JP4239612B2 - エンジン停止条件判別装置およびそれを用いたブレーキ制御装置 - Google Patents

エンジン停止条件判別装置およびそれを用いたブレーキ制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者が制動操作を行って車両を停止させた後、ブレーキペダルからアクセルペダルに踏み替えたときに車両が移動するのを防止する、いわゆるヒルホールド制御を実行するブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、坂道に停車して運転者がブレーキペダルからアクセルペダルに足を踏み替えた際に、ホイールシリンダにおける制動圧を維持させて車両が後退するのを防止する、いわゆるヒルホールド制御を実行するブレーキ装置が、例えば、特許文献1などにより知られている。
このようなブレーキ制御装置においては、車両停止時には、アイドリングストップし、マスタシリンダ圧が所定圧以下のときは、マスタシリンダとホイルシリンダの間に設けられた増圧制御弁を閉じ、ホイルシリンダ内のブレーキ液圧を保持するヒルホールド制御を実行する。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−39278号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、下記に示す問題があった。すなわち、ヒルホールド制御を実施するにあたって、エンジン停止時には常にヒルホールド制御を実施する。このとき、アイドルストップによるエンジン停止時と、通常の始動前停止とを判別することなくヒルホールド制御を実施する。よって、イグニッションON以降に車両がすぐに発進すれば問題ないが、運転者がイグニッションONの状態で車両を放置した場合、ヒルホールド制御条件が成立してしまい、長時間ヒルホールド制御が実施され、ソレノイドが過度に加熱し、劣化の原因となる虞がある。
【0005】
本願発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、アイドルストップによるエンジン停止と、エンジン始動前のエンジン停止といった停止条件を判別することが可能なエンジン停止条件判別装置およびそれを用いたブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本願発明では、エンジン始動検出手段と、運転者の操作によるイグニッションON以降の前記エンジン始動を記憶する記憶手段と、エンジン停止条件判別手段を設けたことで、アイドルストップによるエンジン停止と、エンジン始動前のエンジン停止といった停止条件を判別することが可能となり、判別後の制御汎用性を広げることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
(実施の形態1)
図1は本発明実施の形態1のブレーキ制御装置を示す全体図である。なお、このブレーキ制御装置は、エンジンの回転がトルクコンバータを介して入力され、さらに遊星歯車を用いて変速して出力する、いわゆる自動変速機を有した車両に搭載されているものとする。
図において、MCは制動圧発生手段としてのマスタシリンダでありブレーキペダルBPを踏み込むと2系統のブレーキ回路1,2を介して流体としてのブレーキ液を制動力発生手段としてのホイールシリンダWCに向けて供給する周知のタンデム型のものである。なお、マスタシリンダMCにはブレーキ液を貯留するリザーバRESが設けられている。
【0009】
前記ブレーキ回路1,2はいわゆるX配管と呼ばれる接続構造となっている。すなわち、ブレーキ回路1は、分岐点1bで分岐されて左前輪のホイールシリンダWC(FL)と右後輪のホイールシリンダWC(RR)とを結び、ブレーキ回路2は、分岐点2bで分岐されて右前輪のホイールシリンダWC(FR)と左後輪のホイールシリンダWC(RL)とを結ぶよう構成されている。
【0010】
本実施の形態では、ヒルホールド制御を実施可能な装置を構成するにあたり、既存のABSユニットABSUを用いて構成している。
その構成について説明すると、前記ブレーキ回路1,2において分岐点1b,2bよりも下流(ホイールシリンダWC側)の途中には、ソレノイド駆動の常開のON・OFF弁からなる流入弁5,5が設けられている。
