JP2001131792A - 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法 - Google Patents

亜鉛系メッキ鋼板の製造方法

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ions
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透 妹川
Takayuki Urakawa
隆之 浦川
Michitaka Sakurai
理孝 櫻井
Masaru Sagiyama
勝 鷺山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス成形性、接着性及び表面外観に優れた
亜鉛系メッキ鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 Fe2+イオン、Ni2+イオン、Zn2+イオン及
び硝酸イオンを含有する酸性電解浴中で、亜鉛系メッキ
を施した鋼板を陰極にして電解処理を行い、亜鉛系メッ
キ層の上にFe-Ni-Zn-O系皮膜を有する亜鉛系メッキ鋼板
を製造するにあたって、前記酸性電解浴中に、pH緩衝作
用を有する塩類の一種または二種以上を総量で1〜250g/
l添加してFe-Ni-Zn-O系皮膜を有する亜鉛系メッキ鋼板
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プレス成形性、
接着性及び表面外観に優れた亜鉛系メッキ鋼板の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛系メッキ鋼板は種々の優れた特徴を
有するために、各種の防錆鋼板として広く使用されてい
る。この亜鉛系メッキ鋼板を自動車用防錆鋼板として使
用するためには、耐食性、塗装適合性等のほかに、車体
製造工程において要求される性能として、プレス成形性
および接着性に優れていることが重要である。
【0003】しかし、亜鉛系メッキ鋼板は、一般に冷延
鋼板に比べてプレス成形性が劣るという欠点を有する。
これは亜鉛系メッキ鋼板とプレス金型との摺動抵抗が、
冷延鋼板の場合に比較して大きいことが原因である。即
ち、この摺動抵抗が大きいので、ビードと亜鉛系メッキ
鋼板との摺動抵抗が著しく大きい部分で、亜鉛系メッキ
鋼板がプレス金型に流入しにくくなり、鋼板の破断が起
こりやすくなる。
【0004】亜鉛系メッキ鋼板のプレス成形性を向上さ
せる方法としては、一般に高粘度の潤滑油を塗布する方
法が広く用いられている。しかしこの方法では、潤滑油
の高粘性のために、塗装工程で脱脂不良による塗装欠陥
が発生したり、またプレス時の油切れにより、プレス性
能が不安定になる等の問題がある。従って、亜鉛系メッ
キ鋼板のプレス成形性が改善されることが強く要請され
ている。
【0005】更に、自動車車体の製造工程においては、
車体の防錆及び制振等の目的で各種の接着剤が使用され
るが、近年になって亜鉛系メッキ鋼板の接着性は、冷延
鋼板の接着性に比較して劣ることが明らかになってき
た。
【0006】上述した問題を解決する方法として、特開
昭53-60332号公報および特開平2-190483号公報は、亜鉛
系メッキ鋼板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布酸化処
理、または加熱処理を施すことにより、ZnOを主体とす
る酸化膜を形成させて溶接性、または加工性を向上させ
る技術(以下、「先行技術1」という)を開示してい
る。
【0007】特開平4-88196号公報は、亜鉛系メッキ鋼
板の表面に、リン酸ナトリウム5〜60g/lを含みpH2〜6の
水溶液中にメッキ鋼板を浸漬するか、電解処理、また、
