JP2003226117A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2003226117A JP2002026684A JP2002026684A JP2003226117A JP 2003226117 A JP2003226117 A JP 2003226117A JP 2002026684 A JP2002026684 A JP 2002026684A JP 2002026684 A JP2002026684 A JP 2002026684A JP 2003226117 A JP2003226117 A JP 2003226117A
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Manabu Moriya
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低周波ロードノイズの低減効果と操縦安定性
の改善効果とを両立させることができる空気入りタイヤ
を提供する。 【解決手段】 一対の環状のビード1aで両端が巻き返
された1層以上のカーカス層10を備え、そのカーカス
層10のビード1a間の本体部11はコードとタイヤ周
方向とのなすコード角θ1 が85〜90°である空気入
りタイヤにおいて、前記カーカス層10の巻き返し部1
2のうちビードフィラーに隣接配置された部分12B
は、前記コード角θ3 が30〜85°の範囲内で一定又
は角度変化する傾斜部を有すると共に、空気充填状態で
荷重負荷したタイヤへのハンマー加振による上下方向の
軸力応答から計測される一次共振周波数が105Hz以
下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の環状のビー
ドで両端が巻き返されたカーカス層のビード間の本体部
がラジアルであり、巻き返し部のコード角を傾斜させて
ある空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、空気入りタイヤの主流となってい
るラジアルタイヤは、一対の環状のビード間を補強し、
複数のコードがタイヤ半径方向(子午線方向)に配列す
るカーカス層と、トレッドの下方に位置するカーカス層
をタガ効果で補強し、コードがタイヤ周方向に対し傾斜
した複数のベルト層とを備えた構造が一般的である。ま
た、カーカス層の両端部は、ビードにて外側に巻き返さ
れており、その巻き返し部のコードについてもタイヤ半
径方向に配列しているのが通常であった。
【0003】そして、ビード部の剛性を高めて操縦安定
性等を向上させる目的で、ビード周りのカーカス層に加
えて、長繊維や短繊維で補強された補強層を設けた空気
入りタイヤが、各種知られている。また、このような補
強層を設けずに、カーカス層の巻き返し部のコードをタ
イヤ半径方向から傾斜させることにより、ビード部の剛
性を高めた空気入りタイヤも知られている(特開平11
−170807号公報、特開平8−324213号公報
等)。更に、カーカス層の巻き返し部の先端を高くする
ことによって、サイドウォール部の剛性を高めたものも
存在する。
【0004】一方、車両が比較的荒れた路面を走行する
と、車室内においてロードノイズと呼ばれる騒音が発生
する。このロードノイズは、タイヤが関係する騒音の一
つであり、路面の凹凸がタイヤへの入力となってタイヤ
が振動し、この振動が車軸、サスペンション、車体とい
った伝播経路をとって伝わり、最終的に車室内で騒音を
引き起こす。この車室内騒音のうち、125Hz付近に
発生する低周波ロードノイズは、タイヤの一次共振周波
数に近く、その周波数と合致しロードノイズのピークと
なるため、ノイズの低減が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにビード部又はサイドウォール部の剛性を高める
と、一般的に低周波ロードノイズは大きくなり、その原
因はタイヤの一次共振周波数の変化によるものであるこ
とが判明した。また、カーカス層の巻き返し部のコード
をラジアル方向から傾斜させた上記のタイヤでは、その
部分での前後力に対する剛性の向上効果が得られるが、
タイヤの一次共振周波数が好適に制御されているわけで
なく、低周波ロードノイズの低減効果は十分とは言い難
かった。つまり、ビード部の剛性を高めて操縦安定性を
向上させることと、低周波ロードノイズを低減すること
は、相反する現象であり、一次共振周波数の変化に着目
して両者の両立を図る技術はこれまで存在しなかった。
【0006】そこで、本発明の目的は、低周波ロードノ
イズの低減効果と操縦安定性の改善効果とを両立させる
ことができる空気入りタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、操縦安定性を高めながら一次共振周波数
