JP2003211436A - コンクリートドリル - Google Patents
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Abstract
搬音を発生させないとともに、手持ち式のコンクリート
ドリルに作業者による押し付け力を補助させる押し付け
力を与えることにより、穿孔時間を速くする。 【技術手段】 本体1に収容した駆動源2によりビット
駆動軸4を回転駆動して、前記本体1から前方に突出さ
せたビット駆動軸4の先端に取り付けたダイヤビット5
によりコンクリート等に穿孔させるようにしたコンクリ
ートドリルであって、大きさが脈動して変化する前記ビ
ット駆動軸4に沿った加振力を前記本体1に付与させる
加振装置8を前記本体1に設ける。
Description
ンカー等取付けるための穴あけを行うコンクリートドリ
ルに関する。 【0002】 【従来の技術】現在、コンクリートで構築された壁等へ
アンカー装着用の穴をあけるためのコンクリートドリル
としてはハンマードリルとダイヤモンドドリルとが知ら
れている。ハンマードリルは先端に超硬チップ取り付け
たドリルビットを軸方向に打撃力を付与させながら回転
させてコンクリートを衝撃破壊させて穿孔させるもの
で、穿孔速度が速く、ビットとコンクリートドリルその
ものの価格が安いため普及率は高いが、作業時に極めて
大きな騒音が発生するという問題がある。 【0003】ハンマードリルでは、ドリルビットを回転
させるとともに衝撃的な打撃力を与えるものであるた
め、ドリルビットの衝撃が壁に直接伝搬されて壁を振動
させ、穴あけ作業をしている部屋で発生した振動が壁な
どを伝わって離れた部屋に躯体伝播音として伝搬して、
広範囲に大きな騒音を発生させてしまう。したがって、
打撃を利用したハンマードリルはリフォーム等の生活・
営業したままでの居ながら施工には使用できないという
問題がある。 【0004】一方、ダイヤモンドドリルは、円筒状のビ
ット先端にメタルボンドと呼ばれる金属の中にダイヤモ
ンド粒が埋め込まれたチップが取り付けられており、ダ
イヤビットを回転させることにより先端のチップに埋め
込まれたダイヤモンドをコンクリートに食い込ませ研削
して穿孔させるものである。ダイヤモンドのひと粒の大
きさは400ミクロン程度で、1個のビットに1500
粒程のダイヤモンド粒が入っているもので、この細かい
ダイヤモンド粒がコンクリートを削って穿孔するもので
あるため、発生音は小さくハンマードリルのような躯体
伝播音を発生することが無く離れた部屋ではかなり静か
で居ながら施工が可能である。 【0005】ダイヤモンドドリルでは、穿孔速度を速く
するためにダイヤチップをコンクリート面に押し付ける
所定の押し付け力が必要である。例えば、コンクリート
への穴径40mm程度以上の大きな穴あけでは、送り装
置を備えた設置型のツールを小型アンカーにより壁面に
固定して、送り装置により大きな押し付け力を与えてビ
ットをコンクリートに押し付けることで静音での速い穿
孔速度を実現している。また、12mm程度までの穴あ
けでは手持ち式のツールを作業者が壁面に向けて押し付
けられる程度の押し付け力でも穿孔速度はやや落ちるが
充分実用可能である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、作業者
が無理なくコンクリートドリルをコンクリート面に押し
付ける押し付け力は横方向で15kgf程度が限度だと
いわれており、穴径が16乃至38mmのアンカー穴あ
けでは、これより更に大きな押し付け力が必要となる。
16乃至38mmの穴あけで作業時間もそれほど長くな
いので、送り装置を備えた設置型は使用されずハンドツ
ールが使用されるが、穿孔径が大きくなるに従ってダイ
ヤチップとコンクリートの接触面積が大きくなるので、
ハンドツールへの充分な押し付け力が与えられないため
穿孔速度が遅くなってしまうという問題がある。 【0007】本発明は、ハンマードリルでの穿孔時に発
生する躯体伝搬音を発生させないとともに、穿孔時間を
より速くすることが可能なコンクリートドリルを提供す
ることを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、本体に収容した駆動源によりビット駆動軸を
回転駆動して、前記本体から前方に突出させたビット駆
