JP2003220825A - 車両用ベンチレータ - Google Patents

車両用ベンチレータ

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JP2003220825A
JP2003220825A JP2002022415A JP2002022415A JP2003220825A JP 2003220825 A JP2003220825 A JP 2003220825A JP 2002022415 A JP2002022415 A JP 2002022415A JP 2002022415 A JP2002022415 A JP 2002022415A JP 2003220825 A JP2003220825 A JP 2003220825A
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louver
air flow
ventilator
vehicle
air
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JP2002022415A
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Nobutaka Yamamoto
修孝 山本
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Calsonic Products Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストレートな筒状ケースを極力維持しつつ、
上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたもの
であり、ルーバの回動角に応じて空気流の流れ方向が確
実に変更でき、いわゆる冷暖房の効きを高める、コスト
的にも有利な車両用ベンチレータを提供する。 【解決手段】 筒状ケース10の吹出口部分13に、ル
ーバ部11及び/又は12により変更された空気流が衝
突しないように傾斜した斜面15aを設けたたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内に空気調和
された空気流を吹き出す吹出部分となる車両用ベンチレ
ータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用空気調和装置は、車室内
前方に設けられたインスツルメントパネルの左右両端と
中央部分に空気調和された空気流を吹出す吹出口が開設
され、ここに空気流を所望の方向に向けるためのベンチ
レータが設けられている。
【0003】このベンチレータは、車室内で最も目に付
くインスツルメントパネル部分に設けられるということ
もあって、各車輌のデザイン上からその口形状は区々と
なっているが、構造的には、概して、図8,9に示すも
のである。
【0004】ここに、図8は従来の車両用ベンチレータ
の概略水平断面図、図9は図8の9−9線に沿う概略断
面図である。図示するベンチレータは、車両用空気調和
装置から配風された空気流を吹出す吹出部分に相当する
筒状ケース1内に、空気の流れ方向において、空気流を
左右方向に変更する第1ルーバ部2と、上下方向に変更
する第2ルーバ部3とをこの順で設け、各ルーバ部2,
3を構成する相互に所定間隔をもって併設された複数枚
のルーバRを操作部材4により角度調節し、筒状ケース
1内を流通する空気流の風量や風向を調整し、車室内に
吹出すようにしている。
【0005】なお、操作部材4としては、図示のような
手動スライド式のもののみでなく、ダイヤル式のものあ
るいはモータを使用した自動式のもの等、種々あるが、
公知に属するため説明は省略する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のベン
チレータは、ストレートに伸延された筒状ケース1であ
るため、ルーバRにより空気の流れ方向を変更した場
合、筒状ケース1の先端部、つまり吹出口5近傍の内壁
1aが空気の円滑な流れを邪魔して空気流を所望の方向
に導くことができないという不具合がある。特に、冷房
時には、冷風が顔面など当ることにより涼風感が得ら
れ、快適と感じるものであるが、この空気流の変更が自
由に選択できなければ、快適性が大幅に損なわれ、車両
用空気調和装置自体が十分性能を発揮していないと誤解
