JP2003216142A - ハンマーシャンク - Google Patents

ハンマーシャンク

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JP2003216142A
JP2003216142A JP2002017082A JP2002017082A JP2003216142A JP 2003216142 A JP2003216142 A JP 2003216142A JP 2002017082 A JP2002017082 A JP 2002017082A JP 2002017082 A JP2002017082 A JP 2002017082A JP 2003216142 A JP2003216142 A JP 2003216142A
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hammer shank
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勉 山口
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハンマー取付部とフレンジ取付部とが別体で構
成されているハンマーシャンクにおいて、ハンマー取付
部とフレンジ取付部との取付強度を従来よりも高くする
ことのできるハンマーシャンクを提供すること。 【解決手段】ハンマーシャンク10は、回動取付部材1
2に設けられた貫通穴13の全長にわたってハンマー取
付部材11が通された状態で、ハンマー取付部材11と
回動取付部材12とが結合されている。また、ハンマー
取付部材11には、貫通穴13に通された側の端面にネ
ジ14がねじ込まれており、このネジ14がハンマー取
付部材11の外径を拡大させる方向へ作用する押圧力を
発生させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グランドピアノの
ハンマーシャンクに関する。に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、グランドピアノのアクション機構
の一部を構成するハンマーシャンクは、ハンマーを取り
付ける棒状のハンマー取付部材と、ハンマーシャンクフ
レンジに回動自在に取り付けられる二股形状の回動取付
部材とが一体に形成されている。
【0003】このようなハンマーシャンクは、ハンマー
取付部材に一定の強度が要求されることから、通常は、
高価な木製材料を使用して製造されており、ハンマーシ
ャンク自体の材料費が高いという問題があった。そこ
で、この問題の対策として、ハンマー取付部材と回動取
付部材とを別体に構成したハンマーシャンクが提案され
ている。例えば、実開昭55−77284号公報には、
回動取付部材に設けられた所定の深さの嵌合穴にハンマ
ー取付部材を嵌合させて、ハンマー取付部材と回動取付
部材とをネジ止めにより結合したハンマーシャンクが記
載されている。
【0004】このようなハンマーシャンクによれば、ハ
ンマー取付部材よりも高い強度を必要としない回動取付
部材を、木製材料よりも安価で加工が容易な材料(例え
ば、樹脂材料)で製造することができる。そのため、回
動取付部材に相当する材料費を抑えることができ、回動
取付部材を高い加工精度で容易に製造することができ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなハ
ンマーシャンクは、以下に示したような問題があった。
まず、第1の問題として、ハンマー取付部材と回動取付
部材との取付強度を充分に高くすることができないとい
う問題があった。上述のハンマーシャンクは、回動取付
部材に設けられた所定の深さの嵌合穴にハンマー取付部
材を嵌合させることによって両者を結合している。この
ような固定方法は、ハンマー取付部材と回動取付部材と
の接触面積が小さく、摩擦抵抗も小さいため、両者の取
付強度を充分に高くできなかった。そのため、打鍵の衝
撃や、ハンマーが弦に衝突したときの衝撃などによっ
て、ハンマー取付部材と回動取付部材との結合部分が変
形してしまったり、ハンマー取付部材と回動取付部材と
の結合が解除されてしまう恐れがあった。この問題を解
決するためには、回動取付部材をハンマー取付部材の軸
方向に延びるような形状として、ハンマー取付部材のう
ち回動取付部材に嵌合される長さを長くすれば、ハンマ
ー取付部材と回動取付部材との接触面積が大きくなり、
両者の取付強度を高くすることができるはずである。し
かし、ハンマーシャンクは、ピアノ内部の狭い空間に数
多く配列されるものであるため、回動取付部材の形状が
大きく変わってしまうと、アクション機構の動作を妨げ
る恐れがあることから好ましくない。
【0006】また、第2の問題として、ハンマーシャン
クを組み立てる際の手間を増加させてしまうという問題
があった。通常、ハンマーシャンクは、ハンマー取付部
材81の強度を高める目的で、ハンマー取付部材81の
長さ方向と垂直な断面における木理の方向(図12にお
ける矢印a参照)がハンマーシャンクの回動する方向
(図12における矢印b参照)を向くように構成されて
いる。なお、ここでいう木理の方向とは、木理の線が延
びる方向である。そのため、ハンマー取付部材と回動取
付部材とを別体に構成した場合であっても、ハンマー取
付部材の長さ方向と垂直な断面における木理の方向をハ
ンマーシャンクの回動する方向に向けた状態で、ハンマ
ー取付部材と回動取付部材とを結合させる必要がある。
このように木理の方向をハンマーシャンクの回動する方
向に向ける作業は、作業者が、ハンマー取付部材と回動
取付部材とを結合する毎に行う必要があるため、ハンマ
ーシャンクを組み立てる際の手間を増加させてしまう。
【0007】本発明は、ハンマー取付部とフレンジ取付
部とが別体で構成されているハンマーシャンクにおい
て、第1に、ハンマー取付部とフレンジ取付部との取付
強度を従来よりも高くすることのできるハンマーシャン
