JP2013215832A - ドリル工具及びドリル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】穿孔により発生するコンクリート粉の排出を効率的に行うことで、加振装置部の機能を最大限発揮させることができるドリル工具を提供する。
【解決手段】モータで偏心ウエイト15,16を互いに逆方向に回転駆動することにより、ビット駆動軸3の軸線方向に作用して大きさが脈動する加振力とビット駆動軸3の回転方向に作用して大きさが脈動する加振モーメントとを発生させるドリル工具1において、前記ビット駆動軸3の内部に通気経路3aを設けるとともに、前記通気経路3aに圧縮空気を供給可能に形成し、前記通気経路3aに供給された圧縮空気が前記ダイヤビット4の先端部から吹き出すようにした。
【選択図】図7

Description

この発明は、加振装置部を備えたドリル工具及びドリル装置に関するものである。
一般に、コンクリートドリル工具としては、ハンマードリルや振動ドリル、ダイヤモンドドリルが知られている。
このうち、ダイヤモンドドリルは、略円筒状或いは略円柱状のビットの先端に、メタルボンドと呼ばれる焼結金属の中にダイヤモンド粒が埋め込まれたダイヤチップが取付けられたダイヤビットが用いられており、このダイヤビットに押し付け力と回転を加えることにより、ビット先端のダイヤチップのダイヤモンドをコンクリートに食い込ませ、コンクリートを研削して穿孔する。
ダイヤモンドドリルは穿孔時の発生音が小さく、また、ハンマードリルや振動ドリルのように打撃力や衝撃力を伝播させることがないため、穿孔作業箇所から離れた所に位置する部屋では穿孔作業時でもかなり静かであって、同一建物内や近隣の家屋に居住しながらの施工が可能である。
こうしたダイヤモンドドリルの穿孔速度を向上させるためには、ダイヤモンドがコンクリートを削る量を増やす必要がある。このための手段としては、ダイヤビットの回転数を増して単位時間に削る量を増やすことや、ダイヤビット、即ち工具本体をコンクリートへ押し付ける力を増大させてダイヤモンドのコンクリートへの食い込み量を増大させることで削る量を増やすことが考えられる。しかしながら、このダイヤビットの回転数と押し付け力とをバランスさせることが重要であり、押し付け力が不足している状態でダイヤビットの回転数を増大させても、ダイヤビットのビット先端が充分にコンクリートに食い込むことができない状態のままダイヤビットが回転してしまい、ダイヤビットが早期に磨耗して穿孔が困難となってしまう。また、一般的に、作業者が穿孔作業中に持続発揮できるダイヤビット(工具)の押し付け力は10〜15kgf程度といわれており、作業者が自身の体力だけに基づいてダイヤビット(工具)の押し付け力を増大させることには限度がある。この結果、ダイヤモンドドリルの穿孔速度を向上させようとしても限界がある。加えて、作業者が発揮できる押し付け力に限度がある状況下において、より大径の穿孔を行なおうとすると、穿孔径が大きくなるにつれてダイヤモンド一粒あたりの押し付け力が減少することになり、この点からも穿孔速度を向上させることが困難である。
このような問題点を解決するには、例えば、加振力を付与する加振装置をコンクリートドリル装置本体に設けることが有効である。例えば特許文献1には、ダイヤビット駆動用モータとは別のモータの出力軸の軸線を挟んで対称位置に対向するとともに前記別のモータの出力軸の軸線に直交する軸線のまわりに回転可能に配置された偏心ウエイトを有する加振装置部を備え、前記モータで偏心ウエイトを互いに逆方向に回転駆動することにより、ビット駆動軸においてもその軸線方向に作用して大きさが脈動する加振力と、ビット駆動軸の回転方向に作用して大きさが脈動する加振モーメントとをビット駆動軸に発生させるようにした発明が開示されている。この発明によれば、ドリル工具の押付力を作業者の押付力と加振力との総和とすることができ、加振力によって作業者の押付力を補うことができる。また、ビット駆動軸の回転方向に大きさが脈動する加振モーメントを作用させることにより、ビット駆動軸の回転トルクを駆動源の出力と加振モーメントとを足し合わせたものとすることができ、駆動源の出力だけによる回転トルクよりも増加させた状態を得ることができる。したがって、小さな押付力での穿孔が可能となり、穿孔速度の向上を図ることができる。