される虞がある。
【0007】また、空気流が内壁1aに衝突すれば、こ
れが内方に押し戻されることになり、その隣の空気流も
当該空気流の影響を受けて押され、これが次第に内方へ
と伝播され、空気流全体がルーバRの回動角ほどには変
更されないという事態も生じる。
【0008】さらに、実験により空気流れの邪魔状態を
調査した結果、空気流を左右に変更するルーバRによる
場合が、特に顕著であることが判明している。これは、
実験に使用したものが、空気流を左右に変更する第1ル
ーバ部2が空気流の流れ方向上流側にあり、上下に変更
する第2ルーバ部3が下流側に位置していることから、
第1ルーバ部2から吹出口5までの長さL1が、第2ル
ーバ部3から吹出口5までの長さL2より長く、左右変
更の空気流が側壁の影響を受け易いことによるものと考
えられる。
【0009】このように空気流の円滑な変更を邪魔する
最大の要因は、筒状ケース1をストレートな形状として
いる点であるが、このストレート形状は、意匠性、ルー
バRの操作性、空気の流通抵抗の低減を考慮すれば、極
力維持することが好ましい。
【0010】そこで、本発明は、ストレートな筒状ケー
スを極力維持しつつ、上記従来技術に伴う課題を解決す
るためになされたものであり、ルーバの回動角に応じて
空気流の流れ方向が確実に変更でき、いわゆる冷暖房の
効きを高める、コスト的にも有利な車両用ベンチレータ
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0012】(1) 筒状ケース内に内部を流通する空
気流の風量風向を調整するように、相互に所定間隔をも
って併設された複数枚のルーバからなるルーバ部を有す
る車両用ベンチレータにおいて、前記筒状ケースの吹出
口部分に、前記ルーバ部により変更された空気流が衝突
しないように傾斜した斜面を設けたことを特徴とする車
両用ベンチレータ (2) 前記筒状ケースは、前記空気流の流れを左右方
向に変更する第1ルーバ部と、前記空気流の流れを上下
方向に変更する第2ルーバ部とを有し、前記吹出口部分
より離れているルーバ部の空気流変更に対応して前記斜
面を形成したことを特徴とする前記(1)の車両用ベンチ
レータ。
【0013】(3) 前記筒状ケースが軸直角断面矩形
状の場合、空気の流れ方向上流側にある前記第1ルーバ
部により変更される空気流が衝突しないように筒状ケー
スの左右両側壁に前記斜面を形成し、前記筒状ケースの
上下壁は平滑な面としたことを特徴とする前記(2)の車
両用ベンチレータ。
【0014】(4) 前記斜面は、前記ルーバの最大回
動角以上の傾斜角を有することを特徴とする前記(1)〜
(3)の車両用ベンチレータ。
【0015】(5) 前記斜面は、前記第1ルーバ部の
側端部に位置するルーバの最大回動位置の面方向延長線
上に位置するように形成したことを特徴とする前記(1)
〜(4)の車両用ベンチレータ。
【0016】(6) 前記第1ルーバ部の側端部に位置
するルーバは、回動時に先端が前記左右の側壁に接する
ようにしたことを特徴とする前記(1)〜(5)の車両用ベン
チレータ。
【0017】(7) 前記ルーバは、空気の流れ方向の
幅を“W”、隣接するものとの間のピッチを“P”とし
たとき、“P/W”の比が1〜2.2となるようにした
ことを特徴とする前記(1)〜(6)の車両用ベンチレータ。
【0018】(8) 前記ルーバは、傾斜時の空気流遮
断幅を“C”、隣接するものとの間のピッチを“P”と
したとき、“(C/P)×100”のラップ率が25%
以上となるようにしたことを特徴とする特徴とする前記
(1)〜(7)の車両用ベンチレータ。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面に基づいて説明する。
【0020】図1は本発明の実施形態に係る車両用ベン
チレータの概略斜視図、図2は図1の水平概略断面図、
図3は図1の垂直概略断面図、図4は図2の要部拡大説
明図である。
【0021】本実施形態の車両用ベンチレータは、図1
に示すように筒状ケース10を有し、この筒状ケース1
0は車両用空気調和装置により温調された空気流が流通
するダクトと連通されているが、吹出口部分13には第
1ルーバ部11と第2ルーバ部12が設けられている。
【0022】この第1ルーバ部11は、筒状ケース10
の空気流の流れ方向上流側にあり、軸線に沿って流れる
空気流を左右方向に変更するための、相互に所定間隔を
もって併設された複数枚のルーバR1を有しており、第
