JP2003212102A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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JP2003212102A
JP2003212102A JP2002010639A JP2002010639A JP2003212102A JP 2003212102 A JP2003212102 A JP 2003212102A JP 2002010639 A JP2002010639 A JP 2002010639A JP 2002010639 A JP2002010639 A JP 2002010639A JP 2003212102 A JP2003212102 A JP 2003212102A
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brake
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braking
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Atsushi Namino
淳 波野
Tomoaki Fujibayashi
智明 藤林
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒルホールド制御を実施するにあたり、坂道
が急でも緩やかでもヒルホールド制御の実施判断を的確
に行って車両を確実に停止できるブレーキ制御装置を提
供すること。 【解決手段】 ホイールシリンダWCに制動圧を封じ込
める流入弁5および流出弁6と、両弁5,6の作動を制
御するコントロールユニットCUと、を備え、コントロ
ールユニットCUが、車両停車時にマスタシリンダMC
の圧力を検出するセンサの出力に基づいてヒルホールド
制御を実施するか否かを判断するヒルホールド制御実施
判断を行い、ヒルホールド制御実施と判断したときに
は、両弁5,6によりホイールシリンダWCに制動圧を
封じ込めて車両の停止状態を維持させるヒルホールド制
御を実行する構成のブレーキ制御装置において、ヒルホ
ールド制御実施判断を、マスタシリンダ圧と、このマス
タシリンダ圧の変化率とに基づいて行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転者が制動操作
を行って車両を停止させた後、ブレーキペダルからアク
セルペダルに踏み替えたときに車両が移動するのを防止
する、いわゆるヒルホールド制御を実行するブレーキ制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、坂道に停車して運転者がブレーキ
ペダルからアクセルペダルに足を踏み替えた際に、ホイ
ールシリンダにおける制動圧を維持させて車両が後退す
るのを防止する、いわゆるヒルホールド制御を実行する
ブレーキ装置が知られている。このヒルホールド制御
は、近年、消費エネルギを低減させることを目的とし
て、車両をアイドリング状態で停車させたときに自動的
にエンジンを停止させるアイドルストップ制御を実行す
る車両において特に有効である。
【0003】上記のヒルホールド制御を実行するブレー
キ制御装置にあっては、従来、ヒルホールド制御を実施
するか否かの判断を、マスタシリンダ圧に基づいて実行
しているもので、すなわち、マスタシリンダ圧が設定圧
まで低下したときに、運転者がブレーキペダルから足を
離したと判断するとともに、車両を停止させるのに必要
な制動圧がホイールシリンダに残っているとしてヒルホ
ールド制御を実施するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術にあっ
ては、ヒルホールド制御の実施判断をマスタシリンダ圧
と設定圧との比較のみに基づいて判断していたため、以
下に述べるような解決すべき課題を有していた。すなわ
ち、急な坂道では、ヒルホールド制御の実施判断から、
実際に必要な制動圧を発生させるまで時間を要すると、
車両が移動するおそれがある。そこで、上述のような急
な坂道における車両の移動を防止するには設定圧を高く
設定する必要がある。しかしながら、この設定圧を高く
すると、この設定圧が運転者の制動操作により発生する
制動圧よりも高くなるおそれがあり、この場合、運手者
が制動操作を行っている状態であるのにヒルホールド制
御が実行されてしまうという不具合が発生する。また、
設定圧を低く設定すると、このような不具合は防止でき
