JP2003220921A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

サイドエアバッグ装置

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JP2003220921A
JP2003220921A JP2002020927A JP2002020927A JP2003220921A JP 2003220921 A JP2003220921 A JP 2003220921A JP 2002020927 A JP2002020927 A JP 2002020927A JP 2002020927 A JP2002020927 A JP 2002020927A JP 2003220921 A JP2003220921 A JP 2003220921A
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inflator
airbag
support portion
seat
module case
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JP2002020927A
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Takesuke Nishida
雄亮 西田
Takashi Honda
貴 本多
Fumio Umezawa
文夫 梅澤
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Honda Motor Co Ltd
TS Tech Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
TS Tech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 側面衝突の形態や、車両の形状によらずに、
安定して乗員を保護することができるサイドエアバッグ
装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 エアバッグ6がシートクッション2aか
ら、シート2の回動中心2bを経て、シートバック2c
にかけて収容され、エアバッグ6にガスを供給するイン
フレータ5を収容したモジュールケース4がシートクッ
ション2aに固定されている。エアバッグ6は、シート
クッション2aにおいて第一支持部Aに支持されると共
に、モジュールケース4に固定されており、シートバッ
ク2cにおいて第二支持部Bに固定されている。第一支
持部Aはスライダ7から構成され、インフレータ5の起
動時にモジュールケース4のスライド溝10に突起部7
bを沿わせるようにして移動可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両が側面衝突し
た際に、乗員を保護するサイドエアバッグ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両の衝突時に乗員を保護する手段とし
ては、瞬時にエアバッグを展開させて乗員が受ける衝撃
を低減させるエアバッグ装置があげられる。このうち、
いわゆる側面衝突に対して効力を発揮するものには、乗
員と、ドアなどの車体側壁との間でエアバッグを展開さ
せるサイドエアバッグ装置がある。サイドエアバッグ装
置は、エアバッグと、エアバッグを膨張させるためのガ
ス供給源であるインフレータ、および、これらを収容す
るモジュールケースが一体となって構成されている。モ
ジュールケースは、乗員が着座しているシートのシート
バックのフレームに固定されており、起動時には、ガス
の供給により膨張するエアバッグがシートバックから突
出し、乗員とドアとの間の空間を埋めるように展開す
る。そして、展開したエアバッグは側壁と乗員と挟まれ
るようにして、クッションの機能を果たしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなサイドエアバッグ装置は、エアバッグがシートの一
箇所のみで支持されており、そこから展開するエアバッ
グの展開方向と、衝突方向とが一致していないため、エ
アバッグは衝突方向に変形されやすく、車両の側壁が変
形した場合には、それに伴いエアバッグが変形すること
があった。このような場合には、乗員がエアバッグに接
触するタイミングなどが変化することがあり、エアバッ
グの保護特性が変化する可能性があった。また、車両ご
とや、シートごとに乗員から側壁までの設計距離が異な
る場合には、それぞれの設計距離に最適な容量のエアバ
ッグを選択する必要があるという問題も有していた。し
たがって、本発明は、側面衝突の形態や、車両の形状に
よらずに、安定して乗員を保護することができるサイド
エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する本