を低下させる方法について鋭意研究したところ、カーカ
ス層の巻き返し部のコードをラジアル方向から傾斜させ
つつ、タイヤの一次共振周波数を特定の範囲に制御する
ことで、低周波ロードノイズの低減効果と操縦安定性の
改善効果とを両立させられることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】即ち、本発明の空気入りタイヤは、一対の
環状のビードで両端が巻き返された1層以上のカーカス
層を備え、そのカーカス層のビード間の本体部はコード
とタイヤ周方向とのなすコード角が85〜90°である
空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層の巻き返し部
のうちビードフィラーに隣接配置された部分は、前記コ
ード角が30〜85°の範囲内で一定又は角度変化する
傾斜部を有すると共に、空気充填状態で荷重負荷したタ
イヤへのハンマー加振による上下方向の軸力応答から計
測される一次共振周波数が105Hz以下であることを
特徴とする。ここで、一次共振周波数は具体的には実施
例に記載の方法により測定される値である。
【0009】上記において、前記傾斜部は、前記コード
角が30〜85°の範囲内の角度範囲で先端側へと徐々
に小さくなっていることが好ましい。
【0010】あるいは、前記傾斜部は、前記コード角が
50〜70°の範囲内で一定又は角度変化するものであ
ることが好ましい。
【0011】[作用効果]本発明によると、カーカス層
の巻き返し部のうちビードフィラーに隣接配置された部
分に、コードが傾斜する傾斜部を有するため、横力及び
前後力に対するビード周りの剛性を高めながら、縦力
(上下方向の力)に対する剛性(縦剛性)を下げること
ができ、これによってタイヤの一次共振周波数を低下さ
せることができる。そして、一次共振周波数を105H
z以下としてあるため、低周波ロードノイズの低減効果
と操縦安定性の改善効果とを両立させることができる。
【0012】前記傾斜部は、前記コード角が30〜85
°の範囲内の角度範囲で先端側へと徐々に小さくなって
いる場合、カーカス層の本体部側とのコード角の連続性
が良好になり、ビードによる係止効果を好適に維持しな
がら、低周波ロードノイズの低減効果と操縦安定性の改
善効果とを両立させることができる。
【0013】前記傾斜部は、前記コード角が50〜70
°の範囲内で一定又は角度変化するものである場合、ビ
ード周りの横剛性を下げ、前後剛性を上げることによ
り、低周波ロードノイズの低減効果と操縦安定性の改善
効果とをより確実に両立させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の空気
入りタイヤの一例を示す部分断面図であり、図2(a)
はそのカーカス層を模式的に示す側面図、図2(b)は
カーカス層のコードの配置を模式的に示す説明図であ
る。
【0015】本発明の空気入りタイヤは、図1に示すよ
うに、一対の環状のビード1aで両端が巻き返された1
層以上のカーカス層10を備える。なお、空気入りタイ
ヤは、赤道線CLで対称又は略対称な断面構造になって
いる。本実施形態ではカーカス層10が1層で構成され
ている例を示す。
【0016】カーカス層10のビード1a間の本体部1
1は、図2に示すように、コード11aとタイヤ周方向
PDとのなすコード角θ1 が85〜90°である。この
点は通常のラジアルタイヤと同じであり、ベルト層6と
あいまって、ラジアルタイヤの乗り心地性、耐久性、運
動性能などを好適に発現することができる。カーカス層
10を構成するコードとしては、レーヨン、ポリエステ
ル、ポリアミド、芳香族ポリアミド等の有機繊維、又は
スチール等が挙げられる。
【0017】ベルト層6は、上層6bと下層6aとの2
層構成のものが例示できるが、各層を構成するコードの
タイヤ赤道線CLに対する角度は10〜35°が好まし
い。また、上層6bの上面に更に周方向にコードを配置
した繊維補強層を設けてもよい。ベルト層6を構成する
コード材は、スチールや芳香族ポリアミド等の有機繊維
など、従来よりベルト層6に用いられる材料がいずれも
使用できる。
【0018】本発明において、カーカス層10の巻き返
し部12は、図2に示すように、ビードフィラー1bに
隣接配置された部分12B(高さH1の領域部分)と、
それより先端側の部分12Aとに区別される。本発明で
は、この部分12Bが、コード角θ3 =30〜85°の
範囲内で一定又は角度変化する傾斜部を有する。本実施
形態では、この傾斜部が部分12Bと一致し、かつ部分
12Aも部分12Bと同一のコード角で傾斜している例
を示す。
【0019】このように傾斜部のコード角θ3 が一定で
ある場合、コード12bのコード角θ3 が50〜70°
の範囲内で一定(又は角度変化するもの)であることが
