JP2003212436A - ボビンホルダのボビンチャック機構 - Google Patents

ボビンホルダのボビンチャック機構

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JP2003212436A
JP2003212436A JP2002019402A JP2002019402A JP2003212436A JP 2003212436 A JP2003212436 A JP 2003212436A JP 2002019402 A JP2002019402 A JP 2002019402A JP 2002019402 A JP2002019402 A JP 2002019402A JP 2003212436 A JP2003212436 A JP 2003212436A
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bobbin
chuck
chuck piece
cylindrical member
spacer
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Shoichi Toune
昭一 刀袮
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Murata Machinery Ltd
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Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 危険速度が高く、高速回転が可能であると共
に、形成したパッケージを円滑に取り外すことのできる
ボビンホルダを提供する。 【解決手段】 ボビン8を挿通させる円筒部材9の外周
部15に軸方向へ圧縮することで径方向外方へ膨らむよ
うに湾曲または屈曲する薄板状のチャックピース13を
保持リング14a,14b間に配設するとともに、チャ
ックピース13の径方向外方への膨らみを制限するため
に、保持リング14a,14b間にスペーサ50を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紡糸などを巻き取
るべくボビンを保持するボビンホルダに係わり、特に固
有振動数を高めて高速回転を可能とするボビンチャック
機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13に示すように、ボビンホルダ15
0は、ボビン152を挿通させるための円筒部材151
と、円筒部材151に挿通したボビン152を円筒部材
に一体に回転するように固定するボビンチャック機構1
54とからなる。
【0003】ボビンチャック機構154は、円筒部材1
51の外周面上に複数設けられボビン152を内側から
把持するためのチャックピース153と、チャックピー
ス153間に設けられたスペーサ155と、チャックピ
ース153及ぴスペーサ155を軸方向に押圧する押圧
部材160とで構成されている。
【0004】チャックピース153は、円筒部材151
の外周面上に周方向にほぼ等間隔に複数配置されている
と共に、軸方向にも複数配置されており、複数のボビン
152を円筒部材151の外周に把持できるようになっ
ている。
【0005】押圧部材160は、円筒部材151の中空
部内151aに軸方向スライド可能に設けられたピスト
ン156と、ピストン156を円筒部材151の基端側
へ付勢するバネ157と、ピストン156に軸方向へ延
びるロッド158を介して一体に連結されてチャックピ
ース153及びスペーサ155を先端側から基端側へ向
けて押圧するためのキャプ159とからなる。
【0006】ピストン156は、中空部内151aに圧
縮空気を供給されることで先端側へ移動され、圧縮空気
を抜かれることでバネ157の付勢力によって基端側へ
移動されるようになっている。
【0007】キャップ159はピストン156と一体に
移動するようになっており、先端側へ移動するときには
チャックピース153とスペーサ155を先端側へ引
き、基端側へ移動するときにはチャックピース153と
スペーサ155を基端側へ押圧するようになっている。
【0008】そして、チャックピース153は、基端側
へ押圧されることでキャップ159とスペーサ155の
端部に形成されたテーパ161にそれぞれ乗り上げ、径
方向外側へ移動するようになっており、径方向外方へ移
