JP2003210607A - ハロゲン化有機化合物の分解処理方法 - Google Patents

ハロゲン化有機化合物の分解処理方法

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JP2003210607A
JP2003210607A JP2002054956A JP2002054956A JP2003210607A JP 2003210607 A JP2003210607 A JP 2003210607A JP 2002054956 A JP2002054956 A JP 2002054956A JP 2002054956 A JP2002054956 A JP 2002054956A JP 2003210607 A JP2003210607 A JP 2003210607A
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halogenated organic
organic compound
reaction tube
gas
spray pyrolysis
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JP2002054956A
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Masato Nakajima
正人 中島
Akira Sakuma
章 佐久間
Takeo Kobori
武夫 小堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用レベルでの実施に考慮して安全、安定で
経済的、かつ、コンパクトな設備において、現在環境汚
染リスクを抱え各地に長期保管されているハロゲン化有
機化合物を含む電気絶縁油等の早期処理実施を主な目的
とする。 【解決手段】 使用する薬品は安定的、安価に入手し易
く且つ安全に取り扱うことが比較的容易に可能なアルカ
リ性物質とし、これにハロゲン化有機化合物を完全に懸
濁混合し、微細な液滴として加熱された反応管に噴霧す
ることにより、分解反応を大幅に促進させることが出来
る。脱塩素反応で生成する無機塩化物は冷却された受器
で水溶液側に移行するが、アルカリ性水溶液として再利
用することができる。噴霧熱分解に使用されるキャリア
ガスも繰り返し再利用できる。操作条件は温度が150
℃から450℃、圧力を常圧付近としているため装置を
構成する主要機器材質はステンレス材の使用を可能とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化有機化合物
を実用レベルでの実施を考慮して安全、安定で経済的、
かつ、コンパクトな設備において無害化処理する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビフェニル類、ジベンゾダイオ
キシン類に代表される難分解性ハロゲン化有機化合物、
特に、電気絶縁油、熱媒体として日本国内では1972
年まで生産、使用されてきたポリ塩化ビフェニルを含む
廃油等は、特別管理廃棄物として指定され、現在も尚、
全国各地に大量少量を問わず分散保管されおり、長期保
管による漏洩や紛失等の環境汚染リスクもあり安全安定
処理の早期実施が迫られている。
【0003】唯一、1987年から1988年にかけ、
鐘淵化学工業がポリ塩化ビフェニルを高温燃焼処理し、
技術の立証を行った。燃焼処理設備は火炉及びその排ガ
スの環境対策設備を含めると設備規模が大きくなり、処
理コストを考慮すると大量処理にならざるをえない処理
方法であり、大量に保管されている所での処理又は各地
に保管されているものを一場所に集め処理する形態とな
る。一場所大量処理による排ガス中及び燃焼残渣中のダ
イオキシン類の拡散と蓄積等に対する地域住民の不安か
らくる反対や、各地に保管されているポリ塩化ビフェニ
ルを燃焼処理設備へ移動する時の事故漏洩リスク不安か
らくる周辺住民の反対により、実施が困難な状況にあ
る。
【0004】こうした背景もあり近年において、化学的
処理方法の開発が活発となりその実証試験がおこなわれ
ている。現在処理技術が立証されている主なものは、超
臨界水酸化法、金属ナトリウムを使用する金属ナトリウ
ム分解法、ジメチルイミダゾリジン類を使用する化学抽
出分解法、カリウム・ターシャリーブトキサイド法、ア
ルカリ触媒分解法等がある。しかし、超臨界水酸化法は
操作条件が臨界状態であることから対応する設備が構造
面、材料面において高価になること、金属ナトリウム法
は金属ナトリウムが爆発的に反応するため厳重な管理が
必要であること、化学抽出分解法はジメチルイミダゾリ
ジン類が日本国内では少量しか生産されていないため使
