JP2008180905A - 光学フイルムの製造方法、光学フイルム用支持体、光学フイルム、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

光学フイルムの製造方法、光学フイルム用支持体、光学フイルム、偏光板及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】異物起因のスジ状故障が少なく、品質の優れた光学フイルムを生産性よく得る。
【解決手段】
ウエブ12上又は該ウエブ12上に形成した防眩層上に、ウェット塗布量が10mL/m2以下である低屈折率層を薄層塗布する工程を含む光学フイルムの製造方法において、反射防止層を塗布する前に、高さが10μm以上の異物をウエブ12上又は防眩層上から除去する工程を備えた。
【選択図】 図1(A)

Description

本発明は、光学フイルムの製造方法、光学フイルム用支持体、光学フイルム、偏光板及び画像表示装置に係り、特に、画像表示装置用に使用される反射防止フイルム等の光学フイルムの製造方法、光学フイルム用支持体、光学フイルム、偏光板及び画像表示装置に関する。
陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置に対し、光学機能性フイルムが一般的に適用されている。このような光学フイルムとしては、反射防止フイルム、防眩性フイルム、光散乱フイルム、光学補償フイルム、偏光板等が挙げられる。
これらの光学フイルムは、一般的に、スパッタリング等の真空蒸着方式や、大気圧プラズマ蒸着方式等の物理的吸着方法により薄層を形成して製造されることが多い。しかしながら、塗布方式により薄層を形成して光学フイルムを製造する方が、より大面積化に対応し易く、かつ高生産性である点でメリットが高く、近年、その要求が高まっている。
塗布方式による光学フイルムの製造では、通常、透明支持体上へ溶液を塗布、特に有機溶剤を含有する溶液を塗布して機能層を付与する。
例えば、特許文献1には、スロットダイを用いて塗布液をプラスチックフイルム等の支持体上に薄層塗布し、光学補償シートを製造する方法が開示されている。
特開2003−211052号公報
しかしながら、上記の光学フイルムは、画像表示装置に用いられるため、塗布時のスジ、乾燥ムラ、異物故障等の塗布故障に対して、極めて厳しい品質が要求される。
特に、塗布方式による光学フイルムでは、光学機能層を塗布する前の支持体(既に何らかの機能層が形成された支持体も含む)表面には、ゴミや埃、等の異物が付着していたり、既に機能層が形成された支持体に機能層形成物質からなる凝集異物が機能層表面に突起として形成されていることが多い。この支持体表面上の付着異物や凝集異物を十分に除去しないまま、光学機能層用塗布液を薄層塗布すると、面方向、厚さ方向ともに均一に光学機能層を形成できず、得られた光学フイルムに色スジや尾引き欠点等の異物起因のスジ状故障が生じるという問題があった。このような異物起因のスジ状故障は、数mm〜数mと比較的大きく、長くなる。このため、通常、光学フイルムの製造工程において0.1〜1個/m程度は許容されている小さな異物故障とは異なり、上記スジ状故障が発生した部分は除外する必要があり、大きな得率のロスとなる。特に、ウェット膜厚が10mL/m以下の薄層塗布においては、塗布前の支持体表面上にある異物の高さや大きさによっては、光学フイルムのスジ状故障が増え、生産性に多大な影響を及ぼすことが問題であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、異物起因のスジ状故障の発生を抑制し、品質の優れた光学フイルムを生産性よく製造する方法、光学フイルム用支持体、光学フイルム、偏光板及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、透明支持体上又は該透明支持体上に形成した下塗層上に、ウェット塗布量が10mL/m以下である光学機能層を薄層塗布する工程を含む光学フイルムの製造方法において、前記光学機能層を塗布する前に、高さが10μm以上の異物を前記透明支持体上又は前記下塗層上から除去する工程を備えたことを特徴とする光学フイルムの製造方法を提供する。
本発明の請求項2は前記目的を達成するために、透明支持体上又は該透明支持体上に形成した下塗層上に、光学機能層を薄層塗布する工程を含む光学フイルムの製造方法において、前記光学機能層を塗布する前に、該光学機能層のウェット膜厚に対して2〜40倍の高さの異物を前記透明支持体上又は前記下塗層上から除去する工程を備えたことを特徴とする光学フイルムの製造方法を提供する。
本発明者らは、反射防止フイルム等の光学フイルムにおいて、光学機能層を薄層塗布する前の支持体表面にある異物の高さによって、光学フイルムのスジ状故障に及ぼす影響が大きく異なることを見出した。
請求項1又は2によれば、ある一定以上の高さを有する異物を、光学機能層を塗布する前に予め支持体(既に機能層を形成しているものも含む)表面から除去するので、光学機能層を面方向、厚さ方向ともに均一に薄く形成できる。したがって、色スジや尾引き欠点等の異物起因のスジ状故障が生じるのを抑制し、品質の優れた光学フイルムを生産性よく製造できる。なお、本発明では、光学機能層を形成するため、即ち0mL/mを超える塗布量を前提としているため、ウェット塗布量を10mL/m以下と限定し、下限値は特に設けなかったが、下限値を設ける場合は、1mL/m以上である。
請求項3は請求項1又は2において、前記異物を除去する工程では、前記透明支持体又は該透明支持体上に形成した下塗層の表面は、高さが10μm以上の異物が1個/100m以下であることを特徴とする。
これにより、実用上、生産性に悪影響のない光学フイルムを得ることができる。なお、高さが10μm以上の異物が1個/1000m以下であることがより好ましく、1個/5000m以下であることが更に好ましい。
請求項4は請求項1〜3の何れか1項において、前記異物の除去は、カレンダリング処理、ブレード研削処理、又は研磨処理のうち少なくとも1つを行うことを特徴とする。
このように、光学機能層を薄層塗布する前の支持体面を圧延(カレンダリング)、研磨、又は研削(ダイヤモンド砥石で削り落とすバーニッシュ、シャープエッジで削り落とすブレーディング等)することにより、支持体面上の異物を確実に取り除くことができる。したがって、光学機能層を支持体上に均一に薄層形成でき、光学特性の優れた光学フイルムを得ることができる。
請求項5は請求項1〜4の何れか1項において、前記光学機能層の塗布方法は、マイクログラビアコート方式又はダイコート方式であることを特徴とする。
これにより、光学機能層の薄層を安定かつ均一に形成することができる。ここで、マイクログラビアロール径は、15〜250mmが好ましく、20〜100mmがより好ましく、40〜50mmが特に好ましい。また、ダイコート方式の塗布手段としては、例えば、スロットダイコータが挙げられる。
請求項6は請求項1〜5の何れか1項において、前記下塗層は防眩層であり、前記光学機能層は反射防止層であることを特徴とする。
本発明の請求項7は前記目的を達成するために、透明支持体又は該透明支持体上に形成した下塗層の表面は、高さが10μm以上の異物が1個/100m以下であることを特徴とする光学フイルム用支持体を提供する。
異物起因のスジ状故障を生じる原因となる高さが10μm以上の異物を、上記範囲内にすることにより、光学機能層を均一に薄層塗布できる。これにより、実用上、光学特性に悪影響のない光学フイルムを得ることができる。なお、高さが10μm以上の異物が、1個/1000m以下であることがより好ましく、1個/5000m以下であることが更に好ましい。
請求項8は、請求項7に記載の光学フイルム用支持体上に光学機能層が形成されたことを特徴とする光学フイルムを提供する。
このような光学機能層としては、特に限定されないが、例えば、反射防止層(低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層)等が含まれる。
請求項9は請求項8において、前記光学機能層の膜厚が2μm以下であることを特徴とする。ここで、膜厚は、乾燥状態(溶媒成分がない塗布液成分)での厚さをいう。
請求項10は請求項8又は9において、前記光学フイルムが、前記下塗層が防眩層であり、かつ前記光学機能層が反射防止層である反射防止フイルムであることを特徴とする。
このように、反射防止層を均一かつ高精度に薄層塗布することが要求される反射防止フイルムにおいて、異物故障が生じるのを抑制でき、優れた光学特性を得ることができる。
その他、反射防止フイルムには、各種機能層(ハードコート層、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層や保護層等)を備えることができる。
