JPH06200985A

JPH06200985A - サイレントチェーン伝動装置及びそれに用いられるサイレントチェーン

Info

Publication number: JPH06200985A
Application number: JP35931792A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Fukumoto; 紘福本; Junichi Mototani; 順一本谷
Original assignee: Daido Kogyo Co Ltd
Current assignee: Daido Kogyo Co Ltd
Priority date: 1992-12-26
Filing date: 1992-12-26
Publication date: 1994-07-19
Anticipated expiration: 2015-04-04
Also published as: JP3027665B2

Abstract

(57)【要約】【目的】サイレントチェーン及び摺動部の摩耗を防止す
ると共に、装置の小型化を図る。【構成】サイレントチェーン５の側端側にアウタプレー
トＯを配置し、該アウタプレートＯの端縁Ｏａを平坦に
形成する。両側端のアウタプレートＯ，Ｏに挟まれる部
分には多数のインナプレートを配置し（不図示）、スプ
ロケット２，３と噛合し得るようにする。一方、サイレ
ントチェーン５の巻掛け内側空間内にテンショナ６を配
設し、該テンショナ６の摺動部６ａを前記端縁Ｏａに当
接させる。該摺動部６ａには、インナプレートの歯は当
接せず、端縁Ｏａにより形成された滑らかな面が当接
し、したがって、摺動部６ａとサイレントチェーン５と
の間の接触面圧が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車、産業機械等の
動力伝達に用いられるサイレントチェーン伝動装置、並
びにそれに用いられるサイレントチェーンの構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、サイレントチェーン伝動装置は種
々提案されている。図５及び図６は、その一例を示すも
ので、駆動スプロケット２と従動スプロケット３とを備
えており、これらスプロケット２，３間にはサイレント
チェーン１０が巻き掛けられている。このサイレントチ
ェーン１０は、図６(a) (b) (c) に詳示するように、２
個の歯１２ａを有する多数のリンクプレート１２，１
２，…をピン３，…により交互に連結すると共に、その
両側端（又は中央部）に、歯を有していない案内リンク
プレート１４，…を連結して無端状に構成されている。
一方、駆動スプロケット２と従動スプロケット３との間
にはテンショナ６が配設されており、サイレントチェー
ン１０の外面を押圧することに基づき、サイレントチェ
ーン１０に一定の張力を付与している。また、このよう
なテンショナ６の代わりにチェーンガイドを配設したも
のもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なサイレントチェーン伝動装置の場合、テンショナ６や
チェーンガイドをサイレントチェーン１０の外側に配置
しているため、サイレントチェーン１０の巻掛け内側空
間内に配置した場合に比べて伝動装置自体が大型化する
という問題があった。

【０００４】一方、テンショナ６等をサイレントチェー
ン１０の内側空間内に配置して該サイレントチェーン１
０を内側から外側に向けて押圧しようとしても、該テン
ショナ６の摺動部とリンクプレート１２の歯１２ａとの
面圧が高く摩耗し易いという問題があった。

【０００５】そこで、本発明は、サイレントチェーンの
形状を適切なものとすることにより、該チェーン内側を
テンショナ等の摺動部に接触させ、耐摩耗性の向上と装
置の小型化を図ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、多数のリンクプレート（Ｏ，
Ｉ）をピン（７，…）にて無端状に連結してなるサイレ
ントチェーン（５）と、該チェーン（５）を巻き掛け・
噛合する複数のスプロケット（２，３）と、前記チェー
ン（５）に当接する摺動部（６ａ）と、からなるサイレ
ントチェーン伝動装置（１）において、前記リンクプレ
ートが、歯部（Ｉａ，Ｉｂ）を有する第１のリンクプレ
ート（Ｉ）と、該歯部を有さずに滑らかな端縁（Ｏａ）
を有する第２のリンクプレート（Ｏ）と、を有し、前記
摺動部（６ａ）を前記サイレントチェーン（５）の巻掛
け内側空間内に配設し、かつ、前記第１のリンクプレー
ト（Ｉ）の歯部（Ｉａ，Ｉｂ）が前記スプロケット
（２，３）に噛合されると共に、前記第２のリンクプレ
ート（Ｏ）の端縁（Ｏａ）が前記摺動部（６ａ）上を摺
動する、ことを特徴とする。