発明の請求項1に係る発明は、車両の衝突時に、シート
内に収容されているエアバッグにガスを供給し、車体の
側壁と乗員との間にエアバッグを展開させて、乗員を保
護するサイドエアバッグ装置において、展開時にシート
のシートクッションおよびシートバックのそれぞれにお
いてエアバッグを支持する支持部を有し、一方の支持部
はインフレータから噴き出されるガスを駆動源として、
他方の支持部から遠ざけるように移動可能に構成されて
いるサイドエアバッグ装置とした。
【0005】このようなサイドエアバッグ装置は、衝突
方向である側方とは異なる方向に支持部を有してはいる
が、二箇所でエアバッグを支持することにより、支持点
間でエアバッグに張力を発生させている。したがって、
ガスのみでエアバッグを展開させる場合に比べて、側方
からの荷重に対する形状の安定性を確保することがで
き、確実に乗員を保護することが可能になる。特に、展
開時に第一支持部を移動させることにより、エアバッグ
の基布の長さが収容時の支持部間の直線距離よりも長い
場合であっても、展開時のエアバッグに充分な張力を発
生させることが可能になる。なお、エアバッグを乗員の
腰部や肩部などを押すように展開させると、乗員を衝突
位置から遠ざけるように作用し、さらに確実に乗員を保
護することが可能になる。
【0006】また、本発明の請求項2に係る発明は、請
求項1に記載のサイドエアバッグ装置において、インフ
レータを摺動可能に収容するモジュールケースを備え、
モジュールケースにはインフレータの摺動により第一支
持部を移動させるスライダを有する構成とした。
【0007】このようなサイドエアバッグ装置は、イン
フレータから噴き出すガスを推進力としてインフレータ
自体を直線的に移動させることにより第一支持部を移動
させるものである。
【0008】さらに、本発明の請求項3に係る発明は、
請求項1に記載のサイドエアバッグ装置において、複数
の回転体と、回転体間に巻き掛けられた巻き掛け伝達体
と、ガスの噴き出しにより回転体を回転させるためのフ
ィンとを備え、巻き掛け伝達体に第一支持部が固定され
ている構成とした。
【0009】このようなサイドエアバッグ装置は、イン
フレータから噴き出すガスにより回転運動を発生させ、
これにより第一支持部を移動させるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】(第一実施形態)本発明の第一実
施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。な
お、図1はサイドエアバッグ装置を収容したシートの斜
視図であり、図2、図3はシートの側面図である。ま
た、図4(a)は図2の一部拡大図であり、図4(b)
は図3の一部拡大図である。図1および図2に示すよう
に、本実施形態におけるサイドエアバッグ装置1は、シ
ート2の座部であるシートクッション2aの内部に固定
されたモジュールケース4と、モジュールケース4内に
収容されているインフレータ5、および、インフレータ
5からのガスの供給を受けて膨張するエアバッグ6とか
ら構成されている。
【0011】図2および図4(a)に示すようにモジュ
ールケース4は、一端部4aが開放され、他端部4bが
閉塞された細長の筒形状を有しており、その内部には、
他端部4b側から、スライダ7、インフレータ5、ピス
トン8、および、キャップ9がこの順番に挿入されてい
る。また、他端部4b側はモジュールケース4の長手方
向に沿って切り欠かれたスライド溝10が形成されてお
り、一端部4a側には、インフレータ5からのガスをエ
アバッグ6に供給するためのオリフィス11が複数形成
されている。なお、モジュールケース4は、サイドエア
バッグ装置1の作動時に、インフレータ5、ピストン
8、および、スライダ7が摺動するためのシリンダとし
ても機能する。
【0012】インフレータ5は、エアバッグ6にガスを
供給するためのガス発生器であり、本実施形態ではガス
を圧縮して充填したボンベを用いている。インフレータ
5は、モジュールケース4の長手方向に沿う細長形状を
有し、その外径はモジュールケース4の内径よりも小さ
い。インフレータ5のガス噴出口13は、モジュールケ
ース4の一端部4a側に配置されており、図示しない封
板により密閉されている。さらに、このインフレータ5
は、ガス噴出口13の縁部に形成された雄ネジによりピ
ストン8に固定されている。なお、符号14はインフレ
ータ5とスライダ7との接触面積を確保し、かつ、イン
フレータ5の摺動時のガイドとして機能するフランジで
ある。
【0013】ピストン8は、モジュールケース4の内面
に沿って摺動可能な外形を有しており、対向する二つの
面を貫通する貫通穴15が形成されている。ピストンの
一の面にはインフレータ5が、前記した雄ネジにより固
定され、他の面には凸部8aによりキャップ9に嵌合し
ている。ここで、貫通穴15は、インフレータ5のガス
