JP2003214443A - 車輪用軸受ユニットとその製造方法 - Google Patents

車輪用軸受ユニットとその製造方法

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JP2003214443A
JP2003214443A JP2002009465A JP2002009465A JP2003214443A JP 2003214443 A JP2003214443 A JP 2003214443A JP 2002009465 A JP2002009465 A JP 2002009465A JP 2002009465 A JP2002009465 A JP 2002009465A JP 2003214443 A JP2003214443 A JP 2003214443A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行時にハブ8aに支持したホイールやロー
タの振れ回りを抑え、高速走行時の安定性向上を図る。
又、必要に応じて、このロータの軸方向の振れを抑え、
制動時に振動が発生する事を防止する。 【解決手段】 ホイール及びロータの内周縁を外嵌する
位置決め筒部16の外周面17、更には必要に応じて、
回転側フランジ15aの外側面27の仕上加工を、車輪
用軸受ユニット5aの組立後に行なう。各部材の寸法誤
差や組み付け誤差に拘らず、上記外周面17の径方向に
関する振れ回り、並びに上記外側面27の軸方向の振れ
を小さく抑えて、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の車輪並
びにロータ或はドラム等の制動用回転体を支持する車輪
用軸受ユニット、及び、この様な車輪用軸受ユニットの
製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪を構成するホイール1及び
制動装置であるディスクブレーキを構成するロータ2
は、例えば図8に示す様な構造により、懸架装置を構成
するナックル3に回転自在に支承している。即ち、この
ナックル3に形成した円形の支持孔4部分に、本発明の
対象となる車輪用軸受ユニット5を構成する、請求項に
記載した静止輪である外輪6を、複数本のボルト7によ
り固定している。一方、上記車輪用軸受ユニット5を構
成する、請求項に記載した回転輪であるハブ8に上記ホ
イール1及びロータ2を、複数本のスタッド9とナット
10とにより結合固定している。
【0003】上記外輪6の内周面には、静止側軌道であ
る複列の外輪軌道11a、11bを、外周面には固定側
フランジ12を、それぞれ形成している。この様な外輪
6は、この固定側フランジ12を上記ナックル3に、上
記各ボルト7で結合する事により、このナックル3に対
し固定している。
【0004】これに対して、上記ハブ8は、ハブ本体1
3と内輪14とを組み合わせて成る。このうちのハブ本
体13の外周面の一部で、上記外輪6の外端開口(軸方
向に関して外とは、自動車への組み付け状態で幅方向外
側となる部分を言い、図1、2、5、6、7、8の左
側、図4の上側。反対に、自動車への組み付け状態で幅
方向中央側となる、図1、2、5、6、7、8の右側及
び図4の下側を、軸方向に関して内と言う。本明細書全
体で同じ。)から突出した部分には、回転側フランジ1
5を形成している。又、上記ハブ本体13の外端面に位
置決め筒部16を形成している。この位置決め筒部16
の外周面17は、上記ハブ本体13と同心にしている。
【0005】上記ホイール1及びロータ2は、それぞれ
の内周縁部を上記位置決め筒部16に外嵌した状態で、
上記回転側フランジ15の片側面(図示の例では外側
面)に、上記各スタッド9とナット10とにより、結合
固定している。この状態で、上記ホイール1及びロータ
2と上記ハブ8とが互いに同心になる。又、上記ハブ本
体13の中間部外周面で、上記複列の外輪軌道11a、
11bのうちの外側の外輪軌道11aに対向する部分に
は、第一の内輪軌道18を、上記ハブ本体13に対し直
接形成している。更に、上記ハブ本体13の内端部外周
面に形成した小径段部19に上記内輪14を外嵌固定し
て、上記ハブ8を構成している。そして、この内輪14
の外周面に形成した第二の内輪軌道20を、上記複列の
外輪軌道11a、11bのうちの内側の外輪軌道11b
に対向させている。
【0006】これら各外輪軌道11a、11bと第一、
第二の各内輪軌道18、20との間には、それぞれが転
動体である玉21、21を複数個ずつ、それぞれ保持器
22、22により保持した状態で転動自在に設けてい
る。この構成により、背面組み合わせである複列アンギ
ュラ型の玉軸受を構成し、上記外輪6の内側に上記ハブ
8を、回転自在に、且つ、ラジアル荷重及びスラスト荷
重を支承自在に支持している。尚、上記外輪6の両端部
内周面と、上記ハブ本体13の中間部外周面及び上記内
輪14の内端部外周面との間には、それぞれシールリン
グ23a、23bを設けて、上記各玉21、21を設け
た内部空間と外部とを遮断している。更に、図示の例
は、駆動輪(FR車及びRR車の後輪、FF車の前輪、
4WD車の全輪)用の車輪用軸受ユニット5である為、
上記ハブ本体13の中心部に、スプライン孔24を形成
している。そして、このスプライン孔24に、等速ジョ
