JP2003211817A - 偽造防止策を施した用紙およびその製造方法 - Google Patents

偽造防止策を施した用紙およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003211817A
JP2003211817A JP2002015227A JP2002015227A JP2003211817A JP 2003211817 A JP2003211817 A JP 2003211817A JP 2002015227 A JP2002015227 A JP 2002015227A JP 2002015227 A JP2002015227 A JP 2002015227A JP 2003211817 A JP2003211817 A JP 2003211817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
pattern
pearl
ink
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002015227A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kitamoto
義博 北本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2002015227A priority Critical patent/JP2003211817A/ja
Publication of JP2003211817A publication Critical patent/JP2003211817A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】透かしを施した用紙において、小ロット対応が
可能で製造コストが嵩まず、かつカラーコピー等による
複写物との真贋の判定が容易な偽造防止策を施した用紙
及びその製造方法の提供にある。 【解決手段】上質紙でなる基材10の片面より、紋様状
の含浸している透明樹脂層20が含浸され、該透明樹脂
層20上にパール顔料層30が貼着している偽造防止策
を施した用紙1としたもので、この紋様状の含浸してい
る透明樹脂層20とその上のパール顔料層30の形成
に、タック値で3〜6の範囲に調整された油性タイプの
オフセット用パールインキを用い、ウエット状態で2〜
6μmの範囲の印刷で得るその製造方法とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切符、入場券、あ
るいは銀行券等の偽造、変造、改ざん、または再使用を
防止する分野に用いる用紙に関するものであり、特に紙
に透かし紋様を含む偽造防止策を施した用紙およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乗車券、入場券、商品券等各種有
価証券類、あるいは銀行券、証書類等の偽造、変造、改
ざん、または再使用を防止するするために、その用紙そ
のものにそれら防止策が施されていて、その手段とし
て、紙に透かし紋様を入れる透かし(透き入れともい
う)が多く用いられていて、紙を光にかざして透かして
見ると、紋様(ロゴや絵柄等)の部分が周囲より明るく
透けて見える白透かしと、紋様の部分が暗く見える黒透
かしがあり、さらにシャドーからハイライトまで全ての
階調を再現する白黒透かしもある。
【0003】上記透き入れ方法として、例えばダンディ
ロールのワイヤー(金網)に所望の模様の凹凸を付けて
抄造する方法や、円網のすき網やプレス部に凹凸を付け
て抄造する方法があり、これらの方法は、いずれも用紙
抄造の段階で透かしを入れるものである。このように用
紙抄造の段階で透かしを入れることは、上記装置の面の
他、用紙の抄造ロットに適合した大ロットの数量と製造
時間とを必要とし、小ロットの製造には製造コスト等の
面から不向きな方法であるという問題点があった。
【0004】この問題点を解決する方法として、用紙に
印刷方式で樹脂成分を含浸させて、含浸された部分が透
けて見えて、疑似的な透かしとする印刷透かし入れ方法
がある。
【0005】上記用紙抄造時に施す透かし入れおよび印
刷透かし入れの用紙の特性として、紙に光をかざす等の
行為によって、透かし紋様を確認することによって真贋
を判定するもので、この場合透かし紋様(光透過性が高
い部分)が透けて白く(明るく)見える。これに対し、
用紙を目視する面と同一面側からの光で見る場合では、
用紙の下の色によって透かし効果に変化があり、例えば
黒い紙の上にこの透かし用紙を置いて、その上面から目
視すると、透かし紋様(光透過性が高い部分)は、用紙
の下の黒色で光が吸収され、透かし紋様が黒く(暗く)
見える。また、用紙の下の色が白色の場合は、透かし紋
様が光透過性が高くても用紙上面の光は、下の白色で反
射されて透かし紋様は確認困難となるというものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の印刷透かし入れの技術においては、小ロットに対
