JP3801510B2 - ハンマーシャンク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グランドピアノのハンマーシャンクに関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、グランドピアノのアクション機構の一部を構成するハンマーシャンクは、ハンマーを取り付ける棒状のハンマー取付部材と、ハンマーシャンクフレンジに回動自在に取り付けられる二股形状の回動取付部材とが一体に形成されている。
【0003】
このようなハンマーシャンクは、ハンマー取付部材に一定の強度が要求されることから、通常は、高価な木製材料を使用して製造されており、ハンマーシャンク自体の材料費が高いという問題があった。そこで、この問題の対策として、ハンマー取付部材と回動取付部材とを別体に構成したハンマーシャンクが提案されている。例えば、実開昭55−77284号公報には、回動取付部材に設けられた所定の深さの嵌合穴にハンマー取付部材を嵌合させて、ハンマー取付部材と回動取付部材とをネジ止めにより結合したハンマーシャンクが記載されている。
【0004】
このようなハンマーシャンクによれば、ハンマー取付部材よりも高い強度を必要としない回動取付部材を、木製材料よりも安価で加工が容易な材料(例えば、樹脂材料)で製造することができる。そのため、回動取付部材に相当する材料費を抑えることができ、回動取付部材を高い加工精度で容易に製造することができた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなハンマーシャンクは、以下に示したような問題があった。
それは、ハンマー取付部材と回動取付部材との取付強度を充分に高くすることができないという問題である。上述のハンマーシャンクは、回動取付部材に設けられた所定の深さの嵌合穴にハンマー取付部材を嵌合させることによって両者を結合している。このような固定方法は、ハンマー取付部材と回動取付部材との接触面積が小さく、摩擦抵抗も小さいため、両者の取付強度を充分に高くできなかった。そのため、打鍵の衝撃や、ハンマーが弦に衝突したときの衝撃などによって、ハンマー取付部材と回動取付部材との結合部分が変形してしまったり、ハンマー取付部材と回動取付部材との結合が解除されてしまう恐れがあった。この問題を解決するためには、回動取付部材をハンマー取付部材の軸方向に延びるような形状として、ハンマー取付部材のうち回動取付部材に嵌合される長さを長くすれば、ハンマー取付部材と回動取付部材との接触面積が大きくなり、両者の取付強度を高くすることができるはずである。しかし、ハンマーシャンクは、ピアノ内部の狭い空間に数多く配列されるものであるため、回動取付部材の形状が大きく変わってしまうと、アクション機構の動作を妨げる恐れがあることから好ましくない。
【0007】
本発明は、ハンマー取付部とフレンジ取付部とが別体で構成されているハンマーシャンクにおいて、ハンマー取付部とフレンジ取付部との取付強度を従来よりも高くすることのできるハンマーシャンクを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記第1の問題を解決するため請求項1に記載のハンマーシャンクは、
ピアノのアクション機構の一部を構成するハンマーシャンクであって、
ハンマーが取り付けられる棒状のハンマー取付部材と、所定の取付位置に回動自在に取り付けられる回動取付部材とが結合されてなり、
前記回動取付部材に設けられた貫通穴に、該貫通穴の全長にわたって前記ハンマー取付部材が通された状態で、前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材とが結合されている
ことを特徴とする。
【0009】
このように構成されたハンマーシャンクによれば、ハンマー取付部材と回動取付部材とが、回動取付部材を貫通している貫通穴の全長にわたってハンマー取付部材が通された状態で結合される。そのため、ハンマー取付部材の嵌合する嵌合穴が貫通していない従来の構成に比べて、ハンマー取付部材と回動取付部材との接触面積が大きくなり、摩擦抵抗も大きくなる。よって、回動取付部材の形状を大きく変更することなく、従来よりもハンマー取付部材と回動取付部材との取付強度を高くすることができる。
【0010】
また、上述のハンマーシャンクは、さらに、前記ハンマー取付部材の端面にネジをねじ込んで、該ネジで前記ハンマー取付部材の外径が拡大する方向へ作用する押圧力を発生させることにより、前記ハンマー取付部材の外周面を前記貫通穴の内周面に圧接させてあることを特徴とする。
【0011】
このように構成されたハンマーシャンクによれば、ハンマー取付部材の端面にねじ込まれたネジが、ハンマー取付部材の外周面を貫通穴の内周面に圧接させている。そのため、ハンマー取付部材が貫通穴から外れにくくなり、ハンマー取付部材と回動取付部材との取付強度をより高くすることができる。
【0012】
なお、ハンマー取付部材の端面には、外径が拡大する方向へ作用する押圧力を発生させることができれば、ネジ以外に、例えば、釘などを打ち込むように構成してもよい。この場合であっても、上述のハンマーシャンクと同様の作用、効果を得ることができる。
【0013】