クを提供すること、第2に、従来よりも組み立てる際の
手間を軽減することのできるハンマーシャンクを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記第
1の問題を解決するため請求項1に記載のハンマーシャ
ンクは、ピアノのアクション機構の一部を構成するハン
マーシャンクであって、ハンマーが取り付けられる棒状
のハンマー取付部材と、所定の取付位置に回動自在に取
り付けられる回動取付部材とが結合されてなり、前記回
動取付部材に設けられた貫通穴に、該貫通穴の全長にわ
たって前記ハンマー取付部材が通された状態で、前記ハ
ンマー取付部材と前記回動取付部材とが結合されている
ことを特徴とする。
【0009】このように構成されたハンマーシャンクに
よれば、ハンマー取付部材と回動取付部材とが、回動取
付部材を貫通している貫通穴の全長にわたってハンマー
取付部材が通された状態で結合される。そのため、ハン
マー取付部材の嵌合する嵌合穴が貫通していない従来の
構成に比べて、ハンマー取付部材と回動取付部材との接
触面積が大きくなり、摩擦抵抗も大きくなる。よって、
回動取付部材の形状を大きく変更することなく、従来よ
りもハンマー取付部材と回動取付部材との取付強度を高
くすることができる。
【0010】また、請求項2に記載のハンマーシャンク
は、前記ハンマー取付部材の端面にネジをねじ込んで、
該ネジで前記ハンマー取付部材の外径が拡大する方向へ
作用する押圧力を発生させることにより、前記ハンマー
取付部材の外周面を前記貫通穴の内周面に圧接させてあ
ることを特徴とする。
【0011】このように構成されたハンマーシャンクに
よれば、ハンマー取付部材の端面にねじ込まれたネジ
が、ハンマー取付部材の外周面を貫通穴の内周面に圧接
させている。そのため、ハンマー取付部材が貫通穴から
外れにくくなり、ハンマー取付部材と回動取付部材との
取付強度をより高くすることができる。
【0012】なお、ハンマー取付部材の端面には、外径
が拡大する方向へ作用する押圧力を発生させることがで
きれば、ネジ以外に、例えば、釘などを打ち込むように
構成してもよい。この場合であっても、請求項2に記載
のハンマーシャンクと同様の作用、効果を得ることがで
きる。
【0013】また、請求項3に記載のハンマーシャンク
は、前記貫通穴の内周面と前記ハンマー取付部材の外周
面との間にくさび部材を打ち込むことによって、前記ハ
ンマー取付部材と前記回動取付部材とが結合されている
ことを特徴とする。
【0014】このように構成されたハンマーシャンクに
よれば、くさび部材により貫通穴の内周面およびハンマ
ー取付部材の外周面が押圧されることによって、ハンマ
ー取付部材と回動取付部材とが結合されている。そのた
め、ハンマー取付部材が貫通穴から外れにくくなり、ハ
ンマー取付部材と回動取付部材との取付強度をより高く
することができる。
【0015】また、請求項4に記載のハンマーシャンク
は、前記回動取付部材にねじ込まれるネジ部と、該ネジ
部がねじ込まれた状態で前記くさび部材に当接する当接
部とからなる抜け防止部材によって、前記くさび部材
が、前記ハンマー取付部と前記回動取付部材との間から
抜けることを防止していることを特徴とする。
【0016】このハンマーシャンクにおける抜け防止部
材は、ネジ部と当接部を備えている部材であればよく、
例えば、頭部分が当接部として機能するネジなどを利用
することができる。このように構成されたハンマーシャ
ンクによれば、くさび部材がハンマー取付部と回動取付
部材との間から抜けてしまうことによって、ハンマー取
付部材と回動取付部材との結合が解除されてしまうとい
ったことを防止できる。
【0017】なお、抜け防止部材としては、くさび部材
が抜けることを防止できればよく、例えば、前記回動取
付部材に打ち込まれる打込部と、該打込部が打ち込まれ
た状態で前記くさび部材に当接する当接部とからなる抜
け防止部材によって、前記くさび部材が、前記ハンマー
取付部と前記回動取付部材との間から抜けることを防止
するように構成してもよい。このように構成した場合で
も、請求項4に記載のハンマーシャンクと同様の作用、
効果を得ることができる。
【0018】また、請求項5に記載のハンマーシャンク
は、前記貫通穴がテーパ状に形成されており、前記ハン
マー取付部材と前記回動取付部材とがリング状の前記く
さび部材によって結合されていることを特徴とする。
【0019】このように構成されたハンマーシャンクに
よれば、貫通穴がテーパ状に形成されているため、ハン
マーシャンクの組立時に、貫通穴の内周面がハンマー取
付部材を通す際の妨げになりにくく、ハンマー取付部材
を容易に貫通穴に通すことができる。さらに、くさび部
材は、リンク状に形成されているため、ハンマー取付部
材を包み込むように均等にハンマー取付部材の外周面を
押圧すると共に、貫通穴の内周面を均等に押圧すること
ができる。そのため、ハンマー取付部材と回動取付部材
とを結合させる際に、ハンマー取付部材が貫通穴の中心
軸上からずれるといったことが起こりにくく、ハンマー
取付部材を貫通穴の中心軸上に正しく位置させた状態
で、ハンマー取付部材と回動取付部材とを結合させるこ
とができる。
【0020】また、請求項6に記載のハンマーシャンク
は、前記くさび部材にスリットが設けられており、該ス
リットの幅を狭める、または、拡げるように前記くさび
部材を変形させることにより、該くさび部材の外径を変
更可能に構成されていることを特徴とする。
【0021】このように構成されたハンマーシャンクに
よれば、くさび部材に設けられたスリットの幅を狭め
る、または、拡げるだけで、スリットが設けられていな
い場合よりも容易にくさび部材の外径を変更することが
できる。そのため、くさび部材が、貫通穴の内周面とハ
ンマー取付部材の外周面との間にぴったりと打ち込むこ
とができないような外径となっていた場合でも、貫通穴
の内周面とハンマー取付部材の外周面との隙間に合わせ
て外径を変更しながらくさび部材を打ち込むことができ
る。