イント25のスプライン軸26を挿入している。
【0007】上述の様な車輪用軸受ユニット5の使用時
には、図8に示す様に、外輪6をナックル3に固定する
と共に、ハブ本体13の回転側フランジ15に、図示し
ないタイヤを組み合わせたホイール1及びロータ2を固
定する。この際、前述した様に、ホイール1及びロータ
2の内周縁部を位置決め筒部16に外嵌する事により、
これらホイール1及びロータ2と上記ハブ8とを互いに
同心にする。又、このうちのロータ2と、上記ナックル
3に固定した、図示しないサポート及びキャリパとを組
み合わせて、制動用のディスクブレーキを構成する。制
動時には、上記ロータ2を挟んで設けた1対のパッドを
このロータ2の制動用摩擦面である両側面に押し付け
る。尚、本明細書中で制動用摩擦面とは、制動用回転体
がロータである場合には、このロータの軸方向両側面を
言い、制動用回転体がドラムである場合には、このドラ
ムの内周面を言う。
【0008】上述の様な構造で、走行時に上記ホイール
1及びロータ2が振れ回る(回転に伴って外周縁が径方
向に変位する)のを防止する為には、これらホイール1
及びロータ2の幾何中心と上記ハブ8の回転中心とが一
致している事が必要である。この為従来から、前記位置
決め筒部16の外周面17と上記ハブ8の中心軸とを一
致させると共に、この位置決め筒部16に上記ホイール
1及びロータ2の外周縁を、がたつきなく外嵌する様に
している。更には、前記各ナット10の内端面に設けた
円すい凸面と、上記ホイール1に設けた円すい凹面とを
係合させる様にしている。この構造により、前記各スタ
ッド9に上記各ナット10を螺合し更に緊締するのに伴
って、上記ホイール1と上記ハブ8とを同心にする様に
している。但し、従来は、上記位置決め筒部16の外周
面17の仕上加工は、ハブ8単体の状態で行なってい
た。即ち、このハブ8の中心軸と使用状態での回転中心
とが一致するとの前提で、上記外周面17を仕上加工し
ていた。
【0009】一方、上記ホイール1及びロータ2を結合
すべき、前記回転側フランジ15の外側面27に関して
は、上記ハブ8を他の部材と組み合わせて前記車輪用軸
受ユニット5とした後に仕上加工を施す技術が、従来か
ら知られている。この様な技術を採用する理由は、制動
時に、ジャダーと呼ばれる不快な騒音を伴う振動が発生
する事を防止する為である。即ち、上記ロータ2の側面
は、このロータ2の回転中心に対して、本来直角となる
べきものであるが、不可避な製造誤差等により、完全に
直角にする事は難しい。この結果、自動車の走行時に上
記ロータ2の側面は、多少とは言え、回転軸方向(図8
の左右方向)に振れる事が避けられない。この様な振れ
(図8の左右方向への変位量)が大きくなると、制動の
為に1対のパッドのライニングを上記ロータ2の両側面
に押し付けた場合に、上記ジャダーが発生する。
【0010】この様な原因で発生するジャダーを抑える
為には、上記ロータ2の側面の軸方向の振れ(アキシア
ル振れ)を抑える(向上させる)事が重要となる。そし
て、この振れを抑える為には、上記ハブ本体13の回転
中心に対する回転側フランジ15の取付面である外側面
27の直角度を向上させる事が重要となる。米国特許第
6,071,180号明細書、同第6,158,124
号明細書、国際公開WO 00/74883 A1号公報には、回
転側フランジの取付面を、この回転側フランジを含むハ
ブを回転させつつ仕上加工する方法が記載されている。
これら各米国特許明細書及び国際公開公報に記載された
製造方法により造られる車輪用軸受ユニットの場合、各
構成部材の製造上不可避な寸法誤差や組み付け誤差に拘
らず、ハブの回転中心に対する回転側フランジの外側面
の直角度を向上させる事ができて、この外側面に固定す
るロータ等の回転制動体の制動用摩擦面の振れを抑える
事ができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】但し、上述した各米国
特許明細書及び国際公開公報に記載された何れの発明の
場合も、ロータを軸方向に突き合わせる、回転側フラン
ジの外側面の直角度を向上させる事を意図しているのみ
で、上記ロータ及びホイールの振れ回りを抑える事を意
図してはいない。即ち、図8の構造で説明すると、車輪
用軸受ユニット5を組み立てた後に仕上加工を施すの
は、回転側フランジ15の外側面27のみで、位置決め
筒部16の外周面17まで、組立後に仕上加工する事は
意図していない。これに対して近年、自動車の性能向上
により、車輪の幾何中心とその回転中心とを厳密に一致
させたいとする要求が厳しくなっている。本発明の車輪
用軸受ユニットとその製造方法は、この様な事情に鑑み
て発明したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の車輪用軸受ユニ
ットとその製造方法のうち、請求項1に記載した車輪用
軸受ユニットは、前述した従来の車輪用軸受ユニットと
同様に、車輪及び制動用回転体を懸架装置に対し回転自
在に支持する為の車輪用軸受ユニットであって、静止輪
と、ハブと、複数個の転動体とを備える。そして、この
うちの静止輪は、静止側周面に複列の静止側軌道を有
し、使用時に上記懸架装置に支持された状態で回転しな
いものである。又、上記ハブは、外周面の外端部に形成
