JP2003221300A - 単結晶炭化珪素部材の製造方法 - Google Patents

単結晶炭化珪素部材の製造方法

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JP2003221300A JP2002020162A JP2002020162A JP2003221300A JP 2003221300 A JP2003221300 A JP 2003221300A JP 2002020162 A JP2002020162 A JP 2002020162A JP 2002020162 A JP2002020162 A JP 2002020162A JP 2003221300 A JP2003221300 A JP 2003221300A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶の欠陥が少ないSiC単結晶を高速で、且
つ安定して成長させる単結晶炭化珪素部材の製造方法を
提供する。 【解決手段】SiC多結晶中にSiを分散してなる複合
体1に、SiC単結晶からなる種結晶2を接触させ、熱
処理を行うことにより前記SiC多結晶の少なくとも一
部を単結晶に転移させることを特徴とするもので、特
に、前記複合体1にSiを0.1〜20質量%含み、前
記熱処理の温度が1800℃以上であることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶炭化珪素部
材の製造方法に関するもので、例えば、発光ダイオード
やパワーデバイスおよび高周波デバイスの基板ウエハな
どとして好適に用いられる単結晶炭化珪素部材の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来技術】炭化珪素(SiC)は、耐熱性および機械
的強度に優れ、広い禁制帯幅を持つために、SiやGa
Asなどの既存の半導体材料では実現することができな
い大容量、耐環境性を実現することが可能で、次世代の
パワーデバイス用半導体材料として期待されている。ま
た、広い禁制帯幅を持つGaN結晶との格子常数に近い
ためデバイスの基板材料としても期待されている。
【0003】従来から、SiC単結晶の製造方法とし
て、黒鉛るつぼ内で原料のSiC粉末を昇華させ、種結
晶上に再結晶させる改良型昇華再結晶法(改良Lely
法)や、高温下でSi基板上に化学気相成長法を用いた
高温エピタキシャル法、および炭素原子を部分的に溶解
したSi溶融液中にSiC単結晶を浸漬してSiCを成
長させる液相エピタキシャル等が知られている。
【0004】しかしながら、改良Lely法は、結晶成
長速度を改善し、大型単結晶の成長が可能となったもの
の、マイクロパイプ欠陥と呼ばれる直径数ミクロンのピ
ンホールが成長結晶中に残存しやすく、半導体デバイス
として使用するために十分な品質が得られなかった。
【0005】また、高温エピタキシャル法は、単結晶成
長を維持可能な成長速度に自ずと限界があって、薄膜の
作製に有効ではあるが、単結晶SiCの作製には生産性
が悪かった。
【0006】さらに、液相エピタキシャル法は、液相の
安定性の制限により温度は1700℃程度に設定する必
要があるが、このような温度では、Si溶融液中に溶解
可能なCが少ないため単結晶の高速成長は不可能であっ
た。
【0007】そこで、これらの問題を解決するため、化
学気相析出法により単結晶の上に多結晶のSiCを形成
させた後、熱処理して単結晶を固相成長させる方法が、
特開平10−324600号公報で提案され、低欠陥の
単結晶SiCを作製する可能性を示した。
【0008】また、単結晶SiCの上にCVD法で多結
晶SiCを形成するとともに、その界面にSi/SiO
2層を導入することによって、熱処理中に液相を形成
し、液相を介して原子の移動を促進し、単結晶を成長さ
せる方法が特開2001−130998号公報で提案さ
れた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平10−
324600号公報に示された方法では、多結晶SiC
を表面に形成したSiC単結晶を熱処理し、多結晶から
単結晶への固相拡散によって単結晶を成長させるため、
成長速度が低いという問題があった。
【0010】また、この方法では固相拡散を利用するた
め、多結晶中に存在する結晶欠陥が単結晶に取り込まれ
やすいという問題があった。
【0011】さらに、特開2001−130998号公
報で開示された方法では、単結晶SiCと多結晶SiC
との界面に液相を形成するため、成長速度を向上する効
