JP2003206907A - コンバイン等の油圧制御回路 - Google Patents

コンバイン等の油圧制御回路

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JP2003206907A JP2002004800A JP2002004800A JP2003206907A JP 2003206907 A JP2003206907 A JP 2003206907A JP 2002004800 A JP2002004800 A JP 2002004800A JP 2002004800 A JP2002004800 A JP 2002004800A JP 2003206907 A JP2003206907 A JP 2003206907A
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Junichi Fujiwara
潤一 藤原
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哲也 城下
Takuji Komatsu
卓司 小松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンバイン等の走行系と作業系を作用させる油
圧制御回路の不具合点を改善する。 【解決手段】車体1の走行を行う走行系Tと各種の作業
を行う作業系Wとを油圧制御するコンバイン等におい
て、単一の油圧ポンプ2から走行系Tと作業系Wとに各
々独立した設定圧力を保持する圧油を送油し油圧作用さ
せ、この油圧制御を行う走行系Tの各種の走行系油圧弁
3を操作席4のステップ4a下方部近傍に、作業系Wの
各種の作業系油圧弁5を刈取装置6の懸架部6a近傍に
各々設け、作業系Wにおける油圧回路では、作業系油圧
弁5として刈取装置6を昇降させる刈取昇降電磁弁7を
優先作用させ、その下手側にオーガ昇降,車体水平等の
各制御用電磁弁8を各々配置接続すると共に、この刈取
昇降電磁弁7と各制御用電磁弁8とを各々独立のブロッ
クに纏めて配置接続したことを特徴とする油圧制御回路
の構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンバイン等の
油圧制御回路に関し、単一の油圧ポンプから車体の走行
を行う走行系と各種の作業を行う作業系とに各々独立し
た設定圧力を保持する圧油を送油し油圧作用させるもの
等の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】コンバイン等における作業時に、単一の
油圧ポンプから車体の走行を行う走行系と各種の作業を
行う作業系とに圧油を送油して制御を行わせる油圧回路
において、従来では、油圧ポンプからの圧油を優先分流
弁等により分流し、この分流された制御流を走行系のク
ラッチやブレーキの制御側へ流すと共に、余剰流を作業
系の各作業装置の制御側へ流すようにしているもの等が
既に開示されているが、これらの油圧回路では、走行系
へ送油する圧油を一定量流すよう制御を行っているもの
が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように、
油圧回路における走行系への送油量を一定量流すよう制
御を行っているものでは、走行系のクラッチやブレーキ
への送油によって操向旋回を行うときは旋回内側の負荷
が増大するため、この負荷増大により旋回外側に対する
送油量が低下し的確な旋回作用が行われ難いという不具
合を生じる。
【0004】また、この負荷増大に伴い作業系において
も負荷変動により制御が安定せず、例えば、刈取装置の
分草体が土壌面に突っ込んで安定した作業が行われ難い
という不具合を生じる。また、多数の走行系の油圧弁と
作業系の油圧弁の各配置や取付け状態に纏まりがないた
め、配管やメンテナンスを行う際に不都合を生じること
が多かった。
【0005】そこで、このような油圧制御装置における