【0022】また、上記第2の問題を解決するため請求
項7に記載のハンマーシャンクは、グランドピアノのア
クション機構の一部を構成するハンマーシャンクであっ
て、ハンマーが取り付けられる棒状のハンマー取付部材
と、所定の取付位置に回動自在に取り付けられる回動取
付部材とを嵌合させることによって両者を結合した構造
となっており、前記ハンマー取付部材と前記回動取付部
材との嵌合部分の形状が、前記ハンマー取付部材の長さ
方向に垂直な断面における木理の方向を前記回動取付部
材の回動する方向に向けることにより、前記ハンマー取
付部材と前記回動取付部材とを嵌合させることができる
ようになる形状となっていることを特徴とする。
【0023】このハンマーシャンクにおける嵌合部分の
形状は、ハンマー取付部材の長さ方向に垂直な断面にお
ける木理の方向を、回動取付部材の回動する方向に向け
ることができる形状であれば、その具体的な形状につい
ては特に限定されない。例えば、ハンマー取付部に凸部
(または凹部)を設けて、この凸部に嵌合可能な凹部
(または凸部)を回動取付部材に設ければよい。なお、
ここでいう木理の方向とは、木理の線が延びる方向であ
る。
【0024】このように構成されたハンマーシャンクに
よれば、ハンマー取付部材と回動取付部材とを嵌合部分
の形状に合わせて嵌合させるだけで、ハンマー取付部材
の長さ方向に垂直な断面における木理の方向が、回動取
付部材の回動する方向に向けられるため、ハンマーシャ
ンクを組み立てる際の手間を軽減できる。
【0025】ところで、ピアノのアクション機構の一部
を構成するハンマーシャンクは、木製材料で形成されて
いるため、使用を続けているうちにねじれが発生してし
まうことがある。このようなねじれは、ハンマーシャン
クに取り付けられているハンマーを傾けてしまう要因に
なる。ハンマーhは、ハンマーフェルトの平らな面が弦
sを垂直に打撃するように取り付けられているが(図1
3(a)参照)、ハンマーhが傾いてしまうと、弦sを
垂直に打撃することができなくなり目的とする音が出な
くなってしまう(図13(b)参照)。このような場
合、従来は、ハンマーシャンクを熱することでハンマー
の傾きを矯正することが行われていた。
【0026】しかし、このような矯正方法では、ハンマ
ーシャンクを熱するための道具を用意する必要があるた
め、ハンマーの傾きを矯正する作業を容易に行うことが
できない。また、ハンマーの傾きを矯正した後であって
も、時間の経過と共にハンマーシャンクがねじれた状態
に戻ってしまい、再度ハンマーが傾いてしまうことがあ
った。
【0027】また、例えば、実開昭55−77284号
公報に記載のハンマーシャンクのように、ハンマー取付
部材と回動取付部材とを別体に構成したハンマーシャン
クであれば、ハンマー取付部材と回動取付部材との結合
を解除し、ハンマーの傾きを直した後に再度ハンマー取
付部材と回動取付部材とを結合するといった方法でハン
マーの傾きを矯正することも考えられる。しかし、上述
のハンマーシャンクは、ハンマー取付部材と回動取付部
材とがネジ止めによって結合されているため、ネジ止め
位置にネジ穴が形成されてしまい、ハンマーの僅かな傾
きを矯正する場合には、形成済のネジ穴付近でネジ止め
しなければならず、ハンマー取付部材に充分にネジをね
じ込むことができない恐れがある。このことから、上述
のハンマーシャンクは、ハンマーの傾きを容易に矯正す
ることができなかった。
【0028】そこで、請求項8に記載のハンマーシャン
クのように、グランドピアノのアクション機構の一部を
構成するハンマーシャンクであって、ハンマーが取り付
けられる棒状のハンマー取付部材と、所定の取付位置に
回動自在に取り付けられる回動取付部材とが、筒状の結
合部材によって結合されてなり、前記回動取付部材が、
前記ハンマー取付部材を嵌合可能な第1筒状部と、該第
1筒状部の外周面に設けられた雄ねじ部と、前記第1筒
状部から該第1筒状部の長さ方向に延出する第2筒状部
とを備え、前記結合部材が、該結合部材の内周面に設け
られた雌ねじ部およびテーパ部を備えており、前記回動
取付部材の前記雄ねじ部と、前記結合部材の前記雌ねじ
部とを螺合させて、前記結合部材を前記回動取付部材に
接近させることに伴い、前記結合部材の前記テーパ部
が、前記回動取付部材の前記第2筒状部を介して前記ハ
ンマー取付部材を押圧することによって、前記ハンマー
取付部材と前記回動取付部材とが結合されているとよ
い。
【0029】このように構成されたハンマーシャンクに
よれば、雄ねじ部と雌ねじ部の螺合箇所においてねじが
ゆるむ方向へ結合部材を回転させると、結合部材のテー
パ部から第2筒状部を介してハンマー取付部材に作用す
る押圧力が弱まるので、ハンマー取付部材と回動取付部
材との相対的な位置関係を任意に変更できる状態にな
る。また、ハンマー取付部材と回動取付部材との相対的
な位置関係を最適化した後は、雄ねじ部と雌ねじ部の螺
合箇所においてねじが締まる方向へ結合部材を回転させ
ると、結合部材のテーパ部から第2筒状部を介してハン
マー取付部材に作用する押圧力が強まるので、ハンマー
取付部材と回動取付部材との相対的な位置関係が固定さ
れる。したがって、ハンマーシャンクにねじれが発生し
て、ハンマーが傾いてしまった場合でも、結合部材を回
転させるという簡単な操作によって、ハンマー取付部材
と回動取付部材との相対的な位置関係を調節し、ハンマ
ーの傾きを容易に矯正することができる。
【0030】また、ハンマー取付部材の外周面は、第2
筒状部の内周面全体で押圧されるため、ハンマー取付部
材に第2筒状部が食い込みにくく、ハンマー取付部材の
損傷を防止できる。これによって、ハンマー取付部材と
回動取付部材との結合および結合解除を繰り返した後で
も、両者をネジ止めする場合のネジ穴のように大きな損
傷が残らないため、ネジ止めする場合よりも両者を高い
取付強度で結合することができる。
【0031】また、請求項9に記載のハンマーシャンク
は、前記回動取付部材の前記第2筒状部にスリットが設
