JP2001241447A - 玉軸受用冠型保持器及び玉軸受 - Google Patents

玉軸受用冠型保持器及び玉軸受

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JP2001241447A
JP2001241447A JP2000055409A JP2000055409A JP2001241447A JP 2001241447 A JP2001241447 A JP 2001241447A JP 2000055409 A JP2000055409 A JP 2000055409A JP 2000055409 A JP2000055409 A JP 2000055409A JP 2001241447 A JP2001241447 A JP 2001241447A
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pocket
ball bearing
retainer
pockets
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健治 大久保
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英男 大内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 玉軸受の回転抵抗並びにNRROを低減でき
る構造を実現する。 【解決手段】 保持器8aを構成するポケット10aの
内面の奥部に、自由状態でこの内面から突出する押圧部
14を設ける。上記保持器8aを構成する主部9の一部
で上記押圧部14と整合する部分に、この主部9の下面
に開口する除肉部15を設け、この押圧部14に弾力を
持たせる。上記ポケット10a内に玉を保持した状態
で、この玉を上記押圧部14により弾性的に押圧する事
で、この玉を上記ポケット10aの内面のうち1対の弾
性片11、11の内側部分に押し付ける。この結果、上
記玉が上記ポケット10a内で変位し得る隙間がなくな
ると共に、この玉の転動面とこのポケット10aの内周
面との摺接部の摩擦抵抗を低減でき、上記課題を解決で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の玉軸受用冠型保持器
及び玉軸受は、例えばハードディスクドライブ装置(H
DD)、ビデオテープレコーダ(VTR)、デジタルビ
デオディスク(DVD)、ミニディスク(MD)等、各
種機器の駆動部に組み込まれるスピンドルモータの回転
部分を支持する為の玉軸受、及びこの玉軸受に組み込ん
で、複数の玉を転動自在に案内する保持器の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種回転部分を支持する為に、例えば図
20に示す様な玉軸受1が広く使用されている。この玉
軸受1は、外周面に内輪軌道2を有する内輪3と、内周
面に外輪軌道4を有する外輪5とを同心に配置し、上記
内輪軌道2と外輪軌道4との間に複数個の玉6、6を転
動自在に設けて成る。これら複数個の玉6、6は、保持
器8により転動自在に保持している。又、上記外輪5の
両端部内周面には、それぞれ円輪状のシールド板7、7
の外周縁を係止し、これら両シールド板7、7によっ
て、上記玉6、6を設置した部分に存在するグリースが
外部に漏洩したり、或は外部に浮遊する塵芥がこの設置
部分に進入したりするのを防止している。尚、密封装置
として、上記非接触型のシールド板7、7に代えて、接
触型のシール板を使用する場合もある。
【0003】上記保持器8は、所謂冠型保持器と呼ばれ
るもので、図21〜24に詳示する様に構成している。
この保持器8は、円環状の主部9と、この主部9の軸方
向片面に等間隔に設けられた複数のポケット10、10
とを備える。これら各ポケット10、10は、互いに間
