JP2003214437A - 玉軸受 - Google Patents

玉軸受

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JP2003214437A JP2002010247A JP2002010247A JP2003214437A JP 2003214437 A JP2003214437 A JP 2003214437A JP 2002010247 A JP2002010247 A JP 2002010247A JP 2002010247 A JP2002010247 A JP 2002010247A JP 2003214437 A JP2003214437 A JP 2003214437A
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Atsushi Yao
敦 八尾
Naho Ito
奈歩 伊藤
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/41Ball cages comb-shaped
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑不良の発生を抑制することができ、よっ
てモータ初期騒音の増大を防ぐことができるとともに、
回転非同期振れの発生を抑えることができ、かつ高速回
転時での保持器音及び振動の少ない玉軸受を提供する。 【解決手段】 保持器5に設けたポケット5aのピッチ
円径Xを、ボール4のピッチ円径Yと実質的に同一寸法
とする。さらに、上記ポケット5aの内面に形成した球
面5bの直径R1を、上記ボール4の直径R2の102
〜104.5%の範囲内の値に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ(HDD)などに用いられ、ディスク媒体等の回
転体を高精度に支承する玉軸受に関する。 【0002】 【従来の技術】例えばHDDでは、磁気ディスクに回転
振れが発生するのを極力抑えることが要求されており、
従来、例えば図5に示す保持器50を備えた玉軸受を用
いてスピンドルモータにより回転駆動される磁気ディス
クを支持させている。この従来の玉軸受の保持器50
は、図の二点鎖線にて示すボール51を保持するポケッ
ト50aを、周方向の複数箇所に配置して成る環状体で
あり、周方向に等配された複数のボール51をポケット
50aでそれぞれ保持しつつ、モータ側及びディスク側
にそれぞれ取り付けられた内外輪(図示せず)間で各ボ
ール51を転がり接触させる。上記ポケット50aの内
面は球面50bであり、この球面50bの半径(曲率半
径)はボール51の半径よりわずかに大きい。従って、
ポケット50aとボール51との間には微小な隙間があ
り、この隙間には潤滑剤が保持されるようになってい
る。 【0003】この保持器50においては、上記隙間が大
きくなるほど、ポケット50aに対するボール51の動
き量が大きくなり、ボール51全体(全数)における保
持器50の周方向への不等配量が大きくなる。不等配量
が大きくなると、回転非同期振れが発生する。上記HD
Dでは、この回転非同期振れが大きいと、リードライト
エラーが発生する。さらに、上記隙間が大きくなるほ
ど、高速回転時に保持器音と呼ばれる騒音や振動が発生
しやすくなる。それゆえ、従来の玉軸受では、ボール5
1のピッチ円径(以下、「PCD」ともいう)に対し
て、ポケット50aのPCDを径方向にずらすことで上
記隙間を小さくしている。 【0004】具体的には、図6(a)及び(b)に示す
ように、半径r2のボール51の各中心qを通るボール
51のPCD yに対して、半径r1のポケット球面5
0bの各中心pを通るポケット50aのPCD xを径
方向内方にわずかにずらすことにより、径方向内方側で
の上記隙間を小さくしている。また、図7(a)及び
(b)に示すように、ボール51のPCD yに対し
て、ポケット50aのPCD xを径方向外方にわずか
にずらすことにより、径方向外方側での上記隙間を小さ
くしている。このように、従来の玉軸受では、ポケット
50a及びボール51のPCD x,yを径方向に互い
にずらすことにより、上記隙間の値をできるだけ小さく
し、回転非同期振れなどの発生を抑制しようとしてい
た。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の玉軸受では、ポケット50a及びボール5
1のPCD x,yを径方向に互いにずらしていたの
で、ボール51が保持器50の周方向に転走するとき、
当該ボール51がポケット球面50bの内径端部50b
1(図6)または外径端部50b2(図7)に接触す
る。このため、ボール51の転走面上に付着している潤
滑剤が上記内径端部50b1または外径端部50b2で
絶えず掻き取られ、ポケット50aに保持されている潤
滑剤が少なくなる。この結果、潤滑不良が発生して摩擦
による振動を十分に抑制することができなくなり、軸受
振動が増加し、特に軸受回転初期時での振動が増加し
て、モータ初期騒音が大きくなるという問題を生じた。 【0006】上記のような従来の問題点に鑑み、本発明
は、潤滑不良の発生を抑制することができ、よってモー