けられており、該スリットの幅を狭める、または、拡げ
るように前記第2筒状部を変形させることにより、該第
2筒状部の外径を変更可能に構成されていることを特徴
とする。
【0032】このように構成されたハンマーシャンクに
よれば、第2筒状部に設けられたスリットの幅を狭め
る、または、拡げるだけで、スリットが設けられていな
い場合よりも容易に第2筒状部の外径を変更することが
できる。そのため、回動取付部材の雄ねじ部と結合部材
の雌ねじ部とを螺合させる際、結合部材のテーパ部によ
り押圧される第2筒状部の外径が容易に変形するため、
スリットが設けられていない場合よりもハンマー取付部
材と回動取付部材とを容易に結合させることができる。
【0033】また、請求項10に記載のハンマーシャン
クは、前記回動取付部材の前記第2筒状部が、前記第1
筒状部とは別体の部材によって形成されていることを特
徴とする。
【0034】このように構成されたハンマーシャンクに
よれば、第2筒状部が、第1筒状部とは別体の部材によ
って形成されているため、第2筒状部を第1筒状部とは
異なる材料で形成することができる。これによって、例
えば、ハンマー取付部材の第2筒状部により押圧される
位置の損傷を防止するために第1筒状部よりも柔らかい
材料で第2筒状部を形成するといったことが可能にな
る。
【0035】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
例を挙げて説明する。 [第1実施形態]ハンマーシャンク10は、グランドピ
アノのアクション機構の一部を構成するものであって、
図1に示すように、一端側(図1における左側)にハン
マー100が取り付けられて、他端側(図1における右
側)がハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取
り付けられるものである。こうしてハンマーシャンク1
0は、ハンマーシャンクフレンジ200に取り付けられ
た他端側を中心に回動可能となる(図1における矢印参
照)。
【0036】このハンマーシャンク10は、ハンマー1
00が取り付けられる棒状のハンマー取付部材11と、
ハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取り付け
られる二股形状の回動取付部材12とが結合されてなる
ものである。回動取付部材12には、図2に示したよう
に、貫通穴13が設けられており、この貫通穴13の全
長にわたってハンマー取付部材11が通された状態で、
ハンマー取付部材11と回動取付部材12とが結合され
ている。
【0037】また、ハンマー取付部材11には、貫通穴
13に通された側の端面にネジ14がねじ込まれてお
り、このネジ14がハンマー取付部材11の外径を拡大
させる方向へ作用する押圧力を発生させている。これに
よって、ハンマー取付部材11の外周面は貫通穴13の
内周面に圧接している。
【0038】このように構成されたハンマーシャンク1
0によれば、ハンマー取付部材11と回動取付部材12
とが、回動取付部材12を貫通している貫通穴13の全
長にわたってハンマー取付部材11が通された状態で結
合される。そのため、ハンマー取付部材の嵌合する嵌合
穴が貫通していない構成に比べて、ハンマー取付部材1
1と回動取付部材12との接触面積が大きくなり、摩擦
抵抗も大きくなる。よって、回動取付部材12の形状を
大きく変更することなく、ハンマー取付部材11と回動
取付部材12との取付強度を高くすることができる。
【0039】また、ハンマー取付部材11の端面にねじ
込まれたネジ14によって、ハンマー取付部材11の外
周面を貫通穴13の内周面に圧接させている。そのた
め、ハンマー取付部材11が貫通穴13から外れにくく
なり、ハンマー取付部材11と回動取付部材12との取
付強度をより高くすることができる。
【0040】なお、以上説明したハンマーシャンク10
においては、ネジ14によって、ハンマー取付部材11
の外径が拡大する方向へ作用する押圧力を発生させるよ
うに構成されているが、ネジ14以外に、例えば、釘な
どを打ち込むように構成した場合でも同様の作用、効果
を得ることができる。
【0041】[第2実施形態]ハンマーシャンク20
は、グランドピアノのアクション機構の一部を構成する
ものであって、図3に示すように、一端側(図3におけ
る左側)にハンマー100が取り付けられて、他端側
(図3における右側)がハンマーシャンクフレンジ20
0に回動自在に取り付けられるものである。こうしてハ
ンマーシャンク20は、ハンマーシャンクフレンジ20
0に取り付けられた他端側を中心に回動可能となる(図
3における矢印参照)。
【0042】このハンマーシャンク20は、ハンマー1
00が取り付けられる棒状のハンマー取付部材21と、
ハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取り付け
られる二股形状の回動取付部材22とが結合されてなる
ものである。回動取付部材22には、図4に示したよう
に、ハンマーシャンク20の一端側(図4における左
側)から他端側(図4における右側)に向かって、テー
パ状に拡がっている貫通穴23が設けられており、この
貫通穴23の全長にわたってハンマー取付部材21が通
されている。そして、ハンマー取付部材21の外周面と
貫通穴23の内周面との間には、リング状のくさび部材
25が打ち込まれており、これによって、ハンマー取付
部材21と回動取付部材22とが結合されている。
【0043】このくさび部材25は、図5に示したよう
に、スリット25aが設けられており、このスリット2
5aの幅を狭める、または、拡げるように変形させるこ
とによって、外径を変更可能に構成されている。また、
このくさび部材25は、貫通穴23の内周面に合わせ
て、外周面がテーパ状に形成されている。
【0044】また、回動取付部材22には、ハンマーシ
ャンク20の他端側から一端側に向けてネジ(本発明に
おける抜け防止部材)24が貫通穴23周辺にねじ込ま