不具合の改善を行う。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、車体
1の走行を行う走行系Tと各種の作業を行う作業系Wと
を油圧制御するコンバイン等において、単一の油圧ポン
プ2から走行系Tと作業系Wとに各々独立した設定圧力
を保持する圧油を送油し油圧作用させることを特徴とす
る油圧制御回路の構成とする。
【0007】このような構成により、コンバイン等の作
業時に、単一の油圧ポンプ2から走行系Tとして操向旋
回を行う操向クラッチと走行ブレーキに、例えば減圧弁
による設定圧力(二次圧)を保持した圧油を供給するこ
とにより、旋回内側の負荷が増大しても旋回外側に対す
る送油量を低下させることなく旋回を行うことができる
と共に、作業系Wでは、減圧弁を用いた走行系Tに圧油
を割かれることなく、例えば主リリーフ弁による設定圧
力(一次圧)を保持した圧油量を供給することができる
から、各種の作業装置を支障なく稼働させることができ
る。
【0008】請求項2の発明は、車体1の走行を行う走
行系Tと各種の作業を行う作業系Wとを油圧制御するコ
ンバイン等において、単一の油圧ポンプ2から走行系T
と作業系Wとに各々独立した設定圧力を保持する圧油を
送油し油圧作用させるもので、この油圧制御を行う走行
系Tの各種の走行系油圧弁3を操作席4のステップ4a
下方部近傍に、作業系Wの各種の作業系油圧弁5を刈取
装置6の懸架部6a近傍に各々設けたことを特徴とする
請求項1記載の油圧制御回路の構成とする。
【0009】このような構成により、コンバイン等の作
業時に、単一の油圧ポンプ2から走行系Tに、例えば減
圧弁による設定圧力を保持した圧油を供給することによ
り、旋回時に送油量を低下させることなく旋回を行うこ
とができる共に、作業系Wでは、例えば主リリーフ弁に
よる設定圧力を保持した圧油量を供給することができる
から、各種の作業装置を支障なく稼働させることができ
るものにおいて、走行系Tの各種の走行系油圧弁3とし
ての、例えば減圧弁ユニット,操向クラッチ,走行ブレ
ーキ等の各制御用電磁弁を操作席4のステップ4aの下
方部近傍位置にブロックに纏めて取り付け、作業系Wの
各種の作業系油圧弁5としての、例えば刈取昇降,オー
ガ昇降,車体水平等の各制御用電磁弁を刈取装置6の懸
架部6aの近傍位置にブロックに纏めて取り付ける。
【0010】請求項3の発明は、車体1の走行を行う走
行系Tと各種の作業を行う作業系Wとを油圧制御するコ
ンバイン等において、単一の油圧ポンプ2から走行系T
と作業系Wとに各々独立した設定圧力を保持する圧油を
送油し油圧作用させるもので、作業系Wにおける油圧回
路では、作業系油圧弁5として刈取装置6を昇降させる
刈取昇降電磁弁7を優先作用させ、その下手側にオーガ
昇降,車体水平等の各制御用電磁弁8を各々配置接続し
たことを特徴とする請求項1記載の油圧制御回路の構成
とする。
【0011】このような構成により、コンバイン等の作
業時に、単一の油圧ポンプ2から走行系Tに、例えば減
圧弁による設定圧力を保持した圧油を供給することによ
り、旋回時に送油量を低下させることなく旋回を行うこ
とができる共に、作業系Wでは、例えば主リリーフ弁に
よる設定圧力を保持した圧油量を供給することができる
から、各種の作業装置を支障なく稼働させることができ
るものにおいて、作業系Wにおける油圧回路では、作業
系油圧弁5として刈取装置6を昇降させる刈取昇降電磁
弁7に、例えば電磁比例流量制御弁を用いることにより
直接圧油を供給して優先作用させ、次に、この作用下手
側に配置接続した排穀オーガ昇降用及び車体水平用ロー
リング,ピッチング等の各制御用電磁弁8を作用させ
る。
【0012】請求項4の発明は、車体1の走行を行う走
行系Tと各種の作業を行う作業系Wとを油圧制御するコ
ンバイン等において、単一の油圧ポンプ2から走行系T
と作業系Wとに各々独立した設定圧力を保持する圧油を
送油し油圧作用させるもので、作業系Wにおける油圧回
路では、作業系油圧弁5として刈取装置6の刈取昇降電
磁弁7と、オーガ昇降,車体水平等の各制御用電磁弁8
