JP2003225956A - ポリオレフィン系中空成形体 - Google Patents

ポリオレフィン系中空成形体

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JP2003225956A
JP2003225956A JP2002027235A JP2002027235A JP2003225956A JP 2003225956 A JP2003225956 A JP 2003225956A JP 2002027235 A JP2002027235 A JP 2002027235A JP 2002027235 A JP2002027235 A JP 2002027235A JP 2003225956 A JP2003225956 A JP 2003225956A
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polyolefin
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JP2002027235A
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Takeshi Takanashi
剛 高梨
Hitoshi Sato
斉 佐藤
Yuji Karasawa
勇治 唐沢
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JNC Petrochemical Corp
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Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は軟質チューブやホース等として十分
な柔軟性や屈曲性を有し、更に抗菌性も有する衛生的な
チューブやホース等のポリオレフィン系中空成形体を安
価で提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン樹脂(a)およびジエン
系重合体である熱可塑性エラストマー(b)を構成原料
とした樹脂組成物(I)からなる主層(X)の少なくと
も一方の面に、ポリオレフィン樹脂(c)および抗菌剤
(d)を構成原料とした樹脂組成物(II)からなる抗菌
層(Y)を特定範囲の肉厚となるように積層させたポリ
オレフィン系中空成形体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工業用、医療用、家
庭用、農業・園芸用等で用いられる各種の軟質チューブ
やホース等のポリオレフィン系中空成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、柔軟性を要求されるチューブやホ
ースには軟質ポリ塩化ビニル樹脂製のものが、柔軟性や
屈曲性、風合い等の面で優れる事から多く使用されてき
た。しかしながら軟質ポリ塩化ビニル樹脂製品は、廃棄
品を焼却する際に有害なガスが発生するため環境汚染が
懸念されている。
【0003】このような背景の中で特開平8−1277
00号公報には、ポリオレフィン樹脂、特定の水添ジエ
ン系重合体、抗菌剤等を組み合わせた熱可塑性エラスト
マー組成物が提案されており、該組成物はシート、フィ
ルム、チューブ等の成形品の材料として有用とされてい
る。しかしながら該公報ではポリオレフィン樹脂/特定
の水添ジエン系重合体の配合比(重量)が1〜99/9
9〜1の範囲となっている。例えばポリオレフィン樹脂
/水添ジエン系重合体の配合比が99/1の場合、得ら
れる成形品は軟質チューブやホース等として十分な柔軟
性や屈曲性が得られず、特に冬季の低温下では割れやひ
びが発生する事がある。逆にポリオレフィン樹脂/水添
ジエン系重合体の配合比が1/99の場合、得られる成
形品は夏季に塑性変形してしまう事がある。
【0004】一方、住宅内の水廻りや食品加工工場、更
には病院等で用いられる資材には衛生的な環境を保てる
資材、即ち抗菌性を有する資材が求められている。上述
の特開平8−127700号公報に記載の熱可塑性エラ
ストマー組成物にも抗菌剤が添加されているが、一般的
に抗菌剤は高価なものが多い。このため上述の組成物か
らなる成形品も肉厚が厚くなる程、成形品の価格は割高
となってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、軟質チューブやホース等として十分な柔軟
性や屈曲性を有し、更に抗菌性を有した衛生的なチュー
ブやホース等のポリオレフィン系中空成形体を安価で提
供する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決するため鋭意検討した結果、ポリオレフィン樹