応可能で製造コストが嵩まない方法ではあるが、上記の
ような透かし用紙の特性から、例えばカラーコピー等に
よって意図的に偽造しようとする者が、この用紙の裏面
に黒い紙を置いてコピーすると、透かし紋様(光透過性
が高い部分)が黒くなって本物と複写物の判別が容易で
あるが、用紙の裏面に白い紙を置いてコピーすると、透
かし紋様は複写されず、よって本物と複写物との判別が
少なくとも透かし紋様では困難であるという問題点があ
った。
【0007】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
するものであり、その課題とするところは、偽造防止の
ための透かし紋様(光透過性が高い部分)を施した用紙
において、小ロット対応が可能で製造コストが嵩まず、
かつカラーコピー等による複写物とその被複写物である
本物とが、少なくとも透かし紋様で容易に判別可能な偽
造防止策を施した用紙およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、基材とな
る用紙の片面より、所望の紋様状に透明樹脂成分が含浸
され、該含浸されている紋様状の透明樹脂成分上にパー
ル顔料が貼着していることを特徴とする偽造防止策を施
した用紙としたものである。
【0009】上記請求項1の発明によれば、基材となる
用紙の片面より、所望の紋様状の透明樹脂成分が含浸さ
れているので、この紋様状の部分が透かし(透き入れ)
紋様(光透過性が高い部分)となり、光にかざして透か
してみると、透けて明るく見える透かし効果を有し、ま
たこの透明樹脂成分が含浸されている紋様状の部分の上
にパール顔料が貼着しているので、表面から目視すると
メタリック調光沢やシルク調光沢等パール光沢を有する
紋様状パターンとして認識され、カラーコピー機で複写
するとこのパール顔料が貼着している部分は、紋様像と
はならず、よってこの複写物とメタリック調等パール光
沢のでる本物とを容易に判別することができる偽造防止
策を施した用紙を提供できる。
【0010】また、請求項2の発明では、基材となる用
紙の片面に、パール顔料が分散している油性タイプのオ
フセット用パールインキを用い、所望の紋様状パターン
を印刷にて形成することを特徴とする偽造防止策を施し
た用紙の製造方法としたものである。
【0011】上記請求項2の発明によれば、用紙の片面
に、パール顔料が分散している油性タイプのオフセット
用パールインキで、所望の紋様状パターンを印刷によっ
て形成すると、このインキの樹脂成分が用紙に浸透し、
分散しているパール顔料は用紙に浸透せず表面に浮いて
きて貼着され、その結果所望の紋様状の透かし効果と紋
様状のパール光沢を有する偽造防止策を施した用紙とす
るもので、このように透かし効果とカラーコピー機によ
る複写をも防止する用紙を印刷によって形成するので、
製造コストが嵩まず、小ロット製造の対応が可能な偽造
防止策を施した用紙の製造方法とすることができる。
【0012】また、請求項3の発明では、前記基材とな
る用紙は、上質紙もしくはOCR用紙であることを特徴
とする請求項2記載の偽造防止策を施した用紙の製造方
法としたものである。
【0013】上記請求項3の発明によれば、基材となる
用紙を、上質紙もしくはOCR用紙とすることによっ
て、油性タイプのオフセット用パールインキの樹脂成分
が浸透し易くなり、かつその浸透によって疑似的乾燥を
も速めるもので、よってより優れた透かし効果(光透過
性の高い)を有し、かつ製造効率に優位な偽造防止策を
施した用紙の製造方法とすることができる。
【0014】また、請求項4の発明では、前記印刷時の
オフセット用パールインキの粘度を、必要に応じてレジ
ューサーで希釈して、JIS K 5701に準拠した
タック値で3〜6の範囲に調整することを特徴とする請
求項2または3記載の偽造防止策を施した用紙の製造方
法としたものである。
【0015】上記請求項4の発明によれば、印刷時のオ
フセット用パールインキの粘度を、必要に応じてレジュ
ーサー(希釈液)で希釈して、タック値3〜6、好まし
くは4〜5の範囲に調整することによって、用紙への透
明樹脂成分の浸透を速く深く、かつ容易にし、このタッ
ク値が6を越えると十分な深さの浸透とその速度が得ら
れず、逆にタック値が3に満たないと印刷での画像再現
性(シャープ性等)に劣ったり、乾燥に時間を要したり
することになるので好ましくない。
【0016】さらにまた、請求項5の発明では、前記オ
フセット用パールインキによる紋様状パターンの厚さ
は、ウエット状態で2〜6μmの範囲であることを特徴
とする請求項2、3または4記載の偽造防止策を施した
用紙の製造方法としたものである。
【0017】上記請求項5の発明によれば、オフセット
用パールインキによる紋様状パターンの厚さを、ウエッ
ト状態で2〜6μmの範囲とすることによって、用紙へ
浸透する透明樹脂成分の厚さを調整し、2μmに満たな
いと浸透している透明樹脂成分の厚さが足りず、透かし
としての光透過性に欠け、また6μmを越えると透明樹