用薬剤費用が高価になる等の課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の実情に鑑み、実用レベルでの実施に考慮して安全、
安定で経済的、かつ、コンパクトな設備において、現在
環境汚染リスクを抱え各地に長期保管されているハロゲ
ン化有機化合物を含む電気絶縁油等の早期処理実施を主
な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題に
示すように実用レベルでの実施を考慮し、使用する薬品
は安定的、安価に入手し易く且つ安全に取り扱うことが
比較的容易に可能なアルカリ性物質、好ましくは水酸化
ナトリウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液を基本と
する。ハロゲン化有機化合物を含有する電気絶縁油、そ
の容器を洗浄した時に発生する溶液、又はハロゲン化有
機化合物を含有する排水等に水酸化ナトリウムまたは水
酸化カルシウム水溶液を完全に懸濁混合し、微細な液滴
として加熱された反応管に噴霧することにより、通常の
液相反応に比べて、分解反応を大幅に促進させることが
出来る。脱塩素反応で生成する塩化ナトリウムまたは塩
化カルシウムは冷却された受器で水溶液側に移行する
が、その濃度が1%から10%位になるまではアルカリ
性水溶液として再利用することができる。噴霧熱分解に
使用されるアトマイズガスやキャリアガスも繰り返し再
利用できる。これらの再利用は、単に経済性を高めるの
みならず本処理装置の系外に排出するものを抑制する意
味で有効なものとなる。また、操作条件は温度が150
℃から450℃、圧力がほぼ常圧付近としているため装
置を構成する主要機器材質は汎用的なステンレス材の使
用を可能としている。
【0007】混合撹拌装置を付帯した容器にハロゲン化
有機化合物を含有する電気絶縁油、その容器を洗浄した
時に発生する溶液、又はハロゲン化有機化合物を含有す
る排水等を仕込み、次いで、好ましくは5%から15%
の水酸化ナトリウム水溶液、又は、5%から15%の水
酸化カルシウム等のアルカリ性水溶液を被処理物重量対
アルカリ性水溶液重量で好ましくは1対0.2から1対
10の割合にて加える。この時、アルカリ性水溶液がハ
ロゲン化有機化合物を含有する物質に好適に混合分散す
る目的及び次の工程での噴霧を安定且つ均一にする目的
で、好ましくは界面活性剤を上記混合物重量に対して
0.01%から0.5%重量を添加し、混合撹拌装置に
よって微細エマルジョン溶液状態を作り出す。
【0008】この時、電気絶縁油のように被処理物中の
ハロゲン化有機化合物含有率が高い場合、更に、上記溶
液に粒径が20μmから100μmの粉末状金属ニッケ
ル系触媒を加え好適に混合分散させ、更に反応を促進さ
せることも可能である。
【0009】次にこの溶液を噴霧熱分解装置に供給す
る。噴霧した液滴が安定、均一になるように前述の微細
エマルジョンの作成が重要となるが、更に、噴霧装置と
して具体的には、2流体ノズル又は超音波等の方法があ
るが好ましくは2流体ノズルによって確実に噴霧を行
う。2流体ノズルのアトマイズガスとしては窒素ガスが
好ましく、その供給速度は噴霧熱分解装置に供給する溶
液の容積速度に対して500倍から4000倍が好適で
あり、噴霧された液滴径が50μmから300μmにな
る。
【0010】噴霧された液滴を反応管の壁面に付着する
ことなく速やかに反応管に搬入させるため及び噴霧され
た液滴中の水分を速やかに蒸発させるためにキャリアガ
スを流すが、好ましくは、反応管内で壁面に沿い旋回流
をもたせるように、線速度が1cm/secから10c
m/secの範囲で送気する。このキャリアガスは、窒
素等の不活性ガス又は水素等の還元性ガスが含まれる不
活性ガスのいずれでも良い。
【0011】噴霧熱分解装置の反応管は、電気ヒーター
等により加熱し、反応管の形状として、反応管の長さL
と反応管の直径Dの比L/Dは3以上30以下が好まし
い。
【0012】好適に混合分散された上記溶液が液滴噴霧
され、キャリアガスによって加熱された反応管内に搬入
されると、初期の段階において液滴中の水分が直ちに蒸
発し、水酸化ナトリウム又は水酸化カルシウム等の固体
が微細に析出する。ハロゲン化有機化合物は水より沸点
が高いのでアルカリ性微細粒子に付着接触し脱塩素化が
進行して行く。250℃付近より一部のハロゲン化有機
化合物はベーパー化しアルカリ性微細粒子との気固反応
となるがアルカリ物質側が微細粒子であるため気固接触
反応が効率的に進行する。
【0013】粉末状金属ニッケル系触媒の添加及び還元
性雰囲気が適用される場合も前述と同様で、好適に混合
分散された溶液が加熱された反応管に液滴噴霧され微細
化になることによって触媒との接触及び還元性ガスとの
接触が効率的なものとなりハロゲン化有機化合物の脱塩
