JP2000304105A - サイレントチェーン - Google Patents

サイレントチェーン

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JP2000304105A
JP2000304105A JP11115400A JP11540099A JP2000304105A JP 2000304105 A JP2000304105 A JP 2000304105A JP 11115400 A JP11115400 A JP 11115400A JP 11540099 A JP11540099 A JP 11540099A JP 2000304105 A JP2000304105 A JP 2000304105A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力損失を増大させることなく弦振動を抑制
する。 【解決手段】 両端に一対の連結孔12が設けられた複
数のリンクプレート4と、厚さ方向に重ね合わされたリ
ンクプレート4同士の連結孔12に挿入され、かつ、リ
ンクプレート4同士を相対回転できる状態で連結して多
数のリンクプレート4を無端状に連結するロッカーピン
7と、リンクプレート4に接触してその厚さ方向に押圧
力を作用させる皿ばね10とを備えたサイレントチェー
ンにおいて、皿ばね10の端部が、各リンクプレート4
の厚さ方向の投影面で互いに重なり合うように配置さ
れ、これらの皿ばね10が、サイレントチェーンの走行
方向と直交する平面内で「くの字形」に屈曲されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、動力伝動装置の
一部を構成するために用いられるサイレントチェーンに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のサイレントチェーンの基本的な
構造は、一対の歯を形成してある多数のリンクプレート
を、長手方向および板厚方向のそれぞれに配列し、それ
らをピン(連結部材)によって相対回転できる状態で連
結し、全体として無端状(環状)に構成したものであ
る。このようなサイレントチェーンは、駆動側スプロケ
ットおよび従動側スプロケットに巻き掛けられて走行
し、駆動側スプロケットのトルクを従動側スプロケット
に伝達する機能を有する。
【0003】ところで、サイレントチェーンの走行中に
おいて、順次移動するリンクプレートの歯部が従動側ス
プロケットから離れて駆動側スプロケットに噛み合うま
での領域、つまりスパン領域では、サイレントチェーン
の諸元で決まる固有周波数で弦振動が発生し、不快なノ
イズの原因となる場合が多い。
【0004】このような弦振動を抑制することのできる
サイレントチェーンの一例が、特開平8−74939号
公報に記載されている。この公報に記載されたサイレン
トチェーンは、各々一対のピン孔が形成されたリンクプ
レートと、ピン孔に挿入されてリンクプレート同士を連
結する連結ピンと、リンクプレートの最も外側に配置さ
れたガイドプレートとを有している。また、ガイドプレ
ートとリンクプレートとの間、または隣り合うリンクプ
レート同士の間には、一対のピン孔が形成されたばねリ
ングが配置されている。この一対のピン孔には連結ピン
が挿入されている。
【0005】上記構成のサイレントチェーンは、ばねリ
ングの弾性力により、リンクプレート同士がその厚さ方
向に押圧されて、リンクプレート同士の接触部分の面圧
が高められる。すると、サイレントチェーンが走行する
際に、前記スパンの領域でリンクプレート同士を相対回
転させる力が働いたとしても、リンクプレート同士の接
触面の摩擦力が高められているために、その相対回転が
抑制され、弦振動を低減することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サイレント
チェーンの走行時には、スパン領域に位置していたリン
クプレートが、順次、駆動側スプロケットに噛み合う際
には、リンクプレートの移動方向が、直線方向からスプ
ロケットの外形状に沿った方向(疑似円弧方向)に切り
換わる。このようにして、リンクプレートの移動方向が
切り換わる際には、隣り合うリンクプレート同士が連結
ピンを中心として相対回転する。
【0007】しかしながら上記公報に記載されたサイレ
ントチェーンにおいては、ばねリングの弾性力により、