脂成分が浸透しきれず表面に多く残り、乾燥(酸化重合
による疑似的乾燥)が遅くなり製造効率を妨げるので好
ましくない。
【0018】上記請求項1および請求項2でいうパール
顔料とは、規則的多重反射性と光の干渉性の光学的特性
を持ったもので、透明で、薄板状で、屈折率が大きくか
つ表面が平らな粒子でなり、例えば屈折率2.0で粒径
5〜30μmの塩基性炭酸鉛、屈折率2.15で粒径5
〜40μmの酸塩化ビスマス、あるいは屈折率が高く粒
径も5〜150μmまで広い範囲の金属酸化物被覆雲母
等の無機化合物やパール顔料中唯一の有機化合物であ
り、屈折率1.85とやや小さく、粒径は30μm以下
でソフトでなめらかなパール光沢が得られる天然パール
エッセンス等が挙げられる。これらパール顔料をインキ
用ビヒクルに分散させたものがパールインキで、メタリ
ック調やシルク調等パール光沢を得るためのものであ
る。
【0019】また、請求項3でいうOCR用紙とは、印
刷や手書き文字、図形等を光学的に読み取り、コンピュ
ーターにインプットする光学式文字読取装置に搭載する
用紙で、セルロースパルプに炭酸カルシウム、クレー、
タルク等填料、ロジン等サイズ剤あるいは酸化デンプン
等水性樹脂、および必要に応じて紙力増強剤等の添加薬
品を配合せしめて抄紙された紙で、上質紙と同様にオフ
セット印刷等の油性インキに対する印刷適性(浸透乾燥
性等)に優れ、かつ水性インキや油性インキに対して優
れた筆記適性を有する用紙としたものである。
【0020】また、上記請求項4でいうインキの粘度
は、JIS K 5701(平版インキ及びとっぱんイ
ンキの試験方法)に準拠したタック値を適用したもの
で、このタックはインキの分裂する際の抵抗(粘着性)
で、この測定はインコメーターで行い、平・凸版インキ
の管理に使用されるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
用いて詳細に説明する。本発明の偽造防止策を施した用
紙は、図1の側断面積層図に示すように、例えば上質紙
を基材(10)とし、この基材(10)の表面から裏面
にかけて、オフセットインキの透明樹脂成分がロゴ等紋
様状に浸透していて含浸している透明樹脂層(20)を
形成し、この透明樹脂層(20)上にパール顔料が貼着
されてパール顔料層(30)を形成している偽造防止策
を施した用紙(1)である。
【0022】上記のような構成の偽造防止策を施した用
紙(1)を、図2の側断面積層図に示すように、例えば
反射率の高い白色紙(40)の上に置いた場合、パール
顔料層(30)の下に含浸している透明樹脂層(20)
は、その下にある反射率の高い白色紙(40)により白
色を呈し、その上にあるパール顔料層(30)が表面か
らの光(O)によりメタリック調等のパール光沢を有す
る偽造防止策を施した用紙(1)となる。
【0023】また、上記のような構成の偽造防止策を施
した用紙(1)を、図3の側断面積層図に示すように、
例えば裏面から光(O)をかざして表面から見ると、含
浸している透明樹脂成分(20)の部分がロゴ等紋様状
に透けて見える透かし効果のある偽造防止策を施した用
紙(1)となる。なおこの時のパール顔料層(30)
は、光沢は発しない層となる。
【0024】さらにまた、上記のような構成の偽造防止
策を施した用紙(1)を、図4の側断面図に示すよう
に、例えばカラー複写機(100)の上に、表面のパー
ル顔料層(30)を下にして、裏面には反射率の高い白
色紙(40)を載せ(但しコピー機には反射率の高い白
色プレート等が原稿カバーとして設けられているので実
質的にはこの必要はない)、複写すると、その複写物に
はパール顔料層(30)は再現されず、よって上記図2
に示したように、表面から見てメタリック調等のパール
光沢を有する本物とこのパール光沢が再現されないカラ
ー複写物とを容易に判別することができるようになるも
のである。
【0025】以下に本発明の偽造防止策を施した用紙の
製造に係わる材料等について説明する。まず、本発明の
偽造防止策を施した用紙の基材(10)としては、厚さ
60〜150μmの範囲、好ましくは80〜100μm
の範囲の上質紙、もしくは印刷や手書き文字、図形等を
光学的に読み取り、コンピューターにインプットする光
学式文字読取装置に搭載するOCR用紙で、前述したよ
うに、セルロースパルプに炭酸カルシウム、クレー、タ
ルク等填料、ロジン等サイズ剤あるいは酸化デンプン等
水性樹脂、および必要に応じて紙力増強剤等の添加薬品
を配合せしめて抄紙された紙で、上質紙と同様にオフセ
ット印刷等の油性インキに対する印刷適性(浸透乾燥性
等)に優れ、かつ水性インキや油性インキに対して優れ
た筆記適性を有するOCR用紙が好適に用いられる。こ
れは油性タイプのオフセット用インキを構成する樹脂成
分が浸透し易い種類の用紙であって、その厚さが150
μmを越えると図1に示す含浸している透明樹脂層(2
0)の厚さ(W)に対し、その下層となる含浸していな
い層の厚さ(N)が大きくなり、含浸している透明樹脂
層(20)の光透過性を低下させることになり、逆に6
0μmに満たないと、含浸している透明樹脂層(20)