るが、上述のように急な坂道において車両の移動が発生
するおそれがある。したがって、従来技術にあっては、
実際にはヒルホールド制御の実施判断を行う設定圧を低
めに設定していて、急な坂道で車両を停止させるのが困
難であった。
【0005】さらに、この設定圧と比較するマスタシリ
ンダ圧は、圧力センサの検出により行うが、このセンサ
の出力にばらつきがあり、微妙な設定圧の設定を制御に
反映させることも難しかった。
【0006】本願発明は、ヒルホールド制御を実施する
にあたり、坂道が急でも緩やかでもヒルホールド制御の
実施判断を的確に行って車両を確実に停止できるブレー
キ制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、運転者の制動操作によ
り流体による制動圧を発生させるマスタシリンダ(M
C)と、供給される制動圧に応じた制動力を発生させる
制動作動部(WC)と、この制動作動部(WC)に制動
圧を封じ込める封止手段(5,6)と、前記封止手段
(5,6)の作動を制御する制御手段(CU)と、を備
え、前記制御手段(CU)が、車両停車時にマスタシリ
ンダの圧力を検出する検出手段の出力に基づいてヒルホ
ールド制御を実施するか否かを判断するヒルホールド制
御実施判断を行い、ヒルホールド制御実施と判断したと
きには、封止手段(5,6)により制動作動部(WC)
に制動圧を封じ込めて車両の停止状態を維持させるヒル
ホールド制御を実行する構成のブレーキ制御装置におい
て、前記ヒルホールド制御実施判断を、マスタシリンダ
圧と、このマスタシリンダ圧の変化率とに基づいて行う
ようにしたことを特徴とする手段とした。
【0008】なお、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載のブレーキ制御装置において、前記制御手段
は、ヒルホールド制御実施判断時には、マスタシリンダ
圧が予め設定された第1閾値未満であるか否かを判断す
る第1判断と、前記マスタシリンダ圧の変化率が予め設
定された第2閾値未満であるか否かを判断する第2判断
とを行い、前記第1判断と第2判断とのいずれか一方が
成立した場合にはヒルホールド制御を実施すると判断す
ることを特徴とする手段とした。
【0009】また、請求項3に記載の発明では、請求項
1または2に記載のブレーキ制御装置において、制動時
に車輪がロックするのを防止するアンチスキッド装置と
して、マスタシリンダ(MC)と制動作動部(WC)と
を結ぶブレーキ回路(1,2)の途中に配置されて制動
作動部内の流体を制動圧発生手段側である上流と制動作
動部側である下流とで流通させる増圧状態、ドレーン回
路(10)を介して制動作動部内の流体をリザーバ
(7)に逃がす減圧状態、およびブレーキ回路(1,
2)とドレーン回路(10)を遮断して制動作動部に流
体を封じ込める保持状態を形成可能な圧力制御弁(5,
6)と、吸入回路(41)を介して前記リザーバ(7)
に逃がされた流体を吸入するとともに、吐出回路(4
3)を介して圧力制御弁(5,6)よりも上流のブレー
キ回路(1,2)に戻すポンプ(4)と、を設け、前記
封止手段として前記圧力制御弁(5,6)を用い、ヒル
ホールド制御時には圧力制御弁(5,6)を保持状態に
制御するようにしたことを特徴とする手段とした。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載のブレーキ制御装置において、前記圧力制御弁を、ブ
レーキ回路(1,2)を開閉する流入弁(5)と、前記
リザーバ(7)と制動作動部(WC)の間に配置されて
ドレーン回路(10)を開閉する流出弁(6)とで構成
したことを特徴とする手段とした。
【0011】
【発明の作用および効果】本発明のブレーキ制御装置に
あっては、車両停車時に制御手段がヒルホールド制御実
施判断を行う際には、圧力検出手段が検出するマスタシ
リンダ圧およびその圧力変化に基づいて行う。すなわ
ち、停車した坂道が急であればあるほど、再発進時にお
いて運転者はブレーキペダルからアクセルペダルへの踏
み替え操作をより短時間に行う。そして、この踏み替え
を短時間に行えば行うほど、マスタシリンダ圧の低下率
は高くなる。したがって、本発明のように、ヒルホール
ド制御実施判断を、マスタシリンダ圧とその圧力変化率
とに基づいて行うようにすることで、坂道が急であった
り緩やかであったりしても、これに対応して、適切なタ
イミングでヒルホールド制御を実行することができる。
【0012】請求項2記載の発明では、ヒルホールド制
御実施判断時に、マスタシリンダ圧が予め設定された第