好ましく、コード角θ3 が55〜65°の範囲内がより
好ましい。これはコード角θ 3 が角度変化する場合も同
様である。なお、部分12Aのコード12aのコード角
θ2 は30〜90°が好ましい。
【0020】巻き返し部12のうち部分12Bの高さH
1は、低周波ロードノイズの低減効果と操縦安定性の改
善効果とを両立させる上で、タイヤ断面高さHの20〜
50%の高さであることが好ましく、40〜50%の高
さであることがより好ましい。また、傾斜部の幅は、部
分12Bの70%以上が好ましく、90%以上がより好
ましい。なお、巻き返し部12の先端の位置は、タイヤ
最大幅Wの位置PWより高くても低くてもよいが、高い
方が傾斜部の効果が大きくなり好ましい。
【0021】本発明の空気入りタイヤは、空気充填状態
で荷重負荷したタイヤへのハンマー加振による上下方向
の軸力応答から計測される一次共振周波数が105Hz
以下であり、好ましくは一次共振周波数が95〜100
Hzである。
【0022】このような一次共振周波数は、傾斜部のコ
ード角、幅、コードの材質、太さ、打ち込み数、カーカ
ス層10の層数、ビードフィラー1bの硬度、形状、大
きさなどによって調整することができる。これらを調整
して横剛性を小さくすることで、一次共振周波数を低下
させることができる。
【0023】ビードフィラー1bの硬度(加硫後)は、
JISA硬度で80〜98°が好ましい。
【0024】また、本実施形態では、図1に示すよう
に、ビード周りにおいてカーカス層10の外側を補強す
るチェーハー21が設けられ、カーカス層10の内側を
補強するフリッパー22が設けられている。これらはゴ
ムの硬度を高めたものや長繊維又は短繊維で補強された
ものが使用できる。
【0025】上記の点以外は、通常のラジアルタイヤと
略同じ構造を有している。即ち、図1に示すように、カ
ーカス層10の両端は、ビード1aで折り返され、カー
カス層10の巻き返し部12と本体部11との間にはゴ
ム硬度が高いビードフィラー1bが配置され、ビード部
1が形成されている。また、通常のタイヤと同様にカー
カス層10の外側にはサイドウォールゴム2a、内側に
はインナーライナゴム3が配置され、ベルト層6の外側
にはトレッドゴム4等が配置され、トレッドゴム4の外
周面には所定のパターンが形成される。
【0026】上記のゴム層等の原料ゴムとしては、天然
ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン
ゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム
(IIR)等が挙げられる。これらのゴムはカーボンブ
ラックやシリカ等の充填材で補強されると共に、加硫
剤、加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等が適宜配合され
る。また、ビードワイヤーとしては鋼線等が使用され、
ゴムとの接着性を高めるべく、通常、表面処理や接着処
理等がなされている。
【0027】本発明の空気入りタイヤは、カーカス層の
巻き返し部のコード角度をタイヤ径方向より部分的に変
えたカーカス用プライを使用すること以外は、通常の空
気入りタイヤと同様の製造方法で製造できる。上記のカ
ーカス用プライは円筒状に成型され、例えばビードの配
設後、チューブ状エアバッグが挿入され、内圧によりド
ーナツ状にシェーピングされた後、ベルト層6が常法に
より形成される。
【0028】上記のカーカス用プライは、例えば、ゴム
被覆したコードを供給しながら、駆動する貼り付けロー
ラによってコードの先端を、トレイに所望の経路にて貼
り付ける装置を用いたり、また、特開平8−24413
5号公報に記載の製造方法において、カーカス用プライ
の両端(カーカス先端部)をコード角をラジアルにする
ことで作製することができる。
【0029】前者の装置を用いたカーカス用プライの形
成方法について、更に説明すると、次のようになる。即
ち、図6に示すような装置を用いて、ローラ群43でコ
ード材料40を引き取ることにより、コード材料40を
ボビン41から送りながら、被覆ゴムの押出機42の口
金部42aを通過させて未加硫ゴムで被覆され、ゴム被
覆したコードは、緩衝部44の緩衝ローラ44a間に送
られて緩んだ状態となる。ゴム被覆したコードの先端
は、駆動機構46の駆動部46bに設けられた貼り付け
ローラ46cによって、トレイ47に所望の経路にて貼
り付けられ、貼り付け量に応じたコード長さが緩衝部4
4からガイドローラ45を経て引き取られる。貼り付け
経路の制御は、トレイ47の長手方向(Y方向)の移動
の位置制御と、駆動機構46の支持部46aを往復動
(X方向)する駆動部46bの移動の位置制御とにより
行うことができる。これにより、カーカス用プライ48
をトレイ47上に作製することができる。貼り付けはコ