タ初期騒音の増大を防ぐことができるとともに、回転非
同期振れの発生を抑えることができ、かつ高速回転時で
の保持器音及び振動の少ない玉軸受を提供することを目
的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の玉軸受は、内輪
及び外輪と、前記内輪と外輪との間に転動自在に設けら
れた複数のボールと、前記複数のボールをそれぞれ保持
する複数のポケットを備えた保持器とを有する玉軸受で
あって、前記ポケットのピッチ円径を、前記ボールのピ
ッチ円径と実質的に同一寸法とするとともに、前記ポケ
ットの内面に形成した球面の直径を、前記ボールの直径
の102〜104.5%の範囲内の値に設定したことを
特徴とするものである(請求項1)。 【0008】上記のように構成された玉軸受における保
持器では、ポケット及びボールのピッチ円径を実質的に
同一寸法とし、かつポケット内面に形成した球面の直径
を、ボールの直径の102〜104.5%の範囲内の値
に設定することにより、本発明の発明者等は潤滑不良の
発生を抑制することができることを見出した。また、ポ
ケット球面の直径を上記範囲内の値に設定することによ
り、ポケットとボールとの間の隙間を最適な値とし、回
転非同期振れの発生及び高速回転時での保持器音及び振
動を確実に抑えることができることを見出した。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の玉軸受の好ましい
実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、
以下の説明では、従来例との比較を容易なものとするた
めに、HDDに適用した場合を例示して説明する。図1
は、本発明の一実施形態による玉軸受を示す断面図であ
る。図において、本実施形態の玉軸受1では、軌道輪と
しての内輪2及び外輪3と、これらの内外輪の間に転動
自在に配列した複数のボール4と、ボール4をそれぞれ
保持する複数のポケット5aを備えた保持器5と、上記
内外輪間の環状開口部をシールするシール板6とを備え
ている。上記内輪2及び外輪3は、例えばスピンドルモ
ータのスピンドル軸及び磁気ディスクを一体回転可能に
搭載したモータハブにそれぞれ取り付けられており、モ
ータによるディスク回転を円滑に支承する。 【0010】上記保持器5は、図2に示すように、周方
向の複数箇所に上記ポケット5aを配置した冠型の環状
体であり、全体が合成樹脂により形成されている。ま
た、保持器5のポケット5aの内面には、図3及び図4
に示す(曲率)半径R1の球面5bが形成されており、
さらにポケット5a全体(全数)の各中心Pを通るポケ
ット5aのPCD(ピッチ円径)Xがボール4全体(全
数)の各中心Qを通るPCD Yと実質的に同一寸法に
設定されている。詳細には、ポケット5aのPCD X
の値は、半径R2のボール4の製造公差を考慮したもの
であり、ボール4のPCD Yの値を中心値として、ボ
ール径(2R2)の2%の範囲内に設定されている。
尚、このようにPCD Xの値でポケット寸法を管理す
ることにより、高精度な保持器5を容易に製造すること
ができる。 【0011】また、上記球面5bの直径(2R1)は、
ボール4の直径(2R2)の102〜104.5%の範
囲内の値に設定されている。これにより、ポケット5a
とボール4との間に形成される隙間を最適な値とするこ
とができ、ボール転走面に供給されるグリース等の潤滑
剤溜めとして、潤滑剤の保持に当該隙間を有効に寄与さ
せることができる。従って、ポケット5a内に潤滑剤を
保持して、良好な潤滑性能を維持することができる。さ
らに、ポケット5aのPCD Xがボール4のPCD Y
と実質的に同一寸法に設定されていることから、ボール
4が例えば図4(a)の右側に周方向に沿って転動した
場合、図4(c)に示すように、ボール4は上記PCD
X,Y上の点Cでポケット球面5bに接触する。つま
り、ボール4及びポケット5aはともに径方向中央部分
で互いに接触することになり、その接触部分でボール転
走面上に付着している潤滑剤がポケット5aにより掻き
取られたとしても、上記C点の上側及び下側の隙間で潤
滑剤を保持することができる。従って、ボールがポケッ
トの内径端部または外径端部に接触する、上記従来例と
異なり、保持器外側に押し出される潤滑剤量をはるかに
少なくすることができ、潤滑剤不足に起因する潤滑不良
の発生を効果的に抑えることができる。 【0012】ここで、本発明の発明者等が実施したエー
ジング試験について説明する。この試験は、上記ポケッ
ト5aのPCD Xとボール4のPCD Yとが異なる試
験品No.1〜9(表1)の玉軸受(695番、ボール
径;2mm)に対して、潤滑不良による軸受振動増加量
の変化を検証したものである。具体的には、各試験品N
o.1〜9は、内外輪とボール4の寸法形状を一定とし
て、表1に示すように、ボールPCDを中心に±4%の
範囲で1%単位にポケットPCDを変化させたもの、つ
まり((ポケットPCD−ボールPCD)/ボール径)
で求まるポケットPCDのボールPCDに対するずれ量
を変化させたものであり、各試験品を各々複数個準備し
て、各玉軸受に対し予圧14.7Nをかけた状態で軸受
