JPH0633993A - サイレントチェーン - Google Patents
サイレントチェーンInfo
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- JPH0633993A JPH0633993A JP5827492A JP5827492A JPH0633993A JP H0633993 A JPH0633993 A JP H0633993A JP 5827492 A JP5827492 A JP 5827492A JP 5827492 A JP5827492 A JP 5827492A JP H0633993 A JPH0633993 A JP H0633993A
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- JP
- Japan
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- chain
- link plates
- spring
- silent chain
- pair
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 チェーンのスパンにおける振動の発生を抑制
して騒音の少ないチェーン伝動を可能にすると共にその
低騒音特性を長時間持続可能にする 【構成】 サイレントチェーン（１）は一対の歯部（２
１）及び一対のピン穴が形成された多数のリンクプレー
ト（２）を横方向及び長手方向に並べて、該ピン穴内に
連結部材を挿入して該リンクプレートの組が屈曲可能に
連結されて構成されている。サイレントチェーン（１）
において、長手方向に隣接する該リンクプレートは偏倚
装置（５）により屈曲状態に偏倚される。
して騒音の少ないチェーン伝動を可能にすると共にその
低騒音特性を長時間持続可能にする 【構成】 サイレントチェーン（１）は一対の歯部（２
１）及び一対のピン穴が形成された多数のリンクプレー
ト（２）を横方向及び長手方向に並べて、該ピン穴内に
連結部材を挿入して該リンクプレートの組が屈曲可能に
連結されて構成されている。サイレントチェーン（１）
において、長手方向に隣接する該リンクプレートは偏倚
装置（５）により屈曲状態に偏倚される。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はサイレントチェーンに関
し、更に詳細には、チェーンを構成する隣接するリンク
プレートを偏倚装置により強制的に屈曲状態に偏倚し或
いは隣接するリンクプレートが一直線状に並ぶように偏
倚することにより動力伝達時のチェーンのスパンの振動
を抑制し、それにより静粛な動力伝動を行うようにした
サイレントチェーンに関する。
し、更に詳細には、チェーンを構成する隣接するリンク
プレートを偏倚装置により強制的に屈曲状態に偏倚し或
いは隣接するリンクプレートが一直線状に並ぶように偏
倚することにより動力伝達時のチェーンのスパンの振動
を抑制し、それにより静粛な動力伝動を行うようにした
サイレントチェーンに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、一般に使用されているサイレント
チェーンとしては、一対の歯部及びピン穴を有する多数
のリンクプレートを連結部材により屈曲可能に無端状に
連結したものがある。このようなチェーンでは屈曲可能
な範囲内で隣接するリンクプレートは自由に屈曲可能で
ある。このため、このようなチェーンを複数のスプロケ
ットに掛けて動力を伝達させると、チェーンのスパンす
なわちスプロケットの間の部分は振動し、不快な騒音を
発生する。しかも振動のモードは一定でなく、予測が困
難なため制御することが難かしいという問題がある。こ
のようなチェーンのスパンの振動を抑制し制御するため
に、図１２に示されるようにチェーンａの緩み側及び張
り側のスパン部分と係合するチェーンテンショナーｂ或
いはチェーンガイドｃ等の装置を配置しているが、これ
らの装置はチェーン伝動装置毎に設計しなければなら
ず、コストが高くなるという問題がある。
チェーンとしては、一対の歯部及びピン穴を有する多数
のリンクプレートを連結部材により屈曲可能に無端状に
連結したものがある。このようなチェーンでは屈曲可能
な範囲内で隣接するリンクプレートは自由に屈曲可能で
ある。このため、このようなチェーンを複数のスプロケ
ットに掛けて動力を伝達させると、チェーンのスパンす
なわちスプロケットの間の部分は振動し、不快な騒音を