ードを切断せずに行うのが簡便であり、その場合、軸心
が平行で高さが同じ2本の貼り付けローラ46cが使用
される。
【0030】所望のタイヤ形状と各部位での所望のコー
ド角度を得るためには、カーカス用プライを作製する際
のコード角度を適切に調整するのが好ましい。バイアス
タイヤでは、プライ状態でのコード角度とタイヤ成型後
のコード角度との関係が、下記の周知の関係式(近似
式)により算出できるが、本発明でも当該関係式が同様
に適用でき、Adを変数として対応する部分のRを決定
することで、Aを求めることができる。
【0031】Rd cosA=R cosAd ここで、Rdはドラム半径、Adはドラム上の周方向に
対するコード角、Rはタイヤ成型後のコードの位置に対
応する半径、Aはタイヤ成型後の周方向に対するコード
角である。
【0032】[他の実施形態]以下、本発明の他の実施
の形態について説明する。
【0033】(1)前述の実施形態では、カーカス層が
1層で構成され、巻き返し部のうち先端側の部分が傾斜
部と同じコード角である例を示したが、本発明では、図
3〜図4に示すように、2層以上のカーカス層10を設
けてもよく、また、先端側の部分15A,16Aが傾斜
部と異なるコード角でもよい。
【0034】この実施形態では、カーカス層10が外層
の本体部14と巻き返し部16、及び内層の本体部13
と巻き返し部15の2層で構成されている。各層の巻き
返し部16と巻き返し部15は、コード15a,16a
のコード角θ2 が85〜90°である先端側の部分15
A,16Aと、その部分15A,16Aよりタイヤ内周
側に配置され、コード15b,16bのコード角θ3
30〜85°である傾斜部15B,16Bとを、外層又
は内層の何れかで有していればよい。但し、内外の両層
において、各層の巻き返し部16と巻き返し部15が、
コード角θ3 が30〜85°である傾斜部15B,16
Bとを有するのが好ましい。更に好ましくは、図4
(a)に示すように、傾斜部15Bと傾斜部16Bとが
逆向きに傾斜している場合(好ましくは子午線に対称)
である。
【0035】(2)前述の実施形態では、カーカス層の
巻き返し部が一定のコード角である例を示したが、本発
明では、図5に示すように、カーカス層10の巻き返し
部12のコード角θ3 が変化していてもよい。その場
合、カーカス層10の巻き返し部12のうちビードフィ
ラー1bに隣接配置された部分12Bが、コード角θ3
が30〜85°の範囲内の角度範囲で先端側へと徐々に
小さくなっている傾斜部を有しているのが好ましい。こ
のようにコード角θ3 が変化する場合のコード角は、コ
ードの接線とタイヤ周方向PDとのなすコード角により
決定される。
【0036】(3)前述の実施形態では、巻き返し部の
うちビードフィラーに隣接配置された部分が傾斜部と一
致する例を示したが、本発明では、巻き返し部には、傾
斜部以外の部分、すなわちコード角が85〜90°であ
る部分や30°未満の部分を一部含んでいてもよい。
【0037】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、実施例等における物性
の測定と性能評価は下記のようにして行った。
【0038】(1)静的前後剛性 タイヤの空気圧を210KPa、荷重負荷を510Kg
とした状態で、前後方向の力を加えて、前後方向の力−
前後たわみの関係を測定したグラフに基づき、、荷重負
荷(510Kg)の0.3倍に相当する前後方向の力
を、その力が作用した時の前後たわみで除して算出し
た。
【0039】(2)1次共振周波数 タイヤの空気圧を指定された空気圧(210KPa)、
荷重負荷(510Kg)とした状態で、タイヤ外周上面
のトレッド中央部に対し、鉛直方向にハンマー加振し、
その際の軸に生じる上下方向の応答を振動伝達レベルで
周波数ごとに表示した。その際生じる複数の固有振動ピ
ークのうち、周波数の低いものから1番目に現れるピー
クの周波数を、1次共振周波数(1次弾性モード周波
数)とした。
【0040】(3)操縦安定性 実施例等で得られたサイズ205/55R16 89V
の空気入りタイヤを空気圧220kPaにてリム組み
(リム:6.5J)して実車(2000ccクラスの国
産セダン)に装着した。この実車により、ドライ時のテ
ストコースにおいて、パネラーによる実車フィーリング
テスト(直進、レーンチェンジ、ハンドリング走行安定
性)を実施し、その結果をポイントで評価した。この値
が大きいほど、操縦性が優れている。
【0041】(4)低周波ロードノイズ 操縦安定性の評価と同じ実車により、時速60kmでテ
ストコース(粗面路)を惰行しながら走行し、運転席窓
側の耳位置に取り付けたマイクで周波数125Hzでの
騒音(低周波ロードノイズ)のレベルを測定した。
【0042】実施例1 コードがレーヨン(1840dtex,伸度2%時の応
力69N/本)で、打ち込み数48本/5cmのカーカ
