JP2005185873A - 有害物質含有土壌の浄化方法 - Google Patents

有害物質含有土壌の浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有害物質を低濃度で含有する土壌を大量に、かつ簡便に浄化することができる有害物質含有土壌の浄化方法を提供する。
【解決手段】有害物質を含む土壌を外部からの添加物なしにメカノケミカル処理する工程を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、メカノケミカル処理による有害物質含有土壌の浄化方法に関するものである。
通常、土壌汚染は、その汚染濃度は薄く、広範囲に拡散しておりその必要処理量は膨大な量となる。また、その健康被害や自然界への影響、環境汚染は深刻であり、被害は甚大である。例えば、シドニーオリンピックの時は、工場跡地からの汚染土壌を多額の費用と日数をかけ汚染物除去、無害化処理をしなければならなかった。
また、汚染土壌の問題はこれにとどまらず、ダイオキシン汚染、TCE(トリクロロエチレン)、PCE(テトラクロロエチレン)、有機リン系化合物、窒素化合物、農薬、除草剤、殺虫剤、過剰の肥料などの有害物質を含有した土壌の浄化など数々の問題が実存しており、某企業の跡地からTECが検出され問題になるなど企業においても関係がある。
現在、有害物質を含有する汚染土壌の浄化技術には、加熱分解法(直接過熱法、間接加熱法)、BCD法(Base Catalyzed Decomposition Process)、溶融分解法、化学的分解法、微生物利用分解法(バイオレメディエーション)、土壌ガス吸引法、透過性地下水浄化壁を用いた浄化方法など数多くが提案されている。しかし、これらの技術には、処理コストがかかる、浄化に日数を要する、危険な化学薬品を使用する、他の有害物質の発生や拡散による二次汚染発生の危惧がある、大量の汚染土壌の処理が難しい、大量のエネルギーの投入が必要である、などそれぞれに問題点がある。
そのため、これらの欠点を補う技術として、最近、メカノケミカル法を用いた処理方法が提案されている。例えば、PCBを含む有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化方法として、有機ハロゲン化合物を含有する物質を酸化カルシウムおよび/または水酸化カルシウムを含有する物質と混合し、常温でメカノケミカル処理した後、水洗濾過する方法が提案され、有望な処理方法として注目されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−70401号公報
しかしながら、開示されている上記処理方法では対象物への酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、スラグなどの外部からの添加物の投入が必要である。このため、大量に汚染土壌を浄化処理する場合には添加物の量も大量となり、その運搬、工程、コストが発生することが予想される。また、添加物の混入により、土壌の組成が変化することも考えられる。そこで、さらに、汚染土壌の安全で実用的な浄化技術の開発と実用化が強く望まれている。また、今後、この分野は、日本でも、世界的にも大きな市場価値、マーケット性があり、今後、新たなビジネスソースとして展開していくことが予想されている。
また、土壌に対して大量に投与される農薬、殺虫剤、除草剤には、有機リン化合物が含まれており、過剰な有機リン化合物による土壌汚染が問題となるが、有効な浄化方法がこれまでになかった。
さらに、化学製品などが産業廃棄物となった場合に、それに含まれる芳香族炭化水素が土壌を汚染することが問題となるが、これも有効な浄化方法がこれまでになかった。
また、珊瑚を食べ、珊瑚礁を破壊するオニヒトデの大量発生が近年深刻な問題となっており、駆除のために捕獲したオニヒトデの廃棄処理として焼却や埋め立てが行われているが、オニヒトデが持っている毒素による処理後の感染症が心配されている。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、有害物質を低濃度で含有する土壌を大量に、かつ簡便に浄化することができる有害物質含有土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、有害物質を含む土壌を外部からの添加物なしにメカノケミカル処理する工程を備えたことを特徴とする有害物質含有土壌の浄化方法である。