れており、このネジ24の頭部分がくさび部材25に当
接していることによって、くさび部材25がハンマー取
付部材21の外周面と貫通穴23の内周面との間から抜
けることを防止している。なお、回動取付部材22に
は、貫通穴23周辺にネジ24をねじ込めるように、上
方に突出した突出部26が設けられている。
【0045】このように構成されたハンマーシャンク2
0によれば、第1実施形態におけるハンマーシャンク1
0と同様に、回動取付部材22の形状を大きく変更する
ことなく、ハンマー取付部材21と回動取付部材22と
の取付強度を高くすることができる。
【0046】また、くさび部材25により貫通穴23の
内周面およびハンマー取付部材21の外周面が押圧され
ることによって、ハンマー取付部材21と回動取付部材
22とが結合されている。そのため、ハンマー取付部材
21が貫通穴23から外れにくくなり、ハンマー取付部
材21と回動取付部材22との取付強度をより高くする
ことができる。
【0047】また、貫通穴23周辺にねじ込まれたネジ
24によって、ハンマー取付部材21の外周面と貫通穴
23の内周面との間からくさび部材25が抜けることを
防止している。そのため、くさび部材25がハンマー取
付部材21と回動取付部材22との間から抜けてしまう
ことによって、ハンマー取付部材21と回動取付部材2
2との結合が解除されてしまうといったことを防止でき
る。
【0048】また、貫通穴23がテーパ状に形成されて
いるため、ハンマーシャンク20の組立時に、貫通穴2
3の内周面がハンマー取付部材21を通す際の妨げにな
りにくく、ハンマー取付部材21を容易に貫通穴23に
通すことができる。さらに、くさび部材25がリンク状
に形成されているため、ハンマー取付部材21を包み込
むように均等にハンマー取付部材21の外周面を押圧す
ると共に、貫通穴23の内周面を均等に押圧することが
できる。そのため、ハンマー取付部材21と回動取付部
材22とを結合させる際に、ハンマー取付部材21が貫
通穴23の中心軸上からずれるといったことが起こりに
くく、ハンマー取付部材21を貫通穴23の中心軸上に
正しく位置させた状態で、ハンマー取付部材21と回動
取付部材22とを結合させることができる。
【0049】また、くさび部材25に設けられたスリッ
ト25aの幅を狭める、または、拡げるだけで、スリッ
ト25aが設けられていない場合よりも容易にくさび部
材25の外径を変更することができる。そのため、くさ
び部材25が、貫通穴23の内周面とハンマー取付部材
21の外周面との間にぴったりと打ち込むことができな
いような外径となっていた場合でも、貫通穴23の内周
面とハンマー取付部材21の外周面との隙間に合わせて
外径を変更しながらくさび部材25を打ち込むことがで
きる。
【0050】なお、以上説明したハンマーシャンク20
においては、貫通穴23周辺にねじ込まれたネジ24に
よって、ハンマー取付部材21の外周面と貫通穴23の
内周面との間からくさび部材25が抜けることを防止す
るように構成されている。しかし、くさび部材25が抜
けることを防止するために、例えば、釘などを貫通穴2
3周辺に打ち込んで、この釘の頭部分をくさび部材25
に当接させておくことによって、くさび部材25がハン
マー取付部材21の外周面と貫通穴23の内周面との間
から抜けることを防止するように構成してもよい。この
ように構成した場合でも同様の作用、効果を得ることが
できる。
【0051】[第3実施形態]ハンマーシャンク30
は、第1実施形態におけるハンマーシャンク10と同様
に、一端側(図1における左側)にハンマー100が取
り付けられて、他端側(図1における右側)がハンマー
シャンクフレンジ200に回動自在に取り付けられるも
のである。
【0052】このハンマーシャンク30は、図1に示し
たように、ハンマー100が取り付けられる棒状のハン
マー取付部材31と、ハンマーシャンクフレンジ200
に回動自在に取り付けられる回動取付部材32とを嵌合
させることによって両者を結合した構造となっている。
【0053】ハンマー取付部材31は、図6に示したよ
うに、長さ方向に垂直な断面における木理の方向が同一
方向に揃えられている木製材料によって形成されてい
る。なお、ここでいう木理の方向とは、木理の線が延び
る方向である(図6における矢印a参照)。また、この
ハンマー取付部材31の端部には、切り欠き31aとし
て木理の方向と垂直な平面が形成されている。
【0054】また、回動取付部材32には、図7に示し
たように、貫通穴33が設けられており、この貫通穴3
3の内周側には、ハンマー取付部材31の切り欠き31
aと嵌合する凸部33aが形成されている。そして、こ
の貫通穴33の全長にわたってハンマー取付部材31が
通された状態で、切り欠き31aと凸部33aとが嵌合
することによって、ハンマー取付部材31と回動取付部
材32とが結合されている。ここで、ハンマー取付部材
31の切り欠き31aおよび回動取付部材32の凸部3
3aは、ハンマー取付部材31の長さ方向に垂直な断面
における木理の方向をハンマーシャンク30の回動する
方向(図6における矢印b参照)を向けた状態で、ハン
マー取付部材31と回動取付部材32とを嵌合させるこ
とができる形状となっている。
【0055】このように構成されたハンマーシャンク3
0によれば、第1実施形態におけるハンマーシャンク1
0および第2実施形態におけるハンマーシャンク20と
同様に、回動取付部材22の形状を大きく変更すること
なく、ハンマー取付部材31と回動取付部材32との取
付強度を高くすることができる。
【0056】また、ハンマー取付部材31と回動取付部
材32とを嵌合部分の形状に合わせて嵌合させるだけ
で、ハンマー取付部材31の長さ方向に垂直な断面にお
ける木理の方向が、回動取付部材32の回動する方向に
向けられるため、ハンマーシャンク30を組み立てる際
の手間を軽減できる。
【0057】なお、以上説明したハンマーシャンク30
においては、木理の方向と垂直な平面が切り欠き31a