噴出口13と連通可能な位置に形成されている。
【0014】キャップ9は、モジュールケース4の内側
に向けて凹部9aを備えており、この凹部9aにおいて
前記したピストン8の凸部8aと嵌合している。凹部9
aと前記凸部8aとを嵌合させることにより、非作動時
のピストン8などの移動を防止している。なお、図示し
ないが、キャップ9にはインフレータ5の前記封板を破
壊してガスの供給を開始させる起動手段(例えば、火薬
式のスクイブ)が固定されることが望ましい。
【0015】スライダ7は、インフレータ5に連結され
ており、モジュールケース4の内径にほぼ等しい外形を
有する本体部7aと、本体部7aから突出し、モジュー
ルケース4のスライド溝10を貫通する突起部7bとを
備えている。この突起部7bはエアバッグ6を保持する
ために用いられると共に、スライダ7の摺動時のガイド
としても機能する。
【0016】エアバッグ6は、シートクッション2aか
ら、シート2のリクライニング時の回動中心2bを経
て、背もたれ部であるシートバック2cまで、その内部
に折り畳まれて収容されている。エアバッグ6が回動中
心2bを通っているのは、シートバック2cをリクライ
ニングさせた場合に、収容されているエアバッグ6が引
っ張られることを防止するためである。また、シートク
ッション2a内に収容されているエアバッグ6は、その
開口部がモジュールケース4のオリフィス11を覆うよ
うにしてリング12などで固定されている。また、エア
バッグ6の開口部の近傍の一端がスライダ7に保持され
ている。以下において、エアバッグ6を保持しているス
ライダ7を第一支持部A(一方の支持部)とする。一
方、シートバック2c内に収容されているエアバッグ6
は、シートバック2cのフレーム(不図示)に固定され
ており、この固定部をエアバッグ6の展開時の第二の支
持部B(他方の支持部)とする。本実施形態では、シー
トクッション2aにおける第一支持部Aによる支持およ
びモジュールケース4への固定、ならびに、第二支持部
Bによる支持で展開時のエアバッグ6の展開特性を安定
させている。
【0017】このようなサイドエアバッグ装置1による
乗員Pの保護について、図2、図3、図4(a),
(b)を用いて説明する。まず、図2において、乗員P
は、サイドエアバッグ装置1が収容されているシート2
に着座している。
【0018】この車両に、側方から他の車両などが側方
から追突した場合には、車体の側壁(例えばサイドドア
やピラー、その他の壁面を含む)が変形すると共に、衝
撃が加速度センサにより検出される。加速度センサはコ
ントロールユニットに検出値を出力し、コントロールユ
ニットは検出値を判断して、必要に応じてサイドエアバ
ッグ装置1に起動信号を出力する。
【0019】サイドエアバッグ装置1が起動信号を受け
とった場合には、起動手段によりインフレータ5の封板
が破壊され、図4(a)に示すガス噴出口13からガス
が噴き出す。このガスはピストン8の貫通穴15を経
て、キャップ9の凹部9aに導かれる。ここで、キャッ
プ9の凹部9aの容積は小さいため、凹部9a内の圧力
が急激に高まる。この圧力は、嵌合のみにより固定され
ているピストン8をモジュールケース4の他端部4b側
に移動させるように作用する。これに加えて、インフレ
ータ5にはガスの噴き出しの反力として、他端部4b側
に向けた推進力が生まれているので、これらの力により
ピストン8およびインフレータ5は他端部4b側に摺動
する。これにより、図4(b)に示すように、キャップ
9とピストン8が離間し、モジュールケース4のオリフ
ィス11からガスがエアバッグ6に供給され、エアバッ
グ6が膨張を開始する。
【0020】また、インフレータ5およびピストン8が
摺動すると、インフレータ5に押されるようにしてスラ
イダ7が移動する。このときモジュールケース4内を突
起部7bがガイド溝10に沿って移動するように摺動
し、これに伴ってスライダ7の突起部7bに保持されて
いるエアバッグ6の第一支持部Aが引っ張られる。ここ
で、第一支持部Aの引張方向は、車両の前方、つまり、
第二支持部Bおよびシート2の回動中心2bから遠ざけ
る方向である。
【0021】ガスの供給によりエアバッグ6は膨張し、
第一支持部Aが移動しながら、シートクッション2a、
および、シートバック2cのそれぞれのティアライン
(不図示)を破り、車室内に飛び出して、図3に示すよ
うに展開する。ここにおいて、エアバッグ6は、第一支
持部Aおよび第二支持部B、ならび、モジュールケース
4への固定箇所により安定した形状を保ち、乗員Pの肩
部から脚部にかけて接触し、乗員Pの受ける衝撃を和ら
げる。なお、本実施形態においては、エアバッグ6は、
車両の側壁よりも乗員P側に展開するような形状を有し
ているので、乗員Pを車両が衝突した方向とは反対側に
移動させる。
【0022】このようにサイドエアバッグ装置1は、側
面衝突時に展開するエアバッグ6を二箇所以上で支持す
ることにより、車体の側壁の変形などによらずに安定し
