JP2003212590A - ガラスロービング - Google Patents
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- Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
Abstract
のパンクや微小破裂が発生しないガラスロービングを提
供することにある。 【構成】 本発明のガラスロービング20は、ガラスロ
ービング20の内表面21から外表面22に貫通して形
成された開口部23が、ガラスロービング20の端面上
部24からの投影図においてスパイラル状に形成されて
いる。
Description
より製造されるガラスロービングに関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、直接巻き取り法により製造され
るガラスロービング(DWR:Direct Woun
d Roving)は、数百〜数千のノズルを有する白
金製ブッシングより引き出された溶融ガラスを、数ミク
ロンから二十数ミクロンのガラスフィラメントに引き伸
ばし、それぞれのガラスフィラメントの表面に集束剤を
塗布した後、ガラスフィラメントを数百〜数千本引き揃
え、ガラスストランドとし、回転するコレットに綾を掛
けながら巻き取ることにより製造される。綾を掛ける方
法としては、トラバースを用いガラスストランドの導糸
ガイドをコレット近傍において左右に往復移動させる方
法が一般的である。ガラスストランドがコレットと成す
角、綾角度は、コレットの回転数とトラバースの往復運
動の速度比により決定される。巻き取られたガラススト
ランドは、集束剤に含まれる水分を蒸発させ、集束剤の
皮膜を形成させるために乾燥し、内外層部分を除去した
後、製品とされる。 【0003】また、ガラスロービングには、DWR以外
に、溶融ガラスを一旦ケーキに巻き取り、乾燥後、数個
〜数十個のケーキを引き揃え、再度円筒状に巻き取るこ
とにより製造する方法もある。このようにケーキから再
度巻き取る方法により製造されるガラスロービングは、
DWRと区別して合糸ロービングと呼ばれている。合糸
ロービングは、比較的細いガラスストランドを数本から
数十本束ねた事を特徴とし、1本の太いガラスストラン
ドからなるDWRとこの点において大きく異なってい
る。 【0004】これらのガラスロービングは、フィラメン
トワインディング法(FW法)、引抜法、シートモール
ディングコンパウンド法(SMC法)、スプレーアップ
法、プリフォーム法などの成形法により、FRP成形品
の強化材として広く使用されているが、一般に細いガラ
スストランドを束ねた合糸ロービングはSMC法、スプ
レーアップ法、プリフォーム法などの切断して使用する
製法に多く用いられ、一方、1本のガラスストランドか
らなるDWRは、FW法や引抜法といった連続して用い
る製法に多く用いられる。特に、ガラス繊維のイーブネ
ス(ガラスロービングに巻き取られたガラスフィラメン
ト1本1本の等長性)を要求される分野において、DW
Rは大きな優位性を有している。 【0005】ところで、DWRは、通常20kg程度の
重量があり、その形状は、高さ(軸方向長さ)が約25
0mm、直径(巻径)が約300mmの円筒状であり、
その中心部には、直径約150mmの円筒状のコレット
を有し、肉厚のあるパイプ形状を成している。 【0006】DWRは、紡糸工程において多量の水を含
有する集束剤を塗布するため、巻き上がり直後には約1
0%の水を含有する。この約10%の水を蒸発除去する
ためには、DWRを乾燥する必要がある。 【0007】乾燥方法は、120℃〜140℃の乾燥炉
内に数〜数十時間DWRを滞留させ乾燥する熱風乾燥法
と、マイクロ波、高周波を利用し数時間程度で乾燥する
誘電乾燥法(例えば、特許文献1参照)がある。何れの
方法にせよ、DWR内部の水は、外部からのエネルギー
補給により温度上昇し、DWR表面より空気中に蒸発・
拡散する。 【0008】一般に、水は大気圧下において熱せられた
場合には、温度の上昇に伴い蒸発速度を速め100℃に
おいて沸騰し、それ以上温度上昇しないが、圧力釜のよ
うな閉鎖空間においては、圧力の上昇に伴い100℃以
上に温度が上がってしまう。ガラスストランドが密に巻
かれたDWRの中層部においては、水の蒸発がガラスス
トランドにより妨げられるため、いわば圧力釜の様にな