動軸の先端に取り付けたドリルビットを回転させること
によりコンクリート等に穿孔させるようにしたコンクリ
ートドリルであって、大きさが脈動して変化する前記ビ
ット駆動軸に沿った加振力を前記本体に付与させる加振
装置を前記本体に設けたことを特徴とする。 【0009】 【発明の実施の形態】図に示す実施例に基づいて本発明
の実施の形態を説明する。図1乃至図4は本発明の第一
の実施例に係るコンクリートドリルを示すもので、1に
収容されたモータ2の動力によって本体1内の駆動軸3
を回転させて、駆動軸3に連結されたビット駆動軸4を
回転させて本体1の先端から突出されているの先端に取
り付けたダイヤビット5を回転させてコンクリートを穿
孔させる。作業者は本体1の後端に形成されたグリップ
6と本体1の側面に設けられた補助グリップ7を把持し
て前記ダイヤビット5をコンクリート面に押し付けるよ
うにしている。 【0010】本体1の前端部の上面にはダイヤビット5
をコンクリート面へ押圧させる押し付け力を補助するた
めの加振装置8が設けられており、これによって本体1
に脈動的な振動を発生させるようにしている。加振装置
8は図3に示すように、本体1の前端部に形成されたブ
ラケット部9の上面に枠体10が取り付けられており、
該枠体10にビット駆動軸4の伸展方向に対して直角の
方向に向けて互いに平行に配置された2つの回転軸11
が形成されている。図4に示すように、回転軸11の各
々には偏心ウエイト12が対称的に取り付けられてお
り、さらに回転軸11には互いに噛みあわされたギヤ1
3が取り付けられており、このギヤ13によって回転軸
11が逆方向に同期して回転するようにされている。一
方の回転軸11の端部にはモータ14が連結されてお
り、このモータ14によって逆方向に回転される各回転
軸11の回転により対称的に取り付けられた偏心ウエイ
ト12が回転して本体1にビット駆動軸4の軸方向に沿
った脈動の加振力が付与される。 【0011】本体1に発生された脈動の加振力は、ビッ
ト駆動軸4を介してダイヤビット5に伝搬されてビット
先端をコンクリートに押圧させる押圧力として作用す
る。加振装置8による押圧力は作業者がコンクリートド
リルをコンクリート面に押し付けている押し付け力と合
成されてより大きな押し付け力でダイヤビット5とコン
クリート面間に大きな面圧が発生する。この押し付け力
は加振装置8による脈動であるので、ダイヤビット5と
コンクリート面間の面圧が脈動的に変化して切粉をダイ
ヤビット5とコンクリート面間から排出して切粉による
穿孔能力の低下が防止できる。上記回転軸11に取り付
けた偏心ウエイト12の重量及び外径は押付力にして最
大±30Kgf程度の脈動が発生するように設定するこ
とが望ましい。また、脈動の振動数が毎分50乃至30
0程度となるように前記モータ14の回転数を設定する
ことが好ましい。 【0012】作業者がコンクリートドリルを押し付ける
押し付け力を±15Kgfとし、上記実施例による偏心
ウエイト12による加振力の最大値が±30Kgfとな
るように設定した場合に、加振力を与えていない場合と
比較して、16mmから36mmの穴径のビットでコン
クリートに対して穴あけ作業をした実験の結果、本発明
の加振装置8を実施しコンクリートドリルでは何れの穴
径の場合にも50%以上の穿孔速度の向上が確認でき
た。一方、駆体伝播音はいずれの穴径でも60dB弱で
あり加振力を与えないコンクリートドリルと殆ど同程度
であることが確認できた。 【0013】上記実施例では、加振装置8を作動させる
モータ14をビット駆動用のモータ2と別に配置してい
るので、既存の加振装置を備えていないコンクリートド
リルへ取り付けて加振装置付きのコンクリートドリルと
して使用することが可能であり、既存のコンクリートド
リルを利用してのコンクリートへの穴あけ作業の効率を
向上させることができる。 【0014】図5及び図6は他の実施例を示すもので、
加振装置15が本体1の内部に内蔵されており、ビット
駆動軸4を回転駆動するモータ2によりベルト16を介
して作動されるようにされている。加振装置15は、本
体1の内部に配置された筒状回転体17の内側に外周面
に螺旋溝18がエンドレス状に形成されたウエイト19
が駆動軸3の軸線方向に摺動可能に配置されており、筒
