JP2003214037A - クリーンルームの建具部分の構造 - Google Patents

クリーンルームの建具部分の構造

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高久 山田
Hiroshi Sumihama
浩 角濱
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克典 中沢
Hirokazu Suzuki
宏和 鈴木
Kenji Muraoka
憲司 村岡
Masayasu Miura
正泰 三浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のクリーンルームの建具部分の構造にお
いては、ドア枠と下地ボードとの間の気密性が確保され
ておらず、また、ドア枠の周囲においてクロスが剥がれ
やすいので、ドア枠の周囲に下地ボード等からの粉塵等
の埃が溜りやすく、クリーンルーム内に埃が飛散して半
導体製造等のトラブルの原因となるという課題があっ
た。 【解決手段】 本発明のクリーンルームの建具部分の構
造は、シート状内装仕上げ材(導電性クロス9)を内装
下地材(壁下地ボード7)に接着する接着剤と接着性の
良いシーリング剤で建具枠(ドア枠3)と内装下地材と
の間がシーリング処理された第1シーリング処理部(5
0)と、内装下地材の表面及び第1シーリング処理部の
表面に接着剤で取付けられたシート状内装仕上げ材の表
面(9a)から建具枠まで延長するように設けられた第
2シーリング処理部(60)とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造等に使
用されるクリーンルームの建具部分の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体製造工場、手術室等のクリ
ーンルームの建具部分の構造は、ドア枠等の建具枠に内
装壁下地ボードを突き付けるようにして取付け、この下
地ボードの表面にクロスを取付けるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のクリーンルーム
の建具部分の構造においては、ドア枠と下地ボードとの
間の気密性が確保されておらず、また、ドア枠の周囲に
おいてクロスが剥がれやすいので、ドア枠の周囲に下地
ボード等からの粉塵等の埃が溜りやすく、クリーンルー
ム内に埃が飛散して半導体製造等のトラブルの原因とな
るという課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
クリーンルームの建具部分の構造は、シート状内装仕上
げ材を内装下地材に接着する接着剤と接着性の良いシー
リング剤で建具枠と内装下地材との間がシーリング処理
された第1シーリング処理部と、内装下地材の表面及び
第1シーリング処理部の表面に接着剤で取付けられたシ
ート状内装仕上げ材の表面から建具枠まで延長するよう
に設けられた第2シーリング処理部とを備えた。請求項
2は、建具枠と内装下地材との間に見切材を設け、見切
材と建具枠とで形成される空間にシーリング剤を充填し
て第1シーリング処理部を構成した。請求項3は、第2
シーリング処理部をガス発散の少ないシーリング剤でシ
ーリング処理した。請求項4は、建具の表面に導電性塗
装を施し、かつ、導電性を有する上記シート状内装仕上
げ材を用い、上記導電性塗装と上記シート状内装仕上げ
材とを導通させた。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図
1,図2に基づき説明する。まず、本実施の形態1によ
る建具部分の構造が採用される半導体製造工場のクリー
ンルームの概要を図2に基づいて説明する。クリーンル
ームは3層構造となっている。即ち、半導体製造や検査
などに必要な精密機器が設置されるプロセスエリア10
と、床下エリア20と、天井エリア30とを備える。プ
ロセスエリア10の床は有孔床(グレーチング)11と
なっており、プロセスエリア10の天井は有孔天井12
となっている。天井エリア30には、空調機31と空気
洗浄フィルタ32が設けられている。プロセスエリア1
0の横には空気循環空間10Aが設けられ、これによ
り、空気が空気洗浄フィルタ32で浄化されて、矢示の
ように各エリア10,20,30を循環する構造となっ
ている。また、出入口40と外部との間にはエアーシャ
ワーが装備された前室が設けられており、クリーンルー
ムへの入室者は前室で空気洗浄を行なった後にクリーン
ルーム内に入る。前室は、クリーンルーム側のドア40
aと外部側のドアとで密閉空間となる。尚、41は空気
循環空間10Aとプロセスエリア10との間の出入口、
41aはこの出入口41のドア、42は柱、43、44
は耐火被覆梁、45は二重窓、46は廊下、47は配線
を収納する配線ピットである。
【0006】次に、実施の形態のクリーンルームの建具
部分の構造について、上記プロセスエリア10と空気循
環空間10A(レターンスペース)との間の壁に設けら
れるドア部分の構造を例にして図1に基づいて説明す
る。1はALC(軽量気泡コンクリート)等の成形コン
クリートであり、端部1aにはドア枠接続部2が設けら
れ、このドア枠接続部2に溶接等でドア枠3が固定され
る。尚、ドア枠3にヒンジ部分3Aを介して取付けられ
るドア本体4から成るドア34の表面(即ち、ドア枠
3,ヒンジ部分3A,ドア本体4の表面)には予め導電
性塗装5を施しておく(尚、図1ではヒンジ部分3Aの
導電性塗装5の図示は省略している)。成形コンクリー
ト1の表面1bにはGLボンド6等の接着材によるGL
工法などで石膏ボードなどの壁下地ボード7が取付けら
れる。尚、プロセスエリア10側においては壁下地ボー
ド7を二重に取付ける。ドア枠3と壁下地ボード7の端
部7aとの間には、ドア枠3に沿って塩化ビニル製等の
長尺状の見切材8を設け、見切材8とドア枠3とで形成
される空間にシーリング剤50を充填して第1シーリン
グ処理部51を形成する。このシーリング剤50として
は、導電性クロス9を壁下地ボード7の表面7bに接着
するクロスのりとの接着性が良くガス発散の少ないウレ
タン系シーリング剤などを用いる。その後、導電性クロ
ス9の裏面にクロスのりを塗り、導電性クロス9を壁下
地ボード7の表面7b及び第1シーリング処理部51の
表面51aを介してドア枠3に電気的に接続するように
取付けて壁を仕上げる。そして、ドア枠3の周りにおい
て導電性クロス9の表面9aからドア枠3の導電性塗装