上記水溶液を散布することによりP酸化物を主体とした
酸化膜を形成して、プレス成形性及び化成処理性を向上
させる技術(以下、「先行技術2」という)を開示して
いる。
【0008】特開平3-191093号公報は、亜鉛系メッキ鋼
板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布処理、塗布酸化処
理、または加熱処理により、Ni酸化物を生成させること
によりプレス成形性および化成処理性を向上させる技術
(以下、「先行技術3」という)を開示している。
【0009】特開昭58-67885号公報は、亜鉛系メッキ鋼
板の表面にNi及びFe等の金属を生成させることにより耐
食性を向上させる技術(以下、「先行技術4」という)
を開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術には下記の問題がある。
【0011】先行技術1は、上述した各種処理により、
メッキ鋼板の表面にZnOを主体とする酸化物を生成させ
る方法であるため、プレス金型とメッキ鋼板との摺動抵
抗の低減効果は少なく、プレス成形性の改善効果は少な
く、また、接着性の改善効果を持たない。
【0012】先行技術2は、亜鉛系メッキ鋼板の表面にP
酸化物を主体とした酸化膜を形成する方法であるため、
プレス成形性及び接着性が劣化するという問題を有す
る。
【0013】先行技術3は、亜鉛系メッキ鋼板の表面に
Ni酸化物単層の皮膜を形成させる方法であるため、接
着性の改善効果を持たない。
【0014】先行技術4は、亜鉛系メッキ鋼板の表面にN
iおよびFe等の金属皮膜を形成する方法であるため、プ
レス成形性の改善効果が十分でない。
【0015】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決して、プレス成形性および接着性に優れ、又更に
表面外観に優れた亜鉛系メッキ鋼板の製造方法を提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、亜鉛系メッ
キ鋼板のメッキ層の表面に、適正なFe-Ni-Zn-O系皮膜を
形成することにより、プレス成形性と接着性を大幅に改
善できることを見出した。
【0017】ここで、適正なFe-Ni-Zn-O系皮膜とは、下
記(1)〜(5): (1)皮膜表層部はFe、Ni及びZnの酸化物と水酸化物から
なる層(以下、「酸化物系層」という)であり、皮膜の
下層部はFe、Ni及びZnからなる金属層、もしくは金属層
にFe、Ni及びZnの酸化物と水酸化物を含有する層であ
り、(2)皮膜中のFe含有量とNi含有量との合計が、10〜1
500mg/m2の範囲内にあり、(3)皮膜中のFe含有量とNi含
有量の和(mg/m2)に対するFe含有量(mg/m2)の比率:Fe/
(Fe+Ni)が、0.1以上であり、(4)皮膜中のFe含有量とNi
含有量の和(mg/m2)に対するZn含有量(mg/m2)の比率Zn/
(Fe+Ni)が、1.6以下(但し、Znを含むので、Zn/(Fe+Ni)
=0は含まない)であり、そして(5)Fe-Ni-Zn系皮膜表層
部の酸化物系層の厚さが、4nm以上であること、を満た
すものであるとの知見を得た。
【0018】亜鉛系メッキ鋼板のプレス成形性が冷延鋼
板に比較して劣るのは、高面圧下において融点の低い亜
鉛と金型が凝着現象を起こすために、摺動抵抗が増大す
るのが原因である。本発明者等は、亜鉛と金型との凝着
を防ぐためには、亜鉛系メッキ鋼板のメッキ層の表面
に、亜鉛または亜鉛合金メッキ層より硬質で、また高融
点の皮膜を形成することが有効であることを知見した。
Fe-Ni-Zn-O系皮膜は、硬質且つ高融点であり、かつ皮膜
表層部に存在する酸化物系層の融点が更に高いため、プ
レス成型時に金型との凝着が起こりにくいためと考えら