しかし、穿孔する穴が深くなると、コンクリート粉が排出されない影響が顕著となり、穴底の粉がビットに対するクッションとなってビットの食い付きを阻害することで、加振の効果を低減させてしまう。さらに、その後は、穴とビットの間に粉が詰まることでビットの回転を著しく低下させ、穿孔を継続することが出来なくなる場合がある。
特許第4742613号公報
本発明は、上記したような加振装置部を備えたドリル工具において、穿孔により発生するコンクリート粉の排出を効率的に行うことで、深い穴を穿孔するような場合であっても、加振装置部の機能を最大限発揮させることができるドリル工具を提供することを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、以下の点を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載のドリル工具は、装置本体に収容した駆動源と、該駆動源によって回転駆動されるとともに上記装置本体の前方側に突出して設けられたビット駆動軸と、該ビット駆動軸の先端部に取り付けられたダイヤビットとを備え、ダイヤビット駆動用モータとは別のモータの出力軸の軸線を挟んで対称位置に対向するとともに前記別のモータの出力軸の軸線に直交する軸線のまわりに回転可能に配置された偏心ウエイトを有する加振装置部を備え、前記モータで偏心ウエイトを互いに逆方向に回転駆動することにより、前記ビット駆動軸の軸線方向に作用して大きさが脈動する加振力と上記ビット駆動軸の回転方向に作用して大きさが脈動する加振モーメントとを発生させるドリル工具において、前記ビット駆動軸に、圧縮空気を軸方向に供給可能な通気経路を形成するとともに、前記ビット駆動軸の先端部に、前記通気経路に供給された圧縮空気が吹き出し可能な開口部を設けたことを特徴とする。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、以下の点を特徴とする。
すなわち、請求項2に記載のドリル装置は、請求項1記載のドリル工具と、前記ビット駆動軸の前記通気経路に接続されて、圧縮空気を前記通気経路に供給する給気手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、ダイヤビット駆動用モータとは別のモータの出力軸の軸線を挟んで対称位置に対向するとともに前記別のモータの出力軸の軸線に直交する軸線のまわりに回転可能に配置された偏心ウエイトを有する加振装置部を備え、前記モータで偏心ウエイトを互いに逆方向に回転駆動することにより、加振装置部を備えたビット駆動軸において、その軸線方向に作用して大きさが脈動する加振力と、ビット駆動軸の回転方向に作用して大きさが脈動する加振モーメントとをビット駆動軸に発生させることで、作業者の押付力を補い、また、回転トルクを増加させた状態を得ることができ、前記ビット駆動軸の内部に通気経路を設けるとともに、前記通気経路に圧縮空気を供給可能に形成して、前記通気経路に供給された圧縮空気が前記ビットの先端部から脈動を有した非定常な流れとなって吹出すようにしたので、ビットの先端部から吹出す圧縮空気によってコンクリート粉の排出を効率的に行うことができ、コンクリート粉がクッションとなって加振装置の機能が低下する問題や、ビットの回転速度を低下させるといった問題が発生せず、加振装置の機能を最大限発揮させることができる。
従って、従来の加振方式のドリル工具では作業が困難であった深い穴の穿孔作業が、小さな押付力で可能となり、穿孔速度の向上を図ることができる。