とを各々独立のブロックに纏めて配置接続したことを特
徴とする請求項1記載の油圧制御回路の構成とする。
【0013】このような構成により、コンバイン等の作
業時に、単一の油圧ポンプ2から走行系Tに、例えば減
圧弁による設定圧力を保持した圧油を供給することによ
り、旋回時に送油量を低下させることなく旋回を行うこ
とができる共に、作業系Wでは、例えば主リリーフ弁に
よる設定圧力を保持した圧油量を供給することができる
から、各種の作業装置を支障なく稼働させることができ
るものにおいて、作業系Wにおける油圧回路では、作業
系油圧弁5として刈取装置6の刈取昇降電磁弁7(アン
ロード弁を含む)と、排穀オーガの昇降用及び車体水平
のローリング,ピッチング用等の各制御用電磁弁8とを
各々独立した別ブロックに纏めて配置接続させる。
【0014】
【発明の効果】請求項1の発明では、上記作用の如く、
走行系Tに設定圧力を保持する油圧弁を用いて圧油の供
給を行うことにより旋回時に送油量を低下させることな
く旋回を行うことができると共に、作業系Wにリリーフ
弁による設定圧力を保持した圧油量の供給を行うことに
より各種の作業装置を支障なく稼働させることができる
から、従来の如く、走行系Tに一定流量の圧油を供給す
るときのように、旋回時における送油量不足や、作業装
置の必要作動速度を得る際に走行系Tに流量を割かれる
ということがなく、的確な旋回作用による走行と作業装
置の安定した制御を行うことができ、油圧ポンプ2を小
さくすることが可能となり、エンジンの出力ロスや油温
上昇の抑制に対しても効果がある。
【0015】請求項2の発明では、上記作用の如く、走
行系Tに設定圧力を保持する油圧弁を用いて圧油の供給
を行うことにより旋回時に送油量を低下させることなく
旋回を行うことができると共に、作業系Wにリリーフ弁
による設定圧力を保持した圧油量の供給を行うことによ
り各種の作業装置を支障なく稼働させることができるも
のにおいて、走行系Tの各種の走行系油圧弁3を操作席
4のステップ4aの下方部近傍位置にブロックに纏めて
取り付け、作業系Wの各種の作業系油圧弁5を刈取装置
6の懸架部6aの近傍位置にブロックに纏めて取り付け
ることにより、従来の如く、各種の油圧弁3,5の配置
や取付け状態に纏まりがないため配管やメンテナンスを
行う際に不都合を生じるということがなく、合理的な配
管が可能となり、メンテナンス性についても対応が容易
となる。
【0016】請求項3の発明では、上記作用の如く、走
行系Tに設定圧力を保持する油圧弁を用いて圧油の供給
を行うことにより旋回時に送油量を低下させることなく
旋回を行うことができると共に、作業系Wにリリーフ弁
による設定圧力を保持した圧油量の供給を行うことによ
り各種の作業装置を支障なく稼働させることができるも
のにおいて、作業系Wにおける油圧回路では、作業系油
圧弁5として刈取装置6を昇降させる刈取昇降電磁弁7
に直接圧油を供給して優先作用させ、次に、この作用下
手側に配置接続した他の各制御用電磁弁8を作用させる
ことにより、刈取昇降電磁弁7を他の各制御用電磁弁8
に優先して確実に作動させることができるから、従来の
如く、回路負荷の不安定要因により刈取装置6の分草体
が土壌面へ突っ込む等の不具合を防止して、安定した作
業を行うことができる。
【0017】請求項4の発明では、上記作用の如く、走
行系Tに設定圧力を保持する油圧弁を用いて圧油の供給
を行うことにより旋回時に送油量を低下させることなく
旋回を行うことができると共に、作業系Wにリリーフ弁
による設定圧力を保持した圧油量の供給を行うことによ
り各種の作業装置を支障なく稼働させることができるも
のにおいて、作業系Wにおける油圧回路では、作業系油
圧弁5として刈取装置6の刈取昇降電磁弁7と、オーガ
昇降及び車体水平等の各制御用電磁弁8とを各々独立し
た別ブロックに纏めて配置接続させることにより、従来
の如く、各種の作業系油圧弁5の配置や取付け状態に纏
まりがないため配管やメンテナンスを行う際に不都合を
