JP2003222704A - 反射防止フィルム、偏光板およびディスプレイ装置 - Google Patents

反射防止フィルム、偏光板およびディスプレイ装置

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JP2003222704A
JP2003222704A JP2002023808A JP2002023808A JP2003222704A JP 2003222704 A JP2003222704 A JP 2003222704A JP 2002023808 A JP2002023808 A JP 2002023808A JP 2002023808 A JP2002023808 A JP 2002023808A JP 2003222704 A JP2003222704 A JP 2003222704A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な反射防止性能と防汚性を有しながら耐傷
性の向上した反射防止フィルムを高い生産性で提供す
る。 【解決手段】透明支持体上に、少なくともハードコート
層と含フッ素ポリマーを含む屈折率が1.38〜1.4
9の低屈折率層を有する光学フィルムにおいて、該ハー
ドコート層乃至低屈折率層の少なくとも1層に下記式で
表される化合物を含有する反射防止フィルム。 (R1)m−Si(OR2)n (式中、R1は置換もしくは無置換のアルキル基もしく
は、アリール基を表す。R2は置換もしくは無置換のア
ルキル基もしくはアシル基を表す。mは0〜3の整数を
表す。nは1〜4の整数を表す。mとnの合計は4であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射防止フィル
ム、偏光板およびそれを用いたディスプレイ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】反射防止フィルムは一般に、陰極管表示
装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)エレ
クトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表
示装置(LCD)のようなディスプレイ装置において、
外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防
止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減す
るディスプレイの最表面に配置される。
【0003】しかしながら、透明支持体上にハードコー
ト層と低屈折率層のみを有する反射防止フィルムにおい
ては、反射率を低減するためには低屈折率層を十分に低
屈折率化しなければならず、トリアセチルセルロースを
支持体とし、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
トのUV硬化被膜をハードコート層とする反射防止フィ
ルムで450nmから650nmにおける平均反射率を
1.6%以下にするためには屈折率を1.40以下にし
なければならない。屈折率1.40以下の素材としては
無機物ではフッ化マグネシウムやフッ化カルシウム、有
機物ではフッ素含率の大きい含フッ素化合物が挙げられ
るが、これらフッ素化合物は凝集力がないためディスプ
レイの最表面に配置するフィルムとしては耐傷性が不足
していた。従って、十分な耐傷性を有するためには1.
43以上の屈折率を有する化合物が必要であった。
【0004】特開平7−287102号においては、ハ
ードコート層の屈折率を大きくすることにより、反射率
を低減させることが記載されている。しかしながら、こ
のような高屈折率ハードコート層は支持体との屈折率差
が大きいためにフィルムの色むらが発生し、反射率の波
長依存性も大きく振幅してしまう。
【0005】また特開平7−333404号において
は、ガスバリア性、防眩性、反射防止性に優れる防眩性
反射防止膜が記載されているが、CVDによる酸化珪素
膜が必須であるため、ウェット塗布と比較して生産性が
劣る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、十分
な反射防止性能と防汚性を有しながら耐傷性の向上した
反射防止フィルムを提供することにある。さらにはその
ような反射防止フィルムを高い生産性で提供することで
ある。さらにはそのような反射防止フィルムを用いた偏
光板やディスプレイ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記構
成の反射防止フィルム、偏光板及びディスプレイ装置が
提供され、上記目的が達成される。 (1)透明支持体上に、少なくともハードコート層と含
フッ素ポリマーを含む屈折率が1.38〜1.49の低
屈折率層を有する光学フィルムにおいて、該ハードコー
ト層乃至低屈折率層の少なくとも1層に下記一般式
(1)で表される化合物を含有することを特徴とする反
射防止フィルム。 一般式(1) (R1)m−Si(OR2)n (式中、R1は置換もしくは無置換のアルキル基もしく
は、アリール基を表す。R2は置換もしくは無置換のア
ルキル基もしくはアシル基を表す。mは0〜3の整数を
表す。nは1〜4の整数を表す。mとnの合計は4であ
る。) (2)該ハードコート層の少なくとも1層が防眩性ハー
ドコート層であることを特徴とする(1)に記載の反射
防止フィルム。 (3)該防眩性ハードコート層の下層に、さらに防眩性
を有しないハードコート層を有することを特徴とする
(2)に記載の反射防止フィルム。 (4)該防眩性ハードコート層がバインダーと平均粒径
1.0〜10.0μmのマット粒子から形成され、該バ
インダーの屈折率が1.48〜2.00であることを特
徴とする(2)〜(3)に記載の反射防止フィルム。 (5)該ハードコート層にジルコニウム、チタン、アル
ミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモン、および
ケイ素のうちより選ばれる少なくとも1つの酸化物から
なる無機フィラーを含有することを特徴とする(1)〜
(4)に記載の反射防止フィルム。 (6)該低屈折率層にシリカ、およびフッ化マグネシウ
ムより選ばれる無機フィラーを含有することを特徴とす
る(1)〜(5)に記載の反射防止フィルム。 (7)該防眩性ハードコート層より下層の防眩性を有し
ないハードコート層にシリカ、およびアルミナより選ば
れる無機フィラーを含有することを特徴とする(3)〜
(6)に記載の反射防止フィルム。 (8)全てのハードコート層および低屈折率層に無機フ
ィラー粒子を含有することを特徴とする(1)〜(7)
に記載の反射防止フィルム。 (9)該無機フィラーの平均粒径が0.001〜0.2
μmであることを特徴とする(5)〜(8)に記載の反
射防止フィルム。 (10)該低屈折率層側表面の動摩擦係数が0.03〜
0.15であり、かつ、水に対する接触角が90〜12
0°であることを特徴とする(1)〜(9)に記載の反
射防止フィルム。 (11)該ハードコート層の表面エネルギーが25mN
・m-1〜70mN・m-1であることを特徴とする(1)
〜(10)に記載の反射防止フィルム。 (12)該防眩性ハードコート層がフッ素系および/ま
たはシリコーン系の界面活性剤を含有することを特徴と
する(2)〜(11)に記載の反射防止フィルム。 (13)該防眩性ハードコート層がX線光電子分光法で
測定したフッ素原子由来のピークと炭素原子由来のピー
クの比であるF/Cが0.40以下、および/またはシ
リコン原子由来のピークと炭素原子由来のピークの比で
あるSi/Cが0.30以下であることを特徴とする
(2)〜(12)に記載の反射防止フィルム。 (14)ヘイズが3.0〜50.0%であり、450〜
650nmの平均反射率が2.2%以下であることを特
徴とする(1)〜(13)に記載の反射防止フィルム。 (15)該透明支持体がトリアセチルセルロース、ポリ
エチレンテレフタレート、またはポリエチレンナフタレ
ートであることを特徴とする(1)〜(14)に記載の
反射防止フィルム。 (16)低屈折率層を有する側とは反対側の透明支持体
の表面の水に対する接触角が40゜以下であることを特
徴とする(1)〜(15)に記載の反射防止フィルム。 (17)一般式(1)で表される化合物のR1の置換基
が重合性のアシルオキシ基、またはエポキシ基であるこ
とを特徴とする(1)〜(16)に記載の反射防止フィ
ルム。 (18)透明支持体上に、少なくともハードコート層と
含フッ素ポリマーを含む屈折率が1.38〜1.49の
低屈折率層を塗設する(1)〜(17)に記載の反射防
止フィルムの製造方法において、該ハードコート層乃至
低屈折率層の少なくとも1層の塗布液が一般式(1)で
表される化合物を含有することを特徴とする反射防止フ
ィルムの製造方法。 (19)透明支持体上に低屈折率層を形成した後、鹸化
処理することにより得られることを特徴とする(18)
に記載の反射防止フィルムの製造方法。 (20)低屈折率層が塗布工程により形成され、該低屈
折率層用塗布液の溶媒が少なくとも1種の溶媒からな
り、該溶媒の50〜100質量%が沸点100℃以下の
溶媒からなることを特徴とする(18)または(19)
に記載の反射防止フィルムの製造方法。 (21)低屈折率層用塗布液の溶媒がケトン類および/
またはエステル類であることを特徴とする(18)〜
(20)に記載の反射防止フィルムの製造方法。 (22)ロール形態の透明支持体を連続的に巻き出し、
該巻き出された支持体の一方の側に、ハードコート層乃
至含フッ素ポリマーを含む低屈折率層の内の少なくとも
一層をマイクログラビアコート法によって塗工すること
を特徴とする(18)〜(21)に記載の反射防止フィ
ルムの製造方法。 (23)(1)〜(17)に記載の反射防止フィルムま
たは(18)〜(22)に記載の製造方法で製造された
反射防止フィルムを、偏光板における偏光層の2枚の保
護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴
とする偏光板。(24)(1)〜(17)に記載の反射
防止フィルム、(18)〜(22)の製造方法で製造さ
れた反射防止フィルムまたは(23)に記載の偏光板の
低屈折率層を最表層に用いたことを特徴とするディスプ
レイ装置。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態として好適
な反射防止フィルムの基本的な構成を図面を参照しなが
ら説明する。
【0009】図1に模式的に示される態様は本発明の反
射防止フィルムの一例であり、この場合、反射防止フィ
ルム1は、透明支持体2、ハードコート層3、防眩性ハ
ードコート層4、そして低屈折率層5の順序の層構成を
有する。防眩性ハードコート層4には、微粒子6が分散
しており、防眩性ハードコート層4の微粒子6以外の部
分の素材の屈折率が1.57〜2.00の範囲にあるこ
とが好ましく、低屈折率層5の屈折率は1.38〜1.