隔をあけて配置した1対ずつの弾性片11、11と、上
記主部9の片面(図23の上面)でこれら1対ずつの弾
性片11、11の間部分に設けた凹面部12とから構成
している。そして、上記各ポケット10、10に上記玉
6、6を1個ずつ、転動自在に保持自在としている。こ
の様に構成する各ポケット10、10の内面は、その全
体を球状凹面としており、この球状凹面の曲率半径は、
上記玉6、6の転動面の曲率半径よりも僅かに大きくし
ている。この様な保持器8は、合成樹脂を射出成形する
事により、一体に形成している。
【0004】上記各玉6、6は、上記各ポケット10、
10を構成する1対ずつの弾性片11、11の先端部同
士の間隔を弾性的に押し広げつつ、これら1対の弾性片
11、11の間に押し込む。そして、押し込んだ状態で
は、図24に示す様に、上記各玉6、6を上記各ポケッ
ト10、10内に転動自在に保持する。この状態で、上
記各玉6、6の転動面と上記各ポケット10、10の内
面との間には、微小な隙間が存在する。従って、上記各
玉6、6を上記各ポケット10、10に保持した状態で
は、上記保持器8がこれら各玉6、6を円周方向に関し
て等間隔に、且つ転動自在に保持すると共に、これら各
玉6、6によって上記保持器8の直径方向位置を規制す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、HDDに組み込
まれるスピンドルモータの回転速度は、このHDDを組
み込んだパーソナルコンピュータ(PC)等の高性能化
に伴って速くなっている。同時に、HDDの高密度化に
伴い、ハードディスクを固定したスピンドルに許容され
る振れの大きさも、極く僅少に抑える事が要求されてい
る。この為、上記スピンドルモータの回転支持部に組み
込む玉軸受にも、高速回転を可能とすべく回転抵抗を低
減すると共に、高速回転時に発生するNRRO(Non Re
peatitiveRunout Overall:回転に同期しない振動)を
低減する事が要求されている。
【0006】一方、特開平7−279970号公報に
は、上記玉軸受の回転抵抗を低減すべく、図25〜26
に示す様な構造が記載されている。この公報に記載され
た従来構造の場合、保持器8′を構成するポケット10
の内面のうち、静止輪である外輪5側(外径側)の開口
周縁部に、このポケット10の内方に突出する突起13
を設けている。この様な突起13を設けた従来構造の場
合、上記各ポケット10内に玉6を保持した状態では、
上記突起13がこの玉6の転動面を押圧する事に基づ
き、図26に示す様に、上記保持器8′が上記突起13
を形成した外径側に変位する。この結果、回転輪である
内輪3が回転した場合に、上記玉6の転動面と上記ポケ
ット10の内面とが接触する部分(図示の例では左側部
分)で、これら玉6の転動面とポケット10の内面との
間隔が、内径側から外径側に向かう程大きくなる。
【0007】この結果、上記玉6の転動面に付着した潤
滑剤を上記ポケット10内に取り込む際に、この玉6の
転動面に付着した余分量の潤滑剤を、上記ポケット10
の内径側周縁部(図26のP部)で効率良く掻き落とす
事ができる。これと共に、上記ポケット10内に取り込
んだ潤滑剤を、上記玉6の転動面とこのポケット10の
内面との間を速やかに通過させて、このポケット10外
に効率良く排出できる。この結果、他の従来構造の様
に、ポケットの内面と玉の転動面との間隔が内径側から
外径側に掛けてほぼ一定である場合に比べて、上記ポケ
ット10の内面と上記玉6の転動面との間に作用する潤
滑剤の粘性抵抗力を小さくできる。この結果、玉軸受の
回転抵抗を低減できる。
【0008】ところが、上記公報に記載された従来構造
の場合には、玉軸受の高速回転時に発生するNRROを
低減する事に就いて、何ら考慮していない。一方、本発
明者等が実験・研究を重ねた所、上記NRROを低減す
る為には、玉軸受を構成する各玉の円周方向に関するピ
ッチ誤差を小さくすれば良い事が分かった。言い換えれ
