JP2003214499A - サイレントチェーンおよびその屈曲規制部材 - Google Patents

サイレントチェーンおよびその屈曲規制部材

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JP2003214499A
JP2003214499A JP2002014489A JP2002014489A JP2003214499A JP 2003214499 A JP2003214499 A JP 2003214499A JP 2002014489 A JP2002014489 A JP 2002014489A JP 2002014489 A JP2002014489 A JP 2002014489A JP 2003214499 A JP2003214499 A JP 2003214499A
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bending
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JP2002014489A
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Tomonori Okuda
智憲 奥田
Hiroyuki Takeda
弘之 武田
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BorgWarner Morse TEC Japan KK
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BorgWarner Morse TEC Japan KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力伝達効率を低下させることなく、サイレ
ントチェーンの弦振動を抑制する。 【解決手段】 一対の歯部21およびピン穴22をそれ
ぞれ有する多数のリンクプレート2を長さ方向および厚
み方向に配列して、ピン穴22に挿入した連結ピン3に
より各々枢支可能に連結してなるサイレントチェーン1
において、サイレントチェーンの背面側への屈曲を規制
するための屈曲規制部材4を設ける。屈曲規制部材4
は、チェーン幅方向に対向配置され、スプロケットに対
してガイド機能を有する一対のガイド部40と、サイレ
ントチェーンの背面側に配設され、各ガイド部40を連
結する連結部41と、連結部41からチェーン長手方向
に延びるとともに、サイレントチェーンの背面側への屈
曲時にリンクプレート2の背面2aが当接し得る板ばね
部42とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイレントチェー
ンに関し、詳細には、サイレントチェーンの弦振動を抑
制するための制振構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】一般に、サイレントチェ
ーンは、各々一対の歯部およびピン穴を有する多数のリ
ンクプレートを長さ方向および厚み方向に積層して、こ
れらを連結ピンにより枢支可能に連結することにより構
成されている。
【0003】ところで、サイレントチェーンにおいて
は、チェーンが巻き掛けられるスプロケットの歯数およ
び回転数から定まる噛合周波数が、チェーンのスパン長
およびチェーン張力から定まるチェーンの共振周波数と
一致すると、チェーンスパンが共振を起こして、チェー
ンスパンが激しく横方向に振動し、これが装置の騒音と
なっていた。
【0004】このような騒音を誘発するチェーンスパン
の振動つまり弦振動を抑制するために、従来より、サイ
レントチェーン内部にばねリンクを配置したものが用い
られている。
【0005】ばねリンクは、特開平10−54445号
公報などに示すように、全体が波形形状を有しており、
板厚方向に圧縮された状態でチェーンに組み込まれるこ
とにより、その圧縮変形にともなう弾性反発力が、隣り
合うリンクプレート間に摩擦力を作用させ、これによ
り、チェーンの屈曲抵抗が増大して、チェーンの弦振動
が抑制されるようになっている。
【0006】しかしながら、このようなばねリンクを用
いる方法では、サイレントチェーンによる動力伝達時に
おいても、常時摩擦損失(フリクションロス)が発生し
ていることになるため、動力伝達効率が低下するという
問題があった。また、ばねリンクを設けることで、ばね
リンク自体がチェーンの伝動能力に寄与しないにも拘ら
ず、チェーン全体の幅が大きくなるという欠点もあっ
た。さらに、長期間の使用中にリンクプレート同士の接
触面が摩耗する結果、弦振動に対する制振力が低下する
という問題もあった。
【0007】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
なされたもので、その目的は、動力伝達効率を低下させ
ることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる
ようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るサ
