JP2004028154A - サイレントチェーン用リンクプレート、ガイドリンクおよび屈曲規制リンクならびにこれらを含むサイレントチェーン - Google Patents
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- F16G13/02—Driving-chains
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Abstract
【課題】動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制する。
【解決手段】サイレントチェーン1のリンクプレート2は、一対の歯部21およびピン穴22を有しており、さらに、ピン穴中心線CP の上方でリンク中心線CL 上においてリンク厚み方向に突出する突起部20を有している。サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、リンクプレート2の突起部20が、リンクプレート2と厚み方向に隣り合う各リンクプレート2′の肩部23と干渉することにより、リンクプレート2,2′の背面側への屈曲運動が規制される。一方、サイレントチェーンの噛合側への屈曲時には、リンクプレート2の突起部20はリンクプレート2′と干渉しない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【選択図】 図3
【解決手段】サイレントチェーン1のリンクプレート2は、一対の歯部21およびピン穴22を有しており、さらに、ピン穴中心線CP の上方でリンク中心線CL 上においてリンク厚み方向に突出する突起部20を有している。サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、リンクプレート2の突起部20が、リンクプレート2と厚み方向に隣り合う各リンクプレート2′の肩部23と干渉することにより、リンクプレート2,2′の背面側への屈曲運動が規制される。一方、サイレントチェーンの噛合側への屈曲時には、リンクプレート2の突起部20はリンクプレート2′と干渉しない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイレントチェーンに関し、詳細には、サイレントチェーンの弦振動を抑制するための制振構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
一般に、サイレントチェーンは、各々一対の歯部およびピン穴を有する多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に積層して、これらを連結ピンにより枢支可能に連結することにより構成されている。
【0003】
ところで、サイレントチェーンにおいては、チェーンが巻き掛けられるスプロケットの歯数および回転数から定まる噛合周波数が、チェーンのスパン長およびチェーン張力から定まるチェーンの共振周波数と一致すると、チェーンスパンが共振を起こして、チェーンスパンが激しく横方向に振動し、これが装置の騒音となっていた。
【0004】
このような騒音を誘発するチェーンスパンの振動つまり弦振動を抑制するために、従来より、サイレントチェーン内部にばねリンクを配置したものが用いられている。
【0005】
ばねリンクは、特開平10−54445号公報などに示すように、全体が波形形状を有しており、板厚方向に圧縮された状態でチェーンに組み込まれることにより、その圧縮変形にともなう弾性反発力が、隣り合うリンクプレート間に摩擦力を作用させ、これにより、チェーンの屈曲抵抗が増大して、チェーンの弦振動が抑制されるようになっている。
【0006】
しかしながら、このようなばねリンクを用いる方法では、サイレントチェーンによる動力伝達時においても、常時摩擦損失(フリクションロス)が発生していることになるため、動力伝達効率が低下するという問題があった。また、ばねリンクを設けることで、ばねリンク自体がチェーンの伝動能力に寄与しないにも拘らず、チェーン全体の幅が大きくなるという欠点もあった。さらに、長期間の使用中にリンクプレート同士の接触面が摩耗する結果、弦振動に対する制振力が低下するという問題もあった。
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るサイレントチェーン用リンクプレートは、多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に配列して、連結ピンにより各々枢支可能に連結してなるサイレントチェーンに用いられるリンクプレートであって、一対の歯部を有するリンクプレート本体と、リンクプレート本体に形成され、連結ピンを挿入するための一対のピン穴とを備えている。リンクプレート本体は、当該リンクプレートと厚み方向に隣り合うリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と干渉することによりサイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するように厚み方向に突出する突起部を有している。
【0009】
請求項1の発明によれば、運転時において、共振などによりサイレントチェーンが背面側に屈曲する際には、リンクプレートの突起部が当該リンクプレートと厚み方向に隣り合う他のリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と当接する。その結果、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が規制されるので、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0010】
この場合には、サイレントチェーンの噛合時にリンクプレートの屈曲運動を阻害することがなく、また、リンクプレートに突起部を設けることでフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0011】
請求項2の発明においては、リンクプレートの突起部が、当該リンクプレートの各ピン穴の中心を通るピン穴中心線の上方において、リンクプレート中心線上に配置されている。この場合には、当該リンクプレートと厚み方向に隣り合う一対のリンクプレートまたはガイドリンクの双方の背面側への屈曲運動を均等に規制することができる。
【0012】
請求項3の発明においては、リンクプレートの肩部が、リンクプレートのピン穴中心線と概略直交しつつ延びる平坦状の立ち上がり部を有している。この場合、サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、突起部がリンクプレートの肩部の立ち上がり部に当接することにより、サイレントチェーンの背面側への弦振動が抑制されるようになっている。
【0013】
請求項4の発明においては、突起部が、リンクプレート本体にプレス圧縮加工を施すことによりリンクプレート本体と一体に形成されている。この場合には、リンクプレートとは別個に部材を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。
【0014】
また突起部は、請求項5の発明に記載されているように、リンクプレート本体を挿通するピンにより構成されていてもよい。この場合には、リンクプレートとは別個に部材を設ける必要があるが、複数枚のリンクプレートを挿通するようにピンを設けることにより、複数枚のリンクプレートの各突起部を一本のピンから構成できるようになる。
【0015】
請求項6の発明においては、突起部を有するリンクプレートからサイレントチェーンが構成されている。
【0016】
請求項7の発明においては、突起部を有するリンクプレートが、チェーン長手方向に不規則な配列で配置されている。ここで、突起部が設けられた部分では、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が規制されており、突起部が設けられていない部分では、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が可能になっている。また、突起部が設けられた部分が、サイレントチェーンの弦振動の際の節として機能し、この場合、弦振動の節がチェーン長手方向に不規則に配置されている。
【0017】
したがって、請求項7の発明によれば、サイレントチェーンの運転中には、節で仕切られた弦の長さ(つまりスパン長さ)がスプロケット間のチェーン部分で非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数および張力でサイレントチェーンを駆動した場合でも、サイレントチェーンに共振が発生することはなくなる。
【0018】
請求項8の発明に係るサイレントチェーン用ガイドリンクは、各々一対の歯部およびピン穴を有する多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に配列して、ピン穴に挿入した連結ピンにより各々枢支可能に連結してなるサイレントチェーンに用いられ、サイレントチェーンをスプロケット上の所定位置に維持するためのガイドリンクであって、ガイドリンク本体と、ガイドリンク本体に形成され、連結ピンを挿入するための一対のピン穴とを備えている。ガイドリンク本体は、当該ガイドリンクと厚み方向に隣り合うリンクプレートの肩部と干渉することによりサイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するように厚み方向に突出する突起部を有している。