状回転体17の内周面に突出形成された突起20を前記
螺旋溝18に遊嵌させることにより、筒状回転体17の
回転によりウエイト19を往復作動させるようにしてい
る。筒状回転体17は前記モータ2とベルト16で連結
されて駆動軸3が回転されるときに回転されるようにさ
れている。筒状回転体17が回転されて突起20が回転
することにより、ウエイト19が螺旋溝18により駆動
軸3に沿って往復駆動されて、これによって本体1には
脈動的な加振力が付与される。 【0015】なお、前記加振装置15による脈動の振動
数が毎分50乃至300程度になるように筒状回転体1
7の回転数を減速させるように設定する。上記実施例で
は、ビット駆動用のモータ2を利用して加振装置15を
作動させるようにしているので、加振装置を作動させる
ためのモータ等の駆動手段を別に設ける必要が無く、コ
ンクリートドリルを小型にすることができる。 【0016】図7及び図8は更に別の実施例を記すもの
であり、この実施例ではビット駆動軸4と平行な方向に
沿って可動なムービングコイルを備えた加振装置21を
本体1に内蔵したものである。加振装置21は、駆動軸
3と平行に設置されたガイドロッド22にウエイト23
を摺動自在に装着してこのウエイト23の外周に可動コ
イル24が一体に形成されている。可動コイル24の外
周側には可動コイル24の外周面と間隔を隔ててマグネ
ット25が配置されており、前記可動コイル24に交流
電流を流すことによってウエイト23をガイドロッド2
2に沿って往復動させて本体1に脈動の振動を付与させ
るようにしたものである。なお、ウエイト23の往復動
端部にはダンパ26が配置されており、ウエイト23が
往復動の端部で衝撃音が発生するのを防止している。 【0017】なお、前記加振装置21によるウエイト2
3の振動数が毎分50乃至300程度になるようにムー
ビングコイル24に付与する交流電流の周波数を設定す
ればよい。上記実施例では、加振装置21を構成する駆
動部分が小さいため加振装置を内蔵させたコンクリート
ドリルを更に小型にすることが可能である。 【0018】 【発明の効果】上記のように本発明によれば、コンクリ
ートドリルの本体部にビット駆動軸の軸方向に沿った加
振力を付与させるようにしているので、ダイヤビットを
コンクリート面に対して脈動的に変化する面圧を付与さ
せることができ、これにより作業者による押し付け力を
補って大きな押し付け力を発生させることができるとと
もに、押し付け力の脈動により切粉による能力低下が防
止されることにより、速い穿孔能力が得られる。更に、
本体に加振力を発生させてこれによりダイヤビットに面
圧を付与しているので、ハンマードリルのような躯体伝
搬音が発生せず、リフォーム現場等の居ながら施工での
作業が可能である。
面図 【図2】図1と同じコンクリートドリルの斜視図 【図3】図1のコンクリートドリルの加振装置の縦断面
図 【図4】図3の加振装置の主要機構を示す断面図 【図5】本発明の別の実施例によるコンクリートドリル
の側面図 【図6】図5のコンクリートドリルの加振装置の縦断面
図 【図7】本発明の更に別の実施例によるコンクリートド
リルの側面図 【図8】図7のコンクリートドリルの加振装置の縦断面
図 【符号の説明】 1 本体 2 モータ 3 駆動軸 4 ビット駆動軸 5 ダイヤビット 6 グリップ 7 補助グリップ 8 加振装置 9 ブラケット部 10 枠体 11 回転軸 12 偏心ウエイト 13 ギヤ 14 モータ 15 加振装置 16 ベルト 17 筒状回転体 18 螺旋溝 19 ウエイト 20 突起 21 加振装置 22 ガイドロッド 23 ウエイト 24 可動コイル 25 マグネット 26 ダンパ
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 本体に収容した駆動源によりビット駆動
軸を回転駆動して、前記本体から前方に突出させたビッ
ト駆動軸の先端に取り付けたダイヤビットを回転させる
ことによりコンクリート等に穿孔させるようにしたコン
クリートドリルであって、大きさが脈動して変化する前
記ビット駆動軸に沿った加振力を前記本体に付与させる
加振装置を前記本体に設けたことを特徴とするコンクリ
ートドリル。
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