1閾値未満であるか否か判断する第1判断と、マスタシ
リンダ圧の変化率が予め設定された第2閾値未満である
か否かを判断する第2判断とを行う。すなわち、坂道が
比較的緩やかな場合、ブレーキペダルからの踏み替え操
作は緩やかとなり、圧力変化率も第2閾値よりも大きな
値となり易くなる(低下率は小さくなる)。そこで、こ
のような場合には、マスタシリンダ圧が、例えばブレー
キペダルから足を離したことを示すとともに所定の角度
未満の坂道で停車することのできる圧力などの第1閾値
よりも下回った時点で、ヒルホールド制御実施と判断す
る。一方、坂道が比較的急な場合、ブレーキペダルから
の踏み替え操作が早くなり、それに伴って圧力変化率も
第2閾値よりも小さな値となりやすくなる(低下率は大
きくなる)。そこで、このような場合には、マスタシリ
ンダ圧が第1閾値よりも大きくても、圧力変化率が第2
閾値を下回った時点で、ヒルホールド制御実施と判断す
る。これにより、急坂でも的確にヒルホールド制御実施
判断を行うことができる。
【0013】請求項3に記載の発明では、ヒルホールド
実施判断が成されたら、圧力制御弁を保持状態として、
制動作動中の制動作動部に制動圧を封じ込める。これに
より、停車状態を維持することができるものであり、こ
の場合、単に圧力制御弁を保持作動させるだけであるの
で、極めて高い応答性でヒルホールド状態を形成するこ
とができる。しかも、この圧力制御弁は、アンチスキッ
ド制御を実行する構成として必要な構成であり、ヒルホ
ールド制御のために、アンチスキッド制御を行うのに必
要な構成以外の構成を追加する必要が無く、装置の構成
の簡略化を図ることができるとともに、装置の汎用性を
高めることができる。また、このようにヒルホールド制
御時に圧力制御弁により制動圧を封じ込める構成にあっ
ては、急な坂道のようにマスタシリンダ圧が第1閾値を
下回らない段階で、圧力変化率に基づいてヒルホールド
制御の実施判断を行った場合には、第1閾値よりも高圧
の、すなわち緩い坂道の場合よりも高圧の制動圧を制動
作動部に封じ込めることができ、急坂で車両が移動する
のを確実に防止できる。
【0014】請求項4に記載の発明では、ヒルホールド
実施判断が成されたら、流入弁および流出弁を閉弁させ
て保持作動させ、請求項3に記載の発明と同様に停車状
態を維持させる。この構成では、従来、流入弁と並列に
設けられていたバイパス路およびこのバイパス路に設け
られていた一方弁が不要となり、いっそうの構成の簡略
化を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0016】(実施の形態1)図1は本発明実施の形態
のブレーキ制御装置を示す全体図である。なお、このブ
レーキ制御装置は、エンジンの回転がトルクコンバータ
を介して入力され、さらに遊星歯車を用いて変速して出
力する、いわゆる自動変速機を有した車両に搭載されて
いるものとする。図において、MCは制動圧発生手段と
してのマスタシリンダでありブレーキペダルBPを踏み
込むと2系統のブレーキ回路1,2を介して流体として
のブレーキ液を制動作動部としてのホイールシリンダW
Cに向けて供給する周知のタンデム型のものである。な
お、マスタシリンダMCにはブレーキ液を貯留するリザ
ーバRESが設けられている。
【0017】前記ブレーキ回路1,2はいわゆるX配管
と呼ばれる接続構造となっている。すなわち、ブレーキ
回路1は、分岐点1bで分岐されて左前輪のホイールシ
リンダWC(FL)と右後輪のホイールシリンダWC
(RR)とを結び、ブレーキ回路2は、分岐点2bで分
岐されて右前輪のホイールシリンダWC(FR)と左後
輪のホイールシリンダWC(RL)とを結ぶよう構成さ
れている。
【0018】本実施の形態では、ヒルホールド制御を実
施可能な装置を構成するにあたり、既存のABSユニッ
トABSUを用いて構成している。その構成について説
明すると、前記ブレーキ回路1,2において分岐点1
b,2bよりも下流(ホイールシリンダWC側)の途中
には、ソレノイド駆動の常開のON・OFF弁からなる
流入弁5,5が設けられている。さらに、各流入弁5よ
りも下流位置とリザーバ7とを結ぶドレーン回路10の
途中にはソレノイド駆動の常閉のON・OFF弁からな
る流出弁6が設けられている。これらの流入弁5と流出
弁6とは、圧力制御弁に相当するものであり、流入弁5
を開弁して流出弁6を閉弁させれば、ブレーキ回路1,
2においてその上流と下流との流通を許す増圧状態とな
り、両弁5,6を閉弁させれば、ホイールシリンダWC