温度を70℃として回転数5400r/minで20時
間連続して回転させた。そして、試験前後での軸受振動
増加量が20mG以下である場合は良品と判定し、20
mGを超える場合は不良品と判定した。表1に、例えば
球面5bの直径をボール4の直径の102%とした場合
での結果を示す。尚、表1では、不良率が2%以下であ
る場合は◎で示し、不良率が2%から5%までの場合は
○で示し、5%以上である場合は×で示している。 【0013】 【表1】 【0014】表1から明らかなように、球面5bの直径
をボール4の直径の102%とした場合、ボール4のP
CD Yに対して、ポケット5aのPCD Xを、ボール
4の製造公差を考慮したボール径の±2%の範囲内の実
質的に同一寸法とすることにより、潤滑不良が生じるの
を抑制して軸受振動増加量が大きくなるのを防ぐことが
確認された。さらに、この試験中に、回転非同期振れの
発生の有無と保持器音及び振動のレベルについて検証し
たところ、回転非同期振れが発生していないことと、保
持器音及び振動が小さいレベルに抑えられていることが
確認された。また、球面5bの直径をボール4の直径の
102〜104.5%の範囲内の値とした場合、表1と
同様な結果が得られ、球面5bの直径を上記範囲内の値
とすることでポケット5aとボール4との間の隙間を最
適な値とすることが確認された。尚、球面5bの直径を
ボール4の直径の102%よりも小さい値に設定した場
合は、ポケット5a内でボール4が詰まり、軸受が円滑
に回転しなくなることがあった。一方、ボール4の直径
の104.5%よりも大きい値に球面5bの直径を設定
した場合は、ポケット5a内でのボール4の移動量が大
きくなり、ボール4の周方向での不等配量が大きくなっ
て回転非同期振れが生じたり、保持器音及び振動が大き
くなったりした。 【0015】以上のように、本実施形態の玉軸受1で
は、ポケット5a及びボール4のPCD X,Yを実質
的に同一寸法とし、かつ球面5bの直径を、ボール4の
直径の102〜104.5%の範囲内の値に設定するこ
とにより、潤滑不良の発生を抑制することができ、軸受
振動が増加するのを抑えることができる。この結果、モ
ータ初期騒音が増大するのを防ぐことができる。また、
球面5bの直径をボール4の直径の102〜104.5
%の範囲内の値に設定したことからポケット5aとボー
ル4との間の隙間を最適な値とすることができ、回転非
同期振れの発生を確実に抑えることができるとともに、
高速回転時での保持器音及び振動も確実に抑えることが
できる。 【0016】尚、上記の説明では、HDDに適用した場
合について説明したが、本発明の玉軸受1はこれに限定
されるものではなく、固定体に対して回転体を回転させ
るものであれば、その固定体と回転体との間の所定部に
取り付けられて回転体を回転自在に支持する軸受として
好適に使用することができる。 【0017】 【発明の効果】以上のように構成された本発明は以下の
効果を奏する。請求項1の玉軸受によれば、潤滑不良の
発生を抑制することができるので、軸受回転時における
摩擦による振動を十分に抑制することができ、よってモ
ータ初期騒音の増大を防ぐことができる。さらに、ポケ
ット球面の直径を上記範囲内の値に設定することによ
り、ポケットとボールとの間の隙間を最適な値とするこ
とができるので、回転非同期振れの発生を確実に抑える
ことができ、かつ高速回転時での保持器音及び振動の少
ない玉軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態による玉軸受を示す断面図
である。 【図2】図1に示した保持器全体の外観を示す斜視図で
ある。 【図3】図1に示したボールとこれを保持する保持器ポ
ケットとを示す部分拡大図である。 【図4】(a)及び(b)はそれぞれ図3のIVa−IVa
線断面図及びIVb−IVb線断面図であり、(c)は
(b)に示した矢印の方向に転動したボールがポケット
に接触した状態を示す一部欠裁拡大図である。 【図5】従来の玉軸受における保持器の部分拡大図であ
る。 【図6】(a)及び(b)はそれぞれ図5のA−A線断
面及びB−B線断面に相当する、従来の玉軸受でのボー
ル及び保持器ポケットを示す断面図である。 【図7】(a)及び(b)はそれぞれ図5のA−A線断
面及びB−B線断面に相当する、別の従来の玉軸受での
ボール及び保持器ポケットを示す断面図である。 【符号の説明】 1 玉軸受 2 内輪 3 外輪 4 ボール 5 保持器 5a ポケット 5b 球面

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】内輪及び外輪と、前記内輪と外輪との間に
    転動自在に設けられた複数のボールと、前記複数のボー
    ルをそれぞれ保持する複数のポケットを備えた保持器と
    を有する玉軸受であって、 前記ポケットのピッチ円径を、前記ボールのピッチ円径
    と実質的に同一寸法とするとともに、 前記ポケットの内面に形成した球面の直径を、前記ボー
    ルの直径の102〜104.5%の範囲内の値に設定し
    たことを特徴とする玉軸受。
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