請求項11は、請求項7の光学フイルム用支持体、又は請求項8〜10の何れか1項に記載の光学フイルムを備えた偏光板を提供する。
請求項12は、請求項8〜10の何れか1項に記載の光学フイルム、又は請求項11に記載の偏光板を備えた画像表示装置を提供する。
本発明によれば、異物起因のスジ状故障が少なく、品質の優れた光学フイルムを生産性よく得ることができる。
以下添付図面に従って、本発明に係る光学フイルムの製造方法、光学フイルム用支持体、光学フイルム、偏光板及び画像表示装置の好ましい実施の形態について説明する。
まず、本発明が適用される反射防止フイルム(光学フイルム)の製造ライン10について説明する。本実施形態は、1)低屈折率層(光学機能層)を付与する前の下塗層を形成し、反射防止フイルム用支持体を製造する工程(図1(A)参照)、2)1)で製造した反射防止フィルム用支持体を再び巻き出して、更に低屈折率層(光学機能層)を付与する工程(図1(B)参照)、を別々に構成した反射防止フイルムの製造ライン10において、1)の工程に反射防止フイルム用支持体表面に付着した異物を取り除くカレンダ処理工程を備えた例である。なお、上記1)、2)の工程を別々に構成せずに、一つの連続した製造ラインとして構成する場合にも、本発明を適用できる。
図1(A)は、透明支持体表面に下塗層が形成された反射防止フイルム用支持体の製造ライン10Aを説明する概略図であり、図1(B)は、図1(A)の反射防止フイルム用支持体上に低屈折率層が形成された反射防止フィルムの製造ライン10Bを説明する概略図である。
図1(A)に示すように、反射防止フイルム用支持体の製造ライン10Aは、主に、長尺状の透明支持体であるウエブ12を送り出す送り出し装置14と、ウエブ12表面に付着した塵などを除去する除塵装置16と、防眩層用塗布液を塗布するマイクログラビア塗布装置18(塗布手段)と、該塗布液を乾燥する乾燥装置20と、該塗布液を更に加熱・乾燥する加熱・乾燥装置22と、該塗布液を重合及び硬化させる紫外線照射ランプ24と、防眩層が形成されたウエブ12表面の異物を除去するカレンダ装置26と、該異物が除去された後のウエブ12を巻き取る巻取り装置28と、を備えている。符号58、60、62、64及び66は、それぞれガイドローラを示すものである。
なお、図1(B)の反射防止フイルムの製造ライン10Bは、カレンダ装置26を備えていない以外は、図1(A)とほぼ同様に構成されるので、図1(A)と同等又は同一の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
送り出し装置14には、長尺状の透明支持体であるウエブ12の巻き取り体を備えており、ガイドローラ58により順次巻き出せるようになっている。なお、ウエブ12には、予め機能層(例えば、物理機能層)が形成されていてもよい。
図2は、マイクログラビア塗布装置18の概略構成を説明する模式図である。図3は、図2のグラビアロールとドクターブレードとの関係を示す模式図であり、図4は、ドクターブレードを保持するブレードホルダを説明する模式図である。
マイクログラビア塗布装置18は、図2に示すように、図示しない駆動手段によって回転駆動され、ウエブ12に塗布液を塗布するグラビアロール32と、該グラビアロール32の表面に塗布液を供給する塗布液供給部34と、塗布液が供給されてからウエブ12に接触するまでの間のグラビアロール32表面に押し当てられ、グラビアロール32表面の余剰塗布液を掻き落とすドクターブレード36と、を備えている。なお、図3に示すように、少なくともドクターブレード36の先端のグラビアロール32に対する接触端3aが、グラビアロール32の表面、特にグラビアロール32表面の同一母線(ロール撓み無しの状態におけるロール表面の軸方向線)上に確実に接するように、ドクターブレード36に撓みが付与されていることが好ましい。
グラビアロール32の径は、15〜250mmが好ましく、20〜100mmがより好ましく、40〜50mmが特に好ましい。このような径であれば、ロールの歪みが小さいので、ウェット膜厚が10mL/m以下の塗布層でも高精度かつ安定に形成できる。
ブレードホルダ38は、図4に示すように、ドクターブレード36の基端部を挟む2枚の押え板40、42と、該2枚の押え板40、42を介してドクターブレード36を挟持する2つの金属ブロック44、46と、該金属ブロック44、46を互いに締結する締結ボルト48及びナット50と、より構成される。なお、締結ボルト48及びナット50の代わりに、流体圧で締め付ける方法でもよく、ドクターブレード36を保持する方法は、上記形態に限定されない。そして、ブレードホルダ38の中央部分には、ホルダ撓み付与手段としての図示しない上下動機構が設けられ、外力を加えてブレードホルダ38を下方(又は上方)に撓ませることにより、ドクターブレード36に、グラビアロール32の軸垂直方向撓みと略同等の撓みを与えられるようになっている。
ブレードホルダ38の押さえ板40、42から突出するドクターブレード36の長さLbは、1mm〜50mmが好ましく、3mm〜20mmがより好ましい。ドクターブレード36は、先端の角度が鋭角の5゜〜80゜程度になるように設定され、そのブレード先端部の傾斜面3bと押し付けるグラビアロール32表面の接線との角度が±5゜以下に設定される。これにより、ブレード先端部の傾斜面3bとグラビアロール表面とが互いに平坦に押し当てられ、塗布液を塗布開始直後から安定して塗布できる。また、ドクターブレード36の板厚tは0.05mm〜0.5mmが好ましく、0.05mm〜0.3mmがより好ましく、適度な剛性と可撓性を備えたものが適宜使用される。
マイクログラビア塗布装置18は、クリーンルーム等の清浄な雰囲気に設置されることが好ましい。その際、清浄度は、クラス1000以下が好ましく、クラス100以下がより好ましく、クラス10以下が更に好ましい。
乾燥装置20は、マイクログラビア塗布装置18の直後に設けられ、塗布層中の溶媒の大部分を蒸発させて乾燥できるようになっている。乾燥装置20としては、公知公用の乾燥装置が使用できるが、初期乾燥では乾燥ムラが生じ易いため、ウエブ12を囲む乾燥ゾーン内で乾燥風量、乾燥温度等が精密に制御できるものが好ましい。
加熱・乾燥装置22は、乾燥ゾーン22Aと、加熱ゾーン22Bとを備えており、乾燥装置20により初期乾燥された塗布層を更に乾燥及び加熱できるようになっている。このような加熱・乾燥装置22としては、特に限定されないが、ウエブ12の塗布層が形成されていない側に、熱風又は遠赤外線を付与することにより、あるいは加熱ローラを接触させることにより行なうことが好ましい。また、ウエブ12の両面に、熱風又は遠赤外線を付与することにより行なうことが好ましい。
紫外線照射ランプ24は、ウエブ12表面に紫外線を照射することにより、塗布層を硬化、架橋させることが可能となっている。また、塗布液の種類により、熱で硬化するための熱処理ゾーン(例えば、オーブン加熱等)が設けられ、塗布層を硬化、架橋させる場合もある。
このように防眩層を形成したウエブ12上には、基材であるセルロース屑や、塗布装置のドクターブレード36のブレード屑、工程内へ混入したゴミ、塵、防眩層用塗布液の凝集物等の異物がある場合が多く、この上に更に光学機能層を薄層形成する際、異物起因のスジ状故障を生じる原因となる。このため、本発明の光学フイルム用支持体の製造ライン10は、上記異物を取り除く処理を行うカレンダ装置26を備えている。
カレンダ装置26は、互いに接するように配設された複数(ここでは6本)のカレンダローラ54…と、ウエブ12の走行をガイドする複数のガイドローラ56…と、を備えている。これにより、ウエブ12を、ガイドローラ56によりガイドさせながら隣接するカレンダローラ54…の間を走行させる過程で、各カレンダローラ54の間でニップし、加熱加圧する。各カレンダローラ54の間のニップ圧、カレンダローラ54の表面温度は、除去対象となる異物の高さや大きさの程度に応じて設定される。
巻取り装置28は、カレンダ装置26の下流側に設けられ、ウエブ12を巻き取るようになっている。
次に、本発明に係る光学フイルムの製造方法の作用について図1(A)及び図1(B)を参照して説明する。
図1(A)に示すように、送り出し装置14から送り出されたウエブ12は、ガイドローラ58によってガイドされて除塵装置16に送りこまれる。ウエブ12の搬送速度は、5〜200m/分が好ましい。
次いで、除塵装置16により、ウエブ12の表面に付着した塵が取り除かれた後、マイクログラビア塗布装置18により防眩層用塗布液が、ウエブ12上に塗布される。この塗布は、クラス1000以下の清浄な雰囲気下で行われる。防眩層用塗布液の塗布量は、5〜50mL/m以下であることが好ましく、7〜30mL/m以下であることがより好ましい。