イレントチェーンは、サイレントチェーンの背面側への
屈曲時にリンクプレートの背面が当接し得る複数の板状
部材を、サイレントチェーンの背面側に設けたことを特
徴としている。
【0009】請求項1の発明によれば、運転時におい
て、共振などによりサイレントチェーンが背面側に屈曲
する際には、サイレントチェーンの背面側に配設された
板状部材にリンクプレートの背面が当接する。その結
果、リンクプレートの背面側への屈曲運動が規制される
とともに、板状部材との干渉による摺動抵抗が発生する
ので、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態に
することができる。これにより、サイレントチェーンの
弦振動を抑制できる。
【0010】この場合には、サイレントチェーンの噛合
時にリンクプレートの屈曲運動を阻害することがなく、
また、板状部材を設けることでフリクションロスを発生
させることもない。これにより、サイレントチェーンの
動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェー
ンの弦振動を抑制できるようになる。
【0011】各板状部材は、請求項2の発明のように、
チェーン長手方向に延びる板ばね部を有しているのが好
ましい。この場合には、リンクプレートの背面が板状部
材に当接したときに板状部材の板ばね部が弾性変形する
ので、リンクプレートの背面に損傷を生じさせることな
く、長期間にわたってサイレントチェーンの弦振動を抑
制することが可能である。
【0012】請求項3の発明によれば、リンクプレート
がピン穴側方の肩部に張出部を有しており、張出部が、
サイレントチェーンの噛合側への屈曲時にリンクプレー
トの板状部材に当接することにより、サイレントチェー
ンの噛合側への弦振動が抑制されるようになっている。
【0013】この場合には、サイレントチェーンの背面
側のみならず噛合側への弦振動が抑制されており、これ
により、サイレントチェーンの弦振動をより効果的に抑
制できるようになる。
【0014】板状部材は、請求項4の発明のように、係
止部を介して連結ピンに係止されているのが好ましい。
さらに、係止部は、請求項5の発明のように、サイレン
トチェーンと噛み合うスプロケットに対するガイド機能
を有しているのが好ましい。この場合、係止部がガイド
リンクの代わりをすることになって、ガイドリンクが不
要となり、構造を簡略化できる。
【0015】板状部材は、請求項6の発明のように、チ
ェーン長手方向に不規則な配列で配置されていてもよ
い。ここで、板状部材が設けられた部分ではリンクプレ
ートの背面側への屈曲運動が規制されており、板状部材
が設けられていない部分ではリンクプレートの背面側へ
の屈曲運動が可能になっている。また、板状部材が設け
られた部分は、サイレントチェーンの弦振動の際の節と
して機能し、この場合、弦振動の節がチェーン長手方向
に不規則に配置されている。
【0016】したがって、請求項6の発明によれば、サ
イレントチェーンの運転中には、節で仕切られた弦の長
さ(つまりスパン長さ)がスプロケット間のチェーン部
分で非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数
および張力でサイレントチェーンを駆動した場合でも、
サイレントチェーンに共振が発生することはなくなる。
【0017】請求項7の発明に係るサイレントチェーン
は、サイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するた
めの複数の屈曲規制部材を設けたことを特徴としてい
る。この屈曲規制部材は、サイレントチェーンの最外側
においてチェーン幅方向に対向配置され、対応するスプ
ロケットに対してガイド機能を有する一対のガイド部
と、サイレントチェーンのスプロケット噛合側と逆側の
背面側において、チェーン幅方向に延びかつ各ガイド部
を連結する連結部と、連結部からチェーン長手方向に延
びるとともに、サイレントチェーンの背面側への屈曲時
にリンクプレートの背面が当接するように設けられた板
ばね部とから構成されている。
【0018】また、請求項8の発明に係るサイレントチ
ェーンは、請求項7の発明と同様に、サイレントチェー
ンの背面側への屈曲を規制するための複数の屈曲規制部
材が設けられたことを特徴としているが、ここでの屈曲
規制部材は、サイレントチェーンの最外側に配置され、
対応するスプロケットに対してガイド機能を有するガイ
ド部と、サイレントチェーンのスプロケット噛合側と逆
側の背面側において、ガイド部からチェーン長手方向に
延びるとともに、サイレントチェーンの背面側への屈曲
時にリンクプレートの背面が当接するように設けられた
板ばね部とから構成されている。
【0019】請求項7および8の発明によれば、屈曲規
制部材をサイレントチェーンの背面側に設けることによ
り、サイレントチェーンの運転時において、サイレント
チェーンが背面側に屈曲する際には、リンクプレートの
背面が屈曲規制部材の板ばね部に当接する。その結果、
リンクプレートの背面側への屈曲運動が規制されるとと
もに、板ばね部との干渉による摺動抵抗が発生するの