発生する。しかも振動のモードは一定でなく、予測が困
難なため制御することが難かしいという問題がある。こ
のようなチェーンのスパンの振動を抑制し制御するため
に、図１２に示されるようにチェーンａの緩み側及び張
り側のスパン部分と係合するチェーンテンショナーｂ或
いはチェーンガイドｃ等の装置を配置しているが、これ
らの装置はチェーン伝動装置毎に設計しなければなら
ず、コストが高くなるという問題がある。
【０００３】このような問題を解決するための方策とし
て、図１３に示されるように、チェーンａを構成するリ
ンクプレートｄの端部の外角部に丸味を付けずに突起部
分ｅを形成しておき、チェーンが動力の伝達に必要な方
向すなわちスプロケットに巻き付く方向（図１３におい
て上凸状）に屈曲できるが逆の方向（図１３において下
凸状）には隣接するリンクプレートの突起部分ｅが当接
して屈曲できないようにしたいわゆるノーバックベンド
チェーンが従来から提供されている。しかしながら、こ
のチェーンは製作誤差などにより屈曲を所定の範囲内に
納めるのが難しく、また過大な応力集中の原因になる問
題がある。
て、図１３に示されるように、チェーンａを構成するリ
ンクプレートｄの端部の外角部に丸味を付けずに突起部
分ｅを形成しておき、チェーンが動力の伝達に必要な方
向すなわちスプロケットに巻き付く方向（図１３におい
て上凸状）に屈曲できるが逆の方向（図１３において下
凸状）には隣接するリンクプレートの突起部分ｅが当接
して屈曲できないようにしたいわゆるノーバックベンド
チェーンが従来から提供されている。しかしながら、こ
のチェーンは製作誤差などにより屈曲を所定の範囲内に
納めるのが難しく、また過大な応力集中の原因になる問
題がある。
【０００４】更に、リンクプレートの自由な屈曲を制限
して上記のような問題を解決しようとしたサイレントチ
ェーンとしては、特公昭５５−２６３４５号公報に示さ
れるものがある。このチェーンは、図１４に示されるよ
うに、リンクプレートｄの一部を湾曲したばねｆとし或
いは横方向に配列されたリンクプレートｄの間に湾曲し
た板ばねｇを配置して隣接するリンクプレートの回動動
作に摩擦抵抗を与え、それによってスパンにおける振動
を抑制しようとするものである。しかしながら、このチ
ェーンでは摩擦抵抗を利用するため、チェーンの使用の
経過と共にリンクプレート或いは板ばねの接触面が摩耗
して振動抑制効果が減少するという欠点及び摩擦により
発熱するという欠点がある。
して上記のような問題を解決しようとしたサイレントチ
ェーンとしては、特公昭５５−２６３４５号公報に示さ
れるものがある。このチェーンは、図１４に示されるよ
うに、リンクプレートｄの一部を湾曲したばねｆとし或
いは横方向に配列されたリンクプレートｄの間に湾曲し
た板ばねｇを配置して隣接するリンクプレートの回動動
作に摩擦抵抗を与え、それによってスパンにおける振動
を抑制しようとするものである。しかしながら、このチ
ェーンでは摩擦抵抗を利用するため、チェーンの使用の
経過と共にリンクプレート或いは板ばねの接触面が摩耗
して振動抑制効果が減少するという欠点及び摩擦により
発熱するという欠点がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、サイレントチェーンにおいて、偏倚装置に
より隣接するリンクプレートを屈曲状態に強制的に偏倚
することによりチェーンのスパンにおける振動の発生を
抑制して騒音の少ないチェーン伝動を可能にすると共に
その低騒音特性を長時間持続可能にすることである。本
発明が解決しようとする他の課題は、サイレントチェー
ンにおいて、偏倚装置により隣接するリンクプレートが
一直線状に並ぶように強制的に偏倚することによりチェ
ーンのスパンにおける振動の発生を抑制して騒音の少な
いチェーン伝動を可能にすると共にその低騒音特性を長
時間持続可能にすることである。
する課題は、サイレントチェーンにおいて、偏倚装置に
より隣接するリンクプレートを屈曲状態に強制的に偏倚
することによりチェーンのスパンにおける振動の発生を
抑制して騒音の少ないチェーン伝動を可能にすると共に
その低騒音特性を長時間持続可能にすることである。本
発明が解決しようとする他の課題は、サイレントチェー
ンにおいて、偏倚装置により隣接するリンクプレートが
一直線状に並ぶように強制的に偏倚することによりチェ
ーンのスパンにおける振動の発生を抑制して騒音の少な
いチェーン伝動を可能にすると共にその低騒音特性を長