た形状を維持することができるので、乗員Pの保護特性
をさらに安定させることができる。また、乗員Pを非衝
突方向に移動させることで、側面衝突の形態によらず乗
員Pの安全を確保することが可能である。
【0023】特に、図2に示すように非展開時における
第一支持部Aと第二支持部Bとの直線距離L1に対し
て、シート2への収納時のエアバッグ6の長さ(第一支
持部Aから回動中心2bまでの距離L2と、回動中心2
bから第二支持部Bまでの距離L3との和)が長い場
合、つまり、エアバッグ6の基布の長さ(L2+L3)
が非展開時の第一支持部Aと第二支持部Bとの直線距離
L1よりも長い場合に、第一支持部Aを第二支持部Bか
ら遠ざけるように移動させて、直線距離をL4(図3参
照)にすることで、基布の余りをなくして、充分な展開
張力を保持することができる。
【0024】また、シート2をリクライニングさせるこ
とで、非展開時の直線距離L1が変化した場合であって
も、第一支持部Aの移動は、そのような変化量を吸収す
ることが可能であるので、リクライング角度によらず、
安定してエアバッグ6を展開させることができる。
【0025】なお、第一支持部Aが逆方向に移動するこ
とを防止するための逆移動防止手段として、スライダ
7、および/または、モジュールケース4に複数のノッ
チを形成しておき、第一支持部Aを第二支持部Bに対し
て遠ざけるように摺動するスライダ7が一端部4a側に
逆走することを防止する構成にしても良い。また、イン
フレータ5は摺動せずに、インフレータ5からのガスで
スライダ7を摺動させるように構成しても良い。
【0026】(第二実施形態)本発明の第二実施形態に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図
5、図6はサイドエアバッグ装置の側面図であり、図7
はサイドエアバッグ装置の一部の分解斜視図である。ま
た、前記した第一実施形態と同じ構成要素については、
同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0027】図5に示す本実施形態におけるサイドエア
バッグ装置21は、エアバッグ26の展開時にシートク
ッション2b側の第一支持部A(一方の支持部)を、第
二支持部B(他方の支持部)や回動中心2bから離間す
るように移動させる点は前記の第一実施形態と同様であ
るが、インフレータ25がディスクタイプであること、
および、それに伴い第一支持部Aの移動手段が異なるこ
とを特徴としている。
【0028】図5および図7に示すように、サイドエア
バッグ装置21は、インフレータ25を収容するモジュ
ールケース24をシートクッション2aの内部に配置し
ている。エアバッグ6は、回動中心2bを通り、シート
クッション2aとシートバック2bに折り畳まれて収容
されている。エアバッグ6の第一支持部Aは回転体であ
るプーリ26に巻き掛けられた巻き掛け伝達体であるワ
イヤ27に固定されており、第二支持部Bはシートバッ
ク2cの図示しないフレームへの固定部である。
【0029】図7に示すようにモジュールケース24
は、カップ形状を有する第一の部材27にプレート形状
を有する第二の部材28を固定して形成しており、これ
により形成される内部空間にインフレータ25が回転可
能に保持される。第一の部材27の天頂面27aにはイ
ンフレータ25からのガスをエアバッグ6に供給するた
めのオリフィス27bが複数形成されており、このオリ
フィス27bを覆うようにエアバッグ6がモジュールケ
ース24に固定される。また、天頂面27aの中心には
インフレータ25に向けて突出する突起27cを有して
おり、この突起27cがインフレータ25の回転時の支
点となる。また、第二の部材28の中央には貫通穴28
aが形成されており、インフレータ25に接続された回
転軸29が挿入される。なお、貫通穴28aからのガス
漏れを防止するために貫通穴28aと回転軸29との間
には気密保持用のシール部材を介装しても良い。
【0030】インフレータ25は、フランジ25aを備
える扁平の円盤形状を有しており、その内部にガス発生
剤が充填されている。ガス発生剤は図示しない起動手段
により燃焼して、ガスを発生するものである。発生した
ガスは、インフレータ25の円周に沿って等間隔に複数
形成されているガス噴出口25bから噴き出す。ここ
で、ガス噴出口25bのそれぞれには、インフレータ2
5の円周方向に対して所定の傾斜角を有するフィン30
が配設されている。一般的なディスクタイプのインフレ
ータは、円周に沿って等間隔にガス噴出口を形成するこ
とでガスの噴き出しにより発生する推進力を相殺させて
いるが、このインフレータ25は、傾斜するフィン30
にガスを噴き付けることで、インフレータ25に円周方
向に回転する力を発生させている。
【0031】フィン30により発生するインフレータ2
5の回転が伝達されるプーリ26には、複数の溝26a
が刻まれており、シートクッション2aの先端(シート