された、その軸方向片面を上記制動用回転体を支持する
為の取付面とした回転側フランジと、上記静止側周面と
対向する回転側周面に設けられた、それぞれが上記各静
止側軌道と対向する複列の回転側軌道と、外端面に設け
られた、上記車輪及び上記制動用回転輪の内周縁部をが
たつきなく外嵌する為の位置決め筒部とを備えたもので
ある。更に、上記各転動体は、上記各静止側軌道と上記
各回転側軌道との間に、それぞれ複数個ずつ、転動自在
に設けられている。特に、請求項1に記載した車輪用軸
受ユニットに於いては、上記位置決め筒部の外周面は、
少なくとも上記静止輪と上記ハブと上記各転動体とを組
み付けた後、旋削等の機械加工により上記ハブの回転中
心をその中心とする円筒面に加工されたものである。
【0013】又、請求項4に記載した車輪用軸受ユニッ
トの製造方法は、上記外輪とハブと複数の転動体とを組
み付けた後、このハブをこの外輪に対し回転させつつ、
位置決め筒部の外周面を、旋削加工により所定の外径を
有する円筒面に加工する。
【0014】
【作用】上述の様に構成する本発明の車輪用軸受ユニッ
トとその製造方法の場合、位置決め筒部の外周面の中心
をハブの回転中心に、高精度で一致させる事ができる。
この為、上記位置決め筒部に外嵌するホイール及びロー
タの幾何中心と、上記ハブの回転中心とを一致させて、
これらハブ及びロータの振れ回りを抑える事ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜3は、請求項1〜4に対応
する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例
の製造方法により造る車輪用軸受ユニット5aは、外輪
6の中間部外周面に、この外輪6をナックル3(図8)
に結合固定する為の固定側フランジ12を設けている。
又、上記外輪6の内周面には、複列の外輪軌道11a、
11bを形成している。又、ハブ8aを構成するハブ本
体13a及び内輪14の外周面で上記各外輪軌道11
a、11bに対向する部分に第一、第二の内輪軌道1
8、20を、それぞれ設けている。
【0016】即ち、上記ハブ本体13aの中間部外周面
に直接第一の内輪軌道18を形成すると共に、このハブ
本体13aの内端寄り部分に形成した小径段部19に、
その外周面に第二の内輪軌道20を形成した上記内輪1
4を外嵌している。そして、この内輪14が上記小径段
部19から抜け出るのを防止する為に、上記ハブ本体1
3aの内端部にかしめ部28を形成している。即ち、上
記小径段部19に上記内輪14を外嵌した後、上記ハブ
本体13aの内端部でこの内輪14の内端面から突出し
た部分を径方向外方に塑性変形させて上記かしめ部28
を形成し、このかしめ部28により上記内輪14の内端
面を抑え付けている。この構成により、この内輪14
は、上記ハブ本体13aの内端部に外嵌固定されて、上
記ハブ8aを構成する。
【0017】又、このハブ本体13aの外周面の外端寄
り部分で、上記外輪6の外端開口から突出した部分に
は、車輪を構成するホイール1及び制動用回転体である
ロータ2(図8)或はドラムを固定する為の回転側フラ
ンジ15aを設けている。この回転側フランジ15aの
円周方向複数個所で、上記ハブ本体13aの回転中心を
その中心とする同一円周上には、それぞれ取付孔29を
形成し、これら各取付孔29の内側に、複数のスタッド
9の基端部に設けたセレーション部を、それぞれ圧入固
定している。
【0018】又、上記ハブ本体13aの外端面に、上記
ホイール1及びロータ2を外嵌固定する為の位置決め筒
部16を、上記ハブ本体13aと同心に設けている。本
例の場合、この位置決め筒部16の外周面17のうち、
基端部(内端部)を上記ロータ2の内周縁部を外嵌する
為の大径部30とし、中間部乃至先端部(外端部)を、
上記ホイール1の内周縁部を外嵌する為の小径部31と
している。これら大径部30と小径部31とは互いに同
心で、段部32により互いに連続している。
【0019】又、上記各外輪軌道11a、11bと第
一、第二の各内輪軌道18、20との間には、それぞれ
が転動体である複数個の玉21、21を、それぞれ保持
器22、22により保持した状態で、転動自在に設けて
いる。尚、上記外輪6の両端部内周面と、上記ハブ本体
13aの中間部外周面及び上記内輪14の内端部外周面
との間には、1対のシールリング23a、23bを設け
て、上記各玉21、21を設けた内部空間33と外部と
を遮断し、この内部空間33内に封入したグリースの漏
洩防止と、この内部空間33内への異物の進入防止とを
図っている。
【0020】更に、本例の場合には、上記1対のシール
リング23a、23bのうちの内側のシールリング23
bを構成し、前記内輪14の内端部に外嵌固定した芯金
34の側面に、エンコーダ35を固定している。このエ
ンコーダ35は、円周方向に関してS極とN極とを交互
に配置したゴム磁石製である。即ち、このエンコーダ3
5は、ゴム中にフェライト粉末を混入したゴム磁石を円
輪状に形成したもので、軸方向に着磁している。着磁方
向は、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させて
いる。従って、このエンコーダ35の内側面には、S極