として形成されており、この切り欠き31aと嵌合する
凸部33aが貫通穴33の内周側に形成されている。し
かし、この切り欠きと凸部の形状は、ハンマー取付部材
31の長さ方向に垂直な断面における木理の方向をハン
マーシャンク30の回動する方向を向けた状態で、ハン
マー取付部材31と回動取付部材32とを結合すること
ができるような形状であれば、上述した以外の形状とな
っていてもよい。例えば、図8(a)に示したように、
ハンマー取付部材31の先端側に向けて細くなるような
傾斜面31bを形成して、この傾斜面31bと嵌合する
凸部を貫通穴33の内周側に形成してもよい。また、図
8(b)、図8(c)に示したように、木理の方向と平
行な溝31c、または、垂直な溝31dをハンマー取付
部材31の端面に形成し、この溝31c、31dと嵌合
する凸部を貫通穴33の内周側に形成してもよい。
【0058】[第4実施形態]ハンマーシャンク40
は、グランドピアノのアクション機構の一部を構成する
ものであって、図9に示すように、一端側(図9におけ
る左側)にハンマー100が取り付けられて、他端側
(図9における右側)がハンマーシャンクフレンジ20
0に回動自在に取り付けられるものである。こうしてハ
ンマーシャンク40は、ハンマーシャンクフレンジ20
0に取り付けられた他端側を中心に回動可能となる(図
9における矢印参照)。
【0059】このハンマーシャンク40は、ハンマー1
00が取り付けられる棒状のハンマー取付部材41と、
ハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取り付け
られる二股形状の回動取付部材42とが、円筒状の結合
部材47によって結合されたものである。
【0060】回動取付部材42は、図10に示したよう
に、貫通穴43、貫通穴43を延長する方向に延出して
いて、ハンマー取付部材41を嵌合可能な第1筒状部4
2a、第1筒状部42aの外周面に設けられた雄ねじ部
42b、第1筒状部42aから第1筒状部42aの長さ
方向に延出する第2筒状部42cなどを備えている。
【0061】また、結合部材47は、結合部材47の内
周面に設けられた雌ねじ部47aおよびテーパ部47b
を備えている。また、第2筒状部42cには、図11に
示したように、スリット42dが4箇所に設けられてお
り、このスリット42dの幅を狭める、または、拡げる
ように変形させることによって、外径を変更可能に構成
されている。
【0062】このハンマーシャンク40は、図10
(a)に示したように、ハンマー取付部材41を、結合
部材47に通し、回動取付部材42に備えられている貫
通穴43の全長にわたって通した後、回動取付部材42
の雄ねじ部42bと、結合部材47の雌ねじ部47aと
を螺合させて、結合部材47を回動取付部材42に接近
させることによって、結合部材47のテーパ部47b
が、図10(b)に示したように、回動取付部材42の
第2筒状部42cを介してハンマー取付部材41を押圧
する。こうして、ハンマー取付部材41と回動取付部材
42とが結合される。
【0063】このように構成されたハンマーシャンク4
0によれば、雄ねじ部42bと雌ねじ部47aの螺合箇
所においてねじがゆるむ方向へ結合部材47を回転させ
ると、結合部材47のテーパ部47bから第2筒状部4
2cを介してハンマー取付部材41に作用する押圧力が
弱まるので、ハンマー取付部材41と回動取付部材42
との相対的な位置関係を任意に変更できる状態になる。
また、ハンマー取付部材41と回動取付部材42との相
対的な位置関係を最適化した後は、雄ねじ部42bと雌
ねじ部47aの螺合箇所においてねじが締まる方向へ結
合部材47を回転させると、結合部材47のテーパ部4
7bから第2筒状部42cを介してハンマー取付部材4
1に作用する押圧力が強まるので、ハンマー取付部材4
1と回動取付部材42との相対的な位置関係が固定され
る。したがって、ハンマーシャンク40にねじれが発生
して、ハンマー100が傾いてしまった場合でも、結合
部材47を回転させるという簡単な操作によって、ハン
マー取付部材41と回動取付部材42との相対的な位置
関係を調節し、ハンマー100の傾きを容易に矯正する
ことができる。
【0064】また、ハンマー取付部材41の外周面は、
第2筒状部42cの内周面全体で押圧されるため、ハン
マー取付部材41に第2筒状部42cが食い込みにく
く、ハンマー取付部材41の損傷を防止できる。これに
よって、ハンマー取付部材41と回動取付部材42との
結合および結合解除を繰り返した後でも、両者をネジ止
めする場合のネジ穴のように大きな損傷が残らないた
め、ネジ止めする場合よりも両者を高い取付強度で結合
することができる。
【0065】また、第2筒状部42cに設けられたスリ
ット42dの幅を狭める、または、拡げるだけで、スリ
ットが設けられていない場合よりも容易に第2筒状部4
2cの外径を変更することができる。そのため、回動取
付部材42の雄ねじ部42bと結合部材47の雌ねじ部
47aとを螺合させる際、結合部材47のテーパ部47
bにより押圧される第2筒状部42cの外径が容易に変
形するため、スリット42dが設けられていない場合よ
りも容易にハンマー取付部材41と回動取付部材42と
を結合させることができる。
【0066】なお、以上説明したハンマーシャンク40
においては、第2筒状部42cが、第1筒状部42aと
一体に構成されている。しかし、この第2筒状部42c
を第1筒状部42aと別体に構成してもよい。このよう
に構成すれば、第2筒状部42cを第1筒状部42aと
は異なる材料で形成することができる。これによって、
例えば、ハンマー取付部材41の第2筒状部42cによ
り押圧される位置の損傷を防止するために第1筒状部4
2aよりも柔らかい材料で第2筒状部42cを形成する
といったことが可能になる。
【0067】[変形例]以上、本発明の実施形態につい
て説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定