5の表面まで延長するようにシーリング剤60を用いて
第2シーリング処理部61を形成する。このシーリング
処理により、導電性クロス9と導電性塗装5との電気的
接続状態が維持される。このシーリング剤60としては
ガス発散の少ないシリコン系シーリング剤などを用い
る。尚、ドア枠3の下部枠3e側には上記有孔床11が
施工される。
【0007】以上によれば、第1シーリング処理部51
により、ドア枠3と壁下地ボード7の端部7aとの間の
気密性が確保され、また第2シーリング処理部61によ
り、ドア枠3の周囲における導電性クロス9の剥がれを
防止できるので、ドア枠3の周囲の埃溜りを防止でき、
半導体製造等のトラブルの原因となるクリーンルーム内
の埃汚染を防止できる。また、見切材8を用いているの
で、第1シーリング処理部51の施工確実性が担保さ
れ、クリーンルームの気密性能を向上できる。また、シ
ーリング剤50,60としてガス発散の少ないシーリン
グ剤を用いているので、クリーンルーム内のガス汚染を
少なくできる。また、導電性クロス9とドア34の導電
性塗装5とが電気的に接続されているので、導電性クロ
ス9や導電性塗料5をアースに落とすことで、導電性ク
ロス9と導電性塗料5とが均一電位となり、導電性クロ
ス9やドア34の表面の帯電電流をアースに素早く逃が
すことができるようになり、半導体製造等のトラブルの
原因となる静電気の蓄積を防止できる帯電防止効果の高
いドア及び壁が得られる。また、以上の埃たまり防止及
び帯電防止構造により、静電気スパークによる有機物反
応により生じるガスの発生も防止できる。
【0008】尚、上記ではドア部分の構造について説明
したが、本発明はサッシュ等の建具部分の構造にも適用
できる。また、上記では成形コンクリート下地の場合に
ついて説明したが、本発明はコンクリート躯体下地や鉄
骨下地の場合にも同様に適用できる。また、本発明は、
手術室のようなクリーンルームの建具部分の構造にも適
用できる。
【0009】
【発明の効果】請求項1に係るクリーンルームの建具部
分の構造によれば、第1シーリング処理部によりクリー
ンルームの気密性が確保され、第2シーリング処理部に
より建具枠周りのシート状内装仕上げ材の剥がれを防止
できるので、クリーンルーム内の埃汚染を防止できる。
請求項2によれば、建具枠と内装下地材との間に見切材
を設け、見切材と建具枠とで形成される空間にシーリン
グ剤を充填して第1シーリング処理部を構成したので、
クリーンルームの気密性をより向上させることができ
る。請求項3によれば、第2シーリング処理部のシーリ
ング処理をガス発散の少ないシーリング剤で行ったの
で、クリーンルーム内のガス汚染を少なくできる。請求
項4によれば、建具の表面の導電性塗装と導電性を有す
るシート状内装仕上げ材とを導通させたので、帯電防止
効果に優れたクリーンルームの建具及び壁が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるクリーンルームの
建具部分の構造を示す断面図。
【図2】 実施の形態による建具部分の構造を採用する
クリーンルームの内部構造を示す断面図。
【符号の説明】
3 ドア枠(建具枠)、5 導電性塗装、7 壁ボード
下地(内装下地材)、8 見切材、9 導電性クロス
(導電性を有するシート状内装仕上げ材)、34 ドア
(建具)、50,60 シーリング剤、51 第1シー
リング処理部、61 第シーリング処理部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 高久 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 角濱 浩 宮城県仙台市青葉区立町26番20号 株式会 社熊谷組東北支店内 (72)発明者 中沢 克典 宮城県仙台市青葉区立町26番20号 株式会 社熊谷組東北支店内 (72)発明者 鈴木 宏和 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 村岡 憲司 宮城県仙台市青葉区立町26番20号 株式会 社熊谷組東北支店内 (72)発明者 三浦 正泰 北海道札幌市中央区北2条西13丁目1番地 株式会社熊谷組北海道支店内 Fターム(参考) 2E001 DA01 DC02 DD02 DH07 DH23 FA32 FA33 FA51 GA06 GA26 HF02 MA02 MA06 2E011 JA03 LA02 LB02 LC03 LD01 LD06 LE02 LF04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状内装仕上げ材を内装下地材に接
    着する接着剤と接着性の良いシーリング剤で建具枠と内
    装下地材との間がシーリング処理された第1シーリング
    処理部と、内装下地材の表面及び第1シーリング処理部
    の表面に接着剤で取付けられたシート状内装仕上げ材の
    表面から建具枠まで延長するように設けられた第2シー
    リング処理部とを備えたことを特徴とするクリーンルー
    ムの建具部分の構造。
  2. 【請求項2】 建具枠と内装下地材との間に見切材を設
    け、見切材と建具枠とで形成される空間にシーリング剤
    が充填されて第1シーリング処理部が構成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のクリーンルームの建具
    部分の構造。
  3. 【請求項3】 第2シーリング処理部はガス発散の少な
    いシーリング剤でシーリング処理されていることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載のクリーンルームの
    建具部分の構造。
  4. 【請求項4】 建具の表面に導電性塗装が施され、か
    つ、導電性を有する上記シート状内装仕上げ材を用い
    て、上記導電性塗装と上記シート状内装仕上げ材とが導
    通されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3
    のいずれかに記載のクリーンルームの建具部分の構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106801558A (zh) * 2017-03-20 2017-06-06 吉林省世能科技有限公司 滤窗用铝型材窗框
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