果は見られるものの、液相が蒸発しやすいため、170
0℃以上の高温で成長速度を高めようとすると液相が枯
渇し、成長速度が熱処理途中で急激に低下し、また、低
温で熱処理すると液相は長時間存続するものの、成長速
度が低下するという問題があった。
【0012】従って、本発明の目的は、結晶の欠陥が少
ないSiC単結晶を高速で、且つ安定して成長させる単
結晶炭化珪素部材の製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、複合体と種結
晶との界面に形成された液相を介して物質移動を行うた
め、良質な単結晶を成長させることができるとともに、
SiがSiC多結晶中に分散した複合体を用いるため、
単結晶が成長して界面が多結晶側に移動しても新たな液
相が供給され、1700℃〜2300℃の高温において
も液相が安定して形成され、かつ維持されるため、高速
で安定した結晶成長を行うことができるという知見に基
づくものであり、特に、焼結法やCVD法を用いること
によって複合体中のSiの含有量と分散状態を容易に制
御できる。
【0014】即ち、本発明の単結晶炭化珪素部材の製造
方法は、SiC多結晶中にSiを分散してなる複合体
に、SiC単結晶からなる種結晶を接触させ、熱処理を
行うことにより前記SiC多結晶の少なくとも一部を単
結晶に転移させることを特徴とするものである。
【0015】特に、前記熱処理の温度が1800℃以上
であることが好ましい。これにより、液相を介した原子
移動を加速し、単結晶の成長速度をより高めることがで
きる。
【0016】また、前記熱処理において、前記種結晶の
温度が前記複合体の温度より高いことが好ましい。これ
により、種結晶と複合体との界面以外の部分での結晶成
長を抑制することができる。
【0017】さらに、前記複合体が、Siを0.1〜2
0質量%含むことが好ましい。SiはSiC多結晶中に
埋設された状態であるため、蒸発による損失がないた
め、均一且つ連続な液相層を種結晶と多結晶の界面で安
定して形成するができる。
【0018】さらにまた、前記複合体が、相対密度95
%以上の焼結体であることが好ましい。これにより、液
相の蒸発や染み出しを抑制するとともに、種結晶と複合
体の接触状態を改善することができる。
【0019】また、SiC粉末及びSi粉末からなる成
形体を2100℃以下の温度で焼成して焼結体を作製
し、しかる後に前記焼成温度よりも高い温度で熱処理す
ることが好ましい。これにより、低コストで簡便な焼結
法により焼成段階でのSi蒸発およびSiCの粒成長を
抑制することができる。
【0020】さらに、前記複合体がCVD法により作製
されたことが好ましい。これによって、高純度、緻密、
微粒且つSiが微細、均一に分散した多結晶体が得ら
れ、良質な単結晶を作製できる。
【0021】また、前記複合体の外表面部におけるSi
量が1質量%以下であるとともに、前記複合体の内部に
おけるSi量が外表面部よりも多いことが好ましい。こ
れにより、高温でSiの蒸発が抑制され、液相を常時安
定して存在させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の単結晶炭化珪素部材の製
造方法は、まず、多結晶のSiC結晶中にSiを分散さ
せた複合体を作製し、図1(a)に示すように、複合体
1とSiC単結晶からなる種結晶2とを接触させ、熱処
理することにより、図1(b)に示すように、複合体1
の少なくとも一部を単結晶に転移させることができる。
【0023】複合体1は、SiC多結晶中にSiを分散
することが重要である。Siが複合体1中に分散するこ
とにより、複合体1と種結晶2の界面3に容易に液相層
が形成され、SiとC原子が液相を介して高速に単結晶
側に移動できるためである。ここで、液相とは、金属S
iが主成分で、少量のCを溶解した溶融液である。
【0024】結晶成長を促進するために高い温度で熱処
理を行う場合、従来法と同様に蒸発や雰囲気中の炭素と
の反応によって液相の一部が消失するものの、複合体1
と種結晶2との界面3が複合体1側へ移動して成長する
と、複合体1と種結晶2との間に形成された新たな界面
3に存在するSiが液相となって物質移動に関与できる
ため、界面3の移動と共に新たな液相が次々と形成さ
れ、結晶が高速で成長することができる。
【0025】複合体1に含まれるSiは0.1〜20質
量%であることが好ましい。これにより、連続な液相層
が形成でき、また蒸発等による液相の損失を防止でき、
より均一でより低欠陥単結晶を作製することができる。