さらに、各流入弁5よりも下流位置とリザーバ7とを結ぶドレーン回路10の途中にはソレノイド駆動の常閉のON・OFF弁からなる流出弁6が設けられている。
これらの流入弁5と流出弁6とは、ホイールシリンダWCの減圧・保持・増圧を行うもので、流入弁5を開弁して流出弁6を閉弁させれば、ブレーキ回路1,2においてその上流と下流との流通を許す増圧状態となり、両弁5,6を閉弁させれば、ホイールシリンダWCに制動液圧を封じ込めた保持状態となり、流入弁5を閉弁させて流出弁6を開弁させれば、ホイールシリンダWC内の制動圧をリザーバ7に逃がす減圧状態となる。
【0011】
また、従来、ABS制御を実行するブレーキ装置にあっては、ABS制御を実行して流入弁5を閉じている状態であっても、運転者が制動操作を解除した場合には、瞬時にブレーキ液をマスタシリンダ側に戻すように、バイパス回路およびこの戻しのみを可能とする一方弁が設けられているが、本実施の形態では、ヒルホールド制御を可能とすべく、このバイパス回路および一方弁を廃止して、装置の構成の簡略化を図っている。
【0012】
さらに、前記ブレーキ回路1,2には、ポンプ4が接続されている。
このポンプ4は、ABS制御によりリザーバ7に逃がしたブレーキ液を吸入回路41から吸い込み、吐出回路43を介してブレーキ回路1,2に戻す作動を行うもので、本実施の形態では、モータ8により駆動するプランジャポンプを用いている。
【0013】
したがって、本実施の形態にあっては、制動時に車輪ロックが生じそうになったときには、必要に応じて、流入弁5ならびに流出弁6を作動させてホイールシリンダWCの増圧・保持・減圧を行って制動液圧を最適に制御するとともに、リザーバ7に逃がしたブレーキ液は、随時、ブレーキ回路1,2に戻すABS制御を実行することができる。
【0014】
このようなABS制御におけるモータ8(ポンプ4)の駆動および各流入弁5および流出弁6の駆動は、コントロールユニットCUにより制御される。
このコントロールユニットCUは、走行状態を検出するセンサ群SGに接続されている。このセンサ群SGには、マスタシリンダMCの圧力を検出する圧力センサ、車速を検出する車速センサ、各車輪速度を検出する車輪速センサなどが含まれている。
【0015】
上記コントロールユニットCUは、上述のABS制御に加えてヒルホールド制御を実行する。そこで、このヒルホールド制御について説明する。
すなわち、自動変速機には、通常トルクコンバータが搭載されており、エンジンが駆動している状態では、いわゆるトルクコンバータのクリープ現象により前進方向にトルクが発生し、ブレーキペダルBPを操作していない状態でも車両の停止状態を維持することができる。
【0016】
それに対して、エンジンをアイドリング状態として停車したときに、エンジンを停止させるアイドルストップ制御を実行する車両にあっては、このクリープ現象が得られなくなることから、制動操作を解除して制動力が無くなると、車両が移動することになる。
そこで、このような場合に、制動力を発生させて車両が移動しないようにして、運転者に違和感を与えないようにするヒルホールド制御を実行するようにしている。
【0017】
図2はヒルホールド制御の実施と解除の判断を行うヒルホールド判断制御の流れを示すフローチャートである。
【0018】
ステップ101では、エンジン始動履歴処理を実行する。尚、詳細については後述する。
【0019】
ステップ102では、始動履歴があるかどうかを判断し、始動履歴があるときはステップ103へ進み、それ以外はステップ111へ進む。
【0020】
ステップ103では、アイドルストップ中であるか否か判断し、アイドルストップ中であればステップ104に進み、アイドルストップ中でなければステップ111に進む。なお、アイドルストップとは、前述したように、エンジンをアイドリング状態で車両を停止した場合に、その後、運転者の発進意志が示されるまでの間、エンジンを停止させる制御である。
【0021】
ステップ104では、アイドルストップ中で、車両が停止中であるか否か判断し、停止中であればステップ105に進み、停止中でなければステップ111に進む。
【0022】
ステップ105では、ヒルホールド開始判断閾値可変処理を実行する。