動することでボビン152の内周面に強く接触してボビ
ン152を把持するようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、チャックピ
ース153は、テーパ161を有するスペーサ155の
厚さ以上には移動できないため、チャックピース153
とボビン152との隙間は小さく、ボビン152に糸を
巻き取ってパッケージ(図示せず)を形成したとき、い
わゆる巻き締まりによってボビン152の内径が縮小す
ると、パッケージをボビンボルダ150から円滑に取り
外せなくなることがあった。
【0010】また、近年、生産性向上の目的から、ボビ
ン152の高速回転化が求められており、ボビンホルダ
150の危険速度を高める必要があった。
【0011】ここでボビンホルダ150の危険速度Nc
は、円筒部材151の外周をDとし、内径をdとする
と、次式で表すことができる(ただし、Bは円筒部材の
縦弾性係数と、比重と、長さとによって決定される比例
定数である)。
【0012】Nc∝B=3√((D2 +d2 )/2)
【0013】上記式から、円筒部材151の外径又は内
径dを大きくすればボビンホルダ150の危険速度Nc
を高くできることが分かる。
【0014】しかしながら、円筒部材の内径dを大きく
すると、円筒部材の厚さが薄くなって強度上好ましくな
く、外径Dを大きくしようとすると、チャックピースの
厚さが厚くて大きくできないという課題があった。
【0015】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、危険速度が高く、高速回転が可能であると共に、形
成したパッケージを円滑に取り外すことのできるボビン
ホルダを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ボビンを挿通させる円筒部材と、該円筒部
材に軸方向スライド可能に挿通される複数の保持リング
と、隣接する該保持リングの間に配設され、軸方向へ圧
縮することで径方向外方へ膨らむように湾曲又は屈曲す
る薄板状のチャックピースと、前記円筒部材内に設けら
れ、前記保持リングを介して前記チャックピースを軸方
向へ伸縮させる伸縮駆動装置と、を備えてなるものであ
る。
【0017】薄板上のチャックピースを湾曲または屈曲
させて径方向外方へ膨らませ、ボビンを把持する。ボビ
ンが無い場合、スペーサが、チャックピースの径方向外
向きへの膨張を制限する。そのため、チャックピースや
スペーサを厚く形成する必要がなく、円筒部材の外形D
と内径dを容易に大きく形成することができ、高速回転
を可能にすることができる。そして、チャックピースと
ボビンとの間の隙間を大きく設定できるため、ボビンホ
ルダ上に形成したパッケージに多少の巻き締まりが発生
してもパッケージを円滑に取り外すことができる。
【0018】また、前記スペーサは、その両端が前記保
持リングに対して軸方向所定距離だけ遊びを有して保持
され、前記保持リングの間を第1間隔とこの第1間隔よ
り小さい第2間隔との間に制限するものが好ましい。
【0019】薄板上のチャックピースが径方向内方へ縮
み、ボビンを開放するときに、スペーサが保持リング間
を第1間隔に制限するため、チャックピースが必要以上
に縮みすぎることがない。そのため、ボビンホルダから
パッケージを押し出すときに、一部のチャックピースが
押し出し方向に押されて膨張するという現象の発生を防
止できる。
【0020】また、前記保持リングは、内面に円環状の
係合溝を有し、前記チャックピースは、その両端に前記
係合溝の周方向に沿って嵌まる第1係合突起を有し、前
記スペーサは、その両端に前記係合溝の周方向に沿って
嵌まる第2係合突起を有し、該第2係合突起の幅は前記
第1係合突起の幅より狭くなっているものが好ましい。
【0021】前記スペーサの第2係合突起が前記係合溝
に対して幅方向に余裕を持って嵌合することにより、隣
接する保持リングの間隔を第1間隔とこれより小さな第
2間隔とに制限することができる。そして、このスペー
サの制限の範囲内で、チャックピースが径方向の内外に
向けて適切に膨張又は縮小することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の好適実施の形態を添付図
面に基づいて詳述する。
【0023】図8に示すように、ボビンホルダ1は、紡
糸巻取機等の機体本体2に一端を取り付けられる筒状の
保持部材3と、保持部材3内にベアリング4,5を介し