49の範囲にあることが好ましい。本発明においてはハ
ードコート層はこのように防眩性を有するハードコート
層でもよいし、防眩性を有しないハードコート層でもよ
く、1層でもよいし、複数層、例えば2層乃至4層で構
成されていてもよい。従って図1に示したハードコート
層3は必須ではないがフィルム強度付与のために塗設さ
れることが好ましい。同様に低屈折率層においても1層
で構成されていてもよいし、複数層で構成されていても
よい。
【0010】本発明のハードコート層と低屈折率層のう
ちの少なくとも1層には、下記一般式(1)の化合物が
含有される。 一般式(1) (R1)m−Si(OR2)n 一般式(1)式中、R1は置換もしくは無置換のアルキ
ル基もしくは、アリール基を表す。R2は置換もしくは
無置換のアルキル基もしくはアシル基を表す。mは0〜
3の整数を表す。nは1〜4の整数を表す。mとnの合
計は4である。一般式(1)で表される化合物について
説明する。一般式(1)においてR1は置換もしくは無
置換のアルキル基もしくはアリール基を表す。アルキル
基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ヘキシル、t−ブチル、sec−ブチル、ヘキシル、デシ
ル、ヘキサデシル等が挙げられる。アルキル基として好
ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜1
6、特に好ましくは1〜6のものである。アリール基と
してはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフ
ェニル基である。置換基としては特に制限はないが、ハ
ロゲン(フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、メルカプト
基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチ
ル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル
等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘ
テロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコ
キシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシ
ルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アル
キルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチ
オ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−
プロペニル等)、アルコキシシリル基(トリメトキシシ
リル、トリエトキシシリル等)、アシルオキシ基(アセ
トキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ
等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、
エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基
(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバ
モイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカ
ルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル
等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルア
ミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が好ま
しい。これらのうちで更に好ましくは水酸基、メルカプ
ト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アル
コキシシリル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基であ
り、特に好ましくはエポキシ基、重合性のアシルオキシ
基(アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ)、重
合性のアシルアミノ基(アクリルアミノ、メタクリルア
ミノ)である。またこれら置換基は更に置換されていて
も良い。R2は置換もしくは無置換のアルキル基もしく
はアシル基を表す。アルキル基、アシル基ならびに置換
基の説明はR1と同じである。R2として好ましくは無置
換のアルキル基もしくは無置換のアシル基であり、より
好ましくは無置換のアルキル基であり、特に好ましくは
炭素数1〜4の無置換のアルキル基である。mは0〜3
の整数を表す。nは1〜4の整数を表す。mとnの合計
は4である。R1もしくはR2が複数存在するとき、複数
のR1もしくはR2はそれぞれ同じであっても異なってい
ても良い。mとして好ましくは0、1、2であり、特に
好ましくは1である。以下に一般式(1)で表される化
合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】これらの具体例の中で、(1)、(1
2)、(18)、(19)等が特に好ましい。一般式
(1)の化合物の適宜な含有量は、比較的厚膜な下層の
場合は少なく、薄膜な表面層の場合は多く必要である
が、含有層(添加層)の全固形分の3〜600質量%が
好ましく、5〜300質量%がより好ましく、10〜2
00質量%が最も好ましい。本発明においてはハードコ
ート層乃至低屈折率層の少なくとも1層に本発明の一般
式(1)で表される化合物を含有するが、含有させる方
法としてはこれらハードコート層乃至低屈折率層の少な
くとも1層の塗布液に含有せしめて塗設することが好ま
しい。
【0018】本発明の反射防止フィルムは透明支持体上
にハードコート層を有し、さらにその上に低屈折率層を
有するが、要求される性能に応じ、該ハードコートの一
層を防眩性ハードコート層とした反射防止フィルムとす
ることができる。本発明の反射防止フィルムでは膜強度
を向上させる目的で防眩性ハードコート層の下層にさら
に防眩性ではないハードコート層を設けることもでき
る。
【0019】さらに支持体上の各層に無機フィラーを添
加することが好ましい。各層に添加する無機フィラーは
それぞれ同じでも異なっていても良く、各層の屈折率、
膜強度、膜厚、塗布性などの必要性能に応じて、種類、
添加量、は適宜調節されることが好ましい。本発明に使
用する無機フィラー形状は特に制限されるものではな
く、例えば、球状、板状、繊維状、棒状、不定形、中空
等のいずれも好ましく用いられるが、球状が分散性がよ
くより好ましい。また、無機フィラーの種類についても
特に制限されるものではないが、非晶質のものが好まし
く用いられ、金属の酸化物、窒化物、硫化物またはハロ
ゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物が特に好
ましい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、B
a、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、
Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、
B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、PbおよびNi等
が挙げられる。無機フィラーの平均粒子径は、透明な硬
化膜を得るためには、0.001〜0.2μmの範囲内
の値とするのが好ましく、より好ましくは0.001〜
0.1μm、さらに好ましくは0.001〜0.06μ
mである。ここで、粒子の平均粒径はコールターカウン
ターにより測定される。本発明における無機フィラーの
使用方法は特に制限されるものではないが、例えば、乾
燥状態で使用することができるし、あるいは水もしくは
有機溶媒に分散した状態で使用することもできる。本発
明において、無機フィラーの凝集、沈降を抑制する目的
で、分散安定化剤を併用することも好ましい。分散安定
化剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、セルロース誘導体、ポリアミド、リン酸エステ
ル、ポリエーテル、界面活性剤および、本発明に係る一
般式(1)の化合物も含め、シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、等を使用することができる。特に
シランカップリング剤が硬化後の皮膜が強いため好まし
い。分散安定化剤としてのシランカップリング剤の添加
量は特に制限されるものではないが、例えば、無機フィ
ラー100質量部に対して、1質量部以上の値とするの
が好ましい。また、分散安定化剤の添加方法も特に制限
されるものではないが、予め加水分解したものを添加す
ることもできるし、あるいは、分散安定化剤であるシラ
ンカップリング剤と無機フィラーとを混合後、さらに加
水分解および縮合する方法を採ることができるが、後者
の方がより好ましい。また本発明の一般式(1)の化合
物は、無機フィラーの分散安定化剤として用いられる以
外に、さらに各層のバインダー構成成分の一部として、
塗布液調製時の添加剤としても用いることが好ましい。
各層に適する無機フィラーについてはそれぞれ後述す
る。
【0020】本発明の防眩性ハードコート層について以
下に説明する。防眩性ハードコート層はハードコート性
を付与するためのバインダー、防眩性を付与するための
マット粒子、および高屈折率化、架橋収縮防止、高強度
化のための無機フィラー、から形成される。バインダー
としては、飽和炭化水素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖
として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化
水素鎖を主鎖として有するポリマーであることがさらに
好ましい。また、バインダーポリマーは架橋構造を有す
ることが好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有する
バインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマ
ーの重合体が好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有
し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとして
は、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの
(共)重合体が好ましい。高屈折率にするには、このモ
ノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原
子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少
なくとも1種の原子を含むことが好ましい。
【0021】二個以上のエチレン性不飽和基を有するモ
ノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸
とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シ
クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリ
アクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニ
ルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベ
ンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチル
エステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニ
ルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド
(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリル
アミドが挙げられる。上記モノマーは2種以上併用して
もよい。
【0022】高屈折率モノマーの具体例としては、ビス
(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニ
ルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタク
リロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテ
ル等が挙げられる。これらのモノマーも2種以上併用し
てもよい。
【0023】これらのエチレン性不飽和基を有するモノ
マーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開
始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行う
ことができる。従って、エチレン性不飽和基を有するモ
ノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、
マット粒子および無機フィラーを含有する塗液を調製
し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱
による重合反応により硬化して反射防止フィルムを形成
することができる。光ラジカル重合開始剤としては、例
えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラー
のベンゾイルベンゾエート、−アミロキシムエステル、
テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチオキサ
ントン類等が挙げられる。特に、光開裂型の光ラジカル
重合開始剤が好ましい。光開裂型の光ラジカル重合開始
剤については、最新UV硬化技術(P.159,発行人;高
薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発
行)に記載されている市販の光開裂型の光ラジカル重合
開始剤としては、日本チバガイギー(株)製のイルガキ
ュア(651,184,907)等が挙げられる。光重
合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、
0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、
より好ましくは1〜10質量部の範囲である。光重合開
始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具
体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ト
リ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトンおよびチ
オキサントンを挙げることができる。
【0024】ポリエーテルを主鎖として有するポリマー
は、多官能エポシキシ化合物の開環重合体が好ましい。
多官能エポシキ化合物の開環重合は、光酸発生剤あるい
は熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射または加熱に
より行うことができる。従って、多官能エポシキシ化合
物、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤、マット粒子および
無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支
持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応によ
り硬化して反射防止フィルムを形成することができる。
【0025】二個以上のエチレン性不飽和基を有するモ
ノマーの代わりにまたはそれに加えて、架橋性官能基を
有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導
入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバイ
ンダーポリマーに導入してもよい。架橋性官能基の例に
は、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オ
キサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジ
ン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレ
ン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノ
アクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロー
ル、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランの
ような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するための
モノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基
のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を
用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基
は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結
果反応性を示すものであってもよい。これら架橋性官能
基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱すること
によって架橋構造を形成することができる。
【0026】防眩性ハードコート層には、防眩性付与の
目的で、フィラー粒子より大きな平均粒径が1〜10μ
m、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例え
ば無機化合物の粒子または樹脂粒子が含有される。上記
マット粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、Ti
2粒子等の無機化合物の粒子;架橋アクリル粒子、架
橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン
樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも
架橋スチレン粒子が好ましい。マット粒子の形状は、真
球あるいは不定形のいずれも使用できる。また、異なる
2種以上のマット粒子を併用して用いてもよい。上記マ
ット粒子は、形成された防眩性ハードコート層中のマッ
ト粒子量が好ましくは10〜1000mg/m2、より
好ましくは30〜100mg/m2となるように防眩性
ハードコート層に含有される。また、特に好ましい態様
は、マット粒子として架橋スチレン粒子を用い、防眩性
ハードコート層の膜厚の2分の1よりも大きい粒径の架
橋スチレン粒子が、該架橋スチレン粒子全体の40〜1
00%を占める態様である。ここで、マット粒子の粒度
分布はコールターカウンター法により測定し、測定され
た分布を粒子数分布に換算する。
【0027】防眩性ハードコート層には、層の屈折率を
高めるために、上記のマット粒子に加えて、チタン、ジ
ルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、ア
ンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸
化物からなり、平均粒径が0.2μm以下、好ましくは
0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下であ
る無機フィラーが含有されることが好ましい。また逆
に、マット粒子との屈折率差を大きくするために、高屈
折率マット粒子を用いた防眩性ハードコート層では層の
屈折率を低目に保つためにケイ素の酸化物を用いること
も好ましい。好ましい粒径は前述の無機フィラーと同じ
である。防眩性ハードコート層に用いられる無機フィラ
ーの具体例としては、TiO2、ZrO2、Al23、I
23、ZnO、SnO2、Sb23、ITOとSiO 2
等が挙げられる。TiO2およびZrO2が高屈折率化の
点で特に好ましい。該無機フィラーは表面をシランカッ
プリング処理又はチタンカップリング処理されることも
好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官
能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。これら
の無機フィラーの添加量は、防眩性ハードコート層の全
質量の10〜90%であることが好ましく、より好まし
くは20〜80%であり、特に好ましくは30〜75%
である。なお、このようなフィラーは、粒径が光の波長
よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダーポリ
マーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物
質として振舞う。
【0028】本発明の防眩性ハードコート層のバインダ
ーおよび無機フィラーの混合物の合計の屈折率は、1.