ば、上記玉軸受の(高速)回転時に、上記各玉を円周方
向に関して等ピッチで配置できる様にすれば、上記NR
ROを低減できる事が分かった。一方、保持器を構成す
る各ポケットは、この保持器を合成樹脂の射出成形によ
り造る事で、円周方向に関し等ピッチで設ける事ができ
る。従って、上記各玉の円周方向に関するピッチ誤差を
小さくする為には、上記各玉が上記各ポケット内で円周
方向に変位し得る隙間を小さくして、上記玉軸受の回転
時に上記各玉の公転運動のばらつきを小さくすれば良
い。
【0009】この場合、上記各玉が上記各ポケット内で
円周方向に変位し得る隙間を小さくする為に、これら各
ポケットの内面の曲率半径を上記各玉の転動面の曲率半
径に近づける事も考えられる。ところが、この場合に
は、保持器に弾力を持たせずに当該隙間を小さくしてい
るので、上記各玉の転動面と上記各ポケットの内面との
摺接部に過大な荷重が作用して、この摺接部の当接圧と
滑り速度との積であるPV値が大きくなる可能性があ
る。この為、この摺接部が早期に焼き付いたり、或は、
玉軸受の回転抵抗が大きくなる等の弊害が生じる可能性
がある。本発明の玉軸受用保持器及び玉軸受は、上述の
様な事情に鑑みて、玉軸受の回転抵抗を低減すると共
に、上記NRROを低減できる構造を実現すべく発明し
たものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の玉軸受用冠型保
持器及び玉軸受のうち、請求項1に記載した玉軸受用冠
型保持器は、前述の図20〜24に示した従来の保持器
8と同様、合成樹脂により一体に造られて、円環状の主
部と、この主部の軸方向片面に設けられた複数のポケッ
トとを備える。そして、これら各ポケットは、上記主部
の軸方向片面に互いに間隔をあけて配置された1対ずつ
の弾性片同士の間に設けられている。特に、請求項1に
記載した玉軸受用冠型保持器に於いては、上記各ポケッ
トのうちの少なくとも一部のポケットの奥部(上記1対
の弾性片同士の間の開口部から遠い部分)内面で当該ポ
ケットの軸方向中間部に、自由状態でこの奥部内面から
当該ポケットの内面の他の部分よりも当該ポケットの径
方向内方に突出し、当該ポケット内に保持した玉を上記
主部の軸方向に関して上記1対の弾性片の先端側に向け
弾性的に押圧自在な押圧部を設けている。これと共に、
上記主部のうちでこの押圧部と整合する部分に、少なく
ともこの主部の軸方向他面に開口する除肉部を設けて、
上記押圧部の肉厚を上記主部の肉厚よりも小さくしてい
る。
【0011】又、本発明の玉軸受用冠型保持器及び玉軸
受のうち、請求項2に記載した玉軸受は、前述の図20
に示した玉軸受1と同様、外周面に内輪軌道を形成した
内輪と、内周面に外輪軌道を形成した外輪と、これら内
輪の外周面と外輪の内周面との間に、これら内輪及び外
輪に対する相対回転自在に配置された保持器と、この保
持器に設けた複数のポケット内にそれぞれ転動自在に保
持された状態で、上記内輪軌道と上記外輪軌道との間に
配置された複数個の玉とを備える。特に、請求項2に記
載した玉軸受に於いては、上記保持器が請求項1に記載
した玉軸受用冠型保持器である。
【0012】
【作用】上述の様に構成する本発明の玉軸受用冠型保持
器及び玉軸受の場合、内輪軌道と外輪軌道との間に配置
した複数個の玉を、それぞれ玉軸受用冠型保持器を構成
する各ポケット内に保持した状態では、押圧部を設けた
ポケット内に保持した玉が、この押圧部により主部の軸
方向に関して1対の弾性片の先端側に向け押圧される。
そして、この様に押圧部が玉を押圧する事に基づき、玉
軸受用冠型保持器が、この押圧部がこの玉を押圧する方
向と反対方向に変位する。この結果、玉軸受用冠型保持
器を構成する総てのポケット内に保持した玉が、これら
各ポケット内の1対の弾性片の先端寄り部分に配置され
る。この結果、上記各玉が上記各ポケット内で円周方向
に変位し得る隙間が小さくなるか、或はなくなり、玉軸