脂およびジエン系重合体を特定量含有する樹脂組成物か
ら得られる中空成形体が、軟質チューブやホース等とし
て十分な柔軟性や屈曲性を有し、更に中空成形体の構造
を多層化しその一部の層のみに抗菌性を付与させること
で、従来の抗菌性チューブやホースと同等の抗菌性能を
維持させつつ安価に製造出来ることを見出し、この知見
に基づき本発明の完成に至った。
【0007】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は以下からな
る。 (1)ポリオレフィン樹脂(a)25〜75重量%およ
びジエン系重合体である熱可塑性エラストマー(b)7
5〜25重量%を含有する樹脂組成物(I)からなる主
層(X)と、ポリオレフィン樹脂(c)100重量部に
対して抗菌剤(d)を0.01〜10重量部の割合で含
有する樹脂組成物(II)からなる抗菌層(Y)とで構成
されたポリオレフィン系中空成形体であって、抗菌層
(Y)が主層(X)からなる中空成形体の外面および内
面の少なくとも片面に積層されており、かつ、該抗菌層
(Y)の総肉厚(Ty)が0.01〜0.4mmの範囲
である事を特徴とするポリオレフィン系中空成形体。 (2)ポリオレフィン樹脂(a)が、エチレン含有量が
50〜95重量%で、かつ密度が0.91g/cm
下であるエチレン−オレフィン共重合体である前記
(1)項記載のポリオレフィン系中空成形体。 (3)ポリオレフィン樹脂(a)が、プロピレン含有量
が75〜95重量%であるプロピレン−オレフィン共重
合体である前記(1)項記載のポリオレフィン系中空成
形体。 (4)抗菌剤(d)が、ポリリジンもしくはポリリジン
塩である前記(1)項記載のポリオレフィン系中空成形
体。
【0008】本発明で用いられる主層(X)を形成させ
るための樹脂組成物(I)は、ポリオレフィン樹脂
(a)およびジエン系重合体である熱可塑性エラストマ
ー(b)から構成される。上述のポリオレフィン樹脂
(a)としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン等の単独重合体やエチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン等で例示される2種以上のオレフィ
ン成分からなるランダムもしくはブロック共重合体等を
使用でき、これらの樹脂は1種または2種以上を混合し
て使用しても何ら問題はない。柔軟性や屈曲性等の特
性、加工性および価格のバランスが良好なことから本発
明で用いられるポリオレフィン樹脂(a)としては、密
度が0.91g/cm 以下、エチレン含有量が50〜
95重量%であるエチレン−オレフィン共重合体および
/またはプロピレン含有量が75〜95重量%であるプ
ロピレン−オレフィンランダムもしくはブロック共重合
体を用いるのが特に好ましい。
【0009】本発明で用いられる樹脂組成物(X)のも
う一方の構成原料であるジエン系重合体である熱可塑性
エラストマー(b)は、ポリオレフィン樹脂(a)との
相溶性を有し、改質剤として用いられる熱可塑性エラス
トマーを使用できる。具体的には共役ジエンの単独重合
体もしくは共重合体、芳香族化合物および共役ジエンか
らなる共重合体ならびにそれらの水素添加誘導体、例え
ば1,4−ポリブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS)、水添1,4−ポリブタジエンゴム、水添
1,2−ポリブタジエンゴム、水添スチレン−ブタジエ
ンゴム(HSBR)、スチレン−エチレンブチレン−ス
チレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチ
レンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEP
S)等を挙げることができる。更に、上述したスチレン
−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体の片末
端もしくは両末端スチレン基を擬似的なオレフィン結晶
構造基に置き換えて共重合させて得られる熱可塑性エラ
ストマー、例えばスチレン−エチレンブチレン−エチレ
ンブロック共重合体(SEBC)、エチレン−エチレン
ブチレン−エチレンブロック共重合体(CEBC)等を
用いてもよい。
【0010】上述の熱可塑性エラストマー(b)は、焼
却廃棄性の観点からハロゲン元素を含有しないジエン系
重合体を使用するのが好ましい。
【0011】本発明で用いられる樹脂組成物(I)は、
ポリオレフィン樹脂(a)およびジエン系重合体である
熱可塑性エラストマー(b)の組成比が、重量比換算で
25/75〜75/25、好ましくは35/65〜65
/35となるように配合することによって得られる。具
体的には例えば、所定量のポリオレフィン樹脂(a)お