ここで、前記有害物質は、有機リン化合物、芳香族炭化水素の少なくともいずれか一からなる有害物質である。
また、前記有害物質は、オニヒトデの毒素である。
また、前記汚染土壌が、アルミナ、シリカ、希土類酸化物の少なくともいずれか一成分を含むことが好ましい。
さらに、メカノケミカル処理前に前記土壌中の水分を除去する工程を備えるとよい。
本発明によれば、従来技術では、難しさが指摘されていた、大量の低濃度汚染土壌の浄化が可能な実用的な技術である。PCB、ダイオキシン、有機塩素系化学物質、有機リン化合物、農薬、除草剤、殺虫剤、過剰の肥料含有土壌などの分解・浄化が可能である。
また、非加熱操作であるため、二酸化炭素の発生はなく、また燃焼による副生成物による2次汚染や汚染の拡散がない。さらに、エネルギー消費量が少なく、大量処理が可能である。また、密閉系での反応であり、有害物質の外部への漏洩の心配がない。
また、装置がシンプルであり、イニシャルコスト、ランニングコストが安価であり、装置の移動が可能であり、汚染現場(0n site)での浄化が可能である。
また、危険な薬品類の使用がなく、有害物質含有土壌のみ、あるいは必要に応じて、砂、小石などの投入のみである。すなわち、外部から、薬品類などの混合は不要であり、土壌成分を活用し汚染土壌の浄化ができる。浄化された土壌はそのまま土壌として再利用可能である。
したがって、最近問題となっている大量産業廃棄物廃棄で複合汚染された土壌、焼却処理場汚染、工場跡地の土壌処理など土壌汚染の浄化として幅広いフィールドで応用可能であり、今後、さらに強く要求される、安全性に関する社会ニーズに合致する技術である。
また、捕獲オニヒトデと土壌とを混合し、粉砕処理するメカノケミカル処理により有害成分(毒素)は分解・無害化され、処理後は感染症の心配なく土壌へ戻すことができる。
以下に、本発明に係る有害物質含有土壌の浄化方法について説明する。
本発明は、有害物質を含む土壌を外部からの添加物なしにメカノケミカル処理する工程を備える。
ここで、有害物質とは、有機ハロゲン化合物、有機リン化合物、芳香族炭化水素の少なくともいずれか一からなる有害物質である。このうち、有機リン化合物は、その物質そのもの場合もあるが、農薬、除草剤、殺虫剤、肥料などに含まれている場合もある。
有機ハロゲン化合物は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ダイオキシン類、TCE(トリクロロエチレン)、PCE(テトラクロロエチレン)等の有機塩素化合物などである。なお、ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)と、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)及びコプラナーPCBs(Co-PCBs)を合わせた総称である。
有機リン化合物は、例えばピラゾール誘導体およびそれを有効成分とする除草剤(特許第3249881号、製造方法)、置換ニトログアニジン誘導体、殺虫剤(特許第3250825号、製造方法)、リン酸誘導体(殺菌消毒作用や防腐作用)(特許第3259726号、製造方法)、2-クロロ-3-シアノピリジン(医薬品および農薬の製造原料)(特許第3291345号、製造方法)、有機リン化合物(五価の有機リン化合物は三価の有機リン化合物を酸化することにより得られ、合成樹脂の可塑剤、難燃剤及び安定剤、潤滑剤などに使用される)(特許第3383198号、製造方法)、N-クロロメチル N-アルキルリン酸アミドジクロリド(有機リン系農薬の製造中間体)(殺虫剤塩素化シュラーダン製造の中間体)(特許第3409342号、製造方法)、トリフルオロメタンスルホニルクロリド(医薬品、農薬、各種機能材料製造の原料)(特許第3444477号、製造方法)、ジアセタール組成物(特許第3458190号、製造方法)などの化学物質である。
芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンが挙げられる。