素化反応が速やかに進行する。
【0014】反応管で処理されたベーパーガスは、アル
カリ性水溶液と同じものが入っている容器で単段もしく
は複数段にてベーパーガスをトラップさせ、更に、万全
を期すためにその次にバグフィルタ及び活性炭槽を通過
させ大気に放出する。この時、この放出されるガスの大
部分をキャリアガスとしてファン等で反応管に引き込み
再利用することが可能である。
【0015】ガストラップでは、反応管で処理されたベ
ーパーガス中の凝縮性及び固体状のものがトラップさせ
られる。すなわち、アルカリ性物質、塩類、水分、油分
及び粉末状金属ニッケル系触媒がガストラップ内の水溶
液に捕捉される。これを静置分離すると油層と粉末状金
属ニッケル系触媒の沈殿を含む水溶液層に分かれる。
【0016】この時に、油層及び水溶液層のハロゲン化
有機化合物について各々分析をし、規制値以下であれば
油層は本装置の系外にとりだし、水溶液層は塩素濃度が
好ましくは1%から10%以下であれば新たなハロゲン
化有機化合物の噴霧熱分解処理用のアルカリ性薬品とし
て再利用する。また、規制値以上であれば、油層及び水
溶液層の全量を再度規制値以下になるまで、混合撹拌装
置を付帯した容器に移送し規制値以下になるまで噴霧熱
分解処理を繰り返し続けることが可能である。
【0017】本噴霧熱分解処理の場合、ハロゲン化有機
化合物の分解を支配する主な因子にはハロゲン化有機化
合物とアルカリ物質の重量割合(詳細に表現するならハ
ロゲン化有機化合物中の塩素とアルカリのモル比)、ハ
ロゲン化有機化合物とアルカリ性物質の混合分散の度合
い、噴霧液滴の径、反応管加熱温度及び反応管でのハロ
ゲン化有機化合物と微粉状アルカリ性物質との接触時間
又は接触回数(言い換えれば反応管での滞留時間)が挙
げられる。
【0018】滞留時間を多く取ればハロゲン化有機化合
物の分解率は確実に上がる。その手段としては、反応管
部の容量を大きく設定すること又はハロゲン化有機化合
物とアルカリ性物質の混合溶液を液滴噴霧し反応管に通
過させる操作を繰り返すことが挙げられる。
【0019】本発明はハロゲン化有機化合物とアルカリ
性物質の混合溶液を液滴噴霧し反応管に繰り返し通過さ
せることにより積算される滞留時間を多くすることが容
易にできるため、反応管をコンパクトにし、トレーラー
積載式移動型のハロゲン化有機化合物分解処理装置にす
ることを可能とし、各地に分散保管されているハロゲン
化有機化合物含有電気絶縁油等を保管場所にて処理でき
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体的内容を実施
例により詳細に記す。図1に本発明であるハロゲン化有
機化合物の噴霧熱分解処理装置の機器構成例を示す。図
1にしたがって分解処理の工程順に説明する。
【0021】先ず、ハロゲン化有機化合物を含有する電
気絶縁油を仕込み槽1に入れ、さらにこの仕込み槽1に
アルカリ性物質である15%の水酸化ナトリウム水溶液
を被処理物重量対アルカリ性水溶液重量で好ましくは1
対1の割合にて加える。この時、電気絶縁油のように被
処理物中のハロゲン化有機化合物含有率が高くまた粘性
がある場合、更に、好ましくは界面活性剤及び平均粒径
20μmの粉末状金属ニッケル系触媒を添加する。添加
量は、上記溶液に対し界面活性剤が0.05%、粉末状
金属ニッケル系触媒が0.5%重にて調合する。仕込み
槽1に付帯する撹拌混合装置ホモジナイザー1aによっ
て約30分間良く撹拌混合した。この時、これら混合溶
液はミルク状に微細懸濁液となる。
【0022】この混合溶液を反応管3に付属する2流体
ノズル2に送り込む。2流体ノズル2では、アトマイズ
ガスとして窒素ガスを混合溶液の容積速度に対して約
1,500倍の容量速度にて供給することにより、混合
溶液を反応管3側へ微細に液滴噴霧する。一方、2流体
ノズル2付近に噴霧された液滴を反応管3の壁面に付着
することなく速やかに反応管3に搬入させるために、好
ましくは反応管内3で壁面に沿い旋回流をもたせるよう
にキャリアガスノズル2aを設け、キャリアガスとして
窒素ガスを反応管3内の流速において2cm/secに
なるよう送気する。
【0023】反応管3は、250℃に電気ヒーター3a
により加熱する。この反応管3の形状は反応管3の長さ
Lと反応管3の直径Dの比L/Dは12の材質SUS3
16Lの反応管3を使用した。
【0024】混合溶液が液滴噴霧され、キャリアガスに
よって加熱された反応管内3に搬入されると、初期の段
階において液滴中の水分が即座に乾燥させられ、アルカ
リ性水溶液の溶質である水酸化ナトリウムの固体が微細
に析出する。ハロゲン化有機化合物は水より沸点が高い
のでアルカリ性微細粒子に付着接触し脱塩素化が進行し
て行く。250℃付近より一部のハロゲン化有機化合物
