JP2003221414A - カチオン交換樹脂の製造方法及びカチオン交換樹脂 - Google Patents

カチオン交換樹脂の製造方法及びカチオン交換樹脂

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JP2003221414A
JP2003221414A JP2002025293A JP2002025293A JP2003221414A JP 2003221414 A JP2003221414 A JP 2003221414A JP 2002025293 A JP2002025293 A JP 2002025293A JP 2002025293 A JP2002025293 A JP 2002025293A JP 2003221414 A JP2003221414 A JP 2003221414A
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Kazuhiko Tokunaga
和彦 徳永
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 危険性が高い物質を使用することなく、ま
た、樹脂の強度を低下させること無く、大きな中性塩分
解容量を有するとともに耐熱性にも優れたカチオン交換
樹脂を製造する。 【解決手段】 ハロアルキル基を有する構造単位を含む
架橋共重合体に、アミン類及び亜硫酸塩溶液を反応させ
て、下記一般式(3)で表される単量体単位を有するイ
オン交換樹脂を製造する方法において、前記反応を14
0℃以上250℃以下の条件で行なう工程を含むように
する。 (上記一般式(3)中、Aは、炭素数1〜6の直鎖状,
環状又は分岐状のアルキレン基を表し、Zは、対イオン
としてのナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシ
ウム,又はバリウムの各イオン、若しくは四級アンモニ
ウムイオンを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン交換樹脂
の製造方法及びカチオン交換樹脂に関する。より具体的
には、本発明は、ハロアルキル基を有する架橋共重合体
を出発物質として、アルカンスルホン酸を交換基とする
カチオン交換樹脂を製造する方法、及びその方法により
製造されたカチオン交換樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】カチオン交換樹脂は、例えば、ボイラー
用水の脱塩,発電所における復水処理等の水処理分野、
糖液精製,アミノ酸精製等の食品分野、抗生物質精製等
の医薬分野、半導体製造用の超純水分野等、広く各種の
産業分野で用いられている。
【0003】最も一般的なカチオン交換樹脂の製造方法
としては、スチレンとジビニルベンゼン等の架橋剤との
架橋共重合体を濃硫酸で反応させてスルホン化する方法
が挙げられる(北条舒正編、キレート樹脂・イオン交換
樹脂127〜206頁、講談社(1977))。しか
し、この方法は、濃硫酸を使用するので安全性や気密性
の確保が必要となる上に、得られるカチオン交換樹脂の
耐熱性が低く、使用できる分野が限られていた。
【0004】これに対して、アルカンスルホン酸基を交
換基として有するカチオン交換樹脂の合成方法も、幾つ
か報告されている。代表的なものとしては、ポリ(スチ
レン−ジビニルベンゼン)共重合体のベンゼン環にメタ
ンスルホン酸基が結合した構造を有するカチオン交換樹
脂の製造方法が挙げられる。この方法により得られるカ
チオン交換樹脂は耐熱性に優れており、文献によると、
上述のポリ(スチレンスルホン酸)構造を単量体単位と
するカチオン交換樹脂に比べて、2倍以上の耐熱安定性
を示す(Makromol. Chem. 183, 93-102 (1982))。その
原料ポリマーとしては、ハロメチル基を有するビニルア
リール形の高分子重合体、例えばビニルベンジルクロリ
ド又はブロミドの高分子重合体や、クロロメチル化又は
ブロモメチル化されたポリスチレン等が用いられる。
【0005】上述の原料ポリマー中のベンジル位ハライ
ドをスルホン酸基に変換する場合、最も単純には、前記
ハライドを直接、亜硫酸イオンと置換反応させればよい
が、こうした反応は上手くいかないことが報告されてい
る(Makromol. Chem. 183, 93 (1982))。そこで、ベン
ジル位ハライドをまず別の構造に変換し、続いてこれを
亜硫酸イオンと反応させる方法が開発されている。この
方法の例として、米国特許第3,337,479号公
報には、上述の原料架橋共重合ポリマーをアミン類で処
理してベンジル位にアンモニウム基を導入し、その後亜
硫酸塩水溶液と反応させる方法が開示されており、ま
た、米国特許第3,300,416号公報には、上述
の原料架橋共重合ポリマー中のベンジル位ハライドをス
ルホニウムイオンに変換し、これを亜硫酸塩水溶液と反
応させる方法が開示されている。更に、米国特許第
3,944,507号公報には、上述の原料架橋共重合
ポリマーをチオ尿素で処理し、これを水酸化ナトリウム
及び過酸化水素と反応させる方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公報〜に記載の方法は、それぞれ以下のような課題
を抱えている。上記公報記載の方法では、ハロメチル
