JPH11216355A - ポリ塩化ビフェニルの分解方法 - Google Patents

ポリ塩化ビフェニルの分解方法

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JPH11216355A
JPH11216355A JP10020054A JP2005498A JPH11216355A JP H11216355 A JPH11216355 A JP H11216355A JP 10020054 A JP10020054 A JP 10020054A JP 2005498 A JP2005498 A JP 2005498A JP H11216355 A JPH11216355 A JP H11216355A
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JP
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pcb
oil
surfactant
metal oxide
decomposition
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JP10020054A
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Chuya Ishibashi
忠也 石橋
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STM ENGINEERING KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリ塩化ビフェニルの簡便で、効率的な分解
方法を提供すること。 【解決手段】 本発明のポリ塩化ビフェニル(PCB)
の分解方法は、(1)ポリ塩化ビフェニル含有物を、水
および界面活性剤を用いて乳化させることにより乳化さ
れたポリ塩化ビフェニル含有物を得る工程;(2)アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の金属酸化物と、脂肪
酸トリグリセリドを主成分とする油とを混合する工程;
および(3)該乳化されたポリ塩化ビフェニル含有物お
よび該金属酸化物と該油との混合物を混合する工程を包
含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化ビフェニ
ル(PCB)の分解方法に関する。より詳細には、本発
明は、界面活性剤、水、トリグリセリド、および特定の
金属酸化物の存在下、PCBを分解する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PCBは、非常に安定な塩素化化合物で
あり、例えば、熱交換器の熱媒体および変圧器などの絶
縁油として使用されていた。しかし、PCBは、強い変
異原性を有するために、現在、その製造、使用、および
移動が禁止され、そしてPCBおよびPCB含有油は厳
重に保管されている。
【0003】さらに、PCBの汚染が、廃棄物処理場の
土壌および汚泥で明らかにされている。PCBは、その
化学的な安定性のために、自然界ではほとんど分解され
ない。
【0004】従って、環境問題の点からも、PCBを分
解して、無毒化する処理方法の確立が求められている。
PCBの処理方法としては、主として、燃焼法および化
学分解法(例えば、化学的な脱塩素化)が検討されてい
る(細見、用水と排水、第35巻、1105〜1114頁、1993
年;およびThe Superfund Innovative Technology Eval
uation Program:Technology Profiles Fourth Editio
n, EPA/540/5-91-008,U.S. EPA (1991))。
【0005】燃焼法においては、燃料ガス(例えば、天
然ガス)の燃焼により発生する熱を用いてPCBを熱分
解する。燃料ガスの燃焼によって発生する熱のみによる
PCBの完全分解には、1800℃の高温を必要とす
る。燃焼法において燃焼温度が低い場合、あるいは高い
場合にも加熱途中で、ダイオキシンのようなより強い変
異原性の物質が大量にPCBから生成する。従って、燃
焼法によるPCBの分解には、特別な設備を必要とす
る。さらに、塩化水素のような腐食性ガスが分解に伴っ
て発生する。
【0006】化学分解法は、アルカリの条件下で、30
0〜350℃の温度で、PCBの脱塩素化を行う方法で
ある。例えば、KGME法およびBCD(Base Catalyz
ed Decomposition)法が知られている。KGME法は、
カリウム2-メトキシエトキシド(KGME)を触媒とし
て用い、高温下で、溶液状態における求核置換反応によ
るPCBの脱塩素化を行う。しかし、KGME触媒は嵩
高いため、脱塩素化反応が十分に進行せず、KGME触
媒とPCBの塩素が置換したグリコレートエーテルの生
成という欠点がある。上記のBCD法は、米国環境保護
庁によって開発された、有機塩素化合物の脱塩素化処理
方法である。この方法では、KGME法の嵩高いKGM
E触媒の代わりに、水酸化ナトリウムのようなアルカリ
触媒を用い、水素供与物質(例えば、アルカン)の存在
下で、水素原子との置換によりPCBの脱塩素化を行
う。これらの化学的なPCBの脱塩素化は、処理後のア
ルカリ残渣および分解生成物の処理を必要とする。さら
に、これらの反応は、強アルカリ性下で行われるため、