時間持続可能にすることである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本願の一つの発明は、一
対の歯部及び一対のピン穴が形成された多数のリンクプ
レートを横方向及び長手方向に並べて、該ピン穴内に挿
入した連結部材により該リンクプレートの組が屈曲可能
に連結されたサイレントチェーンにおいて、長手方向に
隣接する該リンクプレートを屈曲状態に偏倚する偏倚装
置を取りつけて構成されている。本願の他の発明は、一
対の歯部及び一対のピン穴が形成された多数のリンクプ
レートを横方向及び長手方向に並べて、該ピン穴内に挿
入した連結部材により該リンクプレートの組が屈曲可能
に連結されたサイレントチェーンにおいて、長手方向に
隣接する該リンクプレートを一直線状に並ぶように偏倚
する偏倚装置を取りつけて構成されている。
対の歯部及び一対のピン穴が形成された多数のリンクプ
レートを横方向及び長手方向に並べて、該ピン穴内に挿
入した連結部材により該リンクプレートの組が屈曲可能
に連結されたサイレントチェーンにおいて、長手方向に
隣接する該リンクプレートを屈曲状態に偏倚する偏倚装
置を取りつけて構成されている。本願の他の発明は、一
対の歯部及び一対のピン穴が形成された多数のリンクプ
レートを横方向及び長手方向に並べて、該ピン穴内に挿
入した連結部材により該リンクプレートの組が屈曲可能
に連結されたサイレントチェーンにおいて、長手方向に
隣接する該リンクプレートを一直線状に並ぶように偏倚
する偏倚装置を取りつけて構成されている。
【０００７】
【作 用】上記構成のサイレントチェーンにおいて、隣
接するリンクプレートの組は、偏倚装置により該リンク
プレートの組を相互に連結する連結部材の回りでそれら
が屈曲状態になるように或いは一直線状に並ぶようにモ
ーメントが加えられる。したがって、サイレントチェー
ンがスプロケットに係合しているときはそのようなモー
メントの力に抗してスプロケットの円弧にあうように屈
曲されるが、スプロケットから離れると偏倚装置の偏倚
力により強制的に屈曲状態又は一直線状の状態に偏倚さ
れ、それによって決定される一定の状態を保持しようと
する。このため動力を伝達する場合に生じるチェーンの
スパンにおける振動は偏倚装置の復元作用により抑制さ
れる。
接するリンクプレートの組は、偏倚装置により該リンク
プレートの組を相互に連結する連結部材の回りでそれら
が屈曲状態になるように或いは一直線状に並ぶようにモ
ーメントが加えられる。したがって、サイレントチェー
ンがスプロケットに係合しているときはそのようなモー
メントの力に抗してスプロケットの円弧にあうように屈
曲されるが、スプロケットから離れると偏倚装置の偏倚
力により強制的に屈曲状態又は一直線状の状態に偏倚さ
れ、それによって決定される一定の状態を保持しようと
する。このため動力を伝達する場合に生じるチェーンの
スパンにおける振動は偏倚装置の復元作用により抑制さ
れる。
【０００８】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図１及び図２において、第１の実施例のサ
イレントチェーン１が示されている。同図において、２
は一対の歯部２１とピン穴２２（図４）とが形成された
リンクプレート、３は一対のピン穴３２が形成されてい
て横方向に並べられたリンクプレート組の両側に配置さ
れたガイドリンク、４は横方向及び長手方向に互いに部
分的に重なり合うように並べられたリンクプレート２の
ピン穴２２及びガイドリンクのピン穴３２内に挿入され
てそれらのリンクプレートを回動可能に連結する連結部
材すなわち連結ピンである。連結ピンの端部はガイドリ
ンクにかしめ等により固定されている。なお、この実施
例では連結部材として横断面が円形の一本のピンで示し
たが、二分割されたロッカー式の連結部材でもよい。
て説明する。図１及び図２において、第１の実施例のサ
イレントチェーン１が示されている。同図において、２
は一対の歯部２１とピン穴２２（図４）とが形成された
リンクプレート、３は一対のピン穴３２が形成されてい
て横方向に並べられたリンクプレート組の両側に配置さ
れたガイドリンク、４は横方向及び長手方向に互いに部
分的に重なり合うように並べられたリンクプレート２の
ピン穴２２及びガイドリンクのピン穴３２内に挿入され
てそれらのリンクプレートを回動可能に連結する連結部
材すなわち連結ピンである。連結ピンの端部はガイドリ
ンクにかしめ等により固定されている。なお、この実施
例では連結部材として横断面が円形の一本のピンで示し
たが、二分割されたロッカー式の連結部材でもよい。