よび熱可塑性エラストマー(b)を、タンブラーミキサ
ーを用いて混合することによって得ることができる。更
に必要に応じて、得られた混合物を単軸押出機もしくは
二軸押出機等の通常の押出機を用いて溶融混練して、ペ
レットとしてもよい。該ポリオレフィン樹脂(a)およ
び熱可塑性エラストマー(b)が前記組成範囲で配合さ
れているので、チューブやホース等として十分な柔軟性
や屈曲性が得られる。
【0012】本発明に用いられる抗菌層(Y)を形成さ
せるための樹脂組成物(II)は、ポリオレフィン樹脂
(c)100重量部に対して抗菌剤(d)を0.01〜
10重量部の割合で含有する。
【0013】上述のポリオレフィン樹脂(c)として
は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
等の単独重合体やエチレン、プロピレン、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセ
ン等で例示される2種以上のオレフィン成分からなるラ
ンダムもしくはブロック共重合体等を使用でき、これら
の樹脂は1種または2種以上を混合して使用しても何ら
問題はない。これらポリオレフィン樹脂の中では、主層
(X)と抗菌層(Y)との接着性が良好となることか
ら、樹脂組成物(I)を構成するポリオレフィン樹脂
(a)と同一もしくは同種のものを用いるのが好まし
い。
【0014】また上述の樹脂組成物(II)には、樹脂組
成物(I)中に含まれる熱可塑性エラストマー(b)を
適量配合する事もできる。該熱可塑性エラストマー
(b)を配合することで主層(X)の柔軟性や屈曲性等
の特性を、中空成形体の特性として維持させる事が可能
となる。
【0015】ポリオレフィン樹脂(c)に配合される抗
菌剤(d)としては、何ら制限されるものではなく、例
えば無機系の銀、銅、亜鉛等が含まれる金属化合物や有
機系のベンゾイミダゾール基含有化合物やエーテル基含
有化合物、ニトリル基含有化合物、スルフォン基含有化
合物等の各種化合物を使用する事ができる。本発明で用
いる抗菌剤としてはポリリジンもしくはポリリジン塩が
好ましい。
【0016】上述のポリリジンもしくはポリリジン塩
は、L−リジンのα位のアミノ基とカルボキシル基とが
結合したα−ポリリジンもしくはα−ポリリジン塩なら
びにε位のアミノ基とカルボキシル基とが結合したε−
ポリリジンもしくはε−ポリリジン塩の何れを用いても
よい。化学合成によって得られるα−ポリリジンは食品
添加物として許可されていないことから、本発明では以
下の製造法により得られるε−ポリリジンもしくはε−
ポリリジン塩を用いた方が、安全性の面で特に好まし
い。ε−ポリリジンとしては、例えば特開昭59−20
359号公報に記載のε−ポリリジン生産菌であるスト
レプトマイセス・アルプラス・サブスピーシーズ・リジ
ノポリメラスを培地に培養し、得られた培養物からε−
ポリリジンを分離、採取することによって得られる。こ
こでε−ポリリジン塩とはε−ポリリジンの無機酸塩
(無機酸:塩酸、硫酸、リン酸等)もしくは有機酸塩
(有機酸:酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸、
クエン酸、マレイン酸、アジピン酸、グルコン酸、カプ
ロン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノ
ール酸、アラキドン酸等)を意味する。本発明の樹脂組
成物(II)に配合される該抗菌剤(d)の配合量は、
0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%
である。配合量が前記範囲内で有るので、経済性と抗菌
性能のバランスが取れた中空成形体が得られる。また該
抗菌剤(d)の配合方法としては、ペレタイズやマスタ
ーバッチによりポリオレフィン樹脂(c)にブレンドす
る方法を例示できる。
【0017】本発明の中空成形体の抗菌層(Y)は、主
層(X)からなる中空成形体の外面および内面の少なく
とも片面に積層する事ができるが、抗菌層(Y)の総肉
厚(Ty)が0.01〜0.4mmの範囲で積層され
る。総肉厚(Ty)がこの範囲内であるので、柔軟性、
屈曲性および抗菌性の性能が十分に得られ、中空成形体
の肉厚が厚くなった場合でも価格の増加を極力抑えるこ
とができる。
【0018】本発明の樹脂組成物(I)ならびに(II)
には、必要に応じてポリオレフィンに用いることができ
る酸化防止剤、中和剤、分散剤、帯電防止剤、スリップ
剤、アンチブロッキング剤、耐候剤、難燃剤、着色剤、
無機充填剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0019】本発明の中空成形体の製造方法は、何ら制
限されるものではなく、中空成形体が得られるプラスチ
