JP2003213393A - 亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法

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JP2003213393A JP2002016342A JP2002016342A JP2003213393A JP 2003213393 A JP2003213393 A JP 2003213393A JP 2002016342 A JP2002016342 A JP 2002016342A JP 2002016342 A JP2002016342 A JP 2002016342A JP 2003213393 A JP2003213393 A JP 2003213393A
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Toshinori Ando
壽規 安藤
Shinichi Tomonaga
伸一 朝長
Shigeru Inoue
茂 井上
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JFE Engineering Corp
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス成形、スポット溶接等を施したときに
外観検査で有害疵を検出できる亜鉛系めっき鋼板とその
製造方法を提供する。 【解決手段】 亜鉛系めっき層の表面に、Fe-Ni-Zn系皮
膜が形成された亜鉛系めっき鋼板であって、該亜鉛系め
っき鋼板の表面色調は、L値が30〜55であることを特徴
とする亜鉛系めっき鋼板。Ni2+イオン、Fe2+イオン、Zn
2+イオン及び硝酸イオンを含有し、Fe2+イオン濃度/(N
i2+イオン+Fe2+イオン)濃度比が0.05以上0.5以下、Zn
2+イオン濃度/(Ni2+イオン+Fe2+イオン)濃度比が0.5
以下、硝酸イオン濃度が0.010〜0.050mol/l、且つ、pH
が1.50〜1.95である酸性電解浴中で、亜鉛系めっき鋼板
を陰極にして電解処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛系めっき鋼板
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛系めっき鋼板は種々の優れた特徴を
有するために、各種の防錆鋼板として広く使用されてい
る。この亜鉛系めっき鋼板を自動車用防錆鋼板として使
用するためには、耐食性、塗装適合性等のほかに、車体
製造工程において要求される性能として、プレス成形
性、スポット溶接性および接着性に優れることが要求さ
れる。
【0003】前記性能を兼ね備える亜鉛系めっき鋼板と
その製造方法が、特開2000-129485号公報に開示されて
いる。すなわち、該亜鉛系めっき鋼板は、めっき層の表
面に、適正なFe-Ni-Zn系皮膜が形成されることによっ
て、プレス成形性、スポット溶接性および接着性に優れ
ている。
【0004】ここで、適正なFe-Ni-Zn系皮膜とは、下記
(1)〜(5); (1)皮膜表層部はFe、Ni及びZnの酸化物と水酸化物から
なる層(以下、「酸化物系層」という)であり、皮膜の
下層部はFe、Ni及びZnからなる金属層、もしくは該金属
層にFe、Ni及びZnの酸化物と水酸化物を含有する層であ
り、(2)皮膜中のFe含有量とNi含有量との合計が、10〜1
500mg/m2の範囲内にあり、(3)皮膜中のFe含有量とNi含
有量の和(mg/m2)に対するFe含有量(mg/m2)の比率(Fe/
(Fe+Ni)比率)が、0.1〜0.8の範囲内にあり、(4)皮膜中
のFe含有量とNi含有量の和(mg/m2)に対するZn含有量(mg
/m2)の比率(Zn/(Fe+Ni)比率)が、1.6以下(但し、Zn
を含むので、Zn/(Fe+Ni)比率=0は含まない)であり、
且つ(5)Fe-Ni-Zn系皮膜表層部の酸化物系層の厚さが、4
〜50nmの範囲内にあること、を満たすものである。
【0005】該亜鉛系めっき鋼板は、Ni2+イオン、Fe2+
イオンおよびZn2+イオンを含有し、Fe2+イオン濃度/(N
i2+イオン+Fe2+イオン)濃度比が0.05以上、0.5以下の
範囲内にあり、Zn2+イオン濃度/(Ni2+イオン+Fe2+