る。この結果、水温は蒸発する水の気化熱と、外部から
のエネルギー補給熱が釣り合う点まで上昇し、DWR内
部の蒸気圧もそれに伴って上昇する。DWRがこの蒸気
圧上昇に耐えられない場合には、その圧力によりDWR
が高さ方向に広がり、極端な場合には、パンクと呼ばれ
るDWRの破裂が起こる。 【0009】このパンクは、DWRの巻き密度の増加だ
けでなくDWRの持込み水分量の増加、効率化のための
乾燥時間短縮による乾燥温度の上昇等により著しく増加
する。また、パンクは、DWRに塗布する集束剤の滑性
(滑り易さ)や、コレットとガラスストランドの角度
(綾角度)等の様々な要因にも影響を受ける。 【0010】DWRの巻き密度や綾角度を決定する因子
としてワインド数がある。ワインド数は、往復運動する
トラバースの半往復間におけるコレットの回転数を表
し、例えば、ワインド数3とは、トラバースが右端から
左端(或いはその逆)まで移動する間に、コレットが3
回転したことを意味し、トラバースが1往復する間に、
コレットが6回転したことになる。従って、ワインド数
が小さい値であれば綾角度が大きくなり、トラバースの
往復運動が比較的速い速度で行われていることになり、
逆にワインド数が大きい値であれば綾角度が小さくな
り、トラバースの往復運動が比較的遅い速度で行われて
おり、コレットの回転軸に対してより直角に近い綾角度
でガラスストランドが巻かれていることになる。 【0011】通常、DWRにおいては、ワインド数が
1.5〜6であるが、これは、ワインド数が1.5より
小さいと、綾角度が大きくなり過ぎるためガラスストラ
ンドが定められた位置に巻き取られず生産できず、6よ
り大きいと、ガラスストランドがコレットの回転軸に対
して垂直に近い綾角度で巻かれ、毛羽や持ち上がり等の
品質問題が多く発生するためである。なお、このように
して巻き上げられた円筒形状のDWRの高さは、トラバ
ースによって往復運動される距離であり、その直径は巻
き取られるガラスストランドの量により決定される。 【0012】一般に、ワインド数が、3や3.333・
・・(10/3)、或いは、3.25(13/4)のよ
うに、整数や、それ以上約分できず、分子が比較的小さ
い分数であると、DWRは、巻き密度が高くならない。
トラバースがワインド数の分母と等しい回数往復する間
に、分子の2倍の回数、ガラスストランドがコレット上
に巻かれた後、再び最初に巻かれた位置に戻る。例え
ば、ワインド数が、10/3(3.333・・・)のよ
うに分子が小さい場合には、トラバースが3往復する間
に、ガラスストランドは10×2=20回巻かれ、再び
最初に巻かれた位置に戻り、DWRはこの工程を繰り返
して巻き上げられるため、その形状は、図3に示すよう
な大きな菱形の穴の開いた開口部6を持つ円筒形状とな
るが、DWRの形状が崩れて円筒形状が維持できなくな
るため、ロービングの解舒性が悪化し、また、DWRの
輸送効率が低下するため好ましくない。なお、ガラスス
トランドが最初に巻かれた位置に再び戻るまでのコレッ
トの回転数(この場合10×2=20回)は回帰回転数
と呼ばれている。 【0013】ワインド数は、機械式の場合、DWRを巻
き取るワインダーに用いられる歯車の歯数により決定さ
れる。例として、図5にA〜F合計6個の歯車を用いた
ワインダーを示す。コレット9及びトラバース11は、
ワインダー駆動用モータ8とそれぞれ3個の歯車12〜
14、15〜17を介して動力が伝達され回転運動す
る。 【0014】各歯車A〜Fの歯数を、それぞれa〜fと
したとき、ワインド数はa×c×e/(b×d×f)に
より与えられ、例えば、各歯車A〜Fの歯数を、a=3
0、b=29、c=28、d=17、e=25、f=1
3としたとき、ワインド数は、30×28×25/(2
9×17×13)、即ち、3.27664・・・とな
り、回帰回転数は30×28×25×2=21000×
2=42000となる。 【0015】この例のように、ワインド数を計算するに
当たり、分母に用いられる歯車B、D及びFとして、素
数の歯数を持つ歯車を用いることが多い。これは、分母
に素数を用いることにより、ワインド数がそれ以上約分
できない分数となり、回帰回転数が小さくならず、DW
Rは、大きな菱形の穴の開いた開口部を有することな
く、密に巻くことができるからである。 【0016】尚、最近では、更に多くの歯車を用いて望