このヒルホールド開始判断閾値可変処理は、路面勾配に応じてヒルホールド開始判断閾値(許可閾値)を設定するもので、本実施の形態では、図3に示すように、テーブルを参照して、その時点のマスタシリンダ圧に応じて、ヒルホールド開始判断閾値(許可閾値)を設定するようにしている。また、本実施の形態では、ヒルホールド開始判断閾値として、マスタシリンダ圧に対応したヒルホールド開始判断閾値1(許可閾値1)とマスタシリンダ圧微分値に対応したヒルホールド開始判断閾値2(許可閾値2)との2通りの閾値を設定しており、各閾値1,2を、マスタシリンダ圧に応じて高圧時、中圧時、低圧時と3段階に設定するようにしている。
【0023】
ステップ106では、液圧経験履歴処理を実行する。尚、液圧経験履歴処理については後で詳述する。
【0024】
ステップ107では、液圧経験履歴が有るかどうかを判断し、液圧経験履歴が有るときはステップ108へ進み、それ以外はステップ116へ進む。
【0025】
ステップ108では、マスタシリンダ圧力が許可閾値1未満であるか否か判断し、マスタシリンダ圧力<許可閾値1の場合にはステップ110に進み、マスタシリンダ圧力≧許可閾値1の場合にはステップ109に進む。
なお、このヒルホールド許可閾値1は、運転者がブレーキペダルBPから足を離したことを検出するもので、かつ、この圧力は車両を停止させることのできるホイールシリンダ圧力に設定されている。すなわち、高圧時許可閾値1は、所定の急坂道においてブレーキペダルBPから足を離したことを検出するとともに車両を停止させることができる圧力に、中圧時許可閾値1は、所定の中程度傾斜の坂道においてにおいてブレーキペダルBPから足を離したことを検出するとともに車両を停止させることができる圧力に、低圧時許可閾値1は、所定の緩傾斜の坂道においてにおいてブレーキペダルBPから足を離したことを検出するとともに車両を停止させることができ圧力に設定されているもので、これらの許可閾値1は、実験を繰り返して、車種および坂道の傾斜角度に応じた最適値を設定する。
【0026】
ステップ109では、マスタシリンダ圧力変化率(この変化率は、圧力低下時であるのでマイナスの値である)が予め設定された許可閾値2未満であるか否か判断し、マスタシリンダ圧力変化率<許可閾値2の場合には、ステップ110に進み、マスタシリンダ圧力変化率≧許可閾値2の場合には、ステップ116へ進む。
なお、許可閾値2も、ブレーキペダルBPからアクセルペダルへの踏替操作を検出するもので、実験に基づいて最適値が設定されている。これらの各許可閾値2も、急・中・緩の各傾斜の坂道においてブレーキペダルBPを離したときのマスタシリンダ圧力変化率に設定されている。すなわち、平坦路に比べて坂道が急になるほどブレーキペダルBPからアクセルペダルへの踏み替え操作が素早くなり、これに伴ってマスタシリンダ圧の変化率も小さくなる(この場合、圧力は減少方向であるので変化率はマイナスの値であり、その絶対値は大きくなる)。したがって、マスタシリンダ圧力変化率に基づいて、ステップ105において判断した坂道の傾斜角度に応じた踏み替え操作を検出することができる。
【0027】
ステップ110では、ヒルホールド制御実施処理を実行する。本実施の形態にあっては、このヒルホールド制御実施処理は、流入弁5をONとして閉弁させる。よって、流入弁6は常閉であるので、ホイールシリンダWCの液圧が封入されて、停止状態を維持できる。したがって、アイドルストップ中であり、かつ、車両停止中であるときに、さらに、マスタシリンダ圧力が許可閾値1未満である場合、あるいは、マスタシリンダ圧力が許可閾値1以上であっても、マスタシリンダ圧力変化率が許可閾値2未満である場合には、ヒルホールド制御実施処理を実行する。
【0028】
ステップ111では、エンジン始動後であるか否か判断し、エンジン始動後の場合には、ステップ112に進む。
【0029】
ステップ112では、液圧経験履歴解除を実行する。
【0030】
ステップ113では、ヒルホールド制御解除を実行する。具体的には流入弁5をOFFとして開弁させる。
【0031】
ステップ114では、石踏み防止処理を実行する。尚、石踏み防止処理については後で詳述する。
【0032】
(エンジン始動履歴処理)
次に、ステップ101において実行されるエンジン始動履歴処理について説明する。図4はエンジン始動履歴処理の制御内容を表すフローチャートである。
【0033】