で、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にす
ることができる。これにより、サイレントチェーンの弦
振動を抑制できる。
【0020】この場合には、リンクプレートの噛合側へ
の屈曲運動を阻害することがなく、また、屈曲規制部材
を設けることでフリクションロスを発生させることもな
い。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を
低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑
制できるようになる。また、この場合には、ガイド部の
ガイド機能により、サイレントチェーンをスプロケット
上の所定位置に保持することができるので、ガイドリン
クが不要になる。
【0021】ここで、請求項7の発明では、屈曲規制部
材が設けられるチェーンの幅寸法に応じて連結部のチェ
ーン幅方向長さを決定する必要があるが、請求項8の発
明では、屈曲規制部材に連結部が設けられていないた
め、当該屈曲規制部材は、任意の幅寸法のチェーンに適
用可能である。
【0022】請求項9の発明によれば、リンクプレート
がピン穴側方の肩部に張出部を有しており、サイレント
チェーンの噛合側への屈曲時にリンクプレートの張出部
が屈曲規制部材の板ばね部に当接することにより、サイ
レントチェーンの噛合側への弦振動が抑制されるように
なっている。
【0023】この場合には、サイレントチェーンの背面
側のみならず噛合側への弦振動が抑制されており、これ
により、サイレントチェーンの弦振動をより効果的に抑
制できるようになる。
【0024】屈曲規制部材は、請求項10の発明のよう
に、チェーン長手方向に不規則な配列で配置されていて
もよい。この場合、屈曲規制部材が配置された部分では
リンクプレートの背面側への屈曲運動が規制されてお
り、屈曲規制部材が配置されていない部分ではリンクプ
レートの背面側への屈曲運動が規制なく行われるように
なっている。そして、屈曲規制部材が配置された部分
は、サイレントチェーンの弦振動の際の節として機能
し、この場合、弦振動の節がチェーン長手方向に不規則
に配置されている。
【0025】したがって、請求項10の発明によれば、
サイレントチェーンの運転中には、節で仕切られた弦の
長さ(つまりスパン長さ)がスプロケット間のチェーン
部分で非周期的に変化する。これにより、いかなる回転
数および張力でサイレントチェーンを駆動した場合で
も、サイレントチェーンに共振が発生することはなくな
る。
【0026】請求項11の発明では、屈曲規制部材のガ
イド部が、一対のピン穴と、各ピン穴に通じる一対の切
欠きとを有しており、連結ピンの端部が切欠きを通って
ピン穴に係合することにより、屈曲規制部材がサイレン
トチェーンに取り付けられるようになっている。これに
より、屈曲部材のチェーンへの取付けを容易に行えるよ
うになる。
【0027】請求項12の発明では、円周方向に延びる
周溝が連結ピンの端部近傍に形成されており、ガイド部
のピン穴が周溝に係合するようになっている。これによ
り、連結ピンの端部をかしめることなく、連結ピンの抜
け止めを行うことができる。
【0028】請求項13の発明に係るサイレントチェー
ン用屈曲規制部材は、サイレントチェーンの背面側への
屈曲を規制するための屈曲規制部材であって、サイレン
トチェーンの最外側においてチェーン幅方向に対向配置
され、対応するスプロケットに対してガイド機能を有す
る一対のガイド部と、サイレントチェーンのスプロケッ
ト噛合側と逆側の背面側において、チェーン幅方向に延
びかつ各ガイド部を連結する連結部と、連結部からチェ
ーン長手方向に延びるとともに、サイレントチェーンの
背面側への屈曲時にリンクプレートの背面が当接するよ
うに設けられた板ばね部とを備えている。
【0029】請求項14の発明に係るサイレントチェー
ン用屈曲規制部材は、請求項13の発明と同様に、サイ
レントチェーンの背面側への屈曲を規制するための屈曲
規制部材であるが、この屈曲規制部材は、サイレントチ
ェーンの最外側に配置され、対応するスプロケットに対
してガイド機能を有するガイド部と、サイレントチェー
ンのスプロケット噛合側と逆側の背面側において、ガイ
ド部からチェーン長手方向に延びるとともに、サイレン
トチェーンの背面側への屈曲時にリンクプレートの背面
が当接するように設けられた板ばね部とを備えている。
【0030】請求項13および14の発明によれば、屈
曲規制部材をサイレントチェーンの背面側に設けること
により、サイレントチェーンの運転時において、サイレ
ントチェーンが背面側に屈曲する際には、リンクプレー
トの背面が屈曲規制部材の板ばね部に当接する。その結
果、リンクプレートの背面側への屈曲運動が規制される
とともに、板ばね部との干渉による摺動抵抗が発生する
ので、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態に
することができる。これにより、サイレントチェーンの
弦振動を抑制できる。
【0031】この場合には、リンクプレートの噛合側へ
の屈曲運動を阻害することがなく、また、屈曲規制部材