リンクプレート同士がその厚さ方向に常に押圧されてリ
ンクプレート同士の接触面圧が高められている。このた
め、リンクプレートの移動方向が切り換わる部分におい
て、各リンクプレート同士の相対回転する際にも大きな
摩擦力が発生し、リンクプレート同士の相対回転が阻害
される。したがって、動力損失が増加してサイレントチ
ェーンのトルク伝達効率が低下する可能性があった。
【0008】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、動力損失を増大させることなく弦振動を抑制
することのできるサイレントチェーンを提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するため請求項1の発明は、スプロケットに噛
み合わされる歯部を有し、かつ、一対の連結孔が設けら
れた複数のリンクプレートと、厚さ方向に重ね合わされ
たリンクプレート同士の連結孔に挿入され、かつ、この
リンクプレート同士を相対回転できる状態で連結して多
数のリンクプレートを無端状に連結する連結部材と、前
記リンクプレートに対して厚さ方向の押圧力を加える複
数の板形状のばねとを備えているとともに、複数のスプ
ロケットに巻き掛けられた状態で走行するサイレントチ
ェーンにおいて、前記複数のばね同士の一部が、各リン
クプレートの厚さ方向の投影面内で互いに重なり合うよ
うに、複数のばねがサイレントチェーンの走行方向に配
置されているとともに、前記各ばねにおける前記投影面
内で重なり合う部分に、前記リンクプレートの歯部が、
一方のスプロケットから離れて他方のスプロケットに噛
み合うまでの間にこのリンクプレートに加えられる押圧
力よりも、前記リンクプレートの歯部が他方のスプロケ
ットに噛み合った際にこのリンクプレートに加えられる
押圧力の方が小さくなるように制御する押圧力制御機構
が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】請求項1の発明によれば、サイレントチェ
ーンが走行する際に、リンクプレートの歯部が、一方の
スプロケットから離れて他方のスプロケットに噛み合う
までの間で、リンクプレート同士を相対回転させる力が
作用した場合の摩擦力よりも、リンクプレートの歯部が
他方のスプロケットに噛み合った際にリンクプレート同
士を相対回転させる力が作用した場合の摩擦力の方が小
さくなる。
【0011】請求項2の発明は請求項1の構成に加え
て、前記ばねを厚さ方向に貫通する一対の孔が形成さ
れ、この一対の孔には前記連結部材が挿入されていると
ともに、前記押圧力制御機構には、サイレントチェーン
の走行方向に沿って直線状に形成されている押圧部が含
まれていることを特徴とするものである。
【0012】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の作用が生じるほか、リンクプレートの歯部が他方のス
プロケットに噛み合うことにより、リンクプレート同士
が相対回転すると、リンクプレートに対して厚さ方向の
押圧力を加える押圧部同士が、各リンクプレートの厚さ
方向の投影面内で重なる面積が減少する。
【0013】請求項3の発明は請求項2の構成に加え
て、前記押圧部が、サイレントチェーンの走行方向に沿
い、かつ、前記一対の孔を通過する領域に設けられてい
ることを特徴とするものである。
【0014】請求項3の発明によれば、請求項2と同様
の作用が生じるほか、歯部がいずれのスプロケットから
も離れているリンクプレートに対して押圧力を加えるば
ねは、複数のばねの押圧部同士が、各リンクプレートの
厚さ方向の投影面内おいて、サイレントチェーンの走行
方向で重なる長さが最大になる。
【0015】請求項4の発明は請求項1の構成に加え
て、スプロケットに噛み合わされる歯部を有し、かつ、
一対の連結孔が設けられた複数のリンクプレートと、厚
さ方向に重ね合わされたリンクプレート同士の連結孔に
挿入され、かつ、このリンクプレート同士を相対回転で
きる状態で連結して多数のリンクプレートを無端状に連
結する連結部材と、前記リンクプレートに対して厚さ方
向の押圧力を加える複数の板形状のばねとを備えている
とともに、複数のスプロケットに巻き掛けられた状態で
走行するサイレントチェーンにおいて、前記複数のばね
同士の一部が、各リンクプレートの厚さ方向の投影面内
で互いに重なり合うように、複数のばねがサイレントチ