て回転自在に枢支され先端部6を保持部材3から突出さ
せる回転シャフト7と、回転シャフト7の先端部6に一
体に設けられボビン8を挿通させるための円筒部材9
と、円筒部材9にボビン8を係脱自在に固定するための
ボビンチャック機構10とからなる。
【0024】回転シャフト7内には、後述する中空部1
1内にエアを供給するためのエア通路12が形成されて
いる。
【0025】円筒部材9は、縦方向のほぼ中央位置を回
転シャフト7の先端部6に固定されており、回転シャフ
ト7の先端部6に曲げ方向の力を作用させないようにな
っている。円筒部材9は、基端側で保持部材3の外周を
覆うようになっている。
【0026】図1に示すように、ボビンチャック機構1
0は、後述する保持リング14a,14bを介してボビ
ン8が挿通される円筒部材9と、円筒部材9に軸方向ス
ライド可能に挿通され後述するチャックピース13の端
を保持するための保持リング14a,14bと、隣接す
る保持リング14a,14b間に保持され、円筒部材9
の外周部15に配設され、軸方向へ圧縮することで径方
向外方へ膨らむように湾曲する薄板状のチャックピース
13と、チャックピース13と並列になるように配設さ
れ、隣接する保持リング14a,14b間に軸方向の遊
び持って保持されるスペーサ50と、円筒部材9内に設
けられチャックピース13を軸方向へ伸縮させるための
伸縮駆動装置16とからなる。
【0027】チャックピース13は、周方向に複数配置
されていると共に、保持リシグ14a,14bを介して
軸方向にも複数連結されており、複数のボビン8を円筒
部材9の外周に把持できるようになっている。
【0028】スペーサ50は、チャックピース13との
周方向で交互になるように複数個が配置されていると共
に、保持リシグ14a,14bを介して軸方向にも複数
連結されている。
【0029】そして、図8に示すように、最も基端側に
位置されるチャックピース13及びスペーサ50は、円
筒部材9の後端(基端側の端)に固定されたエンドリン
グ17に基端側の端を保持されている。また、最も先端
側に位置されるチャックピース13及びスペーサ50
は、円筒部材9の先端に固定された先端リング27に先
端側の端を保持されている。
【0030】図3に示すように、チャックピース13
は、軸方向に長く形成された金属の薄板からなる。図示
例では、成形と組立の便のために、一つがI字状となっ
た三つのチャック要素13aを周方向に一体に連設して
いる。連設されるチャック要素13aの数は、二つ又は
四つ以上と任意である。
【0031】このチャックピース13は、軸方向の両端
に保持リング14a,14bに係合させるべく周方向へ
延びる一定幅の係合突起18,18を有する。この係合
突起18,18を含む両端部分は、図3(b)に明瞭に
示されるように、適宜箇所(図示例では2カ所)で折れ
曲がっており、保持リング14a,14bの後述する係
合溝20に嵌まるとともに、円筒部材9の外周に沿う事
ができるようになっている。チャックピース13の各チ
ャック要素13aは軸方向の中央部19を径方向外方へ
膨らませるように若干湾曲されており、軸方向に圧縮さ
れたときに中央部19を径方向外方へ膨らませるように
なっている。
【0032】図4に示すように、スペーサ50は、軸方
向に長く形成された金属の薄板からなる。図示例では、
一つのスペーサ50がI字状となっている。このスペー
サ50が前述したチャックピース13と交互に、保持リ
ング14a,14bの周方向に均等配置されている。
【0033】スペーサ50は、一つのチャック要素13
aと同じような形状であり、中央部52の両端に、保持
リング14a,14bに係合させるべく周方向へ延びる
一定幅の係合突起51を有する。この係合突起51,5
1を含む両端部分は、図4(b)に明瞭に示されるよう
に、適宜箇所(図示例では2カ所)で折れ曲がってお
り、保持リング14a,14bの後述する係合溝20に
沿う事ができるようになっている。中央部52は、保持
リング14a,14bの間の突っ張り、又は引っ張りを
折れ曲がることなく軸力を伝達できる厚みを有してい
る。そのため、スペーサ50の中央部52の厚みは、チ
ャックピース13の中央部19の厚みより厚くなってい
る。
【0034】保持リング14a,14bは、図2に示す
ように、軸方向の両端にチャックピース13の係合突起
18及びスペーサ50の係合突起51を嵌合させるため
の係合溝20を有する。係合溝20は、円環状になっい