基含有ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)共重合樹脂
内のハロメチル基をアンモニウム基に変換し、その後亜
硫酸塩水溶液と反応させてスルホン酸基を導入してい
る。しかし、この方法では、得られるカチオン交換樹脂
の中性塩分解容量が、通常のスチレンスルホン酸形カチ
オン交換樹脂と比較して約20〜60%程度と小さく、
実用性の面で課題があった。
【0007】また、上記公報記載の方法では、ハロメ
チル基含有ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)架橋共
重合体にジメチルスルフィドを反応させてスルホニウム
樹脂を合成し、その後亜硫酸ナトリウム水溶液を加えて
約100℃で40時間加熱し、メタンスルホン酸形のカ
チオン交換樹脂を製造している。しかし、この方法で
は、危険性が高く臭気の強いジメチルスルフィドを使用
するため、安全性や気密性の確保が必須となり、製造コ
ストが高く製造効率が低いという課題があった。
【0008】更に、上記公報記載の方法では、ハロメ
チル基含有ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)架橋共
重合体をチオ尿素と反応させ、その後水酸化ナトリウム
及び過酸化水素と反応させることにより、メタンスルホ
ン酸形カチオン交換樹脂を製造している。しかし、この
方法では、過酸化水素との反応の際に、架橋共重合体に
酸化分解等の副反応が起こり易く、この影響で樹脂の強
度が低下するという課題があった。
【0009】従って、危険性が高い物質を使用すること
なく、また、樹脂の強度を低下させること無く、中性塩
分解容量を向上させることができる、アルカンスルホン
酸形のカチオン交換樹脂の製造法が求められていた。
【0010】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
のである。すなわち、本発明の目的は、危険性が高い物
質を使用することなく、また、樹脂の強度を低下させる
こと無く、大きな中性塩分解容量を有するとともに耐熱
性にも優れた樹脂を得ることが可能な、カチオン交換樹
脂及びその製造方法を提供することに存する。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ハロアルキ
ル基を有する架橋共重合体をアミン類及び亜硫酸塩溶液
と反応させてカチオン交換樹脂を製造する際に、前記反
応を140℃以上250℃以下の条件で行なう工程を加
えることによって、製造されるカチオン交換樹脂の中性
塩分解容量が約5〜20%増加し、上記課題が効果的に
解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明の要旨は、下記一般式
(1)で表される単量体単位を含む架橋共重合体に、下
記一般式(2)で表される構造のアミン類及び亜硫酸塩
溶液を反応させて、下記一般式(3)で表される単量体
単位を含むカチオン交換樹脂を製造する方法において、
前記反応を140℃以上250℃以下の条件で行なう工
程を含むことを特徴とするカチオン交換樹脂の製造方
法、並びに、該方法により製造されたことを特徴とする
カチオン交換樹脂に存する。
【化4】 (上記一般式(1)中、Aは、炭素数1〜6の直鎖状,
環状又は分岐状のアルキレン基を表し、Xは、ハロゲン
基を表わす。)
【化5】 (上記一般式(2)中、R1,R2,及びR3は、それぞ
れ独立に、炭素数1〜6の直鎖状,環状又は分岐状のア
ルキレン基又はアリール基を表わす。)
【化6】 (上記一般式(3)中、Aは、炭素数1〜6の直鎖状,
環状又は分岐状のアルキレン基を表し、Zは、対イオン
としてのナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシ
ウム,又はバリウムの各イオン、若しくは四級アンモニ
ウムイオンを表す。)
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るカチオン交換樹脂の製造方法は、下記一般
式(1)で表される単量体単位を含む架橋共重合体に、
下記一般式(2)で表される構造を有するアミン類及び
亜硫酸塩溶液を反応させて、下記一般式(3)で表され
る単量体単位を含むカチオン交換樹脂を製造するもので
ある。
【0014】
【化7】
【0015】上記一般式(1)中、Aは、炭素数1〜6
の直鎖状,環状又は分岐状のアルキレン基を表す。具体
的には、メチレン基(−CH2−)、エチレン基(−C2
4−)、プロピレン基(−C36−)、ブテン基(−
48−)、ペンチレン基(−C510−)、ヘキシレ
ン基(−C612−)が挙げられる。また、Xは、ハロ
ゲン基を表わす。具体的には、−F、−Cl、−Br、
−I等が挙げられる。
【0016】
【化8】
【0017】上記一般式(2)中、R1,R2,及びR3
は、それぞれ独立に、炭素数1〜6の直鎖状,環状又は
分岐状のアルキレン基又はアリール基を表わす。具体的
には、メチレン基(−CH2−)、エチレン基(−C2
4−)、プロピレン基(−C36−)、ブテン基(−C4
8−)、ペンチレン基(−C510−)、ヘキシレン基
(−C612−)が挙げられる。
【0018】
【化9】
【0019】上記一般式(3)中、Aは、炭素数1〜6
の直鎖状,環状又は分岐状のアルキレン基を表す。具体