ェーンの走行方向に配置されているとともに、前記各ば
ねにおける前記投影面内で重なり合う部分に、前記ばね
を厚さ方向に貫通する一対の孔が形成され、この一対の
孔には前記連結部材が挿入されているとともに、前記ば
ねの表面のうち、前記一対の孔を通過し、かつ、前記サ
イレントチェーンの走行方向に沿う帯状領域の摩擦係数
の方が、この帯状領域以外の領域の摩擦係数よりも大き
く設定されていることを特徴とするものである。
【0016】請求項4の発明によれば、歯部が一方のス
プロケットから離れて他方のスプロケットに噛み合うま
での間に位置しているリンクプレート同士において、各
リンクプレートの厚さ方向の投影面内で摩擦係数の大き
い帯状領域同士が重なる面積よりも、歯部が他方のスプ
ロケットに噛み合って相対回転するリンクプレート同士
において、各リンクプレートの厚さ方向の投影面内で摩
擦係数の大きい帯状領域同士が重なる面積の方が狭くな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明の実施例を図面を
参照して説明する。図2はチェーン駆動機構ユニットK
1を示す正面図であり、このチェーン駆動機構ユニット
K1は、各種の動力伝達装置の一部を構成するために用
いられるものであり、例えば四輪駆動車のトランスファ
や、車両用エンジンのカムシャフト駆動機構などに用い
られる。チェーン駆動機構ユニットK1は、サイレント
チェーン1と、サイレントチェーン1が巻き掛けられた
駆動側スプロケット2および従動側スプロケット3を有
している。
【0018】図1は、サイレントチェーン1の部分的な
平面図であり、図3は、サイレントチェーン1の部分的
な正面図である。サイレントチェーン1は、複数のリン
クプレート4を有しており、各リンクプレート4の正面
形状は、楔形の歯部5を2つ備えた形状に設定されてい
る。各リンクプレート4における歯部5の基端側には、
リンクプレート4を厚さ方向に貫通する連結孔6が、そ
れぞれ2つずつ形成されている。この連結孔6の正面形
状はほぼ円形に構成されている。
【0019】各リンクプレート4がその長手方向に多数
配列され、かつ、厚さ方向に多数配列されている。ここ
で、各リンクプレート4をその厚さ方向に配列する場合
は、隣接するリンクプレート4同士が、長手方向に半分
ずつ位置ずれした状態で配置されている。そして、厚さ
方向において隣り合うリンクプレート4同士の連結孔6
にロッカーピン7を挿入することにより、各リンクプレ
ート4が相互に回転可能に連結されている。
【0020】また、各リンクプレート4の厚さ方向の両
端に配置されているリンクプレート4の側面側にはガイ
ドプレート8がそれぞれ配置されている。また、ガイド
プレート8を厚さ方向に貫通する2つの孔9が形成さ
れ、各孔9にロッカーピン7が挿入されている。そし
て、各ロッカーピン7の長さ方向の両端にカシメ加工が
施されることにより、ロッカーピン7が連結孔6および
孔9から脱落しないように構成されている。このように
して、各リンクプレート4をその長手方向および厚さ方
向に連結することにより、図2に示すような無端状(言
い換えれば環状)のサイレントチェーン1が構成されて
いる。また、各リンクプレート4の歯部5が、サイレン
トチェーン1の内側に向けられており、サイレントチェ
ーン1の一部を構成する複数のリンクプレート4の歯部
5が、駆動側スプロケット2および従動側スプロケット
3に噛み合わされている。
【0021】さらに、厚さ方向に隣り合わせて配置され
ているリンクプレート4同士の間には、皿ばね10が配
置されている。この皿ばね10はばね鋼などの材料を板
形状に成形したものであり、皿ばね10の正面形状はリ
ンクプレート4と相似する形状に構成されている。そし
て、図3に示すように、リンクプレート4の厚さ方向の
投影面における皿ばね10の面積の方が、リンクプレー
ト4の面積よりも狭く設定されている。
【0022】図4は、サイレントチェーン1を組み立て
る前の状態における皿ばね10の正面図、図5は、図4
のV−V線における平面断面図、図6は、図4のVI−VI
線における側面断面図である。皿ばね10はサイレント
チェーン1の内側に向けて突出する2つの歯部11を有
し、2つの歯部11の基端側には一対の孔12が、皿ば
ね10を厚さ方向に貫通して形成されている。この一対
の孔12の正面形状はほぼ円形に構成され、孔12の内
径と連結孔6の内径とが同一に設定されている。