また、請求項2に記載のハンマーシャンクは、前記貫通穴の内周面と前記ハンマー取付部材の外周面との間にくさび部材を打ち込むことによって、前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材とが結合されていることを特徴とする。
【0014】
このように構成されたハンマーシャンクによれば、くさび部材により貫通穴の内周面およびハンマー取付部材の外周面が押圧されることによって、ハンマー取付部材と回動取付部材とが結合されている。そのため、ハンマー取付部材が貫通穴から外れにくくなり、ハンマー取付部材と回動取付部材との取付強度をより高くすることができる。
【0015】
また、請求項3に記載のハンマーシャンクは、前記回動取付部材にねじ込まれるネジ部と、該ネジ部がねじ込まれた状態で前記くさび部材に当接する当接部とからなる抜け防止部材によって、前記くさび部材が、前記ハンマー取付部と前記回動取付部材との間から抜けることを防止していることを特徴とする。
【0016】
このハンマーシャンクにおける抜け防止部材は、ネジ部と当接部を備えている部材であればよく、例えば、頭部分が当接部として機能するネジなどを利用することができる。
このように構成されたハンマーシャンクによれば、くさび部材がハンマー取付部と回動取付部材との間から抜けてしまうことによって、ハンマー取付部材と回動取付部材との結合が解除されてしまうといったことを防止できる。
【0017】
なお、抜け防止部材としては、くさび部材が抜けることを防止できればよく、例えば、前記回動取付部材に打ち込まれる打込部と、該打込部が打ち込まれた状態で前記くさび部材に当接する当接部とからなる抜け防止部材によって、前記くさび部材が、前記ハンマー取付部と前記回動取付部材との間から抜けることを防止するように構成してもよい。このように構成した場合でも、請求項3に記載のハンマーシャンクと同様の作用、効果を得ることができる。
【0018】
また、請求項4に記載のハンマーシャンクは、前記貫通穴がテーパ状に形成されており、前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材とがリング状の前記くさび部材によって結合されていることを特徴とする。
【0019】
このように構成されたハンマーシャンクによれば、貫通穴がテーパ状に形成されているため、ハンマーシャンクの組立時に、貫通穴の内周面がハンマー取付部材を通す際の妨げになりにくく、ハンマー取付部材を容易に貫通穴に通すことができる。さらに、くさび部材は、リンク状に形成されているため、ハンマー取付部材を包み込むように均等にハンマー取付部材の外周面を押圧すると共に、貫通穴の内周面を均等に押圧することができる。そのため、ハンマー取付部材と回動取付部材とを結合させる際に、ハンマー取付部材が貫通穴の中心軸上からずれるといったことが起こりにくく、ハンマー取付部材を貫通穴の中心軸上に正しく位置させた状態で、ハンマー取付部材と回動取付部材とを結合させることができる。
【0020】
また、請求項5に記載のハンマーシャンクは、前記くさび部材にスリットが設けられており、該スリットの幅を狭める、または、拡げるように前記くさび部材を変形させることにより、該くさび部材の外径を変更可能に構成されていることを特徴とする。
【0021】
このように構成されたハンマーシャンクによれば、くさび部材に設けられたスリットの幅を狭める、または、拡げるだけで、スリットが設けられていない場合よりも容易にくさび部材の外径を変更することができる。そのため、くさび部材が、貫通穴の内周面とハンマー取付部材の外周面との間にぴったりと打ち込むことができないような外径となっていた場合でも、貫通穴の内周面とハンマー取付部材の外周面との隙間に合わせて外径を変更しながらくさび部材を打ち込むことができる。
【0022】
ところで、ハンマーシャンクは、ハンマー取付部材81の強度を高める目的で、ハンマー取付部材81の長さ方向と垂直な断面における木理の方向(図12における矢印a参照)がハンマーシャンクの回動する方向(図12における矢印b参照)を向くように構成されている。なお、ここでいう木理の方向とは、木理の線が延びる方向である。そのため、ハンマー取付部材と回動取付部材とを別体に構成した場合であっても、ハンマー取付部材の長さ方向と垂直な断面における木理の方向をハンマーシャンクの回動する方向に向けた状態で、ハンマー取付部材と回動取付部材とを結合させる必要がある。このように木理の方向をハンマーシャンクの回動する方向に向ける作業は、作業者が、ハンマー取付部材と回動取付部材とを結合する毎に行う必要があるため、ハンマーシャンクを組み立てる際の手間を増加させてしまう。
このような問題を解決するためのハンマーシャンクとしては、グランドピアノのアクション機構の一部を構成するハンマーシャンクであって、ハンマーが取り付けられる棒状のハンマー取付部材と、所定の取付位置に回動自在に取り付けられる回動取付部材とを嵌合させることによって両者を結合した構造となっており、前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材との嵌合部分の形状が、前記ハンマー取付部材の長さ方向に垂直な断面における木理の方向を前記回動取付部材の回動する方向に向けることにより、前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材とを嵌合させることができるようになる形状となっている、ような構成が考えられる。