ましいワインド数を設定できる機械式ワインダーや、電
気信号を用い小数点以下五桁以上のワインド数を制御す
るワインダーも開発され、変更時間の短縮等が図られて
いる。 【0017】このように、DWRのワインド数は、DW
Rの形状や巻き密度を決定する重要な要因であり、これ
までは生産性や輸送効率の向上のため、高い巻き密度の
DWRを生産することが一般的であった。 【0018】 【特許文献1】特公昭53−6255号公報 【0019】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特許文
献1に開示されているように、特にDWR内部の水分が
ほぼ同時に蒸発する誘電乾燥法によって、密に巻かれた
DWRを乾燥する場合、DWR内部における水の蒸発が
抑制され、水の蒸気圧上昇を伴い、DWRがパンクしや
すいという問題がある。 【0020】このようなDWRのパンクを防止するため
には、DWRの持込み水分量の減少、蒸気圧低下のため
の乾燥時間の延長、或いは、高い蒸気圧に耐え得る集束
剤や綾角度の選定などが考えられるが、水分量の低下、
集束剤の制限や綾角度の増大は、紡糸性の低下や毛羽の
増大、また、乾燥時間の延長は生産効率の低下や巨大設
備の設置等、何れも大きな問題が残る。また、これらの
対策では、パンクまで至らないが、数ミリから1cm程
度のDWRの膨張、いわゆる微小破裂は完全に防止でき
ない。微小破裂したDWRは、検査工程において異常品
として見分けることが難しく、顧客での使用時において
毛羽の発生や持ち上がりといった作業性の問題を引き起
こす。 【0021】本発明の目的は、これらの問題に鑑み、誘
電乾燥法による乾燥工程を経ても、DWRのパンクや微
小破裂が発生しないガラスロービングを提供することに
ある。 【0022】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく種々の実験を行った結果、DWRの内表面か
ら外表面に貫通する小さい開口部がガラスロービング端
面からみた投影図でスパイラル状に設けられることによ
り、水蒸気がこの開口部から容易に蒸発するため、DW
R内部における蒸気圧が低下し、DWRのパンクや微小
破裂を防止できる事を見出し、本発明を提案するに至っ
た。 【0023】すなわち本発明のガラスロービングは、ガ
ラスストランドが直接巻き取り法により円筒状に綾巻き
されて製造されるガラスロービングにおいて、ガラスロ
ービングの内表面から外表面に貫通して形成される開口
部を備え、開口部がガラスロービングの端面上部からの
投影図においてスパイラル状であることを特徴とする。 【0024】上記構成とすることによって、誘電乾燥法
によりDWRを乾燥する際でも、DWRの中心部で蒸発
した水を開口部から外部に逃がすことができ、DWRの
中心部の蒸気圧を低下させてDWRのパンクや微小破裂
を防止することができる。すなわち、開口部がスパイラ
ル状になっているため、DWRの何れの位置からも開口
部までの距離が短くなり、ガラスロービング内部で蒸気
となった水は、ガラスロービングの外表面に達する前に
開口部に到達し、その開口部から外部に逃げやすくなる
からである。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1はスパイラル状に形成
された開口部を持つDWRの端面部から見た開口部の投
影模式図である。図2はDWRの概略斜視図、図3は図
2のDWRにおける開口部の部分拡大図、図4はワイン
ド数が3.3333・・・のDWRを横から観察した
図、図5は機械式ワインダーの模式図、図6はDWRの
端面部から見た開口部の投影模式図である。 【0026】DWR1の表面に開口部6を形成するに
は、回帰回転数とガラスストランド5の幅の積が、DW
R1の巻き高さhより小さくなるように、図5に示すコ
レット9及びトラバース11の往復運動用カム10のそ
れぞれの歯車12〜17の歯数を設定する必要がある。
例えば、図5に示すワインダーにおいては、A、B、
C、D、E、Fの歯車12〜17の歯数をそれぞれ3
0、30、30、30、41、15とすれば、ワインド
数はa・c・e/b・d・fより、41/15、即ち、
2.73333・・・となる。この値は、トラバース1
1が15往復する間にコレット9が41×2=82回転
することになり、15往復後には、ガラスストランド5