とN極とが、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置
されている。車輪用軸受ユニット5aの使用時には、上
記エンコーダ35の内側面に、懸架装置の一部等、固定
の部分に支持した図示しないセンサの検出部を、微小隙
間を介して対向させる。そして、上記エンコーダ35の
回転速度に応じて変化する、上記センサの出力信号を取
り出し自在とする。この様なエンコーダ35とセンサと
は、前記ハブ本体13aに固定した車輪の回転速度を検
出する為の回転速度検出装置を構成する。
【0021】上述の様な車輪用軸受ユニット5aに設け
た前記位置決め筒部16の外周面17(大径部30及び
小径部31)は、旋削加工により、前記ハブ8aの回転
中心と同心の円筒面に仕上げている。又、前記回転側フ
ランジ15aの外側面27は、旋削加工により、上記ハ
ブ8aの回転中心軸に対し直角な平坦面に仕上げてい
る。この様に上記位置決め筒部16の外周面17及び回
転側フランジ15aの外側面27に旋削加工を施すのに
先立って、上記車輪用軸受ユニット5aの構成各部材
を、上記位置決め筒部16の外周面17及び回転側フラ
ンジ15aの外側面27を除いて、所定の形状及び寸法
に加工する。又、上記位置決め筒部16の外周面17及
び回転側フランジ15aの外側面27は、おおまかな形
状及び寸法に加工する。次いで、上記車輪用軸受ユニッ
ト5aの構成各部材を、図1に示す状態に組み立てる。
【0022】即ち、上記ハブ8aを構成するハブ本体1
3a及び内輪14の周囲に、前記外輪6及び前記各玉
(転動体)21、21を組み付けて、上記車輪用軸受ユ
ニット5aを構成する。言い換えれば、上記外輪6の内
周面に設けた外輪軌道11a、11bと上記ハブ本体1
3a及び内輪14の外周面に設けた第一、第二の各内輪
軌道18、20との間に上記複数の玉21、21を設け
た状態で、上記外輪6とハブ本体13aと内輪14と複
数の玉21、21とを組み立てる。この状態で上記ハブ
本体13aの外端面に設けた上記位置決め筒部16及び
このハブ本体13aの外端部外周面に設けた前記回転側
フランジ15aは、上記外輪6の軸方向外側に位置す
る。又、この回転側フランジ15aの取付面である外側
面27は、軸方向に関して上記外輪6と反対側に位置す
る。又、上記各玉21、21には、背面組み合わせ型の
接触角が付与される為、上記車輪用軸受ユニット5a
は、走行時に加わるラジアル荷重及びスラスト荷重を支
承自在となる。又、上記外輪6の両端部内周面と上記ハ
ブ本体13aの中間部外周面及び内輪14の内端部外周
面との間に、1対のシールリング23a、23bを設け
る。又、上記回転側フランジ15aに複数のスタッド9
の基端部を固定する。
【0023】そして、この状態で、上記回転側フランジ
15aの外側面27に旋削加工を施すべき車輪用軸受ユ
ニット5aを、旋削加工装置36に組み付ける。この場
合、上記外輪6の外周面の、前記固定側フランジ12の
内側面よりも軸方向内側部分を、上記旋削加工装置36
を構成するチャック37の先端部により掴む。又、この
チャック37の先端面(図1、2の左端面)を、上記固
定側フランジ12の内側面(外側面27と反対側の面)
の内径寄り部分に突き当てる。尚、本例の場合には、上
記チャック37の先端部内周面を、合成樹脂、アルミニ
ウム、銅等の比較的軟らかい材料から成るスリーブ38
により構成している。そして、上記外輪6を上記チャッ
ク37により掴んだ状態で、この外輪6の外周面が上記
スリーブ38の内周面のみに接触し、この外輪6の外周
面が傷付けられない様にしている。
【0024】又、本例の場合には、上記回転側フランジ
15aに前記各スタッド9を固定した状態で、この回転
側フランジ15aの外側面27に容易に旋削加工を施せ
る様にすべく、この外側面27の形状を工夫している。
即ち、本例の場合には、上記回転側フランジ15aの外
側面27の径方向中間部に、全周に亙る環状の凹部39
を形成している。そして、上記各スタッド9の基端部を
固定する為の複数の取付孔29の軸方向一端(図1、2
の左端)を、上記凹部39内に開口させている。この凹
部39の径方向に関する幅W39は、上記各取付孔29の
内径d29(図2)よりも大きくしている(W39
29)。上記各スタッド9の基端部を上記回転側フラン
ジ15aに固定した状態で、これら各スタッド9のうち
で上記回転側フランジ15aの外側面27から突出した
部分(鍔部40を除く部分)は、図1に鎖線αで示す、
上記凹部39の外周縁を含む仮想円筒面と、同じく鎖線
βで示す、この凹部39の内周縁を含む仮想円筒面との
間に存在する、(図3の白抜き部分をその断面とする)
仮想の円筒状空間内に存在する。
【0025】そして、上記ハブ本体13aの中心部に設
けたスプライン孔24の内側に上記旋削加工装置36の
スピンドル41の先端部を、上記ハブ本体13aの外端
側から挿入し、このスピンドル41の先端部外周面に設
けた雄スプライン部42と上記スプライン孔24とをス
プライン係合させる。次いで、上記スピンドル41を回
転駆動する事により、上記ハブ本体13aをその中心軸
を中心に回転させつつ、前記位置決め筒部16の外周面
17、並びに、上記回転側フランジ15aの外側面27
で上記凹部39を径方向両側から挟む部分(図3の斜格
子部分)に、3本の精密加工バイト43a、43b、4