次いで、塗布膜が形成されたウエブ12は、乾燥装置20に送られ、初期乾燥される。乾燥装置20で乾燥されたウエブ12は、後段の加熱・乾燥装置22で更に乾燥される。そして、ウエブ12は、加熱・乾燥装置22により加熱・乾燥された後、紫外線ランプ24を通過する。これにより、乾燥されたウエブ12の塗布層は、加熱されて防眩層が形成され、連続的に該防眩層に光照射され、防眩層を硬化する。
このように形成された防眩層上には、ゴミや塵、防眩層用塗布液の凝集物等の異物がある場合が多く、この上に低屈折率層(光学機能層)を薄層に形成する際に、異物起因のスジ状故障を生じる原因となる。このため、本実施形態では、上記異物を取り除く工程としてカレンダ処理を行う。
ウエブ12は、隣接するカレンダローラ54…の間をガイドローラ56にガイドされながら走行する。この走行過程において、各カレンダローラ54の間のニップで挟持、加熱加圧されて、表面が平滑化される。このとき、カレンダローラ54の表面温度を60〜200℃、線圧1〜500N/cmで行うことが好ましい。また、カレンダリングする際のカレンダローラ54間のクリアランスを、「ウエブ12の膜厚+1〜20μm」に制御することが好ましい。
このカレンダ処理により、10〜100μmの高さの異物、特に20〜70μmの高さの異物をウエブ12の防眩層上から除去することにより、高さが10μm以上の異物が1個/100m以下となるようにする。
そして、表面の異物が除去されたウエブ12は、巻取り装置28で巻き取られる。
このように、巻取り装置28で巻き取ったウエブ12(防眩層が予め形成されたウエブ12)は、図1(B)の製造ライン10Bにおいて再び巻き返され、マイクログラビア塗布装置18により、低屈折率層用塗布液が薄層に塗布される。なお、低屈折率層用塗布液の塗布量は、10mL/m以下であることが好ましく、7mL/m以下であることがより好ましく、5mL/m以下であることが特に好ましい。
このとき、低屈折率層用塗布液が塗布される前のウエブ12面は、上記したように、高さが10μm以上の異物が1個/100m以下しかないので、低屈折率層を均一に薄層塗布できる。したがって、高さのある防眩層上の異物に起因するスジ状故障(色スジ、尾引欠陥等)がほとんどなく、光学特性の良好な反射防止フイルムを得ることができる。
なお、上記低屈折率層用塗布液を防眩層上に塗布する際、ウエブ12の搬送速度が大きい程、高さの低い異物でも異物故障を生じ易いため、ウエブ12の搬送速度は生産性を損なわない範囲で小さく設定することが好ましい。具体的には、ウエブ12の搬送速度は、5〜200m/分が好ましく、10〜100m/分がより好ましく、20〜50m/分が特に好ましい。
図5〜図7は、本発明が適用される光学フイルム用支持体の製造ライン10Aのその他の態様を示す概略図である。図5〜図7において、図1と同一の機能又は部材を有する部分には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5に示される製造ライン10A’は、カレンダ装置26の代わりに、研磨装置70及び除塵装置72を備えた以外は、図1(A)と同様に構成される。
研磨装置70は、多孔性素材で切削姓のある研磨ロール70Aと、ガイドローラ71a、71bと、を備えている。研磨ロール70Aとしては、ダイヤモンド粒子を合成樹脂とともにロール状に形成したものを使用できる。研磨ロール70Aの径は、特に限定されないが、100mm径のものなどが使用できる。研磨ロール70Aの表面に当接するウエブ12のラップ角度は調整できるようになっており、研磨ロール70Aの回転方向は、ウエブ12の走行方向に対して正逆転いずれの方向であってもよい。
除塵装置72としては、例えば、清浄度の高い空気を高速で吹き付けて付着物をウエブ12表面から剥離させ、近接した吸い込み口で吸引する方式の除塵装置等が使用できる。その他、除塵方法としては、特開昭59−150571号公報に記載のフイルム表面に不織布や、ブレード等を押しつける方法、特開平10−309553号公報に記載の方法、特開平7−333613号公報に記載される超音波振動する圧縮空気を吹き付けて付着物を剥離させ、吸引する方法(伸興社製、ニューウルトラクリーナー等)等の乾式除塵法が挙げられる。また、洗浄槽中にフイルムを導入し、超音波振動子により付着物を剥離させる方法、特公昭49−13020号公報に記載されているフイルムに洗浄液を供給したあと、高速空気の吹き付け、吸い込みを行なう方法、特願平11−215807号に記載のように、ウェブを液体でぬらしたロールで連続的に擦った後、擦った面に液体を噴射して洗浄する方法等の湿式除塵法を用いることができる。
これにより、研磨ロール70Aにガイドローラ71a、71bによりウエブ12を当接させ、研磨ロール70Aを高速回転させてウエブ12の表面を研磨することで、防眩層上に付着した異物や凝集物を研磨できる。これにより生じた研磨屑は、後段の除塵装置72により除去できる。なお、ウエブ12のラップ角度や張力、研磨ロール70Aの回転速度等は、除去する異物の高さに応じて調節することができる。
このように、ウエブ12上の防眩層上に付着した異物や塵、凝集物等を高精度に研磨又は研削し、除去することができる。なお、研磨方法は、図5の態様に限定されず、研磨テープによる方法、ブレード刃による方法等、公知の手段を採用できる(後述の図7参照)。
図6に示される製造ライン10A’’は、研磨装置70、除塵装置72を更に追加した以外は図1(A)と同様に構成されている。
このように、異なる異物除去装置を併用することにより、異物の高さや種類に応じて、高精度に異物を除去できる。
図7に示される製造ライン10A’’’は、カレンダ装置26の代わりに、研磨装置74、固定ブレード76、及びワイピング装置78を備えた以外は図1(A)と同様に構成される。
研磨装置74は、研磨テープ80と、該研磨テープ80をウエブ12に押さえるパッド82と、研磨テープ80が巻かれる回転ロール84、84と、を備えている。
研磨テープ80の表面粗さRa(3D−MIRAU法に従う中心線表面粗さ)は、0.01〜0.3μm(更に好ましくは、0.03〜0.1μm)の範囲にあることが好ましい。
固定ブレード76としては、特に限定されないが、例えば、サファイヤブレードを挙げることができる。なお、その他の研削手段(例えば、ダイヤモンドホイールや回転ブレード等)を用いることもできる。
ワイピング装置78は、研磨装置74、固定ブレード76の下流側に設けられ、ワイピング材86と、該ワイピング材86をウエブ12に対して押さえるパッド88と、ワイピング材86が巻かれる回転ロール90、90と、を備えている。
ワイピング材86としては、紙、皮、不織布(ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリルニトリル、又は混紡製の不織布)等が使用できる。
これにより、ウエブ12は、ウエブ12の搬送方向と反対方向に走行する研磨テープ80と所定の接触角(60〜80度)、張力(500〜1000g/(1/2インチ幅))で接触することにより、防眩層の表面が研磨処理される。さらに、固定ブレード76により、ウエブ12の防眩層の表面の異物が削り落とされた後、ワイピング装置78により、研磨テープ80や固定ブレード76で発生した削り屑(防眩層の成分からなる粉状物、ゴミ等)が拭き取られる。
このように、防眩層の表面に付着した比較的強固な異物(防眩層用塗布液の凝集物等)でも、確実に防眩層の表面から取り除くことができる。したがって、この後、防眩層上に各種光学機能層を薄層に形成しても、異物故障が生じるのを抑制できる。
なお、図7の態様に限らず、研磨装置74、固定ブレード76、及びワイピング装置78のうちいずれか1つを備えてもよい。
以上、本発明に係る光学フイルムの製造方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態では、長尺状の透明支持体上に防眩層のみを塗布形成し、反射防止フイルム用支持体として一旦巻き取る製造ラインについて説明したが、巻き取らずに、ウエブ12(すでに何らかの機能層が形成されているものも含む)上に2層以上(防眩層、反射防止層等)を逐次塗布し、最終的に反射防止フイルムとして巻き取ることもできる。この場合、防眩層の塗布工程と、反射防止層の塗布工程との間に、上記のカレンダ装置26等の異物除去手段を備えることができる。
また、本実施形態では、塗布方式として、マイクログラビア塗布装置18を用いたマイクログラビア法の例について示したが、これに限定されない。たとえば、エクストルージョン方式、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、等も用いることができる。
また、カレンダ装置26、研磨装置70、74、除塵装置72、固定ブレード76、ワイピング装置78等の構成は、上記各実施形態に限定されず、同等の作用を有する他の構成のものであってもよい。