が基材(10)の厚さを越えて印刷中の裏移り現象を引
き起こしたり、基材(10)が薄すぎるため、印刷機械
適性(紙送り等)に欠ける等の問題があるので好ましく
ない。
【0026】また、本発明の偽造防止策を施した用紙の
製造に用いる油性タイプのオフセット用パールインキと
しては、上記課題を解決するための手段の項で述べた塩
基性炭酸鉛、酸塩化ビスマス、あるいは金属酸化物被覆
雲母等の無機化合物や天然パールエッセンス等の有機化
合物でなるパール顔料をインキ用ビヒクルに分散させた
もので、さらに具体的には、例えば10〜25重量%の
上記パール顔料と、透明樹脂成分として20〜30重量
%のロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂等、植
物油として10〜20重量%の大豆油、亜麻仁油、桐油
等、溶剤として25〜35重量%の鉱物油、ナフテン、
パラフィン等でなるビヒクルに、添加剤として5〜10
重量%のナフテン酸コバルト等でなるドライヤー、酸化
抑制剤、裏移り防止剤などで構成される油性タイプのイ
ンキが挙げられ、また、この油性タイプのオフセット用
パールインキの粘度調整(タック値の低下)に用いるレ
ジュウサーとしては、上記インキ中の溶剤(鉱物油、ナ
フテン、パラフィン等を主成分とした)が使用される。
【0027】この油性タイプのオフセット用パールイン
キによる印刷方式としては、通常の平版オフセット印刷
で1〜3度刷りし、基材(10)の厚さを勘案しながら
インキ塗布量(厚さ)を2〜7μm(ウエット)とする
が、1度刷りで比較的インキ塗布量(厚さ)を多くでき
る樹脂凸版によるオフセット印刷(ドライオフセット印
刷ともいう)やダイレクト凸版印刷、あるいはインキ供
給をアニロックスローラーを介して転移するフレキソ印
刷方式として製造効率を向上させることもできる。
【0028】
【実施例】次に実施例により、本発明を具体的に説明す
る。 〈実施例1〉図4に示すように、基材(10)として
は、厚さ100μm(70Kg/四六)の上質紙の片面
に、パール顔料が分散しているオフセット用パールイン
キ:DIKフラッシュパールイエロー(大日本インキ化
学工業社製)をレジューサー:00ニス(東洋インキ製
造社製)で希釈してタック4に調整し、この調整された
インキを用いて樹脂凸版によるオフセット印刷により、
紋様状のパターンとして「T」の文字をインキ塗布量
(厚さ)で4μm(ウエット)になるように形成し、偽
造防止策を施した用紙とした。
【0029】上記で得られた偽造防止策を施した用紙の
「T」文字が形成された面に、この「T」文字の周囲を
除いて絵柄等をオフセット印刷にて絵柄印刷部(50)
を形成し、試験用の証券印刷物(2)を得た。
【0030】〈比較例1〉パール顔料が含んでいないオ
フセット用インキとした以外は、実施例1と同様にして
試験用の証券印刷物を得た。
【0031】上記実施例1および比較例1で得られた試
験用の証券印刷物を、光をかざして透かして見ると、両
者ともに「T」の文字が透けて明るく見える透かし効果
を有するものであった。しかし、この両者を表面から反
射光で目視すると、前者実施例1の試験用の証券印刷物
(2)では、図4に示すように、「T」の文字でなるパ
ール顔料層(30)が金色系のパール光沢を有するもの
であったのに対し、比較例1の試験用の証券印刷物で
は、「T」の文字は目視されなかった。また、この両者
をカラー複写機で複写すると、両者とも「T」の文字は
複写されなかった。よって実施例1の試験用の証券印刷
物(2)とカラー複写物とは容易に真贋の判定ができる
が、比較例1では、少なくとも反射で目視する限りでは
真贋の判定は困難なものであった。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、上記請求項1に係わる発明
においては、基材となる用紙の片面より、所望の紋様状
に透明樹脂成分が含浸され、該含浸されている紋様状の
透明樹脂成分上にパール顔料が貼着している偽造防止策
を施した用紙としたもので、このように紋様状の透明樹
脂成分が用紙に含浸されているので、この紋様状の部分
が透かし(透き入れ)紋様(光透過性が高い部分)とな
り、光にかざして透かしてみると、透けて明るく見える
透かし効果を有し、またこの透明樹脂成分が含浸されて
いる紋様状の部分の上にパール顔料が貼着しているの
で、表面から目視するとメタリック調光沢やシルク調光
沢等パール光沢を有する紋様状パターンとして認識さ
れ、カラーコピー機で複写するとこのパール顔料が貼着
している部分は、紋様像とはならず、よってこの複写物
とメタリック調等パール光沢のでる本物とを容易に判別
することができる偽造防止策を施した用紙を提供でき
る。
【0033】また、上記請求項2に係わる発明において
は、基材となる用紙の片面に、パール顔料が分散してい
る油性タイプのオフセット用パールインキで、所望の紋
様状パターンを印刷によって形成することによって、こ
のインキの樹脂成分が用紙に浸透し、分散しているパー
ル顔料は用紙に浸透せず表面に浮いてきて貼着され、そ