その反応容器の材質が限られる。
【0007】固相状態でPCB含有油を分解する処理剤
を用いる方法が特開平9−103672号公報に記載さ
れている。この方法は、(1)油が添着された酸化カルシ
ウム、(2)イオン交換能を有するポーラス体(例えば、
セピオライト、バーミキュライト)、および(3)油分解
剤(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム)からなる
処理剤をPCB含有油と混合することによってPCBを
分解する。上記のポーラス体は、PCB含有油および上
記の油添着酸化カルシウムを吸着し、油分解剤は、PC
B含有油の油および酸化カルシウムに添着した油を分解
する機能を有する。これらを混合すると、油分解剤によ
り油が分解され、その結果酸化カルシウムが徐々に発熱
し、ポーラス体によるポラゾン水和反応イオン交換が始
まり、PCBから塩素を遊離させる。遊離した塩素は、
酸化カルシウム、油分解剤、およびポーラス体と結合す
る。この反応では、多数の物質を用いてPCB分解を行
うため、PCB分解後の生成物の処理および再利用は容
易ではない。
【0008】このように従来の処理法は、処理設備、分
解の程度、処理温度などの処理条件、副成物および処理
後の生成物の処理などにおいて、満足できるものではな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するものであり、その目的は、従来の処理方法で
困難であったPCBを、有害な副成物の発生を伴うこと
なく、簡便で、効率よく分解する方法を提供することで
ある。
【0010】本発明の目的はまた、PCBそのものまた
はPCB含有物を収容していた容器などのPCBで汚染
された基材表面の安全な洗浄方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のポリ塩化ビフェ
ニル(PCB)の分解方法は、(1)ポリ塩化ビフェニ
ル含有物を、水および界面活性剤を用いて乳化させるこ
とにより乳化されたポリ塩化ビフェニル含有物を得る工
程;および(2)アルカリ金属またはアルカリ土類金属
の金属酸化物を、脂肪酸トリグリセリドを主成分とする
油と混合する工程;および(3)該乳化されたポリ塩化
ビフェニル含有物および該金属酸化物と該油との混合物
を混合する工程;を包含する。
【0012】本発明の1つの実施態様において、前記工
程(3)で得られた混合物を室温で放置する工程を包含
する。
【0013】本発明の1つの実施態様において、前記金
属酸化物は、アルカリ土類金属の金属酸化物である。好
ましくは、前記金属酸化物は、酸化カルシウムおよび酸
化マグネシウムのうちの少なくとも1つである。
【0014】本発明の1つの実施態様において、前記界
面活性剤は、微生物由来である。より好ましくは、前記
界面活性剤は、アルスロファクチン、サーファクチン、
イチュリン、セラウェチン、およびその誘導体からなる
群から選択される少なくとも1つの界面活性剤である。
【0015】本発明の1つの実施態様において、前記脂
肪酸トリグリセリドは植物油である。
【0016】本発明の1つの実施態様において、前記放
置後の混合物を熱処理する工程をさらに包含する。好ま
しくは、前記熱処理は還元雰囲気下で行われる。より好
ましくは、前記熱処理は金属の存在下で行われる。さら
により好ましくは、前記金属は鉄である。
【0017】本発明の方法はまた、ポリ塩化ビフェニル
含有物で汚染された基材の表面を洗浄する方法であっ
て、本方法は、界面活性剤および水を含む溶液を洗浄液
として用いて、ポリ塩化ビフェニル含有物を乳化させる
ことにより基材表面を洗浄する工程を包含する。
【0018】本発明の方法の1つの好ましい実施態様で
は、前記ポリ塩化ビフェニルを乳化させる工程におい
て、前記の方法で得られたポリ塩化ビフェニルを含む前
記の洗浄液を、ポリ塩化ビフェニル含有物を乳化させる
ための界面活性剤源として用いる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリ塩化ビフェニル
(PCB)の分解方法に関する。より詳細には、本発明
は、界面活性剤、水、トリグリセリド、および特定の金
属酸化物の存在下で行われるPCBの分解方法に関す
る。
【0020】PCBは、ビフェニル骨格上に2個以上の
塩素原子を有する化合物であり、さらに同一個数の塩素
原子を有する化合物には、ビフェニル骨格上でのその存
在位置が異なる種々の異性体が存在する。本発明の方法
において、分解されるPCBは、これらの化合物(異性
体)のいずれをも包含する。さらに、本発明の方法で
は、PCBとは構造的に異なる、例えばペンタクロロフ
ェノールのような芳香族塩素化合物なども同様に分解さ
れる。本明細書中で用いる用語「PCB」は、このよう
な芳香族塩素化合物を包含することを意味する。本発明
の方法を用いて分解される対象は、上記のPCBそのも
の、およびPCBを含有する任意の混合物のいずれであ
ってもよい(以下、本明細書中では、これらをPCB含
有物という)。このPCB含有物は、例えば、PCBそ
のもの、変圧器またはコンデンサーに使用された絶縁油
のようなPCBを含有する液体、ならびにPCBを含有
する土壌、スラッジ、および汚泥のような固体、および
それらの混合物であり得る。
【0021】本発明の方法は、油の分解に適用され得
る。油としては、動植物由来の油脂および鉱物油が挙げ
られる。好ましくは、特にC10〜C20の飽和脂肪酸およ