【0026】複合体1は、相対密度が95%以上、特に
98%以上、さらに99%以上の焼結体であることが好
ましい。相対密度を95%以上にすることで、種結晶2
との密着性を高めることができるため、単結晶の成長量
を高めるとともに、気孔を介する液相の蒸発や染み出し
を抑制することができるため、熱処理において液相を安
定して存在させることが可能となる。
【0027】複合体1は、SiC多結晶中にSiが分散
していれば、どのような方法で作製しても良いが、単結
晶の品質制御の点を考慮すると、焼結法及び気相成長法
を用いたものが好ましい。
【0028】焼結法は、SiC粉末及びSi粉末からな
る成形体を2100℃以下の温度で焼成することが好ま
しい。この方法は、低コストで、工程が簡単であるとと
もに、遊離Siの含有量および分散状態を容易に制御で
きるという利点を有する。
【0029】特に、単結晶中の欠陥導入を防止するた
め、純度99%以上、更には99.9%以上の原料粉末
を用いることが望ましい。
【0030】焼成には周知の焼成法、例えば真空焼成、
不活性雰囲気焼成、ホットプレス、焼成後熱間静水圧処
理等を用いることができる。また、SiCの表面に存在
する酸化膜を除去し、燒結性を向上させるために、H2
などの還元性雰囲気で焼成することも有効である。
【0031】気相成長法は、予め基体に作製した複合体
1と種結晶2とを接触させて熱処理することも、また、
種結晶2の表面に複合体1を被覆層として直接形成し、
これを熱処理することも可能である。
【0032】気相成長法としては、スパッタやイオンプ
レーティング等のPVD法やCVD法を用いることがで
き、特に成膜速度が大きい点でCVD法が好ましく、S
i分散の容易さからイオンップレーティング法が好まし
い。
【0033】CVD法を用いた場合、例えば、メチルト
リクロルシラン(CH3SiCl3、以後MTSと言
う)、四塩化珪素(SiCl4)、SiHCl2、SiH
2Cl、SiH4、(CH34Si、(CH32SiCl
2、(CH33SiCl等の珪素を含有するガスとメタ
ン、プロパンに代表されるの炭化水素等の炭素を含むガ
スなどを用い、1100℃〜1500℃で作製すること
ができる。
【0034】上記の原料ガスは特に制限はされるもので
はないが、珪素を含有するガスとして、珪素と塩素とを
含むものが安全性と高速成膜の点で好ましい。特に、M
TSとSiCl4の組合せが好ましい。
【0035】CVD法を用いて作製した複合体1は、高
純度で微粒であるとともにSiが非常に均一に分散し、
かつ緻密であり、特に種結晶2の表面に直接成膜した場
合に密着性が良好であるため、内部欠陥の少ないSiC
単結晶を得ることができる。
【0036】CVD法で作製した複合体1は、Siの分
散性を容易に制御することができる。例えば、SiC原
料としてMTSとSiCl4とを組合せて用いた場合、
その混合比を変化させることによって、Si量を変化さ
せることができる。そして、複合体1表面のSi量を1
質量%以下にするとともに、複合体1内部のSi量を外
表面部4よりも多くすることで、より安定した結晶成長
を実現できる。
【0037】Si量は、複合体1と種結晶2との界面3
から離れるに従ってSi量を連続的に又は段階的に少な
くし、傾斜材料とすることも可能である。これにより、
熱処理中に複合体1からのSi蒸発が抑制され、液相層
の安定性を高め、単結晶の連続且つ高速な成長に有利で
ある。
【0038】本発明によれば、種結晶2に用いるSiC
単結晶の結晶構造は六方晶のα型と立方結晶のβ型の何
れも使用することができる。これを所望の結晶構造のS
iC多結晶と組合せて熱処理を行い、単結晶を成長させ
ることができる。例えば、α型SiC単結晶とβ型Si
C多結晶及びSiからなる複合体1とを組合せて熱処理
を行ってもよく、また、β型SiC単結晶とβ型SiC
多結晶及びSiからなる複合体1とを組合せて熱処理を
行ってもよく、さらに、α型SiC単結晶とα型SiC
多結晶及びSiからなる複合体とを組合せて熱処理を行
ってもよい。
【0039】種結晶2であるSiC単結晶の形状は、最
終製品に応じて変更することは可能である。例えば、デ
バイス基板などの用途には板状のものを用いることが単
結晶の利用効率が高く、熱処理時間が短いために好まし
い。
【0040】複合体1と種結晶2との接触は、図1に示
すように、複合体1の表面及び種結晶2の表面を研磨し
て鏡面とし、鏡面同士を接触させて接触面積を高めるこ
とが好ましい。また、図2に示すように、複合体11の
内部に種結晶12を埋め込むことも好ましい。即ち、種
結晶12をSiCとSiの混合粉末に埋め込んで成形、