2の前方)に配置されているプーリ31との間で複数の
ワイヤ27が巻き掛けられている。ワイヤ27にはエア
バッグ6の一端を保持するクリップ32が固定されお
り、これが展開時の第一支持部Aとなる。
【0032】なお、プーリ26と回転軸29とは、回転
軸29の駆動力を伝えるためにキー溝などにより回転が
固定されているが、第一支持部Aを停止させるためにイ
ンフレータ25からプーリ26を切り離す手段として、
プーリ26と回転軸29との間にクラッチ33を介装さ
せても良い。なお、クラッチ33としては、コントロー
ルユニットにより接続・切り離しが制御できるクラッチ
や、所定値以上のトルクがかかった場合にプーリ26と
回転軸29とを切り離すトルクリミッタ機能を備えたク
ラッチなどがあげられる。
【0033】このようなサイドエアバッグ装置21によ
る乗員の保護について説明する。サイドエアバッグ装置
21の非作動時においては、クラッチ33は接続状態と
なっているが、インフレータ25は作動していないの
で、プーリ26は回転せずに、クリップ32はインフレ
ータ25に近接した位置に待機している。
【0034】この状態で、車両が側面衝突を起こすと、
図示しないコントロールユニットからの起動信号を受け
て、図5に示すインフレータ25が起動する。インフレ
ータ25の内部で発生したガスは、ガス噴出口25bか
ら噴き出して、モジュールケース24のオリフィス27
bからエアバッグ6へと供給される。また、このとき
に、フィン30によりインフレータ25が回転を開始す
る。インフレータ25の回転はクラッチ33を介してプ
ーリ26に伝達され、プーリ26の回転量に応じてワイ
ヤ27が引かれる。フィン30はクリップ32をシート
クッション2aの前方のプーリ31に向けて押し出す方
向にインフレータ25を回転させるので、クリップ3
2、すなわち、第一支持部Aは、図6に示すように回動
中心2bや、第二支持部Bから離れるように移動する。
したがって、エアバッグ6は、第一支持部Aが前方に移
動しながら、膨張する。
【0035】第一支持部Aが所定位置に到達したら、コ
ントロールユニットからの信号、または、トルクの増大
などによりクラッチ33がインフレータ25とプーリ2
6とを切り離す。したがって、ガスの噴き出しが持続し
てインフレータ25が回転を続けたとしても、プーリ2
6は回転を停止し、クリップ32が停止する。そして、
エアバッグ6は、第一支持部Aおよび第二支持部B、な
らび、モジュールケース24への固定箇所により安定し
た形状を保ち、乗員Pの肩部から脚部にかけて接触し、
乗員Pの受ける衝撃を緩衝する。なお、本実施形態にお
いては、エアバッグ6は、車両の側壁よりも乗員P側に
展開するような形状を有しているので、乗員Pを車両が
衝突した方向とは反対側に移動させる。
【0036】このようなサイドエアバッグ装置21は、
車体の側壁の変形などによらずにエアバッグ6を安定し
た展開させることができ、乗員Pを確実に保護すること
ができる。特に、図5に示すようにエアバッグ6の基布
の長さ(L2+L3)が非展開時の第一支持部Aと第二
支持部Bとの直線距離L1よりも長い場合であっても、
充分な展開張力を保持することができる。
【0037】なお、本発明は前記の各実施形態に限定さ
れずに広く応用することが可能である。例えば、シート
クッション2a側の支持部を固定して第二支持部Bと
し、シートバック2c側のモジュール4を収容し、シー
トバック2c側の支持部を可動の第一支持部Aとしても
良い。また、回動中心2bに第三支持部を設けるなど、
支持部の数は前記した各実施形態に限定されない。ま
た、第一実施形態においてエアバッグ6、モジュールケ
ース4、および、インフレータ、ならびに、シート2の
リクライニング機構をモジュール化して、モジュールと
シートクッション2a、ならびに、シートバック2cか
らシート2を構成しても良い。なお、リクライニング機
構とは、回動中心2bを含み、ラチェットや、回動量を
操作するためのレバーなど、公知の機構から構成され
る。
【0038】さらに、第二実施形態において、インフレ
ータ25にフィン30を設けずに、その円周に沿ってガ
ス噴出口25bを覆うリングを設け、このリングにフィ
ンを複数形成しておき、ガスの噴き出しによりリングを
回転させ、リングの回転によりプーリ26を回転させる
構成としても良い。また、回転体と巻き掛け伝達体の他
の例としては、スプロケットとチェーンがあげられる。
さらに、巻き掛け伝達体は、ベルトであっても良い。ま
た、第二の実施形態において、第一支持部Aが逆方向に
移動することを防止するための逆走防止手段を設けるこ
とが望ましい。逆走防止手段の具体例としては、プーリ
26の回転軸とプーリ31の回転軸の少なくとも一方の
回転方向を規制するラチェットがあげられる。
【0039】前記の各実施形態に示した、展開時のエア
バッグ6を複数箇所で支持するサイドエアバッグ装置
1,21は、シート2以外にも車体のルーフサイド、ピ