また、有害物質とは、オニヒトデの有機系の毒素であってもよい。
捕獲したオニヒトデはメカノケミカル処理の前に天日乾しや低温炉などにより乾燥させるとよい。
ここで、土壌とは、微細な鉱物を含み地面を構成する土であり、どの場所の土でもよい。この土壌は、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)が主成分であり、有害物質の分解反応の促進剤となるため、基本的に外部からの添加物は不要である。その結果、従来のメカノケミカル法のように添加物を新たに加える必要がないため、工程的にもコスト的にも有利である。土壌の組成例(カオリナイト)を表1に示す。
Figure 2005185873
また、土壌には、希土類酸化物を含んでいることが好ましい。希土類元素の酸化物とは、ScとYとランタノイド類であるLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luとの17種類の希土類元素の少なくともいずれか一種の酸化物であり、このうち、La23、CeO2、Nd23、Gd23、Y23が分解の効率がよいため好ましい。なお、希土類酸化物は必ずしも精製された純度の高いものである必要はなく、希土類酸化物を含有するミッシュメタルやその他の鉱物であればよい。
また、必要に応じて種類や採取場所の異なる土壌を適当に組み合わせると、メカノケミカル処理の効率が向上し好ましい。
なお、土壌に極端に大きな岩や石、鉄くずなどの粉砕時の阻害物質と考えられる異物が混入する場合は、あらかじめふるい分けなどでそれらが取り除かれていることが望ましい。
(メカノケミカル処理)
メカノケミカル処理工程について説明する。この工程は粉砕法を基本としたメカノケミカル法であり、有害物質を含有する土壌を添加して乾式で粉砕し、その過程で固相反応を発生させて有害物質の分解・無害化を図るものである。
具体的には、有害物質を含有する土壌を所定の混合粉砕装置に投入してメカノケミカル処理を行う。また、有害物質がオニヒトデの場合には、捕獲したオニヒトデと、土壌と一緒にしてメカノケミカル処理するようにしてもよい。
ここでメカノケミカル処理とは、一般的に原料物質に対して機械的エネルギー、例えばせん断、圧縮、衝撃、粉砕、曲げ延伸等を施し、処理物質表面に物理化学的変化を生じせしめて、その周囲に存在する気体、液体、固体との化学的変化を誘起促進するなどして、処理物質の化学的状態に影響をおよぼす処理をいう。この処理は、非加熱法であり、温暖化ガスの二酸化炭素やNOx,SOxなどの有害ガスの発生や燃焼法特有の有害物質の2次的な生成がなく、安全性の高いプロセスである。
メカノケミカル処理に用いる混合粉砕装置としては、ボールなどの媒体を使用する、遊星ボールミル、ボールミルなどの高エネルギー装置が望ましいが、混合・粉砕効果を有する装置ならば、これらに限定されるものではない。例えばボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体攪拌型ミル等の、衝撃、摩擦、圧縮、せん断等が複合したボール媒体ミルや、ジェット粉砕装置等が挙げられる。なお、装置内の水分は、有害物質分解の効果が阻害されるので除去されていることが望ましい。
また、メカノケミカル効果を与える上記装置類は、最初に行う粗粉砕、中間の粉砕、仕上げの微粉砕などのように、装置を分け、効率を高めることも可能である。
上記メカノケミカル処理において、有毒物質から塩素やハロゲンなどの離脱が起こり、無害な化学状態まで反応は促進する。操作条件によっては、ビフェニル環などの結合も切断され、より安全な状態まで反応を促進することが可能である。最終生成物質は、分解対象となる汚染物質により異なるが、代表的には、ビフェニル、低分子量の炭化水素類、カーボネート、アモルファスカーボン、などの無害な物質である。例えば、PCBを含有する土壌を添加し、これを空気中で粉砕させると、メカノケミカル反応によってPCBは完全に分解され、反応終点時にはPCB中の塩素はCaCl2・nH2O、LaOClなどの無機塩素化合物として固定され、その他に炭素や低分子量の炭化水素が生成している。
とくに、これまでに有効な浄化方法のなかった、有機リン化合物や芳香族炭化水素を含む土壌についても、上記メカノケミカル処理により当該有害物質を分解・無毒化することができる。