【０００９】サイレントチェーン（以下単にチェーン）
１の横方向に並べられたリンクプレートの組の一方の端
（図２で下側の端）のリンクプレート２とガイドリンク
３との間には偏倚装置を構成するコイル状のばね５が挿
入されている。このばね５は、図３及び図４に詳細に示
されるように、連結ピン４を囲む円形の中央部分５１
と、その中央部分５１から接線方向に伸びるアーム部分
５２及び５３と、そのアーム部分５２及び５３の端部か
らそれぞれそのアーム部分に関して直角に伸びる係合部
分５４及び５５とを有している。アーム部分５２及び５
３はばね５が自然状態にあるとき図３［Ａ］に実線で示
されるような角度θを成している。このばね５は、一方
のガイドプレート３とそれに隣接するリンクプレート２
との間に、中央部分内に連結ピンが挿入されかつ係合部
分５４及び５５がリンクプレート２の股部２５に係合し
た状態で配置される。
１の横方向に並べられたリンクプレートの組の一方の端
（図２で下側の端）のリンクプレート２とガイドリンク
３との間には偏倚装置を構成するコイル状のばね５が挿
入されている。このばね５は、図３及び図４に詳細に示
されるように、連結ピン４を囲む円形の中央部分５１
と、その中央部分５１から接線方向に伸びるアーム部分
５２及び５３と、そのアーム部分５２及び５３の端部か
らそれぞれそのアーム部分に関して直角に伸びる係合部
分５４及び５５とを有している。アーム部分５２及び５
３はばね５が自然状態にあるとき図３［Ａ］に実線で示
されるような角度θを成している。このばね５は、一方
のガイドプレート３とそれに隣接するリンクプレート２
との間に、中央部分内に連結ピンが挿入されかつ係合部
分５４及び５５がリンクプレート２の股部２５に係合し
た状態で配置される。
【００１０】このようにばね５が設けられたチェーンの
長手方向に連続する三つの組のリンクプレートの関係を
みると、ばね５が自然状態にあるとき、図４に示される
ように中央のリンクプレート２Aに関して両側のリンク
プレート２B及び２Cはリンクプレートの背部２６側（図
４において上側）に反った状態になる。すなわち、リン
クプレートは偏倚装置を構成するばね５により図４に実
線で示された状態になるように常に偏倚されている。し
たがって、チェーン１が無端状に連結されかつ図５に示
されるように一対のスプロケット６ａ及び６ｂに掛けら
れたとき、チェーン１の張り側１Aはそれに作用する張
力により一直線状になっているが、緩み側１Bはばね５
の偏倚力により自然に湾曲に反った状態（リンクプレー
ト２の背部２５が湾曲状に凹む状態（背面反り状態））
になる。したがって、従来のテンショナー等の外部から
力を加える手段を緩み側に設ける必要はなくなる。
長手方向に連続する三つの組のリンクプレートの関係を
みると、ばね５が自然状態にあるとき、図４に示される
ように中央のリンクプレート２Aに関して両側のリンク
プレート２B及び２Cはリンクプレートの背部２６側（図
４において上側）に反った状態になる。すなわち、リン
クプレートは偏倚装置を構成するばね５により図４に実
線で示された状態になるように常に偏倚されている。し
たがって、チェーン１が無端状に連結されかつ図５に示
されるように一対のスプロケット６ａ及び６ｂに掛けら
れたとき、チェーン１の張り側１Aはそれに作用する張
力により一直線状になっているが、緩み側１Bはばね５
の偏倚力により自然に湾曲に反った状態（リンクプレー
ト２の背部２５が湾曲状に凹む状態（背面反り状態））
になる。したがって、従来のテンショナー等の外部から
力を加える手段を緩み側に設ける必要はなくなる。
【００１１】上記構成のチェーン１を用いて駆動側のス
プロケット６ａから被駆動側のスプロケット６ｂにスプ
ロケット６ａを矢印Ｘの方向に回転させて動力の伝達を
行うと、図５に示されるように張り側１Aはチェーンに
作用する張力により両スプロケット間で一直線状に伸び
る。しかもチェーンにはばね５により湾曲状態になるよ
うに偏倚力が加えられているのに張力により無理に一直
線状に引っ張っているので、この張り側１Aでのチェー
ンのスパンの振動の発生が抑制される。したがって、張
り側に従来のようにチェーンガイドを設ける必要はな
い。また、緩み側１Bにおいてもばね５により背面反り
状態に湾曲するように偏倚されているうえに、チェーン
の移動によってそのチェーンに作用する遠心力により緩
み側１Bは矢印Ｙの方向に偏倚されるので、この緩み側
のチェーンのピッチラインは大きな負荷変動に対しても
十分維持される。すなわちチェーンのスパンの振動の発