に制動液圧を封じ込めた保持状態となり、流入弁5を閉
弁させて流出弁6を開弁させれば、ホイールシリンダW
C内の制動圧をリザーバ7に逃がす減圧状態となる。
【0019】また、従来、ABS制御を実行するブレー
キ装置にあっては、ABS制御を実行して流入弁5を閉
じている状態であっても、運転者が制動操作を解除した
場合には、瞬時にブレーキ液をマスタシリンダ側に戻す
ように、バイパス回路およびこの戻しのみを可能とする
一方弁が設けられているが、本実施の形態では、ヒルホ
ールド制御を可能とすべく、このバイパス回路および一
方弁を廃止して、装置の構成の簡略化を図っている。
【0020】さらに、前記ブレーキ回路1,2には、ポ
ンプ4が接続されている。このポンプ4は、ABS制御
によりリザーバ7に逃がしたブレーキ液を吸入回路41
から吸い込み、吐出回路43を介してブレーキ回路1,
2に戻す作動を行うもので、本実施の形態では、モータ
8により駆動するプランジャポンプを用いている。
【0021】したがって、本実施の形態にあっては、制
動時に車輪ロックが生じそうになったときには、必要に
応じて、流入弁5ならびに流出弁6を作動させてホイー
ルシリンダWCの増圧・保持・減圧を行って制動液圧を
最適に制御するとともに、リザーバ7に逃がしたブレー
キ液は、随時、ブレーキ回路1,2に戻すABS制御を
実行することができる。
【0022】このようなABS制御におけるモータ8
(ポンプ4)の駆動および各流入弁5および流出弁6の
駆動は、コントロールユニットCUにより制御される。
このコントロールユニットCUは、走行状態を検出する
センサ群SGに接続されている。このセンサ群SGに
は、マスタシリンダMCの圧力を検出する圧力センサ、
車速を検出する車速センサ、各車輪速度を検出する車輪
速センサなどが含まれている。
【0023】上記コントロールユニットCUは、上述の
ABS制御に加えてヒルホールド制御を実行する。そこ
で、このヒルホールド制御について説明する。すなわ
ち、自動変速機には、通常トルクコンバータが搭載され
ており、エンジンが駆動している状態では、いわゆるト
ルクコンバータのクリープ現象により前進方向にトルク
が発生し、ブレーキペダルBPを操作していない状態で
も車両の停止状態を維持することができる。
【0024】それに対して、エンジンをアイドリング状
態として停車したときに、エンジンを停止させるアイド
ルストップ制御を実行する車両にあっては、このクリー
プ現象が得られなくなることから、制動操作を解除して
制動力が無くなると、車両が移動することになる。そこ
で、このような場合に、制動力を発生させて車両が移動
しないようにして、運転者に違和感を与えないようにす
るヒルホールド制御を実行するようにしている。
【0025】図2はヒルホールド制御の実施と解除の判
断を行うヒルホールド判断制御の流れを示すフローチャ
ートである。このヒルホールド制御判断について説明す
ると、まず、ステップ201では、アイドルストップ中
であるか否か判断し、アイドルストップ中であればステ
ップ202に進み、アイドルストップ中でなければステ
ップ206に進む。なお、アイドルストップとは、前述
したように、エンジンをアイドリング状態で車両を停止
した場合に、その後、運転者の発進意志が示されるまで
の間、エンジンを停止させる制御である。
【0026】アイドルストップ中である場合に進むステ
ップ202では、車両が停止中であるか否か判断し、停
止中であればステップ203に進み、停止中でなければ
ステップ206に進む。
【0027】ステップ203では、マスタシリンダ圧力
が予め設定されたヒルホールド閾値1未満であるか否か
判断し、マスタシリンダ圧力<ヒルホールド閾値1の場
合にはステップ205に進み、マスタシリンダ圧力≧ヒ
ルホールド閾値1の場合にはステップ204に進む。な
お、このヒルホールド閾値1は、運転者がブレーキペダ
ルBPから足を離したことを検出するとともに、所定の
角度未満の坂道で車両を停止させることができる圧力に
設定されているもので、このヒルホールド閾値1は、実
験を繰り返して車種に応じた最適値を設定する。
【0028】ステップ204では、マスタシリンダ圧力
変化率(この変化率は、圧力低下時であるのでマイナス
の値である)が予め設定されたヒルホールド閾値2未満
であるか否か判断し、マスタシリンダ圧力変化率<ヒル
ホールド閾値2の場合には、ステップ205に進み、マ
スタシリンダ圧力変化率≧ヒルホールド閾値2の場合に
は、この判断ルーチンを終了する。なお、ヒルホールド
閾値2も、実験に基づいて最適値が設定されているもの