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、請求項1に記載のドリル工具の機能により、ドリル装置としても同様な加振装置の機能を最大限発揮させることができる。
コンクリートドリルの斜視図である。 コンクリートドリルの縦断面図である。 コンクリートドリルの平面の要部断面図と偏心ウエイトと力の関係図である。 コンクリートドリルの遅延制御ブロック図である。 加振装置が作動することによる効果を示すグラフ図である。 コンクリートドリルの使用状態図である。 コンクリートドリルの使用状態図であって、ダイヤビットの先端付近の拡大断面図である。 加振の有無、圧縮空気供給の有無による穿孔性能比較グラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るコンクリートドリル1は、装置本体2に収容した駆動源によりビット駆動軸3を回転駆動して、前記装置本体2の前方に突出させたビット駆動軸3の先端に取り付けたダイヤビット4を回転させることによりコンクリートに穿孔させるようにしたものである。
装置本体2には図2に示されるように、駆動源として電力で作動する加振装置用モータ5とビット駆動軸用モータ6とが設けられている。加振装置用モータ5は加振装置7に作動連結されている。すなわち、図3に示されるように、加振装置用モータ5の出力軸8にはベベルギア9が固定され、このベベルギア9の左右両側には互いに対向する2つのベベルギア10、11が噛合している。対向する各ベベルギア10、11の回転軸13、14にはそれぞれ偏心ウエイト15、16が一体的に固定されている。偏心ウエイト15、16は半円状に形成され、中心には軸孔が形成されている。偏心ウエイト15、16はそれぞれベベルギア10、11と一体に回転する。
上記構成によれば、加振装置用モータ5を作動させることにより、その回転力はベベルギア9、10、11を介して偏心ウエイト15、16に伝達され、対向する2つの偏心ウエイト15、16は互いに逆方向に回転する。
次に、図2に示されるように、ビット駆動軸用モータ6は駆動装置に作動連結されている。すなわち、ビット駆動軸用モータ6の出力軸17には歯車18が形成され、この歯車は中間の減速用の歯車19を介してビット駆動軸3の歯車20に噛合している。ビット駆動軸3は装置本体2の前方に突出している。ビット駆動軸3の先端部にはダイヤビット4が設けられている。
ところで、図3に示されるように、加振装置用モータ5の出力軸8とビット駆動軸3は同一軸線P上にあり、また上記2つの偏心ウエイト15、16は、ビット駆動軸3の軸線Pの互いに反対側でかつ上記軸線Pに直交する同一軸線Q上に、軸線P、Qの交点から等距離の位置に対向するように配置されている。また、2つの偏心ウエイト15、16は装置本体2をア側からみたときと反対のイ側からみたときとで、一方が前方又は後方を向いているときは、他方も同じ側を向くように配置されている。
なお、装置本体2にはさらに電源コード21とメインスイッチ22と制御回路23とが設けられている。制御回路23は、加振装置用モータ5に対してはビット駆動軸用モータ6に遅延させて給電するように構成されている。このような遅延制御は、図4(a)に示されるように、制御回路23で加振装置用モータ5への電源供給を遅延させるか、あるいは同図(b)に示されるように、制御回路23でビット駆動軸用モータ6の負荷を感知してから加振装置用モータ5へ電源を供給するかなどによって構成すればよい。
次に、上記コンクリートドリル1の作動態様について説明する。まずメインスイッチ22を入れると、ビット駆動軸用モータ6が作動し、続いて加振装置用モータ5が作動する。
このように、ビット駆動軸用モータ6が作動すると、出力軸17の回転は歯車18、19、20を介してビット駆動軸3に伝達され、先端のダイヤビット4も回転するから、ダイヤビット4をコンクリート12に押し付けることによりコンクリート12を穿孔することができる。