れる。
【0019】亜鉛系メッキ鋼板の接着性が、冷延鋼板の
それに比較して劣ることは知られていたが、この原因は
明らかになっていなかった。ところが、亜鉛系メッキを
施した鋼板のメッキ層の表面に、Fe含有量を適正に制御
したFe-Ni-Zn-O系皮膜を形成させることにより、優れた
接着性が得られることを知見した。
【0020】この発明は以上の知見に基づきなされたも
のであって、亜鉛系メッキを施した鋼板のメッキ層の表
面に、Fe-Ni-Zn-O系皮膜を形成させることにより、プレ
ス成形性および接着性に優れた亜鉛系メッキ鋼板を製造
する方法であり、その要旨は、Fe2+イオン、Ni2+イオ
ン、Zn2+イオン及び硝酸イオンを含有する酸性電解浴中
で、亜鉛系メッキを施した鋼板を陰極にして電解処理を
行い、亜鉛系メッキ層の上にFe-Ni-Zn-O系皮膜を有する
亜鉛系メッキ鋼板を製造するにあたって、前記酸性電解
浴中に、pH緩衝作用を有する塩類の一種または二種以上
を総量で1〜250g/l添加することを特徴とする、Fe-Ni-Z
n-O系皮膜を有する亜鉛系メッキ鋼板の製造方法であ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明について更に説明
する。
【0022】本発明では、亜鉛系メッキ鋼板のメッキ層
の表面に、適正なFe-Ni-Zn-O系皮膜を形成することによ
り、プレス成形性と接着性を大幅に改善することができ
るが、特に、Fe-Ni-Zn-O系皮膜表層部の酸化物系層の厚
さを、4nm以上とすることにより、亜鉛系めっき鋼板の
プレス成形性の改善効果が飛躍的に大きくなる。しか
し、通常のFe2+イオン、Ni2+イオン、Zn2+イオンを含有
する酸性電解浴中で、亜鉛系メッキを施した鋼板を陰極
にして電解処理を行った場合、表層部の酸化物系層の厚
みを4nm以上にすることは困難である。
【0023】本発明者等は、Fe-Ni-Zn-O系皮膜の表層部
の酸化物系層を厚くする技術を開発するための検討を重
ねた結果、電解液中に硝酸イオンを少量添加すること
で、表層部の酸化物系層の厚さを4nm以上にすることが
できることを見出した。
【0024】しかし、この方法では、硝酸イオンの添加
量を増していくと、表面に笹葉状のムラが発生しやす
い。従って、表面にムラを生じさせずに、表層部の酸化
物系層の厚さを4nm以上として良好なプレス成形性を得
ることができる、電解浴中の硝酸イオンの濃度の適正な
範囲は狭い。電解浴中の硝酸イオンの濃度を、上述した
狭い適性範囲内に保つことは極めて困難であるため、表
面にムラを生じさせずに、良好なプレス成形性を有する
亜鉛系メッキ鋼板を連続して安定的に製造することは非
常に難しい。
【0025】そこで、本発明者らは、上述した問題点を
解決すべく研究を重ねた。その結果、 Fe2+イオン、Ni
2+イオン、Zn2+イオン及び硝酸イオンを含有する酸性電
解浴中にpH緩衝剤を添加し、この電解浴中で亜鉛系メッ
キを施した鋼板を陰極にして電解処理することにより、
表面にムラを生じさせずに、かつ表層部の酸化膜厚を4n
m以上として良好なプレス成形性を得ることができる、
電解浴中の硝酸イオンの濃度の適正範囲が広くなること
を知見した。これにより、表面にムラを生じずに、良好
なプレス成形性を有する亜鉛系メッキ鋼板を連続して安
定的に製造することが可能となった。
【0026】硝酸イオンの添加により、表層部の酸化物
系層の厚さが厚くなり、ムラが発生する理由、またpH緩
衝剤の添加により、表面にムラを発生しない硝酸イオン
の適正濃度範囲が広くなる理由は必ずしも明らかでない
が、以下のように推定される。
【0027】電解時に、亜鉛系メッキ層の表面では、以
下に示す硝酸イオンの還元反応が起こっていると推定さ
れる。