で、この値は、所定角度よりも急な坂道においてブレー
キペダルBPを離したときのマスタシリンダ圧力変化率
に設定されている。すなわち、平坦路に比べて坂道では
ブレーキペダルBPからアクセルペダルへの踏み替え操
作が素早くなり、これに伴ってマスタシリンダ圧の変化
率も小さくなる(この場合、圧力は減少方向であるので
変化率はマイナスの値であり、その絶対値は大きくな
る)。したがって、マスタシリンダ圧力変化率に基づい
て所定角度よりも急な坂道であるか否かを判定すること
ができる。
【0029】ステップ203においてマスタシリンダ圧
力<ヒルホールド閾値1の場合、あるいはステップ20
4においてマスタシリンダ圧力変化率<ヒルホールド閾
値2の場合に進むステップ205では、ヒルホールド制
御実施処理を実行する。本実施の形態にあっては、この
ヒルホールド制御実施処理は、流入弁5をONとして閉
弁させる。よって、流入弁6は常閉であるので、ホイー
ルシリンダWCの液圧が封入されて、停止状態を維持で
きる。
【0030】したがって、アイドルストップ中であり、
かつ、車両停止中であるときに、さらに、マスタシリン
ダ圧力がヒルホールド閾値1未満である場合、あるい
は、マスタシリンダ圧力がヒルホールド閾値1以上であ
っても、マスタシリンダ圧力変化率がヒルホールド閾値
2未満である場合には、ヒルホールド制御実施処理を実
行する。
【0031】また、ステップ201においてアイドルス
トップ中でないと判断されるか、あるいは、ステップ2
02において車両停止中でないと判断された場合には、
ステップ206に進んで、エンジン始動後であるか否か
判断し、エンジン始動後の場合には、ステップ207に
進んで、ヒルホールド制御解除処理を実行し、一方、エ
ンジン始動後でない場合には、この判断ルーチンを終了
する。なお、ヒルホールド制御解除処理は、具体的には
流入弁5をOFFとして開弁させる処理である。
【0032】したがって、アイドルストップ状態でなく
なったり、車両停止中でなくなったりした場合であっ
て、エンジンを始動した後には、ステップ207のヒル
ホールド制御解除を実行する。
【0033】次に、図3のタイムチャートおよび図4の
タイムチャートによりヒルホールド制御を実施した場合
の作動の一例を説明する。すなわち、両図は共に登坂路
において車両を停止し(T1,T21の時点)、その
後、T2,T22の時点で発進を行った場合を示してお
り、図3の例は比較的緩やかな坂道において停車した場
合を、図4の例は比較的急な坂道において停車した場合
を示している。まず、図3の例について説明すると、登
坂路において、車両を停止して、所定のアイドルストッ
プ条件が成立すると、アイドルストップ制御が実行され
てエンジンが停止される(図中t1の時点)。なお、こ
のアイドルストップ制御が実行されていることは、この
図にあってはアイドルストップ制御ONで示している。
また、このような登坂路においてはブレーキペダルを強
く踏んで停止するため、当初のブレーキ液圧は高くなっ
ている。
【0034】その後、運転者が発進操作を行うべくブレ
ーキペダルBPから図外のアクセルペダルへ踏み替える
操作を行うと、マスタシリンダ圧力(ブレーキ液圧)が
低下してt2の時点でヒルホールド閾値1を下回り、こ
れによりステップ201→202→203→205の流
れに基づいてヒルホールド制御実施処理が成され、流入
弁5が閉弁される。したがって、ホイールシリンダWC
には、この時点でのブレーキ液圧が閉じこめられて、停
車状態を維持することができる。ちなみに、緩やかな坂
道ではブレーキペダルBPからアクセルペダルへの踏み
替えが緩やかであり、またシリンダ圧力の変化率は図示
のようにヒルホールド閾値2を下回ることはない。
【0035】その後、アクセルペダルが踏み込まれるな
どの所定のエンジン再始動条件が成立して図外のエンジ
ンが始動された時(t3)には、図2のヒルホールド制
御判断において、ステップ201or202→206→
207の判断により、ヒルホールド制御解除処理を実行
して流入弁5を開弁させる。
【0036】これにより、ホイールシリンダWC内のブ
レーキ液はマスタシリンダMCに戻されて、制動力が無
くなり、エンジンの始動とともに車両の発進が成される
(T2の時点)。
【0037】次に、図4に示す急な坂道における作動に
ついて説明する。急な登坂路において、車両を停止し
て、所定のアイドルストップ条件が成立すると、アイド
ルストップ制御が実行されてエンジンが停止される(図
中t21の時点)。この作動は、図3の場合と同様であ
る。
【0038】その後、運転者が発進操作を行うべくブレ