【0023】
このハンマーシャンクにおける嵌合部分の形状は、ハンマー取付部材の長さ方向に垂直な断面における木理の方向を、回動取付部材の回動する方向に向けることができる形状であれば、その具体的な形状については特に限定されない。例えば、ハンマー取付部に凸部(または凹部)を設けて、この凸部に嵌合可能な凹部(または凸部)を回動取付部材に設ければよい。なお、ここでいう木理の方向とは、木理の線が延びる方向である。
【0024】
このように構成されたハンマーシャンクによれば、ハンマー取付部材と回動取付部材とを嵌合部分の形状に合わせて嵌合させるだけで、ハンマー取付部材の長さ方向に垂直な断面における木理の方向が、回動取付部材の回動する方向に向けられるため、ハンマーシャンクを組み立てる際の手間を軽減できる。
【0025】
ところで、ピアノのアクション機構の一部を構成するハンマーシャンクは、木製材料で形成されているため、使用を続けているうちにねじれが発生してしまうことがある。このようなねじれは、ハンマーシャンクに取り付けられているハンマーを傾けてしまう要因になる。ハンマーhは、ハンマーフェルトの平らな面が弦sを垂直に打撃するように取り付けられているが(図13(a)参照)、ハンマーhが傾いてしまうと、弦sを垂直に打撃することができなくなり目的とする音が出なくなってしまう(図13(b)参照)。このような場合、従来は、ハンマーシャンクを熱することでハンマーの傾きを矯正することが行われていた。
【0026】
しかし、このような矯正方法では、ハンマーシャンクを熱するための道具を用意する必要があるため、ハンマーの傾きを矯正する作業を容易に行うことができない。また、ハンマーの傾きを矯正した後であっても、時間の経過と共にハンマーシャンクがねじれた状態に戻ってしまい、再度ハンマーが傾いてしまうことがあった。
【0027】
また、例えば、実開昭55−77284号公報に記載のハンマーシャンクのように、ハンマー取付部材と回動取付部材とを別体に構成したハンマーシャンクであれば、ハンマー取付部材と回動取付部材との結合を解除し、ハンマーの傾きを直した後に再度ハンマー取付部材と回動取付部材とを結合するといった方法でハンマーの傾きを矯正することも考えられる。しかし、上述のハンマーシャンクは、ハンマー取付部材と回動取付部材とがネジ止めによって結合されているため、ネジ止め位置にネジ穴が形成されてしまい、ハンマーの僅かな傾きを矯正する場合には、形成済のネジ穴付近でネジ止めしなければならず、ハンマー取付部材に充分にネジをねじ込むことができない恐れがある。このことから、上述のハンマーシャンクは、ハンマーの傾きを容易に矯正することができなかった。
【0028】
そこで、以下のように構成することが考えられる。
すなわち、グランドピアノのアクション機構の一部を構成するハンマーシャンクであって、ハンマーが取り付けられる棒状のハンマー取付部材と、所定の取付位置に回動自在に取り付けられる回動取付部材とが、筒状の結合部材によって結合されてなり、前記回動取付部材が、前記ハンマー取付部材を嵌合可能な第1筒状部と、該第1筒状部の外周面に設けられた雄ねじ部と、前記第1筒状部から該第1筒状部の長さ方向に延出する第2筒状部とを備え、前記結合部材が、該結合部材の内周面に設けられた雌ねじ部およびテーパ部を備えており、前記回動取付部材の前記雄ねじ部と、前記結合部材の前記雌ねじ部とを螺合させて、前記結合部材を前記回動取付部材に接近させることに伴い、前記結合部材の前記テーパ部が、前記回動取付部材の前記第2筒状部を介して前記ハンマー取付部材を押圧することによって、前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材とが結合されている、といった構成である。
【0029】
このように構成されたハンマーシャンクによれば、雄ねじ部と雌ねじ部の螺合箇所においてねじがゆるむ方向へ結合部材を回転させると、結合部材のテーパ部から第2筒状部を介してハンマー取付部材に作用する押圧力が弱まるので、ハンマー取付部材と回動取付部材との相対的な位置関係を任意に変更できる状態になる。また、ハンマー取付部材と回動取付部材との相対的な位置関係を最適化した後は、雄ねじ部と雌ねじ部の螺合箇所においてねじが締まる方向へ結合部材を回転させると、結合部材のテーパ部から第2筒状部を介してハンマー取付部材に作用する押圧力が強まるので、ハンマー取付部材と回動取付部材との相対的な位置関係が固定される。したがって、ハンマーシャンクにねじれが発生して、ハンマーが傾いてしまった場合でも、結合部材を回転させるという簡単な操作によって、ハンマー取付部材と回動取付部材との相対的な位置関係を調節し、ハンマーの傾きを容易に矯正することができる。
【0030】
また、ハンマー取付部材の外周面は、第2筒状部の内周面全体で押圧されるため、ハンマー取付部材に第2筒状部が食い込みにくく、ハンマー取付部材の損傷を防止できる。これによって、ハンマー取付部材と回動取付部材との結合および結合解除を繰り返した後でも、両者をネジ止めする場合のネジ穴のように大きな損傷が残らないため、ネジ止めする場合よりも両者を高い取付強度で結合することができる。
【0031】