48〜2.00であることが好ましく、より好ましくは
1.50〜1.80である。屈折率を上記範囲とするに
は、バインダー及び無機フィラーの種類及び量割合を適
宜選択すればよい。どのように選択するかは、予め実験
的に容易に知ることができる。
【0029】本発明の防眩性ハードコート層は、特に塗
布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性を確保するた
めに、フッ素系、シリコーン系の何れかの界面活性剤、
あるいはその両者を防眩層形成用の塗布組成物中に含有
する。特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量
において、本発明の反射防止フィルムの塗布ムラ、乾燥
ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるた
め、好ましく用いられる。フッ素系の界面活性剤の好ま
しい例としては、スリーエム社製のフロラードFC−4
31等のパーフルオロアルキルスルホン酸アミド基含有
ノニオン、大日本インキ社製のメガファックF−17
1、F−172、F−173、F−176PF等のパー
フルオロアルキル基含有オリゴマー等が挙げられる。シ
リコーン系の界面活性剤としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のオリゴマー等の各種の置
換基で側鎖や主鎖の末端が変性されたポリジメチルシロ
キサン等が挙げられる。
【0030】しかしながら、上記のような界面活性剤を
使用することにより、防眩層表面にF原子を含有する官
能基および/またはSi原子を有する官能基が偏析する
ことにより防眩層の表面エネルギーが低下し、上記防眩
層上に低屈折率層をオーバーコートしたときに反射防止
性能が悪化する問題が生じる。これは低屈折率層を形成
するために用いられる塗布組成物の濡れ性が悪化するた
めに低屈折率層の膜厚の目視では検知できない微小なム
ラが悪化するためと推定される。このような問題を解決
するためには、フッ素系および/またはシリコーン系の
界面活性剤の構造と添加量を調整することにより、防眩
層の表面エネルギーを好ましくは25mN・m-1〜70
mN・m-1に、より好ましくは35mN・m-1〜70m
N・m-1に制御することが効果的であり、さらに後述す
るように低屈折率層の塗布溶剤を50〜100質量パー
セントが100℃以下の沸点を有するものとすることが
効果的であることを見出した。また、上記のような表面
エネルギーを実現するためには、X線光電子分光法で測
定したフッ素原子由来のピークと炭素原子由来のピーク
の比であるF/Cが0.40以下、および/またはシリ
コン原子由来のピークと炭素原子由来のピークの比であ
るSi/Cが0.30以下であることが必要である。
【0031】防眩性ハードコート層の膜厚は1〜10μ
mが好ましく、1.2〜6μmがより好ましい。
【0032】本発明の反射防止フィルムでは、フィルム
強度向上の目的で防眩性ではないいわゆる平滑なハード
コート層も好ましく用いられ、透明支持体とハードコー
ト層の間に塗設される。平滑なハードコート層に用いる
素材は防眩性付与のためのマット粒子を用いないこと以
外は防眩性ハードコート層において挙げたものと同様で
あり、バインダーと無機フィラーから形成される。本発
明の平滑なハードコート層では無機フィラーとしては強
度および汎用性の点でシリカ、アルミナが好ましく、特
にシリカが好ましい。また該無機フィラーは表面をシラ
ンカップリング処理されることが好ましく、フィラー表
面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理
剤が好ましく用いられる。これらの無機フィラーの添加
量は、ハードコート層の全質量の10〜90%であるこ
とが好ましく、より好ましくは20〜80%であり、特
に好ましくは30〜75%である。平滑なハードコート
層の膜厚は1〜10μmが好ましく、1.2〜6μmが
より好ましい。
【0033】本発明の低屈折率層について以下に説明す
る。本発明の反射防止フィルムの低屈折率層の屈折率
は、1.38〜1.49であり、好ましくは1.38〜
1.44の範囲にある。さらに、低屈折率層は下記数式
(I)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
【0034】 mλ/4×0.7<n11<mλ/4×1.3 数式(I)
【0035】式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折
率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚
(nm)である。また、λは波長であり、500〜55
0nmの範囲の値である。なお、上記数式(I)を満た
すとは、上記波長の範囲において数式(I)を満たすm
(正の奇数、通常1である)が存在することを意味して
いる。
【0036】本発明の低屈折率層を形成する素材につい
て以下に説明する。本発明の低屈折率層には、低屈折率
バインダーとして、含フッ素ポリマーを含む。含フッ素
ポリマーとしては動摩擦係数0.03〜0.15、水に
対する接触角90〜120°の熱または電離放射線によ
り架橋する含フッ素ポリマーが好ましい。本発明の低屈
折率層には膜強度向上のための無機フィラーが好ましく
用いられる。
【0037】低屈折率層に用いられる架橋性の含フッ素
ポリマーとしてはパーフルオロアルキル基含有シラン化
合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−
テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、含フッ素
モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位と
する含フッ素ポリマーが挙げられる。含フッ素モノマー
単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類
(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、
テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘ
キサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメ
チル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸
の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類
(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2
020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビ
ニルエーテル類等である。架橋性基付与のためのモノマ
ーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内に
あらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレート
モノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミ
ノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモ
ノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート、アリルアクリレート等)が挙げられる。後者は
共重合の後、架橋構造を導入できることが特開平10−
25388号および特開平10−147739号に知ら
れている。
【0038】また上記含フッ素モノマーを構成単位とす
るポリマーだけでなく、フッ素原子を含有しないモノマ
ーとの共重合体を用いてもよい。併用可能なモノマー単
位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレ
ン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレ
ン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチ
ルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリル
アミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シ
クロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド
類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
【0039】低屈折率層に用いられる無機フィラーとし
ては低屈折率のものが好ましく用いられ、好ましい無機
フィラーは、シリカ、フッ化マグネシウムであり、特に
シリカが好ましい。該無機フィラーの平均粒径は0.0
01〜0.2μmであることが好ましく、0.001〜
0.05μmであることがより好ましい。フィラーの粒
径はなるべく均一(単分散)であることが好ましい。該
無機フィラーの添加量は、低屈折率層の全質量の5〜9
0質量%であることが好ましく、10〜70質量%であ
ると更に好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。
該無機フィラーは表面処理を施して用いることも好まし
い。表面処理法としてはプラズマ放電処理やコロナ放電
処理のような物理的表面処理とカップリング剤を使用す
る化学的表面処理があるが、カップリング剤の使用が好
ましい。カップリング剤としては、本発明に係る一般式
(1)の化合物も含めたオルガノアルコキシメタル化合
物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング
剤)が好ましく用いられる。該無機フィラーがシリカの
場合はシランカップリング処理が特に有効である。発明
に係る一般式(1)の化合物は、低屈折率層の無機フィ
ラーの表面処理剤として該層塗布液調製以前にあらかじ
め表面処理を施すために用いてもよいが、該層塗布液調
製時にさらに添加剤として添加して該層に含有させるこ
とが好ましい。
【0040】本発明に係るハードコート層、低屈折率層
を形成するために用いる塗布液の溶媒組成としては、単
独および混合のいずれでもよく、混合のときは、沸点が
100℃以下の溶媒が50〜100%であることが好ま
しく、より好ましくは80〜100%、より好ましくは
90〜100%、さらに好ましくは100%である。沸
点が100℃以下の溶媒が50%以下であると、乾燥速
度が非常に遅くなり、塗布面状が悪化し、塗布膜厚にも
ムラが生じるため、反射率などの光学特性も悪化する。
本発明では、沸点が100℃以下の溶媒を多く含む塗布
液を用いる事により、この問題を解決した。
【0041】沸点が100℃以下の溶媒としては、例え
ば、ヘキサン(沸点68.7℃、以下「℃」を省略す
る)、ヘプタン(98.4)、シクロヘキサン(80.
7)、ベンゼン(80.1)などの炭化水素類、ジクロ
ロメタン(39.8)、クロロホルム(61.2)、四
塩化炭素(76.8)、1,2−ジクロロエタン(8
3.5)、トリクロロエチレン(87.2)などのハロ
ゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル(34.6)、ジ
イソプロピルエーテル(68.5)、ジプロピルエーテ
ル(90.5)、テトラヒドロフラン(66)などのエ
ーテル類、ギ酸エチル(54.2)、酢酸メチル(5
7.8)、酢酸エチル(77.1)、酢酸イソプロピル
(89)などのエステル類、アセトン(56.1)、2
−ブタノン(=メチルエチルケトン、79.6)などの
ケトン類、メタノール(64.5)、エタノール(7
8.3)、2−プロパノール(82.4)、1−プロパ
ノール(97.2)などのアルコール類、アセトニトリ
ル(81.6)、プロピオニトリル(97.4)などの
シアノ化合物類、二硫化炭素(46.2)、などがあ
る。このうちケトン類、エステル類が好ましく、特に好
ましくはケトン類である。ケトン類の中では2−ブタノ
ンが特に好ましい。沸点が100℃を以上の溶媒として
は、例えば、オクタン(125.7)、トルエン(11
0.6)、キシレン(138)、テトラクロロエチレン
(121.2)、クロロベンゼン(131.7)、ジオ
キサン(101.3)、ジブチルエーテル(142.