び/または不飽和脂肪酸を含む動植物油脂の分解に用い
られ得る。本発明の方法により、例えば、油分が存在す
る土壌中の油分の分解が容易に行われ得る。
【0022】本発明の方法において、PCB含有物は、
界面活性剤および水を用いて乳化される。PCB含有
物、例えば、変圧器の絶縁油として使用された油などの
ようなPCB含有油は、以下に記載する乳化処理によ
り、PCB分解処理反応に適するエマルション状態にな
る。
【0023】本発明の方法における乳化処理において使
用される界面活性剤は、PCBの分解反応時の環境、す
なわち高温において、構造的に安定で、かつ十分な界面
活性作用を有する任意の界面活性剤が使用され得る。界
面活性剤の活性は、当業者に周知な方法によって測定可
能であり、そしてこのような方法を用いて、本発明の方
法に用いられ得る適切な界面活性剤を選択することがで
きる。界面活性剤の活性は、例えば臨界ミセル濃度(C
MC)または表面張力を測定することによって評価する
ことができる。あるいは、簡便には、一定量の油により
形成された油膜の滴下した一定量の界面活性剤溶液によ
って広がった油膜排除領域の面積を測定することによっ
ても評価することができる(油膜排除面積は、界面活性
剤の活性とその量に比例する)。
【0024】本発明の方法に用いられ得る界面活性剤と
しては、化学合成された界面活性剤および微生物から得
られる界面活性剤(すなわち、バイオサーファクタン
ト)が挙げられる。好ましくは、バイオサーファクタン
トが本発明の方法において用いられる。バイオサーファ
クタントは、一般に使用されている界面活性剤と比較し
て、非常に低い臨界ミセル濃度を有する。バイオサーフ
ァクタントは、PCB分解反応時の環境において上記の
特性を有する一方で、生分解性を有するので、PCB分
解処理後のバイオサーファクタント含有混合物を、環境
を汚染することなく再利用することができる。
【0025】本発明の方法で用いられ得るバイオサーフ
ァクタントは、特に限定されないが、例えば、ペプチド
結合およびラクトン結合(分子内エステル結合)を含む
環状構造を有する。ラクトン結合を有しない環状構造の
バイオサーファクタントもまた使用され得る。このよう
なバイオサーファクタントの一例として、例えば、Arth
robacter sp. MIS38(Morikawa, M.ら、J. Bacteriol.
175:6459-6466 (1993))によって産生されるアルスロフ
ァクチンがある。アルスロファクチンは、3-ヒドロキシ
デカン酸がポリペプチド(D-Leu-D-Asp-D-Thr-D-Leu-D-
Leu-D-Ser-L-Leu-D-Ser-L-Ile-L-Ile-L-Asp)のN末端
アミノ基とアミド結合し、さらに3-ヒドロキシデカン酸
のヒドロキシル基がこのポリペプチドのC末端カルボキ
シル基とエステル結合した環状構造を有する。さらに、
アルスロファクチンと同様な環状構造を有する他のバイ
オサーファクタントとして、サーファクチン、イチュリ
ン、セラウェチンが知られている。これらのバイオサー
ファクタントの構造を、以下に示す:
【0026】
【化1】
【0027】本発明の方法ではまた、上記のバイオサー
ファクタントの誘導体を用いることができる。このよう
な誘導体は、例えば、ペプチド部分におけるアミノ酸の
付加、欠失、置換(光学異性体への置換を含む)または
修飾(酸性アミノ酸残基のアミド化、スルホン化など)
を有し得る(今中ら、化学素材研究開発振興財団研究報
告、10、103〜106頁、1995)。あるいは、疎水性を提
供する酸残基(アルスロファクチンの3-ヒドロキシデカ
ン酸に相当する)部分の置換および修飾を含む。あるい
は、これらを組み合わせてもよい。このようなバイオサ
ーファクタント誘導体は、天然のバイオサーファクタン
トを上記のように化学的に改変しても良く、または化学
合成され得る。
【0028】本発明の方法では、界面活性剤は、典型的
には、水溶液の形態で使用される。その濃度として、任
意の濃度が使用されるが、好ましくは10-7〜10-2重量
%、より好ましくは10-5〜10-3重量%である。本発明の
方法における界面活性剤の使用量は、特に限定されない
が、例えば、PCB含有油の100重量部に対して、好
ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜2
0重量部である。界面活性剤溶液を用いて変圧器に使用
された絶縁油などのようなPCB含有油を処理する場
合、上記の界面活性剤溶液は、該PCB含有油の100
重量部に対して、2〜150重量部、好ましくは10〜
50重量部の割合で用いられる。しかし、これらの値
は、PCB含有物中のPCBの量に依存して、変化する
ことは当業者には明らかである。さらに、PCB含有土
壌のような固体および含水率の高いPCB含有物である
場合、乳化のために用いられる界面活性剤含有溶液の濃
度およびその使用量が、上記のPCB含有油の場合と異
なることもまた、当業者には明らかである。
【0029】PCB含有物の乳化処理は、当業者に周知
な任意の方法で行うことができる。例えば、PCB含有
物が液体である場合、PCB含有物は、簡便には、機械
的な攪拌/混合または超音波処理を用いることにより乳
化され得る。機械的な攪拌/混合による乳化は、当該分
野で使用される装置を用いて、例えば、500〜300
0rpmの攪拌速度で10〜30分間の処理により達成さ
れ得る。超音波による乳化は、例えば、20kHzの振動