また、上述のハンマーシャンクは、前記回動取付部材の前記第2筒状部にスリットが設けられ、該スリットの幅を狭める、または、拡げるように前記第2筒状部を変形させることにより、該第2筒状部の外径を変更可能に構成してもよい。
【0032】
このように構成されたハンマーシャンクによれば、第2筒状部に設けられたスリットの幅を狭める、または、拡げるだけで、スリットが設けられていない場合よりも容易に第2筒状部の外径を変更することができる。そのため、回動取付部材の雄ねじ部と結合部材の雌ねじ部とを螺合させる際、結合部材のテーパ部により押圧される第2筒状部の外径が容易に変形するため、スリットが設けられていない場合よりもハンマー取付部材と回動取付部材とを容易に結合させることができる。
【0033】
また、上述のハンマーシャンクは、前記回動取付部材の前記第2筒状部が、前記第1筒状部とは別体の部材によって形成されていてもよい。
【0034】
このように構成されたハンマーシャンクによれば、第2筒状部が、第1筒状部とは別体の部材によって形成されているため、第2筒状部を第1筒状部とは異なる材料で形成することができる。これによって、例えば、ハンマー取付部材の第2筒状部により押圧される位置の損傷を防止するために第1筒状部よりも柔らかい材料で第2筒状部を形成するといったことが可能になる。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について例を挙げて説明する。
[第1実施形態]
ハンマーシャンク10は、グランドピアノのアクション機構の一部を構成するものであって、図1に示すように、一端側(図1における左側)にハンマー100が取り付けられて、他端側(図1における右側)がハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取り付けられるものである。こうしてハンマーシャンク10は、ハンマーシャンクフレンジ200に取り付けられた他端側を中心に回動可能となる(図1における矢印参照)。
【0036】
このハンマーシャンク10は、ハンマー100が取り付けられる棒状のハンマー取付部材11と、ハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取り付けられる二股形状の回動取付部材12とが結合されてなるものである。
回動取付部材12には、図2に示したように、貫通穴13が設けられており、この貫通穴13の全長にわたってハンマー取付部材11が通された状態で、ハンマー取付部材11と回動取付部材12とが結合されている。
【0037】
また、ハンマー取付部材11には、貫通穴13に通された側の端面にネジ14がねじ込まれており、このネジ14がハンマー取付部材11の外径を拡大させる方向へ作用する押圧力を発生させている。これによって、ハンマー取付部材11の外周面は貫通穴13の内周面に圧接している。
【0038】
このように構成されたハンマーシャンク10によれば、ハンマー取付部材11と回動取付部材12とが、回動取付部材12を貫通している貫通穴13の全長にわたってハンマー取付部材11が通された状態で結合される。そのため、ハンマー取付部材の嵌合する嵌合穴が貫通していない構成に比べて、ハンマー取付部材11と回動取付部材12との接触面積が大きくなり、摩擦抵抗も大きくなる。よって、回動取付部材12の形状を大きく変更することなく、ハンマー取付部材11と回動取付部材12との取付強度を高くすることができる。
【0039】
また、ハンマー取付部材11の端面にねじ込まれたネジ14によって、ハンマー取付部材11の外周面を貫通穴13の内周面に圧接させている。そのため、ハンマー取付部材11が貫通穴13から外れにくくなり、ハンマー取付部材11と回動取付部材12との取付強度をより高くすることができる。
【0040】
なお、以上説明したハンマーシャンク10においては、ネジ14によって、ハンマー取付部材11の外径が拡大する方向へ作用する押圧力を発生させるように構成されているが、ネジ14以外に、例えば、釘などを打ち込むように構成した場合でも同様の作用、効果を得ることができる。
【0041】
[第2実施形態]
ハンマーシャンク20は、グランドピアノのアクション機構の一部を構成するものであって、図3に示すように、一端側(図3における左側)にハンマー100が取り付けられて、他端側(図3における右側)がハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取り付けられるものである。こうしてハンマーシャンク20は、ハンマーシャンクフレンジ200に取り付けられた他端側を中心に回動可能となる(図3における矢印参照)。
【0042】
このハンマーシャンク20は、ハンマー100が取り付けられる棒状のハンマー取付部材21と、ハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取り付けられる二股形状の回動取付部材22とが結合されてなるものである。
回動取付部材22には、図4に示したように、ハンマーシャンク20の一端側(図4における左側)から他端側(図4における右側)に向かって、テーパ状に拡がっている貫通穴23が設けられており、この貫通穴23の全長にわたってハンマー取付部材21が通されている。そして、ハンマー取付部材21の外周面と貫通穴23の内周面との間には、リング状のくさび部材25が打ち込まれており、これによって、ハンマー取付部材21と回動取付部材22とが結合されている。