4)、酢酸イソブチル(118)、シクロヘキサノン
(155.7)、2−メチル−4−ペンタノン(=MI
BK、115.9)、1−ブタノール(117.7)、
N,N−ジメチルホルムアミド(153)、 N,N−
ジメチルアセトアミド(166)、ジメチルスルホキシ
ド(189)、などがある。好ましくは、シクロヘキサ
ノン、2−メチル−4−ペンタノン、である。
【0042】本発明に係るハードコート層、低屈折率層
成分を前述の組成の溶媒で希釈することにより、それら
の層用塗布液が調製される。塗布液濃度は、塗布液の粘
度、層素材の比重などを考慮して適宜調節される事が好
ましいが、0.1〜20質量%が好ましく、より好まし
くは1〜10質量%である。
【0043】本発明の反射防止フィルムの透明支持体と
しては、プラスチックフィルムを用いることが好まし
い。プラスチックフィルムを形成するポリマーとして
は、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロー
ス、ジアセチルセルロース、代表的には富士写真フィル
ム社製TAC−TD80U,TD80UFなど)、ポリ
アミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、
ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂
(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフ
ィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、など
が挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
が好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
トリアセチルセルロースは、単層または複数の層からな
る。単層のトリアセチルセルロースは、特開平7−11
055号等で開示されているドラム流延、あるいはバン
ド流延等により作成され、後者の複数の層からなるトリ
アセチルセルロースは、公開特許公報の特開昭61−9
4725号、特公昭62−43846号等で開示されて
いる、いわゆる共流延法により作成される。すなわち、
原料フレークをハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン
等、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノー
ル等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル等)、エ
ーテル類(ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテ
ル等)等の溶剤にて溶解し、これに必要に応じて可塑
剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等
の各種の添加剤を加えた溶液(ドープと称する)を、水
平式のエンドレスの金属ベルトまたは回転するドラムか
らなる支持体の上に、ドープ供給手段(ダイと称する)
により流延する際、単層ならば単一のドープを単層流延
し、複数の層ならば高濃度のセルロースエステルドープ
の両側に低濃度ドープを共流延し、支持体上である程度
乾燥して剛性が付与されたフィルムを支持体から剥離
し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶
剤を除去することからなる方法である。
【0044】上記のような、トリアセチルセルロースを
溶解するための溶剤としては、ジクロロメタンが代表的
である。しかし地球環境や作業環境の観点から、溶剤は
ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含ま
ないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機
溶剤中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(好
ましくは2質量%未満)であることを意味する。ジクロ
ロメタン等を実質的に含まない溶剤を用いてトリアセチ
ルセルロースのドープを調整する場合には、後述するよ
うな特殊な溶解法が必須となる。
【0045】第一の溶解法は、冷却溶解法と称され、以
下に説明する。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)
で溶剤中にトリアセチルセルロースを撹拌しながら徐々
に添加する。次に、混合物は−100〜−10℃(好ま
しくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−
20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却す
る。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−
75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30
〜−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、
トリアセチルセルロースと溶剤の混合物は固化する。さ
らに、これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、
さらに好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜5
0℃)に加温すると、溶剤中にトリアセチルセルロース
が流動する溶液となる。昇温は、室温中に放置するだけ
でもよし、温浴中で加温してもよい。
【0046】第二の方法は、高温溶解法と称され、以下
に説明する。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)で
溶剤中にトリアセチルセルロースを撹拌しながら徐々に
添加される。本発明のトリアセチルセルロース溶液は、
各種溶剤を含有する混合溶剤中にトリアセチルセルロー
スを添加し予め膨潤させることが好ましい。本法におい
て、トリアセチルセルロースの溶解濃度は30質量%以
下が好ましいが、フィルム製膜時の乾燥効率の点から、
なるべく高濃度であることが好ましい。次に有機溶剤混
合液は、0.2MPa〜30MPaの加圧下で70〜2
40℃に加熱される(好ましくは80〜220℃、更に
好ましく100〜200℃、最も好ましくは100〜1
90℃)。次にこれらの加熱溶液はそのままでは塗布で
きないため、使用された溶剤の最も低い沸点以下に冷却
する必要がある。その場合、−10〜50℃に冷却して
常圧に戻すことが一般的である。冷却はトリアセチルセ
ルロース溶液が内蔵されている高圧高温容器やライン
を、室温に放置するだけでもよく、更に好ましくは冷却
水などの冷媒を用いて該装置を冷却してもよい。ジクロ
ロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないセ
ルロースアセテートフィルムおよびその製造法について
は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2
001年3月15日発行、以下公開技報2001−17
45号と略す)に記載されている。本発明の反射防止フ
ィルムを液晶表示装置に用いる場合、片面に粘着層を設
ける等してディスプレイの最表面に配置する。該透明支
持体がトリアセチルセルロースの場合は偏光板の偏光層
を保護する保護フィルムとしてトリアセチルセルロース
が用いられるため、本発明の反射防止フィルムをそのま
ま保護フィルムに用いることがコストの上では好まし
い。
【0047】本発明の反射防止フィルムは、片面に粘着
層を設ける等してディスプレイの最表面に配置したり、
そのまま偏光板用保護フィルムとして使用される場合に
は、十分に接着させるためには透明支持体上に含フッ素
ポリマーを主体とする最外層を形成した後、鹸化処理を
実施することが好ましい。鹸化処理は、公知の手法、例
えば、アルカリ液の中に該フィルムを適切な時間浸漬し
て実施される。アルカリ液に浸漬した後は、該フィルム
の中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水
洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和する
ことが好ましい。鹸化処理することにより、最外層を有
する側とは反対側の透明支持体の表面が親水化される。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分と
する偏向膜との接着性を改良するのに特に有効である。
また、親水化された表面は、空気中の塵埃が付着しにく
くなるため、偏向膜と接着させる際に偏向膜と反射防止
フィルムの間に塵埃が入りにくく、塵埃による点欠陥を
防止するのに有効である。鹸化処理は、最外層を有する
側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が
40゜以下になるように実施することが好ましい。更に
好ましくは30゜以下、特に好ましくは20゜以下であ
る。
【0048】本発明の反射防止フィルムは以下の方法で
形成することができるが、この方法に制限されない。ま
ず、各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製
される。次に、ハードコート層を形成するための塗布液
を、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテ
ンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート
法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法
(米国特許2681294号明細書参照)により透明支
持体上に塗布し、加熱・乾燥するが、マイクログラビア
コート法が特に好ましい。その後、光照射あるいは加熱
して、防眩性ハードコート層を形成するためのモノマー
を重合して硬化する。これによりハードコート層が形成
される。ここで、必要であればハードコート層を複数層
とし、防眩性ハードコート層塗布の前に同様な方法で平
滑なハードコート層塗布および硬化を行うことができ
る。次に、同様にして低屈折率層を形成するための塗布
液をハードコート層上に塗布し、光照射あるいは加熱し
低屈折率層が形成される。このようにして、本発明の反
射防止フィルムが得られる。
【0049】本発明で用いられるマイクログラビアコー
ト法とは、直径が約10〜100mm、好ましくは約2
0〜50mmで全周にグラビアパターンが刻印されたグ
ラビアロールを支持体の下方に、かつ支持体の搬送方向
に対してグラビアロールを逆回転させると共に、該グラ
ビアロールの表面からドクターブレードによって余剰の
塗布液を掻き落として、定量の塗布液を前記支持体の上
面が自由状態にある位置におけるその支持体の下面に塗
布液を転写させて塗工することを特徴とするコート法で
ある。ロール形態の透明支持体を連続的に巻き出し、該
巻き出された支持体の一方の側に、少なくともハードコ
ート層乃至含フッ素ポリマーを含む低屈折率層の内の少
なくとも一層をマイクログラビアコート法によって塗工
することができる。
【0050】マイクログラビアコート法による塗工条件
としては、グラビアロールに刻印されたグラビアパター
ンの線数は50〜800本/インチが好ましく、100
〜300本/インチがより好ましく、グラビアパターン
の深度は1〜600μmが好ましく、5〜200μmが
より好ましく、グラビアロールの回転数は3〜800r
pmであることが好ましく、5〜200rpmであるこ
とがより好ましく、支持体の搬送速度は0.5〜100
m/分であることが好ましく、1〜50m/分がより好ま
しい。このようにして形成された本発明の反射防止フィ
ルムは、ヘイズ値が3〜50%、好ましくは4〜45%
の範囲にあり、そして450nmから650nmの平均
反射率が2.2%以下、好ましくは1.9%以下であ
る。本発明の反射防止フィルムが上記範囲のヘイズ値及
び平均反射率であることにより、透過画像の劣化を伴な
わずに良好な防眩性および反射防止性が得られる。
【0051】偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保
護フィルムで主に構成される。本発明の反射防止フィル
ムは、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち
少なくとも1枚に用いることが好ましい。本発明の反射
防止フィルムが保護フィルムを兼ねることで、偏光板の
製造コストを低減できる。また、本発明の反射防止フィ
ルムを最表層に使用することにより、外光の映り込み等
が防止され、耐傷性、防汚性等も優れた偏光板とするこ
とができる。
【0052】偏光膜としては公知の偏光膜や、偏光膜の
吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜
から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収
軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は以
下の方法により作成される。即ち、連続的に供給される
ポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張
力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅
方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保
持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィル
ム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方
向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70
゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を
保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造
することができる。
【0053】このような偏光膜の延伸方法は、(a)で
示される原反フィルム、例えば、ポリビニルアルコール
ポリマーフィルム、を矢印(イ)方向に導入する工程、
(b)で示される幅方向延伸工程、及び(c)で示され
る延伸フィルムを次工程、即ち(ロ)方向に送る工程を
含む。以下「延伸工程」と称するときは、これらの
(a)〜(c)工程を含んで、延伸方法を行うための工
程全体を指す。フィルムは(イ)の方向から連続的に導
入され、上流側から見て左側の保持手段にB1点で初め
て保持される。この時点ではいま一方のフィルム端は保
持されておらず、幅方向に張力は発生しない。つまり、
B1点は本発明の実質的な保持開始点(以下、「実質保
持開始点」という)には相当しない。
【0054】実質保持開始点は、フィルム両端が初めて
保持される点で定義される。実質保持開始点は、より下
流側の保持開始点A1と、A1から導入側フィルムの中
心線21に略垂直に引いた直線が、反対側の保持手段の
軌跡23と交わる点C1の2点で示される。この点を起
点とし、両端の保持手段を実質的に等速度で搬送する
と、単位時間ごとにA1はA2,A3…Anと移動し、
C1は同様にC2,C3…Cnに移動する。つまり同時
点に基準となる保持手段が通過する点AnとCnを結ぶ
直線が、その時点での延伸方向となる。
【0055】この方法では、図2のようにAnはCnに
対し次第に遅れてゆくため、延伸方向は、搬送方向垂直
から徐々に傾斜していく。実質的な保持解除点(以下、
「実質保持解除点」という)は、より上流で保持手段か
ら離脱するCx点と、Cxから次工程へ送られるフィル
ムの中心線22に略垂直に引いた直線が、反対側の保持
手段の軌跡24と交わる点Ayの2点で定義される。最
終的なフィルムの延伸方向の角度は、実質的な延伸工程
の終点(実質保持解除点)での左右保持手段の行程差A
y−Ax(すなわち|L1−L2|)と、実質保持解除
点の距離W(CxとAyの距離)との比率で決まる。従
って、延伸方向が次工程への搬送方向に対しなす傾斜角
θは tanθ=W/(Ay−Ax)、即ち、 tanθ=W/|L1−L2| を満たす角度である。図2の上側のフィルム端は、Ay
点の後も28まで保持されるが、もう一端が保持されて
いないため新たな幅方向延伸は発生せず、28は実質保
持解除点ではない。
【0056】以上のように、フィルムの両端にある実質
保持開始点は、左右各々の保持手段への単純な噛み込み
点ではない。二つの実質保持開始点は、上記で定義した
ことをより厳密に記述すれば、左右いずれかの保持点と
他の保持点とを結ぶ直線がフィルムを保持する工程に導
入されるフィルムの中心線と略直交している点であり、
かつこれらの二つの保持点が最も上流に位置するものと
して定義される。同様に、二つの実質保持解除点は、左
右いずれかの保持点と他の保持点とを結ぶ直線が、次工
程に送りだされるフィルムの中心線と略直交している点
であり、しかもこれら二つの保持点が最も下流に位置す
るものとして定義される。ここで、略直交とは、フィル
ムの中心線と左右の実質保持開始点、あるいは実質保持
解除点を結ぶ直線が、90±0.5゜であることを意味
する。
【0057】テンター方式の延伸機を用いて左右の行程
差を付けようとする場合、レール長などの機械的制約に
より、しばしば保持手段への噛み込み点と実質保持開始
点に大きなずれが生じたり、保持手段からの離脱点と実
質保持解除点に大きなずれが生ずることがあるが、上記
定義する実質保持開始点と実質保持解除点間の工程が式
(1)の関係を満たしていればよい。
【0058】上記において、得られる延伸フィルムにお
ける配向軸の傾斜角度は、(c)工程の出口幅Wと、左
右の二つの実質的保持手段の行程差|L1−L2|の比
率で制御、調整することができる。長手方向に対し、4
5゜に近い配向角を得るためには、下記式(2)を満た
すことが好ましく、 式(2) 0.9W<|L1−L2|<1.1W さらに好ましくは、下記式(3)を満たすことが好まし
い。 式(3) 0.97W<|L1−L2|<1.03W
【0059】延伸工程へのフィルム導入方向(イ)と、
次工程へのフィルム搬送方向(ロ)のなす角度は、任意
の数値が可能であるが、延伸前後の工程を含めた設備の
総設置面積を最小にする観点からは、この角度は小さい
方がよく、3゜以内が好ましく、0.5゜以内がさらに