次に、本発明が適用される反射防止フイルム(光学フイルム)の構成について説明する。
本発明における反射防止フイルムの構成の一例としては、透明支持体上に、屈折率の異なる複数の機能層としてハードコート層、防眩性ハードコート層、及び屈折率が最も低い低屈折率層の順に積層された反射防止膜を有する。
防眩性ハードコート層には、微粒子が分散しており、防眩性ハードコート層の微粒子以外の部分の素材の屈折率が1.48〜2.00の範囲にあることが好ましく、低屈折率層の屈折率は1.38〜1.49の範囲にあることが好ましい。本発明においては、ハードコート層は1層でもよいし、複数層、例えば2層乃至4層で構成されていてもよい。
また、反射防止フイルムは、より良い反射防止能を付与するために、ハードコート層と低屈折率層の間に、高屈折率層や中屈折率層を設けてもよい。高屈折率層と中屈折率層とが混在する場合、屈折率が支持、ハードコート層、中屈折率層よりも高い層を高屈折率層といい、屈折率が支持体、ハードコート層、中屈折率層よりも高く高屈折率層より低い層を中屈折率層という。屈折率は、添加する無機微粒子やバインダーの使用量などを調節することにより適宜調節できる。本発明の反射防止フイルムにおける中屈折率層の屈折率は、1.55〜1.85であり、好ましくは1.60〜1.75の範囲である。本発明の反射防止フイルムにおける高屈折率層の屈折率は、1.65〜2.20であり、好ましくは1.80〜1.95の範囲である。
次に、本発明における光学フイルムの製造に使用される各種材料について説明する。
(低屈折率層)
本発明の反射防止膜の低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.38〜1.49であり、より好ましくは1.38〜1.44の範囲にある。
さらに、低屈折率層は下記数式(I)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
数式(I):(mλ/4)×0.7<n1d1<(mλ/4)×1.3
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。
なお、上記数式(I)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
本発明の低屈折率層を形成する素材について、以下に説明する。
本発明の低屈折率層には、低屈折率バインダーとして、含フッ素共重合体を含む。含フッ素共重合体としては動摩擦係数0.03〜0.15、水に対する接触角90〜120°の熱または電離放射線により架橋する含フッ素共重合体が用いられる。本発明の低屈折率層には、膜強度向上のための無機フィラーを用いてもよい。
低屈折率層に用いられる上記含フッ素共重合体としてはパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン)の加水分解、脱水縮合物の他、含フッ素モノマーの重合単位と架橋反応性付与のための重合単位を構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。
含フッ素共重合体の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学製)やM−2020(商品名、ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
架橋反応性付与のための重合単位としては、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる重合単位、カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる重合単位、これらの重合単位に高分子反応によって(メタ)アクリルロイル基等の架橋反応性基を導入した重合単位(例えばヒドロキシ基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で導入できる)が挙げられる。本明細書において、「(メタ)アクリレート」等の記載は、「アクリレート又はメタクリレート」の意味を表す。
また上記含フッ素モノマーの重合単位、架橋反応性付与のための重合単位以外に溶剤への溶解性、皮膜の透明性等の観点から適宜フッ素原子を含有しないモノマーの重合単位を共重合体成分とすることもできる。併用可能なモノマーには特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロニトリル誘導体等を挙げることができる。
本発明で特に有用な含フッ素共重合体は、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニルエステル類のランダム共重合体である。特に単独で架橋反応可能な基((メタ)アクリロイル基等のラジカル反応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基等)を有していることが好ましい。これらの架橋反応性基含有重合単位はポリマーの全重合単位の5〜70mol%を占めていることが好ましく、特に好ましくは30〜60mol%の場合である。
次に本発明に好ましく用いられる、一般式[1]または[2]で表されるフルオロアルキル基含有ポリシロキサン繰り返し単位を含んでなるポリマーについて説明する。
Figure 2008180905
一般式[1]中、R1は水素原子、アルキル基又はアリール基を表わす。アルキル基としては炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜4が更に好ましく、例としてメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基等が挙げられる。アリール基としては炭素数6〜20が好ましく、炭素数6〜10が更に好ましく、例としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これらの中でもメチル基およびフェニル基が好ましく、特に好ましくはメチル基である。
Lは炭素数10以下の2価の連結基を表し、好ましくは炭素数1〜10からなるアルキレン基、更に好ましくは炭素数1〜5からなるアルキレン基である。アルキレン基は、直鎖もしくは分岐の、置換もしくは無置換の、内部に連結基(例えば、エーテル、エステル、アミド)を有していてもよいアルキレン基である。アルキレン基の好ましい置換基は、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
nは1〜8の整数を表し、1〜6が好ましく、1〜4が更に好ましく、1が最も好ましい。pは10〜500の整数を表わし、好ましくは50〜300であり、特に好ましくは100〜250の場合である。
Figure 2008180905
一般式[2]において、p、nは一般式[1]と同じ意味を表す。R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表す。アルキル基としては炭素数1〜4が好ましく、例としてメチル基、エチル基等が挙げられる。アリール基としては炭素数6〜10が好ましく、例としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。mは1〜10の整数を表し、1〜4が好ましく、2〜3が更に好ましい。
低屈折率層に用いられる無機フィラーとしては低屈折率のものが好ましく用いられ、好ましい無機フィラーは、シリカ、フッ化マグネシウムであり、特にシリカが好ましい。
該無機フィラーの平均粒径は0.001〜0.2μmであることが好ましく、0.001〜0.05μmであることがより好ましい。フィラーの粒径はなるべく均一(単分散)であることが好ましい。
該無機フィラーは粒子径の異なる2種類のフィラーを併用しても良い。特に粒子径が0.02〜0.05μmの無機フィラーと粒子径が0.02μm未満の無機フィラーを併用することにより、反射率と耐擦傷性を両立させることができる。粒子径の異なる2種類の無機フィラーそれぞれの添加量の割合は、欲しい反射率と耐擦傷性のバランスにより0〜1の間を自由に変化させることが可能である。反射率を低減させたい場合には粒子径の小さな無機フィラーが大部分を占めることが好ましく、耐擦傷性を強化したい場合には粒子径の大きな無機フィラーの割合を上げることが好ましい。
該無機フィラーの添加量は、低屈折率層の全質量の5〜90質量%であることが好ましく、10〜70質量%であると更に好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。
該無機フィラーは表面処理を施して用いることも好ましい。表面処理法としてはプラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理とカップリング剤を使用する化学的表面処理があるが、カップリング剤の使用が好ましい。