されず、この他にも様々な形態で実施することができ
る。例えば、第1、第2、第3実施形態のハンマーシャ
ンク10において、ハンマー取付部材11、21、31
と回動取付部材12、22、32とを、第4実施形態の
ハンマーシャンク40と同様に、結合部材47によって
結合するように構成してもよい。このように構成すれ
ば、上述した作用、効果の他に、ハンマー取付部材1
1、21、31と回動取付部材12、22、32との結
合および結合解除を容易に行うことができるようにな
る。
【0068】[参考例]本発明における請求項7に記載
のハンマーシャンクは、グランドピアノのアクション機
構の一部を構成するものである。しかし、このようなハ
ンマーシャンクの構造は、アップライトピアノにおける
ハンマーシャンクとバットを結合するための結合構造に
採用することもできる。
【0069】具体的な例としては、アップライトピアノ
のアクション機構において、棒状のハンマーシャンクと
所定の取付位置に回動自在に取り付けられるバットとを
結合するための結合構造であって、前記ハンマーシャン
クと前記バットとの嵌合部分の形状が、前記ハンマーシ
ャンクの長さ方向に垂直な断面における木理の方向を前
記バットの回動する方向に向けることにより、前記ハン
マーシャンクと前記バットとを嵌合させることができる
ようになる形状となっている、といった結合構造であ
る。
【0070】このように構成すれば、上述した請求項7
に記載のハンマーシャンクと同様に、ハンマーシャンク
とバットとを嵌合部分の形状に合わせて嵌合させるだけ
で、ハンマーシャンクの長さ方向に垂直な断面における
木理の方向が、バットの回動する方向に向けられるた
め、ハンマーシャンクとバットを結合する際の手間を軽
減させることができる。
【0071】また、請求項8から請求項10に記載のハ
ンマーシャンクは、グランドピアノのアクション機構の
一部を構成するものである。しかし、このようなハンマ
ーシャンクの構造は、アップライトピアノにおけるハン
マーシャンクとバットを結合するための結合構造に採用
することもできる。
【0072】具体的な例としては、アップライトピアノ
のアクション機構において、棒状のハンマーシャンクと
所定の取付位置に回動自在に取り付けられるバットと
を、筒状の結合部材によって結合するための結合構造で
あって、前記バットが、前記ハンマーシャンクを嵌合可
能な第1筒状部と、該第1筒状部の外周面に設けられた
雄ねじ部と、前記第1筒状部から該第1筒状部の長さ方
向に延出する第2筒状部とを備え、前記結合部材が、該
結合部材の内周面に設けられた雌ねじ部およびテーパ部
を備えており、前記バットの前記雄ねじ部と、前記結合
部材の前記雌ねじ部とを螺合させて、前記結合部材を前
記バットに接近させることに伴い、前記結合部材の前記
テーパ部が、前記バットの前記第2筒状部を介して前記
ハンマーシャンクを押圧することによって、前記ハンマ
ーシャンクと前記バットとが結合されている、といった
結合構造である。
【0073】このように構成すれば、上述した請求項8
に記載のハンマーシャンクと同様に、ハンマーシャンク
にねじれが発生して、ハンマーが傾いてしまった場合で
も、結合部材を回転させるという簡単な操作によって、
ハンマーシャンクとバットとの相対的な位置関係を調節
し、ハンマーの傾きを容易に矯正することができる。ま
た、ハンマーシャンクの外周面は、第2筒状部の内周面
全体で押圧されるため、ハンマーシャンクに第2筒状部
が食い込みにくく、ハンマーシャンクの損傷を防止でき
る。これによって、ハンマーシャンクとバットとの結合
および結合解除を繰り返した後でも、両者を高い取付強
度で結合することができる。
【0074】また、この結合構造において、前記バット
の前記第2筒状部にスリットが設けられており、該スリ
ットの幅を狭める、または、拡げるように前記第2筒状
部を変形させることにより、該第2筒状部の外径を変更
可能に構成してもよい。このように構成すれば、上述し
た請求項9に記載のハンマーシャンクと同様に、第2筒
状部に設けられたスリットの幅を狭める、または、拡げ
るだけで、スリットが設けられていない場合よりも容易
に第2筒状部の外径を変更することができる。そのた
め、バットの雄ねじ部と結合部材の雌ねじ部とを螺合さ
せる際、結合部材のテーパ部により押圧される第2筒状
部の外径が容易に変形するため、スリットが設けられて
いない場合よりもハンマーシャンクとバットとを容易に
結合させることができる。
【0075】さらに、この結合構造において、前記バッ
トの前記第2筒状部が、前記第1筒状部とは別体の部材
によって形成されていてもよい。このように構成すれ
ば、上述した請求項10に記載のハンマーシャンクと同
様に、第2筒状部を第1筒状部とは異なる材料で形成す
ることができる。これによって、例えば、ハンマーシャ
ンクの第2筒状部により押圧される位置の損傷を防止す
るために第1筒状部よりも柔らかい材料で第2筒状部を
形成するといったことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1、第3実施形態におけるハンマーシャンク
を示す斜視図
【図2】ハンマーシャンクの要部を示す縦断面図
【図3】第2実施形態におけるハンマーシャンクを示す
斜視図
【図4】ハンマーシャンクの要部を示す縦断面図
【図5】くさび部材を示す正面図(a)および側面図
(b)
【図6】第3実施形態におけるハンマーシャンクを示す
斜視図
【図7】ハンマーシャンクの要部を示す縦断面図
【図8】別の実施形態におけるハンマー取付部材を示す
斜視図
【図9】第4実施形態におけるハンマーシャンクを示す
斜視図
【図10】ハンマー取付部材と回動取付部材とを結合す
る手順を示す縦断面図
【図11】回動取付部材の第2筒状部を示す斜視図
【図12】従来のハンマーシャンクを示す斜視図
【図13】従来のハンマーシャンクにおける弦を打撃す
る様子を示す図
【符号の説明】
10・・・ハンマーシャンク、11・・・ハンマー取付
部材、12・・・回動取付部材、13・・・貫通穴、1