2ルーバ部12は、第1ルーバ部11の下流側にあり、
空気流を上下方向に変更する同様の複数枚のルーバR 2
を有している。
【0023】第1ルーバ部11と第2ルーバ部12は、
いずれも回動可能に支持した複数枚のルーバR1、R2
車室内から公知の操作部Sにより同時に操作できるよう
になっている。
【0024】さらに詳述する。本実施形態では、筒状ケ
ース10は、左右両側壁15と上下壁16を有する軸直
角断面矩形状をしたものを使用している。このケース1
0の形状は、必ずしも矩形状であることはなく、どのよ
うなものでもよいが、矩形状であれば、内部を流通する
空気流を第1ルーバ部11と第2ルーバ部12という2
つのルーバ部で確実に制御でき、制御性もよく便利であ
る。
【0025】図2、3に示すように、第1ルーバ部11
は、複数枚のルーバR1が所定ピッチP1で相互に平行に
設けられ、各ルーバR1の上下両端に一体に設けられた
支持軸11aが筒状ケース10に開設された開口に挿入
され、回動可能に支持されている。なお、第2ルーバ部
12も略同様で、複数枚のルーバR2が所定ピッチP2
相互に平行に設けられ、各ルーバR2の両端に支持軸1
2aが一体に設けられ、回動可能に支持されている。
【0026】特に、本実施形態では、前記筒状ケース1
0の先端に開設された吹出口部分13に、前記第1ルー
バ部11により変更された空気流が衝突しないように前
記吹出口部分13に向かって末広がりに傾斜した斜面1
5aが設けられ、第1ルーバ部11と第2ルーバ部12
で制御された空気流が円滑に吹出口部分13から車室内
に吹出されるようにしている。
【0027】つまり、前述したように断面矩形状の筒状
ケース10内上流側に第1ルーバ部11を、その下流側
に第2ルーバ部12が設けた場合には、第1ルーバ部1
1によって方向制御された空気流は、筒状ケース10の
吹出口部分13に到達するまでに比較的長い距離流れる
ので、左右両側壁15に衝突し、流れ方向が変わる虞が
ある。このため、本実施形態では、左右両側壁15の所
定範囲を吹出口部分13に向かって末広がりに傾斜する
斜面15aとしている(図2参照)。
【0028】一方、筒状ケース10の上下壁16は、前
記同様の斜面15aは設けず、ストレート状態のままと
している(図3参照)。これは、第2ルーバ部12から
吹出口部分13までの距離があまりないので、前記斜面
15aと同様な部分を設けなくても実質的に問題がない
からである。ただし、第2ルーバ部12から吹出口部分
13までにある程度距離があれば、上下壁16にも斜面
を形成してもよいことは勿論である。
【0029】ここにおいて、左右両側壁15の斜面15
aは、図4に示すように、第1ルーバ部11の下流端側
から吹出口部分13に向けて、当該第1ルーバ部11の
回動角αに対応する角度θだけ傾斜されている。具体的
には、第1ルーバ部11の一側端に設けられているルー
バR1の最大回動角α以上の傾斜角θを有するように構
成されている(θ≧α)。
【0030】これは、第1ルーバ部11が回動変位した
とき、並列されたルーバRの内の最外端にあるもの(以
下単に一側端と称す)のルーバRの面方向延長線上若し
くはその外方に斜面15aが位置することになり、第1
ルーバ部11で変更された空気流が左右両側壁15に邪
魔されることなく円滑に流れることになり、しかも、騒
音を低減する点でも有利となるからである。
【0031】例えば、図4において一側端に位置するル
ーバRが、一点鎖線で示すように軸線に対し角αだけ回
動した場合、ルーバRと斜面15aは連続した略一つの
平面を形成することになるので、空気流は、ルーバR自
体と斜面15aに沿って流れることになり、筒状ケース
10の左右両側壁15に邪魔されず、円滑に流れる。ま
た、このルーバRの回動角αは、乗員が設定したもので
あるため、前記空気流は乗員が所望する方向と略対応し
た角度で車室内に吹出されることになる。したがって、
乗員の要求に合った快適な空調状態となり、前述した車
両用空気調和装置自体が十分性能を発揮していないと誤
解される虞は全くない。
【0032】なお、ルーバRの制御操作は一括で行なわ
れるので、図2において他側端のルーバRも前記一側端
のルーバと同じ向きに変位されるが、この他側端での空
気流は、左右両側壁15より離れる方向に向かうので、
当然左右両側壁15に邪魔されることなく円滑に流れ
る。
【0033】また、この両側端のルーバRは、回動した