数で10〜30分間の処理により達成され得る。このと
きに得られる乳化物は、乳化処理条件および方法に依存
して、種々のサイズの乳化された粒子を含み、油−水
(o/w)型または水−油(w/o)型であり得る。本
発明の方法では、乳化物の型に限定されることなく、両
方の型の乳化物のいずれが生じても、その後の分解反応
を効果的に行うことができる。
【0030】乳化処理はまた、高圧下(例えば、200
〜2000kg/cm2)の流体を利用したキャビテーショ
ン、剪断力、衝撃力を用いて行うことができる。この場
合、得られる乳化粒子の比較的狭い粒径分布を有する微
細な乳化物を得ることができる。このような目的に適す
る高圧ホモジナイザーが市販されており、例えば、みづ
ほ工業株式会社のマイクロフルイダイザーM−110型
またはM−210型が好適に使用され得る。このような
マイクロフルイダイザーは、平均粒子径を例えば0.5
〜数ミクロンであり、そしてその粒径分布の幅が狭い乳
化物を生成するために、本発明の方法に好ましいと考え
られる。PCB含有物の乳化はまた、上記の方法を組み
合わせて行うことができる。
【0031】PCB含有物が、土壌、スラッジ、および
汚泥のような固体成分を含む場合、液体のPCB含有物
と同様に乳化処理を行うことができる。PCB含有物
を、例えば、上記のように、界面活性剤溶液および水と
混合し、攪拌することにより、PCB含有エマルション
と固形分との混合物が得られる。得られるPCB含有エ
マルションを固形分と分離し、そして分離されたPCB
含有エマルションは、本発明の方法を適用することによ
り、含有されるPCBが分解され得る。あるいは、PC
B含有エマルションと固形分との分離が不十分な場合に
は、それらの混合物をそのままPCB分解工程に供する
ことが可能である。
【0032】乳化処理はまた、PCBが油脂に溶解しや
すい性質を利用して、例えば、ステアリンのような油脂
の存在下で行うことができる。この場合も、上記と同様
の方法で処理を行うことが可能であり、さらに界面活性
剤を添加して処理することも可能である。例えば、分離
された油脂を含むPCB含有エマルションには、界面活
性剤(好ましくは、バイオサーファクタント)を添加
し、そして必要に応じて温度を変えることにより、水層
およびPCBを含む油脂層の2つの層に分離され得る。
分離された油脂層は液体のPCB含有物と同様に処理さ
れ、分離された水層は再度の乳化処理のために利用され
得る。
【0033】本発明の方法で用いられる金属酸化物は、
特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属に属する金属
の金属酸化物が好ましい。そのような金属酸化物として
は、例えば、アルカリ金属の金属酸化物として酸化ナト
リウムおよび酸化カリウムが、そしてアルカリ土類金属
の金属酸化物として酸化カルシウムおよび酸化マグネシ
ウムが挙げられる。酸化カルシウムおよび酸化マグネシ
ウムのようなアルカリ土類金属の金属酸化物が、その反
応性の点から特に好ましい。
【0034】本発明の方法において、上記の金属酸化物
と混合するために用いられる油は、脂肪酸トリグリセリ
ドを主成分とする油である。グリセリンと高級脂肪酸と
のトリエステルであるトリグリセリドは、PCB分解時
に、ともに分解されて、PCB分解反応に関与しそして
PCB分解反応を促進し得る水および活性水素を提供す
る。トリグリセリドを構成する高級脂肪酸としては、炭
素数10〜30、好ましくは炭素数15〜20の脂肪酸
であり得る。この脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよ
く、不飽和脂肪酸であってもよい。このような脂肪酸と
して、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール
酸、パルミチン酸が挙げられる。脂肪酸トリグリセリド
を構成する3つの脂肪酸は、同じであってもよく、異な
っていてもよい。脂肪酸トリグリセリドとして、通常、
天然の植物油が用いられるが、天然の植物油に、例えば
水素添加などの化学処理を行うことにより改変された植
物油もまた使用され得る。植物油として、例えば、パー
ム油、ひまし油、ダイズ油、ナタネ油、ゴマ油などが用
いられる。あるいは、化学的に合成されたトリグリセリ
ドもまた、使用され得る。本発明の方法において、脂肪
酸トリグリセリドは、単独で、あるいは別の油と組み合
わせて用いられ得る。脂肪酸トリグリセリドと組み合わ
され得る油は、例えば、流動パラフィンのような鉱物
油、重油などである。脂肪酸トリグリセリド、およびそ
の他の油、例えば鉱物油は、任意の割合で混合すること
ができる。その割合は、脂肪酸トリグリセリド(例え
ば、植物油)100重量部に対して、0.5〜100重
量部、好ましくは1〜50重量部である。
【0035】本発明の方法では、上記のアルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の金属酸化物を、脂肪酸トリグリ
セリドを主成分とする油と混合する。この混合は、必要
に応じて粉砕された上記金属酸化物と上記の油とを、当
業者に周知な方法、例えば機械的な攪拌/混合により行
うことができる。このような処理により、上記の金属酸
化物の表面が油膜で覆われる。脂肪酸トリグリセリドを
主成分とする油の割合は、上記金属酸化物の100重量
部に対して、0.1〜10重量部であり、好ましくは0.