を設けることでフリクションロスを発生させることもな
い。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を
低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑
制できるようになる。また、この場合には、各ガイド部
のガイド機能により、サイレントチェーンをスプロケッ
ト上の所定位置に保持することができるので、ガイドリ
ンクが不要になる。
【0032】ここで、請求項13の発明では、チェーン
幅方向に対向する各ガイド部を連結する連結部が設けら
れるので、幅寸法が異なるチェーンごとに連結部の長さ
を異ならせた屈曲規制部材を用意する必要があるが、請
求項14の発明では、屈曲規制部材に連結部が設けられ
ていないため、当該屈曲規制部材は、任意の幅寸法のチ
ェーンに適用可能であり、より汎用性の高い屈曲規制部
材を実現できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を添付図
面に基づいて説明する。図1ないし図5は本発明の一実
施態様を説明するための図であって、図1は本発明の一
実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図、図2
はその正面部分図、図3は本発明の一実施態様による屈
曲規制部材の全体斜視図、図4および図5は屈曲規制部
材の作用効果を説明するための図である。
【0034】図1および図2に示すように、サイレント
チェーン1は、各々一対の歯部21およびピン穴22を
有する多数のリンクプレート2を長さ方向および厚み方
向に配列して、ピン穴22に挿入した連結ピン3により
各々枢支可能に連結することにより構成されている。
【0035】またサイレントチェーン1は、その背面側
への屈曲を規制するための屈曲規制部材4を有してい
る。屈曲規制部材4は、サイレントチェーン1の最外側
においてチェーン幅方向に対向配置された一対のガイド
部40と、サイレントチェーン1のスプロケット噛合側
(図2下側)と逆側の背面側において、チェーン幅方向
(図1上下方向)に延びかつ各ガイド部40を連結する
連結部41と、連結部41からチェーン長手方向(図1
左右方向)に延びるとともに、サイレントチェーン1の
背面側への屈曲時にリンクプレート2の背面2aが当接
するように設けられた、ばね性を有する板ばね部42と
から構成されている。
【0036】屈曲規制部材4の各ガイド部40は、サイ
レントチェーン1が噛み合うスプロケット(図示せず)
に対してガイド機能を有しており、このため、対向する
各ガイド部40を含むチェーン幅方向のリンク2の列が
ガイド列10であり、これとチェーン長手方向に隣り合
うリンク2の列がノンガイド列11になっている。
【0037】図3に示すように、ガイド部40は、一対
のピン穴40aと、これらのピン穴40aにそれぞれ通
じるとともに、ガイド部40の底面側に開口する一対の
切欠き40bとを有している。一方、連結ピン3は概ね
円柱状の部材であって、その両端近傍に周溝部3aを有
している。これらの周溝部3aがガイド部40の切欠き
40bを通ってピン穴40aに係合することにより、屈
曲規制部材4が連結ピン3に取り付けられるようになっ
ている。このように、ガイド部40は、スプロケットに
対するガイド機能の他に、サイレントチェーンへの係止
機能を有している。
【0038】次に、上述のように構成されたサイレント
チェーンの屈曲方向について、図4および図5を用いて
説明する。図4は、隣り合う各リンクプレート2が直線
状に配置された状態から一方のリンクプレート2が噛合
側に屈曲運動した状態を示している。図5は、隣り合う
各リンクプレート2のうちの一方のリンクプレート2が
背面側に屈曲運動した状態を示している。
【0039】図4の実線に示すように、各リンクプレー
ト2が直線状に配置された状態において、各リンクプレ
ート2の背面2aと屈曲規制部材4の板ばね部42との
間には一定の隙間cが形成されている。この状態から、
一方のリンクプレート2が噛合側に屈曲運動すると、同
図一点鎖線に示すように、該リンクプレート2はピン穴
22の中心の回りに回動するが、このとき、該リンクプ
レート2は屈曲規制部材4の板ばね部42とは干渉せ
ず、該リンクプレート2の噛合側への屈曲運動はスムー
ズに行われる。
【0040】次に、図5に示すように、一方のリンクプ
レート2が共振などにより背面側に屈曲運動した場合に
は、該リンクプレート2はピン穴22の中心の回りに回
動するが、このとき、該リンクプレート2の背面2aが
屈曲規制部材4の板ばね部42と干渉し、これにより、
リンクプレート2の背面側への屈曲運動が規制される。
このようにして、サイレントチェーンの背面側への屈曲
が規制され、板ばね部42との干渉による摺動抵抗の増
加と相俟って、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片
振状態にすることができ、その結果、サイレントチェー
ンの弦振動を抑制できる。
【0041】なお、リンクプレート2の背面2aが当接
した板ばね部42は、図5に示すように、弾性変形して