【0023】皿ばね10は、一対の孔12の中心を通過
する帯状片13と、この帯状片13の幅方向の両側に接
続され、かつ、帯状片13に対して所定角度傾斜した傾
斜片14,15とを有している。つまり、皿ばね10
は、図6に示すように側面断面形状がほぼ「くの字形」
に折り曲げられている。言い換えれば、皿ばね10は、
サイレントチェーン1の走行方向に対して直交する平面
(図示せず)内で屈曲されている。このようにして、皿
ばね10の見かけ上の曲げ剛性が高められている。各皿
ばね10は傾斜片14,15が同じ方向に向けられた状
態で、リンクプレート4同士の間に設けられている。そ
して、前記一対の孔12は帯状片13および傾斜片1
4,15に亘って配置され、一方の傾斜片15に前記歯
部11が形成されている。この歯部11がサイレントチ
ェーン1の内側に向けて配置されている。
【0024】上記のように構成された皿ばね10が、図
1に示すようにリンクプレート4同士の間に対して、各
皿ばね10の長さ方向の一部を重ね合わせた状態で組み
付けられており、各孔12にロッカーピン7が挿入され
ている。そして、ロッカーピン7の両端にカシメ加工が
施された状態、つまり、サイレントチェーン1の組立状
態においては、その組み付け荷重により、皿ばね10の
平面形状がほぼ一直線になっている。このため、皿ばね
10の弾性力が各リンクプレート4に対してその厚さ方
向に作用している。
【0025】ここで、この発明の実施形態とこの発明の
構成との対応関係を説明する。すなわち、駆動側スプロ
ケット2がこの発明の一方のスプロケットに相当し、従
動側スプロケット3がこの発明の他方のスプロケットに
相当し、ロッカーピン7がこの発明の連結部材に相当
し、皿ばね10がこの発明のばねに相当し、帯状片13
がこの発明の押圧力制御機構および押圧部に相当する。
【0026】上記構成のチェーン駆動機構ユニットK1
の動作を説明する。駆動側スプロケット2が図2におい
て反時計方向に回転すると、サイレントチェーン1が図
2において反時計方向に走行(回転移動)し、駆動側ス
プロケット2のトルクが従動側スプロケット3に伝達さ
れて、従動側スプロケット3が図2の反時計方向に回転
する。つぎに、サイレントチェーン1の走行中における
具体的な作用について説明する。
【0027】まず、リンクプレート4の歯部5が従動側
スプロケット3から離れる離脱位置A1から、駆動側ス
プロケット2に噛み合うまでの噛み合い位置B1に至る
までの領域、つまりスパン領域S1においては、多数の
リンクプレート4の一部がほぼ直線方向に移動する。そ
して、この実施形態のサイレントチェーン1において
は、皿ばね10の弾性力によりリンクプレート4同士が
厚さ方向に押圧されて、リンクプレート4同士の接触面
圧が高められている。また、図3に示すように、隣り合
う皿ばね10の帯状片13同士がほぼ直線状に位置して
いる。つまり、帯状片13同士の長さ方向の中心線(図
示せず)なす角度がほぼ零度に設定されている。
【0028】具体的には、皿ばね10からリンクプレー
ト4に対して厚さ方向に押圧力を作用させる領域の主要
部、つまり、リンクプレート4の厚さ方向の投影面内に
おける帯状片13同士の重なり領域(斜線で示す領域)
P1が、皿ばね10の長手方向における最大長さに設定
されている。このようにして、帯状片13同士の全て
が、リンクプレート4の厚さ方向の投影面内で重なって
(交錯して)おり、リンクプレート4同士の単位面積あ
たりの接触面圧が、一層高められている。
【0029】このため、スパン領域S1においてリンク
プレート4同士を相対回転させようとする力が働いたと
しても、リンクプレート4同士の接触面の摩擦力が高め
られているために、ロッカーピン7を中心とするリンク
プレート同士の相対回転が抑制される。したがって、ス
パン領域S1において、サイレントチェーン1の諸元で
決まる固有周波数で弦振動(図2において上下方向の振
動)することが抑制され、不快なノイズ(騒音)を回避
することができる。
【0030】つぎに、サイレントチェーン1の走行によ
り、リンクプレート4がスパン領域S1から噛み合い位
置B1に向けて、順次移動する場合の作用を説明する。
この場合は、リンクプレート4の移動方向が駆動側スプ
ロケット2の外径状に沿って疑似円弧形状になるため、
リンクプレート4同士がロッカーピン7を中心として所
定角度の範囲で相対回転する。つまり、帯状片13同士