の結果所望の紋様状の透かし効果と紋様状のパール光沢
を有する偽造防止策を施した用紙とするもので、このよ
うに透かし効果とカラー複写機による複写をも防止する
用紙を印刷によって形成するので、製造コストが嵩ま
ず、小ロット製造の対応が可能な偽造防止策を施した用
紙の製造方法とすることができる。
【0034】また、上記請求項3に係わる発明において
は、基材となる用紙を、上質紙もしくはOCR用紙とす
ることによって、油性タイプのオフセット用パールイン
キの樹脂成分が浸透し易くなり、かつその浸透によって
疑似的乾燥をも速めるもので、よってより優れた透かし
効果(光透過性の高い)を有し、かつ製造効率に優位な
偽造防止策を施した用紙の製造方法とすることができ
る。
【0035】また、上記請求項4に係わる発明において
は、印刷時のオフセット用パールインキの粘度を、必要
に応じてレジューサー(希釈液)で希釈して、JIS
K5701に準拠したタック値3〜6、好ましくは4〜
5の範囲に調整することによって、用紙への透明樹脂成
分の浸透を速く深く、かつ容易にし、このタック値が6
を越えると十分な深さの浸透とその速度が得られず、逆
にタック値が3に満たないと印刷での画像再現性(シャ
ープ性等)に劣ったり、乾燥に時間を要したりすること
になるので好ましくない。
【0036】さらにまた、上記請求項5に係わる発明に
おいては、オフセット用パールインキによる紋様状パタ
ーンのインキ塗布量(厚さ)を、ウエット状態で2〜6
μmの範囲とすることによって、用紙へ浸透する透明樹
脂成分の厚さを調整し、2μmに満たないと浸透してい
る透明樹脂成分の厚さが足りず、透かしとしての光透過
性に欠け、また6μmを越えると透明樹脂成分が浸透し
きれず表面に多く残り、乾燥(酸化重合による疑似的乾
燥)が遅くなり製造効率を妨げるのを防ぐ効果を有する
製造方法とすることができる。
【0037】従って本発明は、切符、入場券、あるいは
銀行券等の偽造、変造、改ざん、または再使用を防止す
る分野に用いる用紙において、特に紙に透かし紋様を含
む偽造防止策を施した用紙およびその製造方法として、
優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偽造防止策を施した用紙の一実施の形
態を側断面で表した説明図である。
【図2】本発明の偽造防止策を施した用紙の効果の一事
例を説明する側断面の模式図である。
【図3】本発明の偽造防止策を施した用紙の他の効果の
一事例を説明する側断面の模式図である。
【図4】本発明の偽造防止策を施した用紙のさらに他の
効果の一事例を説明する側断面の模式図である。
【図5】本発明の偽造防止策を施した用紙を用いた証券
印刷物の一事例を正面で表した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥偽造防止策を施した用紙 2‥‥試験用の証券印刷物 10‥‥基材 20‥‥含浸している透明樹脂層 30‥‥パール顔料層 40‥‥白色紙 50‥‥絵柄印刷部 100‥‥カラー複写機 N‥‥含浸している透明樹脂層の深さ O‥‥光 W‥‥含浸している透明樹脂層の下層にある紙層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 21/26 D21H 21/26 21/40 21/40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材となる用紙の片面より、所望の紋様状
    に透明樹脂成分が含浸され、該含浸されている紋様状の
    透明樹脂成分上にパール顔料が貼着していることを特徴
    とする偽造防止策を施した用紙。
  2. 【請求項2】基材となる用紙の片面に、パール顔料が分
    散している油性タイプのオフセット用パールインキを用
    い、所望の紋様状パターンを印刷にて形成することを特
    徴とする偽造防止策を施した用紙の製造方法。
  3. 【請求項3】前記基材となる用紙は、上質紙もしくはO
    CR用紙であることを特徴とする請求項2記載の偽造防
    止策を施した用紙の製造方法。
  4. 【請求項4】前記印刷時のオフセット用パールインキの
    粘度を、必要に応じてレジューサーで希釈して、JIS
    K 5701に準拠したタック値で3〜6の範囲に調
    整することを特徴とする請求項2または3記載の偽造防
    止策を施した用紙の製造方法。
  5. 【請求項5】前記オフセット用パールインキによる紋様
    状パターンの厚さは、ウエット状態で2〜6μmの範囲
    であることを特徴とする請求項2、3または4記載の偽
    造防止策を施した用紙の製造方法。