ックスの成形方法であればいかなる成形方法であっても
よい。具体的には環隙ダイを用いた異形押出成形法や、
押出機にて溶融混練された樹脂を中空状キャビティ内に
流し込み賦形させる中空射出成形法等によって中空成形
体を製造することができる。ここで抗菌層(Y)を主層
(X)に積層する方法としては、上述の成形方法で樹脂
組成物(I)ならびに(II)を別々の押出機にて溶融混
練し、アダプターを介し合流させ環隙ダイならびにキャ
ビティ内で中空状に賦形する方法、樹脂組成物(II)を
用いて抗菌フィルムを製造した後に主層(X)の表面に
巻き付ける方法等を例示できる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0021】本発明の実施例9でポリオレフィン樹脂
(a)として用いたプロピレン−オレフィンランダム共
重合体は、オレフィン成分としてエチレンを用いて以下
の製造方法によって得た。
【0022】攪拌羽根を有する横型重合器(L/D=
6、内容積100リットル)に平均粒径115μmの塩
化マグネシウムを担体としたチタン含有固体触媒成分を
0.5g/hrおよびトリエチルアルミニウム、ジイソ
プロピルジメトキシシランをAl/Siモル比=6とな
るように連続的に供給した。反応温度70℃、反応圧力
2.5MPa、攪拌速度400rpmの条件を維持しな
がらプロピレンとエチレンの混合ガスを連続供給し、更
に分子量調節のための水素ガスを連続的に供給して重合
反応を行い、所定のプロピレン量を含有するプロピレン
−エチレンランダム共重合体の粉末体を得た。次いで、
該プロピレン−エチレンランダム共重合体の粉末体10
0重量部に対して、リン系酸化防止剤0.1重量部およ
びステアリン酸カルシウム0.1重量部をヘンシェルミ
キサー(商品名)を用いて混合した後、異方向2軸押出
機(スクリュー外径45mm、L/D=32/1)にて
ペレタイズしてペレット状のプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体[MFR=2.5g/10min、プロピ
レン含有量;83重量%]を得た。MFRは、JISK
7210に準じて加熱温度230℃、荷重21.18N
で測定したメルトフローレートである。
【0023】本発明の実施例および比較例における各試
験は、下記試験法によって測定を行った。 柔軟性・屈曲性試験 0℃雰囲気の恒温槽中に10分間静置した中空成形体
を、恒温槽内で曲げ角度90度の条件で折り曲げた時
に、白化やキンク(kink)の発生がみられなかったも
のを○、いずれかひとつでもみられたものを×として評
価した。
【0024】(2)抗菌性試験1 “銀等無機抗菌剤研究会 銀等無機抗菌剤の抗菌評価試
験法(1995年)”に定められた合成樹脂抗菌試験法
である“フィルム密着法”を参考として下記内容の抗菌
性試験を行った。まず、中空成形体の試験面の表面積が
25cmとなるように中空成形体を所定長さに切り、
更に樹脂の流れ方向にカッタ−で切り裂き(1ヶ所の
み)、その外周面ならびに内周面をエタノールを染み込
ませた局方ガーゼで軽く2〜3回拭き、室温にて乾燥し
て試験サンプルとした。一方、普通ブイヨン培地を滅菌
精製水で500倍に希釈し、pHを7.0±0.2に調
整した「1/500培地」に滅菌したピペットで大腸菌
(Escherichia coil、IFO397
2)を、培地中の生菌数が3.0×10個/mLの濃
度となるように試験菌液を調整した。次に、試験サンプ
ルの中空成形体の試験面(内周面もしくは外周面)に試
験菌液0.5mLを噴霧し、更にその上から滅菌処理を
施したラップフィルムを密着させた後に該試験サンプル
を滅菌シャーレの中に入れ蓋をした。この滅菌シャーレ
を温度35±1℃、相対湿度90%以上の条件で24時
間かけて培養を行った。培養終了後、該試験サンプルな
らびにラップフィルムに付着している菌をSCDLP培
地(10mL)を用いて滅菌シャーレ中に十分に洗い出
し、この洗い出した液1mL中の生菌数を標準寒天培地
法により測定した。試験終了後、下記計算式により増減
値差を算出した。 ・抗菌剤未配合中空成形体 A:接種直後の生菌数 B:24時間培養操作後の生菌数 抗菌剤配合中空成形体 C:24時間培養操作後の生菌数 増減値差=log10(B/A)−log10(C/
A)
【0025】(3)抗菌性試験2 大腸菌の代わりに黄色ブドウ球菌(Staphyoco
ccus aureus、IFO12732)を使用し
て上述の抗菌性試験1に準拠して試験を実施した。
【0026】実施例1〜4 ポリオレフィン樹脂(a)としてダウ・ケミカル日本
(株)製のエンゲージ(登録商標)EG8200[エチレ
ン−オクテン共重合体…エチレン含有量76重量%、密
度0.870g/cm]を50重量%、熱可塑性エラ
ストマー(b)としてクレイトンポリマー(株)製クレイ