ステップ201では、エンジン始動済みかどうかを判断し、エンジン始動済みで有ればステップ202へ進み、それ以外は処理を終了する。具体的には、エンジン始動検出後、所定時間が経過したときにエンジン始動済みと判断する。これにより、エンジン始動ミス等があった場合は始動済みと判断することが無く、確実にエンジン始動を検出することができる。尚、エンジン始動検出はエンジン回転数に基づいて検出しても良いし、エンジンにより生成される負圧の高さに基づいて検出しても良いし、もしくは、エンジンにより駆動されるオルタネータの出力電圧に基づいて検出しても良い。
【0034】
ステップ202では、エンジン始動済みであるとして始動履歴をセットする。
【0035】
すなわち、本実施の形態のようにするアイドルストップ車両にあっては、イグニッションがONとなった状態におけるエンジン停止状態として、運転者のスタータ操作によるエンジン始動前における完全停止状態と、エンジン始動後、所定の条件が成立したときにエンジンのアイドリングが自動停止するアイドルストップ状態とが存在する。
【0036】
この完全停止状態とアイドルストップ状態を区別しないまま、仮にイグニッションをONとした状態で車両を放置し完全停止状態が発生する場合を想定する。このとき、ヒルホールド制御はエンジン停止時に液圧を保持するため、流入弁5をONとし、ソレノイドに対して通電することとなる。このまま長時間車両を放置すると、ソレノイドが過度に高温になり劣化の原因となる。そこで、エンジン始動履歴を確認することで、完全停止状態とアイドルストップ状態とを区別する。これにより、例えイグニッションがONであったとしても、ヒルホールド制御の必要がある場合と、必要のない場合を確認することが可能となり、ソレノイドの劣化を防止することができる。
【0037】
(液圧経験履歴処理)
次に、ステップ106において実行される液圧経験履歴処理について説明する。図5は液圧経験履歴処理の制御内容を表すフローチャートである。
【0038】
ステップ301では、マスタシリンダ圧力が許可閾値1以上かどうかを判断し、条件を満たしたときはステップ302へ進み、それ以外は本処理を終了する。
【0039】
ステップ302では、液圧経験履歴をセットする。
【0040】
すなわち、本実施の形態におけるヒルホールド制御の実行条件として、エンジンが停止状態、かつ、マスタシリンダ内液圧が許可閾値1未満(ステップ108参照)であった場合としている。このとき、運転者がブレーキペダルを踏み込んでいない、もしくはヒルホールドに必要とされる制動力(許可閾値1)を発生させていない場合のアイドルストップ時にヒルホールド制御を実行してしまい、ヒルホールド制御が作動し続ける可能性がある。
【0041】
ヒルホールド制御は、運転者が発生させたマスタシリンダ圧をホイルシリンダ内に封じ込めることでブレーキの制動力を保持し、車両の不用意な移動を防止する制御である。しかしながら、マスタシリンダ圧がヒルホールドに必要な制動力を保持できうる圧力まで上昇していない場合の作動は無意味である。
【0042】
そこで、マスタシリンダ圧がヒルホールド制御開始条件である許可閾値1(ステップ108参照)以上に一旦上昇したことを検知し、この上昇履歴をセットすることで、イグニッションONでの車両の長時間放置による無駄なヒルホールド制御の実行を回避することが可能となり、ソレノイドの劣化を防止することができる。
【0043】
また、許可閾値1以上に一旦上昇したことを検知することで、制動力を確保できない無意味なヒルホールド制御を回避することができる。
【0044】
(石踏み防止処理)
次に、ステップ114において実行される石踏み防止処理について説明する。図6は石踏み防止処理の制御内容を表すフローチャートである。
【0045】
ステップ501では、ヒルホールド制御中であるかどうかを判断し、ヒルホールド制御中の時はステップ502へ進み、それ以外は本処理を終了する。
【0046】
ステップ502では、マスタシリンダ圧力がヒルホールド解除閾値1以上かどうかを判断し、解除閾値1以上の時はステップ504へ進み、それ以外はステップ503へ進む。
【0047】
ステップ503では、マスタシリンダ圧力変化がヒルホールド解除閾値2以上かどうかを判断し、解除閾値2以上の時はステップ504へ進み、それ以外は本処理を終了する。
【0048】
ステップ504では、ヒルホールド制御解除処理を実行し、流入弁5をOFFとする。具体的には、流入弁5をON状態から徐々にOFF状態に切り換える。