次に、ビット駆動軸用モータ6の回転作動に遅れて加振装置用モータ5が作動する。このモータの出力軸8の回転はベベルギア9を介して対向するベベルギア10、11に伝達されるから、対向する2つの偏心ウエイト15、16は同時に逆方向に回転作動する。
ところで、偏心ウエイト15、16が互いに逆回転することにより、1回転の位相を90°ずつずらしてみると、図3のように、コンクリートドリル1には次のような力が加えられる。(1)のときは偏心ウエイト15は上方、偏心ウエイト16は下方に回転し、装置本体2に捩り力を加える。(2)のときは偏心ウエイト15は前方(ダイヤビット4側)、偏心ウエイト16も前方に回転し、装置本体2に加振力を加える。(3)のときは偏心ウエイト15は下方、偏心ウエイト16は上方に回転し、装置本体2に捩り力を加える。(4)のときは、偏心ウエイト15は後方、偏心ウエイト16も後方に回転し、装置本体2に加振力を加える。
このように、コンクリートドリル1には、ビット駆動軸3の回転に対して、大きさが脈動して変化し、上記(2)(4)のときは、図3の矢印Aに示されるように、ビット駆動軸3に沿った同位相の加振力、(1)(3)のときには、同図の矢印Bに示されるように、ビット駆動軸3の回転方向へ捩り力に基づく逆位相の加振モーメントがそれぞれ付与されることになる。以上をグラフに示せば、図5のようになる。
また、ビット駆動軸3と加振装置7とを同時に作動させることにより、起動時に加振力と加振モーメントが作用すると、加振装置7により装置本体2が微振動し、ダイヤビット4の先端がコンクリート12の表面で跳ねるので、ダイヤビット4の位置決めがしづらくなる。しかし、加振装置用モータ5への給電をビット駆動軸用モータ6への給電に対して遅らせることにより、まず穿孔を開始して位置を正確に確保した後に加振装置7が作動することになり、位置決めが容易となる。
上述のように、上記コンクリートドリル1によれば、次の作用効果を得ることができる。(a)ビット駆動軸3の軸線方向に作用して大きさが脈動する加振力と、ビット駆動軸3の回転方向に作用して大きさが脈動する加振モーメントとをビット駆動軸に発生させるので、ドリル工具の押付力を作業者の押付力と加振力との総和とすることができ、加振力によって作業者の押付力を補うことができる。(b)ビット駆動軸3の回転方向に大きさが脈動する加振モーメントを作用させることにより、ビット駆動軸3の回転トルクを駆動源の出力と加振モーメントとを足し合わせたものとすることができ、駆動源の出力だけによる回転トルクよりも増加させた状態を得ることができる。したがって、小さな押付力での穿孔が可能となり、穿孔速度の向上を図ることができる。(c)軸方向への加振力と回転方向へ加振モーメントを脈動して加えることにより、切粉を排出しやすくなるため、切粉の影響を受けにくくなり、安定した穿孔が可能となる。(d)ダイヤビット4は押付力が不足している状態で穿孔を行なうと空回りして切れ味が低下してしまい、目出し作業等によってダイヤビット4をメンテナンスして切れ味を回復させることが必要となるが、本発明では、ビット駆動軸3の軸線方向とへの加振力と回転方向への加振モーメントを脈動して加えることにより、好適な状態で穿孔が行なえるので、ダイヤビット4が空回りしてしまうことを減少でき、ひいてはダイヤビット4のメンテナンス作業を低減できる。(e)ビット駆動軸3の軸線に直交する同一軸線上にビット駆動軸3の軸線を挟んで略対称の位置に対向して配設された2つの偏心ウエイト15、16を、同一軸線上に配設した駆動軸による偏心ウエイト駆動部で互いに逆回転駆動して、加振力と加振モーメントとを発生させるので、ハンマードリルの打撃機構による打撃力や振動ドリルの振動機構による振動力の如く、ダイヤビット4などのビット工具を変位させ得るほどの力をビット工具に加えてコンクリート12を衝撃破壊する機構となっておらず、静音施工が可能となる。(f)偏心ウエイト15、16の起動を上記ビット駆動軸3の起動に対し遅延させることにより、ビット駆動軸3の回転駆動に遅延して加振力と加振モーメントとを発生させるので、ダイヤビット4の回転のみによって穿孔を開始して穿孔位置を正確に確保してから、加振力と加振モーメントとを伴った穿孔作業を行なうので、ダイヤビット4の穿孔位置への位置決めが容易となり、操作性が向上する。