【0043】
このくさび部材25は、図5に示したように、スリット25aが設けられており、このスリット25aの幅を狭める、または、拡げるように変形させることによって、外径を変更可能に構成されている。また、このくさび部材25は、貫通穴23の内周面に合わせて、外周面がテーパ状に形成されている。
【0044】
また、回動取付部材22には、ハンマーシャンク20の他端側から一端側に向けてネジ(本発明における抜け防止部材)24が貫通穴23周辺にねじ込まれており、このネジ24の頭部分がくさび部材25に当接していることによって、くさび部材25がハンマー取付部材21の外周面と貫通穴23の内周面との間から抜けることを防止している。なお、回動取付部材22には、貫通穴23周辺にネジ24をねじ込めるように、上方に突出した突出部26が設けられている。
【0045】
このように構成されたハンマーシャンク20によれば、第1実施形態におけるハンマーシャンク10と同様に、回動取付部材22の形状を大きく変更することなく、ハンマー取付部材21と回動取付部材22との取付強度を高くすることができる。
【0046】
また、くさび部材25により貫通穴23の内周面およびハンマー取付部材21の外周面が押圧されることによって、ハンマー取付部材21と回動取付部材22とが結合されている。そのため、ハンマー取付部材21が貫通穴23から外れにくくなり、ハンマー取付部材21と回動取付部材22との取付強度をより高くすることができる。
【0047】
また、貫通穴23周辺にねじ込まれたネジ24によって、ハンマー取付部材21の外周面と貫通穴23の内周面との間からくさび部材25が抜けることを防止している。そのため、くさび部材25がハンマー取付部材21と回動取付部材22との間から抜けてしまうことによって、ハンマー取付部材21と回動取付部材22との結合が解除されてしまうといったことを防止できる。
【0048】
また、貫通穴23がテーパ状に形成されているため、ハンマーシャンク20の組立時に、貫通穴23の内周面がハンマー取付部材21を通す際の妨げになりにくく、ハンマー取付部材21を容易に貫通穴23に通すことができる。さらに、くさび部材25がリンク状に形成されているため、ハンマー取付部材21を包み込むように均等にハンマー取付部材21の外周面を押圧すると共に、貫通穴23の内周面を均等に押圧することができる。そのため、ハンマー取付部材21と回動取付部材22とを結合させる際に、ハンマー取付部材21が貫通穴23の中心軸上からずれるといったことが起こりにくく、ハンマー取付部材21を貫通穴23の中心軸上に正しく位置させた状態で、ハンマー取付部材21と回動取付部材22とを結合させることができる。
【0049】
また、くさび部材25に設けられたスリット25aの幅を狭める、または、拡げるだけで、スリット25aが設けられていない場合よりも容易にくさび部材25の外径を変更することができる。そのため、くさび部材25が、貫通穴23の内周面とハンマー取付部材21の外周面との間にぴったりと打ち込むことができないような外径となっていた場合でも、貫通穴23の内周面とハンマー取付部材21の外周面との隙間に合わせて外径を変更しながらくさび部材25を打ち込むことができる。
【0050】
なお、以上説明したハンマーシャンク20においては、貫通穴23周辺にねじ込まれたネジ24によって、ハンマー取付部材21の外周面と貫通穴23の内周面との間からくさび部材25が抜けることを防止するように構成されている。しかし、くさび部材25が抜けることを防止するために、例えば、釘などを貫通穴23周辺に打ち込んで、この釘の頭部分をくさび部材25に当接させておくことによって、くさび部材25がハンマー取付部材21の外周面と貫通穴23の内周面との間から抜けることを防止するように構成してもよい。このように構成した場合でも同様の作用、効果を得ることができる。
【0051】
[第3実施形態]
ハンマーシャンク30は、第1実施形態におけるハンマーシャンク10と同様に、一端側(図1における左側)にハンマー100が取り付けられて、他端側(図1における右側)がハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取り付けられるものである。
【0052】
このハンマーシャンク30は、図1に示したように、ハンマー100が取り付けられる棒状のハンマー取付部材31と、ハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取り付けられる回動取付部材32とを嵌合させることによって両者を結合した構造となっている。
【0053】
ハンマー取付部材31は、図6に示したように、長さ方向に垂直な断面における木理の方向が同一方向に揃えられている木製材料によって形成されている。なお、ここでいう木理の方向とは、木理の線が延びる方向である(図6における矢印a参照)。また、このハンマー取付部材31の端部には、切り欠き31aとして木理の方向と垂直な平面が形成されている。
【0054】
また、回動取付部材32には、図7に示したように、貫通穴33が設けられており、この貫通穴33の内周側には、ハンマー取付部材31の切り欠き31aと嵌合する凸部33aが形成されている。