【0049】
以下、上記石踏み防止処理について具体的に説明する。例えば、ヒルホールド制御中に傾斜に対する制動力が不足している場合がある。このとき、車両が後退する虞があるため運転者はこれを防止するためにブレーキペダルを踏み込むことがある。このとき、ヒルホールド制御中は流入弁5がONとされ、マスタシリンダ側とホイルシリンダ側が遮断されているため、運転者がブレーキペダルを踏み込んだとしても、踏み込むことができず、所謂石踏み状態となる。
【0050】
そこで、ステップ502において、ヒルホールド制御中にマスタシリンダ圧がヒルホールド解除閾値1以上のときは、運転者が再度ブレーキペダルを踏み込む意図があると判断してヒルホールド制御を解除する。また、ステップ503において、例えヒルホールド解除閾値1未満であったとしても、マスタシリンダ圧力変化がヒルホールド解除閾値2以上であれば、運転者はかなり急激にブレーキペダルを踏み込んでいる状態であり、ヒルホールド解除閾値1に到達する前にヒルホールド制御を解除する必要があると判断する。
【0051】
そして、電磁弁である流入弁5に対しONデューティ比を徐々に減少させることで、OFF状態から徐々にON状態へ移行させる。このように、ヒルホールド制御を解除することで、運転者によりホイルシリンダへの制動力がスムーズに付与される。
【0052】
次に、図7,8のタイムチャートによりヒルホールド制御を実施した場合の石踏み防止処理作動の一例を説明する。
【0053】
(ヒルホールド解除閾値1を越えた場合の石踏み防止処理)
図7はヒルホールド解除閾値1を越えた場合に石踏み防止処理を実行した場合のタイムチャートである。
【0054】
時刻t1において、イグニッションがONとされ、時刻t2においてスタータモータが駆動され、エンジン始動が開始される。このとき、時刻t1〜t2の間においてエンジン始動履歴及び液圧経験履歴がセットされておらず、ヒルホールド制御は実施されない。フローチャートとしては、ステップ101(ステップ201)→ステップ102→ステップ111→ステップ114(ステップ501)へと進む処理である。
【0055】
時刻t2において、スタータモータが駆動され所定時間が経過すると、時刻t3において、エンジンのアイドル回転数が安定しステップ202で説明したエンジン始動履歴がセットされる。フローチャートとしては、ステップ101(ステップ201→ステップ202)→ステップ102→ステップ103→ステップ111→ステップ114(ステップ501)へと進む処理である。
【0056】
時刻t4において、運転者によりブレーキペダルが踏み込まれ、アイドルストップ作動閾値を超えると、アイドルストップ制御が実行される。フローチャートとしては、ステップ101(ステップ201→ステップ202)→ステップ102→ステップ103→ステップ104→ステップ105→ステップ106(ステップ301)→ステップ107→ステップ114(ステップ501)へと進む処理である。
【0057】
時刻t5において、ヒルホールド許可閾値1以上になると、ステップ302で説明した液圧経験履歴がセットされる。フローチャートとしては、ステップ101(ステップ201→ステップ202)→ステップ102→ステップ103→ステップ104→ステップ105→ステップ106(ステップ301→ステップ302)→ステップ107→ステップ108→ステップ109→ステップ114(ステップ501)→ステップ117(ステップ601)へと進む処理である。
【0058】
運転者によりブレーキペダルが踏み込まれた後、運転者がブレーキペダルを急激に緩めたためヒルホールド許可閾値1未満になる手前の時刻t6において、マスタシリンダ圧変化が許可閾値2未満(ステップ109:図3参照)となり、流入弁5をON(閉じる)としてホイルシリンダ内の液圧を保持するヒルホールド制御が開始される。フローチャートとしては、ステップ101(ステップ201→ステップ202)→ステップ102→ステップ103→ステップ104→ステップ105→ステップ106(ステップ301→ステップ302)→ステップ107→ステップ108→ステップ109→ステップ110→ステップ114(ステップ501→ステップ502→ステップ503)へと進む処理である。
【0059】