【０００７】この場合、前記摺動部（６ａ）が、前記チ
ェーン（５）を押圧して一定の張力を与えるテンショナ
であってもよい。

【０００８】また、前記サイレントチェーン伝動装置
（１）に用いられるサイレントチェーン（５）は、歯部
（Ｉａ，Ｉｂ）を有する第１のリンクプレート（Ｉ）
と、ピン孔（Ｉｃ）中心部から該歯部（Ｉａ，Ｉｂ）先
端までの高さ（ｈ）より大きい高さ（Ｈ）からなる平坦
面（Ｏａ）を有する第２のリンクプレート（Ｏ）と、を
備え、前記第１のリンクプレート（Ｉ）をピン（７，
…）にて複数列連結すると共に、前記第２のリンクプレ
ート（Ｏ）をピン（７，…）にて連結して隣接した２列
を形成してなる、ようにしてもよい。

【０００９】さらに、前記第２のリンクプレート（Ｏ）
を、前記第１のリンクプレート（Ｉ）からなる複数列の
両外側に、隣接した２列に配置してなる、ようにしても
よい。

【００１０】

【作用】以上構成に基づき、スプロケット（２，３）の
いずれか一方を駆動すると、その駆動力はサイレントチ
ェーン（５）を介して他方のスプロケット（２，３）に
伝達される。一方、摺動部（６ａ）は前記第２のリンク
プレート（Ｏ）の端縁（Ｏａ）に接触する。

【００１１】なお、上述カッコ内の符号は、図面と対照
するものであるが、何等本発明の構成を限定するもので
はない。

【００１２】

【実施例】以下、図面に沿って、本発明の実施例につい
て説明する。

【００１３】本実施例に係るサイレントチェーン伝動装
置１は、図１に示すように、駆動スプロケット２と従動
スプロケット３とを備えており、これらスプロケット
２，３間には、無端状に形成されたサイレントチェーン
５が巻き掛けられている。また、両スプロケット２，３
間におけるサイレントチェーン５の巻掛け内側空間内に
はテンショナ６が配設されており、テンショナ６の摺動
部６ａがサイレントチェーン５の内側Ｏａを押圧して該
サイレントチェーン５に所定の張力を与えている。

【００１４】一方、サイレントチェーン５は、図２(a)
(b) に詳示するような、２種類の異なる形状を有するプ
レート（以下、図２(a) に示すプレートを「アウタプレ
ート（第２のリンクプレート）Ｏ」とし、図２(b) に示
すプレートを「インナプレート（第１のリンクプレー
ト）Ｉ」とする）を多数備えている。このうちアウタプ
レートＯは、スプロケット２，３に噛合する歯を有して
おらず、その下端縁Ｏａは平坦な形状となっている。ま
た、インナプレートＩは、上述した従来例におけるリン
クプレート１２と同様の形状をしており、２個の歯（歯
部）Ｉａ，Ｉｂを有している。ここで、インナプレート
Ｉにおいて連結孔（ピン孔）Ｉｃの中心からの歯Ｉａ，
Ｉｂ先端までの高さをｈとし、アウタプレートＯにおい
て連結孔（ピン孔）Ｏｃの中心からの平坦面Ｏａの高さ
をＨとすると、Ｈとｈとの関係はＨ ≧ ｈとなるように設定されている。そして、このインナプレ
ートＩ，…は、図３に示すように、ピン７，…により交
互に多数連結されており、その両側端には、歯を有して
いないアウタプレートＯが２列ずつ隣接し、かつ交互に
連結されている。したがって、サイレントチェーン５を
側部から見た場合には、図４に示すように、各アウタプ
レートＯの下端縁Ｏａが連続して直線状の端縁を形成し
ており、テンショナ６の摺動部６ａはこの端縁Ｏａを接
触してサイレントチェーン５を押圧することとなる。な
お、両側端列のアウタプレートＯはピン７にかしめ固着
され、他のプレート（インナプレートＩ，…、及び両側
端列にないアウタプレートＯ）はピン７に遊嵌されてサ
イレントチェーン５が自由に屈曲し得るように構成され
ている。また、両側端のアウタプレートＯはスプロケッ
ト２，３の歯には噛合されず、かかるスプロケット２，
３の両側面に接触するようになっており、サイレントチ
ェーン５とスプロケット２，３との噛合が外れないよう
に案内プレートの役割をも果たしている。