JP2002015227A 2002-01-24 2002-01-24 偽造防止策を施した用紙およびその製造方法 Pending JP2003211817A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002015227A JP2003211817A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 偽造防止策を施した用紙およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002015227A JP2003211817A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 偽造防止策を施した用紙およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003211817A true JP2003211817A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27651685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002015227A Pending JP2003211817A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 偽造防止策を施した用紙およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003211817A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106847071A (zh) * 2017-03-22 2017-06-13 北京康得新功能材料有限公司 一种随机纹理的防伪薄膜

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106847071A (zh) * 2017-03-22 2017-06-13 北京康得新功能材料有限公司 一种随机纹理的防伪薄膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5601683A (en) Photocopy resistant document and method of making same
US20130128319A1 (en) Process of printing neon fluorescent offset printing ink(s) in solids and very light densities as an economical means to create overt and covert fluorescent patterns/messages to be used to deter and detect counterfeiting, tampering and fraud within secure documents
US6214766B1 (en) Security feature for paper products
PL180292B1 (pl) Zabezpieczony papier wartosciowy i sposób wytwarzania zabezpieczonego papieru wartosciowego PL PL PL PL PL PL PL PL
DE10124630A1 (de) Wertpapier und Verfahren zu seiner Herstellung
JP5044841B2 (ja) 偽造防止印刷物
JP4192233B2 (ja) フリップフロップ性又はカラー・フリップフロップ性を有する偽造防止印刷物
KR100962366B1 (ko) 보안 은선 인쇄용 잉크 조성물과 이를 이용한 그라비아인쇄방법
JP2004027416A (ja) 真贋判定機能を有する真珠顔料塗工シートとそれを使用した真贋判定機能を有する印刷物
JP2001159094A (ja) 偽造防止用紙およびそれを用いた有価証券
JP2003211817A (ja) 偽造防止策を施した用紙およびその製造方法
KR101253589B1 (ko) 위조방지용 인쇄용지 및 그 제조방법
RU2392125C2 (ru) Носитель данных с полутоновым изображением
JPH0756377A (ja) 偽造防止用紙及び偽造防止印刷物
JPH08183280A (ja) 透かし模様形成用紙
JP4168458B2 (ja) 偽造防止策を施した用紙及びこの用紙を用いた印刷物
JP2005171429A (ja) 透かし入り用紙
US8371616B2 (en) False positive testing device
EP1395439A1 (de) Wertpapier und verfahren zu seiner herstellung
JP2001159096A (ja) 偽造防止用紙およびそれを用いた有価証券
JP2011149107A (ja) 改竄防止用紙
JP2002127649A (ja) 隠蔽情報形成体
JP2001207398A (ja) 偽造防止用紙
JPH08290646A (ja) 印刷物
JP3734414B2 (ja) 偽造防止用シート