受の回転時に於ける、上記各玉の公転運動のばらつきを
抑える事ができる。この為、玉軸受の高速回転時に発生
するNRROを低減できる。
【0013】尚、本発明の場合、上記押圧部に与える弾
力は、主部に設けた除肉部の寸法及び形状を変える事に
より調節自在である。従って、上記押圧部に押圧された
玉の転動面が上記ポケットの内面に押し付けられた場合
でも、この押し付けられた部分に作用する面圧が過大と
ならない様に、上記押圧部の弾力を調節できる。更に、
本発明の場合、上記各玉は、上述の様に各ポケット内の
1対の弾性片の先端寄り部分に配置される。この為、玉
軸受の回転時に上記各玉の転動面は、上記各ポケットの
内面に対し、これら各玉の自転軸を中心とする直径が最
大の部分(これら各玉の転動面の自転周速が最大とな
る、所謂赤道部分)から外れた部分で摺接する。この
為、上記各玉が1自転する毎の、これら各玉の転動面と
上記各ポケットの内面との摺接距離を短くできる。この
結果、本発明の場合には、上記各玉の転動面と上記各ポ
ケットの内面との摺接部での面圧を小さくし、且つ、摺
接速度を遅くできるので、この摺接部のPV値を小さく
できる。従って、本発明の場合には、この摺接部で発生
する摩擦熱を少なく抑え、この摺接部が早期に焼き付く
事を防止できると共に、玉軸受の回転抵抗を小さくでき
る。
【0014】
【発明の実施の形態】図1〜4は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本例の特徴は、保持器8a
を構成するポケット10aの内面に押圧部14を、同じ
く主部9に除肉部15を、それぞれ設けた点にある。上
記保持器8aの全体的な基本構造、並びに、この保持器
8aを組み込んだ玉軸受の基本構造は、前述の図20〜
24に示した従来構造とほぼ同様である。この為、この
従来構造と同等部分には同一符号を付して、重複する部
分の図示並びに説明を省略若しくは簡略にし、以下、本
発明の特徴部分を中心に説明する。
【0015】本例の場合、上記保持器8aを構成する各
ポケット10a、10aの内面の奥部で、これら各ポケ
ット10a、10aの周方向及び軸方向(保持器8aの
径方向)に関して中央部分に、自由状態でこれら各内面
から突出する押圧部14、14を設けている。これら各
押圧部14、14の外面(上記各ポケット10a、10
a側の表面)は、それぞれ円すい凸面或は球状凸面等の
凸曲面状に形成している。一方、上記保持器8aを構成
する主部9のうち、それぞれ上記押圧部14、14と整
合する部分に、この主部9の軸方向他面(図1〜4の下
面)に開口する除肉部15を設けている。この除肉部1
5は、円筒面状の内周面を有すると共に、底面16を上
記押圧部14の外面と同心の円すい凹面としている。そ
して、この様な除肉部15を設ける事により上記押圧部
14の肉厚を小さくして、この押圧部14に弾性を持た
せている。又、この押圧部14の外面中央部と上記除肉
部15の底面中央部とを連通させる状態で、円形の通孔
17を設けている。本例の場合には、上記押圧部14の
肉厚(厚さ寸法)T14を調節する事と上記通孔17を設
ける事とに基づき、上記押圧部14の弾力が大きくなり
過ぎない様に規制している。即ち、本例の場合には、上
記押圧部14の厚さ寸法T14を、上記保持器8aを構成
する弾性片11、11の厚さ寸法T11よりも十分に小さ
く(T14≪T 11)して、上記押圧部14の弾力が上記各
弾性片11、11の弾力以上とならない様にしている。
【0016】上述の様に構成する保持器8aの各ポケッ
ト10a、10a内に、玉軸受を構成する内輪軌道と外
輪軌道との間に配置した複数個の玉6を1個ずつ保持し
た状態では、上記各押圧部14が上記各玉6を、上記主
部9の軸方向に関して1対の弾性片11、11の先端側
(図3の上側)に弾性的に押圧する。そして、この様に
各押圧部14、14が各玉6を押圧する事に基づき、上
記保持器8aが、これら各押圧部14、14がこれら各