は最初に巻かれた位置(図4の符号7参照)の真上に巻
かれることを意味する。即ち、このDWR1は、その高
さ250mmの間にDWR1の軸方向に対して同じ傾き
を持つ41本のガラスストランド5が巻き付けられ、ガ
ラスストランド5の幅が5mmの場合には、DWR1の
高さh方向に対し45mmの隙間が残されることとな
る。従って、開口部6を成す菱形のDWRの軸方向の幅
は、約1.1mm、即ち、(250mm−41mm×
5)÷41≒1.1mmとなる。また、開口部6の総数
は、交差する41×15×2=1230個に形成され
る。 【0027】このように、歯車12〜17の歯数を適し
た歯数に設定することにより、回帰回転数だけコレット
が回転した後、ガラスストランド5が最初に巻き取られ
た位置7の上に巻き取られ、その後においてもガラスス
トランド5が開口部6の上に巻かれることはなく、言い
換えれば、図3に示すように、一度形成された開口部6
の上に次々に開口部6が形成され、最終的には内表面3
から外表面4まで貫通するように直線的に開口部6が形
成される。この開口部6の様子を図式化すると図6のよ
うになり、開口部6は中心から放射状に伸びることとな
る。 【0028】図1に示すように、本発明のガラスロービ
ング20は、ガラスロービング20の内表面21から外
表面22に貫通して形成された開口部23が、ガラスロ
ービング20の端面上部24からの投影図においてスパ
イラル状に形成されている。この様に、開口部23をス
パイラル状に形成するためには、前記ワインド数に極め
て近いワインド数に設定することが必要となる。例え
ば、ワインド数を2.73333・・・に近い2.73
320に設定すれば、ガラスストランドは、ワインド数
が2.73333・・・の場合、最初に巻かれた位置7
の真上にくるのに対し、ワインド数が2.73320で
はその差0.00013ずれて巻かれる。すなわち、ト
ラバースが15往復する間に、ガラスストランドがコレ
ット9上を41×2=82回転し、最初の巻かれた位置
7よりコレットの回転軸に対して垂直方向に約0.36
mmずれて巻かれ、更に15往復後には、また約0.3
6mmずれる。この結果、開口部23は、15往復毎に
コレットの回転軸に対して垂直に約0.36mmずれる
ことに加え、DWR20の径が増大するに伴い、次第に
その面積が大きくなる。従って、約11000周巻かれ
たDWR20では、開口部23は、図6に示すようにガ
ラスロービング20の端面上部24からの投影図におい
てスパイラル状に形成され、外表面22における開口部
23の位置は、内表面21の開口部23の位置より約4
00mmずれることとなる。このようにDWR20内部
にスパイラル状に形成された開口部23は、DWR20
の何れの位置からも開口部23迄の距離が小さくなるた
め、図6に示す放射状の開口部6と比較し、蒸気圧低下
の効果は飛躍的に向上し、パンクの発生を防止できる。 【0029】一般に、開口部23の総数は、開口部23
の1個の面積に反比例し、開口部23の数が増加すれば
開口部23の1個の面積が減少し、ある一定数を超える
と開口部23はガラスストランドの滑りにより消滅す
る。また、開口部23の総数が少ないと、DWR20の
巻き密度が低下し、形状が崩れて円筒形状が維持できな
くなるという問題が発生する。従って、DWR20に形
成する開口部23の総数Nには望ましい範囲があり、次
式で規定される。 96.1×h/√W < N < 250.0×h/√
W 但し、ここでhはDWR20の高さ(mm)を、また、
Wはガラスストランドの番手(g/1000m)を表
す。 【0030】開口部23の総数Nが96.1×h/√W
より少ないと、開口部23の1個の面積が大きくなり、
巻き密度が低下し、また、250.0×h/√Wよりも
多いと、開口部23の1個の面積が小さくなりすぎ、乾
燥時にDWR20内部の水の蒸気圧が低下しにくいため
このましくない。 【0031】一般的なDWR20、即ち、高さ250m
m、番手2310texにおいて、望ましい開口部23
の総数Nは、500〜1300である。番手2310t
exとは、ガラスストランドの1000m当たりの重量
が2310gであることを表す。 【0032】望ましい開口部23の総数Nは、当然なが
ら、DWR20の高さhに比例し、例えば、高さhが2
倍の500mmの場合には1000〜2600となる。
一方、DWR20の直径に関しては、望ましい開口部2