焼成することによって密着性良く複合体11と種結晶1
2とを接合することができる。また、気相成長法等によ
って複合体11を作製する場合は、上述したように、種
結晶12の表面に膜を直接形成することも可能である。
【0041】なお、複合体1と種結晶2とは高い密接性
が要求される。例えば、平面粗さRが平均0.5μm以
下、特に0.1μm以下、更には0.05μm以下に加
工された面を合わせることが望ましい。
【0042】複合体1と種結晶2の熱処理は、充分な単
結晶の成長速度を確保するため、1800℃以上の温
度、特に2000℃以上であることが望ましい。
【0043】本発明によれば、熱処理において、種結晶
2の温度が複合体1の温度より高いことが好ましい。温
度勾配を形成することにより、種結晶2に接触していな
い多結晶の粒成長を抑制でき、単結晶の成長に有利であ
る。例えば、種結晶2の温度が、複合体の平均温度より
10〜150℃、特に20〜120℃、さらには30〜
90℃高く設定するのが良い。
【0044】このような温度差を生じさせる方法として
は、例えばヒーターを種結晶2近傍に設置したり、種結
晶2の反対側に散熱しやすいように炉の構造や材料の設
置を変更したりすればよい。
【0045】熱処理を行うための雰囲気は、遊離Siの
炭化を防止するため、Ar雰囲気等の不活性雰囲気、或
いは真空中で加熱するのが望ましい。
【0046】また、あらかじめ複合体中に所望の成分を
含有させておき、上記の熱処理を行うことによって、不
純物元素をドーピングしたSiC単結晶を作製すること
も可能であり、n型又はp型の半導体単結晶を得ること
ができる。
【0047】また、種結晶2のサイズが複合体1より小
さい場合は、種結晶2の側面の成長により、径が種結晶
2より大きい単結晶の作製も可能である。
【0048】また、焼結体からなる複合体1と種結晶2
を熱処理する場合、焼成温度よりも高い温度において熱
処理し、複合体1中のSiC多結晶を単結晶に転移させ
ることが好ましい。これを行う理由は、高温で処理する
ことにより、単結晶の成長速度を向上するとともに、転
位などの結晶欠陥の形成が抑制されるためである。焼結
温度は、結晶粒成長とSiの蒸発の恐れにより大きく制
限されているが、緻密体の熱処理では更に高温化するこ
とが可能である。
【0049】
【実施例】まず、種結晶として改良Lely法により作
製された単結晶((0001)面、平均マイクロパイプ
密度30個/cm2)を準備し、複合体を焼結法及びC
VD法により作製した。
【0050】焼結法では、純度99.9%のSiC粉末
と純度99.5%のSi粉末を混合し、得られた混合粉
末を作製し、焼結体を作製した。焼結体の作製は以下の
2通り行った。
【0051】第1の方法(試料No.1〜3)では、上
記混合粉末を不活性雰囲気中でホットプレスにより焼成
し、複合体を作製した。焼成温度を作製温度として表1
に示した。焼成後の複合体中の遊離Si量を組成分析に
より測定し、Si含有量として表1に示した。また、ア
ルキメデス法で比重を測定し、理論密度から相対密度を
算出し、表1に示した。
【0052】次いで、得られた焼結体の表面を研削後、
鏡面加工を行い、表1に示す表面粗さRaとした。得ら
れた加工面と上記種結晶とを接触させた。なお、種結晶
の表面も鏡面加工によりRaを0.05μmとした。
【0053】第2の方法(試料No.4〜7)では、成
形体の内部に上記種結晶を配置するように、即ち成形体
中に種結晶を埋設するように成形を行った。得られた成
形体を不活性雰囲気でホットプレスにより表1の作製温
度で焼成し、内部に種結晶を含有する焼結体を得た。
【0054】一方、CVD法(試料No.8〜17)で
は、原料ガスとしてMTSとSiCl4とをH2と組合せ
て用い、その混合比を変化させて、複合体中のSi含有
量を変化させた。CVD温度を作製温度として表1に示
した。
【0055】また、試料No.18は、MTSのみを原
料ガスとしてCVD法によりSiC単結晶からなる種結
晶表面にSiC多結晶を形成して複合体としたものであ
る。
【0056】得られた複合体をX線回折によって多結晶
SiCの結晶構造を同定した。また、アルキメデス法に
より比重を測定し、理論密度から相対密度を算出した。
さらに、複合体中のSi含有量は、EPMAで測定し、
表面粗さRaは触針式表面粗さ計で測定した。
【0057】次に、上記複合体を2200℃で表1に示
す時間だけ加熱した。一部の試料は、熱処理する時に試
料台の炉内位置を調節することにより種結晶が存在する
下部が複合体の上部より高くなるように設置した。