る。この係合溝20には、チャックピース13の中央部
19及びスペーサの中央部51が嵌まる放射方向の切欠
き55が円周方向等間隔に設けられている。
【0035】この係合溝20と切欠き55により、チャ
ックピース13の係合突起18とスペーサ50の係合突
起51を保持リング14a,14bの径方向内側から嵌
め込むことができる。この嵌め込み構造により、チャッ
クピース13及びスペーサ50が、円筒部材9の外周上
であって、隣接する保持リング14a,14bの間に保
持される。
【0036】なお、図8に示されるエンドリング17及
び先端リング27は、それぞれ軸方向の中央向き側の端
に、図2と同様の係合溝20と切欠き55とを有する。
【0037】図2に戻り、チャックピース13の係合突
起18の幅W1は、係合溝20の幅Hより僅かに大き
く、嵌合可能となっている。一方、スペーサ50の係合
突起51の幅W2は、チャックピース13の係合突起1
8の幅W1より狭く、その差はδである。そのため、隣
接する保持リング14a,14bの間隔は、スペーサ5
0により、第1間隔(L)と、Lより2×δだけ小さく
なった第2間隔ととの間に制限される。
【0038】図1に示すように、伸縮駆動装置16は、
チャックピース13を軸方向へ圧縮するためのバネ21
と、バネ21の付勢力に抗してチャックピース13を軸
方向へ伸張させるエアシリンダ22とからなる。
【0039】エアシリンダ22は、圧気を収容するため
の中空部11を内部に形成する円筒部材9と、円筒部材
9内に軸方向スライド自在に設けられるピストン23
と、ピストン23に一体に設けられて先端側へ延びるロ
ッド24と、ロッド24の中間を軸方向スライド自在に
支持すべく円筒部材9内に一体に設けられるガイド部材
25とからなる。
【0040】ロッド24は、円筒部材9の先端を塞いで
径方向外方へ延びるキャップ26を介してチャックピー
ス13に連結されるようになっている。
【0041】キャップ26は、円筒部材9に軸方向スラ
イド可能にスプライン係合されており、円筒部材9に対
して回転しないようになっている。また、キャップ26
は、先端部27にチャックピース13の係合突起18を
係合させるための切欠(図示せず)を有する。
【0042】ピストン23は、回転シャフト7の先端側
に圧縮空気を収容するための中空部11を軸方向に区画
するようになっており、中空部11内に圧縮空気が送ら
れることで先端側へ移動するようになっている。
【0043】バネ21は圧縮力に対して弾発力を発揮す
るコイルスプリングからなる。バネ21は、内部にロッ
ド24を挿通させてピストン23とガイド部材25の間
に挟まれるようになっており、ピストン23を軸方向基
端側へ押圧するようになっている。
【0044】次に、上述した構造のボビンチャック機構
10の作動を述べる。
【0045】ボビンホルダ1にボビン8をセットする場
合、回転シャフト7内のエア通路12から中空部11内
に圧縮エアを供給する。中空部11内の気圧が高くなる
と、ピストン23はバネ21の付勢力に抗して先端側へ
移動する。
【0046】ピストン23の移動に伴ってキャップ26
も先端側へ移動され、キャップ26に連結されたチャッ
クピース13が軸方向先端側へ引っ張られる。
【0047】キャップ26に連結されたチャックピース
13は、径方向外方へ膨らんだ中央部19の膨らみを小
さくしながら引き伸ばされ、基端側に連結された保持リ
ング14aを引っ張り、保持リング14aは基端側に連
結されたチャックピース13を引く。そして、順次基端
側のチャックピース13が引き伸ばされ、全てのチャッ
クピース13が引き伸ばされる。このとき、スペーサ5
0により、保持リング14a,14bの間隔は、所定の
第1間隔Lに制限される。したがって、チャックピース
13の中央部19の膨らみは、保持リング14a,14
bの外径より飛び出さない程度の適度な状態に保たれ
る。この後、ボビンホルダ1に複数のボビン8を順次挿
入する。
【0048】チャックピース13の中央部19は円筒部
材9の外周面上に沿うように平らに変形されているた
め、ボビン8を円滑に挿入することができる。
【0049】全てのボビン8がボビンホルダ1に挿入さ
れたらボビンホルダ1にボビン8を固定する。ボビン8
の固定は、中空部11内から圧縮空気を抜くことにより
行う。
【0050】中空部11内から圧縮空気が抜かれると、
ピストン23はバネ21の付勢力によって基端側へ移動
され、キャップ26も基端側へ移動される。