玉6を押圧する方向と反対方向(図3の下側)に変位す
る。この結果、上記保持器8aを構成する総てのポケッ
ト10a、10a内に保持した玉6が、これら各ポケッ
ト10a、10a内の上記1対の弾性片11、11の先
端寄り部分に配置される。特に、本例の場合には、この
状態で上記各玉6の転動面が、上記各ポケット10a、
10aの内面のうち上記各弾性片11、11の内側部分
(図3のQ1 、Q2 部分)に押し付けられる様に、各部
の形状及び寸法を規制している。この結果、図3に示す
様に、上記各玉6が上記押圧部14の外面と上記Q1
2 部分とで支持された状態となり、上記各玉6が上記
各ポケット10a、10a内で円周方向に変位し得る隙
間がなくなる。
【0017】上述の様に構成する本例の保持器8a及び
この保持器8aを組み込んだ玉軸受の場合、この玉軸受
を組み立てた状態で、上記各玉6が上記各ポケット10
a、10a内で円周方向に変位し得る隙間をなくしてい
る。この為、これら各玉6の公転運動のばらつきを抑え
る事ができ、上記玉軸受の高速回転時に発生するNRR
Oを低減できる。
【0018】又、本例の場合には、上記各玉6を押圧す
る押圧部14、14の弾力が過大にならない様に規制し
ているので、これら各玉6、6の転動面と、これら各押
圧部14、14の外面及び各ポケット10a、10aの
内面との摺接部に作用する圧力が過大になる事はない。
又、本例の場合、玉軸受の回転時に上記各玉6の転動面
は、上記各ポケット10a、10aの内面に対し、これ
ら各玉6の自転軸αを中心とする直径が最大の部分(こ
れら各玉6の転動面の自転周速が最大となる、所謂赤道
部分)から外れた部分(図3のQ1 、Q2 部分)で摺接
する。この為、上記各玉6が1自転する毎の、これら各
玉6の転動面と上記各ポケット10a、10aの内面と
の摺接距離を短くできる。更に、本例の場合、上記押圧
部14、14の外面は、上記各玉6の転動面のうち、こ
の転動面の自転周速が最小となる、上記自転軸α付近に
押し付けて(摺接させて)いる。この結果、本例の場合
には、上記各玉6の転動面と相手面との摺接部に作用す
る摩擦抵抗を小さくできる。従って、本例の場合には、
上記摺接部で発生する摩擦熱を少なく抑え、この摺接部
が早期に焼き付く事を防止できると共に、玉軸受の回転
抵抗を小さくできる。
【0019】尚、本例の場合には、上記押圧部14を総
てのポケット10a、10aに設けたが、この押圧部1
4は、上記保持器8aを構成する各ポケット10a、1
0aのうちの少なくとも一部(例えば、円周方向に関し
て1個置き、或は円周方向等間隔の3か所以上位置)の
ポケット10a、10aに設ければ、上述した第1例の
場合と同様の作用・効果を得られる。
【0020】次に、図5〜7は、本発明の実施の形態の
第2例を示している。本例の場合には、保持器8bを構
成する各ポケット10b、10bの内面に設ける押圧部
14a、14aの外面を、この保持器8bの円周方向に
長い、小判形の凸曲面としている。これに合わせて、上
記保持器8bを構成する主部9に設ける除肉部15aの
形状を、この主部9の円周方向に長い直方形状とし、更
にこの除肉部15aの底面16aを、上記押圧部14a
の外面と同心の角すい凹面としている。又、この押圧部
14aの外面中央部と上記除肉部15aの底面中央部と
を連通させる通孔17aの形状を、上記保持器8bの円
周方向に長い長方形としている。その他の構成及び作用
は、上述した第1例の場合と同様である。
【0021】次に、図8〜11は、本発明の実施の形態
の第3例を示している。本例の場合、保持器8cを構成
する各ポケット10c、10cの内面に設けた押圧部1
4b、14bの外面と、同じく主部9に設けた除肉部1
5aの底面16aとを、通孔により連通させていない。
即ち、本例の場合には、上記押圧部14b、14bの弾
力を、上記除肉部15aを形成する事のみにより調節し
ている。又、本例の場合には、上記各ポケット10c、