的には、メチレン基(−CH2−)、エチレン基(−C2
4−)、プロピレン基(−C36−)、ブテン基(−
48−)、ペンチレン基(−C510−)、ヘキシレ
ン基(−C612−)が挙げられる。
【0020】また、Zは、対イオンとしてのナトリウ
ム,カリウム,カルシウム,マグネシウム,又はバリウ
ムの各イオン、若しくは四級アンモニウムイオンを表
す。
【0021】上記一般式(1)で表される単量体単位を
含む架橋共重合体を製造する方法としては、(A)モノ
ビニル芳香族化合物とポリビニル芳香族化合物とを共重
合し、これにハロアルキル基を導入する方法、及び
(B)予めハロアルキル基を有するモノビニル芳香族化
合物とポリビニル芳香族化合物とを共重合する方法が挙
げられる。
【0022】上記(A)の方法において、モノビニル芳
香族化合物とポリビニル芳香族化合物とを共重合する一
般的な手法としては、モノビニル芳香族化合物とポリビ
ニル芳香族化合物を重合開始剤の存在下、水性媒体中で
懸濁重合する手法が挙げられる。
【0023】使用するモノビニル芳香族化合物として
は、スチレンが最も好ましいが、スチレンのベンゼン環
にエチル基等のアルキル基やフッ素,塩素,臭素,ヨウ
素等のハロゲン原子が置換した化合物や、同じくスチレ
ンのベンゼン環に他の芳香環が縮合した化合物等も使用
することができる。スチレン以外の具体例としては、エ
チルビニルベンゼン,ビニルトルエン,ビニルナフタレ
ン等が挙げられる。
【0024】ポリビニル芳香族化合物は架橋剤として機
能するもので、ここでは不飽和二重結合を2個以上有す
る架橋性ポリビニル不飽和単量体を用いることができ
る。具体的には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼ
ン等のポリビニルベンゼン;ジビニルトルエン等のアル
キルジビニルベンゼン;エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の
(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート;ビ
スビニルフェニルエタン、ビス(4−ビニルフェニル)
スルホン等が挙げられ、好ましくはジビニルベンゼンが
用いられる。
【0025】モノビニル芳香族化合物とポリビニル芳香
族化合物との共重合に際して、更に他のビニル化合物を
添加して共重合させても良い。このようなビニル化合物
(以下「第3のビニル化合物」と呼ぶ場合がある。)の
具体例としては、メタクリル酸;メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等のメタク
リル酸エステル;アクリル酸;アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル等のアクリル酸エス
テル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチル
ビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、
ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
【0026】モノビニル芳香族化合物とポリビニル芳香
族化合物、並びに必要に応じて用いられる第3のビニル
化合物(これらを合わせて以下「原料モノマー」と総称
する。)の共重合は、公知の方法により行なうことがで
きる。通常は、全原料モノマーの混合物を、公知の方法
に準じて重合開始剤の存在下懸濁重合して、球状の架橋
共重合体とする。モノビニル芳香族化合物の使用比率
は、原料モノマー全量に対して、通常20重量%以上で
あり、また、通常99.9重量%以下である。一方、ポ
リビニル芳香族化合物の使用比率は、原料モノマー全量
に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5%
重量以上であり、また、通常55%重量以下、好ましく
は25重量%以下である。また、第3のビニル化合物を
使用する場合の使用比率は、原料モノマー全量に対し
て、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下で
ある。重合開始剤としては、過酸化ジベンゾイル、過酸
化ラウロイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、アゾビ
スイソブチロニトリル等が用いられ、その使用比率は、
原料モノマー全量に対して、通常0.1〜5重量%程度
である。重合温度としては、重合開始剤の種類や濃度等
の各種条件に応じて異なるが、通常は40〜100℃の
範囲で選択される。
【0027】得られた架橋共重合体にハロアルキル基を
導入する方法としては、公知の方法を用いることができ
る。例えば、ハロアルキル基としてクロロメチル基を導
入する場合には、塩化アルミニウムや塩化亜鉛等のルイ
ス酸の存在下、上記の架橋共重合体にクロロメチルメチ
ルエーテルを反応させる方法が用いられる。クロルメチ
ル化反応に用いるルイス酸としては、塩化第二鉄、三弗
化硼素、四塩化チタン、塩化第二錫、臭化アルミニウム
などを用いることもできる。ルイス酸は架橋共重合体に
対し、通常0.02〜2重量倍となる量で用いられる。
クロロメチル化反応は、通常は30〜60℃の温度で2
〜20時間かけて行なう。