5〜2重量部である。油の量が、0.1重量部より少な
い場合、金属酸化物は十分にその表面が油によって覆わ
れず、そして10重量部より多い場合、PCBの分解反
応が十分に進行しない。
【0036】本発明の方法においては、次に、界面活性
剤および水を用いて乳化されたPCB含有物と、油と混
合された金属酸化物とが混合される。その割合は、上記
の乳化されたPCB含有物の100重量部に対して、油
と混合された金属酸化物が、約10〜300重量部であ
り、好ましくは約20〜100重量部である。油と混合
された金属酸化物の量が、約10重量部より少ない場
合、PCB分解が十分に進行せず、そして約300重量
部より多い場合、反応効率はほとんど変化せず、混合物
の量が増大するのみである。
【0037】乳化されたPCB含有物および油と混合さ
れた金属酸化物の混合物を、30日間以上、好ましくは
60〜120日間放置することにより、PCB含有物中
のPCBはほぼ完全に分解される。放置するときの温度
は、5〜40℃、好ましく10〜35℃の範囲である。
通常、室温での放置により、PCBの分解は十分に進行
する。
【0038】本発明の方法の1つの実施態様において、
上記のPCB分解処理のための混合物は、混合物の性状
(例えば、粘性)を調節するために、種々の物質が添加
され得る。このような物質は、特に限定されないが、例
えば、(製鉄所において副生する)スラグ、ゼオライ
ト、パーライト、シリカなどが挙げられる。このような
物質の添加は、例えば、PCB分解処理のために調製さ
れた混合物および分解処理後の混合物の造粒性を改善し
得る。その結果、例えば、そのような混合物の輸送およ
び再利用を行うために、そのような混合物の取り扱いを
容易にし得る。
【0039】以下に、本発明の方法によるPCBの分解
について説明する。
【0040】本発明の方法によりPCBの分解は、上記
のように乳化処理されたPCB含有物および油と混合さ
れた金属酸化物が接触することにより開始する。本発明
の方法は、このように、油と混合された金属酸化物の粒
子表面での反応であるために、その表面に接触するPC
B含有物の量により、PCB分解の反応速度は大きく依
存し得る。上記の乳化処理により、PCB含有物は微細
な粒子状(例えば、エマルション)になるので、金属酸
化物粒子の単位表面積当たりのPCBの接触量は増大す
る。その結果、反応速度の増大をもたらし得る。
【0041】本発明の方法のPCB分解の機構は、以下
のように考えられる。本発明の方法においては、上記の
ように、界面活性剤および水を用いて乳化されたPCB
含有物が、油と混合された金属酸化物の表面で接触す
る。乳化されたPCB含有物中の水と金属酸化物との間
には、金属酸化物と混合されて金属酸化物の表面に存在
する油、およびPCB含有物が油である場合にはPCB
含有物中の油により、水と金属酸化物との接触を妨げて
いる。しかし、乳化物中に存在する界面活性剤の作用に
より、乳化物中の水分子は、徐々に、金属酸化物と乳化
されたPCB含有物とを隔てている油層内に進入(拡
散)し、そして金属酸化物の表面に到達する。その結
果、水と金属酸化物との反応(例えば、水和反応)が始
まる。この反応は、エンタルピーが大きく減少する反
応、すなわち発熱反応である。このときに発生する熱エ
ネルギーが、脱塩素化などのPCB分解に必要なエネル
ギーを提供し得る。例えば、金属酸化物として、酸化カ
ルシウムを用いた場合、その水和反応(酸化カルシウム
が水と反応して水酸化カルシウムを生成する反応)の発
熱量は、377kcal/molであり、そして酸化マグネシウ
ムの場合は、456kcal/molである。この発熱量は、P
CBにおける各原子間の結合エネルギー、例えば、C−
Clの結合エネルギー(81kcal/mol)、C−Hの結合エ
ネルギー(99kcal/mol)、およびC=Cの結合エネル
ギー(146kcal/mol)よりもはるかに大きく、従って
これらの結合を切断するに十分であり得る。
【0042】本発明の方法に用いられる金属酸化物(例
えば、酸化カルシウム)と水との反応は、上記のよう
に、基本的には、大きなエンタルピー減少を伴う激しい
発熱反応である。しかし、PCB含有物と乳化された水
は、水とともに乳化された界面活性剤の作用により、乳
化されたPCB含有物と金属酸化物との間に存在する油
の層を、拡散のようなゆっくりとした速度で移動して金
属酸化物と接触するので、発熱反応は、制御された速度
で進行し得る。その結果、PCBの分解は、ミクロ的に
は激しい反応を利用するにもかかわらず、実施例に示さ
れるように、マクロ的には、穏やかに安定的に進行し、
そして継続し得る。
【0043】本発明の方法で使用される金属酸化物(例
えば、酸化カルシウム)およびそれと水との反応生成物
(例えば、水酸化カルシウム)は、その強い塩基性のた
めに、PCB分解において触媒的な作用を果たし得る。
従って、PCB分解のための活性化エネルギーが小さく