時刻t7において、運転者が再度ブレーキペダルを踏み込み、時刻t8において、ステップ502におけるヒルホールド解除閾値1を越えると、石踏み防止処理として流入弁5をOFF(開く)とし、ヒルホールド制御が解除される。フローチャートとしては、ステップ101(ステップ201→ステップ202)→ステップ102→ステップ103→ステップ104→ステップ105→ステップ106(ステップ301→ステップ302)→ステップ107→ステップ108→ステップ109→ステップ110→ステップ114(ステップ501→ステップ502→ステップ504)へと進む処理である。
【0060】
時刻t9において、運転者が再度ブレーキペダルの踏み込みを弱め始め、マスタシリンダ圧変化率がヒルホールド許可閾値2を下回ると、再度ヒルホールド制御を開始する。フローチャートとしては、ステップ101(ステップ201→ステップ202)→ステップ102→ステップ103→ステップ104→ステップ105→ステップ106(ステップ301→ステップ302)→ステップ107→ステップ108→ステップ109→ステップ110→ステップ114(ステップ501→ステップ502→ステップ503)へと進む処理である。
【0061】
ホイルシリンダ内の液圧が保持された状態で、運転者が更にブレーキペダルの踏み込みを弱め、時刻t10において、マスタシリンダ圧がアイドルストップ作動閾値を下回ると、スタータモータを駆動し、エンジン再始動を開始する。
【0062】
時刻t10においてエンジン再始動が開始され、時刻t11において、アイドリングが安定したと判断されると、ステップ112において液圧経験履歴が解除され、ステップ113においてヒルホールド制御が解除される。フローチャートとしては、ステップ101(ステップ201→ステップ202)→ステップ102→ステップ103→ステップ111→ステップ112→ステップ113→ステップ114(ステップ501)へと進む処理である。
【0063】
(ヒルホールド解除閾値2を越えた場合の石踏み防止処理)
図8はヒルホールド解除閾値2を越えた場合に石踏み防止処理を実行した場合のタイムチャートである。基本的な制御内容はヒルホールド解除閾値1を越えた場合と同様であるため、異なる時刻についてのみ説明する。
【0064】
時刻t7において、運転者が再度ブレーキペダルを踏み込み、時刻t81において、ステップ503におけるマスタシリンダ圧変化率がヒルホールド解除閾値2を越えると、石踏み防止処理として流入弁5をOFF(開く)とし、ヒルホールド制御が徐々に解除される。フローチャートとしては、ステップ101(ステップ201→ステップ202)→ステップ102→ステップ103→ステップ104→ステップ105→ステップ106(ステップ301→ステップ302)→ステップ107→ステップ108→ステップ109→ステップ110→ステップ114(ステップ501→ステップ502→ステップ503→ステップ504)へと進む処理である。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態のブレーキ制御装置にあっては、エンジン始動検出後、所定時間が経過したときにエンジン始動済みと判断する。これにより、エンジン始動ミス等があった場合は始動済みと判断することが無く、確実にエンジン始動を検出することができる。尚、エンジン始動検出はエンジン回転数に基づいて検出しても良いし、エンジンにより生成される負圧の高さに基づいて検出しても良いし、もしくは、エンジンにより駆動されるオルタネータの出力電圧に基づいて検出しても良い。
【0066】
また、エンジン始動履歴を確認することで、完全停止状態とアイドルストップ状態とを区別する。これにより、例えイグニッションがONであったとしても、ヒルホールド制御の必要がある場合と、必要のない場合を確認することが可能となり、ソレノイドの劣化を防止することができる。
【0067】
さらに、実施の形態では、制動力発生手段としては、マスタシリンダ圧により作動するホイールシリンダを示したが、これに限定されるものではなく、いわゆるブレーキバイワイヤと呼ばれ、運転者の制動操作に応じてポンプなどの液圧発生手段を用いてホイールシリンダに制動液圧を供給するブレーキ装置を用いてもよいし、あるいは、運転者の制動操作に応じてモータによりブレーキパッドを作動させるブレーキ装置に適用してもよい。要は、検出した路面勾配に応じてヒルホールド開始判断閾値を変更する構成であればよい。