【0019】
請求項8の発明によれば、運転時において、共振などによりサイレントチェーンが背面側に屈曲する際には、ガイドリンクの突起部が当該ガイドリンクと厚み方向に隣り合うリンクプレートの肩部と当接する。その結果、リンクプレートの背面側への屈曲運動が規制されるので、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0020】
この場合には、サイレントチェーンの噛合時にリンクプレートの屈曲運動を阻害することがなく、また、ガイドリンクに突起部を設けることでフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0021】
請求項9の発明においては、ガイドリンクの突起部が、ガイドリンクの各ピン穴の中心を通るピン穴中心線の上方において、ガイドリンク中心線上に配置されている。この場合には、ガイドリンクと厚み方向に隣り合う一対のリンクプレートの双方の背面側への屈曲運動を均等に規制することができる。
【0022】
請求項10の発明においては、突起部が、ガイドリンク本体にプレス圧縮加工を施すことによりガイドリンク本体と一体に形成されている。この場合には、ガイドリンクとは別個に部材を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。
【0023】
また突起部は、請求項11の発明に記載されているように、ガイドリンク本体を挿通するピンにより構成されていてもよい。この場合には、ガイドリンクとは別個に部材を設ける必要があるが、ガイド列の複数枚のリンクプレートを挿通するようにピンを設けることにより、複数枚のリンクプレートの各突起部を一本のピンから構成できるようになる。
【0024】
請求項12の発明に係るサイレントチェーンは、突起部を有するガイドリンクを備えている。
【0025】
請求項13の発明においては、突起部を有するガイドリンクが、チェーン長手方向に不規則な配列で配置されている。ここで、突起部が設けられた部分では、リンクプレートの背面側への屈曲運動が規制されており、突起部が設けられていない部分では、リンクプレートの背面側への屈曲運動が可能になっている。また、突起部が設けられた部分が、サイレントチェーンの弦振動の際の節として機能し、この場合、弦振動の節がチェーン長手方向に不規則に配置されている。
【0026】
したがって、請求項13の発明によれば、サイレントチェーンの運転中には、節で仕切られた弦の長さ(スパン長さ)がスプロケット間のチェーン部分で非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数および張力でサイレントチェーンを駆動した場合でも、サイレントチェーンに共振が発生することはなくなる。
【0027】
請求項14の発明は、サイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するための屈曲規制リンクであって、歯部を有しないリンク本体と、リンク本体に形成され、連結ピンを挿入するための一対のピン穴とを備えている。リンク本体は、当該リンクと厚み方向に隣り合うリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と干渉することによりサイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するように厚み方向に突出する突起部を一体に有している。
【0028】
請求項14の発明によれば、運転時において、共振などによりサイレントチェーンが背面側に屈曲する際には、屈曲規制リンクの突起部が当該リンクと厚み方向に隣り合うリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と当接する。その結果、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が規制されるので、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0029】
この場合には、サイレントチェーンの噛合時にリンクプレートの屈曲運動を阻害することがなく、また、屈曲規制リンクに突起部を設けることでフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0030】
請求項15の発明においては、突起部が、リンク本体にプレス曲げ加工を施すことによりリンク本体と一体に形成されている。
【0031】
請求項16の発明においては、サイレントチェーンが、突起部を有する屈曲規制リンクを有している。
【0032】
請求項17の発明においては、突起部を有する屈曲規制リンクが、チェーン長手方向に不規則な配列で配置されている。ここで、突起部が設けられた部分では、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が規制されており、突起部が設けられていない部分では、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が可能になっている。また、突起部が設けられた部分が、サイレントチェーンの弦振動の際の節として機能し、この場合、弦振動の節がチェーン長手方向に不規則に配置されている。
【0033】
したがって、請求項17の発明によれば、サイレントチェーンの運転中には、節で仕切られた弦の長さ(スパン長さ)がスプロケット間のチェーン部分で非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数および張力でサイレントチェーンを駆動した場合でも、サイレントチェーンに共振が発生することはなくなる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
〔第1の実施態様〕
図1ないし図8は本発明の第1の実施態様を説明するための図であって、図1は本発明の第1の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図、図2はその正面部分図、図3は図1の一部拡大図、図4は突起部付きリンクプレートの正面図、図5および図6は本実施態様の作用効果を説明するための図、図7および図8は突起部の変形例を示す図であって、それぞれ図3に相当する図である。
【0035】
図1および図2に示すように、サイレントチェーン1は、各々一対の歯部21およびピン穴22を有する多数のリンクプレート2,2′を長さ方向および厚み方向に配列して、ピン穴22に挿入した連結ピン(丸ピン)3により各々枢支可能に連結することにより構成されている。最外側のリンクプレート2の外側には、サイレントチェーン1を図示しないスプロケット上の所定位置に維持するためのガイドリンク4が設けられている。ガイドリンク4は一対のピン穴42を有しており、連結ピン3の両端はこれらのピン穴42に固着されている。
【0036】
図3に示すように、リンクプレート2′は、ガイドリンク4と同じチェーン長手方向位置に配置されたガイド列2Aを構成するリンクであり、リンクプレート2は、チェーン長手方向に隣り合う各ガイド列2Aの間に配置されるリンク列(つまりノン・ガイド列)2Bを構成するリンクである。
【0037】
リンクプレート2には、厚み方向に突出する突起部20が形成されている。突起部20は、図4に示すように、ピン穴中心線CP の上方においてリンク中心線CL 上に配置されている。またリンクプレート2は、その両側部に一対の肩部23を有している。肩部23は、ピン穴中心線CP と概略直交しつつ延びる平坦状の立ち上がり部から構成されている。リンクプレート2′は、突起部20を有していない点を除いて、リンクプレート2と同一の形状を有している。なお、肩部23は、必ずしもリンクプレート2に設けられている必要はなく、少なくともリンクプレート2′に設けられていれば足りる。
【0038】
次に、上述のように構成されたサイレントチェーンの屈曲方向について、図5および図6を用いて説明する。
図5は、隣り合う各リンクプレート2,2′が直線状に配置された状態から各リンクプレート2,2′が噛合側に屈曲運動した状態を示している。図6は、各リンクプレート2,2′が背面側に屈曲運動した状態を示している。
【0039】
図5に示すように、各リンクプレート2,2′が噛合側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2,2′はピン穴22の中心の回りを回動するが、このとき、各リンクプレート2′の各肩部23は、リンクプレート2の突起部20とは干渉せず、各リンクプレート2,2′の噛合側への屈曲運動はスムーズに行われる。
【0040】
一方、図6に示すように、各リンクプレート2,2′が共振などにより背面側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2,2′はピン穴22の中心の回りを噛合方向とは逆方向に回動するが、このとき、各リンクプレート2′の各肩部23がリンクプレート2の突起部20と干渉し、これにより、各リンクプレート2,2′の背面側への屈曲運動が規制される。このようにして、サイレントチェーンの背面側への屈曲が規制され、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0041】
この場合には、リンクプレート2に突起部20を設けることで、サイレントチェーンの噛合時に各リンクプレート2,2′の屈曲運動を阻害することはなく、またフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0042】