なり、そしてより少ないエネルギーでPCBは分解され
得る。さらに、このような金属酸化物は、PCBの分解
に伴って遊離する塩素を無機塩化物(例えば、塩化カル
シウム)として固定化し、反応系外に除き得る。これに
より、反応の平衡がPCB分解の方向にずれ、そして分
解反応が促進され得る。
【0044】本発明の方法によるPCBの分解は、金属
酸化物の表面に存在する脂肪酸トリグリセリドによって
促進および/または維持され得る。金属酸化物の表面に
存在する脂肪酸トリグリセリドは、上記の発熱反応によ
り分解され、PCB分解に寄与し得る水分子および活性
水素のような活性種を生成し得る。脂肪酸トリグリセリ
ドのうち、特に植物油は、このような活性種を容易に生
成し得る。生成した水分子は、上記のように、金属酸化
物と反応し、そしてPCB分解に必要なエネルギーを供
給し得る。
【0045】上記で説明したように、本発明の方法によ
るPCB分解においては、上記のように処理されたPC
B含有物および金属酸化物を混合により接触させるだけ
で、PCB分解に適する環境が提供され、そしてPCB
分解が進行するので、特に特別な条件(例えば、加熱)
を必要としない。例えば、本発明の方法では、上記の混
合物を、例えば室温で、適切な耐熱性容器内に入れ、必
要に応じて混合物中のPCB量をモニターしながら、P
CB濃度が所定の濃度になるまで静置するか、または定
期的に(例えば、1回/週)攪拌する。本発明の方法に
より、例えば、約3か月間、室温で静置することによ
り、約99.9%のPCBが分解される。
【0046】上記の処理により、PCB含有物中のPC
Bは、ほぼ定量的に(例えば、99.9%)分解され
る。残留するかもしれない微量のPCBは、他の処理方
法、例えば、以下に記載する熱分解方法と組合わせるこ
とにより、最終的に完全に(99.99%以上)分解さ
れ得る。
【0047】本発明はまた、PCBで汚染された基材の
表面の洗浄方法を提供する。本発明の洗浄方法は、界面
活性剤を用いて、PCB含有物(PCBそのものであっ
てもよい)を収容する容器の内表面上などに存在する
(または、付着している)PCB含有物を除去する。す
なわち、本発明の洗浄方法は、例えば、水性洗浄液(界
面活性剤を含む水溶液)を洗浄液として用いることによ
り、基材表面上のPCBを水中に分散させることに基づ
く。このときに用いられ得る界面活性剤は、任意のタイ
プの界面活性剤であり得る。特に好ましくは、PCB含
有物を乳化させる工程で使用される界面活性剤が、洗浄
において使用され得る。洗浄に使用される界面活性剤の
濃度は、使用する界面活性剤および使用条件(例えば、
温度)に依存するが、少なくとも臨界ミセル濃度以上で
あり得る。一般的に、10-9〜10-1重量%、好ましくは10
-8〜10-2重量%、より好ましくは10-7〜10-3重量%であ
り得る。しかし、PCBが効率よく、基材表面から水中
に分散され得る限り、上記の濃度に捕らわれることな
く、任意の濃度の界面活性剤が使用され得ることは、当
業者には容易に理解される。
【0048】本発明の方法における洗浄による基材表面
からのPCBの除去は、1回または複数回の洗浄処理に
よって実施され得る。さらに、このような洗浄は、必要
に応じて、有機溶媒による洗浄除去と組み合わせて行う
ことができる。例えば、有機溶媒による洗浄後に、本発
明の方法の水性溶液による洗浄を行うことができる。
【0049】上記のようにして得られるPCBを含有す
る水性洗浄液は、本発明の方法において、PCB含有物
として分解処理され得るか、あるいは上記のPCB含有
物を乳化させる工程における界面活性剤源として使用さ
れ得る。洗浄液が界面活性剤源として使用される場合、
洗浄液中に含まれるPCBは、本発明の分解方法によ
り、処理すべきPCB含有物中のPCBとともに分解処
理される。
【0050】特に、上記の水性洗浄液を界面活性剤源と
して用いる場合、大量のPCB含有洗液を発生させ、従
ってPCB含有物の量の増大をもたらし得る有機溶媒を
用いる従来の洗浄方法とは異なり、PCB処理混合物の
量の増大を最小限にし得る。
【0051】本発明のPCBの分解方法において残留し
得る微量のPCBの分解は、例えば、熱分解により行う
ことができる。熱分解は、上記のように処理された混合
物を、好ましくは、例えば、窒素ガスのような還元性の
雰囲気下、500℃以上(例えば、500℃〜800
℃)の温度で行うことができる。このような熱分解処理
は、その処理温度で、生成した塩素と結合し得る金属の
存在下で行うことが好ましい。このような熱分解におい
て使用される金属は、特に限定されないが、好ましく
は、例えば、鉄である。このような金属は、本発明にお
ける上記の熱分解処理において、PCBが効果的に分解
される限り、金属単体であってもよく、酸化物などの化
合物であってもよく、他の金属(または物質)との混合