このとき、メカノケミカル処理による有害物質の分解反応の進行度は処理時間に依存しているので、好適なメカノケミカル処理時間を選定することによって分解率を制御することができる。
処理後は、土壌を分析し、有害物質の残量が規定値以下のこと、二次汚染物質が無いことを確認できたら、また土壌に戻すことが可能となる。
メカノケミカル処理による無害化は、土壌に極端に水分が多く含まれている場合は、有害物質分解の効果が阻害される為、極端に多い水分は、粉砕処理の前に乾燥、除去する必要がある。反応装置内の水分は、水酸化物を作り、反応効率を低下させると考えられるので、除去されていることが望ましい。したがって、土壌中の水分を除去する乾燥操作を行った後、粉砕操作(メカノケミカル処理:分解、無害化)を行うとよい。
ここで、乾燥操作は、天日乾し、ベルトコンベア上に土壌を載せ連続的に炉内を通過させることによる連続乾燥、流動層等による温風を用いた乾燥などによるとよい。乾燥は、あくまで水分を蒸発除去するためであり、有害物質を蒸発除去するためではないので、100℃以下の低温で行う。
なお、土壌成分は場所により異なるため、処理効率が落ちる場合もある。そこで、メカノケミカル処理の効率を向上させるために、土壌に促進剤として小石、砂利、砂、SiO2、反応剤としてAl2O3, MgO, CaOを適当量添加してもよい。これにより、土壌の凝集を防ぐとともに、粉砕効果を高めることができる。上記添加の際は、テーブルテスト、実験室レベルのテストなどにより予め添加量等を求めておくとよい。
有害物質がオニヒトデの毒素の場合、捕獲したオニヒトデを天日干しや低温炉により乾燥させた後、土壌と一緒にメカノケミカル処理(粉砕処理)することで、オニヒトデの毒素も分解・無害化することができ、処理後の感染症の心配もなくなる。また、従来よりも処理費用や作業性の面でその負荷が軽減される。
このとき、土壌といっしょに、CaO(酸化カルシウム)なども入れると消毒効果も、毒物の吸収、分解効果も高まり好ましい。さらに、土壌に戻した時にも悪影響が無い。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1として、次に示す条件で本発明のメカノケミカル処理を行った。
・混合粉砕装置:遊星ボールミル(Fritsh Pulverrisette-7)
・回転数:700rpm
・反応容器:ステンレス製あるいはジルコニア製密閉ポット(45cm3)、空気雰囲気
・媒体:スチール製あるいはジルコニア製ボールφ15mm、7個
・投入試料:5g
うち、処理原料:3-Chlorobiphenyl(以下、PCB)5wt%とし、それに95wt%の標準試薬Al2O3またはAl(OH)3を添加した。
・粉砕時間:6時間
合計5gの計量したPCBと標準試薬とを混合粉砕用のポットにボール7個とともに投入し、遊星ボールミルを用いて、所定条件のメカノケミカル処理を行った。
この遊星ボールミルは、例えば内容量が45cm3の2個のポットが水平回転円盤上に取り付けられた構成を有している。この水平回転円盤は、回転半径70mmで時計回りに回転するようになされ、ポット自体も円盤と同一回転速度で半時計回りに回転するようになっている。
図1に、標準試薬Al2O3またはAl(OH)3について電子スピン共鳴(ESR,Electron Spin Resonance)装置(Bruker製、ESP-380E)で分析した結果を示す。ESR測定用試料はジルコニア製容器とボールにより調整した。試薬Alはラジカル生成が確認できるが、Al(OH)はラジカルの生成は確認されない。
実施例1の生成物を水洗ろ過した後に、ろ過後の残渣をエチルアセテートに溶解し、ガスクロマトグラフィー質量分析装置(HP製、model 3890 & model 5973)によりPCBの残留率と有機化合物の存在を分析した。その結果を図2に示す。
Al2O3では、PCBの小さなピークは検出されたが、PCB分解生成物としてのビフェニル(BP)が認められることからPCBの分解がある程度進んでいることが確認された。
これに対して、Al(OH)3ではPCBがほとんど分解されていなかった。
つぎに、実施例1のAl2O3による生成物とPCBについて赤外分光 (FT-IR, Fourier transform infrared spectroscopy) 分析装置 (Bio-Rad FTS-40A)により分析した。その結果を図3に示す。