また、この場合には、突起部20がリンクプレート2のリンク中心線上に設けられるので、リンクプレート2と厚み方向に隣り合う2枚のリンクプレート2′双方の背面側への屈曲運動を均等に規制することができる。
【0043】
さらに、この場合には、突起部20が、リンクプレート2の突起部形成側と逆側の面にポンチを圧接するプレス圧縮加工を施すことによりリンクプレート2と一体に形成されているので、リンクプレート2とは別個に部材を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。
【0044】
なお、前記実施態様では、最外側のリンクプレート2の各突起部20がいずれも各リンクプレート2′の間に配置された例を示したが(図3参照)、本発明の適用はこれに限定されない。最外側のリンクプレート2の突起部20は、隣り合う各ガイドリンク4の間に配置されるようにしてもよい。この場合、サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、各ガイドリンク4の肩部がリンクプレート2の突起部20と干渉して、リンクプレート2およびガイドリンク4の背面側への屈曲運動が規制されるようになっている。
【0045】
また、前記実施態様では、突起部20がリンク列2Bのリンクプレート2のみに設けられた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。ガイド列2Aのリンクプレート2′に同様の突起部を設けるようにしてもよい。
【0046】
さらに、前記実施態様では、突起部20がリンクプレート2と一体に成形された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図7および図8は、リンクプレートを挿通するピンによって突起部が構成された例をそれぞれ示している。
【0047】
図7に示すものでは、リンク列2Bを構成する3枚のリンクプレート2のうち、真ん中のリンクプレート2を挿通するピン25が設けられている。ピン25がリンクプレート2を挿通する位置は、突起部20の形成位置と同じである。ピン25の各端部は、最外側の各リンクプレート2の近傍まで延びている。この図7に示すピン25は、図3に示す各突起部20と実質的に同一の機能を発揮する。
【0048】
図8に示すものでは、ピン25が、ガイド列2Aを構成する2枚のリンクプレート2′を挿通している。ピン25の各端部は、各ガイドリンク4の近傍まで延びている。この場合には、サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、各リンクプレート2の各肩部がピン25と干渉し、これにより、各リンクプレート2,2′の背面側への屈曲運動が規制されるようになっている。
【0049】
なお、図7および図8のいずれの場合においても、ピン25の両端部側方には、リンクプレート2またはガイドリンク4が配置されており、これらのリンクによりピン25の抜け止めが行われるので、ピン25はこれが挿通するリンクプレート2,2′に固着されている必要はない。
【0050】
この場合には、リンクプレートとは別個にピンを設ける必要があるものの、複数枚のリンクプレートを挿通するようにピンを設けることにより、複数枚のリンクプレートの各突起部を一本のピンから構成できるようになる。
【0051】
また、前記実施態様では、突起部20を有するリンクプレート2がすべてのリンク列2Bに設けられた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。突起部20を有するリンク列2Bと、突起部20を有しないリンク列2Bとをチェーン長手方向に不規則に配置するようにしてもよい。
【0052】
この場合には、サイレントチェーンが巻き掛けられるドライブスプロケットおよびドリブンスプロケット間の直線状スパンにおいて、突起部20を有するリンク列2Bおよびその左右両側の各ガイド列2Aは背面側への屈曲運動が規制されるが、突起部20を有しないリンク列2Bおよびその左右両側の各ガイド列2Aは背面側への屈曲運動が規制されない。
【0053】
これにより、チェーンの運転中には、屈曲運動が規制されたガイド列2B部分が弦振動の際の節として機能するとともに、これらの節で仕切られた弦の長さ(つまりスパン長さ)が、スプロケット間のチェーン直線状スパン部分において非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数および張力でチェーンを駆動した場合でも、チェーンに共振が発生するのを防止できるようになる。
【0054】
〔第2の実施態様〕
図9ないし図16は本発明の第2の実施態様を説明するための図であって、図9は本発明の第2の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図、図10はその正面部分図、図11は図9の一部拡大図、図12は突起部付きガイドリンクの正面図、図13および図14は本実施態様の作用効果を説明するための図、図15および図16は突起部の変形例を示す図であって、それぞれ図11に相当する図である。これらの図において、前記第1の実施態様と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0055】
この第2の実施態様では、ガイドリンク4に突起部40が設けられている。突起部40は、図12に示すように、ピン穴中心線CP の上方においてリンク中心線CL 上に配置されている。一方、ガイド列2Aおよびリンク列2Bをそれぞれ構成する各リンクプレート2′,2に突起部は設けられていない。リンク列2Bを構成するリンクプレート2には、前記第1の実施態様と同様の肩部23が形成されている。
【0056】
次に、サイレントチェーン1の屈曲方向について、図13および図14を用いて説明する。
図13は、隣り合うガイドリンク4および各リンクプレート2′が直線状に配置された状態から各リンクプレート2′が噛合側に屈曲運動した状態を示している。図14は、各リンクプレート2′が背面側に屈曲運動した状態を示している。
【0057】
図13に示すように、各リンクプレート2′が噛合側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2′はピン穴22の中心の回りを回動するが、このとき、各リンクプレート2′の各肩部23は、ガイドリンク4の突起部40とは干渉せず、各リンクプレート2′の噛合側への屈曲運動はスムーズに行われる。
【0058】
一方、図14に示すように、各リンクプレート2′が共振などにより背面側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2′はピン穴22の中心の回りを噛合方向とは逆方向に回動するが、このとき、各リンクプレート2′の各肩部23がガイドリンク4の突起部40と干渉し、これにより、各リンクプレート2′の背面側への屈曲運動が規制される。このようにして、サイレントチェーンの背面側への屈曲が規制され、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0059】
この場合には、ガイドリンク4に突起部40を設けることで、サイレントチェーンの噛合時に各リンクプレート2,2′の屈曲運動を阻害することはなく、またフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0060】
また、この場合には、突起部40がガイドリンク4のリンク中心線上に設けられるので、ガイドリンク4と厚み方向に隣り合う2枚のリンクプレート2′双方の背面側への屈曲運動を均等に規制することができる。
【0061】
さらに、この場合には、突起部40が、ガイドリンク4の突起部形成側と逆側の面にポンチを圧接するプレス圧縮加工を施すことによりガイドリンク4と一体に形成されているので、ガイドリンク4とは別個に部材を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。
【0062】
なお、突起部40は、ガイドリンク4と別個に設けるようにしてもよい。図15および図16は、ガイドリンクを挿通するピンによって突起部が構成された例をそれぞれ示している。
【0063】
図15に示すものでは、各ガイドリンク4を挿通するピン45が各ガイドリンク4にそれぞれ設けられている。ピン45がガイドリンク4を挿通する位置は、突起部40の形成位置と同じである。ピン45の各端部は、リンクプレート2′の近傍まで延びている。この図15に示すピン45は、図11に示す各突起部40と実質的に同一の機能を発揮する。
【0064】
図16に示すものでは、ピン45が、ガイドリンク4のみならず、ガイド列2Aを構成するすべてのリンクプレート2′を挿通している。つまり、ピン45は、チェーンの幅方向全体にわたって延びている。この場合には、サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、リンク列2Bを構成するすべてのリンクプレート2の各肩部がピン45と干渉することになり、これにより、各リンクプレート2,2′の背面側への屈曲運動がより確実に規制されるようになっている。
【0065】
なお、図15および図16のいずれの場合においても、ピン45の両端部は、各ガイドリンク4に固着されている。
【0066】
この場合には、ガイドリンクとは別個にピンを設ける必要があるものの、ガイド列内のリンクプレートをも挿通するようにピンを設けることにより、ガイドリンクのみならず複数枚のリンクプレートの各突起部を一本のピンから構成できるようになる。