オン)濃度比が0.5以下の範囲内にあり、硝酸イオン濃
度が0.001〜0.5mol/lの範囲にあり、pHが1〜3の範囲内
にある酸性電解浴中で、亜鉛系めっき鋼板を陰極にして
電解処理を行うことにより製造される。
【0006】該亜鉛系めっき鋼板は、プレス成形、スポ
ット溶接等を行い所要の部品に使用される。その際、外
観検査を行い、有害疵の有無を検査する。亜鉛系めっき
鋼板の表面色調の変動が大きいと、外観検査で有害疵を
検出できなくなり、そのために品質管理面での問題を発
生する場合がある。また実用面で問題のない軽微な疵が
目立ちすぎて品質管理面で不要な混乱を招く場合があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解消できる亜鉛系めっき鋼板とその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の手段は次のとおりである。 (1)亜鉛系めっき層の表面に、Fe-Ni-Zn系皮膜が形成さ
れた亜鉛系めっき鋼板であって、該亜鉛系めっき鋼板の
表面色調は、L値が30〜55であることを特徴とする亜鉛
系めっき鋼板(第1発明)。
【0009】(2)Ni2+イオン、Fe2+イオン、Zn2+イオン
及び硝酸イオンを含有し、Fe2+イオン濃度/(Ni2+イオ
ン+Fe2+イオン)濃度比が0.05以上0.5以下、Zn2+イオ
ン濃度/(Ni2+イオン+Fe2+イオン)濃度比が0.5以下、
硝酸イオン濃度が0.010〜0.050mol/l、且つ、pHが1.50
〜1.95である酸性電解浴中で、亜鉛系めっき鋼板を陰極
にして電解処理を行うことを特徴とする亜鉛系めっき鋼
板の製造方法(第2発明)。
【0010】
【発明の実施の形態】
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者等は、前記した適正なFe
-Ni-Zn系皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板について、
表面色調と、疵検出の難易、疵の目立ち易さの程度の関
係について詳細に調査した。その結果、該亜鉛系めっき
鋼板の表面色調を、明度すなわちL値で規定される色調
を30〜55の範囲内に規定することによって、前記問題点
を解決できることが明らかになった。
【0012】さらに、該亜鉛系めっき鋼板のL値を30〜
55の範囲内にできる製造条件について種々検討した。そ
の結果、硝酸イオン濃度とpHを特定範囲に規定すること
によって、亜鉛系めっき鋼板のL値を前記範囲内にでき
ることが明らかになった。本発明は、前記知見に基づき
なされたものである。
【0013】次に、本発明の限定理由について説明す
る。第1発明では、亜鉛系めっき層の表面にFe-Ni-Zn系
皮膜が形成された亜鉛系めっき鋼板の表面色調は、L値
が30〜55であることを規定する。L値が30未満になると
溶接時のスパッタ、斑点状光沢むら、幅数mmの線状マ
ークなど実用面で問題のない軽微な疵や外観むらが過検
出され、品質管理面で不要の混乱を招きやすくなり、さ
らにこれが原因でヘゲなどの有害疵を識別しにくくな
り、L値が55超になると有害疵の検出を確実に行うこと
ができなくなるためである。L値が35〜50の範囲内にあ
ると、有害疵をより確実に検出でき、また実用面で問題
のない軽微な疵や外観むらを過検出することを防止する
効果がより優れるので、L値は35〜50の範囲内にあるこ
とがより好ましい。
【0014】第2発明は、第1発明のFe-Ni-Zn系皮膜が
形成された亜鉛系めっき鋼板を製造する方法である。
【0015】第2発明において、電解浴中に、Ni2+イオ
ン、Fe2+イオン、Zn2+イオン及び電解浴中に硝酸イオン
を含むのは、Fe-Ni-Znを必須成分として含む皮膜を形成
するとともに、該皮膜の表層部に酸化物系層を形成させ
るためである。
【0016】Fe2+イオン濃度/(Ni2+イオン+Fe2+イオ
ン)濃度比を0.05以上0.5以下に規定したのは、Fe2+
オン濃度/(Ni2+イオン+Fe2+イオン)濃度比が0.05未
満では、Fe-Ni-Zn系皮膜中のFe/(Fe+Ni)比率を0.1以上
にできず、接着性の向上効果が不十分になり、Fe2+イオ
ン濃度/(Ni2+イオン+Fe2+イオン)濃度比が0.5を超え
ると、Fe-Ni-Zn系皮膜中Fe/(Fe+Ni)比率を0.8以下とす
ることができず、スポット溶接性の向上効果が不十分と