トン(登録商標)G1657[スチレン−エチレンブチ
レン−スチレンブロック共重合体]を50重量%の量比
となるように2種の原料をタンブラーで均一に混合し樹
脂組成物(I)を準備した。また、これとは別にポリオ
レフィン樹脂(c)として上述のエンゲージ(登録商
標)EG8200を100重量部準備し、このペレット
表面に展着剤(流動パラフィンを使用)を介して抗菌剤
(d)としてε−ポリリジン粉末1重量部をヘンシェル
ミキサー(商品名)内で展着させた。次いで、このε−
ポリリジン展着ペレットを異方向2軸押出機(スクリュ
ー外径45mm、L/D=32/1)を用いてペレタイ
ズし樹脂組成物(II)を得た。3台の単軸押出機(何れ
もスクリュー外径;40mm,L/D=22/1)から
なる異形押出装置のうちメイン押出機1台で樹脂組成物
(I)を、また残り2台のサテライト押出機にて樹脂組
成物(II)をそれぞれ溶融混練し、アダプター部で樹脂
組成物(I)の外周面ならびに内周面に樹脂組成物(I
I)を被覆し環隙ダイ(吐出部口径;18mm,マンド
レル径;13mm)より溶融樹脂を押出した。押出され
た中空状樹脂の内部へマンドレル中央の孔より送気しな
がら中空状樹脂をサイジング装置内で賦形し、表1記載
の所定の肉厚および内径を有する中空成形体(層構成:
抗菌層(Y)/主層(X)/抗菌層(Y))を得た。こ
こで、実施例1〜4の各中空成形体の肉厚および内径変
更は押出機の吐出量、サイジング装置の形状、溶融樹脂
の中空内部への送気量、ライン速度等を調整し所定の肉
厚および内径となるようにした。得られた中空成形体は
何れも表1に示した試験結果の通り、柔軟性、屈曲性お
よび抗菌性共に十分な性能が得られ軟質抗菌チューブや
ホース等として好適に使用できるものであった。
【0027】実施例5〜6 樹脂組成物(I)のポリオレフィン樹脂(a)および熱
可塑性エラストマー(b)の配合比を表2に記載の量比
に変更した以外は、実施例1に準拠して中空成形体を得
た。得られた中空成形体は何れも表2に示した試験結果
の通り、柔軟性、屈曲性および抗菌性共に十分な性能が
得られ軟質抗菌チューブやホース等として好適に使用で
きるものであった。
【0028】実施例7 熱可塑性エラストマー(b)としてJSR(株)製ダイナ
ロン(登録商標)1320P(スチレン−ブタジエンゴ
ムの水素添加誘導体)を用いた以外は実施例1に準拠し
て中空成形体を得た。得られた中空成形体は何れも表3
に示した試験結果の通り、柔軟性、屈曲性および抗菌性
共に十分な性能が得られ軟質抗菌チューブやホース等と
して好適に使用できるものであった。
【0029】実施例8 熱可塑性エラストマー(b)としてJSR(株)製ダイナ
ロン(登録商標)6200P(オレフィン結晶−エチレ
ンブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体)を用い
た以外は実施例1に準拠して中空成形体を得た。得られ
た中空成形体は何れも表3に示した試験結果の通り、柔
軟性、屈曲性および抗菌性共に十分な性能が得られ軟質
抗菌チューブやホース等として好適に使用できるもので
あった。
【0030】実施例9 ポリオレフィン樹脂(a)として上述のプロピレン−エ
チレンランダム共重合体[MFR=2.5g/10mi
n、プロピレン含有量;83重量%]および熱可塑性エ
ラストマー(b)としてクレイトンポリマー(株)製クレ
イトン(登録商標)G1657[スチレン−エチレンブ
チレン−スチレンブロック共重合体]をそれぞれ50重
量%の量比となるように2種の原料をタンブラーで均一
に混合し樹脂組成物(I)を準備した。また、これとは
別に該ポリオレフィン樹脂(a)をペレタイズする際に
用いたプロピレン−エチレンランダム共重合体の粉末体
100重量部に対し、リン系酸化防止剤0.1重量部、
ステアリン酸カルシウム0.1重量部および抗菌剤
(d)としてε−ポリリジン粉末1重量部をヘンシェル
ミキサー(商品名)内で混合し実施例1で用いた異方向
2軸押出機でペレタイズし樹脂組成物(II)を得た。実
施例1記載の異形押出装置を用いて上述の樹脂組成物
(I)をメイン押出機、樹脂組成物(II)を2台のサテ
ライト押出機より溶融混練し押出した。押出された中空
状樹脂を実施例1記載の方法で賦形して表3に示した肉
厚および内径を有する中空成形体を得た。得られた中空
成形体は表3に示した試験結果の通り、柔軟性、屈曲性
および抗菌性共に十分な性能が得られ軟質抗菌チューブ
やホース等として好適に使用できるものであった。
【0031】実施例10 実施例1記載の異形押出装置の運転において2台あるサ
テライト押出機のうち1台の運転を止め、抗菌層(Y)
を主層(X)の外周面のみに積層し表3に示す肉厚およ
び内径にした以外は実施例1に準拠して中空成形体(層
構成:主層(X)/抗菌層(Y))を得た。得られた中