【0067】
また、前記実施態様では、すべてのガイドリンク4に突起部40が設けられた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。突起部40を有するガイドリンク4と、突起部40を有しないガイドリンク4とをチェーン長手方向に不規則に配置するようにしてもよい。
【0068】
この場合には、サイレントチェーンが巻き掛けられるドライブスプロケットおよびドリブンスプロケット間の直線状スパンにおいて、突起部40を有するガイド列2Aおよびその左右両側の各リンク列2Bは背面側への屈曲運動が規制されるが、突起部40を有しないガイド列2Aおよびその左右両側の各リンク列2Bは背面側への屈曲運動が規制されない。
【0069】
これにより、チェーンの運転中には、屈曲運動が規制されたガイド列2A部分が弦振動の際の節として機能するとともに、これらの節で仕切られた弦の長さ(スパン長さ)が、スプロケット間のチェーン直線状スパン部分において非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数および張力でチェーンを駆動した場合でも、チェーンに共振が発生するのを防止できるようになる。
【0070】
〔第3の実施態様〕
図17ないし図23は本発明の第3の実施態様を説明するための図であって、図17は本発明の第3の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図、図18はその正面部分図、図19は屈曲規制リンクの斜視図、図20は屈曲規制リンクの第1の変形例を示す斜視図、図21(a)は屈曲規制リンクの第2の変形例の正面図、同図(b)はその底面図、図22(a)は屈曲規制リンクの第3の変形例の正面図、同図(b)はその底面図、図23(a)は屈曲規制リンクの第4の変形例の正面図、同図(b)はその底面図である。これらの図において、前記第1または第2の実施態様と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0071】
この第3の実施態様では、リンク列2Bに屈曲規制リンク5が設けられている。屈曲規制リンク5は、図19に示すように、一対のピン穴52が形成された概略八の字状の形状を有しており、厚み方向に突出する突起部50を有している。突起部50は、リンク中心線上においてリンク上端に配置されている。突起部50は、リンク本体とともに薄板をプレス打抜き加工した後、プレス曲げ加工を施すことにより形成されている。一方、ガイド列2Aを構成するリンクプレート2′には、前記第1の実施態様と同様の肩部23が形成されている。
【0072】
この場合、各リンクプレート2′が噛合側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2′の各肩部23は、屈曲規制リンク5の突起部50とは干渉せず、各リンクプレート2′の噛合側への屈曲運動はスムーズに行われる。
【0073】
一方、各リンクプレート2′が共振などにより背面側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2′はピン穴22の中心の回りを噛合方向とは逆方向に回動するが、このとき、各リンクプレート2′の各肩部23が屈曲規制リンク5の突起部50と干渉し、これにより、各リンクプレート2′の背面側への屈曲運動が規制される。このようにして、サイレントチェーンの背面側への屈曲が規制され、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0074】
この場合には、屈曲規制リンク5を設けることで、サイレントチェーンの噛合時に各リンクプレート2′の屈曲運動を阻害することはなく、またフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0075】
また、この場合には、突起部50が屈曲規制リンク5のリンク中心線上に設けられるので、屈曲規制リンク5と厚み方向に隣り合う2枚のリンクプレート2′双方の背面側への屈曲運動を均等に規制することができる。
【0076】
屈曲規制リンク5としては、図19に示すものには限定されず、図20ないし図23に示すようなものであってもよい。
【0077】
図20に示す屈曲規制リンク5は、厚み方向に突出する一対の突起部53を有している。各突起部53は、リンク中心線に関して対称に配置されており、同様にリンク本体のプレス打抜き加工後、プレス曲げ加工を施すことにより形成されている。図21に示す屈曲規制リンク5は、リンク中央部にプレス圧縮加工を施すことにより厚み方向に断面V字状に突出する突起部54を有している。
【0078】
図22および図23に示すものでは、屈曲規制リンク5の一方の側部にそれぞれ突起部55,56を有している。突起部55は、プレス打抜き加工により形成された帯状片をリンク厚み方向に鋭角に折り曲げることにより形成されている。また突起部56は、同様の帯状片を断面V字状またはU字状に折り曲げることにより形成されている。
【0079】
図22または図23に示す屈曲規制リンク5を含むサイレントチェーンにおいては、サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、突起部55,56が、屈曲規制リンク5の突起部側において当該屈曲規制リンク5とチェーン長手方向に隣り合うリンクプレートの肩部と干渉することにより、リンクプレートの屈曲運動が規制されて、サイレントチェーンの屈曲が規制されるようになっている。
【0080】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、サイレントチェーンの背面側への屈曲時にリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と干渉することによりサイレントチェーンの背面側への屈曲を規制する突起部をリンクプレート、ガイドリンクまたは屈曲規制リンクに設けるようにしたので、動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図である。
【図2】サイレントチェーン(図1)の正面部分図である。
【図3】図1の一部拡大図である。
【図4】突起部付きリンクプレートの正面図である。
【図5】本実施態様の作用効果を説明するための図である。
【図6】本実施態様の作用効果を説明するための図である。
【図7】突起部の変形例を示す図であって、図3に相当する図である。
【図8】突起部の変形例を示す図であって、図3に相当する図である。
【図9】本発明の第2の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図である。
【図10】サイレントチェーン(図9)の正面部分図である。
【図11】図9の一部拡大図である。
【図12】突起部付きガイドリンクの正面図である。
【図13】本実施態様の作用効果を説明するための図である。
【図14】本実施態様の作用効果を説明するための図である。
【図15】突起部の変形例を示す図であって、図11に相当する図である。
【図16】突起部の変形例を示す図であって、図11に相当する図である。
【図17】本発明の第3の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図である。
【図18】サイレントチェーン(図17)の正面部分図である。
【図19】屈曲規制リンクの斜視図である。
【図20】屈曲規制リンクの第1の変形例を示す斜視図である。
【図21】(a)は屈曲規制リンクの第2の変形例の正面図、(b)はその底面図である。
【図22】(a)は屈曲規制リンクの第3の変形例の正面図、(b)はその底面図である。
【図23】(a)は屈曲規制リンクの第4の変形例の正面図、(b)はその底面図である。
【符号の説明】
1: サイレントチェーン
2,2′: リンクプレート
2A: ガイド列
2B: リンク列
20: 突起部
21: 歯部
22: ピン穴
23: 肩部
25: ピン
3: 連結ピン
4: ガイドリンク
40: 突起部
42: ピン穴
45: ピン
5: 屈曲規制リンク
50: 突起部
53〜56: 突起部
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイレントチェーンに関し、詳細には、サイレントチェーンの弦振動を抑制するための制振構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
一般に、サイレントチェーンは、各々一対の歯部およびピン穴を有する多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に積層して、これらを連結ピンにより枢支可能に連結することにより構成されている。
【0003】
ところで、サイレントチェーンにおいては、チェーンが巻き掛けられるスプロケットの歯数および回転数から定まる噛合周波数が、チェーンのスパン長およびチェーン張力から定まるチェーンの共振周波数と一致すると、チェーンスパンが共振を起こして、チェーンスパンが激しく横方向に振動し、これが装置の騒音となっていた。
【0004】
このような騒音を誘発するチェーンスパンの振動つまり弦振動を抑制するために、従来より、サイレントチェーン内部にばねリンクを配置したものが用いられている。
【0005】
ばねリンクは、特開平10−54445号公報などに示すように、全体が波形形状を有しており、板厚方向に圧縮された状態でチェーンに組み込まれることにより、その圧縮変形にともなう弾性反発力が、隣り合うリンクプレート間に摩擦力を作用させ、これにより、チェーンの屈曲抵抗が増大して、チェーンの弦振動が抑制されるようになっている。