ーキペダルBPから図外のアクセルペダルへ踏み替える
操作を行った場合、急な登坂路ではこの踏み替え操作を
素早く行う。このため、図3に示した例に比べて、マス
タシリンダ圧(ブレーキ液圧)の低下率が大きくなり、
図3の例ではブレーキ液圧変化がヒルホールド閾値2を
下回らなかったのに対して、図4の例は、マスタシリン
ダ圧(ブレーキ液圧)がヒルホールド閾値1を下回るよ
りも前の時点で、ブレーキ液圧変化率がヒルホールド閾
値2を下回る(t22の時点)。したがって、この時点
でヒルホールド制御実施処理が成されて流入弁5が閉弁
される。よって、図示のように、ヒルホールド閾値1よ
りも高圧のブレーキ液圧がホイールシリンダWCに封入
され、急な登坂路でも車両が後退するのを確実に防止す
ることができる。
【0039】その後、所定のエンジン再始動条件が成立
してエンジンの再始動が行われると(t23)、ヒルホ
ールド制御解除処理が実行されて流入弁5が開弁され、
制動力が無くなり、車両が発進される(T22)。な
お、エンジンが再始動してからヒルホールド制御解除処
理により流入弁5を開弁するまでに、本実施の形態で
は、100msec程度の時間をとっている。これは、
エンジン再始動のために図外のセルモータを駆動させて
から実際にエンジンが駆動するまでの時間のばらつきを
考慮したものである。
【0040】以上説明したように本実施の形態にあって
は、ヒルホールド制御実施判断において、マスタシリン
ダ圧(ブレーキ液圧)とヒルホールド閾値1との比較
(静圧比較)のみではなく、マスタシリンダ圧の変化率
(ブレーキ液圧変化率)とヒルホールド閾値2との比較
(動圧比較)を行い、いずれか一方の比較条件が成立し
たときにヒルホールド制御を実行するようにしたため、
ヒルホールド閾値1を高すぎないようにして、通常のヒ
ルホールド制御への進入頻度を適正に保たせながら、急
な坂道では、ヒルホールド閾値1よりも高圧のブレーキ
液をホイールシリンダWCに閉じこめさせて、急な坂道
でも確実にヒルホールドを実行することができるという
効果が得られる。
【0041】また、実施の形態では、既存のABS制御
を実行する単純なユニットにより装置を構成したため、
安価かつ小型に構成することができ、安価かつ小型の装
置によりヒルホールド制御を実行することができるとい
う効果が得られる。さらに、この構成によりヒルホール
ド制御を実施するために流入弁5を閉弁させてホイール
シリンダWCに液圧を封じ込めるのを可能とするため、
従来のABS制御装置に設けられていた流入弁5をバイ
パスする回路および個の回路に設けられてホイールシリ
ンダWCからの戻りのみを許容する一方弁を廃止した。
したがって、いっそう、装置の簡略化を図って、コスト
ダウンならびに小型化を図ることができる。
【0042】以上図面により実施の形態について説明し
てきたが、本発明は上記実施の形態の構成に限定される
ものではない。例えば、実施の形態にあっては、AT車
に適用した例を示したが、本発明は、マニュアル式の変
速機や無断変速機を搭載した車両に適用することもでき
る。
【0043】また、実施の形態では、圧力制御弁とし
て、流入弁と流出弁2つの弁を用いたが、上流と下流を
結びドレーン回路は遮断した第1ポジション、上流側を
遮断し下流とドレーン回路を結んだ第2ポジション、上
流、下流、ドレーン回路をそれぞれ遮断した第3ポジシ
ョンの3つのポジションに切替可能なタイプの1つの圧
力制御弁を用いてもよい。この場合、制御解除処理時に
は、第2ポジションに切り替える。また、制動作動部と
してはホイールシリンダを示したが、流体圧により制動
力を発生する構造であればこれに限定されない。また、
流体としてはブレーキ液(油)を用いるものを示した
が、エアなど気体を用いる構造にも適用可能である。ま
た、実施の形態では、封止手段として、流入弁5および
流出弁6からなる圧力制御弁を示したが、流入弁5の上
流に能動的に制動液圧を発生させるときに閉弁させるゲ
ート弁が設けられている構成では、このゲート弁を封止
手段として作動させるようにしてもよい。また、この場
合には、ヒルホールド制御を実施してゲート弁を閉弁さ
せたときには、ポンプを駆動させて制動圧を上昇させる
ようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のブレーキ制御装置を示す全体図で
ある。
【図2】実施の形態ヒルホールド制御判断の制御流れを
示すフローチャートである。
【図3】実施の形態による緩坂道における作動例を示す
タイムチャートである。