なるためである。
【0017】本発明では亜鉛系めっき鋼板を陰極とし
て、酸性電解液中で電解処理するため、Znが電解液中に
溶解することが避けられない。溶解したZnは電解により
析出するが、Znの溶解速度と析出速度は異なるため、電
解浴中のZn2+イオン濃度は変動する。このZn2+イオン濃
度が高くなりZn2+イオン濃度/(Ni2+イオン+Fe2+イオ
ン)濃度比が0.5を超えると、Fe-Ni-Zn系皮膜中のZn/(F
e+Ni)比率を1.6以下にすることができず、プレス成形性
およびスポット溶接性の改善効果が不十分になる。その
ため、Zn2+イオン濃度/(Ni2+イオン+Fe2+イオン)濃
度比は0.5以下に規定した。
【0018】硝酸イオン濃度を0.010〜0.050mol/lの範
囲内に規定したのは、硝酸イオン濃度が0.010mol/l未満
では、L値を55以下にできず、0.050mol/l超では、L値を
30以上にできないためである。硝酸イオンの供給には、
硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸亜鉛、硝酸ニッケ
ル、あるいは硝酸等を用いることができる。
【0019】また、本発明者らは、電解浴のpHが変化す
るとL値が特に大きく変化することを見出した。従っ
て、L値の変動を低減するには電解浴のpHの変動をでき
るだけ小さく抑えることが重要である。係る観点から検
討した結果、L値を30以上55以下にするには、電解浴のp
Hを1.50〜1.95の範囲内に規定することが必要なことが
明らかになった。すなわち、電解浴のpHを1.50〜1.95の
範囲内に規定したのは、pHが1.50未満ではL値を55以下
にできず、pHが1.95超ではL値を30以上にできないため
である。pH調整に際し、pHを低下するには電解浴中に硫
酸を添加すればよく、pHを上昇するには電解浴中に炭酸
ニッケルを補給することが好ましい。
【0020】また、硝酸イオン濃度を0.015〜0.025mol/
l、且つpHを1.70以上1.85以下に規定することによっ
て、電解処理後の亜鉛系めっき鋼板のL値を35以上50以
下にすることができる。
【0021】硝酸イオン濃度とpHを前記範囲に規定する
ことによって、L値の変動が低減されるのは、めっき皮
膜上に形成されるFe-Ni-Zn系皮膜量自体の変動を低減で
きる効果に加えて、該皮膜表層に形成される酸化物層の
厚さの変動が低減されるためと考えられる。
【0022】本発明において、電解浴の温度は特に規定
されない。例えば一般に電解処理が行われる30〜70℃で
行うことができる。また電解の電流密度は特に規定され
ない。しかし、10A/dm2未満では水素発生が陰極反応の
主体となって電流効率が大きく低下し、電流密度が150A
/dm2を超えると、めっき焼けが起こってFe-Ni-Zn系皮膜
の密着性が低下し、プレス成形性、スポット溶接性及び
接着性の向上効果が低下するおそれがある。従って、特
別に電解浴の撹拌速度を高めたり、70℃を超えるような
高温の場合を除いて、電解の電流密度は、10〜150A/dm2
の範囲内が望ましい。
【0023】本発明法で製造された亜鉛系めっき鋼板の
Fe-Ni-Zn系皮膜は、適正なFe-Ni-Zn系皮膜の条件、すな
わち下記(1)〜(5); (1)皮膜表層部はFe、Ni及びZnの酸化物と水酸化物から
なる層(以下、「酸化物系層」という)であり、皮膜の
下層部はFe、Ni及びZnからなる金属層、もしくは金属層
にFe、Ni及びZnの酸化物と水酸化物を含有する層であ
り、(2)皮膜中のFe含有量とNi含有量との合計が、10〜1
500mg/m2の範囲内にあり、(3)皮膜中のFe含有量とNi含
有量の和(mg/m2)に対するFe含有量(mg/m2)の比率(Fe/
(Fe+Ni)比率)が、0.1〜0.8の範囲内にあり、(4)皮膜中
のFe含有量とNi含有量の和(mg/m2)に対するZn含有量(mg
/m2)の比率(Zn/(Fe+Ni)比率)が、1.6以下(但し、Zn
を含むので、Zn/(Fe+Ni)比率=0は含まない)であり、
且つ(5)Fe-Ni-Zn系皮膜表層部の酸化物系層の厚さが、4
〜50nmの範囲内にあること、を満たす。従って、プレス
成形性、スポット溶接性および接着性に優れる。
【0024】また、L値が30〜55の範囲内にあり、色調
安定性に優れるので、プレス成形、スポット溶接等を行