【0028】NO3 -+9H++8e-→NH4 ++3H2O この反応により、表面近傍でpHが上昇し、Zn及びFeの水
酸化物が生成する。これらの水酸化物は、大部分が電解
により順次還元されていくが、電解終了直前に生成した
ものは還元されずに残存する。このようにして、硝酸イ
オンの添加により、表層部の酸化物系層を効果的に付与
し、厚さを増加させることができる。ここで、硝酸イオ
ンの添加量を増加させると、pHが急激に上昇して表面近
傍のpHが不均一となり、Zn及びFeの水酸化物が不均一に
生成すると考えられる。この場合、Fe-Ni-Zn-O系皮膜が
不均一な水酸化物を介して形成されるためFe-Ni-Zn-O系
皮膜も不均一となり、外観上ムラとなって現れると推定
される。これに対し、電解浴中にpH緩衝剤を添加する
と、表面での急激なpH上昇が抑えられるため、結果的に
均一なFe-Ni-Zn-O系皮膜もが形成され、表面のムラを生
じにくくなるものと考えられる。
【0029】本発明では、Fe2+イオン、Ni2+イオン、Zn
2+イオン及び硝酸イオンを含有する酸性電解浴にpH緩衝
剤を添加する。添加するpH緩衝剤としては、特に限定し
ないが、ほう酸、クエン酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸
及び酒石酸、並びにこれらの塩類、又は硫酸アンモニウ
ムから選ばれる一種又は二種以上を添加するのが望まし
い。
【0030】pH緩衝剤の添加量は、1g/l未満では上記
効果が不十分であり、250g/lを超えるとFe-Ni-Zn-O系皮
膜の形成に悪影響を及ぼし、皮膜が粉末状となり剥離し
やすい性状となり、プレス成形性及び接着剤適合性が劣
化する。従って、pH緩衝剤の添加量は、1〜250g/lとす
べきである。
【0031】本発明が対象とするFe2+イオン、Ni2+イオ
ン、Zn2+イオン及び硝酸イオンを含有する酸性電解浴に
おいて、Fe2+イオン、Ni2+イオン、Zn2+イオン源として
は、硫酸塩、塩化物等を使用することができる。Fe2+
Ni2+、Zn2+イオンの合計濃度は、0.3〜2.0mol/lの範囲
内が望ましい。0.3mol/l以下ではメッキ焼けが起こって
皮膜の密着性が低下しやすく、また、2.0mol/lを超える
と溶解度の限界に達し、温度が低くなった場合に沈殿を
生じやすくなる。
【0032】硝酸イオンとしては、硝酸ナトリウム、硝
酸カリウム、硝酸亜鉛、硝酸ニッケル、あるいは硝酸等
を用いることができる。電解浴中の硝酸イオンの含有量
は、0.001〜0.5mol/lが望ましい。0.001mol/l未満では
酸化物系層の厚さが4nm未満と薄く、プレス成形性の改
善効果が十分でない。0.5mol/lを超えると、Fe-Ni-Zn-O
系皮膜の密着性が低下し、プレス成形性及び接着剤適合
性が低下しやすい。
【0033】また、電解液には、この発明において用い
られる亜鉛系メッキ鋼板のメッキ層等に含まれるCo、M
n、Mo、Al、Ti、Sn、W、Si、Pb、Nb及びTa等の陽イオ
ン、水酸化物及び酸化物、更に、硫酸イオン以外の陰イ
オンを不可避的に含有していても良い。
【0034】電解浴のpHは1〜3が適当である。pHが1未
満では電解効率が低下し、pHが3を超えると第二鉄の水
酸化物の沈殿が生じやすい。電解時の浴温は30〜70℃程
度、電流密度は10〜150A/dm2が実用範囲として好まし
い。
【0035】この発明において、表面にFe-Ni-Zn系皮膜
を形成させるのに使用する亜鉛系メッキを施した鋼板と
しては、鋼板の表面に、溶融メッキ法、電気メッキ法又
は気相メッキ法等により亜鉛系メッキ層を形成させた鋼
板であれば良い。この亜鉛系メッキ層の成分は、純Znの
他、Fe、Ni、Co、Mn、Cr、Al、Mo、Ti、Si、W、Sn、P
b、Nb及びTa等の金属(但し、Siも金属として扱う)も