そして、この貫通穴33の全長にわたってハンマー取付部材31が通された状態で、切り欠き31aと凸部33aとが嵌合することによって、ハンマー取付部材31と回動取付部材32とが結合されている。ここで、ハンマー取付部材31の切り欠き31aおよび回動取付部材32の凸部33aは、ハンマー取付部材31の長さ方向に垂直な断面における木理の方向をハンマーシャンク30の回動する方向(図6における矢印b参照)を向けた状態で、ハンマー取付部材31と回動取付部材32とを嵌合させることができる形状となっている。
【0055】
このように構成されたハンマーシャンク30によれば、第1実施形態におけるハンマーシャンク10および第2実施形態におけるハンマーシャンク20と同様に、回動取付部材22の形状を大きく変更することなく、ハンマー取付部材31と回動取付部材32との取付強度を高くすることができる。
【0056】
また、ハンマー取付部材31と回動取付部材32とを嵌合部分の形状に合わせて嵌合させるだけで、ハンマー取付部材31の長さ方向に垂直な断面における木理の方向が、回動取付部材32の回動する方向に向けられるため、ハンマーシャンク30を組み立てる際の手間を軽減できる。
【0057】
なお、以上説明したハンマーシャンク30においては、木理の方向と垂直な平面が切り欠き31aとして形成されており、この切り欠き31aと嵌合する凸部33aが貫通穴33の内周側に形成されている。しかし、この切り欠きと凸部の形状は、ハンマー取付部材31の長さ方向に垂直な断面における木理の方向をハンマーシャンク30の回動する方向を向けた状態で、ハンマー取付部材31と回動取付部材32とを結合することができるような形状であれば、上述した以外の形状となっていてもよい。例えば、図8(a)に示したように、ハンマー取付部材31の先端側に向けて細くなるような傾斜面31bを形成して、この傾斜面31bと嵌合する凸部を貫通穴33の内周側に形成してもよい。また、図8(b)、図8(c)に示したように、木理の方向と平行な溝31c、または、垂直な溝31dをハンマー取付部材31の端面に形成し、この溝31c、31dと嵌合する凸部を貫通穴33の内周側に形成してもよい。
【0058】
[第4実施形態]
ハンマーシャンク40は、グランドピアノのアクション機構の一部を構成するものであって、図9に示すように、一端側(図9における左側)にハンマー100が取り付けられて、他端側(図9における右側)がハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取り付けられるものである。こうしてハンマーシャンク40は、ハンマーシャンクフレンジ200に取り付けられた他端側を中心に回動可能となる(図9における矢印参照)。
【0059】
このハンマーシャンク40は、ハンマー100が取り付けられる棒状のハンマー取付部材41と、ハンマーシャンクフレンジ200に回動自在に取り付けられる二股形状の回動取付部材42とが、円筒状の結合部材47によって結合されたものである。
【0060】
回動取付部材42は、図10に示したように、貫通穴43、貫通穴43を延長する方向に延出していて、ハンマー取付部材41を嵌合可能な第1筒状部42a、第1筒状部42aの外周面に設けられた雄ねじ部42b、第1筒状部42aから第1筒状部42aの長さ方向に延出する第2筒状部42cなどを備えている。
【0061】
また、結合部材47は、結合部材47の内周面に設けられた雌ねじ部47aおよびテーパ部47bを備えている。
また、第2筒状部42cには、図11に示したように、スリット42dが4箇所に設けられており、このスリット42dの幅を狭める、または、拡げるように変形させることによって、外径を変更可能に構成されている。
【0062】
このハンマーシャンク40は、図10(a)に示したように、ハンマー取付部材41を、結合部材47に通し、回動取付部材42に備えられている貫通穴43の全長にわたって通した後、回動取付部材42の雄ねじ部42bと、結合部材47の雌ねじ部47aとを螺合させて、結合部材47を回動取付部材42に接近させることによって、結合部材47のテーパ部47bが、図10(b)に示したように、回動取付部材42の第2筒状部42cを介してハンマー取付部材41を押圧する。こうして、ハンマー取付部材41と回動取付部材42とが結合される。
【0063】
このように構成されたハンマーシャンク40によれば、雄ねじ部42bと雌ねじ部47aの螺合箇所においてねじがゆるむ方向へ結合部材47を回転させると、結合部材47のテーパ部47bから第2筒状部42cを介してハンマー取付部材41に作用する押圧力が弱まるので、ハンマー取付部材41と回動取付部材42との相対的な位置関係を任意に変更できる状態になる。また、ハンマー取付部材41と回動取付部材42との相対的な位置関係を最適化した後は、雄ねじ部42bと雌ねじ部47aの螺合箇所においてねじが締まる方向へ結合部材47を回転させると、結合部材47のテーパ部47bから第2筒状部42cを介してハンマー取付部材41に作用する押圧力が強まるので、ハンマー取付部材41と回動取付部材42との相対的な位置関係が固定される。したがって、ハンマーシャンク40にねじれが発生して、ハンマー100が傾いてしまった場合でも、結合部材47を回転させるという簡単な操作によって、ハンマー取付部材41と回動取付部材42との相対的な位置関係を調節し、ハンマー100の傾きを容易に矯正することができる。