【００１５】以上構成に基づき、駆動スプロケット２を
駆動すると、その駆動力はサイレントチェーン５を介し
て従動スプロケット３に伝達される。一方、テンショナ
６の摺動部６ａはサイレントチェーン５の内面に接触
し、該サイレントチェーン５に一定の張力を与えてい
る。

【００１６】これにより、テンショナ６の摺動部６ａが
接触するサイレントチェーン５の内面は、各アウタプレ
ートＯの下端縁Ｏａが連続して直線状の端縁を形成して
いるため、接触面圧が低減され、摺動部６ａ及びサイレ
ントチェーン５の摩耗は軽減される。また、従来利用さ
れていなかったサイレントチェーン５の巻掛け内側空間
内にテンショナ６を配置したため、伝動装置１を小型に
することができる。

【００１７】なお、上述実施例においてはサイレントチ
ェーン５にテンショナ６を当接するものとしたが、もち
ろんこれに限るものではなく、チェーンガイドを当接す
るようにしても良い。また、上述実施例においてはアウ
タプレートＯを両側端に２列ずつ配置するものとした
が、もちろんこれに限るものではなく、どちらか一方の
側端に２列だけ配置するようにしてもよい。その他、サ
イレントチェーンの中央列に２列ないしそれ以上配置す
るようにしてもよい。またさらに、アウタプレートＯの
枚数や配置場所（配置する列）も限定されない。また、
上述実施例においては、アウタプレートＯの下端縁Ｏａ
を平坦な形状としたが、テンショナ６の摺動部６ａに接
触しているときにその面圧が低減されるような滑らかな
形状であれば良く、直線形状には限らない。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によると摺
動部の接触する第２のリンクプレートの端縁は滑らかに
形成されているため、摺動部とサイレントチェーンとの
間の接触面圧が低減され、それらの摩耗は軽減される。
また、従来利用されていなかったサイレントチェーンの
巻掛け内側空間内に前記摺動部を配置したため、サイレ
ントチェーン伝動装置を小型にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例に係るサイレントチェーン伝動装置を
示す図。

【図２】(a) はアウタプレートの形状を示す図、(b) は
インナプレートの形状を示す図。

【図３】サイレントチェーンの全体構造を示す斜視図。

【図４】サイレントチェーンの側面図。

【図５】従来のサイレントチェーン伝動装置の構造を示
す図。

【図６】(a) はリンクプレートの形状を示す図、(b) は
サイレントチェーンの構造を示す図、(c) は(b) の側面
図。

【符号の説明】

１サイレントチェーン伝動装置２駆動スプロケット３従動スプロケット５サイレントチェーン６テンショナ６ａ摺動部７ピンＩ第１のリンクプレート（インナプレート）Ｉａ，Ｉｂ歯部（歯）Ｉｃピン孔（連結孔）Ｏ第２のリンクプレート（アウタプレート）Ｏａ端縁Ｉｃピン孔（連結孔）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】多数のリンクプレートをピンにて無端状
に連結してなるサイレントチェーンと、該チェーンを巻
き掛け・噛合する複数のスプロケットと、前記チェーン
に当接する摺動部と、からなるサイレントチェーン伝動
装置において、前記リンクプレートが、歯部を有する第１のリンクプレ
ートと、該歯部を有さずに滑らかな端縁を有する第２の
リンクプレートと、を有し、前記摺動部を前記サイレントチェーンの巻掛け内側空間
内に配設し、かつ、前記第１のリンクプレートの歯部が前記スプロケットに
噛合されると共に、前記第２のリンクプレートの端縁が
前記摺動部上を摺動する、ことを特徴とするサイレントチェーン伝動装置。
【請求項２】前記摺動部が、前記チェーンを押圧して
一定の張力を与えるテンショナである、ことを特徴とする請求項１記載のサイレントチェーン伝
動装置。
【請求項３】請求項１記載のサイレントチェーン伝動
装置に用いられるサイレントチェーンであって、歯部を有する第１のリンクプレートと、ピン孔中心部か
ら該歯部先端までの高さより大きい高さからなる平坦面
を有する第２のリンクプレートと、を備え、前記第１のリンクプレートをピンにて複数列連結すると
共に、前記第２のリンクプレートをピンにて連結して隣
接した２列を形成してなる、サイレントチェーン。
【請求項４】前記第２のリンクプレートを、前記第１
のリンクプレートからなる複数列の両外側に、隣接した
２列に配置してなる、請求項３記載のサイレントチェーン。