物であってもよい。金属は、熱分解処理中にPCBと効
率よく接触し得るように、例えば、粉体状(または粒子
状)に、あるいは必要に応じて網目構造状に加工され得
る。このような金属は、例えば、粉体状である場合、P
CB分解処理された後に熱処理される混合物中に添加さ
れ得る。網目構造状に加工された金属は、熱分解処理装
置の任意の部位に配置され得るが、好ましくは、熱分解
処理される混合物と接触するように配置される。これら
は、当業者には明らかなように、互いに組み合わせて使
用することができる。
【0052】本発明の方法の1つの実施態様において、
好ましくは、粉体状の金属が使用される。このときに使
用され得る金属として、例えば、酸化鉄、または酸化鉄
を含む(製鉄所から発生する)スラグが使用される。熱
分解処理のために使用される金属は、例えば酸化鉄(Fe
2O3)を使用する場合、PCB分解後の混合物の100
重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは5〜10
重量部の割合で混合され得る。粉末状の金属は、典型的
には、熱分解処理の直前に熱分解処理すべき混合物と混
合されるが、それ以前の段階(例えば、PCB分解のた
めに放置されている期間中の任意のとき)において、上
記の割合で添加してもよい。
【0053】熱分解処理に添加された金属、例えば鉄
(例えば、酸化鉄)は、PCB(および/または分解中
間体)の塩素原子を捕獲して塩化鉄とすることにより塩
素を無機化し得る。このような金属の存在下で行われる
熱分解は、変異原性の強いダイオキシンおよび塩化水素
のような腐食性のガスを発生しない。
【0054】熱分解処理後の残渣、例えば、金属酸化物
として酸化カルシウムを用いてPCB分解を行った場合
の熱分解処理後の残渣は、カルシウム化合物を主成分と
するためセメントの原料(または成分)として再利用可
能である(この場合、酸化鉄が存在すると、セメントの
強度を増大する)。あるいは、上記の熱分解処理された
後のPCB分解後の混合物は、硫酸で中和し、そして焼
成することにより、石膏(例えば、β−石膏)として再
利用され得る。β−石膏は、例えば、熱処理後の混合物
の100重量部に対して、濃硫酸5〜500重量部、好
ましくは30〜150重量部、および水10〜1000
重量部、好ましくは30〜150重量部を添加すること
により調製され得る。あるいは、熱分解処理後の混合物
の一部を、硫酸で中和した後、再度加熱処理してセメン
トの原料(または成分)とし得る。
【0055】
【実施例】本発明の実施例を以下に示すが、本発明はこ
れに限定されない。
【0056】<実施例1>最初に、100gのPCB含
有トランス油(PCB濃度:18ppm)、20gの界面
活性剤水溶液(濃度:10ppm、使用界面活性剤:アル
スロファクチンを主成分とする)を混合し、十分に攪拌
(2000rpmで30分間)して、トランス油を乳化さ
せた。この処理によって得られたPCB含有エマルショ
ンにおいては、エマルション中に存在する分散粒子のサ
イズはサブミクロンオーダーであった。
【0057】次に、50gの酸化カルシウムおよび1g
のパーム油を十分に攪拌(50rpmで30分間)した。
【0058】上記のPCB含有エマルションおよび上記
のパーム油処理された酸化カルシウムを混合して、得ら
れたスラリー状の混合物を室温で放置した。混合後、発
熱が認められ、約20〜30分後には、混合物の温度は
約90℃〜100℃に達した。その後、スラリー状の混
合物は、水アメ状の粘度の高い状態となった。このよう
な状態で、3か月間、混合物を室温に置いた。3か月
後、混合物は固化していた。固化した混合物は、容易に
粉砕することができた。
【0059】分解処理後の混合物中に含まれるPCBの
分析は、環水管第127号II−15(含有試験法)に従
って行った。この分析によるPCBの定量検出限界値
は、0.01ppmであった。分析の結果、処理後の混合物
中のPCBの約99.9%が分解されたことが判明し
た。
【0060】次に、得られた処理後の混合物を用いて、
熱分解を行った。熱分解は、上記の分解処理混合物(1
00g)と粉末状酸化鉄(Fe2O3:10g)とを混合
し、得られた混合物を、窒素雰囲気下(通気量:1リッ
トル/分)で、550℃の温度で、0.5時間加熱する
ことによって行った。環水管第127号II−15(含有
試験法)に従って分析した結果、熱分解後の混合物中の
PCBは検出されなかった。これは、99.99%以上
のPCB分解率に相当する。
【0061】ダイオキシンは、いずれの場合も、混合物
1gあたり0.1ngであった。
【0062】
【発明の効果】本発明の方法によれば、有害な副生成物
を発生することなく、省エネルギーで、かつ効率よくP
CB含有物中のPCBを分解する。本発明の方法は、処
理すべきPCB含有物が存在する現位置での処理に適す
る。本発明の方法によって処理されたPCB含有物は、