生は抑制される。したがって、上述のように緩み側に複
雑な構造のテンショナーを配置する必要はなくなる。
プロケット６ａから被駆動側のスプロケット６ｂにスプ
ロケット６ａを矢印Ｘの方向に回転させて動力の伝達を
行うと、図５に示されるように張り側１Aはチェーンに
作用する張力により両スプロケット間で一直線状に伸び
る。しかもチェーンにはばね５により湾曲状態になるよ
うに偏倚力が加えられているのに張力により無理に一直
線状に引っ張っているので、この張り側１Aでのチェー
ンのスパンの振動の発生が抑制される。したがって、張
り側に従来のようにチェーンガイドを設ける必要はな
い。また、緩み側１Bにおいてもばね５により背面反り
状態に湾曲するように偏倚されているうえに、チェーン
の移動によってそのチェーンに作用する遠心力により緩
み側１Bは矢印Ｙの方向に偏倚されるので、この緩み側
のチェーンのピッチラインは大きな負荷変動に対しても
十分維持される。すなわちチェーンのスパンの振動の発
生は抑制される。したがって、上述のように緩み側に複
雑な構造のテンショナーを配置する必要はなくなる。
【００１２】なお、チェーン１がスプロケット６ａから
離れる位置及びチェーンがスプロケット６ｂにかみ合い
始める位置において、背面反り状態になるの防止するに
は、図５に示されるようにガイド７ａ及び７ｂを設けれ
ばよい。これらのガイドは単に上記位置でチェーンが背
面反り状態になるのを防止するだけであるから、従来の
テンショナーに比べて構造が極めて簡単で安価である。
離れる位置及びチェーンがスプロケット６ｂにかみ合い
始める位置において、背面反り状態になるの防止するに
は、図５に示されるようにガイド７ａ及び７ｂを設けれ
ばよい。これらのガイドは単に上記位置でチェーンが背
面反り状態になるのを防止するだけであるから、従来の
テンショナーに比べて構造が極めて簡単で安価である。
【００１３】図６において、他の実施例のチェーン１ａ
が示されている。この実施例において、偏倚装置を構成
するばねは前記実施例と同じ構造であるが、そのばね５
を図１及び図４に示されるのと逆向きに配置したもので
ある。すなわち、ばねの中央部分５１内には連結ピン４
が挿入されていて、アーム部分５２及び５３にそれぞれ
連続する係合部分５４及び５５はリンクプレート２の背
部２６と係合している。したがってチェーン１ａは歯側
が湾曲状に凹む状態（歯側反り状態）に偏倚される。こ
のチェーン１ａを図４と同様に使用して動力伝達を行う
場合、張り側１A及び緩み側１Bにおいて前述と同様な理
由でチェーンのスパンにおける振動の発生は抑制され
る。ただチェーン１ａの緩み側は図４で一点鎖線で示さ
れるような歯側反り状態になる。
が示されている。この実施例において、偏倚装置を構成
するばねは前記実施例と同じ構造であるが、そのばね５
を図１及び図４に示されるのと逆向きに配置したもので
ある。すなわち、ばねの中央部分５１内には連結ピン４
が挿入されていて、アーム部分５２及び５３にそれぞれ
連続する係合部分５４及び５５はリンクプレート２の背
部２６と係合している。したがってチェーン１ａは歯側
が湾曲状に凹む状態（歯側反り状態）に偏倚される。こ
のチェーン１ａを図４と同様に使用して動力伝達を行う
場合、張り側１A及び緩み側１Bにおいて前述と同様な理
由でチェーンのスパンにおける振動の発生は抑制され
る。ただチェーン１ａの緩み側は図４で一点鎖線で示さ
れるような歯側反り状態になる。
【００１４】上記両実施例においてばね５を全ての連結
ピン４の位置に設けたが、飛び飛びに設けてもよい。更
に、ばね５の係合部分５４及び５５とリンクプレート２
の股部２５又は背部２６と係合させたが、リンクプレー
ト２に係合穴２７（図１参照）を設けてその係合穴内に
ばね５の係合部分５４及び５５を挿入してもよい。ま
た、ばね５は横方向に並べられたリンクプレートの組の
一方すなわち一方のガイドプレート３とそれに隣接する
リンクプレート２との間に配置したが、リンクプレート
の組の両側すなわち両側のガイドプレート３とそれに隣
接するリンクプレート２との間に配置してもよい。更に
リンクプレートの組の両側にばねを配置する場合に一方
の側のばね５を図１に示され状態に取り付け、他方の側
のばね５を図６に示されるように取り付けてもよい。
ピン４の位置に設けたが、飛び飛びに設けてもよい。更
に、ばね５の係合部分５４及び５５とリンクプレート２
の股部２５又は背部２６と係合させたが、リンクプレー
ト２に係合穴２７（図１参照）を設けてその係合穴内に