10c内に玉6を保持した状態で、これら各玉6がこれ
ら各ポケット10c、10c内で円周方向に変位し得る
隙間を、0.01mm以下(但し、上記各ポケット10
c、10cの内面の曲率半径が上記玉6の転動面の曲率
半径よりも0.05mm程度大きい場合)に抑えている。
この様に上記隙間を小さく抑える本例の場合も、上記各
玉6の公転運動のばらつきを小さく抑えて、NRROの
低減を図れる。尚、本例の場合も、各部の寸法を規制し
て、上記隙間をなくす事もできる。その他の構成及び作
用は、上述した第1〜2例の場合と同様である。
【0022】次に、図12〜15は、本発明の実施の形
態の第4例を示している。本例の場合には、保持器8d
を構成する各ポケット10d、10dの内面の奥部に、
これら各ポケット10d、10dの内面の他の部分より
もこれら各ポケット10d、10dの内方に位置(突
出)する、上記保持器8dの中心軸に対し直交する方向
に存在する平面部18、18を設けている。そして、こ
の保持器8dを構成する主部9の一部で上記各平面部1
8、18と整合する部分に、それぞれ上述した第2〜3
例の場合と同様の除肉部15aを設けている。そして、
この除肉部15aを設ける事に基づき、上記平面部1
8、18の肉厚(厚さ寸法)T18を調節し、この平面部
18、18に弾性を持たせている。これにより、これら
各平面部18、18を、押圧部として機能させている。
尚、本例の場合も、上記平面部18、18の弾力を調節
する為に、これら各平面部18、18の外面(上記各ポ
ケット10d、10d側の表面)と上記各除肉部15a
の底面16aとを連通させる通孔を形成しても良い。そ
の他の構成及び作用は、前述した第1例並びに上述した
第3例の場合と同様である。
【0023】次に、図16〜19は、本発明の実施の形
態の第5例を示している。本例の場合、保持器8eを構
成する各ポケット10e、10eの内面の奥部で、これ
ら各ポケット10e、10eの中央部を挟む円周方向両
側部分に、それぞれが押圧部である、1対の弾性突片1
9、19を設けている。これら1対の弾性突片19、1
9は、上記ポケット10eの円周方向に関し、互いに反
対方向に延出する状態で設けている。又、自由状態で上
記1対の弾性突片19、19は、先端側に向かう程上記
ポケット10eの内方に向かう方向に傾斜し、それぞれ
このポケット10eの内周面の他の部分よりもこのポケ
ット10eの内方に突出している。
【0024】又、上記保持器8eを構成する主部9の一
部で上記各弾性突片19、19と整合する部分に、除肉
部15b、15bを、上記主部9の軸方向他面(図16
〜19の下面)と上記各ポケット10e、10eの内面
とを連通する状態で形成している。上記各弾性突片1
9、19は、それぞれその基端部を、上記各除肉部15
b、15bの上記ポケット10e側の端部内周面に結合
する状態で設けている。又、これら各弾性片19、19
の長さLは、上記各除肉部15b、15bの上記ポケッ
ト10e側の開口部の円周方向に関する幅寸法Wよりも
小さく(L<W)している。この構成により、上記各弾
性突片19、19が上記各ポケット10e、10eの内
側から押圧された場合に、これら各弾性突片19、19
が弾性変形しつつ、上記各除肉部15b、15b内に退
避できる様にしている。又、本例の場合も、上記各弾性
突片19、19の弾力が過大にならない様に、これら各
弾性突片19、19及び上記各除肉部15b、15bの
各部の形状及び寸法を規制している。
【0025】本例の場合、上記各ポケット10e、10
e内に玉6を保持した状態では、上記1対の弾性突片1
9、19がこの玉6を弾性的に押圧し、この玉6の転動
面を1対の弾性片11、11の内側部分に押し付ける。
その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様
である。
【0026】
【発明の効果】本発明の玉軸受用冠型保持器及び玉軸受