はベーパー化し、水酸化ナトリウムの微細粒子と微粉末
状金属ニッケル系触媒との気固反応となるがそれぞれが
微細粒子であるため気固接触反応が効率的に進行する。
【0025】噴霧熱分解装置を通過したベーパーガス
は、15%水酸化ナトリウム水溶液を入れたガストラッ
プ4を設け、更に、万全を期すためにその次にバグフィ
ルタ5及び活性炭槽6を通過させ大気に放出させた。こ
の時、この放出されるガスの大部分をキャリアガスとし
てファン7で反応管3に引き込み再利用した。
【0026】ガストラップ4では噴霧熱分解装置を通過
したベーパーガス中の凝縮性及び固体状のもの、すなわ
ち、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、水分、油分及
び粉末状金属ニッケル系触媒がガストラップ4内の15
%水酸化ナトリウム水溶液に捕捉された。これを静置分
離槽8に移送すると油層と粉末状金属ニッケル系触媒の
沈殿を含む水溶液層に分かれ、油層及び水溶液層のハロ
ゲン化有機化合物について各々分析をし(1回パス)、
更に、本実施例では、静置分離槽8の油層及び水溶液層
の1部を仕込み槽1に、残り水溶液をガストラップに移
送し、仕込み槽1から前述の噴霧熱分解処理を2回繰り
返し行った(3回パス)。
【0027】本実施例では、鉱油に試薬ポリ塩化ビフェ
ニル(以下PCBと記す)を添加して1%PCB含有電
気絶縁油サンプルを作成し原料とした。これを仕込み槽
1に500ccに投入し、次いで、15%水酸化ナトリ
ウム水溶液を500cc、界面活性剤アルファオレフィ
ンスルホン酸ナトリウム5%溶液を10cc、平均粒径
20μmの粉末状金属ニッケル系触媒を5g添加し、撹
拌混合装置ホモジナイザー1aによって約30分間良く
撹拌混合した。
【0028】この混合溶液を2流体ノズル2aに10c
c/分にて送り込み、アトマイズガスとして窒素ガスを
16,000cc/分にて供給した。一方、キャリアガ
スとして窒素ガスを反応管3内の流速において約4cm
/secになるように2,500cc/分にて送気し
た。反応管3は、250℃に電気ヒーター3aにより加
熱した。この反応管3の形状は直径D100mm、長さ
1,200mmのものを使用した。反応管3を通過した
ベーパーガスは、15%水酸化ナトリウム水溶液を50
0cc入れたガストラップ4を通過させ、更に、万全を
期すためにその次にバグフィルタ5及び活性炭槽6を通
過させ大気に放出させた。この時、この放出されるガス
の大部分を圧力調整弁9にて調整しながらキャリアガス
としてファン7で反応管3に引き込み再利用した。ガス
トラップ4内の15%水酸化ナトリウム水溶液に捕捉さ
れた水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、水分、油分及
び粉末状金属ニッケル系触媒を静置分離槽8に移送し、
油層及び水溶液層のPCB濃度について各々分析をし
(1回パス)、更に、本実施例では、静置分離槽8の油
層及び水溶液層の約500cc全量を仕込み槽1に移送
し、残り水溶液約500ccをガストラップ4に戻し、
仕込み槽1からの噴霧熱分解処理を同様に2回繰り返し
行った(3回パス)。その実験結果を表1に記す。
【0029】
【表1】
【0030】この結果より、PCB濃度1%の電気絶縁
油の噴霧熱分解において反応管3を一回通過すなわち滞
留時間約30秒にて99%以上のポリ塩化ビフェニルが
分解された。三回通過すなわち滞留時聞約90秒にてほ
ぼ100%分解されることが解った。
【0031】
【発明の効果】本発明による噴霧熱分解法によれば、ハ
ロゲン化有機化合物を含有する電気絶縁油、その容器を
洗浄した時に発生する溶液、又はハロゲン化有機化合物
を含有する排水等とアルカリ性物質を好適に懸濁混合
し、微細な液滴として加熱された反応管に噴霧すること
により、通常の液相反応に比べて、分解反応を大幅に促
進させることが出来るようになり、使用する薬品は安定
的、安価に入手し易く且つ安全に取り扱うことが比較的
容易に可能な水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カルシ
ウム水溶液等が使用可能となった。
【0032】また、これらアルカリ性水溶液やキャリア
ガスも繰り返し再利用できることから経済性を高めるの
みならず本処理装置の系外へ排出するものを抑制するこ
とが出来るようになり、コンパクトな装置にすることが
可能となった。これらによって、移動型のハロゲン化有
機化合物分解処理装置の提供が出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハロゲン化有機化合物分解処理装置の
機器構成図
【符号の説明】