場合に先端が左右両側壁15に接する配置構成とされて
いる。ルーバRの先端が左右両側壁15に接すると、左
右両側壁15の表面に沿って空気流が突き抜けることは
ないので、この突き抜け空気流が変更された空気流の流
れに衝突し、当該空気流の方向性を阻害するという虞が
なく、より方向性の優れた空気流とすることできる。
【0034】このように筒状ケース10の左右両側壁1
5先端部に斜面15aを設けると、ルーバRにより変更
された空気流は筒状ケース10に邪魔されることなく車
室内に円滑に吹出されるが、さらに、この吹出しがさら
に円滑になるように検証した結果、以下の点も判明し
た。
【0035】空気の流れ方向でのルーバの幅W、ルーバ
間のピッチP、ルーバが傾斜しているときの空気流が遮
断される領域幅C(以下、単に空気流遮断幅)とした場
合、これらが空気流の円滑な吹出しに以下に影響するか
を考察した。なお、「W」,「P」,「C」は、第1ル
ーバ部あるいは第2ルーバ部の如何を問うものではな
い。
【0036】ルーバの幅Wや空気流遮断幅Cが大きい場
合には、空気抵抗が大きくなり、ピッチPが小さすぎる
場合には、空気流通領域が狭く、空気流の流量あるいは
通気抵抗に大きく影響することになることから、ルーバ
幅とピッチとの関係を求めた。 <ルーバ幅とピッチとの関係>ルーバRの幅W、ルーバ
R間のピッチPとの関係は、“P/W”の比を、1〜
2.2とすることが、好ましいことが判明した。
【0037】実験は、ルーバRの幅Wを一定の値とし、
ルーバR間のピッチPを種々変化した場合に、軸線に対
する実際の空気流の角度βを求めることにより行なっ
た。
【0038】図6に示す実験結果が得られたが、この結
果からすれば、P/Wの比が、1.7〜1.8の場合
に、実際の空気流の角度βがルーバRの回動角αと一致
し、良好な配風効果が得られることになる。
【0039】ただし、実際の空気流の角度βとルーバの
回動角αの比、つまり“(α/β)×100”の値であ
る。この値は、乗員が所望する角度(設定角度)に対し
実際に吹出される空気流の角度の比であることから、い
わば達成率と称することができるが、この値は、略80
%以上であれば実質的に問題はない点、また、実際上、
ルーバRとピッチPの比が、“1”以上であることを考
慮すれば、“P/W”の比は、1〜2.2であればよい
ことになる。 <空気流遮断幅とピッチとの関係>ルーバRが傾斜して
いるときの空気流遮断幅CとルーバのピッチPとの関係
は、“(C/P)×100”の値、つまりラップ率が、
50%以上であれば、好ましいことが判明した。
【0040】実験は、ルーバの幅Wを一定の値とし、ル
ーバの回動角αが30°と45°の場合について、ルー
バの数及びルーバ間のピッチPを種々変化した場合に、
軸線に対する実際の空気流の角度βを求めることにより
行なった。
【0041】図7に示す実験結果が得られた。図7での
破線は30°の場合を、実線は45°の場合をそれぞれ
示している。
【0042】この結果においても、前記同様達成率が略
80%以上であれば実質的に問題はない点からすれば、
ルーバRの回動角αが30°の場合は、ラップ率は、略
25%以上、ルーバRの回動角αが45°の場合は、ラ
ップ率は、略35%以上とすることが好ましいことにな
る。
【0043】空気の流通抵抗が少なく好ましいベンチレ
ータにするには、このラップ率を可及的に小さくすれば
よいが、ラップ率を可及的に小さくするということは、
空気流遮断幅Cを小さくするかあるいはピッチPを大き
くすることを意味する。しかし、ピッチPを大きくする
ことは実際的でないので、空気流遮断幅Cを小さくする
ことになる。
【0044】空気流遮断幅Cを小さくすると、ルーバの
傾斜が最大でも45度であれば、ルーバの幅Wも小さく
なり、これにより筒状ケース10の斜面15aの傾斜角
θも小さくできることになる。これは、前述した外形に
対する意匠的制約、複数ルーバの操作性などの制約があ
る状態での設計に自由度を高めることができるという重
要な意義をもつことになる。
【0045】次に、作用を説明する。
【0046】例えば、車両用空気調和装置がベントモー
ド(乗員の上半身に冷風を吹出すモード)に設定される
と、車室内空気が車両用空気調和装置に吸引され、エバ
ポレータにより冷却され、この冷風がダクトなどを通っ
てベンチレータから車室内に吹出される。この場合、冷
風が直接乗員の顔面に当るようにすれば、涼風感が得ら
れる。
【0047】本実施形態のベンチレータでは、筒状ケー