本発明のハードコート層と低屈折率層のうちの少なくとも1層には、層間密着力を強化するために、オルガノシラン化合物、その加水分解物及びその部分縮合物の少なくともいずれか、いわゆるゾル成分(以降このようにも称する)を含有する。特に低屈折率層は、反射防止能と耐擦傷性を両立させるために、オルガノシラン化合物の加水分解物およびその部分縮合物の少なくともいずれかを含有することが好ましく、ハードコート層は、オルガノシラン化合物、その加水分解物およびその部分縮合物の少なくともいずれかを含有することが好ましい。
本発明に用いられるオルガノシラン化合物の加水分解物および/またはその部分縮合物、いわゆるゾル成分(以降このようにも称する)について説明する。オルガノシラン化合物は、下記一般式[3]で表される。
一般式[3]:(R10)mSi(X)4-m
上記一般式[3]において、R10は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましい。
アルキル基としては好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6のものが挙げられる。具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、t−ブチル、sec−ブチル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
Xは、水酸基または加水分解可能な基を表し、加水分解可能な基として、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、又はR2COO(R2は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。例えば、CHCOO、CCOO等が挙げられる)が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
mは1〜3の整数を表す。R10もしくはXが複数存在するとき、複数のR10もしくはXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。mとして好ましくは1、2であり、特に好ましくは1である。
10に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が挙げられ、これら置換基は上記置換基で更に置換されていてもよい。
オルガノシランの加水分解物および/または縮合反応物(ゾル成分)の調製は、触媒の存在下で行われることが好ましい。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類;金属キレート化合物等が挙げられるが、無機酸化物微粒子液の製造安定性や保存安定性の点から、本発明においては、酸触媒(無機酸類、有機酸類)及び/又は金属キレート化合物が用いられる。無機酸では塩酸、硫酸、有機酸では、水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下のものが好ましく、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が3.0以下の有機酸がより好ましく、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、マロン酸が更に好ましく、シュウ酸が特に好ましい。
金属キレート化合物は、Zr、TiまたはAlから選ばれる金属を中心金属とするものであれば特に制限なく好適に用いることができる。
本発明の反射防止膜は、透明支持体上にハードコート層を有し、さらにその上に低屈折率層を有するが、要求される性能に応じ、該ハードコートの一層を防眩性ハードコート層とした反射防止膜とすることができる。
本発明の反射防止膜では、膜強度を向上させる目的で防眩性ハードコート層の下層にさらに防眩性ではないハードコート層を設けることもできる。
さらにウエブ12を除く各層に無機フィラーを添加することが好ましい。各層に添加する無機フィラーはそれぞれ同じでも異なっていても良く、各層の屈折率、膜強度、膜厚、塗布性などの必要性能に応じて、種類、添加量は調節されることが好ましい。
また、無機フィラーの凝集、沈降を抑制する目的で、分散安定化剤を併用することも好ましい。分散安定化剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ポリアミド、リン酸エステル、ポリエーテル、界面活性剤等が使用できる。
(ハードコート層)
防眩性ハードコート層はハードコート性を付与するためのバインダー、防眩性を付与するためのマット粒子、および高屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のための無機フィラーから形成される。
バインダーとしては、飽和炭化水素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。
また、バインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマーの重合体が好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合体/又は共重合体が好ましい。
高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含むことが好ましい。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが挙げられる。上記モノマーは2種以上併用してもよい。上記において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」の意味で使用している。
高屈折率モノマーの具体例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテル等が挙げられる。これらのモノマーも2種以上併用してもよい。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、マット粒子および無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化して反射防止膜を形成することができる。
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
最新UV硬化技術(p.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、日本チバガイギー(株)製の商品名イルガキュア(651,184,907)等が好ましい例として挙げられる。
光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトンおよびチオキサントンを挙げることができる。
熱ラジカル開始剤としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることができる。
ポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキシ化合物の開環重合体が好ましい。多官能エポキシ化合物の開環重合は、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
従って、多官能エポシキシ化合物、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤、マット粒子および無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化して反射防止膜を形成することができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりにまたはそれに加えて、架橋性官能基を有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
防眩性ハードコート層には、防眩性付与の目的で、フィラー粒子より大きな平均粒径が1〜10μm、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子または樹脂粒子が含有される。
上記マット粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;架橋アクリル粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。