3cを突き当てて、これら各部分に旋削加工を施す。そ
して、上記位置決め筒部16の外周面17、並びに、上
記回転側フランジ15aの外側面27を所定の形状及び
寸法に仕上げる。
【0026】上述の様に本例の車輪用軸受ユニットの製
造方法とこの製造方法により得た車輪用軸受ユニットの
場合には、車輪用軸受ユニット5aの各構成部材を組み
付けた後に、上記ハブ本体13aの外端面に設けた、ホ
イール1及びロータ2(図8参照)を外嵌する為の位置
決め筒部16の外周面17、並びに、上記ハブ本体13
aの外周面に設けた、上記ホイール1及びロータ2を結
合固定する為の回転側フランジ15aの外側面27に旋
削加工を施して、所定の形状及び寸法に仕上げる。この
為、上記各構成部材の製造上不可避な寸法誤差や組み付
け誤差に拘らず、上記ハブ本体13aの回転中心と上記
位置決め筒部16の外周面の幾何中心とを厳密に一致さ
せる(同心性を良好にする)他、このハブ本体13aの
回転中心に対する上記外側面27の直角度を高くでき
る。尚、上記ハブ本体13aの回転中心と上記位置決め
筒部16の外周面17の幾何中心とを厳密に一致させる
程度は、高い(不一致の量が少ない)程好ましいが、前
記ハブ8aの回転に伴う上記外周面17の振れ回り量を
50μm以下に抑えれば、実用上十分な精度となる。
【0027】上述した各部の精度のうち、上記両中心同
士を厳密に一致させられる事は、走行時に上記ホイール
1及びロータ2の振れ回りを抑え、高速走行時の安定性
向上に寄与できる。又、上記外側面27の直角度を向上
させる事は、上記回転側フランジ15aに固定したロー
タ2の制動用摩擦面である両側面の振れを抑え、制動時
にジャダーが発生する事を抑えられる事に繋がる。特に
図示の例の場合には、前記内輪14を上記ハブ本体13
aに対し、このハブ本体13aの内端部に形成した前記
かしめ部28により固定している。この為、仮に、上記
位置決め筒部16の外周面17の同心性や上記外側面2
7の直角度が不良である場合には、上記車輪用軸受ユニ
ット5aの各構成部材の再利用が不能と(全部品を廃棄
しなければならなく)なり、部品の歩留が悪化する。こ
れに対して本発明の場合には、上記外周面17の同心性
や上記外側面27の直角度を常に良好にできるので、上
記歩留を良好にして、高品質の車輪用軸受ユニット5a
を低コストで造れる。
【0028】しかも、本例の場合には、上記位置決め筒
部16の外周面17及び上記回転側フランジ15aの外
側面の加工を、前記各精密加工バイト43a、43b、
43cを使用した旋削加工により行なう。この為、被加
工部である上記位置決め筒部16の外周面17及び上記
回転側フランジ15aの外側面27に研削液を注ぐ必要
がなく、所謂乾式加工が可能になる。又、加工に伴って
生じる加工屑は、糸状に連続したものとなって、周囲に
飛散しにくくなる。この為、研削液や加工屑等の異物
が、既に構成各部材を組み立てて成る前記車輪用軸受ユ
ニット5aの内部空間33に入り込みにくくなって、上
記回転側フランジ15aの仕上加工に伴って、上記車輪
用軸受ユニット5aの耐久性が損なわれる原因を生じに
くくできる。
【0029】又、旋削加工時に、加工工具である上記各
精密加工バイト43a、43b、43cと上記位置決め
筒部16の外周面17及び上記回転側フランジ15aの
外側面27との間に作用する摩擦力は限られたもので済
む。この為、加工時に上記位置決め筒部16及び上記回
転側フランジ15aに加わる応力を小さく抑える事がで
きて、被加工部で発生する熱が低く済む事と合わせて、
上記位置決め筒部16及び回転側フランジ15aに歪み
が生じにくくなる。この為、この位置決め筒部16に外
嵌したホイール1及びロータ2の振れ回りをより抑える
と共に、上記回転側フランジ15aに結合固定したロー
タ2の両側面の振れを、より一層低く抑える事ができ
る。更には、必要に応じて、上記回転側フランジ15a
の外周縁の仕上加工も、上記車輪用軸受ユニット5aを
前記旋削加工装置36に着脱する事なく、容易に行なえ
る。上記回転側フランジ15aの外周縁の精度を向上さ
せる事は、前記ハブ8aの回転バランスを向上させて、
高速安定性を良好にする面から好ましい。
【0030】更に、本例の場合には、上記外輪6の外周
面を旋削加工装置36のチャック37により掴んだ状態
で、この外輪6の外周面が、比較的軟らかい材料から成
るスリーブ38の内周面のみに接触する様にしている。
上記チャック37の本体部分を構成する比較的硬い金属
製の部分は、上記外輪6の外周面に接触させない。この
為、上記チャック37を構成する硬い金属製の部分によ
り、この外周面が傷付けられるのを防止できて、この部
分の外周面の形状精度を十分に確保できる。この部分の
外周面は、車輪用軸受ユニット5aの使用時に、前記ナ
ックル3の支持孔4(図8)の内側に内嵌する部分であ
り、この部分の外周面の形状精度を十分に確保できる事
で、上記外輪6の一部を上記支持孔4の内側にがたつき
なく内嵌固定する事ができる。
【0031】又、本例の場合には、前記回転側フランジ
15aの外側面27の径方向中間部に環状の凹部39を
形成し、前記複数のスタッド9を固定する為の複数の取
付孔29の軸方向一端を、この凹部39内に開口させて
いる。この為、各精密加工バイト43b、43cによる
旋削加工時に、これら各精密加工バイト43b、43c