【0051】これにより、キャップ26に連結されたそ
れぞれのチャックピース13は、中央部19を径方向外
方へ膨らませるように変形させながら圧縮され、同時に
チャックピース13を介して保持リング14aを基端側
へ押圧する。
【0052】基端側へ押圧された保持リング14aは、
保持リング14aの基端側に連結されるそれぞれのチャ
ックピース13を同様に圧縮し、基端側へ向けて並ぶそ
れぞれのチャックピース13が順次圧縮される。
【0053】このとき、チャックピース13は周方向に
複数並べて配列されているため、周方向に並ぶそれぞれ
のチャックピース13はほぼ同じタイミングで圧縮さ
れ、中央部19を径方向外方へ膨らませる。
【0054】ボビン8は、円筒部材9の上部に位置され
るチャックピース13に持ち上げられながら芯を合わさ
れ、チャックピース13に内周面を径方向外方へ放射状
に押される。このとき、チャックピース13の係合突起
18の内周面は、円筒部材9に押される。そのため、ボ
ビン8は円筒部材9に対して固定される。
【0055】そして、パッケージを形成すべく回転シャ
フト7が回転されると、円筒部材9も一体に回転され、
チャックピース13を介して円筒部材9に固定されたボ
ビン8も一体に回転される。
【0056】パッケージが形成されたら、再び中空部1
1内に圧縮空気を供給してピストン23を先端側へ移動
させる。それぞれのチャックピース13が伸張された
ら、パッケージを先端側へと押し出してボビンホルダ1
から取り外す。
【0057】このとき、ボビン8は、いわゆる巻き締ま
りによって内径を縮小させるとこもあるが、チャックピ
ース13は中央部19を十分膨らませてボビン8を保持
するようになっているため、チャックピース13を伸張
させてほぼ平らにすることでチャックピース13とボビ
ン8との間に十分な隙間を形成することができ、ボビン
ホルダ1からパッケージを円滑に取り外すことができ
る。
【0058】また、パッケージを先端側へと押し出すと
きに、ボビン8の内径と保持リング14a,14bの摩
擦により、ボビンホルダ1の基端側の保持リング14
a,14bが先端側に向かって押され、ボビンホルダ1
の先端側の保持リング14a,14bがチャックピース
13を膨らませる方向に圧縮されることがある。しか
し、図5(a)に示すように、スペーサ50の中央部5
2が引っ張られることにより、保持リング14a,14
bの間隔がLに制限されているため、ボビンホルダ1の
基端側の保持リング14a,14b同士が開きすぎる事
が無く、このような現象の発生が阻止される。
【0059】さらに、ボビンホルダ1にボビン8を挿通
させることなく、伸縮駆動装置16を、チャックピース
13が膨らむ方向に駆動させた場合、チャックピース1
3の外周方向の規制がないため、チャックピース13が
膨らみすぎることがある。しかし、図5(b)に示すよ
うに、スペーサ50の中央部52が突っ張って、保持リ
ング14a,14bの間隔がL−2×δに制限されてい
るため、このような現象の発生が阻止される。
【0060】このように、ボビン8を挿通させる円筒部
材9の外周部15に軸方向へ圧縮することで径方向外方
へ膨らむように湾曲または屈曲する薄板状のチャックピ
ース13を設け、円筒部材9にチャックピース13を軸
方向へ伸縮させる伸縮駆動装置16を設けたため、円筒
部材9の外径Dと内径dを容易に大きく形成して危険速
度を高めることができ、高遠回転を可能にでき、ボビン
ホルダ1上に形成したパッケージを円滑に取り外すこと
ができる。
【0061】また、チャックピース13と並列し、チャ
ックピース13の径方向外方への膨らみを制限するため
に、隣接する保持リング14a,14b間の間隔を第1
間隔(L)と第2間隔(L−2×δ)との間に制限する
スペーサ50を設けたので、チャックピース13の中央
部19が膨らみ過ぎることが阻止される。
【0062】その結果、ボビンホルダ1にボビン8を挿
通することなく、伸縮駆動装置16を作動させたとき
に、チャックピース13が塑性変形する程度まで膨張す
ることが防止できる。
【0063】また、ボビンホルダ1からパッケージを先
端側へと押し出すときに、基端側の保持リング14a,
14b間の間隔が開きすぎて、先端側の保持リング14
a,14b間のチャックピース13が膨張して、パッケ
ージが押し出せなくなるという現象を防止できる。
【0064】さらに、チャックピース13の厚みをボビ
ンを把持するのに充分な程度の変形が確保できる程度の
薄板にすることができ、全体的にボビンチャック機構1
