分(a)を10質量部、成分(b−1)を30
質量部、成分(b−2)を35質量部、成分(c−2)
を15質量部、成分(d−3)を10質量部、成分
(e)を0.02質量部、成分(f)を0.03質量
部、成分(g)を0.5質量部の比率で配合した以外
は、実施例1と同様にして粉状体成形体を得た。その結
果を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】比較例1 第2段階において、成分(a)を30質量部、成分(c
−1)を70質量部、成分(e)を0.06質量部、成
分(f)を0.11質量部、成分(g)を0.5質量部
の比率で配合した以外は、実施例1と同様にして粉状体
成形体を得た。その結果を表3に示す。
【0076】比較例2 第2段階において、成分(a)を20質量部、成分(b
−1)を30質量部、成分(c−2)を50質量部、成
分(e)を0.06質量部、成分(f)を0.11質量
部、成分(g)を0.5質量部の比率で配合した以外
は、実施例1と同様にして粉状体成形体を得た。その結
果を表3に示す。
【0077】比較例3 第2段階において、成分(b−1)を30質量部、成分
(c−2)を20質量部、成分(d−1)を50質量
部、成分(e)を0.03質量部、成分(f)を0.0
4質量部、成分(g)を0.5質量部の比率で配合した
以外は、実施例1と同様にして粉状体成形体を得た。そ
の結果を表3に示す。
【0078】比較例4 第2段階において、成分(a)を10質量部、成分(b
−1)を10質量部、成分(b−2)を10質量部、成
分(d−1)を70質量部、成分(e)を0.03質量
部、成分(f)を0.04質量部、成分(g)を0.5
質量部の比率で配合した以外は、実施例1と同様にして
粉状体成形体を得た。その結果を表3に示す。
【0079】比較例5 第2段階において、成分(a)を70質量部、成分(b
−1)を5質量部、成分(c−2)を15質量部、成分
(d−1)を10質量部、成分(e)を0.02質量
部、成分(f)を0.03質量部、成分(g)を0.5
質量部の比率で配合した以外は、実施例1と同様にして
粉状体成形体を得た。その結果を表3に示す。
【0080】比較例6 (a)成分4質量部、(b−1)成分45質量部、(b
−2)成分46質量部(c−2)成分3質量部、(d−
1)成分2質量部、(e)成分0.01質量部、(f)
成分0.02質量部、(g)成分0.5質量部とした以
外は全て実施例1と同様に行った。その結果を表3に示
す。
【0081】比較例7 (a)成分15質量部、(c−2)成分50質量部、
(d−1)成分35質量部、(e)成分0.06質量
部、(f)成分0.11質量部、(g)成分0.5質量
部とした以外は全て実施例1と同様に行った。その結果
を表3に示す。
【0082】比較例8 (a)成分20質量部、(b−1)成分5質量部、(c
−1)成分70質量部(d−1)成分5質量部、(e)
成分0.06質量部、(f)成分0.11質量部、
(g)成分0.5質量部とした以外は全て実施例1と同
様に行った。その結果を表3に示す。
【0083】比較例9 (a)成分15質量部、(b−1)成分15質量部、
(b−2)成分10質量部、(d−1)成分60質量
部、(e)成分0.03質量部、(f)成分0.04質
量部、(g)成分0.5質量部とした以外は全て実施例
1と同様に行った。その結果を表3に示す。
【0084】比較例10 (a)成分10質量部、(b−1)成分10質量部、
(c−1)成分10質量部(d−1)成分70質量部、
(e)成分0.03質量部、(f)成分0.04質量
部、(g)成分0.5質量部とした以外は全て実施例1
と同様に行った。その結果を表3に示す。
【0085】
【表3】
【0086】表2及び3より明らかなように、本発明の
熱可塑性樹脂組成物からの粉状成形体は、優れた耐ピン
ホール性、裏面の平滑性、耐ブロッキング性、耐熱性、
耐傷付き性、柔軟性を有していた(実施例1〜6)。
【0087】一方、(b)ポリエチレン成分と(d)親
水性官能基を有するエラストマー組成物を配合しない
で、(c)親水性官能基を有する架橋剤架橋型ポリオレ
フィン系樹脂成分が多すぎる熱可塑性樹脂組成物は、耐
熱性が低く、ピンホール、裏面の平滑性も不充分であり
(比較例1)、(d)親水性官能基を有するエラストマ
ー組成物を含有しない熱可塑性樹脂組成物は、耐傷付き
性が低く(比較例2)、(a)エチレン−酢酸ビニル共
重合体鹸化物成分を含有しない熱可塑性樹脂組成物は、
ピンホール、裏面の平滑性が悪く、ブロッキングも観察
され(比較例3)、(c)親水性官能基を有する架橋剤
架橋型ポリオレフィン系樹脂成分を含有せず、(d)親
水性官能基を有するエラストマー組成物成分の割合が多
すぎる熱可塑性樹脂組成物は、ピンホール、裏面の平滑
性が悪く、著しいブロッキングも観察され、(比較例