また、ホイールシリンダを作動させる流体としてはブレーキ液(油)を用いるものを示したが、エアなど気体を用いる構造にも適用可能である。
【0068】
また、実施の形態にあっては、AT車に適用した例を示したが、本発明は、マニュアル式の変速機や無断変速機を搭載した車両に適用することもできる。
さらに、実施の形態では、圧力制御弁として、流入弁と流出弁2つの弁を用いたが、上流と下流を結びドレーン回路は遮断した第1ポジション、上流側を遮断し下流とドレーン回路を結んだ第2ポジション、上流、下流、ドレーン回路をそれぞれ遮断した第3ポジションの3つのポジションに切替可能なタイプの1つの圧力制御弁を用いてもよい。この場合、制御解除処理時には、第2ポジションに切り替えることで対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のブレーキ制御装置を示す全体図である。
【図2】実施の形態1におけるヒルホールド制御を表すフローチャートである。
【図3】実施の形態1におけるヒルホールド閾値設定処理を示す説明図である。
【図4】実施の形態1におけるエンジン始動履歴処理を表すフローチャートである。
【図5】実施の形態1における液圧経験履歴処理を表すフローチャートである。
【図6】実施の形態1における石踏み防止処理を表すフローチャートである。
【図7】実施の形態1におけるヒルホールド制御の制御例を表すタイムチャートである。
【図8】実施の形態1におけるヒルホールド制御の制御例を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
1,2 ブレーキ回路
4 ポンプ
5 流入弁
6 流出弁
7 リザーバ
10 ドレーン回路
41 吸入回路
43 吐出回路
CU コントロールユニット(ヒルホールド制御手段)
MC マスタシリンダ
WC ホイールシリンダ(制動力発生手段)

Claims (3)

  1. 定の条件に基づき、前記エンジンが始動したかどうかを検出するエンジン始動検出手段と、
    運転者の操作によるイグニッションON以降の前記エンジン始動を記憶する記憶手段と、
    エンジン停止時であって、前記記憶手段にエンジン始動が記憶されているときは、所定の条件成立時にエンジンのアイドリングを停止するアイドルストップ制御によるエンジン停止時と判断し、前記記憶手段にエンジン始動が記憶されていないときは、エンジン始動前のエンジン停止時と判断するエンジン停止条件判別手段と、
    を備えたことを特徴とするエンジン停止条件判別装置。
  2. 転者のブレーキ操作に応じて液圧を発生させるマスタシリンダと、該マスタシリンダを油圧源とし、各車輪に制動力を発生させるホイルシリンダと、前記マスタシリンダと前記ホイルシリンダとを結ぶブレーキ回路の途中に介装されたバルブと、を備えた制動力発生手段と、
    車両状態を検出する車両状態検出手段と、
    停車時に車両状態検出手段が検出するヒルホールド制御に関する所定の検出値がヒルホールド開始判断閾値を越えると、運転者が制動操作を終了しても前記バルブを閉じ、ホイルシリンダ内の液圧を保持することで車両停止状態を維持するヒルホールド制御を開始し、車両状態検出手段が検出するヒルホールド制御に関する所定の検出値がヒルホールド終了判断閾値を越えると、前記バルブを開き、ヒルホールド制御を解除するヒルホールド制御手段と、
    を備えたブレーキ制御装置であって、
    所定の条件成立時にエンジンのアイドリングを停止するアイドルストップ制御によるエンジン停止時と、エンジン始動前のエンジン停止時とを判別するエンジン停止条件判別装置として、請求項1に記載されたエンジン停止条件判別装置を備え、
    前記ヒルホールド制御手段は、前記エンジン停止条件判別装置によりエンジン始動前と判断されたときは、ヒルホールド制御を中止することを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
    前記エンジン始動検出手段は、エンジン始動から所定時間経過後であってエンジン作動状態が安定した状態においてエンジン停止条件を判別することを特徴とするブレーキ制御装置。
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