って所要の部品に使用する際に行われる外観検査で、有
害疵を確実に検出でき、また実用面で問題のない軽微な
疵や外観むらを過検出することを防止できる。
【0025】また、本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板
では、プレス成形する際の摺動抵抗の変動が低減され、
まためっき皮膜が剥離する所謂パウダリングが生じにく
くなるという効果もある。
【0026】本発明において、表面にFe-Ni-Zn系皮膜を
形成させるのに使用する亜鉛系めっき鋼板としては、鋼
板の表面に、溶融めっき法、電気めっき法又は気相めっ
き法等により亜鉛系めっき層を形成させた鋼板であれば
良い。この亜鉛系めっき層の成分は、純Znの他、Fe、N
i、Co、Mn、Cr、Al、Mo、Ti、Si、W、Sn、Pb、Nb及びTa
等の金属(但し、Siも金属として扱う)もしくは酸化
物、又は、有機物の1種又は2種以上を含有する単層又は
複層のめっき層からなる。また、上記めっき層にSiO2
びAl2O3等の微粒子を含んでいても良い。また、亜鉛系
めっき鋼板として、めっき層の組成を変化させた複層め
っき鋼板及び機能傾斜めっき鋼板を使用することもでき
る。
【0027】
【実施例】Fe-Ni-Zn系皮膜形成処理を施す前の亜鉛系め
っき鋼板として、両面共に付着量60g/m2の溶融亜鉛めっ
きが行われさらに合金化処理が施され、その表面に有害
疵のある合金化溶融亜鉛めっき鋼板(10mass%Fe、残部
Zn)を準備し、該合金化溶融亜鉛めっき鋼板を陰極とし
て、Fe2+イオン、Ni2+イオン、Zn2+イオン及び硝酸イオ
ンを含む酸性硫酸塩水溶液からなる電解浴中で電解処理
を施した。硝酸イオンは、硝酸ナトリウムにより添加
し、pH調整は炭酸ニッケル添加または硫酸添加によって
行った。電解処理後、十分に水洗し、熱風乾燥を行い、
該合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面にFe-Ni-Zn系皮膜を
形成させた。
【0028】前記で得たFe-Ni-Zn系皮膜を有する合金化
溶融亜鉛めっき鋼板について、色調評価(L値測定)お
よびFe-Ni-Zn系皮膜の分析試験を以下のように行った。 (1)色調評価(L値測定) 供試体の色調(L値)をJIS Z8730に準拠したLab系で測定
して求めた。 (2)分析試験 「皮膜中のFe含有量とNi含有量との合計値(mg/
m2)、皮膜中のFe/(Fe+Ni)比率(含有量(mg/m2)比
率)、及び、皮膜中のZn/(Fe+Ni)比率(含有量(mg/m2)
比率)」 下層のめっき層中にはFe-Ni-Zn系皮膜の成分元素の内の
Fe、Znを含むので、ICP法では、上層のFe-Ni-Zn系皮膜
中成分元素と下層のめっき層中成分元素とを完全に分離
することは困難である。そこで、ICP法により,下層の
めっき層中に含まれていない元素Niのみを定量分析し
た。更に、Arイオンスパッタした後、XPS法によりFe-Ni
-Zn系皮膜中各成分元素の測定を表面から繰り返すこと
によって、Fe-Ni-Zn系皮膜の表面に垂直に、深さ方向に
対する各成分元素の組成分布を測定した。この測定法に
おいては、下層のめっき層中に含まれていないFe-Ni-Zn
系皮膜の元素Niが最大強度である深さと、その元素が検
出されなくなった深さとの平均深さを、Fe-Ni-Zn系皮膜
の厚さとした。そして、ICP法の結果とXPS法の結果とか
ら、Fe-Ni-Zn系皮膜の付着量及び組成を算定した。次い
で、皮膜中のFe含有量とNi含有量との合計値(mg/
m2)、皮膜中のFe/(Fe+Ni)の含有量(mg/m2)比率、及
び、皮膜中のZn/(Fe+Ni)の含有量(mg/m2)比率を算定し
た。
【0029】「皮膜表層部の酸化物系層の厚さ」 Arイオンスパッタリングと、X線光電子分光法(XPS)又
はオージェ電子分光法(AES)との組み合わせにより、F
e-Ni-Zn系皮膜表層部の酸化物系層の厚さを測定した。
供試体の表面所定の深さまで、Arイオンスパッタリング
した後、XPS又はAESによる皮膜中各元素の測定を行い、
これを繰り返した。この測定法において、ある深さで、
酸化物または水酸化物に起因する酸素の量は最大濃度と
なった後、減少し一定となる。この酸素濃度が、最大濃
度より深い位置で、最大濃度と一定濃度との和の1/2と
なる深さを、酸化物系層の厚さとした。なお、スパッタ