【0006】
しかしながら、このようなばねリンクを用いる方法では、サイレントチェーンによる動力伝達時においても、常時摩擦損失(フリクションロス)が発生していることになるため、動力伝達効率が低下するという問題があった。また、ばねリンクを設けることで、ばねリンク自体がチェーンの伝動能力に寄与しないにも拘らず、チェーン全体の幅が大きくなるという欠点もあった。さらに、長期間の使用中にリンクプレート同士の接触面が摩耗する結果、弦振動に対する制振力が低下するという問題もあった。
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るサイレントチェーン用リンクプレートは、多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に配列して、連結ピンにより各々枢支可能に連結してなるサイレントチェーンに用いられるリンクプレートであって、一対の歯部を有するリンクプレート本体と、リンクプレート本体に形成され、連結ピンを挿入するための一対のピン穴とを備えている。リンクプレート本体は、当該リンクプレートと厚み方向に隣り合うリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と干渉することによりサイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するように厚み方向に突出する突起部を有している。
【0009】
請求項1の発明によれば、運転時において、共振などによりサイレントチェーンが背面側に屈曲する際には、リンクプレートの突起部が当該リンクプレートと厚み方向に隣り合う他のリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と当接する。その結果、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が規制されるので、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0010】
この場合には、サイレントチェーンの噛合時にリンクプレートの屈曲運動を阻害することがなく、また、リンクプレートに突起部を設けることでフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0011】
請求項2の発明においては、リンクプレートの突起部が、当該リンクプレートの各ピン穴の中心を通るピン穴中心線の上方において、リンクプレート中心線上に配置されている。この場合には、当該リンクプレートと厚み方向に隣り合う一対のリンクプレートまたはガイドリンクの双方の背面側への屈曲運動を均等に規制することができる。
【0012】
請求項3の発明においては、リンクプレートの肩部が、リンクプレートのピン穴中心線と概略直交しつつ延びる平坦状の立ち上がり部を有している。この場合、サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、突起部がリンクプレートの肩部の立ち上がり部に当接することにより、サイレントチェーンの背面側への弦振動が抑制されるようになっている。
【0013】
請求項4の発明においては、突起部が、リンクプレート本体にプレス圧縮加工を施すことによりリンクプレート本体と一体に形成されている。この場合には、リンクプレートとは別個に部材を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。
【0014】
また突起部は、請求項5の発明に記載されているように、リンクプレート本体を挿通するピンにより構成されていてもよい。この場合には、リンクプレートとは別個に部材を設ける必要があるが、複数枚のリンクプレートを挿通するようにピンを設けることにより、複数枚のリンクプレートの各突起部を一本のピンから構成できるようになる。
【0015】
請求項6の発明においては、突起部を有するリンクプレートからサイレントチェーンが構成されている。
【0016】
請求項7の発明においては、突起部を有するリンクプレートが、チェーン長手方向に不規則な配列で配置されている。ここで、突起部が設けられた部分では、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が規制されており、突起部が設けられていない部分では、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が可能になっている。また、突起部が設けられた部分が、サイレントチェーンの弦振動の際の節として機能し、この場合、弦振動の節がチェーン長手方向に不規則に配置されている。
【0017】
したがって、請求項7の発明によれば、サイレントチェーンの運転中には、節で仕切られた弦の長さ(つまりスパン長さ)がスプロケット間のチェーン部分で非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数および張力でサイレントチェーンを駆動した場合でも、サイレントチェーンに共振が発生することはなくなる。
【0018】
請求項8の発明に係るサイレントチェーン用ガイドリンクは、各々一対の歯部およびピン穴を有する多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に配列して、ピン穴に挿入した連結ピンにより各々枢支可能に連結してなるサイレントチェーンに用いられ、サイレントチェーンをスプロケット上の所定位置に維持するためのガイドリンクであって、ガイドリンク本体と、ガイドリンク本体に形成され、連結ピンを挿入するための一対のピン穴とを備えている。ガイドリンク本体は、当該ガイドリンクと厚み方向に隣り合うリンクプレートの肩部と干渉することによりサイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するように厚み方向に突出する突起部を有している。
【0019】
請求項8の発明によれば、運転時において、共振などによりサイレントチェーンが背面側に屈曲する際には、ガイドリンクの突起部が当該ガイドリンクと厚み方向に隣り合うリンクプレートの肩部と当接する。その結果、リンクプレートの背面側への屈曲運動が規制されるので、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0020】
この場合には、サイレントチェーンの噛合時にリンクプレートの屈曲運動を阻害することがなく、また、ガイドリンクに突起部を設けることでフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0021】
請求項9の発明においては、ガイドリンクの突起部が、ガイドリンクの各ピン穴の中心を通るピン穴中心線の上方において、ガイドリンク中心線上に配置されている。この場合には、ガイドリンクと厚み方向に隣り合う一対のリンクプレートの双方の背面側への屈曲運動を均等に規制することができる。
【0022】
請求項10の発明においては、突起部が、ガイドリンク本体にプレス圧縮加工を施すことによりガイドリンク本体と一体に形成されている。この場合には、ガイドリンクとは別個に部材を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。
【0023】
また突起部は、請求項11の発明に記載されているように、ガイドリンク本体を挿通するピンにより構成されていてもよい。この場合には、ガイドリンクとは別個に部材を設ける必要があるが、ガイド列の複数枚のリンクプレートを挿通するようにピンを設けることにより、複数枚のリンクプレートの各突起部を一本のピンから構成できるようになる。
【0024】
請求項12の発明に係るサイレントチェーンは、突起部を有するガイドリンクを備えている。
【0025】
請求項13の発明においては、突起部を有するガイドリンクが、チェーン長手方向に不規則な配列で配置されている。ここで、突起部が設けられた部分では、リンクプレートの背面側への屈曲運動が規制されており、突起部が設けられていない部分では、リンクプレートの背面側への屈曲運動が可能になっている。また、突起部が設けられた部分が、サイレントチェーンの弦振動の際の節として機能し、この場合、弦振動の節がチェーン長手方向に不規則に配置されている。
【0026】
したがって、請求項13の発明によれば、サイレントチェーンの運転中には、節で仕切られた弦の長さ(スパン長さ)がスプロケット間のチェーン部分で非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数および張力でサイレントチェーンを駆動した場合でも、サイレントチェーンに共振が発生することはなくなる。
【0027】
請求項14の発明は、サイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するための屈曲規制リンクであって、歯部を有しないリンク本体と、リンク本体に形成され、連結ピンを挿入するための一対のピン穴とを備えている。リンク本体は、当該リンクと厚み方向に隣り合うリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と干渉することによりサイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するように厚み方向に突出する突起部を一体に有している。
【0028】