背面側に撓むので、リンクプレート2の背面2aに損傷
を生じさせることなく、長期間にわたってサイレントチ
ェーンの弦振動を抑制することが可能である。
【0042】このように本実施態様では、屈曲規制部材
を設けることでサイレントチェーンの噛合時にリンクプ
レートの屈曲運動を阻害することはなく、また、フリク
ションロスを発生させることもない。これにより、サイ
レントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、
サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
また、この場合、屈曲規制部材のガイド部がスプロケッ
トに対するガイド機能を有しているので、ガイドリンク
が不要となり、構造を簡略化できる。
【0043】なお、前記実施態様では、図4および図5
に示すように、リンクプレート2のピン穴側方の肩部2
3の外形線が、ピン穴22のほぼ同心円上に位置してい
る例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
【0044】図6および図7は、リンクプレートの変形
例を示しており、これらの図において、前記実施態様と
同一符号は同一または相当部分を示している。図6およ
び図7に示すように、各リンクプレート2′の肩部24
は、ピン穴22の同心円(図6二点鎖線参照)よりも外
側に張り出した張出部となっている。
【0045】図6に示すように、隣り合う各リンクプレ
ート2′が直線状に配置された状態から、サイレントチ
ェーンが噛合側に大きく屈曲しようとすると、図7に示
すように、リンクプレート2′の肩部24が屈曲規制部
材4の板ばね部42と干渉し、これにより、サイレント
チェーンの噛合側への弦振動が抑制される。なお、通常
の噛合いに関してはスムーズに行われるように、リンク
プレート2′の肩部24の張出量が調整されている。
【0046】この場合には、サイレントチェーンの背面
側のみならず噛合側への弦振動が抑制されており、これ
により、サイレントチェーンの弦振動をより効果的に抑
制できるようになる。
【0047】次に、図1に示すサイレントチェーンにお
いて、屈曲規制部材4がチェーン長手方向に不規則に配
置されたものを考える。この場合、当該サイレントチェ
ーンが巻き掛けられるドライブスプロケットおよびドリ
ブンスプロケット間の直線状スパンにおいて、屈曲規制
部材4の連結部41が配置されたガイド列と、板ばね部
42が配置されたリンク列との間の境界部分において、
リンクプレート2の背面側への屈曲運動つまりサイレン
トチェーン1の背面側への屈曲が規制されている。しか
も、この場合には、屈曲規制部材4がチェーン長手方向
に不規則な配列で配置されていることにより、上記各境
界部分もチェーン長手方向に不規則な配列で配置されて
いる。
【0048】したがって、チェーンの運転中には、上記
各境界部分が弦振動の際の節として機能するとともに、
これらの節で仕切られた弦の長さ(つまりスパン長さ)
が、スプロケット間のチェーン直線状スパン部分におい
て非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数お
よび張力でチェーンを駆動した場合でも、チェーンに共
振が発生するのを防止できるようになる。
【0049】次に、図8は、屈曲規制部材の変形例が採
用されたサイレントチェーンの平面部分図であり、同図
において、図1と同一符号は同一または相当部分を示し
ている。この屈曲規制部材4′は、前記実施態様の屈曲
規制部材4と似ているが、板ばね部42′の幅が前記実
施態様の板ばね部42の幅よりも小さくなっている。こ
のような板ばね部の幅の変更により、板ばね部のばね定
数を調整できる。また、板ばね部の長さや板厚を変える
ことによっても、さらには、板ばね部の材質を変えるこ
とによっても、ばね定数の変更が可能である。
【0050】次に、図9は、屈曲規制部材の別の変形例
が採用されたサイレントチェーンの平面部分図であり、
同図において、図1と同一符号は同一または相当部分を
示している。ここでは、各屈曲規制部材において、チェ
ーン幅方向に対向配置された各ガイド部40が連結部に
より相互に連結されていない。図1の屈曲規制部材4に
対応する屈曲規制部材は、チェーンの一方の側(図9下
側)Aに配置されたガイド部からチェーン長手方向に延
びる板ばね部42aを有する屈曲規制部材4aと、チェ
ーンの他方の側(同図上側)Bに配置されたガイド部か
らチェーン長手方向に延びる板ばね部42bを有する屈
曲規制部材4bとに分割されており、各屈曲規制部材4
a,4bの間には、所定の隙間eが形成されている。
【0051】この場合には、各屈曲規制部材4a,4b
が、連結部で連結されることなく、互いに別個の部材と
して設けられるので、任意の幅寸法のチェーンに適用で
き、より汎用性の高い屈曲規制部材を実現できる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、サイレン
トチェーンの背面側への屈曲時にリンクプレートの背面
が当接し得る複数の板状部材または屈曲規制部材をサイ