【0028】一方、上記(B)の方法では、ハロアルキ
ル基を有するモノビニル芳香族化合物(以下、「ハロア
ルキル基含有モノビニル芳香族化合物」と呼ぶ場合があ
る。)を用いて、これを上記方法(A)の場合と同様の
手法により、ポリビニル芳香族化合物と共重合させる。
【0029】ハロアルキル基含有モノビニル芳香族化合
物としては、ハロアルキルスチレンが好ましい。具体的
には、(4−ブロモブチル)スチレン、(4−クロロブ
チル)スチレン、(4−ヨードブチル)スチレン、(4
−クロロメチル)スチレン、(4−ブロモメチル)スチ
レン、(4−ヨードメチル)スチレン等が好ましく用い
られる。架橋剤として機能するポリビニル芳香族化合物
としては、上記方法(A)の場合と同様のものが好まし
く使用できる。また、さらに他のビニル化合物を共重合
させても良い。このようなビニル化合物としては、上記
方法(A)の場合と同様のものが好ましく使用できる。
【0030】ハロアルキル基含有モノビニル芳香族化合
物とポリビニル芳香族化合物、並びに必要に応じて用い
られる第3のビニル化合物(これらを合わせて以下「原
料モノマー」と総称する。)との共重合は、公知の方法
により行なうことができる。通常は、全原料モノマーの
混合物を、公知の方法に準じて重合開始剤の存在下懸濁
重合し、球状の架橋共重合体とする。ハロアルキル基含
有モノビニル芳香族化合物の使用比率は、原料モノマー
全量に対して、通常20重量%以上であり、また、通常
99.9重量%以下である。ポリビニル芳香族化合物及
び第3のビニル化合物の使用比率は、上記方法(A)の
場合と同様である。また、重合開始剤の種類及び使用比
率並びに重合温度も、上記方法(A)の場合と同様であ
る。
【0031】以上の手順で得られる、上記一般式(1)
で表される単量体単位を含む架橋共重合体を、公知の方
法に従って、上記一般式(2)で表される構造のアミン
類、及び亜硫酸塩と反応させることにより、上記一般式
(3)で表される単量体単位を含むカチオン交換樹脂を
得ることができる。
【0032】上記反応に用いられる、一般式(2)で表
される構造のアミン類としては、メチルアミン、エチル
アミン、エタノールアミン、n−プロピルアミン、n−
ブチルアミン、ベンジルアミン、ジフェニルメチルアミ
ン、アニリン等の脂肪族又は芳香族第一級アミン;ジメ
チルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−プロピルア
ミン、ジ−n−ブチルアミン、モルホリン、ピペリジ
ン、ピロリジン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリ
ン等の脂肪族又は芳香族第二級アミン;トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリ−
n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N−メ
チルモルホリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピ
ロリジン、N,N−ジメチルアニリン等の脂肪族又は芳
香族第三級アミンなどが挙げられる。また、ピリジン
類、ルチジン類も用いることができる。芳香族アミン類
の場合、そのベンゼン環にアルキル基、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、スルホン酸基等が結合したものも
用いることができる。また、N,N−ジメチルアミノナ
フタレンなど、他の芳香環が縮合したアミンも用いるこ
とができる。これらの中でも、特にN,N−ジメチルア
ニリンが好ましい。脂肪族アミンや、第二級又は第一級
のアミンを用いた場合、得られる樹脂(一般式(4)で
表される単量体単位を含むアンモニウム樹脂)の純度が
低下する傾向にある。使用するアミン類の量は、原料と
なる架橋共重合体中における上記一般式(1)で表され
る単量体単位のモル数に対して、通常0.01〜20倍
量が好ましく、0.1〜10倍量がさらに好ましい。
【0033】また、上記反応に用いられる亜硫酸塩と
は、亜硫酸イオン又は亜硫酸水素イオンと、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、アンモニ
ウム類、アミノ酸類等の陽イオンとの塩であって、亜硫
酸アルカリ金属塩、亜硫酸アルカリ金属土類塩、亜硫酸
アンモニウム塩、亜硫酸水素塩、亜硫酸水素アルカリ金
属塩、亜硫酸水素アルカリ金属土類塩、亜硫酸水素アン
モニウム塩等を挙げることができる。上記亜硫酸塩に含
まれるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、
カリウム、ルビジウム、セシウム又はフランシウムが用
いられるが、これらの中でもナトリウム又はカリウムが
特に好ましい。アルカリ土類金属としては、ベリリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウム又はラジウムが用いられるが、これらの中でもマグ
ネシウムが特に好ましい。アンモニウムイオンとして
は、アルキルアンモニウム、芳香族アンモニウム、ピリ
ジニウム類等が用いられるが、これらの中でもアンモニ
ウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモ
ニウム、テトラブチルアンモニウム等のアルキルアンモ
ニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、アニリニウ
ム、ピリジニウム、2,6−ジメチルピリジニウム、
2,6−ジターシャリーブチルピリジニウム等が特に好
ましい。アミノ酸類としては、アラニン、バリン、セリ
ン、ロイシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、
p−ヒドロキシフェニルグリシン、アルギニン、リジ
ン、アスパラギン酸等を用いることができる。上記亜硫
酸塩として、具体的には、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カ
リウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸水素ナトリウム、
亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸
アンモニウム、亜硫酸等が好ましく、中でも亜硫酸ナト
リウムが特に好ましい。亜硫酸を用いる場合、温度を上
げると溶液中の亜硫酸の溶解度が低下する傾向がある。
上記反応に使用する亜硫酸塩の量は、特に制限されるも
のではないが、原料となる架橋共重合体中における上記
一般式(1)で表される単量体単位のモル数に対して、
通常0.1〜100倍モル量が好ましく、中でも0.3
〜20倍モル量が特に好ましい。
【0034】上記反応を行なう方法として、例えば、下
記反応式(I)で示すように、二段階で反応を行なう方
法が挙げられる。この場合、第一段階では、一般式
(1)で表される単量体単位を含む架橋共重合体を溶媒
中に懸濁させ、これを一般式(2)で表される構造のア
ミン類と反応させて、下記反応式(I)中の一般式
(4)で表される単量体単位を含むアンモニウム樹脂を
得、続いて第二段階では、これに亜硫酸塩溶液を加えて
反応させ、一般式(3)で表される単量体単位を含むカ
チオン交換樹脂を得る。
【0035】
【化10】
【0036】第一段階の反応に用いられる溶媒として
は、水、トルエン、キシレン、ジオキサン、ジメチルホ
ルムアミド、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチル
スルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用
いても良く、混合して用いても構わないが、中でも水と
有機溶媒との混合溶媒を用いることが好ましく、その場
合に使用する有機溶媒の量は、水に対して通常0.1〜
10倍量、さらに好ましくは0.2〜5倍量が適当であ
る。第一段階での溶媒の使用量は、特に制限されるもの
ではないが、原料となる架橋共重合体の重量に対して1
〜100倍量程度が好ましい。
【0037】一方、第二段階の反応に用いる溶媒として
は、水、トルエン、キシレン、ジオキサン、ジメチルホ
ルムアミド、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチル
スルホキシド等が挙げられる。これらの中でも、亜硫酸
塩の溶解度の高い溶媒が好ましく、具体的には、例えば
水、メタノール等のアルコール、エチレングリコールな
どが好ましい。これらの溶媒は単独で用いても良く、混
合して用いても構わない。第二段階での溶媒の使用量
は、特に制限されるものではないが、原料となる架橋共
重合体の重量に対して0.1〜100倍量が好ましく、
0.3〜10倍量が特に好ましい。また、第一段階と第
二段階との間で、使用する溶媒の組成を変化させても良
く、変化させなくても良い。
【0038】第一段階及び第二段階のいずれにおいて
も、反応液中に、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムな
どのハロゲン化アルカリ金属塩をはじめ、無機又は有機
塩類を共存させることもできる。
【0039】第一段階における反応の温度は、0〜12
0℃が好ましく、30〜70℃が更に好ましい。これ以
上の温度では樹脂の分解が進む傾向がある。第一段階に
おける反応時間は、通常30分から20時間、好ましく
は1時間から10時間である。時間が長過ぎると樹脂の
分解を併発する傾向がある。
【0040】一方、第二段階における反応の温度は、通
常30〜250℃、好ましくは50〜200℃である。
250℃以上の場合、樹脂の分解が進む傾向にあるのに
対して、50℃以下の場合は、反応速度が低下する傾向
にある。第二段階における反応時間は、1時間以上が好
ましく、更に好ましくは3時間〜50時間である。時間
が短過ぎると転化率が低下する傾向にある一方で、時間
が長過ぎると樹脂の分解や劣化が起こり易くなる傾向が
ある。
【0041】一方、上記のアミン類と亜硫酸塩とを共存
させ、上記反応を一段階で行なう方法も用いることがで
きる。一段階で行なう場合、上記一般式(1)で表され
る単量体単位を含む架橋共重合体に溶媒を加えてスラリ
ーとし、これに上記のアミン類と亜硫酸塩を共存させ、
攪拌加熱して反応を行なう。
【0042】上記反応を一段階で行なう場合、溶媒とし
ては、上記反応を二段階で行なう場合に第一段階及び第
二段階の各々で使用できる溶媒と同種の溶媒を使用する
ことができる。溶媒の使用量は、特に制限されるもので
はないが、原料となる架橋共重合体の重量に対して0.