【0064】
また、ハンマー取付部材41の外周面は、第2筒状部42cの内周面全体で押圧されるため、ハンマー取付部材41に第2筒状部42cが食い込みにくく、ハンマー取付部材41の損傷を防止できる。これによって、ハンマー取付部材41と回動取付部材42との結合および結合解除を繰り返した後でも、両者をネジ止めする場合のネジ穴のように大きな損傷が残らないため、ネジ止めする場合よりも両者を高い取付強度で結合することができる。
【0065】
また、第2筒状部42cに設けられたスリット42dの幅を狭める、または、拡げるだけで、スリットが設けられていない場合よりも容易に第2筒状部42cの外径を変更することができる。そのため、回動取付部材42の雄ねじ部42bと結合部材47の雌ねじ部47aとを螺合させる際、結合部材47のテーパ部47bにより押圧される第2筒状部42cの外径が容易に変形するため、スリット42dが設けられていない場合よりも容易にハンマー取付部材41と回動取付部材42とを結合させることができる。
【0066】
なお、以上説明したハンマーシャンク40においては、第2筒状部42cが、第1筒状部42aと一体に構成されている。しかし、この第2筒状部42cを第1筒状部42aと別体に構成してもよい。このように構成すれば、第2筒状部42cを第1筒状部42aとは異なる材料で形成することができる。これによって、例えば、ハンマー取付部材41の第2筒状部42cにより押圧される位置の損傷を防止するために第1筒状部42aよりも柔らかい材料で第2筒状部42cを形成するといったことが可能になる。
【0067】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、この他にも様々な形態で実施することができる。
例えば、第1、第2、第3実施形態のハンマーシャンク10において、ハンマー取付部材11、21、31と回動取付部材12、22、32とを、第4実施形態のハンマーシャンク40と同様に、結合部材47によって結合するように構成してもよい。このように構成すれば、上述した作用、効果の他に、ハンマー取付部材11、21、31と回動取付部材12、22、32との結合および結合解除を容易に行うことができるようになる。
【0068】
[参考例]
本発明における請求項7に記載のハンマーシャンクは、グランドピアノのアクション機構の一部を構成するものである。しかし、このようなハンマーシャンクの構造は、アップライトピアノにおけるハンマーシャンクとバットを結合するための結合構造に採用することもできる。
【0069】
具体的な例としては、アップライトピアノのアクション機構において、棒状のハンマーシャンクと所定の取付位置に回動自在に取り付けられるバットとを結合するための結合構造であって、前記ハンマーシャンクと前記バットとの嵌合部分の形状が、前記ハンマーシャンクの長さ方向に垂直な断面における木理の方向を前記バットの回動する方向に向けることにより、前記ハンマーシャンクと前記バットとを嵌合させることができるようになる形状となっている、といった結合構造である。
【0070】
このように構成すれば、上述した請求項7に記載のハンマーシャンクと同様に、ハンマーシャンクとバットとを嵌合部分の形状に合わせて嵌合させるだけで、ハンマーシャンクの長さ方向に垂直な断面における木理の方向が、バットの回動する方向に向けられるため、ハンマーシャンクとバットを結合する際の手間を軽減させることができる。
【0071】
また、請求項8から請求項10に記載のハンマーシャンクは、グランドピアノのアクション機構の一部を構成するものである。しかし、このようなハンマーシャンクの構造は、アップライトピアノにおけるハンマーシャンクとバットを結合するための結合構造に採用することもできる。
【0072】
具体的な例としては、アップライトピアノのアクション機構において、棒状のハンマーシャンクと所定の取付位置に回動自在に取り付けられるバットとを、筒状の結合部材によって結合するための結合構造であって、前記バットが、前記ハンマーシャンクを嵌合可能な第1筒状部と、該第1筒状部の外周面に設けられた雄ねじ部と、前記第1筒状部から該第1筒状部の長さ方向に延出する第2筒状部とを備え、前記結合部材が、該結合部材の内周面に設けられた雌ねじ部およびテーパ部を備えており、前記バットの前記雄ねじ部と、前記結合部材の前記雌ねじ部とを螺合させて、前記結合部材を前記バットに接近させることに伴い、前記結合部材の前記テーパ部が、前記バットの前記第2筒状部を介して前記ハンマーシャンクを押圧することによって、前記ハンマーシャンクと前記バットとが結合されている、といった結合構造である。
【0073】
このように構成すれば、上述した請求項8に記載のハンマーシャンクと同様に、ハンマーシャンクにねじれが発生して、ハンマーが傾いてしまった場合でも、結合部材を回転させるという簡単な操作によって、ハンマーシャンクとバットとの相対的な位置関係を調節し、ハンマーの傾きを容易に矯正することができる。また、ハンマーシャンクの外周面は、第2筒状部の内周面全体で押圧されるため、ハンマーシャンクに第2筒状部が食い込みにくく、ハンマーシャンクの損傷を防止できる。これによって、ハンマーシャンクとバットとの結合および結合解除を繰り返した後でも、両者を高い取付強度で結合することができる。