【0058】SiC多結晶から単結晶への転移の確認
は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて結晶構造解析
により調べた。また、試料の断面を鏡面に加工し、走査
型電子顕微鏡(SEM)によって転移した厚さを測定
し、処理時間から結晶成長速度を算出した。
【0059】また、成長した単結晶部分の(0001)
面を鏡面に加工し、マイクロパイプの欠陥密度を測定し
た。
【0060】
【表1】
【0061】本発明の試料No.1〜17は、結晶成長
速度が0.102mm/h以上、マイクロパイプの欠陥
密度が13/cm2以下であった。特に、CVD法で種
結晶の表面にSiC多結晶を作製した複合体を用い、S
i含有量が10〜16質量%の試料No.11〜13
は、結晶成長速度が0.21mm/h以上、マイクロパ
イプの欠陥密度が2/cm2であった。さらに、複合体
の温度を種結晶の温度よりも30℃以上高く保持した試
料No.15〜17は、結晶成長速度が0.402mm
/h以上、マイクロパイプの欠陥密度が2/cm2以下
であった。
【0062】一方、Siを含まない試料No.18は、
結晶成長速度が0.045mm/hと低く、且つマイク
ロパイプの欠陥密度も21/cm2と大きかった。
【0063】
【発明の効果】本発明は、SiとSiC多結晶とからな
る複合体とSiC種結晶とを接触させ、熱処理によって
複合体のSiC多結晶の少なくとも一部を効率良く単結
晶に転移させ、良質な単結晶を高速で成長させるととも
に、液相を介した結晶成長のため、マイクロパイプの欠
陥密度を低く抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の種結晶と複合体を接触させた状態を示
すもので、(a)は熱処理前の状態を示す断面図、
(b)は熱処理後の状態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る単結晶SiCの熱処理後の状態を
示す模式図である。
【符号の説明】
1、11・・・複合体 2、12・・・種結晶 3・・・界面 4・・・外表面部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiC多結晶中にSiを分散してなる複合
    体に、SiC単結晶からなる種結晶を接触させ、熱処理
    を行うことにより前記SiC多結晶の少なくとも一部を
    単結晶に転移させることを特徴とする単結晶炭化珪素部
    材の製造方法。
  2. 【請求項2】前記熱処理の温度が1800℃以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の単結晶炭化珪素部材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記熱処理において、前記種結晶の温度が
    前記複合体の温度より高いことを特徴とする請求項1又
    は2記載の単結晶炭化珪素部材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記複合体が、Siを0.1〜20質量%
    含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の単結晶炭化珪素部材の製造方法。
  5. 【請求項5】前記複合体が、相対密度95%以上の焼結
    体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載の単結晶炭化珪素部材の製造方法。
  6. 【請求項6】SiC粉末及びSi粉末からなる成形体を
    2100℃以下の温度で焼成して焼結体を作製し、しか
    る後に前記焼成温度よりも高い温度で熱処理することを
    特徴とする請求項5記載の単結晶炭化珪素部材の製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記複合体がCVD法により作製されたこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の単結
    晶炭化珪素部材の製造方法。
  8. 【請求項8】前記複合体の外表面部におけるSi量が1
    質量%以下であるとともに、前記複合体の内部における
    Si量が外表面部よりも多いことを請求項1乃至7のい
    ずれかに記載の単結晶炭化珪素部材の製造方法。
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