ス10の左右両側壁15が傾斜角θの斜面15aを有し
ているので、内部を軸線に沿って流れる空気流が第1ル
ーバ部11により左右方向に変更されると、この空気流
は、ルーバの傾斜角αと空気流の傾斜角βが略等しい状
態とされて流下することになる。
【0048】この場合、筒状ケース10の斜面15a
は、第1ルーバ部11の風下側端部から開始されている
ので、変更された空気流は、筒状ケース10に当ること
はなく、極めて円滑に流下することになる。
【0049】なお、空気流は、第2ルーバ部12により
上下方向にも変更されるが、この第2ルーバ部12は吹
出口部分にあるため、筒状ケース10の壁に影響される
ことは少ない。
【0050】したがって、冷風は、乗員がルーバRを設
定した方向に向かって配風されることになり、快適な冷
房状態を得ることができることになる。
【0051】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおい
て種々変形することができる。例えば、前記実施形態
は、断面矩形状の筒状ケースについて説明したが、これ
のみに限定されるものではなく、惰円あるいは円筒状、
場合によっては多角形状の筒状ケースにも適用できる。
【0052】筒状ケースの傾斜に関しても、前記実施形
態では筒状ケース自体を成形したものであるが、これの
みでなく、例えば、筒状ケースと内壁面を別体とし、こ
の内壁面のみを傾斜させてもよく、少なくとも空気流が
当接する部分が斜面であればよい。
【0053】また、前記実施形態は、ケースが矩形断面
で、第1ルーバ部11が第2ルーバ部12の上流側にあ
るとき、左右両側壁15に斜面を設けたものであるが、
ルーバ部が単一の場合であってもよく、第2ルーバ部1
2が上流側にある場合には上下壁に斜面を設けてもよ
い。場合によっては上下左右に関係なく全周に形成して
もよい。このようにすれば、第1ルーバ部と第2ルーバ
部により変更された空気流が吹出口部分の上下左右内面
のいずれにも邪魔されることなく車室内に吹出されるこ
とになり、一層空気流の円滑な吹出しが可能となる。
【0054】図5は、本発明の他の実施形態を示す水平
概略断面図である。前記傾斜は、前記実施形態では、吹
出口の近傍、つまり第2ルーバ部12の側部に形成して
いるが、この傾斜の開始位置Aとしては、例えば、図5
に示すように、上流側にあるルーバR1の上流端からで
もよいが、場合によってはその下流の任意の位置であっ
てもよい。図5では、左右両側壁15aのみに傾斜をつ
けたものを示しているが、上下壁に形成してもよいこと
は言うまでもない。この場合は、多少筒状ケース10の
外形が大型化するが、機能的には同様である。
【0055】なお、筒状ケース10自体は、インスツル
メントパネルに位置固定的に設けられているが、これの
みに限定されるものではなく、位置可動に支持してもよ
い。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明で
は、筒状ケースの吹出口部分に、ルーバにより変更され
た空気流が衝突しないように末広がりに傾斜した斜面を
設けたので、ストレートな筒状ケースを極力維持しつ
つ、ルーバの回動角に応じて空気流の流れ方向が確実に
変更でき、車両用空気調和装置の温調特性を高めること
ができる。しかも、筒状ケース自体を傾斜成形すると、
部品点数が増大することはなく、コスト的にもきわめて
有利である。
【0057】請求項2の発明では、吹出口部分より離れ
ているルーバ部の空気流変更に対応して斜面を形成した
ので、ルーバにより変更された空気流が筒状ケースに確
実に邪魔されることなく、吹出口部分より吹出されるこ
とになり、また、筒状ケース自体も不必要に大型化する
ことはない。
【0058】請求項3の発明では、矩形筒状ケースの上
流側に第1ルーバ部がある場合、左右両側壁に斜面を形
成し、上下壁は平滑な面としたので、空気流の衝突を防
止でき、簡単な構成であるため、コスト的にも有利とな
る。
【0059】請求項4の発明では、筒状ケース斜面の傾
斜角をルーバの最大回動角以上としたので、変更された
空気流が筒状ケースに邪魔されることなく車室内に円滑
に吹出され、良好な配風状態となる。
【0060】請求項5の発明では、斜面をルーバの最大
回動位置の延長線上に位置するようにしたので、空気の
流通抵抗が少なく、騒音も低減できる。
【0061】請求項6の発明では、第1ルーバ部の側端
部に位置するルーバの先端が回動時に左右両側壁に接す