1〜100倍量が好ましく、0.3〜10倍量が特に好
ましい。
【0043】反応を一段階で行なう場合、反応の温度と
しては、通常30〜250℃、好ましくは50〜200
℃である。反応温度が250℃以上の場合、樹脂の分解
が起こる場合があるのに対して、反応温度が50℃以下
の場合、反応速度が低下する傾向にある。また、反応温
度が特に高過ぎると、添加したアミン類の分解や樹脂に
結合したアンモニウム基の三級化などが起こり易くな
る。
【0044】反応を一段階で行なう場合、反応は常圧で
も加圧下でも行なうことができるが、好ましくは常圧〜
10MPaである。圧力が高過ぎると樹脂の破砕が起こ
り易くなる傾向にある。反応時間は、通常1時間以上、
好ましくは3時間以上であり、また、通常500時間以
下、好ましくは50時間以下である。反応時間が短過ぎ
るとアミンとの反応が完結しない上、亜硫酸塩との反応
も完結しない傾向がある一方で、反応時間が長過ぎると
副反応や樹脂の分解が起こり易くなる。
【0045】本発明の製造方法は、上記一般式(1)で
表される単量体単位を含む架橋共重合体と、上記の一般
式(2)で表される構造のアミン類、及び亜硫酸塩溶液
との反応を、140以上250℃以下で行なう工程(以
下「高温処理工程」と呼ぶ場合がある。)を含むことを
特徴としている。具体的には、上記反応を二段階で行な
う場合、一段階で行なう場合ともに、亜硫酸塩を加えた
後の任意の段階で、反応温度を140以上250℃以下
とすることにより、上記高温処理工程を実現することが
できる。中でも、亜硫酸塩を加えた後、架橋共重合体に
ある程度スルホン酸基が導入された状態で、上記高温処
理工程を行なうことが好ましい。この高温処理工程の好
ましい上限温度は220℃、更に好ましくは210℃で
あり、好ましい下限温度は150℃、更に好ましくは1
80℃である。
【0046】高温処理工程は、上記架橋共重合体とアミ
ン類及び亜硫酸縁との反応を一端終了させた後、改めて
行なうこともできる。その場合、上記高温処理工程にお
いて使用される亜硫酸塩の量は、原料となる架橋重合体
中の一般式(1)で表わされる単量体単位のモル数に対
して0.1〜100倍が好ましく、0.1〜20倍が特
に好ましい。また、使用される溶媒の量は、特に限定さ
れるものではないが、原料となる架橋重合体の重量に対
して0.1〜100倍量が好ましく、0.3〜10倍が
特に好ましい。
【0047】上記高温処理工程は、常圧で行なってもよ
く、加圧下で行なってもよいが、常圧〜10MPaで行
なうことが好ましい。圧力が高過ぎると樹脂の破砕が起
こり易くなる傾向にある一方、圧力が低過ぎると上記反
応が充分に進行しない。また、上記高温処理工程の実施
時間は、圧力等の他の条件にも左右されるが、通常1時
間以上、好ましくは3時間以上であり、また、通常50
0時間以下、好ましくは50時間以下である。高温処理
の時間が長過ぎると樹脂の分解が起こり易くなる傾向に
あるのに対して、高温処理の時間が短過ぎると得られる
樹脂の中性塩分解容量の向上がみられない。
【0048】上記高温処理工程において、反応液に、ヨ
ウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどのハロゲン化アル
カリ金属塩をはじめ、無機又は有機塩類を共存させるこ
ともできる。
【0049】本発明の製造方法により得られるカチオン
交換樹脂(本発明のカチオン交換樹脂)の中性塩分解容
量は、架橋度4%のゲル形クロロメチル化ポリ(スチレ
ン−ジビニルベンゼン)共重合体を出発物質とした場
合、1.0〜1.3meq/mL,2.4〜3.0me
q/gであり、水分量は40〜60%である。これに対
して、本発明の製造方法を使わず従来の方法でカチオン
交換樹脂を合成した場合、得られる樹脂の中性塩分解容
量は、0.5〜0.9meq/mL,1.5〜2.3m
eq/g程度である。以上のように、本発明の製造方法
を採ると、従来製法よりも中性塩分解容量の増加したカ
チオン交換樹脂が得られる。
【0050】本発明のカチオン交換樹脂中には、乾燥重
量比1%程度の窒素が含まれる。この窒素の由来は、上
記一般式(4)で表される単量体単位が残存したもので
あると推定される。上記一般式(4)で表される単量体
単位のモル数は、全単量体単位数の10%程度と推定さ
れる。
【0051】本発明のカチオン交換樹脂の形状及び形態
は、特に限定されず、板状、膜状、繊維状、球状等のい
かなる形状をも採ることができ、また、ゲル形、ポーラ
ス形、ハイポーラス形、拡大網目形等のいかなる形態を
も採ることができる。また、その平均粒径も特に制限さ
れないが、用途によって多少異なるものの、通常100
μm〜2mmの範囲とすることが好ましい。
【0052】本発明のカチオン交換樹脂は、上記一般式
(3)で表わされる単量体単位を含んでいるが、こうし
た構造を有するカチオン交換樹脂は優れた耐熱性を有す