また、粒子径の異なる2種以上のマット粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子径のマット粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子径のマット粒子で別の光学特性を付与することが可能である。
防眩性ハードコート層には、層の屈折率を高めるために、上記のマット粒子に加えて、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、平均粒径が好ましくは0.001μm〜0.2μm、より好ましくは0.001μm〜0.05μm以下である無機フィラーが含有されることが好ましい。
防眩性ハードコート層に用いられる無機フィラーの具体例としては、TiO2、ZrO2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb23、ITO(インジウム−スズ酸化物)とSiO2等が挙げられる。TiO2およびZrO2が高屈折率化の点で特に好ましい。
これらの無機フィラーの添加量は、防眩性ハードコート層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%である。
なお、このようなフィラーは、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダーポリマーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質として振舞う。
防眩性ハードコート層においてマット粒子を除いた部分の屈折率は、1.48〜2.00であることが好ましく、より好ましくは1.50〜1.80である。屈折率を上記範囲とするには、バインダー及び無機フィラーの種類及び量の割合を選択すればよい。防眩性ハードコート層の膜厚は1〜10μmが好ましく、1.2〜6μmがより好ましい。
本発明の反射防止膜では、フイルム強度向上の目的で防眩性ではないいわゆる平滑なハードコート層も好ましく用いられ、透明支持体と防眩性ハードコート層の間に塗設される。平滑なハードコート層に用いる素材は防眩性付与のためのマット粒子を用いないこと以外は防眩性ハードコート層において挙げたものと同様であり、バインダーと無機フィラーから形成される。
平滑なハードコート層では、無機フィラーとしては、強度および汎用性の点でシリカ、アルミナが好ましく、特にシリカが好ましい。また該無機フィラーは表面をシランカップリング処理されることが好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの無機フィラーの添加量は、ハードコート層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%である。平滑なハードコート層の膜厚は1〜10μmが好ましく、1.2〜6μmがより好ましい。
ハードコート層、低屈折率層を形成するために用いる塗布液の溶媒種としては、有機溶剤でも有機溶剤と水の混合溶剤でも良いが、水の含率は低いことが好ましく、0〜30質量%が好ましく、0〜10質量%が更に好ましい。
前記塗布液の溶媒組成としては、単独および混合のいずれでもよく、全溶媒中、沸点が100℃以下の溶媒が50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは100質量%である。沸点が100℃以下の溶媒が50質量%未満であると、乾燥速度が非常に遅くなり、塗布面状が悪化し、塗布膜厚にもムラが生じるため、反射率などの光学特性も悪化するおそれがあり好ましいものではない。本発明では、沸点が100℃以下の溶媒を多く含む塗布液を用いる事により、この問題を解決することができる。
沸点が100℃以下の溶媒としては、例えば、ヘキサン(沸点68.7℃、以下「℃」を省略する)、ヘプタン(98.4)、シクロヘキサン(80.7)、ベンゼン(80.1)などの炭化水素類、ジクロロメタン(39.8)、クロロホルム(61.2)、四塩化炭素(76.8)、1,2−ジクロロエタン(83.5)、トリクロロエチレン(87.2)などのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル(34.6)、ジイソプロピルエーテル(68.5)、ジプロピルエーテル(90.5)、テトラヒドロフラン(66)などのエーテル類、ギ酸エチル(54.2)、酢酸メチル(57.8)、酢酸エチル(77.1)、酢酸イソプロピル(89)などのエステル類、アセトン(56.1)、2−ブタノン(=メチルエチルケトン、79.6)などのケトン類、メタノール(64.5)、エタノール(78.3)、2−プロパノール(82.4)、1−プロパノール(97.2)などのアルコール類、アセトニトリル(81.6)、プロピオニトリル(97.4)などのシアノ化合物類、二硫化炭素(46.2)、などがある。このうちケトン類、エステル類が好ましく、特に好ましくはケトン類である。ケトン類の中では2−ブタノンが特に好ましい。
沸点が100℃以上の溶媒としては、例えば、オクタン(125.7)、トルエン(110.6)、キシレン(138)、テトラクロロエチレン(121.2)、クロロベンゼン(131.7)、ジオキサン(101.3)、ジブチルエーテル(142.4)、酢酸イソブチル(118)、シクロヘキサノン(155.7)、2−メチル−4−ペンタノン(=MIBK、115.9)、1−ブタノール(117.7)、N,N−ジメチルホルムアミド(153)、 N,N−ジメチルアセトアミド(166)、ジメチルスルホキシド(189)、などがある。好ましくは、シクロヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノン、である。
上記のハードコート層、低屈折率層成分を前述の組成の溶媒で希釈することにより、それらの層用塗布液が調製される。塗布液濃度は、塗布液の粘度、層素材の比重などを考慮して調節される事が好ましいが、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
本発明に使用される透明支持体としては、プラスチックフイルムを用いることが好ましい。プラスチックフイルムを形成するポリマーとしては、セルロースアシレート(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートであり、代表的なトリアセチルセルロースフイルムとしては富士写真フイルム社製 商品名TAC−TD80U,TD80UFなどが挙げられる。)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、などが挙げられる。このうちセルロースアシレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、が好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
次に、本発明における反射防止フイルム(光学フィルム)の応用例について説明する。
本発明における反射防止フイルムは、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置できるが、偏光板用保護フイルムとして使用する場合は、偏光膜と十分に接着させるために透明支持体上に含フッ素ポリマーを主体とする最外層(低屈折率層)を形成した後、鹸化処理を実施することが好ましい。鹸化処理は、公知の手法、例えば、アルカリ液の中に該フイルムを適切な時間浸漬して実施される。アルカリ液に浸漬した後は、該フイルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。鹸化処理することにより、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面が親水化される。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに特に有効である。また、親水化された表面は、空気中の塵埃が付着しにくくなるため、偏光膜と接着させる際に偏光膜と反射防止フイルムの間に塵埃が入りにくく、塵埃による点欠陥を防止するのに有効である。
鹸化処理は、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が40゜以下になるように実施することが好ましい。更に好ましくは30゜以下、特に好ましくは20゜以下である。
アルカリ鹸化処理の具体的手段としては、以下の2つから選択することができる。汎用のトリアセチルセルロースフイルムと同一の工程で処理できる点で(1)が優れているが、反射防止膜面まで鹸化処理されるため、表面がアルカリ加水分解されて膜が劣化する点、鹸化処理液が残ると汚れになる点が問題になり得る。その場合には、特別な工程となるが、(2)が優れる。