好ましい。延伸率は1.1〜10.0倍が望ましく、よ
り望ましくは2〜10倍であり、その後の収縮率は10
%以上が望ましい。
【0060】また、延伸工程の設備コストを最小に抑え
る観点から、保持手段の軌跡の屈曲回数、屈曲角度は小
さい程良い。この観点からは、図2に例示する如くフィ
ルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行
方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜7
0゜傾斜するようにフィルム進行方向をフィルム両端を
保持させた状態で屈曲させることが好ましい。
【0061】テンター型の延伸機の場合、クリップが固
定されたチェーンがレールに沿って進む構造が多いが、
本発明のように左右不均等な延伸方法をとると、結果的
に図2に例示される如く、工程入口、出口でレールの終
端がずれ、左右同時に噛み込み、離脱をしなくなること
がある。この場合、実質工程長L1,L2は、上に述べ
たように単純な噛み込み−離脱間の距離ではなく、既に
述べたように、あくまでフィルムの両端を保持手段が保
持している部分の行程長である。
【0062】延伸工程出口でフィルムの左右に進行速度
差があると、延伸工程出口におけるシワ、寄りが発生す
るため、左右のフィルム把持手段の搬送速度差は、実質
的に同速度であることが求められる。速度差は好ましく
は1%以下であり、さらに好ましくは0.5%未満であ
り、最も好ましくは0.05%未満である。ここで述べ
る速度とは、毎分当たりに左右各々の保持手段が進む軌
跡の長さのことである。一般的なテンター延伸機等で
は、チェーンを駆動するスプロケット歯の周期、駆動モ
ータの周波数等に応じ、秒以下のオーダーで発生する速
度ムラがあり、しばしば数%のムラを生ずるが、これら
は本発明で述べる速度差には該当しない。
【0063】また、左右の行程差が生じるに従って、フ
ィルムにシワ、寄り、延伸軸のばらつきが発生する。こ
の問題を解決するためには、ポリマーフィルムの支持性
を保ち、揮発分率が10%以上の状態を存在させて延伸
し、その後収縮させ揮発分率を低下させる。揮発分率と
は、フィルムの単位体積あたりに含まれる揮発成分の体
積を表し、揮発成分体積をフィルム体積で割った値であ
る。揮発分を含有させる方法としては、フィルムをキャ
ストし溶剤・水を含有させる、延伸前に溶剤・水などに
浸漬・塗布・噴霧する、延伸中に溶剤・水を塗布するこ
となどが上げられる。ポリビニルアルコールポリマーフ
ィルムは、高温高湿雰囲気下で水を含有するので、高湿
雰囲気下で調湿後延伸、もしくは高湿条件下で延伸する
ことにより揮発分を含有させることができる。これらの
方法以外でも、ポリマーフィルムの揮発分を10%以上
にさせることができれば、いかなる手段を用いても良
い。好ましい揮発分率は、ポリビニルアルコールでは揮
発分率として10%〜100%が好ましい。
【0064】また、延伸ポリマーフィルムの収縮は、延
伸時、延伸後のいずれの工程でも行って良い。収縮によ
り、斜め方向に配向する際の発生するポリマーフィルム
のシワおよび延伸軸のばらつきが解消すればよく、フィ
ルムを収縮させる手段としては、加熱することにより揮
発分を除去する方法などが挙げられるが、フィルムを収
縮させればいかなる手段を用いても良い。好ましいフィ
ルムの収縮率としては、長手方向に対する配向角θを用
いて、1/sinθ倍以上収縮することで、値としては
10%以上収縮することが好ましい。
【0065】斜め方向に配向する際の発生するポリマー
フィルムのシワは、実質保持解除点までに消失していれ
ばよい。しかし、シワの発生から消失までに時間がかか
ると、延伸方向のばらつきが生じることがあり、好まし
くは、シワが発生した地点からできるだけ短い移行距離
でシワが消失することが良い。このためには、揮発分量
の揮発速度を高くするなどの方法がある。
【0066】長尺、特にロール形態の偏光膜を一貫工程
にて作製する場合には、染色のムラや抜けがないことが
必要である。延伸前のフィルム中の揮発成分に分布のム
ラ(フィルム面内の場所による揮発成分量の差異)があ
ると染色ムラ、抜けの原因となる。従って、延伸前のフ
ィルム中の揮発分成分の含有分布は小さいほうが好まし
く、少なくとも5%以下であることが好ましい。揮発分
率とは、フィルムの単位体積あたりに含まれる揮発成分
の体積をあらわし、揮発成分体積をフィルム体積で割っ
た値であり、その分布とは、揮発分率の1m2あたりの
変動幅(平均揮発分率に対する、最大値または最小値と
該平均揮発分率との差の大きい方の比)を表す。揮発分
成分の含有分布を小さくする方法として、フィルムの表
裏表面を均一なエアーでブローする、ニップローラーに
て均一に絞る、ワイパーなどで拭き取るなどが上げられ
るが、分布が均一になればいかなる方法を用いても良
い。
【0067】本発明の反射防止フィルムは、液晶表示装
置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PD
P)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL
D)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置
に適用することができる。本発明の反射防止フィルムは
透明支持体を有しているので、透明支持体側を画像表示
装置の画像表示面に接着して用いられる。
【0068】本発明の反射防止フィルムは、偏光膜の表
面保護フィルムの片側として用いた場合、 ツイステッ
トネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチッ
ク(STN)、バーティカルアライメント(VA)、イ
ンプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコ
ンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透
過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好まし
く用いることができる。
【0069】VAモードの液晶セルには、(1)棒状液
晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電
圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモード
の液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加
えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチド
メイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID9
7、Digest of tech. Papers(予稿集)28(199
7)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加
時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチ
ドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶
セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)
記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セ
ル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれ
る。
【0070】OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分
子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対
称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用い
た液晶表示装置であり、米国特許4583825号、同
5410422号の各明細書に開示されている。棒状液
晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向して
いるため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補
償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB
(Optically Compensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれ
る。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速
いとの利点がある。
【0071】ECBモードの液晶セルでは、電圧無印加
時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向しており、カラ
ーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、
多数の文献に記載がある。例えば「EL、PDP、LCDディス
プレイ」東レレサーチセンター発行(2001)などに
記載されている。
【0072】特にTNモードやIPSモードの液晶表示
装置に対しては、特開2001-100043等に記載されている
ように、視野角拡大効果を有する光学補償フィルムを偏
光膜の裏表2枚の保護フィルムの内の本発明の反射防止
フィルムとは反対側の面に用いることにより、1枚の偏
光板の厚みで反射防止効果と視野角拡大効果を有する偏
光板を得ることができ、特に好ましい。
【0073】
【実施例】本発明を詳細に説明するために、以下に実施
例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。 (ハードコート層用塗布液Aの調製)ジペンタエリスリ
トールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)
製)150gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン
=50/50%の混合溶媒206gに溶解した。得られ
た溶液に、シリカゾル30%メチルエチルケトン分散物
(MEK−ST、日産化学社製、平均粒径約15nm)
333g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガ
イギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーD
ETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチル
エチルケトンに溶解した溶液を加えた。
【0074】(ハードコート層用塗布液Bの調製)市販
シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7
526、JSR社製、固形分濃度72%、シリカ含率3
8%、平均粒径約20nm)347gをメチルエチルケ
トン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒40
3gで希釈した。
【0075】(ハードコート層用塗布液Cの調製)市販
アルミナ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトK
Z7951、JSR社製、固形分濃度50%、アルミナ
含率50%、平均粒径約20nm)500gをメチルエ
チルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶
媒250gで希釈した。
【0076】(ハードコート層用塗布液Dの調製)ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日
本化薬(株)製)250gをメチルエチルケトン/シク
ロヘキサノン=50/50%の混合溶媒439gに溶解
した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア9
07、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カ
ヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを4
9gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。
【0077】(ハードコート層用塗布液Eの調製)市販
シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7
526、JSR社製、固形分濃度72%、シリカ含率3
8%、平均粒径約20nm)450gに3−アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103信越
化学工業(株)製)を36g加え、この液をメチルエチ
ルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒
264gで希釈した。
【0078】(ハードコート層用塗布液Fの調製)市販
アルミナ含有UV硬化型ハードコート液(デソライトK
Z7951、JSR社製、固形分濃度50%、アルミナ
含率50%、平均粒径約20nm)375gに3−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−510
3信越化学工業(株)製)を47g加え、この液をメチ
ルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混
合溶媒328gで希釈した。
【0079】(ハードコート層用塗布液Gの調製)ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日
本化薬(株)製)135gをメチルエチルケトン/シク
ロヘキサノン=50/50%の混合溶媒196gに溶解
した。得られた溶液に、シリカゾル30%メチルエチル
ケトン分散物(MEK−ST、日産化学社製、平均粒径
約15nm)300g、3−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン(KBM−5103信越化学工業(株)
製)を25g加え、光重合開始剤(イルガキュア90
7、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤ
キュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを82
gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。
【0080】(防眩性ハードコート層用塗布液Aの調
製)市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デ
ソライトZ7401、JSR社製、固形分濃度48%、
ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)278g
にジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペン
タエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPH
A、日本化薬(株)製)117g、光重合開始剤(イル
ガキュア907、チバガイギー社製)7.5g、をメチ
ルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混
合溶媒355gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬
化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。さら
にこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子
(商品名:SX−200H、綜研化学(株)製)10g
を添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間
攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フ
ィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液Aを
調製した。
【0081】(防眩性ハードコート層用塗布液Bの調
製)市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デ
ソライトZ7401、JSR社製、固形分濃度048
%、ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)52
1g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギ
ー社製)7.5g、をメチルエチルケトン/シクロヘキ
サノン=50/50%の混合溶媒229gで希釈した。
この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率
は1.73であった。さらにこの溶液に平均粒径2μm
のベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂粒子(商品
名:エポスターMS、日本触媒(株)製)10gを添加
して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、
分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタ
ーでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液Bを調製し
た。
【0082】(防眩性ハードコート層用塗布液Cの調
製)ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DP
HA、日本化薬(株)製)75g、ビス(4−メタクリ
ロイルチオフェニル)スルフィド(MPSMA、住友精
化(株)製)75g、平均粒径33nmのアルミナ粒子
(シーアイ化成社製)100gを、439gのメチルエ
チルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶
媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガ
キュア907、チバガイギー社製)5.0gおよび光増
感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)3.