ることが知られている。文献によると、上記一般式
(3)で表わされる構造の一種で、式中のAがメチレン
基(−CH2−)である構造を単量体単位とするカチオ
ン交換樹脂は、従来のポリ(スチレンスルホン酸)構造
を単量体単位とするカチオン交換樹脂に比べて、2倍以
上の耐熱安定性を示す(Makromol. Chem. 183, 93-102
(1982))。従って、本発明の製造方法を用いることで、
より実用性の高い、耐熱性に優れたカチオン交換樹脂を
製造することが可能となる。
【0053】本発明のカチオン交換樹脂は、従来のイオ
ン交換樹脂が使用されているあらゆる用途で使用するこ
とが可能である。例えば、硬水軟化、純水製造、金属回
収分離、超純水製造、薬液精製、糖液精製、アミノ酸分
離精製、固体酸触媒、有機反応触媒などが挙げられる。
しかし、上述の特性から、特に高い耐熱性が求められる
各種分野に最も好適に用いられる。
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に制約されるものではなく、種々変形して実施すること
が可能である。
【0055】[クロロメチル化ポリ(スチレン−ジビニ
ルベンゼン)架橋共重合体の合成]スチレン93部、工
業用ジビニルベンゼン7部(純度56.5%)、過酸化
ベンゾイル0.1部からなるモノマー混合物を、ポリビ
ニルアルコール0.5部を溶解した脱塩水300部に添
加し、10分間撹拌して懸濁液を形成した。次いで加熱
して、80℃で8時間反応させた。生成した球状の架橋
共重合体を十分に水洗して分散剤を除去したのち、50
℃で5時間真空乾燥した。上記で得られた球状の架橋共
重合体30部にクロロメチルメチルエーテル81部を加
え、室温で30分保持して膨潤させた。次いでこれに塩
化亜鉛15部を加え、50℃で8時間反応させた。脱塩
水450部を加えたのち、水洗し濾過した。
【0056】[参考例]4%のジビニルベンゼンで架橋
されたクロロメチル化スチレン/ジビニルベンゼン共重
合体30gに、水120mL、ジクロロメタン150
g、N,N−ジメチルアニリン60g(2.5当量)を
加え、50℃で6時間反応させた。このポリマーを濾別
し、メタノールで洗浄、次に水で洗浄した。このポリマ
ーの110mLを取り、水150mL、亜硫酸ナトリウ
ム100gを加え、100℃で19時間反応させた。得
られたポリマーを濾過、水洗し、カラムに詰め、メタノ
ールを1L流して洗浄、次に水で洗浄し、参考例のカチ
オン交換樹脂を得た。
【0057】[比較例]参考例と同様の操作で得られた
樹脂90mLに、水200mL、亜硫酸ナトリウム76
gを加え、100℃で24時間反応させた。得られた樹
脂を濾過、水洗し、カラムに詰め、メタノールを1L流
して洗浄、次に水で洗浄し、比較例のカチオン交換樹脂
を得た。
【0058】[実施例1]参考例と同様の操作で得られ
た樹脂20mLをオートクレーブに入れ、10%亜硫酸
ナトリウム水溶液を20mL加え、窒素置換後密封し
た。これを加熱温度200℃で10時間加熱した。樹脂
を取り出し、水洗後、カラムに詰め、メタノールを20
0mL流して洗浄、次に水で洗浄し、実施例1のカチオ
ン交換樹脂を得た。この樹脂をカラムに詰め、2N塩酸
を600mL流し、次に水で十分洗った後、メタノール
100mLを流し、水で洗浄して、カチオン交換樹脂を
得た。
【0059】[実施例2]オートクレーブ加熱温度を1
50℃にした以外は、実施例1と同様の操作を行なっ
て、実施例2のカチオン交換樹脂を得た。
【0060】[実施例3]比較例と同様の操作で得られ
た樹脂30mLに、エチレングリコール100mL、亜
硫酸ナトリウム19gを加え、150℃で10時間加熱
した。樹脂を取り出し、水洗後、カラムに詰め、メタノ
ールを300mL流して洗浄、次に水で洗浄し、カチオ
ン樹脂を得た。この樹脂をカラムに詰め、2N塩酸を1
L流し、次に水で十分洗った後、メタノール150mL
を流し、水で洗浄して、実施例3のカチオン交換樹脂を
得た。
【0061】[性能試験]ダイヤイオンマニュアル(三
菱化学(株))第1巻p143記載の方法に従い、強酸
性カチオン交換樹脂の中性塩分解容量を測定した。各サ
ンプルの性能試験結果を下の表−1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】100℃で24時間の処理を施した比較例
のカチオン交換樹脂の中性塩分解容量は、処理前に当た
る参考例のカチオン交換樹脂に比べて0.2meq/g
の増加に留まったのに対し、本発明で規定する範囲の高
温処理を施した実施例1〜3のカチオン交換樹脂の中性
塩分解容量は、処理前に比べて0.4〜0.6meq/
gも増加した。これは、上記の高温(140〜250
℃)処理工程を加えることにより、より中性塩分解容量
の向上したカチオン交換樹脂が得られることを示してい