空成形体は表3に示した試験結果の通り、柔軟性、屈曲
性が十分であり、該中空成形体の外周面は十分な抗菌性
を有しており、軟質抗菌チューブやホース等として好適
に使用できるものであった。
【0032】実施例11 抗菌剤(d)をシナネン(株)製ゼオミック(登録商標)
[銀担持ゼオライト]に変更した以外は実施例1に準拠
して中空成形体を得た。得られた中空成形体は表3に示
した試験結果の通り、柔軟性、屈曲性および抗菌性共に
十分な性能が得られ軟質抗菌チューブやホース等として
好適に使用できるものであった。
【0033】比較例1 実施例1記載の異形押出装置の運転において2台のサテ
ライト押出機の運転を止め、中空成形体の構成を主層
(X)のみとした以外は実施例1に準拠して中空成形体
を得た。得られた中空成形体は表4に示した試験結果の
通り、柔軟性および屈曲性共に十分であったが、抗菌性
能が全く無く衛生的なチューブやホースとは云えないも
のであった。
【0034】比較例2 樹脂組成物(I)のポリオレフィン樹脂(a)と熱可塑
性エラストマー(b)の配合比を表4に記載の量比に変
更した以外は実施例1に準拠して中空成形体を得た。得
られた中空成形体は表4に示した試験結果の通り、十分
な抗菌性を有していたが、柔軟性・屈曲性試験でキンク
の発生が確認された事からチューブやホースとして用い
るには性能が不十分なものだった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】本発明の中空成形体は、十分な柔軟性や
屈曲性を有し、また十分な抗菌性も有している。このた
め本発明は、衛生的な軟質チューブやホース等のポリオ
レフィン系中空成形体製品を安価で提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 11/04 F16L 11/04 (72)発明者 唐沢 勇治 千葉県市原市五井海岸5番地の1 チッソ 石油化学株式会社加工品開発研究所内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA15 BA31 BA34 CB03 DA26 DB21 DB27 4F100 AK03A AK03B AL05A AL05B AL09A BA02 CA12B DA01 GB17 JC00 JK13 JL02 4J002 AC05X BB03W BB05W BB12W BB14W BB17W BP01X BP02W

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂(a)25〜75重
    量%およびジエン系重合体である熱可塑性エラストマー
    (b)75〜25重量%を含有する樹脂組成物(I)か
    らなる主層(X)と、ポリオレフィン樹脂(c)100
    重量部に対して抗菌剤(d)を0.01〜10重量部の
    割合で含有する樹脂組成物(II)からなる抗菌層(Y)
    とで構成されたポリオレフィン系中空成形体であって、
    抗菌層(Y)が主層(X)からなる中空成形体の外面お
    よび内面の少なくとも片面に積層されており、かつ、該
    抗菌層(Y)の総肉厚(Ty)が0.01〜0.4mm
    の範囲である事を特徴とするポリオレフィン系中空成形
    体。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン樹脂(a)が、エチレン
    含有量が50〜95重量%で、かつ密度が0.91g/
    cm以下であるエチレン−オレフィン共重合体である
    請求項1記載のポリオレフィン系中空成形体。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン樹脂(a)が、プロピレ
    ン含有量が75〜95重量%であるプロピレン−オレフ
    ィン共重合体である請求項1記載のポリオレフィン系中
    空成形体。
  4. 【請求項4】 抗菌剤(d)が、ポリリジンもしくはポ
    リリジン塩である請求項1記載のポリオレフィン系中空
    成形体。
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DE102004031923A1 (de) * 2004-06-23 2006-01-19 Hansgrohe Ag Sanitärschlauch aus flexiblem Kunststoff mit antibakterieller Ausrüstung
JP2008503696A (ja) * 2004-06-23 2008-02-07 ハンスグローエ アーゲー 抗菌仕上げを有し可撓性プラスチックで製造されたサニタリーホース

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