4・・・ネジ、20・・・ハンマーシャンク、21・・
・ハンマー取付部材、22・・・回動取付部材、23・
・・貫通穴、24・・・ネジ、25・・・くさび部材、
25a・・・スリット、26・・・突出部、30・・・
ハンマーシャンク、31・・・ハンマー取付部材、32
・・・回動取付部材、33・・・貫通穴、31a・・・
切り欠き、33a・・・凸部、40・・・ハンマーシャ
ンク、41・・・ハンマー取付部材、42・・・回動取
付部材、42a・・・第1筒状部、42b・・・雄ねじ
部、42c・・・第2筒状部、42d・・・スリット、
43・・・貫通穴、47・・・結合部材、47a・・・
雌ねじ部、47b・・・テーパ部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グランドピアノのアクション機構の一部を
    構成するハンマーシャンクであって、 ハンマーが取り付けられる棒状のハンマー取付部材と、
    所定の取付位置に回動自在に取り付けられる回動取付部
    材とが結合されてなり、 前記回動取付部材に設けられた貫通穴に、該貫通穴の全
    長にわたって前記ハンマー取付部材が通された状態で、
    前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材とが結合され
    ていることを特徴とするハンマーシャンク。
  2. 【請求項2】前記ハンマー取付部材の端面にネジをねじ
    込んで、該ネジで前記ハンマー取付部材の外径が拡大す
    る方向へ作用する押圧力を発生させることにより、前記
    ハンマー取付部材の外周面を前記貫通穴の内周面に圧接
    させてあることを特徴とする請求項1に記載のハンマー
    シャンク。
  3. 【請求項3】前記貫通穴の内周面と前記ハンマー取付部
    材の外周面との間にくさび部材を打ち込むことによっ
    て、前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材とが結合
    されていることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載のハンマーシャンク。
  4. 【請求項4】前記回動取付部材にねじ込まれるネジ部
    と、該ネジ部がねじ込まれた状態で前記くさび部材に当
    接する当接部とからなる抜け防止部材によって、前記く
    さび部材が、前記ハンマー取付部と前記回動取付部材と
    の間から抜けることを防止していることを特徴とする請
    求項3に記載のハンマーシャンク。
  5. 【請求項5】前記貫通穴がテーパ状に形成されており、
    前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材とがリング状
    の前記くさび部材によって結合されていることを特徴と
    する請求項3または請求項4に記載のハンマーシャン
    ク。
  6. 【請求項6】前記くさび部材にスリットが設けられてお
    り、該スリットの幅を狭める、または、拡げるように前
    記くさび部材を変形させることにより、該くさび部材の
    外径を変更可能に構成されていることを特徴とする請求
    項5に記載のハンマーシャンク。
  7. 【請求項7】グランドピアノのアクション機構の一部を
    構成するハンマーシャンクであって、 ハンマーが取り付けられる棒状のハンマー取付部材と、
    所定の取付位置に回動自在に取り付けられる回動取付部
    材とを嵌合させることによって両者を結合した構造とな
    っており、 前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材との嵌合部分
    の形状が、前記ハンマー取付部材の長さ方向に垂直な断
    面における木理の方向を前記回動取付部材の回動する方
    向に向けることにより、前記ハンマー取付部材と前記回
    動取付部材とを嵌合させることができるようになる形状
    となっていることを特徴とするハンマーシャンク。
  8. 【請求項8】グランドピアノのアクション機構の一部を
    構成するハンマーシャンクであって、 ハンマーが取り付けられる棒状のハンマー取付部材と、
    所定の取付位置に回動自在に取り付けられる回動取付部
    材とが、筒状の結合部材によって結合されてなり、 前記回動取付部材が、前記ハンマー取付部材を嵌合可能
    な第1筒状部と、該第1筒状部の外周面に設けられた雄
    ねじ部と、前記第1筒状部から該第1筒状部の長さ方向
    に延出する第2筒状部とを備え、 前記結合部材が、該結合部材の内周面に設けられた雌ね
    じ部およびテーパ部を備えており、 前記回動取付部材の前記雄ねじ部と、前記結合部材の前
    記雌ねじ部とを螺合させて、前記結合部材を前記回動取
    付部材に接近させることに伴い、前記結合部材の前記テ
    ーパ部が、前記回動取付部材の前記第2筒状部を介して
    前記ハンマー取付部材を押圧することによって、前記ハ
    ンマー取付部材と前記回動取付部材とが結合されている
    ことを特徴とするハンマーシャンク。
  9. 【請求項9】前記回動取付部材の前記第2筒状部にスリ
    ットが設けられており、該スリットの幅を狭める、また
    は、拡げるように前記第2筒状部を変形させることによ
    り、該第2筒状部の外径を変更可能に構成されているこ
    とを特徴とする請求項8に記載のハンマーシャンク。
  10. 【請求項10】前記回動取付部材の前記第2筒状部が、
    前記第1筒状部とは別体の部材によって形成されている
    ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のハン
    マーシャンク。
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