(1)透明支持体上に反射防止膜を形成後に、アルカリ液中に少なくとも1回浸漬することで、該フイルムの裏面を鹸化処理する。
(2)透明支持体上に反射防止膜を形成する前または後に、アルカリ液を該反射防止フイルムの反射防止膜を形成する面とは反対側の面に塗布し、加熱、水洗および/または中和することで、該フイルムの裏面だけを鹸化処理する。
偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フイルムで主に構成される。本発明の反射防止フイルムは、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。本発明の反射防止フイルムが保護フイルムを兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明の反射防止膜を最表層に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、耐傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。
偏光膜としては公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は以下の方法により作成される。
即ち、連続的に供給されるポリマーフイルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフイルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フイルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フイルム両端を保持する工程の出口におけるフイルムの進行方向と、フイルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフイルム進行方向を、フイルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。偏光膜の延伸方法は特開2002−86554号公報に記載の方法に従うことができる。
本発明の反射防止フイルムおよびこの反射防止フイルムを低屈折率層が最表面になるように配置して用いた偏光板は、ディスプレイ装置、例えば液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。本発明の反射防止フイルムは透明支持体を有しているので、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して用いられる。本発明の反射防止フイルムを貼合した偏光板を使用する場合には、低屈折率層がディスプレイ装置の最表面になるようにディスプレイ装置の表示面に接着する。
本発明の反射防止フイルムは、偏光膜の表面保護フイルムの片側として用いた場合、 ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)、電界制御複屈折(Electrically Controlled Birefigence(ECB))等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2‐176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n‐ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置であり、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
ECBモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向しており、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ」東レリサーチセンター発行(2001)などに記載されている。
特にTNモードやIPSモードの液晶表示装置に対しては、特開2001−100043号公報等に記載されているように、視野角拡大効果を有する光学補償フイルムを、偏光膜の裏表2枚の保護フイルムの内の本発明の反射防止フイルムとは反対側の面に用いることにより、1枚の偏光板の厚みで反射防止効果と視野角拡大効果を有する偏光板を得ることができ、特に好ましい。
本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(ウエブ)
ウエブ12には、厚さ80μm、幅1490mmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)の透明ウエブを使用した。
(防眩性ハードコート層塗布液の調製)
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7401、JSR社製、固形分濃度48%、ジルコニア含率71%、平均粒径約20nm)250gにジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)105g、ゾル液a 25.8g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5g、をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50質量%の混合溶媒384gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液に個数平均粒径1.99μm、粒径の標準偏差0.32μm(個数平均粒径の16%)の架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200HD、綜研化学(株)製)20gを80gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶剤に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散し、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製フィルター(それぞれ商品名、PPE−10、PPE−03、PPE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)にてろ過して得られた分散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層塗布液を調製した。
(防眩性ハードコート層の塗設)
図1(A)の製造ラインにおいて、ウエブ12として上記セルロースアシレートフイルムをロール形態で巻き出して、上記の防眩性ハードコート層用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度5m/分の条件で塗布した。このとき、塗布量は約20cc/mであった。
次いで、120℃で4分乾燥の後、窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ1.5〜4.5μmの防眩性ハードコート層を形成し、巻き取った。
そして、カレンダ装置26により、ニップ線圧20N/cm、加熱温度90℃の条件で、20〜40μmの高さを有する異物を防眩性ハードコート層上から取り除いた。
(低屈折率層用塗布液の調製)
パーフルオロオレフィン共重合体(A)の15.2gに反応性シリコーンX−22−164B(商品名;信越化学工業社製)0.3g、フルオロシリコーン(P−1)0.76g、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバガイギー社製)0.76g、メチルエチルケトン293g、シクロヘキサノン9.0gを添加、攪拌の後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液Aを調製した。
(低屈折率層の塗設)
図1(B)の製造ライン10Bにおいて、上記防眩性ハードコート層を塗設したトリアセチルセルロースフイルムを再び巻き出して、上記低屈折率層用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度25m/分の条件で塗布した。このときの塗布量は、3cc/mであった。
次いで、80℃で2分乾燥の後、さらに窒素パージ下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射し、120℃で2.5分乾燥の後、さらに140℃で8〜20分乾燥させて、厚さ0.096μmの低屈折率層を形成し、巻き取った。なお、試料107に関しては特開平−228631号の実施例1に記載の方法により低屈折率層を形成した。
以上により、低屈折率層を塗設した反射防止フイルムを作成した。