【図4】実施の形態による急坂道における作動例を示す
タイムチャートである。
【符号の説明】
1,2 ブレーキ回路 4 ポンプ 5 流入弁(圧力制御弁) 6 流出弁(圧力制御弁) 7 リザーバ 8 モータ 10 ドレーン回路 41 吸入回路 43 吐出回路 CU コントロールユニット(制御手段) MC マスタシリンダ(制動圧発生手段) WC ホイールシリンダ(制動作動部)
フロントページの続き Fターム(参考) 3D046 BB02 BB26 BB28 CC02 DD04 EE01 HH16 HH17 HH22 HH36 JJ01 LL23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者の制動操作により流体による制動
    圧を発生させるマスタシリンダ(MC)と、 供給される制動圧に応じた制動力を発生させる制動作動
    部(WC)と、 この制動作動部(WC)に制動圧を封じ込める封止手段
    (5,6)と、 前記封止手段(5,6)の作動を制御する制御手段(C
    U)と、を備え、 前記制御手段(CU)が、車両停車時にマスタシリンダ
    の圧力を検出する検出手段の出力に基づいてヒルホール
    ド制御を実施するか否かを判断するヒルホールド制御実
    施判断を行い、ヒルホールド制御実施と判断したときに
    は、封止手段(5,6)により制動作動部(WC)に制
    動圧を封じ込めて車両の停止状態を維持させるヒルホー
    ルド制御を実行する構成のブレーキ制御装置において、 前記ヒルホールド制御実施判断を、マスタシリンダ圧
    と、このマスタシリンダ圧の変化率とに基づいて行うよ
    うにしたことを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のブレーキ制御装置にお
    いて、 前記制御手段は、ヒルホールド制御実施判断時には、マ
    スタシリンダ圧が予め設定された第1閾値未満であるか
    否かを判断する第1判断と、前記マスタシリンダ圧の変
    化率が予め設定された第2閾値未満であるか否かを判断
    する第2判断とを行い、前記第1判断と第2判断とのい
    ずれか一方が成立した場合にはヒルホールド制御を実施
    すると判断することを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のブレーキ制御
    装置において、 制動時に車輪がロックするのを防止するアンチスキッド
    装置として、マスタシリンダ(MC)と制動作動部(W
    C)とを結ぶブレーキ回路(1,2)の途中に配置され
    て制動作動部内の流体を制動圧発生手段側である上流と
    制動作動部側である下流とで流通させる増圧状態、ドレ
    ーン回路(10)を介して制動作動部内の流体をリザー
    バ(7)に逃がす減圧状態、およびブレーキ回路(1,
    2)と簿レーン回路(10)を遮断して制動作動部に流
    体を封じ込める保持状態を形成可能な圧力制御弁(5,
    6)と、吸入回路(41)を介して前記リザーバ(7)
    に逃がされた流体を吸入するとともに、吐出回路(4
    3)を介して圧力制御弁(5,6)よりも上流のブレー
    キ回路(1,2)に戻すポンプ(4)と、を設け、 前記封止手段として前記圧力制御弁(5,6)を用い、
    ヒルホールド制御時には圧力制御弁(5,6)を保持状
    態に制御するようにしたことを特徴とするブレーキ制御
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のブレーキ制御装置にお
    いて、 前記圧力制御弁を、ブレーキ回路(1,2)を開閉する
    流入弁(5)と、前記リザーバ(7)と制動作動部(W
    C)の間に配置されてドレーン回路(10)を開閉する
    流出弁(6)とで構成したことを特徴とするブレーキ制
    御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106307A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Advics:Kk 車両の制動力保持装置、及び車両の制動力保持方法
KR101608534B1 (ko) * 2009-09-11 2016-04-11 현대모비스 주식회사 차량 언덕 밀림 방지 제어방법

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