例えば、セメントまたは石膏として有効利用できる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビフェニルの分解方法であっ
    て、(1)ポリ塩化ビフェニル含有物を、水および界面
    活性剤を用いて乳化させることにより、乳化されたポリ
    塩化ビフェニル含有物を得る工程;(2)アルカリ金属
    またはアルカリ土類金属の金属酸化物と、脂肪酸トリグ
    リセリドを主成分とする油とを混合する工程;および
    (3)該乳化されたポリ塩化ビフェニル含有物および該
    金属酸化物と該油との混合物を混合する工程;を包含す
    る、方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(3)で得られた混合物を室温
    で放置する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物がアルカリ土類金属の金
    属酸化物である、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記金属酸化物が、酸化カルシウムおよ
    び酸化マグネシウムのうちの少なくとも1つである、請
    求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記界面活性剤が微生物由来である、請
    求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記界面活性剤が、アルスロファクチ
    ン、サーファクチン、イチュリン、セラウェチン、およ
    びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1つ
    の界面活性剤である、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記脂肪酸トリグリセリドが植物油であ
    る、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 熱処理する工程をさらに包含する、請求
    項2に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記熱処理が還元雰囲気下で行われる、
    請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記熱処理が金属の存在下で行われ
    る、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記金属が鉄である、請求項10に記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 ポリ塩化ビフェニル含有物で汚染され
    た基材の表面を洗浄する方法であって、界面活性剤およ
    び水を含む溶液を洗浄液として用いて、該ポリ塩化ビフ
    ェニル含有物を乳化させることにより該基材表面を洗浄
    する工程を包含する、方法。
  13. 【請求項13】 前記ポリ塩化ビフェニルを乳化させる
    工程において、請求項12で得られたポリ塩化ビフェニ
    ルを含む洗浄液を、ポリ塩化ビフェニル含有物を乳化さ
    せるための界面活性剤源として用いる、請求項1に記載
    の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004038016A1 (ja) * 2002-10-23 2004-05-06 Tohoku Techno Arch Co., Ltd プラスチックの分解法及びそれを利用した有用物質の製造方法
JP2008272569A (ja) * 2006-12-19 2008-11-13 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd ポリ塩化ビフェニル汚染物の処理方法とその装置
JP2009220015A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Railway Technical Res Inst 含塩素有機化合物を含む洗浄廃水の処理方法
JP2011143351A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 廃油中のリン酸エステル除去装置及びpcbを含有する廃油の処理システム
WO2016204943A1 (en) * 2015-06-15 2016-12-22 The Dial Corporation Flavolipids as surfactants in cleansing compositions

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