なお、偏心ウエイト15、16の偏心量は加振力に基づいて決定すればよい。加振モーメントは偏心ウエイト15、16の軸線P、Qの交点からの距離を変更して調整すればよい。
ところで、本実施形態に係るコンクリートドリル1は、図6及び図7に示すように、エアホース24を介して空気圧縮機などの給気手段(図示せず)と接続されており、給気手段から圧縮空気の供給を受けられるようになっている。給気手段から供給された圧縮空気は、中空に形成されたビット駆動軸3の軸方向の内部を通気経路3aとして、ダイヤビット4の先端方向へと供給される。ダイヤビット4も中空であるので、図7に示すように、給気手段から供給された圧縮空気はビット駆動軸3の先端部すなわちダイヤビット4の先端から軸方向に向けて吹き出すようにビット開口部3bを先端部に設けた構成になっており、これにより穿孔により発生するコンクリート粉12aを外部に効率的に排出できるようになっている。
図8は、加振の有無、圧縮空気供給の有無による穿孔性能比較グラフであり、(1)が加振あり・圧縮空気供給ありの性能を示すグラフ、(2)が加振なし・圧縮空気供給ありの性能を示すグラフ、(3)が加振あり・圧縮空気供給なしの性能を示すグラフ、(4)が加振なし・圧縮空気供給なしの性能を示すグラフである。
このグラフが示すように、(1)加振あり・圧縮空気供給ありの場合、200mmの深さを順調に穿孔でき、穿孔終了までに、大きな速度変化は認められなかった。
また、(2)加振なし・圧縮空気供給ありの場合、穿孔開始して間もなく穿孔速度が低下したものの、200mm深さまで穿孔することはできた。
また、(3)加振あり・圧縮空気供給なしの場合、序盤は順調だが、穿孔深さ100mm前後から速度が低下し始め、その後120mmを過ぎた辺りから、粉詰まりによりビットの回転が低下し始め、140mmで穿孔が中断してしまった。
また、(4)加振なし・圧縮空気供給なしの場合、前半の穿孔速度は(2)と同様だが、深さ100mm手前で粉詰まりし始め、ビットが穴の中で回転できなくなり120mmで穿孔が中断してしまった。
上記の測定結果より、圧縮空気の供給を行うことで、従来と比較して乾式で深い穴が穿孔可能となることが分かる。すなわち、圧縮空気の供給を行わない場合、穴が浅い場合は大きな影響は無いが、穴が深くなるとコンクリート粉12aが排出されない影響が顕著となり、穴とビットの間に粉が詰まることで摩擦となりビットの回転を著しく低下させ、穿孔を継続することが出来なくなる。一方、圧縮空気の供給を行うようにしてビット内に給気を行って粉を穴の外に強制的に排出させることで、乾式で深い穴が穿孔可能となる。
また、上記の測定結果より、圧縮空気の供給を行うことで、加振の効果を最大限に発揮できることも分かる。
すなわち、(3)加振あり・圧縮空気供給なしの場合、穴の深さが100mm前後から速度が低下し始めており、このときの穿孔速度は(4)加振なし・圧縮空気供給なしの場合に近くなっていることから、加振の効果が弱くなっていると考えられる。これは穴底の粉がビットに対するクッションとなってビットの食い付きを阻害しているためと推測される。また、その後は、粉の影響でビットの回転数が低下し始めて穿孔が継続できなくなっている。このことから、圧縮空気の供給を行わない場合、まず加振の効果が薄れて速度が低下し、その後粉詰まりでビット回転数が低下して穿孔継続が出来なくなると推測できる。