4)、(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物成分
の割合が多過ぎる熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性が低
く、非常に硬い感触のものしか得られなかった(比較例
5)。また、(b)ポリエチレン成分の割合が多過ぎる
熱可塑性樹脂組成物は、ピンホール、裏面の平滑性、耐
傷付き性が悪く(比較例6)、(b)ポリエチレン成分
を用いない熱可塑性樹脂組成物は、ピンホール、裏面の
平滑性に劣り(比較例7)、(c)親水性官能基を有す
る架橋剤架橋型ポリオレフィン系樹脂成分が多すぎる熱
可塑性樹脂組成物は、耐熱性が低く(比較例8)、
(c)親水性官能基を有する架橋剤架橋型ポリオレフィ
ン系樹脂成分を用いない熱可塑性樹脂組成物は、ピンホ
ール、裏面の平滑性、ブロッキングに劣り(比較例
9)、(d)親水性官能基を有するエラストマー組成物
成分の割合が多すぎる熱可塑性樹脂組成物は、ピンホー
ル、裏面の平滑性が悪く、著しいブロッキングが観察さ
れた(比較例10)。
【0088】
【発明の効果】本発明の粉状体成形用熱可塑性樹脂組成
物は、耐候性、耐傷つき性、耐熱性に優れ、粉状体成形
時のガス化、ピンホール、ブロッキング等を解決し、か
つ粉状体成形で得られた成形品は、裏面の平滑な成形品
となり、玩具や自動車内装部品に好適に用いることがで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/00 C08L 67/00 101/02 101/02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)、(b)、(c)、(d)成
    分を主成分とする熱可塑性樹脂組成物。 (a)エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物 1〜60
    質量部 (b)ポリエチレン 1〜75質量部 (c)親水性官能基を有する架橋剤架橋型ポリオレフィ
    ン系樹脂 1〜60質量部 (d)親水性官能基を有するエラストマー及び/又はエ
    ラストマー組成物 1〜60質量部 (但し、(a)+(b)+(c)+(d)=100質量
    部)
  2. 【請求項2】 (e)有機過酸化物 0.001〜5質
    量部をさらに配合し、溶融混練して得られることを特徴
    とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (c)親水性官能基を有する架橋剤架橋
    型ポリオレフィン系樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重
    合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (d)親水性官能基を有するエラストマ
    ー及び/又はエラストマー組成物が、(dα)親水性官
    能基を有する架橋剤架橋型エラストマー20〜95質量
    %、及び(dβ)親水性官能基を有する架橋剤分解型樹
    脂80〜5質量%からなる組成物[(dα)+(dβ)
    の合計]100質量部に対して、有機過酸化物0.00
    1〜5質量部を配合し溶融混練して得られることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 (dα)親水性官能基を有する架橋剤架
    橋型エラストマーが、エチレン−アクリル酸メチル共重
    合体エラストマーであり、(dβ)親水性官能基を有す
    る架橋剤分解型樹脂が、ポリエステル系樹脂であること
    を特徴とする請求項4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱
    可塑性樹脂組成物からなる粉状体成形用のペレット又は
    粉末。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の粉状体成形用のペレッ
    ト又は粉末からなる成形体。
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WO2021029355A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 三菱ケミカル株式会社 樹脂組成物
WO2023001201A1 (zh) * 2021-07-22 2023-01-26 广东金发科技有限公司 一种高表面亲水性聚丙烯复合材料及其制备方法和应用

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