0gを61gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加
えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の
屈折率は1.60であった。さらにこの溶液に平均粒径
2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200
H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディス
パにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径
30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハー
ドコート層の塗布液Cを調製した。
【0083】(防眩性ハードコート層用塗布液Dの調
製)ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DP
HA、日本化薬(株)製)75g、ビス(4−メタクリ
ロイルチオフェニル)スルフィド(MPSMA、住友精
化(株)製)75g、平均粒径33nmのアルミナ粒子
(シーアイ化成社製)100gを、439gのメチルエ
チルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶
媒に溶解した。得られた溶液に、3−アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン(KBM−5103信越化学工
業(株)製)28.7g、光重合開始剤(イルガキュア
907、チバガイギー社製)5.0gおよび光増感剤
(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)3.0g
を33gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加え
た。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈
折率は1.60であった。さらにこの溶液に平均粒径2
μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200
H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディス
パにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径
30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハー
ドコート層の塗布液Dを調製した。
【0084】(防眩性ハードコート層用塗布液Eの調
製)ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DP
HA、日本化薬(株)製)125g、ビス(4−メタク
リロイルチオフェニル)スルフィド(MPSMA、住友
精化(株)製)125gを、439gのメチルエチルケ
トン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒に溶
解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア
907、チバガイギー社製)5.0gおよび光増感剤
(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)3.0g
を49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加え
た。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈
折率は1.60であった。さらにこの溶液に平均粒径2
μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200
H、綜研化学(株)製)10gを添加して、高速ディス
パにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径
30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハー
ドコート層の塗布液Eを調製した。
【0085】(防眩性ハードコート層用塗布液Fの調
製)市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デ
ソライトZ7401、JSR社製、固形分濃度48%、
ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)195g
にジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペン
タエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPH
A、日本化薬(株)製)82g、3−アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン(KBM−5103信越化学工
業(株)製)45.8g、光重合開始剤(イルガキュア
907、チバガイギー社−製)7.5g、をメチルエチ
ルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒
348gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して
得られた塗膜の屈折率は1.59であった。さらにこの
溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品
名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加
して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、
分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタ
ーでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液Fを調製し
た。
【0086】(防眩性ハードコート層用塗布液Gの調
製)市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デ
ソライトZ7401、JSR社製、固形分濃度48%、
ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)250g
にジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペン
タエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPH
A、日本化薬(株)製)105g、3−アクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン(KBM−5103信越化学
工業(株)製)25.8g、光重合開始剤(イルガキュ
ア907、チバガイギー社製)7.5g、をメチルエチ
ルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒
384gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して
得られた塗膜の屈折率は1.61であった。さらにこの
溶液に平均粒径2μmの架橋ポリスチレン粒子(商品
名:SX−200H、綜研化学(株)製)10gを添加
して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、
分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタ
ーでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液Gを調製し
た。
【0087】(防眩性ハードコート層用塗布液Hの調
製)上記、防眩性ハードコート層用塗布液Gの3−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−510
3信越化学工業(株)製)を、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン(KBM−403信越化学工業
(株)製)に変更した以外は、添加量も含め上記塗布液
Gと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液Hを
調製した。
【0088】(防眩性ハードコート層用塗布液Iの調
製)上記、防眩性ハードコート層用塗布液Gの3−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−510
3信越化学工業(株)製)を、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン(KBM−503信越化学工業
(株)製)に変更した以外は、添加量も含め上記塗布液
Gと全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液Iを
調製した。
【0089】(防眩性ハードコート層用塗布液Jの調
製)上記、防眩性ハードコート層用塗布液Gの3−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−510
3信越化学工業(株)製)を、オルトけい酸テトラエチ
ル(和光純薬(株)製)に変更した以外は、添加量も含
め上記塗布液Gと全く同様にして防眩性ハードコート層
用塗布液Jを調製した。
【0090】(防眩性ハードコート層用塗布液Kの調
製)ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DP
HA、日本化薬(株)製)91g、粒径約30nmの酸
化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液
(デソライトZ−7401、JSR(株)製)218g
を、52gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=
54/46質量%の混合溶剤に溶解した。得られた溶液
に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバファイン
ケミカルズ(株)製)10gを加え、攪拌溶解した後
に、20質量パーセントの含フッ素オリゴマーのメチル
エチルケトン溶液からなるフッ素系界面活性剤(メガフ
ァックF−176PF 、大日本インキ(株)製)0.
93gを添加した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得
られた塗膜の屈折率は1.61であった。
【0091】さらにこの溶液に個数平均粒径1.99μ
m、粒径の標準偏差0.32μm(個数平均粒径の16
%)の架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200H
S、綜研化学(株)製)20gを80gのメチルエチル
ケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶
剤に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散
し、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製
フィルター(それぞれPPE-10、PPE−03、P
PE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)にて
ろ過して得られた分散液29gを添加、攪拌した後、孔
径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防
眩性ハードコート層塗布液Kを調製した。
【0092】(防眩性ハードコート層用塗布液Lの調
製)ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DP
HA、日本化薬(株)製)82g、粒径約30nmの酸
化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液
(デソライトZ−7401、JSR(株)製)196
g、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(K
BM−5103信越化学工業(株)製)20.7g、
を、64.5gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノ
ン=54/46質量%の混合溶剤に溶解した。得られた
溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバファ
インケミカルズ(株)製)10gを加え、攪拌溶解した
後に、20質量パーセントの含フッ素オリゴマーのメチ
ルエチルケトン溶液からなるフッ素系界面活性剤(メガ
ファックF−176PF 、大日本インキ(株)製)
0.93gを添加した。この溶液を塗布、紫外線硬化し
て得られた塗膜の屈折率は1.61であった。さらにこ
の溶液に個数平均粒径1.99μm、粒径の標準偏差
0.32μm(個数平均粒径の16%)の架橋ポリスチ
レン粒子(商品名:SX−200HS、綜研化学(株)
製)20gを80gのメチルエチルケトン/シクロヘキ
サノン=54/46質量%の混合溶剤に高速ディスパに
て5000rpmで1時間攪拌分散し、孔径10μm、
3μm、1μmのポリプロピレン製フィルター(それぞ
れPPE-10、PPE−03、PPE−01、いずれ
も富士写真フイルム(株)製)にてろ過して得られた分
散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプ
ロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層
塗布液Lを調製した。
【0093】(防眩性ハードコート層用塗布液Mの調
製)フッ素系界面活性剤をシリコーン系界面活性剤(シ
リコーンX−22−945、信越化学工業(株)製)に
置き換えた以外は防眩性ハードコート層塗布液Kと同様
にして、防眩層用塗布液Mを調製した。
【0094】(防眩性ハードコート層用塗布液Nの調
製)フッ素系界面活性剤をシリコーン系界面活性剤(シ
リコーンX−22−945、信越化学工業(株)製)に
置き換えた以外は防眩性ハードコート層塗布液Lと同様
にして、防眩層用塗布液Nを調製した。
【0095】(防眩性ハードコート層用塗布液イの調
製)市販シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソラ
イトKZ7317、JSR社製、固形分濃度約72%、
固形分中SiO2含率約38%、重合性モノマー、重合
開始剤含有)272gをメチルイソブチルケトン26.
2gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得ら
れた塗膜の屈折率は1.51であった。さらにこの溶液
に平均粒径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子(商品
名:SX−350H、綜研化学(株)製)の25%メチ
ルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10
000rpmで30分分散した分散液を44g加え、次
いで、平均粒径5μmの架橋ポリスチレン粒子(商品
名:SX−500H、綜研化学(株)製)の25%メチ
ルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10
000rpmで30分分散した分散液を57.8g加え
た。上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィ
ルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液イを調
製した。
【0096】(防眩性ハードコート層用塗布液ロの調
製)市販シリカ含有UV硬化型ハードコート液(デソラ
イトKZ7317、JSR社製、固形分濃度72%、固
形分中SiO2含率約38%、重合性モノマー、重合開
始剤含有)245gに3−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン(KBM−5103信越化学工業(株)
製)19.6gを加え、さらにメチルイソブチルケトン
33.6gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化し
て得られた塗膜の屈折率は1.51であった。さらにこ
の溶液に平均粒径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子
(商品名:SX−350H、綜研化学(株)製)の25
%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機に
て10000rpmで30分分散した分散液を44g加
え、次いで、平均粒径5μmの架橋ポリスチレン粒子
(商品名:SX−500H、綜研化学(株)製)の25
%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機に
て10000rpmで30分分散した分散液を57.8
g加えた。上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン
製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液
ロを調製した。
【0097】(防眩性ハードコート層用塗布液ハの調
製)上記、防眩性ハードコート層用塗布液ロの3−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−510
3信越化学工業(株)製)を、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン(KBM−403信越化学工業
(株)製)に変更した以外は、添加量も含め塗布液ロと
全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液ハを調製
した。
【0098】(防眩性ハードコート層用塗布液ニの調
製)上記、防眩性ハードコート層用塗布液ロの3−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−510
3信越化学工業(株)製)を、オルトけい酸テトラエチ
ル(和光純薬工業(株)製)に変更した以外は、添加量
も含め塗布液ロと全く同様にして防眩性ハードコート層
用塗布液ニを調製した。
【0099】(防眩性ハードコート層用塗布液ホの調
製)上記、防眩性ハードコート層用塗布液ロの3−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−510
3信越化学工業(株)製)を、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン(KBM−503信越化学工業
(株)製)に変更した以外は、添加量も含め塗布液ロと
全く同様にして防眩性ハードコート層用塗布液ホを調製
した。
【0100】(低屈折率層用塗布液Aの調製)屈折率
1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−722
8、固形分濃度6%、JSR(株)製)177gにシリ
カゾル(MEK−ST、平均粒径10〜20nm、固形
分濃度30%、日産化学社製)15.2gおよびメチル
エチルケトン116g、シクロヘキサノン9.0gを添
加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタ
ーでろ過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0101】(低屈折率層用塗布液Bの調製)屈折率
1.40の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−722
3、固形分濃度6%、JSR(株)製)177gに平均
粒径30nmのフッ化マグネシウム粒子4.6gおよび
メチルエチルケトン126.6g、シクロヘキサノン
9.0gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレ
ン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液を調製
した。
【0102】(低屈折率層用塗布液Cの調製)屈折率
1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−722
8、固形分濃度6%、JSR(株)製)245gにメチ