この結果からも、Al2O3によりPCBの分解がある程度進んでいることが確認された。
(実施例2)
実施例1のPCBと標準試薬に代えて、焼却炉近辺で採取したダイオキシン類を含む土壌を投入試料とし、その他の条件は実施例1の条件として、処理時間0、2,4、8、16hのメカノケミカル処理を行った。なお、採取した土壌の主成分は表1の成分に近似のもので、この土壌を100℃で乾燥操作処理を行った後、メカノケミカル処理を施した。
メカノケミカル処理後の試料について、ガスクロマトグラフィー質量分析装置でダイオキシン類濃度を測定した結果を表2に示す。なお、表2では、毒性評価対象であるダイオキシン類化合物(異性体)の実測濃度を、毒性の最も強い異性体である2、3、7、8-T4CDD(2、3、7、8四塩化ジベンゾパラジオキシン)の毒性濃度に換算し、その総和で表した数値(濃度単位pg−TEQ、毒性等量=toxic equivalents(TEQ))として表示した。
Figure 2005185873
表2のように、当初土壌5g中に500pg−TEQ含有されていたダイオキシン類は、16hのメカノケミカル処理により検出限界以下まで分解・無害化できた。
(実施例3)
混合粉砕用のポットに、表1の組成の土壌に有機リン化合物の1種であるフェニトロチオン(化学名:O,O-dimethyl O-4-nitro-m-tolyl phosphorothioate)を1000ppmとなるように添加して擬似的に有害物質含有の土壌としたものを投入し、その条件は実施例1の条件として、ステンレス製容器、スチール製ボールを用い、処理時間0、2、4、8、16hのメカノケミカル処理を行った。また、参考例として、実施例1のPCBに代えて上記、有機リン化合物そのものと、試薬Alとを投入試料とし、その条件は実施例1の条件として、ステンレス製容器、スチール製ボールを用い、処理時間0、2、4、8、16hのメカノケミカル処理を行った。
メカノケミカル処理後の試料について、ガスクロマトグラフィー質量分析装置(HP製、model 3890 & model 5973)でダイオキシン類濃度を測定した結果として、実施例3を表3に、参考例を表4に示す。
Figure 2005185873
Figure 2005185873
表3のように、当初擬似土壌5g中に1000ppm含有されていたフェニトロチオンは、16hのメカノケミカル処理により検出限界以下まで分解・無害化できた。
(実施例4)
混合粉砕用のポットに、表1の組成の土壌とともに、乾燥し予備的に粉砕したオニヒトデを投入し、その他の条件は実施例1の条件としてメカノケミカル処理を行った。
その結果、オニヒトデの毒素は分解され無害化されたことが確認された。
標準試薬Al2O3またはAl(OH)3についてのERS分析結果を示す図である。 実施例1のメカノケミカル処理を行った試料のガスクロマトグラフィー質量分析結果である。 実施例1のメカノケミカル処理を行った試料のFT−IR分析の結果である。

Claims (5)

  1. 有害物質を含む土壌を外部からの添加物なしにメカノケミカル処理する工程を備えたことを特徴とする有害物質含有土壌の浄化方法。
  2. 前記有害物質が、有機リン化合物、芳香族炭化水素の少なくともいずれか一からなる有害物質であることを特徴とする請求項1に記載の有害物質含有土壌の浄化方法。
  3. 前記有害物質が、オニヒトデの毒素であることを特徴とする請求項1に記載の有害物質含有土壌の浄化方法。
  4. 前記汚染土壌が、アルミナ、シリカ、希土類酸化物の少なくともいずれか一成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の有害物質含有土壌の浄化方法。
  5. メカノケミカル処理前に前記土壌中の水分を除去する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載の有害物質含有土壌の浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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