ばね５の係合部分５４及び５５を挿入してもよい。ま
た、ばね５は横方向に並べられたリンクプレートの組の
一方すなわち一方のガイドプレート３とそれに隣接する
リンクプレート２との間に配置したが、リンクプレート
の組の両側すなわち両側のガイドプレート３とそれに隣
接するリンクプレート２との間に配置してもよい。更に
リンクプレートの組の両側にばねを配置する場合に一方
の側のばね５を図１に示され状態に取り付け、他方の側
のばね５を図６に示されるように取り付けてもよい。
【００１５】図７において、更に他の実施例のサイレン
トチェーン１ｂが示されている。この実施例において、
偏倚装置を構成するばねは棒状のばね５ｂで構成されて
いる。このばね５ｂは、図８に示されるように、湾曲し
た中央部分５１ｂとその中央部分５１ｂの両端からほぼ
直角に伸びる係合部分５４ｂ及び５５ｂとを有してい
る。このばね５ｂは自然状態で中央部分５１ｂが図９に
示されるように曲率半径ｒの円弧を成すように形成され
ている。ばね５ｂも、係合部分５４ｂ及び５５ｂをリン
クプレート２ｂに形成された係合穴２７ｂに挿入して横
方向に並べられたリンクプレート２ｂの組の一方の側又
は両方の側に取り付けられる。この場合、一方の係合部
分５４ｂを一つのリンクプレート２ｂAの組の一方の側
（チェーンの長手方向に見て）に連結されたリンクプレ
ート２ｂBに形成された係合穴に嵌合され、他方の係合
部分４５ｂはリンクプレート２ｂCに形成された係合穴
に嵌合される。しかもばね５ｂは飛び飛びに配置されて
いる。ばね５ｂをチェーンに取り付ける場合、チェーン
が図７に示されるように一直線状になっているとする
と、ばねの中央部分５１ｂを曲率半径がＲ（Ｒ＞ｒ）と
なるように予め伸ばした状態にして取り付ける。したが
って、チェーン１ｂはばね５ｂの復元力により背面反り
状態に偏倚される。この実施例のチェーンにおいても前
記実施例のチェーン１、１ａと同様の理由により張り側
及び緩み側におけるスパンの振動の発生を抑制できる。
トチェーン１ｂが示されている。この実施例において、
偏倚装置を構成するばねは棒状のばね５ｂで構成されて
いる。このばね５ｂは、図８に示されるように、湾曲し
た中央部分５１ｂとその中央部分５１ｂの両端からほぼ
直角に伸びる係合部分５４ｂ及び５５ｂとを有してい
る。このばね５ｂは自然状態で中央部分５１ｂが図９に
示されるように曲率半径ｒの円弧を成すように形成され
ている。ばね５ｂも、係合部分５４ｂ及び５５ｂをリン
クプレート２ｂに形成された係合穴２７ｂに挿入して横
方向に並べられたリンクプレート２ｂの組の一方の側又
は両方の側に取り付けられる。この場合、一方の係合部
分５４ｂを一つのリンクプレート２ｂAの組の一方の側
（チェーンの長手方向に見て）に連結されたリンクプレ
ート２ｂBに形成された係合穴に嵌合され、他方の係合
部分４５ｂはリンクプレート２ｂCに形成された係合穴
に嵌合される。しかもばね５ｂは飛び飛びに配置されて
いる。ばね５ｂをチェーンに取り付ける場合、チェーン
が図７に示されるように一直線状になっているとする
と、ばねの中央部分５１ｂを曲率半径がＲ（Ｒ＞ｒ）と
なるように予め伸ばした状態にして取り付ける。したが
って、チェーン１ｂはばね５ｂの復元力により背面反り
状態に偏倚される。この実施例のチェーンにおいても前
記実施例のチェーン１、１ａと同様の理由により張り側
及び緩み側におけるスパンの振動の発生を抑制できる。
【００１６】図１０において、本発明の更に別の実施例
のサイレントチェーン１ｃが示されている。この実施例
のチェーン１ｃでは、チェーンが一直線状に伸びるよう
に隣合うリンクプレートを偏倚するばね５ｃが取り付け
られている。このばね５ｃは、図１１に示されるように
リンクプレート２ｃの股部２５ｃと接してリンクプレー
トの横の配列方向に伸びる中央部分５１ｃと、その中央
部分の両端部に一体的に形成されていてガイドプレート
３ｃの中心線より内側の部分の傾斜面３４ｃと接触する
一対の第１の板ばね部分５４ｃと、その第１の板ばね部
分と反対側に突出してガイドプレートの背側の円弧状角
部３５ｃと係合する一対の第２の板ばね部分５５ｃとを
有する。このばね５ｃは第１及び第２の板ばね部分５４
ｃ及び５５ｃが隣合うガイドプレート３ｃと３ｃとの間
に嵌まるようにして配置されていて、ガイドプレートを
したがってリンクプレートをそれらが一直線状に並ぶよ
う偏倚する。この実施例のチェーンでもばねの作用によ
り一直線状になるように偏倚されるため、上記各実施例
と同様の振動抑制作用をする。しかし緩み側ではチェー