1・・仕込み槽 1a・・ホモジナイザー 2・・2流体ノズル 2a・・キャリアガスノズル 3・・反応管 3a・・電気ヒーター 4・・ガストラップ 5・・バグフィルタ 6・・活性炭槽 7・・ファン 8・・静置分離槽 9・・圧力調整弁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月9日(2002.5.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】追加
【補正内容】
【発明の名称】 ハロゲン化有機化合物の分解処
理方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化有機化合物
を実用レベルでの実施を考慮して安全、安定で経済的、
かつ、コンパクトな設備において無害化処理する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビフェニル類、ジベンゾダイオ
キシン類に代表される難分解性ハロゲン化有機化合物、
特に、電気絶縁油、熱媒体として日本国内では1972
年まで生産、使用されてきたポリ塩化ビフェニルを含む
廃油等は、特別管理廃棄物として指定され、現在も尚、
全国各地に大量少量を問わず分散保管されおり、長期保
管による漏洩や紛失等の環境汚染リスクもあり安全安定
処理の早期実施が迫られている。
【0003】唯一、1987年から1988年にかけ、
鐘淵化学工業がポリ塩化ビフェニルを高温燃焼処理し、
技術の立証を行った。燃焼処理設備は火炉及びその排ガ
スの環境対策設備を含めると設備規模が大きくなり、処
理コストを考慮すると大量処理にならざるをえない処理
方法であり、大量に保管されている所での処理又は各地
に保管されているものを一場所に集め処理する形態とな
る。一場所大量処理による排ガス中及び燃焼残渣中のダ
イオキシン類の拡散と蓄積等に対する地域住民の不安か
らくる反対や、各地に保管されているポリ塩化ビフェニ
ルを燃焼処理設備へ移動する時の事故漏洩リスク不安か
らくる周辺住民の反対により、実施が困難な状況にあ
る。
【0004】こうした背景もあり近年において、化学的
処理方法の開発が活発となりその実証試験がおこなわれ
ている。現在処理技術が立証されている主なものは、超
臨界水酸化法、金属ナトリウムを使用する金属ナトリウ
ム分解法、ジメチルイミダゾリジン類を使用する化学抽
出分解法、カリウム・ターシャリーブトキサイド法、ア
ルカリ触媒分解法等がある。しかし、超臨界水酸化法は
操作条件が臨界状態であることから対応する設備が構造
面、材料面において高価になること、金属ナトリウム法
は金属ナトリウムが爆発的に反応するため厳重な管理が
必要であること、化学抽出分解法はジメチルイミダゾリ
ジン類が日本国内では少量しか生産されていないため使
用薬剤費用が高価になる等の課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の実情に鑑み、実用レベルでの実施に考慮して安全、
安定で経済的、かつ、コンパクトな設備において、現在
環境汚染リスクを抱え各地に長期保管されているハロゲ
ン化有機化合物を含む電気絶縁油等の早期処理実施を主
な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題に
示すように実用レベルでの実施を考慮し、使用する薬品
は安定的、安価に入手し易く且つ安全に取り扱うことが
比較的容易に可能なアルカリ性物質、好ましくは水酸化
ナトリウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液を基本と
する。ハロゲン化有機化合物を含有する電気絶縁油、そ
の容器を洗浄した時に発生する溶液、又はハロゲン化有
機化合物を含有する排水等に水酸化ナトリウムまたは水
酸化カルシウム水溶液を完全に懸濁混合し、微細な液滴
として加熱された反応管に噴霧することにより、通常の
液相反応に比べて、分解反応を大幅に促進させることが
出来る。脱塩素反応で生成する塩化ナトリウムまたは塩
化カルシウムは冷却された受器で水溶液側に移行する
が、その濃度が1%から10%位になるまではアルカリ
性水溶液として再利用することができる。噴霧熱分解に
使用されるアトマイズガスやキャリアガスも繰り返し再
利用できる。これらの再利用は、単に経済性を高めるの
みならず本処理装置の系外に排出するものを抑制する意
味で有効なものとなる。また、操作条件は温度が150
℃から450℃、圧力がほぼ常圧付近としているため装
置を構成する主要機器材質は汎用的なステンレス材の使
用を可能としている。
【0007】混合撹拌装置を付帯した容器にハロゲン化
有機化合物を含有する電気絶縁油、その容器を洗浄した
時に発生する溶液、又はハロゲン化有機化合物を含有す
る排水等を仕込み、次いで、好ましくは5%から15%
の水酸化ナトリウム水溶液、又は、5%から15%の水