しくは酸化物、又は、有機物の一種又は二種以上を含有
する単層又は複層のメッキ層からなる。また、上記メッ
キ層にSiO2及びAl2O3等の微粒子を含んでいても良い。
また、亜鉛系メッキ鋼板として、メッキ層の組成を変化
させた複層メッキ鋼板及び機能傾斜メッキ鋼板を使用す
ることもできる。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0037】本発明法および比較法により皮膜形成処理
を施す前の亜鉛系メッキ鋼板として、下記GA、GI及びEG
の内、いずれかのメッキ種が形成されたものを使用し
た。
【0038】GA:合金化溶融亜鉛メッキ鋼板(10wt%F
e、残部Zn)であり、付着量は両面共に60g/m2である。
【0039】GI:溶融亜鉛メッキ鋼板であり、付着量は
両面共に90g/m2である。
【0040】EG:電気亜鉛メッキ鋼板であり、付着量は
両面共に40g/m2である。
【0041】上記3種の亜鉛系メッキ鋼板に対して、Fe
2+イオン、Ni2+イオン、Zn2+イオン及び硝酸イオンを含
み、またpH緩衝剤の添加量が2〜200g/l(本発明例)又
は0.5〜0.8g/l(比較例)又は無添加(比較例)の酸性
電解液で、硝酸イオン濃度を変化させながら、陰極電解
処理を施した。電解処理は、電解液pH:2.0、浴温:50
℃、電流密度:50A/dm2で行い、電解時間を調整してFe-
Ni-Zn-O系皮膜のFe含有量とNi含有量の和が一定の500mg
/m2となるようにした。電解液組成を表1に示す。硝酸
イオンは、硝酸ナトリウムにより添加した。
【0042】前記処理に際して、処理後のメッキ鋼板の
表面外観を観察して笹葉状のムラの発生有無を調査する
とともに、電解処理後の各亜鉛系メッキ鋼板から供試体
を採取し、下記及びのFe-Ni-Zn-O系皮膜の分析試験
を行った。
【0043】「皮膜中のFe含有量とNi含有量との合計
値(mg/m2)、皮膜中のFe/(Fe+Ni)の含有量(mg/m2)比
率、及び、皮膜中のZn/(Fe+Ni)の含有量(mg/m2)比
率」 Fe-Ni-Zn-O系皮膜と下層のメッキ層を希塩酸により溶解
はく離し、ICPによりNiの定量分析を行ない、この結果
から皮膜中のNi含有量を算定した。
【0044】更に、Arスパッタした後、XPS法により Fe
-Ni-Zn-O系皮膜中各成分元素の測定を表面から繰り返す
ことによって、Fe-Ni-Zn-O系皮膜の表面に垂直に、深さ
方向に対する各成分元素の組成分布を測定した。この測
定法においては、下層のメッキ層中に含まれていないFe
-Ni-Zn-O系皮膜の元素Niが最大強度である深さと、その
元素が検出されなくなった深さとの平均深さを、Fe-Ni-
Zn-O系皮膜の厚さとした。そして、ICP法の結果とXPS法
の結果とから、Fe-Ni-Zn-O系皮膜中の各成分元素の含有
量を算定した。次いで、皮膜中のFe含有量とNi含有量と
の合計値(mg/m 2)、皮膜中のFe/(Fe+Ni)の含有量(mg/
m2)比率、及び、皮膜中のZn/(Fe+Ni)の含有量(mg/
m2)比率を算定した。
【0045】「酸化物系層の厚さ(nm)」 供試体表面から所定の深さまで、Arイオンスパッタした
後、AESによりFe-Ni-Zn-O系皮膜中の各元素の測定を繰
り返して行って、Fe-Ni-Zn-O系皮膜の深さ方向の各元素
の組成分布を測定した。この測定において、酸化物また
は水酸化物に起因するOの量は、ある深さで最大濃度と
なった後、減少し一定となる。酸化物または水酸化物に
起因する酸素の量が、最大濃度より深い位置で、最大濃
度と一定濃度との和の1/2となる深さを、Fe-Ni-Zn-O系
皮膜の酸化物系層の厚さとした。なお、スパッタ速度の
標準資料として、SiO2を用いた。そのスパッタ速度は4.