レントチェーンの背面側に設けるようにしたので、動力
伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの
弦振動を抑制できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様によるサイレントチェーン
の平面部分図である。
【図2】サイレントチェーン(図1)の正面部分図であ
る。
【図3】本発明の一実施態様による屈曲規制部材の全体
斜視図である。
【図4】屈曲規制部材(図3)の作用効果を説明するた
めの図である。
【図5】屈曲規制部材(図3)の作用効果を説明するた
めの図である。
【図6】リンクプレートの変形例からなるサイレントチ
ェーンの正面部分図であって、屈曲規制部材の作用効果
を説明するための図である。
【図7】リンクプレートの変形例からなるサイレントチ
ェーンの正面部分図であって、屈曲規制部材の作用効果
を説明するための図である。
【図8】屈曲規制部材の変形例を含むサイレントチェー
ンの平面部分図である。
【図9】屈曲規制部材の別の変形例を含むサイレントチ
ェーンの平面部分図である。
【符号の説明】
1: サイレントチェーン 2: リンクプレート 2a: 背面 21: 歯部 22: ピン穴 23: 肩部 24: 肩部(張出部) 3: 連結ピン 3a: 周溝 4: 屈曲規制部材 40: ガイド部 40a: ピン穴 40b: 切欠き 41: 連結部 42: 板ばね部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 弘之 三重県名張市八幡字口入野1300番50 ボー グ・ワーナー・オートモーティブ株式会社 内 Fターム(参考) 3J048 AA01 BC04 EA07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の歯部およびピン穴をそれぞれ有す
    る多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に配
    列して、前記ピン穴に挿入した連結ピンにより各々枢支
    可能に連結してなるサイレントチェーンにおいて、 サイレントチェーンのスプロケット噛合側と逆側の背面
    側には、サイレントチェーンの背面側への屈曲時に前記
    リンクプレートの背面が当接し得る複数の板状部材が設
    けられている、ことを特徴とするサイレントチェーン。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記板状部材が、チェーン長手方向に延びるとともに、
    ばね性を有する板ばね部を有している、ことを特徴とす
    るサイレントチェーン。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記リンクプレートが前記ピン穴の側方の肩部に張出部
    を有するとともに、前記張出部が、サイレントチェーン
    の噛合側への屈曲時に前記板状部材に当接し得るように
    設けられている、ことを特徴とするサイレントチェー
    ン。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、 前記板状部材が、前記連結ピンに係止される係止部を有
    している、ことを特徴とするサイレントチェーン。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記係止部が、サイレントチェーンと噛み合うスプロケ
    ットに対するガイド機能を有している、ことを特徴とす
    るサイレントチェーン。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、 前記板状部材が、チェーン長手方向に不規則な配列で配
    置されている、ことを特徴とするサイレントチェーン。
  7. 【請求項7】 一対の歯部およびピン穴をそれぞれ有す
    る多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に配
    列して、前記ピン穴に挿入した連結ピンにより各々枢支
    可能に連結してなるサイレントチェーンにおいて、 サイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するための
    複数の屈曲規制部材が設けられており、 前記各屈曲規制部材が、 サイレントチェーンの最外側においてチェーン幅方向に
    対向配置されるとともに、対応するスプロケットに対し
    てガイド機能を有する一対のガイド部と、 サイレントチェーンのスプロケット噛合側と逆側の背面
    側において、チェーン幅方向に延びかつ前記各ガイド部
    を連結する連結部と、 前記連結部からチェーン長手方向に延びるとともに、サ
    イレントチェーンの背面側への屈曲時に前記リンクプレ
    ートの背面が当接するように設けられた板ばね部とから
    構成されている、ことを特徴とするサイレントチェー
    ン。
  8. 【請求項8】 一対の歯部およびピン穴をそれぞれ有す