ルエチルケトンを63.2g、シクロヘキサノン9.0
g添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィ
ルターでろ過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0103】(低屈折率層用塗布液Dの調製)屈折率
1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−722
8、固形分濃度6%、JSR(株)製)177gにシリ
カゾル(MEK−ST、平均粒径10〜20nm、固形
分濃度30%、日産化学社製)15.2g、3−アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103
信越化学工業(株)製)29.3gおよびメチルエチル
ケトン95g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌
の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過
して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0104】(低屈折率層用塗布液Eの調製)上記、低
屈折率層用塗布液Dの3−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン(KBM−5103信越化学工業(株)
製)29.3gの量を19.5gに変更した以外は低屈
折率層用塗布液Dと全く同様にして低屈折率層用塗布液
を調製した。
【0105】(低屈折率層用塗布液Fの調製)上記、低
屈折率層用塗布液Dの3−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン(KBM−5103信越化学工業(株)
製)を、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(KBM−403信越化学工業(株)製)に変更した以
外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液Dと全く同様に
して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0106】(低屈折率層用塗布液Gの調製)上記、低
屈折率層用塗布液Dの3−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン(KBM−5103信越化学工業(株)
製)を、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン(KBM−503信越化学工業(株)製)に変更した
以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布液Dと全く同様
にして、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0107】(低屈折率層用塗布液Hの調製)屈上記、
低屈折率層用塗布液Dの3−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン(KBM−5103信越化学工業(株)
製)を、オルトけい酸テトラエチル(和光純薬(株)
製)に変更した以外は添加量も含めて低屈折率層用塗布
液Dと全く同様にして、低屈折率層用塗布液を調製し
た。
【0108】(低屈折率層用塗布液Iの調製)屈折率
1.40の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−722
3、固形分濃度6%、JSR(株)製)177gに平均
粒径30nmのフッ化マグネシウム粒子4.6g、3−
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5
103信越化学工業(株)製)29.3gおよびメチル
エチルケトン106g、シクロヘキサノン9.0gを添
加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルタ
ーでろ過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0109】[実施例1]ハードコート層A〜G、防眩
性ハードコート層A〜N、低屈折率層A〜Iそれぞれを
以下のようにして塗布した。積層の組み合わせは表1、
表2に記載のとおりに行った。 (1)ハードコート層の塗設 80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(T
AC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)をロー
ル形態で巻き出して、上記のハードコート層用塗布液を
線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパター
ンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとド
クターブレードを用いて、グラビアロール回転数30r
pm、搬送速度10m/分の条件で塗布し、120℃、
2分で乾燥の後、酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下
で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグ
ラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/c
2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布
層を硬化させ、厚さ2.5μmのハードコート層を形成
し、巻き取った。
【0110】(2)防眩性ハードコート層の塗設 該ハードコート層を塗設したトリアセチルセルロースフ
イルムを再び巻き出して、上記の防眩性ハードコート層
用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラ
ビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビア
ロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回
転数30rpm、搬送速度5m/分の条件で塗布し、1
20℃で4分乾燥の後、窒素パージ下で160W/cm
の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス
(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量
300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化さ
せ、厚さ2.5μmの防眩性ハードコート層を形成し、
巻き取った。
【0111】(3)低屈折率層の塗設 該ハードコート層と防眩性ハードコート層を塗設したト
リアセチルセルロースフイルムを再び巻き出して、上記
低屈折率層用塗布液を線数180本/インチ、深度40
μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイク
ログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビ
アロール回転数30rpm、搬送速度10m/分の条件
で塗布し、80℃で2分乾燥の後、さらに窒素パージ下
で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグ
ラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/c
2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射し、14
0℃で10分間熱架橋し、厚さ0.096μmの低屈折
率層を形成し、巻き取った。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】上記試料の中から抜粋した試料について防
眩性ハードコート層まで塗布した試料について、表面エ
ネルギーと、X線光電子部分光法で測定したフッ素原子
由来のピークと炭素原子由来のピーク比F/Cと、シリ
コン原子由来のピークと炭素原子由来のピーク比Si/
Cを以下に示す。なお、防眩性ハードコート層の表面エ
ネルギーは、純水およびジヨードメタンの接触角を測定
してOwensの表面エネルギーの式に代入して算出し
た。 試料116:表面エネルギー 22mN・m-1、 F/C 0.53 試料143:表面エネルギー 31mN・m-1、 F/C 0.28 試料144:表面エネルギー 33mN・m-1、 F/C 0.27 試料145:表面エネルギー 29mN・m-1、 Si/C 0.12 試料146:表面エネルギー 30mN・m-1、 Si/C 0.11
【0115】(反射防止膜の評価)得られたフィルムに
ついて、以下の項目の評価を行った。 (1)平均反射率 分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜7
80nmの波長領域において、入射角5°における分光
反射率を測定した。結果には450〜650nmの平均
反射率を用いた。 (2)ヘイズ 得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL
1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定
した。 (3)鉛筆硬度評価 耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆
硬度評価を行った。反射防止膜を温度25℃、湿度60
%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規
定する3Hの試験用鉛筆を用いて、1kgの荷重にて n=5の評価において傷が全く認められない :○ n=5の評価において傷が1または2つ :△ n=5の評価において傷が3つ以上 :× (4)接触角、指紋付着性評価 表面の耐汚染性の指標として、光学材料を温度25℃、
湿度60%RHで2時間調湿した後、水に対する接触角
を測定した。またこのサンプル表面に指紋を付着させて
から、それをクリーニングクロスで拭き取ったときの状
態を観察して、以下のように指紋付着性を評価した。 指紋が完全に拭き取れる :○ 指紋がやや見える :△ 指紋がほとんど拭き取れない :×
【0116】(5)動摩擦係数測定 表面滑り性の指標として動摩擦係数にて評価した。動摩
擦係数は試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿し
た後、HEIDON−14動摩擦測定機により5mmφ
ステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/min
にて測定した値を用いた。 (6)防眩性評価 作成した防眩性フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光
灯(8000cd/m 2)を映し、その反射像のボケの
程度を以下の基準で評価した。 蛍光灯の輪郭が全くわからない :◎ 蛍光灯の輪郭がわずかにわかる :○ 蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる :△ 蛍光灯がほとんどぼけない :× (7)ギラツキ評価 作成した防眩性フィルムにルーバーありの蛍光灯拡散光
を映し、表面のギラツキを以下の基準で評価した。 ほとんどギラツキが見られない :○ わずかにギラツキがある :△ 目で識別できるサイズのギラツキがある :×
【0117】(8)スチールウール耐傷性評価 ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテスト
をおこなった。 試料調湿条件: 25℃、60%RH、2時間以上。 こすり材: 試料と接触するテスターのこすり先端部
(1cm×1cm)にスチールウール(日本スチールウ
ール製、ゲレードNo.0000)を巻いて、動かないよ
うバンド固定した。 移動距離(片道):13cm、 こすり速度:13c
m/秒、 荷重:200g/cm2、 先端部接触面
積:1cm×1cm、 こすり回数:10往復。 こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光
で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価
した。 非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。 : ◎ 非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。 : ○ 弱い傷が見える。 : ○△ 中程度の傷が見える。 : △ 一目見ただけで強い傷が見える。 : ×
【0118】(9)水綿棒こすり耐性評価 ラビングテスターのこすり先端部に綿棒を固定し、平滑
皿中で試料の上下をクリップで固定し、室温25℃で、
試料と綿棒を25℃の水に浸し、綿棒に300gの荷重
をかけて、こすり回数を変えてこすりテストを行った。
こすり条件は以下のとおり。 こすり距離(片道):1cm、 こすり速度:約2往
復/秒 こすり終えた試料を観察して、膜剥がれが起こった回数
で、こすり耐性を以下のように評価した。 0〜10往復で膜剥がれ × 10〜30往復で膜剥がれ △× 30〜50往復で膜剥がれ △ 50〜100往復で膜剥がれ ○△ 100〜150往復で膜剥がれ ○ 150往復でも膜剥がれなし ◎
【0119】(10)塗布面状ムラ 塗布面側を上にして、裏面側から上記蛍光灯を照射し
て、透過目視面検にてハジキ、ブツ等の点欠陥、塗布ム
ラ、乾燥ムラ等の面状ムラの発生頻度について、10m
2だけ検査し、その値を10で割って1m2当たりの面状
ムラの数を算出した。
【0120】上記試料中の本発明の試料において、指紋
付着性は○で、防眩性は◎で、ギラツキは○であり、反
射防止性能と鉛筆硬度も防眩性反射防止フィルムに必要
とされる性能レベルを越えていた。また試料116、1
43〜146について面状ムラの数を数えた。 試料116 9個/m2 試料143 3個/m2 試料144 0個/m2 試料145 3個/m2 試料146 1個/m2 その結果、ハードコート層に本発明の界面活性剤を含有
することにより塗布面状ムラ低減効果が確認された。そ
の他の評価結果について表3,4に示す。本発明の試料
104、106〜110、112、114、119〜1
21、124〜142、144、146〜149、15
1、152は、比較例試料101〜103、105、1
11、113、115〜118、122、123、14
3、145、150に比べて、スチールウール耐傷性と
綿棒こすり性能が優れていることが分かる。特に、防眩
性ハードコート層と低屈折率層の両層に本発明の化合物
を含有した系が耐傷性能に優れることが分かる。これら
の効果は本発明のシラン系化合物の含有によることが明
らかである。
【0121】
【表3】
【0122】
【表4】
【0123】次に、本発明の試料104、106〜11
0、112、114、119〜121、124〜14
2、144、146〜149、151、152のフィル
ムを用いて防眩性反射防止偏光板を作成した。この偏光
板を用いて反射防止層を最表層に配置した液晶表示装置
を作製したところ、外光の映り込みがないために優れた
コントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず
優れた視認性を有していた。さらに同様にして、上記本
発明の試料を偏光子、透明支持体およびディスコティッ
ク液晶の配向を固定した光学異方層から構成される光学
補償フィルム、並びに光散乱層からなる偏光板と組み合
わせて液晶表示装置を作製して視認性を評価したとこ
ろ、外光の映り込みがなく、優れたコントラストが得ら
れ、防眩性により反射像が目立たず優れた性能を有して
いた。
【0124】(反射防止フィルムの鹸化処理)前記試料
101〜152について、以下の処理を行った。1.5
Nの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、50℃に保温し
た。0.01Nの希硫酸水溶液を調製した。作製した反
射防止フィルムを上記の水酸化ナトリウム水溶液に2分
間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十
分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間
浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流し
た。さらに反射防止フィルムを100℃で十分に乾燥さ
せた。このようにして、鹸化処理済み反射防止フィルム
を作製した。
【0125】(11)鹸化処理による膜の剥がれの評価 鹸化処理過程での膜の剥がれ評価した。100枚の反射
防止フィルムを鹸化処理した。鹸化処理前と鹸化処理後
における膜の剥がれの有無を目視で観察し、下記の3段
階評価を行った。 〇:100枚全てにおいて剥がれが全く認められなかっ
たもの △:剥がれが認められたものが5枚以内のもの ×:剥がれが認められたものが5枚をこえたもの (12)碁盤目密着の評価 偏光板用保護フィルムを温度25℃、相対湿度60%の
条件で2時間調湿した。偏光板用保護フィルムの最外層
を有する側の表面において、カッターナイフで碁盤目状
に縦11本、横11本の切り込みを入れ、日東電工
(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)に
おける密着試験を同じ場所で繰り返し3回行った。膜の
剥がれの有無を目視で観察し、下記の3段階評価を行っ
た。 〇:100升において剥がれが全く認められなかったも
の △:剥がれが認められたものが2升以内のもの ×:剥がれが認められたものが2升をこえたもの
【0126】鹸化処理を行った、剥がれ、密着評価結果
について記す。本発明のいずれの試料においても、鹸化
処理による膜の剥がれ、および碁盤目密着の剥がれは、
観察されなかった。また、本発明の試料について、防眩
性ハードコート層および低屈折率層とは支持体を挟んだ
反対側面の水に対する接触角を測定したところ、いずれ
の試料においても40°から30°の範囲に入ってい
た。
【0127】[実施例2]防眩性ハードコート層イ〜
ニ、低屈折率層A〜Iを実施例1と同様にして塗布し
た。積層の組み合わせは表5に記載のとおりにおこなっ
た。
【0128】
【表5】
【0129】(反射防止膜の評価)得られた試料201
〜228について、実施例1と同様の評価を行った。本
発明の試料202〜228について、いずれの試料にお
いても、指紋付着性は○で、防眩性は◎で、ギラツキは
○であり、反射防止性能と鉛筆硬度も防眩性反射防止フ
ィルムに必要とされる性能レベルを越えていた。その他
の評価結果について表6に示す。本発明の試料202〜
228は、比較例試料201に比べて、実施例1と同様
に、スチールウール耐傷性と綿棒こすり性能が優れてい
ることが分かる。特に、防眩性ハードコート層と低屈折
率層の両層に本発明の化合物を含有した系が耐傷性能に
優れることが分かる。これらの効果は本発明のシラン系
化合物の含有によることが明らかである。
【0130】
【表6】
【0131】次に、本発明の試料202〜228のフィ
ルムを用いて防眩性反射防止偏光板を作成した。この偏
光板を用いて反射防止層を最表層に配置した液晶表示装
置を作成したところ、外光の映り込みがないために優れ
たコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立た
ず優れた視認性を有していた。さらに同様にして、上記
本発明の試料を偏光子の片側に貼合し、反対側に透明支
持体およびディスコティック液晶の配向を固定した光学
異方層から構成される光学補償フィルムを貼合した楕円
偏光板を用いて液晶表示装置を作製して視認性を評価し
たところ、外光の映り込みがなく、優れたコントラスト
が得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた性能を
有していた。
【0132】(反射防止フィルムの鹸化処理)前記試料
202〜228について、実施例1と同様の鹸化処理を
行った。鹸化処理を行った試料201〜228につい
て、実施例1と同様の鹸化処理による膜の剥がれ、碁盤
目密着の評価を行った。その結果、いずれの試料におい
ても、鹸化処理による膜の剥がれ、および碁盤目密着の
剥がれは、観察されなかった。また、本発明の試料20
2〜228について、防眩性ハードコート層および低屈
折率層とは支持体を挟んだ反対側面の水に対する接触角
を測定したところ、いずれの試料においても40°から
30°の範囲に入っていた。
【0133】[実施例3]PVAフィルムをヨウ素2.