と、上記各取付孔29に固定したスタッド9とが干渉す
る事を防止できる。従って、上記回転側フランジ15a
に前記複数のスタッド9を固定した状態で、この回転側
フランジ15aの外側面27に施す旋削加工作業を容易
に行なえる。しかも、上記回転側フランジ15aの外側
面27で、上記凹部39を径方向両側から挟む部分のほ
ぼ総てに旋削加工を施す事ができる。この為、上記回転
側フランジ15aの外側面27の一部に、上記旋削加工
を施した部分よりも軸方向外側に突出する突部が形成さ
れる事をなくせる。従って、上記外側面27で上記凹部
39から外れたほぼ総ての部分を平坦面とする事ができ
て、この外側面27に固定したロータ2の振れを十分に
抑える事ができる。
【0032】尚、以上に述べた第1例で、上記回転側フ
ランジ15aの外側面27の仕上加工を、この回転側フ
ランジ15aにスタッド9を圧入固定する以前に行なう
のであれば、この回転側フランジ15aの外側面から凹
部39を省略し、この外側面に、1本の精密加工バイト
で連続して仕上加工をする事もできる。又、スタッド9
の圧入固定後に上記外側面の仕上加工を行なう場合で
も、多少加工時間が長くなるが、1本の精密加工バイト
により仕上加工をする事もできる。この場合でも、NC
制御を行なえば、凹部39の外径側と内径側との面位置
を厳密に一致させる事ができる。この場合に、前記位置
決め筒部16の外周面17を含め、総ての面17、27
を1本の精密加工バイトで仕上げる事も可能である。
【0033】次に、図4は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、車輪用軸受ユニット
5bを構成する回転側フランジ15aの外側面27の仕
上加工を、上述した様に、この回転側フランジ15aに
スタッドを圧入固定する以前に行なう様にしている。こ
の為に本例の場合、上記回転側フランジ15aの外側面
27には、上述した第1例の様な凹部39(図1〜2)
は形成していない。又、上記車輪用軸受ユニット5bを
旋削加工装置36aに組み付けて、上記外側面27を、
1本の精密加工バイト43dにより連続して加工する様
にしている。この場合、外輪6を、支持台44上に、そ
の中心軸を鉛直方向に位置させて支持固定し、スピンド
ル41aの先端部をハブ8bの外端部に形成した位置決
め筒部16に、トルクの伝達自在に内嵌する様にしてい
る。又、上記ハブ8bの内端部に外嵌固定した内輪14
の内端部をこのハブ8bの内端面よりも突出させ、この
内輪14の内端面を図示しない等速ジョイントの一部で
抑え付ける様にしている。又、内部空間33の内端開口
を塞ぐシールリング23bには、第1例の様なエンコー
ダは組み込んでいない。本例の場合も、上記位置決め筒
部16の外周面17を、上記ハブ8bを回転させつつ、
精密加工バイト43aにより、このハブ本体8bの回転
中心をその中心とする円筒面に仕上げる。その他の構成
及び作用は、上述した第1例の場合と同様であるから、
重複する説明は省略する。
【0034】次に、図5〜6は、本発明の実施の形態の
第3例を示している。本例の場合には、ハブ本体13a
の外端部外周面に設けた回転側フランジ15aの外周面
で外径が最も大きくなる部分に、単一の円筒面部45
を、全周に亙り設けている。又、この円筒面部45の外
径D45を、固定側フランジ12の外接円の直径D12(図
6)よりも大きくしている(D45>D12)。そして、前
述した第1例の場合と同様に、車輪用軸受ユニット5c
の各構成部材を組み立てた状態で、外輪6の内端部に塞
ぎ部材46を外嵌固定する。この塞ぎ部材46は、合成
樹脂を射出成形する事により、全体を有底円筒状に造っ
たものである。即ち、この塞ぎ部材46は、筒部47
と、この筒部47の内端(図5、6の右端)を塞ぐ底板
部48とから成る。又、この底板部48のうち、上記筒
部47と反対側の側面の中心部に、摘み部49を突設し
ている。又、上記筒部47は、互いに同心である小径円
筒部50と大径円筒部51とを、段部52により連続さ
せて成る。この様な塞ぎ部材46は、上記回転側フラン
ジ15aの外側面27の旋削加工時に、外輪6の内端部
外周面に設けた小径段部53に締り嵌めにより外嵌固定
する。又、上記筒部47の中間部に設けた段部52の外
側面を、上記外輪6の内端面に突き当てる。
【0035】そして、この状態で、位置決め筒部16の
外周面17及び回転側フランジ15aの外側面27に旋
削加工を施すべき車輪用軸受ユニット5cを、旋削加工
装置36bに組み付ける。この場合、上記外輪6の外周
面の、前記固定側フランジ12と上記小径段部53との
間部分を、前述した第1例の場合と同様に、上記旋削加
工装置36bを構成するチャック37の先端部により掴
む。
【0036】更に、本例の場合には、鋼板等の金属板製
又は合成樹脂製で、内外両周面が単なる円筒面である円
筒状のカバー54の基端部を、上記旋削加工装置36b
の一部に固定している。このカバー54の内径d54(図
6)は、前記円筒面部45の外径D45よりも僅かに大き
くしている(d54>D45)。上記車輪用軸受ユニット5
cを上記旋削加工装置36bに設置する場合には、前記
外輪6の内端部に前記塞ぎ部材46を固定した上記車輪
用軸受ユニット5cを、上記カバー54の内側に、この
塞ぎ部材46を先にした状態で挿入する。そして、上記