一方、(1)加振あり・圧縮空気供給ありの場合、上記(3)や(4)の圧縮空気供給なしの場合とは異なり、穴深さによる速度低下の傾向は見られない。
上記結果から、圧縮空気供給を行うことで、(a)圧縮空気により粉を穴から排出して粉詰まりを防止しビットの回転低下を防止する、という効果に加えて、(b)加振に対する粉のクッション的な悪影響を排除できるので、加振の効果を最大限に発揮できるようになる、という効果を得られることが分かる。
このように、本実施形態によれば、ビット駆動軸3の内部に通気経路3aを設けるとともに、この通気経路3aに圧縮空気を供給可能に形成し、通気経路3aに供給された圧縮空気がダイヤビット4の先端から吹き出すようにし、さらに加振方式なので、ダイヤビット4の先端部と穴底の接触圧が周期的に変化する。そのため、接触圧が高い時には圧縮空気が吹き出しにくく(流れにくく)なり、接触圧が低下した時には圧縮空気が吹き出されるので、脈動が発生する。さらに、圧縮空気が吹き出されない時はダイヤビット4内で圧縮空気圧が高まるので、より大きな脈動を有した非定常流になり、粉が排出されやすかったり、排出された粉が決まった位置に溜まりにくいので、ダイヤビット4の先端から吹き出す圧縮空気によってコンクリート粉12aの排出を効率的に行うことができ、コンクリート粉12aがクッションとなって加振装置7の機能が低下する問題が発生せず、加振装置7の機能を最大限発揮させることができる。
また、加振装置7により作り出される圧縮空気の非定常流により、コンクリート粉12aの排出性能が向上したので、深い穴の穿孔作業においても、穿孔速度が低下することがなくなる。
なお、本実施形態では加振装置7をビット駆動軸3の同一軸線上に配置した構成としたが、たとえばビット駆動軸用モータ6の位置のように、ビット駆動軸3と平行な軸線上に配置した構成でも良い。
また、本実施形態では圧縮空気をダイヤビット4の先端方向から吹き出すようにしたが、これに限らず、穿孔時は穴底とダイヤビット4の先端部付近にコンクリート粉12aが詰まりやすいことから、ダイヤビット4の周囲やビット駆動軸3の先端周辺から吹き出すようにしてもよい。
1 コンクリートドリル
2 装置本体
3 ビット駆動軸
3a 通気経路
3b ビット開口部
4 ダイヤビット
5 加振装置用モータ
6 ビット駆動軸用モータ
7 加振装置
8 加振装置用モータの出力軸
9〜11 ベベルギア
12 コンクリート
12a コンクリート粉
13、14 ベベルギアの回転軸
15、16 偏心ウエイト
17 ビット駆動軸用モータの出力軸
18〜20 歯車
21 電源コード
22 メインスイッチ
23 制御回路
24 エアホース

Claims (2)

  1. 装置本体に収容した駆動源と、該駆動源によって回転駆動されるとともに上記装置本体の前方側に突出して設けられたビット駆動軸と、該ビット駆動軸の先端部に取り付けられたダイヤビットとを備え、
    ダイヤビット駆動用モータとは別のモータの出力軸の軸線を挟んで対称位置に対向するとともに前記別のモータの出力軸の軸線に直交する軸線のまわりに回転可能に配置された偏心ウエイトを有する加振装置部を備え、前記モータで偏心ウエイトを互いに逆方向に回転駆動することにより、前記ビット駆動軸の軸線方向に作用して大きさが脈動する加振力と上記ビット駆動軸の回転方向に作用して大きさが脈動する加振モーメントとを発生させるドリル工具において、
    前記ビット駆動軸に、圧縮空気を軸方向に供給可能な通気経路を形成するとともに、
    前記ビット駆動軸の先端部に、前記通気経路に供給された圧縮空気が吹き出し可能な開口部を設けたことを特徴とする、ドリル工具。
  2. 請求項1記載のドリル工具と、
    前記ビット駆動軸の前記通気経路に接続されて、圧縮空気を前記通気経路に供給する給気手段と、
    を備えたことを特徴とする、ドリル装置。
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