0g/l、ヨウ化カリウム4.0g/lの水溶液に25
℃にて240秒浸漬し、さらにホウ酸10g/lの水溶
液に25℃にて60秒浸漬後、図2の形態のテンター延
伸機に導入し、5.3倍に延伸し、テンターを延伸方向
に対し図2の如く屈曲させ、以降幅を一定に保った。8
0℃雰囲気で乾燥させた後テンターから離脱した。左右
のテンタークリップの搬送速度差は、0.05%未満で
あり、導入されるフィルムの中心線と次工程に送られる
フィルムの中心線のなす角は、46゜であった。ここで
|L1−L2|は0.7m、Wは0.7mであり、|L
1−L2|=Wの関係にあった。テンター出口における
実質延伸方向Ax−Cxは、次工程へ送られるフィルム
の中心線22に対し45゜傾斜していた。テンター出口
におけるシワ、フィルム変形は観察されなかった。さら
に、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水
溶液を接着剤としてケン化処理した富士写真フィルム
(株)製フジタック(セルローストリアセテート、レタ
ーデーション値3.0nm)と貼り合わせ、さらに80
℃で乾燥して有効幅650mmの偏光板を得た。得られ
た偏光板の吸収軸方向は、長手方向に対し45゜傾斜し
ていた。この偏光板の550nmにおける透過率は4
3.7%、偏光度は99.97%であった。さらに図8
の如く310×233mmサイズに裁断したところ、9
1.5%の面積効率で辺に対し45゜吸収軸が傾斜した
偏光板を得た。次に、実施例1の本発明の試料104、
106〜110、112、114、119〜121、1
24〜142、144、146〜149、151、15
2の鹸化処理したフィルムを上記偏光板と貼り合わせて
防眩性反射防止付き偏光板を作製した。この偏光板を用
いて反射防止層を最表層に配置した液晶表示装置を作製
したところ、外光の映り込みがないために優れたコント
ラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた
視認性を有していた。
【0134】[実施例4]上記実施例3の45°吸収軸
が傾斜した偏光板作製の中の、「富士写真フィルム
(株)製フジタック(セルローストリアセテート、レタ
ーデーション値3.0nm)」の代わりに実施例1の本
発明の試料104、106〜110、112、114、
119〜121、124〜142、144、146〜1
49、151、152の鹸化処理したフィルムを張り合
わせて防眩性反射防止付き偏光板を作製した。この偏光
板を用いて反射防止層を最表層に配置した液晶表示装置
を作製したところ、実施例3同様に、外光の映り込みが
ないために優れたコントラストが得られ、防眩性により
反射像が目立たず優れた視認性を有していた。
【0135】[実施例5]実施例1で作製した本発明の
試料104、106〜110、112、114、119
〜121、124〜142、144、146〜149、
151、152を、1.5規定、55℃のNaOH水溶
液中に2分間浸漬したあと中和、水洗してフィルムの裏
面のトリアセチルセルロース面を鹸化処理し、80μm
の厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−T
D80U、富士写真フイルム(株)製)を同条件で鹸化
処理したフィルムにポリビニルアルコールにヨウ素を吸
着させ、延伸して作製した偏光子の両面を接着、保護し
て偏光板を作製した。このようにして作製した偏光板
を、反射防止膜側が最表面となるように透過型TN液晶
表示装置搭載のノートパソコンの液晶表示装置(偏光選
択層を有する偏光分離フィルムである住友3M(株)製
のD−BEFをバックライトと液晶セルとの間に有す
る)の視認側の偏光板と貼り代えたところ、背景の映り
こみが極めて少なく、表示品位の非常に高い表示装置が
得られた。
【0136】[実施例6]実施例1で作製した本発明の
試料104、106〜110、112、114、119
〜121、124〜142、144、146〜149、
151、152を貼りつけた透過型TN液晶セルの視認
側の偏光板の液晶セル側の保護フィルム、およびバック
ライト側の偏光板の液晶セル側の保護フィルムに、ディ
スコティック構造単位の円盤面が透明支持体面に対して
傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面
と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向
において変化している光学補償層を有する視野角拡大フ
ィルム(ワイドビューフィルムSA−12B、富士写真
フイルム(株)製)を用いたところ、明室でのコントラ
ストに優れ、且つ、上下左右の視野角が非常に広く、極
めて視認性に優れ、表示品位の高い液晶表示装置が得ら
れた。
【0137】[実施例7]実施例1で作製した本発明の
試料104、106〜110、112、114、119
〜121、124〜142、144、146〜149、
151、152を、有機EL表示装置の表面のガラス板
に粘着剤を介して貼り合わせたところ、ガラス表面での
反射が抑えられ、視認性の高い表示装置が得られえた。
【0138】[実施例8]実施例1で作製した本発明の
試料104、106〜110、112、114、119
〜121、124〜142、144、146〜149、
151、152を用いて、片面反射防止フィルム付き偏
光板を作製し、偏光板の反射防止膜を有している側の反
対面にλ/4板を張り合わせ、有機EL表示装置の表面
のガラス板に貼り付けたところ、表面反射および、表面
ガラスの内部からの反射がカットされ、極めて視認性の
高い表示が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 防眩性反射防止フィルムの層構成を示す断面
模式図である。
【図2】 実施例3で使用のテンター延伸機を示す概略
図である。
【符号の説明】
1 防眩性反射防止フィルム 2 透明支持体 3 ハードコート層 4 防眩性ハードコート層 5 低屈折率層 6 マット粒子 (イ) フィルム導入方向 (ロ) 次工程へのフィルム搬送方向 (a) フィルムを導入する工程 (b) フィルムを延伸する工程 (c) 延伸フィルムを次工程へ送る工程 A1 フィルムの保持手段への噛み込み位置とフィルム
延伸の起点位置(実質保持開始点:右) B1 フィルムの保持手段への噛み込み位置(左) C1 フィルム延伸の起点位置(実質保持開始点:左) Cx フィルム離脱位置とフィルム延伸の終点基準位置
(実質保持解除点:左) Ay フィルム延伸の終点基準位置(実質保持解除点:
右) |L1−L2| 左右のフィルム保持手段の行程差 W フィルムの延伸工程終端における実質幅 θ 延伸方向とフィルム進行方向のなす角 21 導入側フィルムの中央線 22 次工程に送られるフィルムの中央線 23 フィルム保持手段の軌跡(左) 24 フィルム保持手段の軌跡(右) 25 導入側フィルム 26 次工程に送られるフィルム 27、27' 左右のフィルム保持開始(噛み込み)点 28、28' 左右のフィルム保持手段からの離脱点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BB16 BB30 BB43 BB65 2H091 FA08X FA08Z FA37X FB02 FB12 FB13 FD06 LA02 LA12 2K009 AA12 AA15 BB28 CC09 CC21 DD02 4F100 AH06B AH06C AH06H AJ06A AK17C AK25B AR00A BA03 BA07 BA10A BA10C CC00B GB41 JB14B JK12B JK14 JL06 JN01A JN06 JN10 JN18C YY00C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、少なくともハードコー
    ト層と含フッ素ポリマーを含む屈折率が1.38〜1.
    49の低屈折率層を有する光学フィルムにおいて、該ハ
    ードコート層乃至低屈折率層の少なくとも1層に下記一
    般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とす
    る反射防止フィルム。 一般式(1) (R1)m−Si(OR2)n (式中、R1は置換もしくは無置換のアルキル基もしく
    は、アリール基を表す。R2は置換もしくは無置換のア
    ルキル基もしくはアシル基を表す。mは0〜3の整数を
    表す。nは1〜4の整数を表す。mとnの合計は4であ
    る。)
  2. 【請求項2】 透明支持体上に、少なくともハードコー
    ト層と含フッ素ポリマーを含む屈折率が1.38〜1.
    49の低屈折率層を塗設する請求項1記載の反射防止フ
    ィルムの製造方法において、該ハードコート層乃至低屈
    折率層の少なくとも1層の塗布液が一般式(1)で表さ
    れる化合物を含有することを特徴とする反射防止フィル
    ムの製造方法。
  3. 【請求項3】 ロール形態の透明支持体を連続的に巻き
    出し、該巻き出された支持体の一方の側に、少なくとも
    ハードコート層と含フッ素ポリマーを含む低屈折率層の
    内の少なくとも一層をマイクログラビアコート法によっ
    て塗工することを特徴とする請求項2に記載の反射防止
    フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の反射防止フィルムまた
    は請求項2または3に記載の製造方法で製造された反射
    防止フィルムを、偏光板における偏光層の2枚の保護フ
    ィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴とす
    る偏光板。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の反射防止フィルム、請
    求項2または3の製造方法で製造された反射防止フィル
    ムまたは請求項4に記載の偏光板の低屈折率層を最表層
    に用いたことを特徴とするディスプレイ装置。
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