ンが一直線状になるように偏倚されるため緩み側のスパ
ンを湾曲状にさせるために適当なチェーンガイドを設け
ればなおよい。
のサイレントチェーン１ｃが示されている。この実施例
のチェーン１ｃでは、チェーンが一直線状に伸びるよう
に隣合うリンクプレートを偏倚するばね５ｃが取り付け
られている。このばね５ｃは、図１１に示されるように
リンクプレート２ｃの股部２５ｃと接してリンクプレー
トの横の配列方向に伸びる中央部分５１ｃと、その中央
部分の両端部に一体的に形成されていてガイドプレート
３ｃの中心線より内側の部分の傾斜面３４ｃと接触する
一対の第１の板ばね部分５４ｃと、その第１の板ばね部
分と反対側に突出してガイドプレートの背側の円弧状角
部３５ｃと係合する一対の第２の板ばね部分５５ｃとを
有する。このばね５ｃは第１及び第２の板ばね部分５４
ｃ及び５５ｃが隣合うガイドプレート３ｃと３ｃとの間
に嵌まるようにして配置されていて、ガイドプレートを
したがってリンクプレートをそれらが一直線状に並ぶよ
う偏倚する。この実施例のチェーンでもばねの作用によ
り一直線状になるように偏倚されるため、上記各実施例
と同様の振動抑制作用をする。しかし緩み側ではチェー
ンが一直線状になるように偏倚されるため緩み側のスパ
ンを湾曲状にさせるために適当なチェーンガイドを設け
ればなおよい。
【００１７】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏す
ることが可能である。 （イ）振動、騒音の少ないチェーン伝動装置を得ること
ができる。 （ロ）チェーンガイド、チェーンテンショナー等の従来
必要とされた付属装置を省略できる。 （ハ）容易に静かなチェーン伝動装置を設計できる。
ることが可能である。 （イ）振動、騒音の少ないチェーン伝動装置を得ること
ができる。 （ロ）チェーンガイド、チェーンテンショナー等の従来
必要とされた付属装置を省略できる。 （ハ）容易に静かなチェーン伝動装置を設計できる。
【図１】本発明のサイレントチェーンの一実施例の一部
の側面図であって一部のガイドプレートを取り除いて示
す図である。
の側面図であって一部のガイドプレートを取り除いて示
す図である。
【図２】図１のサイレントチェーンの上面図である。
【図３】図１のサイレントチェーンに使用されているば
ねを示す図であって［Ａ］は平面図、［Ｂ］は側面図で
ある。
ねを示す図であって［Ａ］は平面図、［Ｂ］は側面図で
ある。
【図４】ばねを取り付けたときのリンクプレートの偏倚
される状態を示す図である。
される状態を示す図である。
【図５】図１のサイレントチェーンを使用したチェーン
伝動装置の側面図である。
伝動装置の側面図である。
【図６】本発明のサイレントチェーンの他の実施例の一
部の側面図であって一部のガイドプレートを取り除いて
示す図である。
部の側面図であって一部のガイドプレートを取り除いて
示す図である。
【図７】本発明のサイレントチェーンの更に別の実施例
の一部の側面図であって一部のガイドプレートを取り除
いて示す図である。
の一部の側面図であって一部のガイドプレートを取り除
いて示す図である。
【図８】図７のサイレントチェーンに使用されているば
ねの斜視図である。
ねの斜視図である。
【図９】図８のばねの平面図である。
【図１０】本発明のサイレントチェーンの更に別の実施
例の一部の側面図であって一部のガイドプレートを取り
除いて示す図である。
例の一部の側面図であって一部のガイドプレートを取り
除いて示す図である。
【図１１】図１０のサイレントチェーンに使用されてい
るばねの斜視図である。
るばねの斜視図である。
【図１２】従来のチェーン伝動装置の側面図である。
【図１３】従来のサイレントチェーンの一例の一部の側
面図である。
面図である。
【図１４】従来のサイレントチェーンの他の例の上面図
である。
である。
１、１ａ、１ｂ、１ｃ、 サイレントチェーン ２、２ｂ、２ｃ、 リンクプレート ３、３ｃ ガイドプレート ４、連結部材 ５、５ｂ、５ｃ 偏倚装置（ばね）
Claims (2)
- 【請求項１】 一対の歯部及び一対のピン穴が形成され
た多数のリンクプレートを横方向及び長手方向に並べ
て、該ピン穴内に挿入した連結部材により該リンクプレ
ートの組が屈曲可能に連結されたサイレントチェーンに
おいて、長手方向に隣接する該リンクプレートを屈曲状
態に偏倚する偏倚装置を取りつけたことを特徴としたサ
イレントチェーン。 - 【請求項２】 一対の歯部及び一対のピン穴が形成され
た多数のリンクプレートを横方向及び長手方向に並べ