速度の標準資料として、SiO2を用いた。そのスパッタ速
度は4.5nm/minとした。
【0030】また、前記で得られた合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板に、実用上問題のないスポット溶接のスパッタを
付着させ、目視で外観検査を行い、以下のように評価し
た。 ○:有害疵が容易に識別可能で、且つスパッタが殆ど目
立たないもの。 △:有害疵がやや目立ちにくくなってはいるが十分識別
可能であり、且つスパッタが殆ど目立たないもの、又は
有害疵が容易に識別可能であるがスパッタがやや目立つ
もの。 ×:有害疵の識別が困難なもの、又はスパッタが目立ち
過ぎるもの。
【0031】電解処理条件および調査結果を表1に示
す。
【0032】
【表1】
【0033】本発明法で製造された実施例の合金化溶融
亜鉛めっき鋼板は、L値が30〜55の範囲内にあり、色調
変動が小さく、色調安定性に優れている。実施例の合金
化溶融亜鉛めっき鋼板のうち、硝酸イオン濃度が0.015
〜0.025mol/l、且つpHが1.70以上1.85以下の範囲内で製
造されたものは、L値が35〜50の範囲内にあり、色調変
動がより小さく、色調安定性がより優れている。
【0034】L値が本発明範囲にある実施例の合金化溶
融亜鉛めっき鋼板は、有害疵が確実に識別されており、
一方実用面で問題のない疵は目立ちにくくなっており、
必要な外観検査を確実に行うことが可能になる。L値が3
5〜50の範囲内にあると、必要な外観検査をより確実に
行うことが可能になる。
【0035】一方、本発明法を外れる条件で製造された
比較例の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、色調変動が大き
く、L値が30未満又は55超にばらついている。
【0036】L値が本発明範囲を外れる比較例の合金化
溶融亜鉛めっき鋼板は、有害疵の確実な検出に難点があ
るか、または実用面で問題のない軽微な疵が目立ち過ぎ
る問題があるので、必要な外観検査を確実に行うことが
できない。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、L値が30〜55の範囲内
にあり、色調変動の少ないFe-Ni-Zn系皮膜が形成された
亜鉛系めっき鋼板が得られる。該亜鉛系めっき鋼板は、
プレス成形の際に、有害な疵を精度良く検出でき、また
実用上問題のない軽微な疵を過検出することを防止でき
るので、確実な外観検査を行うことができる。
【0038】本発明のFe-Ni-Zn系皮膜が形成された亜鉛
系めっき鋼板は、プレス成形性、スポット溶接性および
接着性に優れるので、自動車用途に使用される防錆鋼板
として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 茂 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA22 AB01 AB02 AB13 AB15 AB26 AB28 AB42 AB43 AC73 AC82 4K044 AA02 AB02 BA06 BA10 BB03 BB16 BC05 BC08 CA11 CA18 CA62 CA64

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき層の表面に、Fe-Ni-Zn系皮
    膜が形成された亜鉛系めっき鋼板であって、該亜鉛系め
    っき鋼板の表面色調は、L値が30〜55であることを特徴
    とする亜鉛系めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 Ni2+イオン、Fe2+イオン、Zn2+イオン及
    び硝酸イオンを含有し、Fe2+イオン濃度/(Ni2+イオン
    +Fe2+イオン)濃度比が0.05以上0.5以下、Zn 2+イオン
    濃度/(Ni2+イオン+Fe2+イオン)濃度比が0.5以下、硝
    酸イオン濃度が0.010〜0.050mol/l、且つ、pHが1.50〜
    1.95である酸性電解浴中で、亜鉛系めっき鋼板を陰極に
    して電解処理を行うことを特徴とする亜鉛系めっき鋼板
    の製造方法。
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