請求項14の発明によれば、運転時において、共振などによりサイレントチェーンが背面側に屈曲する際には、屈曲規制リンクの突起部が当該リンクと厚み方向に隣り合うリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と当接する。その結果、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が規制されるので、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0029】
この場合には、サイレントチェーンの噛合時にリンクプレートの屈曲運動を阻害することがなく、また、屈曲規制リンクに突起部を設けることでフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0030】
請求項15の発明においては、突起部が、リンク本体にプレス曲げ加工を施すことによりリンク本体と一体に形成されている。
【0031】
請求項16の発明においては、サイレントチェーンが、突起部を有する屈曲規制リンクを有している。
【0032】
請求項17の発明においては、突起部を有する屈曲規制リンクが、チェーン長手方向に不規則な配列で配置されている。ここで、突起部が設けられた部分では、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が規制されており、突起部が設けられていない部分では、リンクプレートまたはガイドリンクの背面側への屈曲運動が可能になっている。また、突起部が設けられた部分が、サイレントチェーンの弦振動の際の節として機能し、この場合、弦振動の節がチェーン長手方向に不規則に配置されている。
【0033】
したがって、請求項17の発明によれば、サイレントチェーンの運転中には、節で仕切られた弦の長さ(スパン長さ)がスプロケット間のチェーン部分で非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数および張力でサイレントチェーンを駆動した場合でも、サイレントチェーンに共振が発生することはなくなる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
〔第1の実施態様〕
図1ないし図8は本発明の第1の実施態様を説明するための図であって、図1は本発明の第1の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図、図2はその正面部分図、図3は図1の一部拡大図、図4は突起部付きリンクプレートの正面図、図5および図6は本実施態様の作用効果を説明するための図、図7および図8は突起部の変形例を示す図であって、それぞれ図3に相当する図である。
【0035】
図1および図2に示すように、サイレントチェーン1は、各々一対の歯部21およびピン穴22を有する多数のリンクプレート2,2′を長さ方向および厚み方向に配列して、ピン穴22に挿入した連結ピン(丸ピン)3により各々枢支可能に連結することにより構成されている。最外側のリンクプレート2の外側には、サイレントチェーン1を図示しないスプロケット上の所定位置に維持するためのガイドリンク4が設けられている。ガイドリンク4は一対のピン穴42を有しており、連結ピン3の両端はこれらのピン穴42に固着されている。
【0036】
図3に示すように、リンクプレート2′は、ガイドリンク4と同じチェーン長手方向位置に配置されたガイド列2Aを構成するリンクであり、リンクプレート2は、チェーン長手方向に隣り合う各ガイド列2Aの間に配置されるリンク列(つまりノン・ガイド列)2Bを構成するリンクである。
【0037】
リンクプレート2には、厚み方向に突出する突起部20が形成されている。突起部20は、図4に示すように、ピン穴中心線CP の上方においてリンク中心線CL 上に配置されている。またリンクプレート2は、その両側部に一対の肩部23を有している。肩部23は、ピン穴中心線CP と概略直交しつつ延びる平坦状の立ち上がり部から構成されている。リンクプレート2′は、突起部20を有していない点を除いて、リンクプレート2と同一の形状を有している。なお、肩部23は、必ずしもリンクプレート2に設けられている必要はなく、少なくともリンクプレート2′に設けられていれば足りる。
【0038】
次に、上述のように構成されたサイレントチェーンの屈曲方向について、図5および図6を用いて説明する。
図5は、隣り合う各リンクプレート2,2′が直線状に配置された状態から各リンクプレート2,2′が噛合側に屈曲運動した状態を示している。図6は、各リンクプレート2,2′が背面側に屈曲運動した状態を示している。
【0039】
図5に示すように、各リンクプレート2,2′が噛合側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2,2′はピン穴22の中心の回りを回動するが、このとき、各リンクプレート2′の各肩部23は、リンクプレート2の突起部20とは干渉せず、各リンクプレート2,2′の噛合側への屈曲運動はスムーズに行われる。
【0040】
一方、図6に示すように、各リンクプレート2,2′が共振などにより背面側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2,2′はピン穴22の中心の回りを噛合方向とは逆方向に回動するが、このとき、各リンクプレート2′の各肩部23がリンクプレート2の突起部20と干渉し、これにより、各リンクプレート2,2′の背面側への屈曲運動が規制される。このようにして、サイレントチェーンの背面側への屈曲が規制され、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0041】
この場合には、リンクプレート2に突起部20を設けることで、サイレントチェーンの噛合時に各リンクプレート2,2′の屈曲運動を阻害することはなく、またフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0042】
また、この場合には、突起部20がリンクプレート2のリンク中心線上に設けられるので、リンクプレート2と厚み方向に隣り合う2枚のリンクプレート2′双方の背面側への屈曲運動を均等に規制することができる。
【0043】
さらに、この場合には、突起部20が、リンクプレート2の突起部形成側と逆側の面にポンチを圧接するプレス圧縮加工を施すことによりリンクプレート2と一体に形成されているので、リンクプレート2とは別個に部材を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。
【0044】
なお、前記実施態様では、最外側のリンクプレート2の各突起部20がいずれも各リンクプレート2′の間に配置された例を示したが(図3参照)、本発明の適用はこれに限定されない。最外側のリンクプレート2の突起部20は、隣り合う各ガイドリンク4の間に配置されるようにしてもよい。この場合、サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、各ガイドリンク4の肩部がリンクプレート2の突起部20と干渉して、リンクプレート2およびガイドリンク4の背面側への屈曲運動が規制されるようになっている。
【0045】
また、前記実施態様では、突起部20がリンク列2Bのリンクプレート2のみに設けられた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。ガイド列2Aのリンクプレート2′に同様の突起部を設けるようにしてもよい。
【0046】
さらに、前記実施態様では、突起部20がリンクプレート2と一体に成形された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図7および図8は、リンクプレートを挿通するピンによって突起部が構成された例をそれぞれ示している。
【0047】
図7に示すものでは、リンク列2Bを構成する3枚のリンクプレート2のうち、真ん中のリンクプレート2を挿通するピン25が設けられている。ピン25がリンクプレート2を挿通する位置は、突起部20の形成位置と同じである。ピン25の各端部は、最外側の各リンクプレート2の近傍まで延びている。この図7に示すピン25は、図3に示す各突起部20と実質的に同一の機能を発揮する。
【0048】
図8に示すものでは、ピン25が、ガイド列2Aを構成する2枚のリンクプレート2′を挿通している。ピン25の各端部は、各ガイドリンク4の近傍まで延びている。この場合には、サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、各リンクプレート2の各肩部がピン25と干渉し、これにより、各リンクプレート2,2′の背面側への屈曲運動が規制されるようになっている。
【0049】
なお、図7および図8のいずれの場合においても、ピン25の両端部側方には、リンクプレート2またはガイドリンク4が配置されており、これらのリンクによりピン25の抜け止めが行われるので、ピン25はこれが挿通するリンクプレート2,2′に固着されている必要はない。
【0050】
この場合には、リンクプレートとは別個にピンを設ける必要があるものの、複数枚のリンクプレートを挿通するようにピンを設けることにより、複数枚のリンクプレートの各突起部を一本のピンから構成できるようになる。
【0051】
また、前記実施態様では、突起部20を有するリンクプレート2がすべてのリンク列2Bに設けられた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。突起部20を有するリンク列2Bと、突起部20を有しないリンク列2Bとをチェーン長手方向に不規則に配置するようにしてもよい。