は、以上に述べた通り構成され作用する為、玉軸受の回
転抵抗を低減できるだけでなく、この玉軸受の高速回転
時に発生するNRROを十分に低減できる。この為、玉
軸受を組み込んだ各種機器の性能向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、保持器の
斜視図。
【図2】同じく要部斜視図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】図3のB部拡大図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を示す、保持器の
斜視図。
【図6】同じく要部斜視図。
【図7】図6のC−C断面図。
【図8】本発明の実施の形態の第3例を示す、保持器の
斜視図。
【図9】同じく要部斜視図。
【図10】図9のD−D断面図。
【図11】図10のE部拡大図。
【図12】本発明の実施の形態の第4例を示す、保持器
の斜視図。
【図13】同じく要部斜視図。
【図14】図13のF−F断面図。
【図15】図14のG部拡大図。
【図16】本発明の実施の形態の第5例を示す、保持器
の斜視図。
【図17】同じく要部斜視図。
【図18】図17のH−H断面図。
【図19】図18のI部拡大図。
【図20】保持器を組み込んだ玉軸受の1例を示す断面
図。
【図21】保持器の従来構造の第1例を示す半部平面
図。
【図22】同じく斜視図。
【図23】図22のJ−J断面を、切断部分以外を省略
して示す図。
【図24】図23のK−K断面を、玉を組み込んだ状態
で示す図。
【図25】保持器の従来構造の第2例を示す要部斜視
図。
【図26】この従来構造の第2例の保持器を組み込んだ
玉軸受の部分断面図。
【符号の説明】
1 玉軸受 2 内輪軌道 3 内輪 4 外輪軌道 5 外輪 6 玉 7 シールド板 8、8′、8a〜8e 保持器 9 主部 10、10a〜10e ポケット 11 弾性片 12 凹面部 13 突起 14、14a、14b 押圧部 15、15a、15b 除肉部 16、16a 底面 17、17a 通孔 18 平面部 19 弾性突片

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂により一体に造られて、円環状
    の主部と、この主部の軸方向片面に設けられた複数のポ
    ケットとを備え、これら各ポケットは、上記主部の軸方
    向片面に互いに間隔をあけて配置された1対ずつの弾性
    片同士の間に設けられている玉軸受用冠型保持器に於い
    て、上記各ポケットのうちの少なくとも一部のポケット
    の奥部内面で当該ポケットの軸方向中間部に、自由状態
    でこの奥部内面から当該ポケットの内面の他の部分より
    も当該ポケットの径方向内方に突出し、当該ポケット内
    に保持した玉を上記主部の軸方向に関して上記1対の弾
    性片の先端側に向け弾性的に押圧自在な押圧部を設ける
    と共に、上記主部のうちでこの押圧部と整合する部分
    に、少なくともこの主部の軸方向他面に開口する除肉部
    を設けて上記押圧部の肉厚を上記主部の肉厚よりも小さ
    くした事を特徴とする玉軸受用冠型保持器。
  2. 【請求項2】 外周面に内輪軌道を形成した内輪と、内
    周面に外輪軌道を形成した外輪と、これら内輪の外周面
    と外輪の内周面との間に、これら内輪及び外輪に対する
    相対回転自在に配置された保持器と、この保持器に設け
    た複数のポケット内にそれぞれ転動自在に保持された状
    態で、上記内輪軌道と上記外輪軌道との間に配置された
    複数個の玉とを備えた玉軸受に於いて、上記保持器が請
    求項1に記載した玉軸受用冠型保持器である事を特徴と
    する玉軸受。
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