て、該ピン穴内に挿入した連結部材により該リンクプレ
ートの組が屈曲可能に連結されたサイレントチェーンに
おいて、長手方向に隣接する該リンクプレートを一直線
状に並ぶように偏倚する偏倚装置を取りつけたことを特
徴としたサイレントチェーン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5827492A JPH0633993A (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | サイレントチェーン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5827492A JPH0633993A (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | サイレントチェーン |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0633993A true JPH0633993A (ja) | 1994-02-08 |
Family
ID=13079614
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5827492A Pending JPH0633993A (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | サイレントチェーン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0633993A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6685589B2 (en) * | 2001-02-13 | 2004-02-03 | Tsubakimoto Chain Co. | Silent chain in which strength and elongation of link row are uniformized |
| US7452295B2 (en) * | 2003-09-03 | 2008-11-18 | Borgwarner Morse Tec Japan K.K. | Chains for power transmission |
| JP2011089572A (ja) * | 2009-10-21 | 2011-05-06 | Tsubakimoto Chain Co | サイレントチェーン |
| US8002658B2 (en) | 2003-09-03 | 2011-08-23 | Borgwarner Inc. | Chains for power transmission |
| EP2799738A1 (de) * | 2013-05-03 | 2014-11-05 | iwis antriebssysteme GmbH & Co. KG | Rückensteife Kette |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5534580B2 (ja) * | 1974-02-04 | 1980-09-08 | ||
| JPS617646B2 (ja) * | 1979-06-15 | 1986-03-07 | Hitachi Ltd | |
| JPS61241547A (ja) * | 1985-04-17 | 1986-10-27 | Daido Kogyo Co Ltd | サイレントチエ−ン |
-
1992
- 1992-03-16 JP JP5827492A patent/JPH0633993A/ja active Pending
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| CN104235267A (zh) * | 2013-05-03 | 2014-12-24 | 伊维氏传动系统有限责任两合公司 | 抗后弯链条 |
| TWI557342B (zh) * | 2013-05-03 | 2016-11-11 | 伊維氏傳動系統有限公司 | 抗後彎鏈條 |
| US9541160B2 (en) | 2013-05-03 | 2017-01-10 | Iwis Antriebssysteme Gmbh & Co. Kg | Anti-backbend chain |
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