【0052】
この場合には、サイレントチェーンが巻き掛けられるドライブスプロケットおよびドリブンスプロケット間の直線状スパンにおいて、突起部20を有するリンク列2Bおよびその左右両側の各ガイド列2Aは背面側への屈曲運動が規制されるが、突起部20を有しないリンク列2Bおよびその左右両側の各ガイド列2Aは背面側への屈曲運動が規制されない。
【0053】
これにより、チェーンの運転中には、屈曲運動が規制されたガイド列2B部分が弦振動の際の節として機能するとともに、これらの節で仕切られた弦の長さ(つまりスパン長さ)が、スプロケット間のチェーン直線状スパン部分において非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数および張力でチェーンを駆動した場合でも、チェーンに共振が発生するのを防止できるようになる。
【0054】
〔第2の実施態様〕
図9ないし図16は本発明の第2の実施態様を説明するための図であって、図9は本発明の第2の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図、図10はその正面部分図、図11は図9の一部拡大図、図12は突起部付きガイドリンクの正面図、図13および図14は本実施態様の作用効果を説明するための図、図15および図16は突起部の変形例を示す図であって、それぞれ図11に相当する図である。これらの図において、前記第1の実施態様と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0055】
この第2の実施態様では、ガイドリンク4に突起部40が設けられている。突起部40は、図12に示すように、ピン穴中心線CP の上方においてリンク中心線CL 上に配置されている。一方、ガイド列2Aおよびリンク列2Bをそれぞれ構成する各リンクプレート2′,2に突起部は設けられていない。リンク列2Bを構成するリンクプレート2には、前記第1の実施態様と同様の肩部23が形成されている。
【0056】
次に、サイレントチェーン1の屈曲方向について、図13および図14を用いて説明する。
図13は、隣り合うガイドリンク4および各リンクプレート2′が直線状に配置された状態から各リンクプレート2′が噛合側に屈曲運動した状態を示している。図14は、各リンクプレート2′が背面側に屈曲運動した状態を示している。
【0057】
図13に示すように、各リンクプレート2′が噛合側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2′はピン穴22の中心の回りを回動するが、このとき、各リンクプレート2′の各肩部23は、ガイドリンク4の突起部40とは干渉せず、各リンクプレート2′の噛合側への屈曲運動はスムーズに行われる。
【0058】
一方、図14に示すように、各リンクプレート2′が共振などにより背面側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2′はピン穴22の中心の回りを噛合方向とは逆方向に回動するが、このとき、各リンクプレート2′の各肩部23がガイドリンク4の突起部40と干渉し、これにより、各リンクプレート2′の背面側への屈曲運動が規制される。このようにして、サイレントチェーンの背面側への屈曲が規制され、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0059】
この場合には、ガイドリンク4に突起部40を設けることで、サイレントチェーンの噛合時に各リンクプレート2,2′の屈曲運動を阻害することはなく、またフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0060】
また、この場合には、突起部40がガイドリンク4のリンク中心線上に設けられるので、ガイドリンク4と厚み方向に隣り合う2枚のリンクプレート2′双方の背面側への屈曲運動を均等に規制することができる。
【0061】
さらに、この場合には、突起部40が、ガイドリンク4の突起部形成側と逆側の面にポンチを圧接するプレス圧縮加工を施すことによりガイドリンク4と一体に形成されているので、ガイドリンク4とは別個に部材を設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。
【0062】
なお、突起部40は、ガイドリンク4と別個に設けるようにしてもよい。図15および図16は、ガイドリンクを挿通するピンによって突起部が構成された例をそれぞれ示している。
【0063】
図15に示すものでは、各ガイドリンク4を挿通するピン45が各ガイドリンク4にそれぞれ設けられている。ピン45がガイドリンク4を挿通する位置は、突起部40の形成位置と同じである。ピン45の各端部は、リンクプレート2′の近傍まで延びている。この図15に示すピン45は、図11に示す各突起部40と実質的に同一の機能を発揮する。
【0064】
図16に示すものでは、ピン45が、ガイドリンク4のみならず、ガイド列2Aを構成するすべてのリンクプレート2′を挿通している。つまり、ピン45は、チェーンの幅方向全体にわたって延びている。この場合には、サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、リンク列2Bを構成するすべてのリンクプレート2の各肩部がピン45と干渉することになり、これにより、各リンクプレート2,2′の背面側への屈曲運動がより確実に規制されるようになっている。
【0065】
なお、図15および図16のいずれの場合においても、ピン45の両端部は、各ガイドリンク4に固着されている。
【0066】
この場合には、ガイドリンクとは別個にピンを設ける必要があるものの、ガイド列内のリンクプレートをも挿通するようにピンを設けることにより、ガイドリンクのみならず複数枚のリンクプレートの各突起部を一本のピンから構成できるようになる。
【0067】
また、前記実施態様では、すべてのガイドリンク4に突起部40が設けられた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。突起部40を有するガイドリンク4と、突起部40を有しないガイドリンク4とをチェーン長手方向に不規則に配置するようにしてもよい。
【0068】
この場合には、サイレントチェーンが巻き掛けられるドライブスプロケットおよびドリブンスプロケット間の直線状スパンにおいて、突起部40を有するガイド列2Aおよびその左右両側の各リンク列2Bは背面側への屈曲運動が規制されるが、突起部40を有しないガイド列2Aおよびその左右両側の各リンク列2Bは背面側への屈曲運動が規制されない。
【0069】
これにより、チェーンの運転中には、屈曲運動が規制されたガイド列2A部分が弦振動の際の節として機能するとともに、これらの節で仕切られた弦の長さ(スパン長さ)が、スプロケット間のチェーン直線状スパン部分において非周期的に変化する。これにより、いかなる回転数および張力でチェーンを駆動した場合でも、チェーンに共振が発生するのを防止できるようになる。
【0070】
〔第3の実施態様〕
図17ないし図23は本発明の第3の実施態様を説明するための図であって、図17は本発明の第3の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図、図18はその正面部分図、図19は屈曲規制リンクの斜視図、図20は屈曲規制リンクの第1の変形例を示す斜視図、図21(a)は屈曲規制リンクの第2の変形例の正面図、同図(b)はその底面図、図22(a)は屈曲規制リンクの第3の変形例の正面図、同図(b)はその底面図、図23(a)は屈曲規制リンクの第4の変形例の正面図、同図(b)はその底面図である。これらの図において、前記第1または第2の実施態様と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0071】
この第3の実施態様では、リンク列2Bに屈曲規制リンク5が設けられている。屈曲規制リンク5は、図19に示すように、一対のピン穴52が形成された概略八の字状の形状を有しており、厚み方向に突出する突起部50を有している。突起部50は、リンク中心線上においてリンク上端に配置されている。突起部50は、リンク本体とともに薄板をプレス打抜き加工した後、プレス曲げ加工を施すことにより形成されている。一方、ガイド列2Aを構成するリンクプレート2′には、前記第1の実施態様と同様の肩部23が形成されている。
【0072】
この場合、各リンクプレート2′が噛合側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2′の各肩部23は、屈曲規制リンク5の突起部50とは干渉せず、各リンクプレート2′の噛合側への屈曲運動はスムーズに行われる。
【0073】
一方、各リンクプレート2′が共振などにより背面側に屈曲運動する際には、各リンクプレート2′はピン穴22の中心の回りを噛合方向とは逆方向に回動するが、このとき、各リンクプレート2′の各肩部23が屈曲規制リンク5の突起部50と干渉し、これにより、各リンクプレート2′の背面側への屈曲運動が規制される。このようにして、サイレントチェーンの背面側への屈曲が規制され、チェーンスパンの横方向の振動をほぼ片振状態にすることができる。これにより、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる。
【0074】