酸化カルシウム等のアルカリ性水溶液を被処理物重量対
アルカリ性水溶液重量で好ましくは1対0.2から1対
10の割合にて加える。この時、アルカリ性水溶液がハ
ロゲン化有機化合物を含有する物質に好適に混合分散す
る目的及び次の工程での噴霧を安定且つ均一にする目的
で、好ましくは界面活性剤を上記混合物重量に対して
0.01%から0.5%重量を添加し、混合撹拌装置に
よって微細エマルジョン溶液状態を作り出す。
【0008】この時、電気絶縁油のように被処理物中の
ハロゲン化有機化合物含有率が高い場合、更に、上記溶
液に粒径が20μmから100μmの粉末状金属ニッケ
ル系触媒を加え好適に混合分散させ、更に反応を促進さ
せることも可能である。
【0009】次にこの溶液を噴霧熱分解装置に供給す
る。噴霧した液滴が安定、均一になるように前述の微細
エマルジョンの作成が重要となるが、更に、噴霧装置と
して具体的には、2流体ノズル又は超音波等の方法があ
るが好ましくは2流体ノズルによって確実に噴霧を行
う。2流体ノズルのアトマイズガスとしては窒素ガスが
好ましく、その供給速度は噴霧熱分解装置に供給する溶
液の容積速度に対して500倍から4000倍が好適で
あり、噴霧された液滴径が50μmから300μmにな
る。
【0010】噴霧された液滴を反応管の壁面に付着する
ことなく速やかに反応管に搬入させるため及び噴霧され
た液滴中の水分を速やかに蒸発させるためにキャリアガ
スを流すが、好ましくは、反応管内で壁面に沿い旋回流
をもたせるように、線速度が1cm/secから10c
m/secの範囲で送気する。このキャリアガスは、窒
素等の不活性ガス又は水素等の還元性ガスが含まれる不
活性ガスのいずれでも良い。
【0011】噴霧熱分解装置の反応管は、電気ヒーター
等により加熱し、反応管の形状として、反応管の長さL
と反応管の直径Dの比L/Dは3以上30以下が好まし
い。
【0012】好適に混合分散された上記溶液が液滴噴霧
され、キャリアガスによって加熱された反応管内に搬入
されると、初期の段階において液滴中の水分が直ちに蒸
発し、水酸化ナトリウム又は水酸化カルシウム等の固体
が微細に析出する。ハロゲン化有機化合物は水より沸点
が高いのでアルカリ性微細粒子に付着接触し脱塩素化が
進行して行く。250℃付近より一部のハロゲン化有機
化合物はベーパー化しアルカリ性微細粒子との気固反応
となるがアルカリ物質側が微細粒子であるため気固接触
反応が効率的に進行する。
【0013】粉末状金属ニッケル系触媒の添加及び還元
性雰囲気が適用される場合も前述と同様で、好適に混合
分散された溶液が加熱された反応管に液滴噴霧され微細
化になることによって触媒との接触及び還元性ガスとの
接触が効率的なものとなりハロゲン化有機化合物の脱塩
素化反応が速やかに進行する。
【0014】反応管で処理されたベーパーガスは、アル
カリ性水溶液と同じものが入っている容器で単段もしく
は複数段にてベーパーガスをトラップさせ、更に、万全
を期すためにその次にバグフィルタ及び活性炭槽を通過
させ大気に放出する。この時、この放出されるガスの大
部分をキャリアガスとしてファン等で反応管に引き込み
再利用することが可能である。
【0015】ガストラップでは、反応管で処理されたベ
ーパーガス中の凝縮性及び固体状のものがトラップさせ
られる。すなわち、アルカリ性物質、塩類、水分、油分
及び粉末状金属ニッケル系触媒がガストラップ内の水溶
液に捕捉される。これを静置分離すると油層と粉末状金
属ニッケル系触媒の沈殿を含む水溶液層に分かれる。
【0016】この時に、油層及び水溶液層のハロゲン化
有機化合物について各々分析をし、規制値以下であれば
油層は本装置の系外にとりだし、水溶液層は塩素濃度が
好ましくは1%から10%以下であれば新たなハロゲン
化有機化合物の噴霧熱分解処理用のアルカリ性薬品とし
て再利用する。また、規制値以上であれば、油層及び水
溶液層の全量を再度規制値以下になるまで、混合撹拌装
置を付帯した容器に移送し規制値以下になるまで噴霧熱
分解処理を繰り返し続けることが可能である。
【0017】本噴霧熱分解処理の場合、ハロゲン化有機
化合物の分解を支配する主な因子にはハロゲン化有機化
合物とアルカリ物質の重量割合(詳細に表現するならハ
ロゲン化有機化合物中の塩素とアルカリのモル比)、ハ
ロゲン化有機化合物とアルカリ性物質の混合分散の度合
い、噴霧液滴の径、反応管加熱温度及び反応管でのハロ
ゲン化有機化合物と微粉状アルカリ性物質との接触時間
又は接触回数(言い換えれば反応管での滞留時間)が挙
げられる。
【0018】滞留時間を多く取ればハロゲン化有機化合
物の分解率は確実に上がる。その手段としては、反応管
部の容量を大きく設定すること又はハロゲン化有機化合
物とアルカリ性物質の混合溶液を液滴噴霧し反応管に通