ス用プライと、ビードフィラー形成部材(加硫後のJI
SA硬度92°、三角形断面の底辺8mm、高さ45m
m)とを用いて、本体部がコード角90°、巻き返し部
(傾斜部)がコード角30°から85°に徐々に大きく
なるようにビードで外側に巻き返したカーカス層を形成
し、他の部分は通常のラジアルタイヤと同様にして、図
1に示すようなタイヤサイズ205/55R16 89
Vの空気入りタイヤを試作した。
【0043】実施例2 実施例1と同じカーカス用プライとビードフィラー形成
部材とを用いて、本体部がコード角90°、巻き返し部
がコード角85°から30°に徐々に小さくなるように
ビードで外側に巻き返したカーカス層を形成し、他の部
分は通常のラジアルタイヤと同様にして、図1に示すよ
うなタイヤサイズ205/55R1689Vの空気入り
タイヤを試作した。
【0044】実施例3 実施例1と同じカーカス用プライとビードフィラー形成
部材とを用いて、本体部がコード角90°、巻き返し部
が一定のコード角60°になるようにビードで外側に巻
き返したカーカス層を形成し、他の部分は通常のラジア
ルタイヤと同様にして、図1に示すようなタイヤサイズ
205/55R16 89Vの空気入りタイヤを試作し
た。
【0045】比較例1(従来品) 実施例1において、カーカス層の巻き返し部を全てコー
ド角90°で形成し(コードが全ての位置でラジア
ル)、他の部分は通常のラジアルタイヤと同様にして、
同じタイヤサイズの空気入りタイヤを試作した。
【0046】比較例2 実施例3において、カーカス層の巻き返し部のコード角
を29°とし、ビードフィラー形成部材の加硫後のJI
SA硬度を98°とする以外は、実施例3と同様にして
同じタイヤサイズの空気入りタイヤを試作した。
【0047】以上の空気入りタイヤを用いて、前記評価
を行った結果を表1に示す。
【0048】
【表1】 表1の結果が示すように、本発明によると、低周波ロー
ドノイズの低減効果と操縦安定性の改善効果とを両立さ
せることができる。これに対し、比較例2では、1次共
振周波数が高いため低周波ロードノイズの低減効果は殆
ど得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一例を示す部分断面
【図2】本発明の空気入りタイヤの要部を示す図であ
り、(a)はカーカス層を模式的に示す側面図、(b)
はそのコードの配置を模式的に示す説明図
【図3】本発明の空気入りタイヤの他の例を示す部分断
面図
【図4】本発明の空気入りタイヤの他の例の要部を示す
図であり、(a)はカーカス層を模式的に示す側面図、
(b)はそのコードの配置を模式的に示す説明図
【図5】本発明の空気入りタイヤの他の例の要部を示す
図であり、(a)はカーカス層を模式的に示す側面図、
(b)はそのコードの配置を模式的に示す説明図
【図6】カーカス用プライの作製に用いられる装置の概
略斜視図
【符号の説明】
1a ビード 1b ビードフィラー 10 カーカス層 11 カーカス層の本体部 12 カーカス層の巻き返し部 12A 先端側の部分 12B ビードフィラーに隣接配置された部分(傾
斜部) 12a 先端側のコード 12b ビードフィラーに隣接配置された部分のコ
ード 13 下層カーカス層の本体部 14 上層カーカス層の本体部 15 下層カーカス層の巻き返し部 16 上層カーカス層の巻き返し部 H タイヤ断面高さ PD タイヤ周方向 θ1 〜θ3 コード角

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の環状のビードで両端が巻き返され
    た1層以上のカーカス層を備え、そのカーカス層のビー
    ド間の本体部はコードとタイヤ周方向とのなすコード角
    が85〜90°である空気入りタイヤにおいて、 前記カーカス層の巻き返し部のうちビードフィラーに隣
    接配置された部分は、前記コード角が30〜85°の範
    囲内で一定又は角度変化する傾斜部を有すると共に、 空気充填状態で荷重負荷したタイヤへのハンマー加振に
    よる上下方向の軸力応答から計測される一次共振周波数
    が105Hz以下であることを特徴とする空気入りタイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 前記傾斜部は、前記コード角が30〜8
    5°の範囲内の角度範囲で先端側へと徐々に小さくなっ
    ている請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記傾斜部は、前記コード角が50〜7
    0°の範囲内で一定又は角度変化するものである請求項
    1記載の空気入りタイヤ。
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