の長手方向の中心線(図示せず)の成す角度が、零度を
越えた状態になる。すると、リンクプレート4の厚さ方
向の投影面内において、帯状片13同士の重なり領域P
2の面積が、スパン領域S1の時点の重なり領域P1の
面積よりも急激に減少する。このため、スパン領域S1
から噛み合い位置B1にさしかかった場合は、リンクプ
レート4同士の接触面圧が低減され、リンクプレート4
同士の接触面の摩擦力が減少して相対回転が容易にな
る。したがって、リンクプレート4同士の摩擦力による
動力損失が抑制され、チェーン駆動機構ユニットK1の
トルク伝達効率の低下を抑制することができる。すなわ
ち、サイレントチェーン1の弦振動の抑制機能と、動力
伝達損失の抑制機能とを両立させることができる。
【0031】この実施形態においては、皿ばねにおける
一対の孔を含む帯状領域の表面粗さを、その他の領域の
表面粗さよりも粗く設定することもできる。このように
構成すると、リンクプレート同士がスパン領域にある場
合は、各皿ばねの帯状領域がほぼ直線状に位置し、互い
にリンクプレートの厚さ方向の投影面内で全て重なるこ
とになり、各リンクプレート同士の接触面の摩擦力が高
められる。これに対して、リンクプレートがスパン領域
から噛み合い位置にさしかかった場合は、リンクプレー
ト同士の相対回転により帯状領域同士の重なり面積が減
少するため、リンクプレート同士の接触面の摩擦力が減
少する。したがって、上記実施形態と同様の効果を得ら
れる。このように、皿ばねの一部の領域の表面粗さを、
ほかの領域の表面粗さよりも粗く設定する、つまり、皿
ばねの一部の領域の摩擦係数を、ほかの領域の摩擦係数
よりも大きく設定する具体例としては、皿ばねの表面に
摩擦材を貼着する方法が例示される。また、この実施形
態において、皿ばねをリンクプレートとガイドプレート
との間に配置することも可能である。
【0032】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、サイレントチ
ェーンの走行中は、リンクプレートが一方のスプロケッ
トから離れて他方のスプロケットに到達するまでの間
は、リンクプレート同士を相対回転させようとする力が
働いたとしても、リンクプレート同士の接触面における
摩擦力が高められてサイレントチェーンの弦振動を抑制
することができる。これに対して、リンクプレートの歯
部が他方のスプロケットに噛み合ってリンクプレート同
士を相対回転させようとする力が働いた場合は、リンク
プレート同士の接触面の摩擦力が減少するため、動力の
損失が抑制されてトルク伝達効率の低下を抑制すること
ができる。
【0033】請求項2の発明によれば、リンクプレート
同士が相対回転すると、複数のばねからリンクプレート
の厚さ方向に対して押圧力を加える押圧部同士が、各リ
ンクプレートの厚さ方向の投影面内で重なる面積が減少
し、押圧部同士による単位面積あたりの押圧力が低下す
ることにより、請求項1と同様の効果を得られる。
【0034】請求項3の発明によれば、請求項2と同様
の効果を得られるほか、リンクプレート同士が相対回転
しない状態では、複数のばねからリンクプレートの厚さ
方向に対して押圧力を加える押圧部同士が、各リンクプ
レートの厚さ方向の投影面内において、サイレントチェ
ーンの走行方向で重なる長さが最大になる。したがっ
て、サイレントチェーンの一部が直線移動する場合の相
対回転抑制機能が向上し、弦振動を一層抑制することが
できる。
【0035】請求項4の発明によれば、歯部が一方のス
プロケットから離れて他方のスプロケットに噛み合うま
での間に位置しているリンクプレート同士において、各
リンクプレートの厚さ方向の投影面内で摩擦係数の大き
い帯状領域同士が重なる面積が広くなる。したがって、
リンクプレートが一方のスプロケットから離れて他方の
スプロケットに到達するまでの間は、リンクプレート同
士を相対回転させようとする力が働いたとしても、リン
クプレート同士の接触面における摩擦力が高められてサ
イレントチェーンの弦振動を抑制することができる。こ
れに対して、リンクプレートの歯部が他方のスプロケッ
トに噛み合ってリンクプレート同士を相対回転させよう
とする力が働いた場合は、摩擦係数の大きい帯状領域同
士が重なる面積が減少してリンクプレート同士の接触面
の摩擦力が減少するため、動力の損失が抑制されてトル
ク伝達効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のサイレントチェーンの一部を示す