(反射防止フイルムの評価)
得られた反射防止フイルム試料について、以下の項目の評価を行った。
[スジ状故障(青スジ、尾引欠陥)の評価]
1.34×20.00mmの大きさの試料を透過光で目視観察して、異物による欠陥個数を数えた。
防眩性ハードコート層を塗布したロール上の異物故障の個数を、予め検査機により確認した。異物の検査方法は、透過散乱方式により異物による散乱光量差をCCDカメラにて検出することにより行った。
また、反射防止層を塗布したロールについては、異物起因のスジ状故障について、発生数をカウントした。上記スジ状故障は、検査機の条件として、正反射方式により塗膜表面色味差による反射光量差をCCDカメラにて検出した。なお、上記異物起因のスジ状故障については、そのスジの形態により青スジ(異物を起点に数cm〜数mのスジとなるもの)と、尾引欠陥(異物に数cm以下の塗布ムラによる尾があるもの)に分類した。この結果を表1に示す。なお、通常の異物故障の数についても検査機により検査したが、この個数は、ほぼ防眩性ハードコート層と同等であった(表1参照)。
[比較例1]
カレンダ装置26によるカレンダ処理を行わなかった以外は実施例1と同様に反射防止フイルム試料を作製した。そして、実施例1と同様に反射防止フイルムを評価した。この結果を表1に示す。
[比較例2]
低屈折率層を塗布する際のウエブ12の搬送速度を20m/分とした以外は、比較例1と同様に反射防止フイルム試料を作製した。そして、実施例1と同様に反射防止フイルムを評価した。この結果を表1に示す。
[比較例3]
低屈折率層を塗布する際のウエブ12のラップ角を1.8°とした以外は、比較例1と同様に反射防止フイルム試料を作製した。そして、実施例1と同様に反射防止フイルムを評価した。この結果を表1に示す。
[実施例2]
防眩性ハードコート層の塗布前にウエブ12上の異物を除塵装置で除去した後、清浄度クラス100の雰囲気下で防眩性ハードコート層の塗布を行った。その後、低屈折率層を塗布する際の塗布速度を20m/分、ラップ角を1.8°とした以外は、比較例1と同様に反射防止フイルム試料を作製した。そして、実施例1と同様に反射防止フイルムを評価した。この結果を表1に示す。
Figure 2008180905
(反射防止フイルムの評価結果)
カレンダ処理を施した実施例1の反射防止フイルム試料は、スジ状故障(青スジ、尾引欠陥)がほとんどみられず、塗布面状も良好であった。
これに対して、カレンダ処理を施さなかった比較例1の反射防止フイルム試料は、スジ状故障が多かった。また、カレンダ処理を施さなかった比較例2(塗布速度小)、比較例3(塗布部のラップ角小)は、いずれも若干スジ状故障の発生頻度が減少したものの、1000mに1個以上のスジ状故障が発生したため、その部分を除外したことによる得率のロスが大きくなった。
また、実施例2では、防眩層を塗布する際のクリーン度を改善し、塗布速度、塗布部のラップ角をいずれも小さくすることにより、生産性は多少低下したものの、スジ状故障を低減できた。
なお、比較例1において、スジ状故障を生じる異物の高さを調べた結果、高さが10μm以上の異物がスジ状故障を生じることがわかった(図8のグラフ参照)。このことより、低屈折率層を塗布する前のウエブ12(セルロースアシレートフイルム上に防眩性ハードコート層を形成したウエブ12)上には、スジ状故障(青スジ、尾引欠陥)となる異物が約5/1000m個あり、これは高さ10μm以上の異物であることを示している。
同様に、ウエブ12の搬送速度を小さくした比較例2では、スジ状故障を生じる異物の高さは30μm以上であることがわかった(図9のグラフ参照)。
同様に、ウエブ12のラップ角を小さくした比較例3では、スジ状故障を生じる異物の高さは20μm以上であることがわかった(図10のグラフ参照)。
このように、低屈折率層を薄層塗布する際のウエブ12の搬送速度やラップ角によっては、スジ状故障を生じる原因となる異物の高さが変わるが、少なくとも高さが10μm以上の異物が付着したままのウエブ12面に低屈折率層を塗布すると、スジ状故障を生じ、塗布面状が低下することがわかった。
そして、少なくとも高さが10μm以上の異物を、低屈折率層を形成する前のクリーン度を上げたり、予めカレンダ処理を施したりして異物を予め除去しておくことにより、実際の製造条件の範囲においてスジ状故障(青スジ、尾引欠陥)を生じることなく、光学特性に悪影響がないことを確認することができた。特に、カレンダリング処理は、低屈折率層の塗布速度を下げる必要がないので、生産性がよく、好ましい方法であるといえる。
このように、本発明の光学フイルム用支持体の製造方法を適用することにより、異物起因のスジ状故障を抑制し、優れた光学特性を有する光学フイルムを製造できることがわかった。
本発明における反射防止フイルム用支持体の製造ラインの一例を示す概念図である。 本発明における反射防止フイルムの製造ラインの一例を示す概念図である。 図1(A)又は図1(B)のマイクログラビア塗布装置の概略構成を説明する模式図である。 図2のグラビアロールとドクターブレードとの関係を説明する模式図である。 図2のブレードホルダの構成を説明する断面模式図である。 本発明における反射防止フイルム用支持体の製造ラインのその他の例を示す概念図である。 本発明における反射防止フイルム用支持体の製造ラインのその他の例を示す概念図である。 本発明における反射防止フイルム用支持体の製造ラインのその他の例を示す概念図である。 本実施例におけるグラフ図である。 本実施例におけるグラフ図である。 本実施例におけるグラフ図である。
符号の説明
10A…反射防止フイルム用支持体の製造ライン、10B…反射防止フイルムの製造ライン、12…ウエブ、14…送り出し装置、16、72…除塵装置、18…マイクログラビア塗布装置、20…乾燥装置、22…加熱・乾燥装置、26…カレンダ装置、28…巻き取り装置、70…研磨装置(研磨ロール式)、74…研磨装置(研磨テープ式)、76…固定ブレード、78…ワイピング装置、80…研磨テープ、86…ワイピング材

Claims (12)

  1. 透明支持体上又は該透明支持体上に形成した下塗層上に、ウェット塗布量が10mL/m以下である光学機能層を薄層塗布する工程を含む光学フイルムの製造方法において、
    前記光学機能層を塗布する前に、高さが10μm以上の異物を前記透明支持体上又は前記下塗層上から除去する工程を備えたことを特徴とする光学フイルムの製造方法。
  2. 透明支持体上又は該透明支持体上に形成した下塗層上に、光学機能層を薄層塗布する工程を含む光学フイルムの製造方法において、
    前記光学機能層を塗布する前に、該光学機能層のウェット膜厚に対して2〜40倍の高さの異物を前記透明支持体上又は前記下塗層上から除去する工程を備えたことを特徴とする光学フイルムの製造方法。
  3. 前記異物を除去する工程では、前記透明支持体又は該透明支持体上に形成した下塗層の表面は、高さが10μm以上の異物が1個/100m以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フイルムの製造方法。
  4. 前記異物の除去は、カレンダリング処理、ブレード研削処理、又は研磨処理のうち少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光学フイルムの製造方法。
  5. 前記光学機能層の塗布方法は、マイクログラビアコート方式又はダイコート方式であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光学フイルムの製造方法。
  6. 前記下塗層は防眩層であり、前記光学機能層は反射防止層であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光学フイルムの製造方法。
  7. 透明支持体又は該透明支持体上に形成した下塗層の表面は、高さが10μm以上の異物が1個/100m以下であることを特徴とする光学フイルム用支持体。
  8. 請求項7に記載の光学フイルム用支持体上に光学機能層が形成されたことを特徴とする光学フイルム。
  9. 前記光学機能層の膜厚が2μm以下であることを特徴とする請求項8に記載の光学フイルム。
  10. 前記光学フイルムが、前記下塗層が防眩層であり、かつ前記光学機能層が反射防止層である反射防止フイルムであることを特徴とする請求項8又は9に記載の光学フイルム。
  11. 請求項7の光学フイルム用支持体、又は請求項8〜10の何れか1項に記載の光学フイルムを備えたことを特徴とする偏光板。
  12. 請求項8〜10の何れか1項に記載の光学フイルム、又は請求項11に記載の偏光板を備えたことを特徴とする画像表示装置。
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