る。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、ハロアルキル基を有す
る架橋共重合体とアミン類及び亜硫酸塩溶液とを反応さ
せてイオン交換樹脂を製造する際に、前記反応を140
℃以上250℃以下の条件で行なう工程を加えることに
よって、危険性が高い物質を使用することなく、また、
樹脂の強度を低下させること無く、大きな中性塩分解容
量を有するとともに耐熱性にも優れたカチオン交換樹脂
を製造することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される単量体単位
    を含む架橋共重合体に、下記一般式(2)で表される構
    造のアミン類及び亜硫酸塩溶液を反応させて、下記一般
    式(3)で表される単量体単位を含むカチオン交換樹脂
    を製造する方法において、 前記反応を140℃以上250℃以下の条件で行なう工
    程を備えることを特徴とする、カチオン交換樹脂の製造
    方法。 【化1】 (上記一般式(1)中、Aは、炭素数1〜6の直鎖状,
    環状又は分岐状のアルキレン基を表し、Xは、ハロゲン
    基を表わす。) 【化2】 (上記一般式(2)中、R1,R2,及びR3は、それぞ
    れ独立に、炭素数1〜6の直鎖状,環状又は分岐状のア
    ルキレン基又はアリール基を表わす。) 【化3】 (上記一般式(3)中、Aは、炭素数1〜6の直鎖状,
    環状又は分岐状のアルキレン基を表し、Zは、対イオン
    としてのナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシ
    ウム,又はバリウムの各イオン、若しくは四級アンモニ
    ウムイオンを表す。)
  2. 【請求項2】 前記架橋共重合体が、スチレン類を主と
    するモノビニルモノマーとジビニルモノマーとの共重合
    樹脂をハロアルキル化して得られたものであることを特
    徴とする、請求項1記載のカチオン交換樹脂の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記架橋共重合体が、ハロアルキルスチ
    レン類を主とするモノビニルモノマーとジビニルモノマ
    ーとを共重合して得られたものであることを特徴とす
    る、請求項1記載のカチオン交換樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記モノビニルモノマーの少なくとも一
    部が、スチレンであることを特徴とする、請求項2又は
    請求項3に記載のカチオン交換樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ジビニルモノマーの少なくとも一部
    が、ジビニルベンゼンであることを特徴とする、請求項
    2又は請求項3に記載のカチオン交換樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記モノビニルモノマーの少なくとも一
    部が、(4−ブロモブチル)スチレンであることを特徴
    とする、請求項3記載のカチオン交換樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記モノビニルモノマーの少なくとも一
    部が、(4−クロロメチル)スチレンであることを特徴
    とする、請求項3記載のカチオン交換樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アミン類が、N,N−ジメチルアニ
    リンであることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一
    項に記載のカチオン交換樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記亜硫酸塩が、亜硫酸ナトリウム,亜
    硫酸カリウム,亜硫酸水素ナトリウム,及び亜硫酸水素
    カリウムのうち何れかであることを特徴とする、請求項
    1〜8の何れか一項に記載のカチオン交換樹脂の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項の製造方
    法により製造されたことを特徴とする、カチオン交換樹
    脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009165937A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Mitsubishi Chemicals Corp 陽イオン交換樹脂、及びその製造方法、並びにそれを用いたビスフェノール類の製造方法

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