【0074】
また、この結合構造において、前記バットの前記第2筒状部にスリットが設けられており、該スリットの幅を狭める、または、拡げるように前記第2筒状部を変形させることにより、該第2筒状部の外径を変更可能に構成してもよい。
このように構成すれば、上述した請求項9に記載のハンマーシャンクと同様に、第2筒状部に設けられたスリットの幅を狭める、または、拡げるだけで、スリットが設けられていない場合よりも容易に第2筒状部の外径を変更することができる。そのため、バットの雄ねじ部と結合部材の雌ねじ部とを螺合させる際、結合部材のテーパ部により押圧される第2筒状部の外径が容易に変形するため、スリットが設けられていない場合よりもハンマーシャンクとバットとを容易に結合させることができる。
【0075】
さらに、この結合構造において、前記バットの前記第2筒状部が、前記第1筒状部とは別体の部材によって形成されていてもよい。
このように構成すれば、上述した請求項10に記載のハンマーシャンクと同様に、第2筒状部を第1筒状部とは異なる材料で形成することができる。これによって、例えば、ハンマーシャンクの第2筒状部により押圧される位置の損傷を防止するために第1筒状部よりも柔らかい材料で第2筒状部を形成するといったことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1、第3実施形態におけるハンマーシャンクを示す斜視図
【図2】ハンマーシャンクの要部を示す縦断面図
【図3】第2実施形態におけるハンマーシャンクを示す斜視図
【図4】ハンマーシャンクの要部を示す縦断面図
【図5】くさび部材を示す正面図(a)および側面図(b)
【図6】第3実施形態におけるハンマーシャンクを示す斜視図
【図7】ハンマーシャンクの要部を示す縦断面図
【図8】別の実施形態におけるハンマー取付部材を示す斜視図
【図9】第4実施形態におけるハンマーシャンクを示す斜視図
【図10】ハンマー取付部材と回動取付部材とを結合する手順を示す縦断面図
【図11】回動取付部材の第2筒状部を示す斜視図
【図12】従来のハンマーシャンクを示す斜視図
【図13】従来のハンマーシャンクにおける弦を打撃する様子を示す図
【符号の説明】
10・・・ハンマーシャンク、11・・・ハンマー取付部材、12・・・回動取付部材、13・・・貫通穴、14・・・ネジ、20・・・ハンマーシャンク、21・・・ハンマー取付部材、22・・・回動取付部材、23・・・貫通穴、24・・・ネジ、25・・・くさび部材、25a・・・スリット、26・・・突出部、30・・・ハンマーシャンク、31・・・ハンマー取付部材、32・・・回動取付部材、33・・・貫通穴、31a・・・切り欠き、33a・・・凸部、
40・・・ハンマーシャンク、41・・・ハンマー取付部材、42・・・回動取付部材、42a・・・第1筒状部、42b・・・雄ねじ部、42c・・・第2筒状部、42d・・・スリット、43・・・貫通穴、47・・・結合部材、47a・・・雌ねじ部、47b・・・テーパ部。
Claims (5)
- グランドピアノのアクション機構の一部を構成するハンマーシャンクであって、
ハンマーが取り付けられる棒状のハンマー取付部材と、所定の取付位置に回動自在に取り付けられる回動取付部材とが結合されてなり、
前記回動取付部材に設けられた貫通穴に、該貫通穴の全長にわたって前記ハンマー取付部材が通された状態で、前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材とが結合されており、
さらに、
前記ハンマー取付部材の端面にネジをねじ込んで、該ネジで前記ハンマー取付部材の外径が拡大する方向へ作用する押圧力を発生させることにより、前記ハンマー取付部材の外周面を前記貫通穴の内周面に圧接させてある
ことを特徴とするハンマーシャンク。 - 前記貫通穴の内周面と前記ハンマー取付部材の外周面との間にくさび部材を打ち込むことによって、前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材とが結合されている
ことを特徴とする請求項1に記載のハンマーシャンク。 - 前記回動取付部材にねじ込まれるネジ部と、該ネジ部がねじ込まれた状態で前記くさび部材に当接する当接部とからなる抜け防止部材によって、前記くさび部材が、前記ハンマー取付部と前記回動取付部材との間から抜けることを防止している
ことを特徴とする請求項2に記載のハンマーシャンク。 - 前記貫通穴がテーパ状に形成されており、前記ハンマー取付部材と前記回動取付部材とがリング状の前記くさび部材によって結合されている
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のハンマーシャンク。 - 前記くさび部材にスリットが設けられており、該スリットの幅を狭める、または、拡げるように前記くさび部材を変形させることにより、該くさび部材の外径を変更可能に構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のハンマーシャンク。
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