過させる操作を繰り返すことが挙げられる。
【0019】本発明はハロゲン化有機化合物とアルカリ
性物質の混合溶液を液滴噴霧し反応管に繰り返し通過さ
せることにより積算される滞留時間を多くすることが容
易にできるため、反応管をコンパクトにし、トレーラー
積載式移動型のハロゲン化有機化合物分解処理装置にす
ることを可能とし、各地に分散保管されているハロゲン
化有機化合物含有電気絶縁油等を保管場所にて処理でき
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体的内容を実施
例により詳細に記す。図1に本発明であるハロゲン化有
機化合物の噴霧熱分解処理装置の機器構成例を示す。図
1にしたがって分解処理の工程順に説明する。
【0021】先ず、ハロゲン化有機化合物を含有する電
気絶縁油を仕込み槽1に入れ、さらにこの仕込み槽1に
アルカリ性物質である15%の水酸化ナトリウム水溶液
を被処理物重量対アルカリ性水溶液重量で好ましくは1
対1の割合にて加える。この時、電気絶縁油のように被
処理物中のハロゲン化有機化合物含有率が高くまた粘性
がある場合、更に、好ましくは界面活性剤及び平均粒径
20μmの粉末状金属ニッケル系触媒を添加する。添加
量は、上記溶液に対し界面活性剤が0.05%、粉末状
金属ニッケル系触媒が0.5%重にて調合する。仕込み
槽1に付帯する撹拌混合装置ホモジナイザー1aによっ
て約30分間良く撹拌混合した。この時、これら混合溶
液はミルク状に微細懸濁液となる。
【0022】この混合溶液を反応管3に付属する2流体
ノズル2に送り込む。2流体ノズル2では、アトマイズ
ガスとして窒素ガスを混合溶液の容積速度に対して約
1,500倍の容量速度にて供給することにより、混合
溶液を反応管3側へ微細に液滴噴霧する。一方、2流体
ノズル2付近に噴霧された液滴を反応管3の壁面に付着
することなく速やかに反応管3に搬入させるために、好
ましくは反応管内3で壁面に沿い旋回流をもたせるよう
にキャリアガスノズル2aを設け、キャリアガスとして
窒素ガスを反応管3内の流速において2cm/secに
なるよう送気する。
【0023】反応管3は、250℃に電気ヒーター3a
により加熱する。この反応管3の形状は反応管3の長さ
Lと反応管3の直径Dの比L/Dは12の材質SUS3
16Lの反応管3を使用した。
【0024】混合溶液が液滴噴霧され、キャリアガスに
よって加熱された反応管内3に搬入されると、初期の段
階において液滴中の水分が即座に乾燥させられ、アルカ
リ性水溶液の溶質である水酸化ナトリウムの固体が微細
に析出する。ハロゲン化有機化合物は水より沸点が高い
のでアルカリ性微細粒子に付着接触し脱塩素化が進行し
て行く。250℃付近より一部のハロゲン化有機化合物
はベーパー化し、水酸化ナトリウムの微細粒子と微粉末
状金属ニッケル系触媒との気固反応となるがそれぞれが
微細粒子であるため気固接触反応が効率的に進行する。
【0025】噴霧熱分解装置を通過したベーパーガス
は、15%水酸化ナトリウム水溶液を入れたガストラッ
プ4を設け、更に、万全を期すためにその次にバグフィ
ルタ5及び活性炭槽6を通過させ大気に放出させた。こ
の時、この放出されるガスの大部分をキャリアガスとし
てファン7で反応管3に引き込み再利用した。
【0026】ガストラップ4では噴霧熱分解装置を通過
したベーパーガス中の凝縮性及び固体状のもの、すなわ
ち、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、水分、油分及
び粉末状金属ニッケル系触媒がガストラップ4内の15
%水酸化ナトリウム水溶液に捕捉された。これを静置分
離槽8に移送すると油層と粉末状金属ニッケル系触媒の
沈殿を含む水溶液層に分かれ、油層及び水溶液層のハロ
ゲン化有機化合物について各々分析をし(1回パス)、
更に、本実施例では、静置分離槽8の油層及び水溶液層
の1部を仕込み槽1に、残り水溶液をガストラップに移
送し、仕込み槽1から前述の噴霧熱分解処理を2回繰り
返し行った(3回パス)。
【0027】本実施例では、鉱油に試薬ポリ塩化ビフェ
ニル(以下PCBと記す)を添加して1%PCB含有電
気絶縁油サンプルを作成し原料とした。これを仕込み槽
1に500ccに投入し、次いで、15%水酸化ナトリ
ウム水溶液を500cc、界面活性剤アルファオレフィ
ンスルホン酸ナトリウム5%溶液を10cc、平均粒径
20μmの粉末状金属ニッケル系触媒を5g添加し、撹
拌混合装置ホモジナイザー1aによって約30分間良く
撹拌混合した。
【0028】この混合溶液を2流体ノズル2aに10c
c/分にて送り込み、アトマイズガスとして窒素ガスを
16,000cc/分にて供給した。一方、キャリアガ
スとして窒素ガスを反応管3内の流速において約4cm
/secになるように2,500cc/分にて送気し