の背の高さを低くすることができる。
【0065】また、保持リング14a,14bの円環状
の係合溝20に対して、チャックピース13の係合突起
18とスペーサ50の係合突起51とが嵌まるようにし
たので、係合溝20に対する係合突起18の幅を、チャ
ックピース13の係合突起18の幅より狭くするだけ
で、保持リング14a,14bの間の間隔を第1間隔
(L)又は第2間隔(L−2×δ)に制限できる。その
ため、保持リング14a,14bに対するチャックピー
ス13及びスペーサ50の嵌合を簡単且つ確実に行うこ
とができる。
【0066】また、伸縮駆動装置16を、チャックピー
ス13を軸方向へ圧縮するためのバネ21と、バネ21
の付勢力に抗してチャックピース13を軸方向へ伸張さ
せるエアシリンダ22とを備えて構成したため、ボビン
8を円筒部材9上に固定した後は、円筒部材9上にボビ
ン8をバネ21の付勢力で安定して固定させておくこと
ができる。
【0067】チャックピース及び保持リングを変更した
他の実施の形態について述べる。
【0068】図6に示すように、チャックピース61
は、スペーサ50と同様に、I字状に形成されている。
チャックピース61の形状は、山形に湾曲させた中央部
63の両側に、周方向に延在する係合突起62,62を
有するものである。
【0069】図7に示すように、保持リング65は、軸
方向の両端にチャックピース61の係合突起62と図3
のスペーサ50の係合突起51を係合するための係合溝
66を有する。係合溝66は、チャックピース61の係
合突起62とスペーサ50の係合突起51とを径方向内
側から嵌め込むように保持リング65の内周側に形成さ
れている。チャックピース61の例えば三つを係合した
後に、一つのスペーサ50を係合させるように、全体と
して周方向均等になるように両者が配設される。なお、
係合突起62と係合突起51の幅方向の位置関係は、図
5及び図6と同様である。
【0070】更に、チャックピースを変更した他の実施
の形態について述べる。なお、チャックピース以外の構
成は上述の実施の形態と同じであるため、説明を省く。
【0071】図9及び図10に示すように、チャックピ
ース28は、軸方向に長い薄板状に形成されており、軸
方向の中間に屈曲自在な関節29を有する。
【0072】関節29は、チャックピース28の一端側
を形成する第1連結片30と他端側を形成する第2連結
片31とをピン32を介して回動自在に連結するもので
あり、第1連結片30と第2連結片31は、関節29の
軸からそれぞれ偏心する位置から軸方向へ延びるように
なっている。
【0073】また、チャックピース28の軸方向の両端
には、保持リング14a,14bに回転自在に係合させ
るべく周方向に延びる円柱状の係合軸33が一体に設け
られている。
【0074】具体的には、係合軸33は、第1連結片3
0と第2連結片31のそれぞれに偏心して設けられてお
り、図10に示すように、第1連結片30と第2連結片
31を関節29へ向けて傾斜させるようになっている。
【0075】そして、チャックピース28は、円筒部材
9に設けられたときに第1連結片30と第2連結片31
を、関節29へ向けて径方向外方へ傾斜させるようにな
っており、軸方向に圧縮されたときに関節29を折り曲
げながら径方向外方へ膨らむようになっている。
【0076】このように、全く弾性的な復元力を有しな
いチャックピース28であっても円筒部材9上で軸方向
に圧縮または伸張させることでボビンホルダ1にボビン
8を固定することができる。
【0077】なお、中央部19を径方向外方へ膨らませ
る薄板からなるチャックピース13と、軸方向の中間に
屈曲自在な関節29を有する薄板状のチャックピース2
8について述べたが、これに限るものではない。
【0078】例えば、図11に示すように、軸方向の中
央を持ち上げるように軸方向の中央と両端近傍に折り目
34,35を有するチャックピース36であってもよ
い。
【0079】この場合、軸方向に圧縮されたときに折り
目34,35で折り曲がり易いように予め折り目34,
35の両端に切欠37を形成しておくとよい。
【0080】また、図12に示すように、軸方向の複数
位置に折り目38,39を有し、複数位置で折れ曲がる
チャックピース40であってもよく、軸方向に押圧する
と径方向外方へ膨れるように変形もしくは折れ曲がるチ
ャックピースであれば他の形状のものであってよい。
【0081】また、図示されないが、スペーサ50も、