5nm/minであった。
【0046】前記で得られたFe-Ni-Zn-O系皮膜の皮膜中
のFe/(Fe+Ni)の含有量(mg/m2)比率は0.1以上であり、
またZn/(Fe+Ni)の含有量(mg/m2)比率は1.6以下であっ
た。また、酸化物系層の厚さが4nm以上のメッキ鋼板に
ついてプレス成形性及び接着性を確認したところ、何れ
も良好であった。
【0047】また、Fe-Ni-Zn-O系皮膜の酸化物系層厚さ
の測定結果から得たFe-Ni-Zn-O系皮膜の酸化膜厚が4nm
以上となる硝酸濃度C1(mol/l)、及び表面外観の観察結
果から得た笹葉状のムラが発生し始める硝酸イオン濃度
C2(mol/l)に基づいて、硝酸イオンの適性濃度範囲△C
を、△C(mol/l)=C2−C1から求めた。求めた硝酸イオン
の適性濃度範囲△Cを表1に併せて記載した。
【0048】
【表1】
【0049】表1から、下記事項が明らかである。すな
わち、pH緩衝剤が添加されていない電解浴を使用した比
較例No.1、4、5及びpH緩衝剤の濃度が本発明範囲より低
い比較例2、3は、硝酸イオンの適性濃度範囲ΔCが0.01
〜0.02mol/lと著しく狭い。これに対して、本発明範囲
内のpH緩衝剤が添加されている電解浴を使用した発明例
1〜17は、硝酸イオンの適性濃度範囲ΔCが0.06mol/l以
上と広い。
【0050】また、pH緩衝剤が添加されていない電解浴
又はpH緩衝剤の濃度が本発明範囲より低い電解浴を使用
した前記比較例1〜5の場合、硝酸イオンの適性濃度範囲
ΔCが著しく狭いため、硝酸イオンを表面のムラが発生
しない所要濃度範囲内に保持することができず、表面に
ムラを生じさせずに、良好なプレス成形性と接着性を有
する亜鉛系メッキ鋼板を、連続して安定的に製造するこ
とは困難であった。
【0051】これに対して、本発明範囲内のpH緩衝剤が
添加されている電解浴を使用した前記発明例1〜17の場
合、硝酸イオンの適性濃度範囲ΔCが広いため、硝酸イ
オンを表面のムラが発生しない所要濃度範囲内に保持す
ることが可能になり、表面にムラを生じさせずに、良好
なプレス成形性と接着性を有する亜鉛系メッキ鋼板を、
連続して安定的に製造することが可能になった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、表面のムラを発生しな
いで、所要の膜厚の酸化物系層が表層部にあるFe-Ni-Zn
-O系皮膜を有する亜鉛系メッキ鋼板を連続して安定的に
製造することができる。
【0053】本発明は、特に適正なFe-Ni-Zn-O系皮膜す
なわち前記皮膜条件(1)〜(5)を満足するFe-Ni-Zn-O系皮
膜を有するプレス成形性と接着性に優れ、また表面外観
に優れる亜鉛系メッキ鋼板を、電解処理によって連続し
て安定的に製造する方法として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻井 理孝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K024 AA05 AA17 AB01 BA03 BC01 DB03 DB10 GA08 4K026 AA02 AA07 AA12 AA13 AA22 BA08 BB09 BB10 CA13 CA18 CA32 CA33 CA37 DA01 DA15 4K044 AA02 AB02 BA10 BA12 BB03 BC05 CA11 CA16 CA18

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe2+イオン、Ni2+イオン、Zn2+イオン及
    び硝酸イオンを含有する酸性電解浴中で、亜鉛系メッキ
    を施した鋼板を陰極にして電解処理を行い、亜鉛系メッ
    キ層の上にFe-Ni-Zn-O系皮膜を有する亜鉛系メッキ鋼板
    を製造するにあたって、前記酸性電解浴中に、pH緩衝作
    用を有する塩類の一種または二種以上を総量で1〜250g/
    l添加することを特徴とする、Fe-Ni-Zn-O系皮膜を有す
    る亜鉛系メッキ鋼板の製造方法。
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