この場合には、屈曲規制リンク5を設けることで、サイレントチェーンの噛合時に各リンクプレート2′の屈曲運動を阻害することはなく、またフリクションロスを発生させることもない。これにより、サイレントチェーンの動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できるようになる。
【0075】
また、この場合には、突起部50が屈曲規制リンク5のリンク中心線上に設けられるので、屈曲規制リンク5と厚み方向に隣り合う2枚のリンクプレート2′双方の背面側への屈曲運動を均等に規制することができる。
【0076】
屈曲規制リンク5としては、図19に示すものには限定されず、図20ないし図23に示すようなものであってもよい。
【0077】
図20に示す屈曲規制リンク5は、厚み方向に突出する一対の突起部53を有している。各突起部53は、リンク中心線に関して対称に配置されており、同様にリンク本体のプレス打抜き加工後、プレス曲げ加工を施すことにより形成されている。図21に示す屈曲規制リンク5は、リンク中央部にプレス圧縮加工を施すことにより厚み方向に断面V字状に突出する突起部54を有している。
【0078】
図22および図23に示すものでは、屈曲規制リンク5の一方の側部にそれぞれ突起部55,56を有している。突起部55は、プレス打抜き加工により形成された帯状片をリンク厚み方向に鋭角に折り曲げることにより形成されている。また突起部56は、同様の帯状片を断面V字状またはU字状に折り曲げることにより形成されている。
【0079】
図22または図23に示す屈曲規制リンク5を含むサイレントチェーンにおいては、サイレントチェーンの背面側への屈曲時には、突起部55,56が、屈曲規制リンク5の突起部側において当該屈曲規制リンク5とチェーン長手方向に隣り合うリンクプレートの肩部と干渉することにより、リンクプレートの屈曲運動が規制されて、サイレントチェーンの屈曲が規制されるようになっている。
【0080】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、サイレントチェーンの背面側への屈曲時にリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と干渉することによりサイレントチェーンの背面側への屈曲を規制する突起部をリンクプレート、ガイドリンクまたは屈曲規制リンクに設けるようにしたので、動力伝達効率を低下させることなく、サイレントチェーンの弦振動を抑制できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図である。
【図2】サイレントチェーン(図1)の正面部分図である。
【図3】図1の一部拡大図である。
【図4】突起部付きリンクプレートの正面図である。
【図5】本実施態様の作用効果を説明するための図である。
【図6】本実施態様の作用効果を説明するための図である。
【図7】突起部の変形例を示す図であって、図3に相当する図である。
【図8】突起部の変形例を示す図であって、図3に相当する図である。
【図9】本発明の第2の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図である。
【図10】サイレントチェーン(図9)の正面部分図である。
【図11】図9の一部拡大図である。
【図12】突起部付きガイドリンクの正面図である。
【図13】本実施態様の作用効果を説明するための図である。
【図14】本実施態様の作用効果を説明するための図である。
【図15】突起部の変形例を示す図であって、図11に相当する図である。
【図16】突起部の変形例を示す図であって、図11に相当する図である。
【図17】本発明の第3の実施態様によるサイレントチェーンの平面部分図である。
【図18】サイレントチェーン(図17)の正面部分図である。
【図19】屈曲規制リンクの斜視図である。
【図20】屈曲規制リンクの第1の変形例を示す斜視図である。
【図21】(a)は屈曲規制リンクの第2の変形例の正面図、(b)はその底面図である。
【図22】(a)は屈曲規制リンクの第3の変形例の正面図、(b)はその底面図である。
【図23】(a)は屈曲規制リンクの第4の変形例の正面図、(b)はその底面図である。
【符号の説明】
1: サイレントチェーン
2,2′: リンクプレート
2A: ガイド列
2B: リンク列
20: 突起部
21: 歯部
22: ピン穴
23: 肩部
25: ピン
3: 連結ピン
4: ガイドリンク
40: 突起部
42: ピン穴
45: ピン
5: 屈曲規制リンク
50: 突起部
53〜56: 突起部
Claims (17)
- 多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に配列して、連結ピンにより各々枢支可能に連結してなるサイレントチェーンに用いられる前記リンクプレートであって、
一対の歯部を有するリンクプレート本体と、
前記リンクプレート本体に形成され、前記連結ピンを挿入するための一対のピン穴とを備え、
前記リンクプレート本体が、当該リンクプレートと厚み方向に隣り合うリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と干渉することにより前記サイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するように厚み方向に突出する突起部を有している、ことを特徴とするサイレントチェーン用リンクプレート。 - 請求項1において、
前記突起部が、前記各ピン穴の中心を通るピン穴中心線の上方において、リンクプレート中心線上に配置されている、
ことを特徴とするサイレントチェーン用リンクプレート。 - 請求項1において、
前記リンクプレートの前記肩部が、前記リンクプレートのピン穴中心線と概略直交しつつ延びる平坦状の立ち上がり部を有している、
ことを特徴とするサイレントチェーン用リンクプレート。 - 請求項1または2において、
前記突起部が、前記リンクプレート本体にプレス圧縮加工を施すことにより前記リンクプレート本体と一体に形成されている、
ことを特徴とするサイレントチェーン用リンクプレート。 - 請求項1または2において、
前記突起部が、前記リンクプレート本体を挿通するピンにより構成されている、
ことを特徴とするサイレントチェーン用リンクプレート。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のリンクプレートを含むサイレントチェーン。
- 請求項6において、
前記リンクプレートが、チェーン長手方向に不規則な配列で配置されている、ことを特徴とするサイレントチェーン。 - 各々一対の歯部およびピン穴を有する多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に配列して、前記ピン穴に挿入した連結ピンにより各々枢支可能に連結してなるサイレントチェーンに用いられ、前記サイレントチェーンをスプロケット上の所定位置に維持するためのガイドリンクであって、
ガイドリンク本体と、
前記ガイドリンク本体に形成され、前記連結ピンを挿入するための一対のピン穴とを備え、
前記ガイドリンク本体が、当該ガイドリンクと厚み方向に隣り合うリンクプレートの肩部と干渉することにより前記サイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するように厚み方向に突出する突起部を有している、
ことを特徴とするサイレントチェーン用ガイドリンク。 - 請求項8において、
前記突起部が、前記各ピン穴の中心を通るピン穴中心線の上方において、ガイドリンク中心線上に配置されている、
ことを特徴とするサイレントチェーン用ガイドリンク。 - 請求項8または9において、
前記突起部が、前記ガイドリンク本体にプレス圧縮加工を施すことにより前記ガイドリンク本体と一体に形成されている、
ことを特徴とするサイレントチェーン用ガイドリンク。 - 請求項8または9において、
前記突起部が、前記ガイドリンク本体を挿通するピンにより構成されている、ことを特徴とするサイレントチェーン用ガイドリンク。 - 請求項8ないし11のいずれかに記載のガイドリンクを含むサイレントチェーン。
- 請求項12において、
前記ガイドリンクが、チェーン長手方向に不規則な配列で配置されている、
ことを特徴とするサイレントチェーン。 - 多数のリンクプレートを長さ方向および厚み方向に配列して、連結ピンにより各々枢支可能に連結してなるサイレントチェーンにおいて、前記サイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するための屈曲規制リンクであって、
歯部を有しないリンク本体と、
前記リンク本体に形成され、前記連結ピンを挿入するための一対のピン穴とを備え、
前記リンク本体が、当該リンクと厚み方向に隣り合うリンクプレートまたはガイドリンクの肩部と干渉することにより前記サイレントチェーンの背面側への屈曲を規制するように厚み方向に突出する突起部を一体に有している、
ことを特徴とするサイレントチェーン用屈曲規制リンク。 - 請求項14において、
前記突起部が、前記リンク本体にプレス曲げ加工を施すことにより前記リンク本体と一体に形成されている、
ことを特徴とするサイレントチェーン用屈曲規制リンク。 - 請求項14または15のいずれかに記載の屈曲規制リンクを含むサイレントチェーン。
- 請求項16において、
前記屈曲規制リンクが、チェーン長手方向に不規則な配列で配置されている、ことを特徴とするサイレントチェーン。
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