回転側フランジ15aに設けた円筒面部45の軸方向中
間部の外径側から上記塞ぎ部材46の内端の外径側に亙
る部分の周囲を、上記カバー54により覆う。上記回転
側フランジ15aの外端寄り部分及びハブ8aの外端寄
り部分は、上記カバー54の内側に挿入せず、このカバ
ー54の外端から突出させる。そして、前述した第1例
の場合と同様にして、位置決め筒部16の外周面17、
並びに、回転側フランジ15aの外側面27に、3本の
精密加工バイト43a、43b、43cを突き当てて、
上記外周面17及び外側面27に旋削加工を施す。そし
て、これら外周面17及び外側面27を所定の形状及び
寸法に仕上げる。
【0037】特に本例の場合には、これら外周面17及
び外側面27を加工する際に、上記回転側フランジ15
aの外周面に設けた円筒面部45の外径側から上記外輪
6の内端の外径側に亙る部分の周囲を円筒状のカバー5
4により覆っている。又、上記回転側フランジ15aの
外周面で、外径が最も大きくなる部分に、単一の円筒面
部45を設けると共に、この円筒面部45の外径D
45を、固定側フランジ12の外接円の直径D12よりも大
きくしている(D45>D12)。この為、上記所定の部分
の周囲を上記円筒状のカバー54により覆っても、この
カバー54と上記固定側フランジ12とが干渉する事を
防止し、しかも、このカバー54の内周面と上記回転側
フランジ15aの円筒面部45の外周面との間の隙間を
十分に小さくできる。
【0038】従って、上記位置決め筒部16の外周面1
7、並びに、上記回転側フランジ15aの外側面27の
旋削加工時に、旋削加工に伴って生じる切り粉等の異物
が、複数の玉21、21を設けた内部空間33内に進入
したり、各シールリング23a、23bが上記異物によ
り傷付けられるのを、十分に防止できる。この結果、車
輪用軸受ユニット5cの耐久性を十分に確保できると共
に、永久磁石であるエンコーダ35に磁性体の切り粉等
の異物が付着するのを防止して、前記ハブ8aに固定し
た車輪の回転速度検出の精度向上を図れる。尚、上記円
筒面部45に動圧溝を形成し、上記回転側フランジ15
aの回転に伴ってこの円筒面部45と上記カバー54の
内周面との間に、このカバー54の内から外に向かう流
れを惹起させれば、上記内部空間33内への異物進入を
より確実に防止できる。
【0039】更に、本例の場合には、上記位置決め筒部
16の外周面17、並びに、上記回転側フランジ15a
の外側面27の旋削加工時に、上記外輪6の内端部に塞
ぎ部材46を外嵌固定している。この為、車輪用軸受ユ
ニット5cの一部周囲を円筒状のカバー54で覆う事と
相俟って、上記外輪6及びハブ8aの内端側から上記内
部空間33内に異物が進入する事を、より確実に防止で
きる。又、旋削加工が終了した場合には、旋削加工装置
36bから車輪用軸受ユニット5cを取り外し、更に、
上記外輪6の内端部から上記塞ぎ部材46を取り外す。
この様に塞ぎ部材46を取り外す作業は、作業者がこの
塞ぎ部材46に設けた摘み部49を引っ張る事により容
易に行なえる。しかも、この塞ぎ部材46を上記外輪6
に着脱する作業は、上記旋削加工装置36bから十分に
離れた場所で行なえる為、上記内部空間27内への異物
の進入を、十分に防止できる。
【0040】尚、本例の場合と異なり、上記塞ぎ部材4
6を省略する代わりに、上記旋削加工装置36bの一部
に図示しない円筒状の第二のカバーの基端部を固定し
て、旋削加工を行なう際に、この第二のカバーの先端部
を上記外輪6の内端部に外嵌する事もできる。この様に
した場合でも、上記塞ぎ部材46を用いる本例の場合と
同様に、上記外輪6及びハブ8aの内端側から前記内部
空間33内に異物が進入するのを十分に防止できる。
尚、この様に第二のカバーを外輪6の内端部に外嵌する
場合には、この第二のカバーの外嵌作業を容易に行なえ
る様にする為に、この第二のカバーを上記外輪6の内端
部に隙間嵌めで嵌合する事が好ましい。この様に第二の
カバーを外輪に隙間嵌めで嵌合させた場合でも、上記第
二のカバーの基端部は上記旋削加工装置36bの一部に
固定されている為、作業時に、この第二のカバーが上記
外輪6の内端部から外れる事はない。その他の部分の構
成及び作用は、前述の図1〜3に示した第1例の場合と
同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複
する説明を省略する。
【0041】尚、上述の説明は何れも、回転側フランジ
15aに対してスタッド9の基端部を圧入固定する構造
に本発明を適用する場合に就いて行なったが、本発明
は、この様な構造に限らず、図7に示す様な構造でも実
施できる。即ち、回転側フランジ15bにボルト55を
螺合させる為のねじ孔56を形成し、この回転側フラン
ジ15bにロータ2等の制動用回転部材及びホイール1
を結合固定する場合、これら制動用回転部材及びホイー
ル1を挿通したボルト55を上記ねじ孔56に螺合し更
に緊締する構造も知られている。
【0042】この様な構造の場合、上記回転側フランジ
15bに対しホイール1及びロータ2を結合固定する際
に、ハブ本体13aの外端面に設けた位置決め筒部16
(例えば図1参照。図7には省略。)の存在が特に重要
になる。即ち、回転側フランジにスタッドを固定した構
造の場合とは異なり、このスタッドによりホイール1及