ラー(フロント、センター、リアを問わない)、フロン
トドアまたはリアドアにおけるドアショルダとサッシュ
といった車体側のそれぞれの箇所において、または、複
数の箇所に渡ってL字型、またはT字型にエアバッグ6
を収納するような場合においても適用することができ
る。T字型に収納する場合には、支持部は3箇所以上で
あることが望ましく、複数の支持部がそれぞれ遠ざかる
ように移動可能に構成しても良い。また、各実施形態に
おいてサイドエアバッグ装置1,21は、シート2に内
蔵してあり、シートクッション2aおよびシートバック
2cの表皮を破ってエアバック6を展開させるものとし
て説明したが、サイドエアバッグ装置1,21がシート
クッション2aおよびシートバック2cの表面に露出す
るリッドを備え、作動時にこのリッドを開くようにして
エアバッグ6を展開させても良い。表皮を破る場合に比
べてリッドが開くタイミングは制御が容易であるので、
エアバッグ6の展開特性をさらに安定化させることがで
きる。
【0040】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載したサイドエア
バッグ装置によれば、複数箇所でエアバッグを支持しつ
つ展開させることが可能になり、しかも、基布が余るこ
となく、充分な張力を持たせることが可能になる。した
がって、衝突形態や、車両の形状によらずに安定した保
護特性を発揮することができる。請求項2に記載したサ
イドエアバッグ装置によれば、インフレータを直線運動
させることにより、エアバッグの支持部を移動させるこ
とが可能になり、衝突形態や、車両の形状によらない安
定した保護特性の発揮に資する。請求項3に記載したサ
イドエアバッグ装置によれば、インフレータにより回転
運動を発生されることにより、エアバッグの支持部を移
動させることが可能になり、衝突形態や、車両の形状に
よらない安定した保護特性の発揮に資する。
【図面の簡単な説明】
【図1】サイドエアバッグ装置を収容したシートの斜視
図である。
【図2】シートの側面図である。
【図3】シートの側面図である。
【図4】(a)は図2の一部拡大図であり、(b)は図
3の一部拡大図である。
【図5】サイドエアバッグ装置の側面図である。
【図6】サイドエアバッグ装置の側面図である。
【図7】サイドエアバッグ装置の一部の分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
1,21 サイドエアバッグ装置 2 シート 2a シートクッション 2b 回動中心 2c シートバック 4 モジュールケース 5,25 インフレータ 6 エアバッグ 7 スライダ 24,31 プーリ 27 ワイヤ 30 フィン A 第一支持部 B 第二支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 貴 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 梅澤 文夫 栃木県塩谷郡高根沢町太田118−1 テ イ・エス テック株式会社内 Fターム(参考) 3B087 CD05 3D054 AA02 AA03 AA04 AA06 AA16 AA17 AA18 AA20 AA21 BB30 CC08 CC11 DD04 DD10 DD14 EE14 EE20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の衝突時に、シート内に収容されて
    いるエアバッグにガスを供給し、車体の側壁と乗員との
    間にエアバッグを展開させて、前記乗員を保護するサイ
    ドエアバッグ装置において、 展開時に前記シートのシートクッションおよびシートバ
    ックのそれぞれにおいて前記エアバッグを支持する支持
    部を有し、一方の支持部は前記インフレータから噴き出
    されるガスを駆動源として、他方の支持部から遠ざける
    ように移動可能に構成されていることを特徴とするサイ
    ドエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 前記インフレータを摺動可能に収容する
    モジュールケースを備え、前記モジュールケースには前
    記インフレータの摺動により前記第一支持部を移動させ
    るスライダを有することを特徴とする請求項1に記載の
    サイドエアバッグ装置。
  3. 【請求項3】 複数の回転体と、前記回転体間に巻き掛
    けられた巻き掛け伝達体と、ガスの噴き出しにより前記
    回転体を回転させるためのフィンとを備え、前記巻き掛
    け伝達体に前記第一支持部が固定されていることを特徴
    とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
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