るようにしたので、空気流の突き抜けが防止され、より
確実に空気流の方向性を向上でき、制御性の良好な配風
効果が得られる。
【0062】請求項7,8に記載の発明では、P/Wの
比あるいはラップ率を所定値としたので、実際の空気流
の変更角度がルーバの回動角と一致し、制御性のよい良
好な配風効果が得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の概略斜視図である。
【図2】 図1の水平概略断面図である。
【図3】 図1の垂直概略断面図である。
【図4】 図2の要部拡大説明図である。
【図5】 本発明の他の実施形態を示す水平概略断面図
である。
【図6】 実験結果を示すグラフである。
【図7】 実験結果を示すグラフである。
【図8】 従来の車両用ベンチレータを示す概略平断面
図である。
【図9】 図8の9−9線に沿う概略断面図である。
【符号の説明】
10…筒状ケース、 11…第1ルーバ部、 12…第2ルーバ部、 13…吹出口部分、 15…左右側壁、 15a…斜面、 16…上下壁、 C…空気流遮断幅、 P…ルーバのピッチ、 R…ルーバ、 W…ルーバの幅、 α…ルーバの回動角、 θ…斜面の傾斜角。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状ケース(10)内に内部を流通する空気
    流の風量風向を調整するように、相互に所定間隔をもっ
    て併設された複数枚のルーバ(R)からなるルーバ部(11,1
    2)を有する車両用ベンチレータにおいて、 前記筒状ケース(10)の吹出口部分(13)に、前記ルーバ部
    (11及び/又は12)により変更された空気流が衝突しない
    ように傾斜した斜面(15a)を設けたことを特徴とする車
    両用ベンチレータ。
  2. 【請求項2】 前記筒状ケース(10)は、前記空気流の流
    れを左右方向に変更する第1ルーバ部(11)と、前記空気
    流の流れを上下方向に変更する第2ルーバ部(12)とを有
    し、前記吹出口部分(13)より離れているルーバ部(11又
    は12)の空気流変更に対応して前記斜面(15a)を形成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ベンチレー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記筒状ケース(10)が軸直角断面矩形状
    の場合、空気の流れ方向上流側にある前記第1ルーバ部
    (11)により変更される空気流が衝突しないように筒状ケ
    ース(10)の左右両側壁(15)に前記斜面(15a)を形成し、
    前記筒状ケース(10)の上下壁(16)は平滑な面としたこと
    を特徴とする請求項2に記載の車両用ベンチレータ。
  4. 【請求項4】 前記斜面(15a)は、前記ルーバ(R)の最大
    回動角(α)以上の傾斜角(θ)を有することを特徴とする
    請求項1〜3に記載の車両用ベンチレータ。
  5. 【請求項5】 前記斜面(15a)は、前記第1ルーバ部(1
    1)の側端部に位置するルーバ(R)の最大回動位置の面方
    向延長線上に位置するように形成したことを特徴とする
    請求項1〜4に記載の車両用ベンチレータ。
  6. 【請求項6】 前記第1ルーバ部(11)の側端部に位置す
    るルーバ(R)は、回動時に先端が前記左右の側壁(15)に
    接するようにしたことを特徴とする請求項1〜5に記載
    の車両用ベンチレータ。
  7. 【請求項7】 前記ルーバ(R)は、空気の流れ方向の幅
    を“W”、隣接するものとの間のピッチを“P”とした
    とき、“P/W”の比が1〜2.2となるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両用
    ベンチレータ。
  8. 【請求項8】 前記ルーバ(R)は、傾斜時の空気流遮断
    幅を“C”、隣接するものとの間のピッチを“P”とし
    たとき、“(C/P)×100”のラップ率が25%以
    上となるようにしたことを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載の車両用ベンチレータ。
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