平面図である。
【図2】 この発明のサイレントチェーンを有するチェ
ーン駆動機構ユニットの正面図である。
【図3】 図2に示すサイレントチェーンの部分的な正
面図である。
【図4】 図1,3に示されたサイレントチェーンの皿
ばねの正面図である。
【図5】 図4のV−V線における平面断面図である。
【図6】 図4のVI−VI線における側面断面図である。
【符号の説明】
1…サイレントチェーン、 2…駆動側スプロケット、
3…従動側スプロケット、 4…リンクプレート、
5…歯部、 6…連結孔、 7…ロッカーピン、 10
…皿ばね、 12…孔、 13…帯状片。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプロケットに噛み合わされる歯部を有
    し、かつ、一対の連結孔が設けられた複数のリンクプレ
    ートと、厚さ方向に重ね合わされたリンクプレート同士
    の連結孔に挿入され、かつ、このリンクプレート同士を
    相対回転できる状態で連結して多数のリンクプレートを
    無端状に連結する連結部材と、前記リンクプレートに対
    して厚さ方向の押圧力を加える複数の板形状のばねとを
    備えているとともに、複数のスプロケットに巻き掛けら
    れた状態で走行するサイレントチェーンにおいて、 前記複数のばね同士の一部が、各リンクプレートの厚さ
    方向の投影面内で互いに重なり合うように、複数のばね
    がサイレントチェーンの走行方向に配置されているとと
    もに、前記各ばねにおける前記投影面内で重なり合う部
    分に、前記リンクプレートの歯部が、一方のスプロケッ
    トから離れて他方のスプロケットに噛み合うまでの間に
    このリンクプレートに加えられる押圧力よりも、前記リ
    ンクプレートの歯部が他方のスプロケットに噛み合った
    際にこのリンクプレートに加えられる押圧力の方が小さ
    くなるように制御する押圧力制御機構が設けられている
    ことを特徴とするサイレントチェーン。
  2. 【請求項2】 前記ばねを厚さ方向に貫通する一対の孔
    が形成され、この一対の孔には前記連結部材が挿入され
    ているとともに、前記押圧力制御機構には、サイレント
    チェーンの走行方向に沿って直線状に形成されている押
    圧部が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の
    サイレントチェーン。
  3. 【請求項3】 前記押圧部が、サイレントチェーンの走
    行方向に沿い、かつ、前記一対の孔を通過する領域に設
    けられていることを特徴とする請求項2に記載のサイレ
    ントチェーン。
  4. 【請求項4】 スプロケットに噛み合わされる歯部を有
    し、かつ、一対の連結孔が設けられた複数のリンクプレ
    ートと、厚さ方向に重ね合わされたリンクプレート同士
    の連結孔に挿入され、かつ、このリンクプレート同士を
    相対回転できる状態で連結して多数のリンクプレートを
    無端状に連結する連結部材と、前記リンクプレートに対
    して厚さ方向の押圧力を加える複数の板形状のばねとを
    備えているとともに、複数のスプロケットに巻き掛けら
    れた状態で走行するサイレントチェーンにおいて、 前記複数のばね同士の一部が、各リンクプレートの厚さ
    方向の投影面内で互いに重なり合うように、複数のばね
    がサイレントチェーンの走行方向に配置されているとと
    もに、前記各ばねにおける前記投影面内で重なり合う部
    分に、前記ばねを厚さ方向に貫通する一対の孔が形成さ
    れ、この一対の孔には前記連結部材が挿入されていると
    ともに、前記ばねの表面のうち、前記一対の孔を通過
    し、かつ、前記サイレントチェーンの走行方向に沿う帯
    状領域の摩擦係数の方が、この帯状領域以外の領域の摩
    擦係数よりも大きく設定されていることを特徴とするサ
    イレントチェーン。
JP11540099A 1999-04-22 1999-04-22 サイレントチェーン Expired - Fee Related JP3503527B2 (ja)

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