びロータ2の位置決めを図れない為、上記位置決め筒部
16の外周面の精度を良好にする必要性が高い。従っ
て、上記図7に示した様な構造で本発明を実施すれば、
特に顕著な効果を得られる。尚、この図7に示した様な
構造で本発明を実施する場合には、前述の図1〜3及び
図5〜6に示した様な凹部39は不要であるし、回転側
フランジ15bの外側面27の旋削加工に使用する精密
加工バイト等の旋削工具に関しても、1本で連続した加
工を行なえる。上記位置決め筒部16の外周面17に関
しては、1本の精密加工バイトにより時間を前後して、
或は別の精密加工バイトにより同時に、仕上加工を施
す。
【0043】
【発明の効果】本発明の車輪用軸受ユニットとその製造
方法は、以上に述べた通り構成され作用するので、高速
走行時の安定性向上を実現できる他、必要に応じて制動
時に発生する不快な騒音や振動を十分に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を、位置決め筒部
の外周面及び回転側フランジの外側面に旋削加工を施す
状態で示す断面図。
【図2】図1の部分拡大断面図。
【図3】ハブを回転駆動する為のスピンドルを省略して
このハブを、図1の左方から見た図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同
様の図。
【図5】同第3例を示す、図1と同様の図。
【図6】図5の部分拡大断面図。
【図7】本発明の実施の形態の第4例を示す部分断面
図。
【図8】本発明の対象となる車輪用軸受ユニットの組み
付け状態の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1 ホイール 2 ロータ 3 ナックル 4 支持孔 5、5a、5b、5c 車輪用軸受ユニット 6 外輪 7 ボルト 8、8a、8b ハブ 9 スタッド 10 ナット 11a、11b 外輪軌道 12 固定側フランジ 13、13a ハブ本体 14 内輪 15、15a、15b 回転側フランジ 16 位置決め筒部 17 外周面 18 第一の内輪軌道 19、19a 小径段部 20 第二の内輪軌道 21 玉 22 保持器 23a、23b シールリング 24 スプライン孔 25 等速ジョイント 26 スプライン軸 27 外側面 28 かしめ部 29 取付孔 30 大径部 31 小径部 32 段部 33 内部空間 34 芯金 35 エンコーダ 36、36a、36b 旋削加工装置 37 チャック 38 スリーブ 39 凹部 40 鍔部 41、41a スピンドル 42 雄スプライン部 43a、43b、43c、43d 精密加工バイト 44 支持台 45 円筒面部 46 塞ぎ部材 47 筒部 48 底板部 49 摘み部 50 小径円筒部 51 大径円筒部 52 段部 53 小径段部 54 カバー 55 ボルト 56 ねじ孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪及び制動用回転体を懸架装置に対し
    回転自在に支持する為の車輪用軸受ユニットであって、 静止輪と、ハブと、複数個の転動体とを備え、 このうちの静止輪は、静止側周面に複列の静止側軌道を
    有し、使用時に上記懸架装置に支持された状態で回転し
    ないものであり、 上記ハブは、外周面の外端部に形成された、その軸方向
    片面を上記制動用回転体を支持する為の取付面とした回
    転側フランジと、上記静止側周面と対向する回転側周面
    に設けられた、それぞれが上記各静止側軌道と対向する
    複列の回転側軌道と、外端面に設けられた、上記車輪及
    び上記制動用回転輪の内周縁部をがたつきなく外嵌する
    為の位置決め筒部とを備えたものであり、 上記各転動体は、上記各静止側軌道と上記各回転側軌道
    との間に、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けられてい
    る車輪用軸受ユニットに於いて、 上記位置決め筒部の外周面は、少なくとも上記静止輪と
    上記ハブと上記各転動体とを組み付けた後、機械加工に
    より上記ハブの回転中心をその中心とする円筒面に加工
    されたものである事を特徴とする車輪用軸受ユニット。
  2. 【請求項2】 位置決め筒部の外周面に加えて、回転側
    フランジの取付面も、少なくとも静止輪とハブと各転動
    体とを組み付けた後、機械加工により所定の形状及び寸
    法に加工されたものである、請求項1に記載した車輪用
    軸受ユニット。
  3. 【請求項3】 ハブの回転に伴う位置決め筒部の外周面
    の径方向に関する振れの幅が50μm以下である、請求
    項1〜2の何れかに記載した車輪用軸受ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載した車輪用
    軸受ユニットの製造方法であって、外輪とハブと複数の
    転動体とを組み付けた後、このハブをこの外輪に対し回
    転させつつ、位置決め筒部の外周面を、旋削加工により
    所定の外径を有する円筒面に加工する、車輪用軸受ユニ
    ットの製造方法。
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