薄板状に限らない、両端の板状の係合突起の間に円棒状
の中央部を有するものであってもよい。また、スペーサ
50の両端の係合突起も板状が好ましいが、円棒状であ
ってもよい。
【0082】また、スペーサ50は、突っ張り方向と引
っ張り方向の両方で、保持リング14a,14bの間隔
を制限するものが好ましいが、少なくとも突っ張り方向
だけ、保持リング14a,14bの間隔を制限するもの
であってもよい。というのは、チャックピース自体の形
状によって伸び方向に突っ張るものとすることができる
場合もあるからである。
【0083】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を奏する。 (1)チャックピースとスペーサとの組み合わせによ
り、ボビンチャック機構を薄く形成することができるた
め、ボビンホルダの高速回転を可能にできる。 (2)チャックピースとボビンの間の隙間を大きく設定
できるため、形成したパッケージを円滑に取り外すこと
ができる。 (3)ボビンホルダにボビンが挿通されていないとき
に、チャックピースが軸方向に圧縮されたとき、スペー
サが保持リング間の間隔を制限するため、チャックピー
スが径方向外方へ膨らみすぎることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示すボビンホルダの
要部側面図である。
【図2】保持リングの断面図である。
【図3】チャックピースを示す図であり、同図(a)は
斜視図、同図(b)は側面図である。
【図4】スペーサを示す図であり、同図(a)は斜視
図、同図(b)は側面図である。
【図5】チャックピースとスペーサの保持リングへの保
持状態を示す展開図であり、同図(a)は伸長状態を示
し、同図(b)は短縮状態を示す。
【図6】他の実施の形態を示すチャックピースの斜視図
である。
【図7】他の実施の形態を示す保持リングの斜視図であ
る。
【図8】ボビンホルダの側面図である。
【図9】更に他の実施の形態を示すチャックピースの斜
視図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】更に他の実施の形態を示すチャックピースの
斜視図である。
【図12】更に他の実施の形態を示すチャックピースの
斜視図である。
【図13】従来のボビンホルダの要部側面図である。
【符号の説明】
1 ボビンホルダ 8 ボビン 9 円筒部材 10 ボビンチャック機構 13 チャックピース 14a 保持リング 14b 保持リング 18 係合突起 19 中央部 20 係合溝 50 スペーサ 51 係合突起 52 中央部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボビンを挿通させる円筒部材と、 該円筒部材に軸方向スライド可能に挿通される複数の保
    持リングと、 隣接する該保持リングの間に配設され、軸方向へ圧縮す
    ることで径方向外方へ膨らむように湾曲又は屈曲する薄
    板状のチャックピースと、 該チャックピースと並列して配設され、前記チャックピ
    ースの径方向外方への膨らみを制限するために、隣接す
    る前記保持リング間の間隔を制限するスペーサと、 前記円筒部材内に設けられ、前記保持リングを介して前
    記チャックピースを軸方向へ伸縮させる伸縮駆動装置
    と、を備えてなるボビンホルダのボビンチャック機構。
  2. 【請求項2】 前記スペーサは、その両端が前記保持リ
    ングに対して軸方向所定距離だけ遊びを有して保持さ
    れ、前記保持リングの間を第1間隔とこの第1間隔より
    小さな第2間隔との間に制限する請求項1に記載のボビ
    ンホルダのボビンチャック機構。
  3. 【請求項3】 前記保持リングは、内面に円環状の係合
    溝を有し、前記チャックピースは、その両端に前記溝の
    周方向に沿って嵌まる第1係合突起を有し、前記スペー
    サは、その両端に前記溝の周方向に沿って嵌まる第2係
    合突起を有し、該第2係合突起の幅は前記第1嵌合突起
    の幅より狭くなっている請求項2に記載のボビンホルダ
    のボビンチャック機構。
JP2002019402A 2001-03-16 2002-01-29 ボビンホルダのボビンチャック機構 Pending JP2003212436A (ja)

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