3の総数Nは変わらない。これは、開口部23が内表面
21から外表面22まで貫通した1つの穴であり、開口
部23の形状が、DWR20の径の増大に伴い、コレッ
トの回転軸方向に広げられた菱形となり、開口部23の
面積も増大するため、外周表面に占める開口率が、DW
R20の端面部24を除く何れの部位においても等しい
からである。 【0033】ガラスストランドの番手Wも、望ましい開
口部23の総数に影響を及ぼす。ガラスストランドの番
手Wが大きくなると、ガラスストランドの巻き幅(スト
ランド幅)が増大するため、開口部23が形成されるた
めには、コレット9に巻かれるガラスストランドの本数
の減少、即ち、回帰回転数の減少が必要となる。回帰回
転数の減少に伴い、開口部23の総数が減少する。従っ
て、望ましい開口部23の総数Nは、ガラスストランド
の幅に反比例し、また、ガラスストランドは番手に関わ
らず断面形状が相似形であるため、望ましい開口部23
の数は番手Wの二分の一乗に反比例する。即ち、番手2
310texに対し、ほぼ4分の1となる575tex
のDWR20において、望ましい開口部23の総数Nは
2倍の1000〜2600となる。 【0034】表1に本発明の実施例1〜4及び比較例
5、6を示す。 【0035】 【表1】 【0036】実施例及び比較例は、まず、表1に示す単
繊維径を有するガラスフィラメントに、集束剤(固形分
50質量%のポリエステルエマルジョンを10.0質量
%、メタクリルシランカップリング剤を0.6質量%、
カチオン系潤滑剤を0.1質量%、イオン交換水を8
9.3質量%)を塗布し、ギャザリングシューを用いて
集束させ表1に示す番手のガラスストランドとし、図5
に示すように、ガラスストランドを、ワインダーの駆動
用モータ8と連動するカム10により往復運動するトラ
バース11を経由して、表1に示すワインド数となるよ
うにコレット9上に巻き取り、水分を約10%含有した
高さ250mmのDWRを作製した。 【0037】次いで、水分を除去するため、ガラスロー
ビングを誘電加熱炉で8時間乾燥し、集束剤付着量0.
4質量%、水分率0.03質量%のDWR20を得た。 【0038】表1から明らかなように、実施例1〜4
は、開口部がスパイラル状に形成されているため、誘電
加熱による乾燥工程においても、パンクは全く発生しな
かった。 【0039】一方、比較例5は、ガラスロービングが密
に巻かれ、開口部がないため、誘電加熱による乾燥工程
において、非常に高い確率でパンクが発生した。比較例
6は、開口部が形成されているものの、開口部が放射状
に形成されているため、誘電加熱による乾燥工程におい
て、100個中、15個のDWRでパンクが観察され
た。 【0040】 【発明の効果】本発明のガラスロービングは、誘電乾燥
法による乾燥工程を経ても、DWRの品質低下や生産性
の低下といった問題を招くことがなく、DWRのパンク
や微小破裂を防止させることが可能である。
端面部から見た開口部の投影模式図。 【図2】ガラスストランドが綾巻きされたDWRの概略
斜視図。 【図3】図1のDWRの開口部の部分拡大図。 【図4】ワインド数が3.3333・・・のDWRを横
から観察した図。 【図5】機械式ワインダーの模式図。 【図6】放射状に形成された開口部を持つDWRの端面
部から見た開口部の投影模式図。 【符号の説明】 1、20 DWR(ガラスロービング) 2、24 端面部 3、21 内表面 4、22 外表面 5 ガラスストランド 6、23 開口部 7 最初に巻かれた位置 8 ワインダーの駆動用モータ 9 コレット 10 往復運動用カム 11 トラバース 12〜17 歯車
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ガラスストランドが直接巻き取り法によ
り円筒状に綾巻きされて製造されるガラスロービングに
おいて、ガラスロービングの内表面から外表面に貫通し
て形成される開口部を備え、該開口部がガラスロービン
グの端面上部からの投影図においてスパイラル状である
ことを特徴とするガラスロービング。
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JP2001-351753 | 2001-11-16 | ||
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