た。反応管3は、250℃に電気ヒーター3aにより加
熱した。この反応管3の形状は直径D100mm、長さ
1,200mmのものを使用した。反応管3を通過した
ベーパーガスは、15%水酸化ナトリウム水溶液を50
0cc入れたガストラップ4を通過させ、更に、万全を
期すためにその次にバグフィルタ5及び活性炭槽6を通
過させ大気に放出させた。この時、この放出されるガス
の大部分を圧力調整弁9にて調整しながらキャリアガス
としてファン7で反応管3に引き込み再利用した。ガス
トラップ4内の15%水酸化ナトリウム水溶液に捕捉さ
れた水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、水分、油分及
び粉末状金属ニッケル系触媒を静置分離槽8に移送し、
油層及び水溶液層のPCB濃度について各々分析をし
(1回パス)、更に、本実施例では、静置分離槽8の油
層及び水溶液層の約500cc全量を仕込み槽1に移送
し、残り水溶液約500ccをガストラップ4に戻し、
仕込み槽1からの噴霧熱分解処理を同様に2回繰り返し
行った(3回パス)。その実験結果を表1に記す。
【0029】
【表1】
【0030】この結果より、PCB濃度1%の電気絶縁
油の噴霧熱分解において反応管3を一回通過すなわち滞
留時間約30秒にて99%以上のポリ塩化ビフェニルが
分解された。三回通過すなわち滞留時聞約90秒にてほ
ぼ100%分解されることが解った。
【0031】
【発明の効果】本発明による噴霧熱分解法によれば、ハ
ロゲン化有機化合物を含有する電気絶縁油、その容器を
洗浄した時に発生する溶液、又はハロゲン化有機化合物
を含有する排水等とアルカリ性物質を好適に懸濁混合
し、微細な液滴として加熱された反応管に噴霧すること
により、通常の液相反応に比べて、分解反応を大幅に促
進させることが出来るようになり、使用する薬品は安定
的、安価に入手し易く且つ安全に取り扱うことが比較的
容易に可能な水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カルシ
ウム水溶液等が使用可能となった。
【0032】また、これらアルカリ性水溶液やキャリア
ガスも繰り返し再利用できることから経済性を高めるの
みならず本処理装置の系外へ排出するものを抑制するこ
とが出来るようになり、コンパクトな装置にすることが
可能となった。これらによって、移動型のハロゲン化有
機化合物分解処理装置の提供が出来るようになった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化有機化合物を含有する電気絶縁
    油、その容器を洗浄した時に発生する溶液、又はハロゲ
    ン化有機化合物を含有する排水等にアルカリ性物質を添
    加し好適に混合分散させ、その混合溶液を液滴噴霧し、
    かつ、キャリアガスによって液滴を加熱された反応管に
    搬入してハロゲン化有機化合物を分解処理する噴霧熱分
    解処理方法。
  2. 【請求項2】反応温度が150℃〜450℃である請求
    項1記載のハロゲン化有機化合物の噴霧熱分解処理方
    法。
  3. 【請求項3】前記アルカリ性物質がアルカリ金属及びア
    ルカリ土金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩のいずれか一
    種以上からなる請求項1記載のハロゲン化有機化合物の
    噴霧熱分解処理方法。
  4. 【請求項4】前記ハロゲン化有機化合物とアルカリ物質
    を好適に混合分散させるために、界面活性剤、水又はエ
    タノール等の水溶性アルコールいずれか一種類以上を加
    える請求項1記載のハロゲン化有機化合物の噴霧熱分解
    処理方法。
  5. 【請求項5】前記キャリアガスが、不活性ガス又は還元
    性ガスが含まれる不活性ガスのいずれか一種からなる請
    求項1記載のハロゲン化有機化合物の噴霧熱分解処理方
    法。
  6. 【請求項6】高濃度のハロゲン化有機化合物を迅速に分
    解処理するため、ハロゲン化有機化合物にアルカリ物質
    と更に金属ニッケル系触媒の粉末を好適に混合分散さ
    せ、その混合溶液を液滴噴霧し、かつ、キャリアガスに
    よって液滴を加熱された反応管に搬入してハロゲン化有
    機化合物を分解処理することを特徴とする請求項1〜5
    記載の噴霧熱分解処理方法。 【提出日】平成14年5月9日 【手続補正3】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】発明の詳細な説明 【補正方法】変更 【補正内容】
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