    る多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に配
    列して、前記ピン穴に挿入した連結ピンにより各々枢支
    可能に連結してなるサイレントチェーンにおいて、 サイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するための
    複数の屈曲規制部材が設けられており、 前記各屈曲規制部材が、 サイレントチェーンの最外側に配置されるとともに、対
    応するスプロケットに対してガイド機能を有するガイド
    部と、 サイレントチェーンのスプロケット噛合側と逆側の背面
    側において、前記ガイド部からチェーン長手方向に延び
    るとともに、サイレントチェーンの背面側への屈曲時に
    前記リンクプレートの背面が当接するように設けられた
    板ばね部とから構成されている、ことを特徴とするサイ
    レントチェーン。
  9. 【請求項9】 請求項7または8において、 前記リンクプレートが前記ピン穴の側方の肩部に張出部
    を有しており、前記リンクプレートの噛合側への屈曲運
    動時に前記張出部が前記板ばね部に当接することによ
    り、サイレントチェーンの噛合側への屈曲が規制される
    ようになっている、ことを特徴とするサイレントチェー
    ン。
  10. 【請求項10】 請求項7または8において、 前記屈曲規制部材が、チェーン長手方向に不規則な配列
    で配置されている、ことを特徴とするサイレントチェー
    ン。
  11. 【請求項11】 請求項7または8のいずれかにおい
    て、 前記ガイド部が、一対のピン穴と、前記各ピン穴に通じ
    る一対の切欠きとを有しており、前記連結ピンの端部
    は、前記切欠きを通って前記ピン穴に係合している、こ
    とを特徴とするサイレントチェーン。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 前記連結ピンの端部近傍には、円周方向に延びる周溝が
    形成されており、前記ガイド部の前記ピン穴は前記周溝
    に係合するようになっている、ことを特徴とするサイレ
    ントチェーン。
  13. 【請求項13】 一対の歯部およびピン穴をそれぞれ有
    する多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に
    配列して、前記ピン穴に挿入した連結ピンにより各々枢
    支可能に連結してなるサイレントチェーンにおいて、サ
    イレントチェーンの背面側への屈曲を規制するための屈
    曲規制部材であって、 サイレントチェーンの最外側においてチェーン幅方向に
    対向配置されるとともに、対応するスプロケットに対し
    てガイド機能を有する一対のガイド部と、 サイレントチェーンのスプロケット噛合側と逆側の背面
    側において、チェーン幅方向に延びかつ前記各ガイド部
    を連結する連結部と、 前記連結部からチェーン長手方向に延びるとともに、サ
    イレントチェーンの背面側への屈曲時に前記リンクプレ
    ートの背面が当接するように設けられた板ばね部と、を
    備えたサイレントチェーン用屈曲規制部材。
  14. 【請求項14】 一対の歯部およびピン穴をそれぞれ有
    する多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に
    配列して、前記ピン穴に挿入した連結ピンにより各々枢
    支可能に連結してなるサイレントチェーンにおいて、サ
    イレントチェーンの背面側への屈曲を規制するための屈
    曲規制部材であって、 サイレントチェーンの最外側に配置されるとともに、対
    応するスプロケットに対してガイド機能を有するガイド
    部と、 サイレントチェーンのスプロケット噛合側と逆側の背面
    側において、前記ガイド部からチェーン長手方向に延び
    るとともに、サイレントチェーンの背面側への屈曲時に
    前記リンクプレートの背面が当接するように設けられた
    板ばね部と、を備えたサイレントチェーン用屈曲規制部
    材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007192352A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Borg Warner Morse Tec Japan Kk サイレントチェーン
CN103423376A (zh) * 2013-08-26 2013-12-04 苏州长盛机电有限公司 吸震消音传动链
JP2018158332A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 水ing株式会社 チェーン
CN114110090A (zh) * 2020-08-28 2022-03-01 雅邦企业股份有限公司 内外链片无缝式接合构造

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