生じるということがなく、特に、刈取昇降電磁弁7(電
磁比例流量制御弁)を独立配置しているから、合理的な
配管が可能となり、メンテナンス性についても対応が容
易となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施例をコン
バインについて図面に基づき説明する。図16はコンバ
インの全体構成を示すもので、車台9の下部側に土壌面
を走行する左右一対の走行クローラ10を張設した走行
装置11を配設すると共に、該車台9上に、フィードチ
ェン12に挟持して搬送供給される穀稈を脱穀処理した
穀粒を選別回収して一時貯留するグレンタンク13と、
このタンク13に貯留された穀粒を機外へ排出する排穀
オーガ14を備えた脱穀装置15を載置配設し、この脱
穀装置15の後端部に排藁処理装置16を装架構成させ
る。
【0019】該脱穀装置15の前方に、前端側から未刈
穀稈を分草する分草体17と、分草した穀稈を引き起こ
す引起部18と、引き起こした穀稈を刈り取る刈刃部1
9と、刈り取った穀稈を掻き込むと共に搬送途上におい
て扱深さを調節して該フィードチェン12へ引き継ぎを
行う供給調節搬送部20等を有する刈取装置6を、油圧
駆動による刈取昇降シリンダ21により土壌面に対して
昇降自在なるよう該車台9の前端部へ懸架配設して構成
させる。
【0020】該刈取装置6の一側にコンバインの操作制
御を行う操作装置22と、操作のための操作席4を設
け、この操作席4の下方にエンジン23を搭載し、後方
側に前記グレンタンク13を配置すると共に、操作装置
22と操作席4を覆うキャビン24を設け、これら走行
装置11,脱穀装置15,刈取装置6,操作装置22,
エンジン23,キャビン24等によってコンバインの車
体1を構成させる。
【0021】該操作席4において、作業者による前後操
作により車体1の前後進の切り替え及び主変速伝動を行
う主変速レバー25と、左右側への傾倒操作により直進
時の左右操向作用及び各種旋回モードによる旋回作用を
行わせるパワステレバー26とを各々操作装置22の一
側に配設すると共に、このパワステレバー26には、図
12に示す如く、該レバー26の左右側への傾倒操作量
を検出するポテンショメータ等によるポジションセンサ
26aを設けて構成させる。
【0022】該走行装置11は、車台9の前部側に走行
用ミッションケース28を装架しており、このミッショ
ンケース28の伝動機構として、図13,図14に示す
如く、該エンジン23から油圧式無段変速装置の可変ポ
ンプ29に軸止した入力プーリ30を駆動可能に伝動ベ
ルトを張設すると共に、この可変ポンプ29によって一
体的に駆動する油圧モータ31から第1軸としての入力
軸32に入力連動し、この入力軸32に入力ギヤ33を
軸回転して構成させる。
【0023】該入力ギヤ33と、第2軸としての変速駆
動軸34に軸回転する変速伝動ギヤ35とを噛合連動さ
せると共に、この変速駆動軸34に軸遊転する高速ギヤ
36と低速ギヤ37に対し常時噛合連動する高速駆動ギ
ヤ38と低速駆動ギヤ39を第3軸としての変速伝動軸
40に軸回転して構成させる。
【0024】同じく、該変速駆動軸34にスプライン等
により軸回転摺動する中速ギヤ41を、図示しないシフ
タの切り替えにより該変速伝動軸40に軸回転する中速
駆動ギヤ42に噛合連動させると共に、更に左右側に位
置する低速駆動ギヤ39と高速駆動ギヤ38とに各々ク
ラッチ爪を噛合接続させることにより、高速,中速,低
速に変速する副変速部SDを構成させる。
【0025】該変速伝動軸40の中速駆動ギヤ42と、
第4軸としての操向クラッチ軸43のセンターに軸回転
する操向センタギヤ44とを噛合連動させ、この操向セ
ンタギヤ44の両側に各々左右の操向ギヤ45を軸遊転
し、前記パワステレバー26の傾倒操作時に、油圧作用
の摩擦多板46aと圧縮バネ46bとによる左右の操向
クラッチ46を接続状態と非接続状態とに制御を行い、
車体1の直進時には操向クラッチ46を接続状態とし操
向ギヤ45を軸回転させる構成とする。
【0026】該操向クラッチ軸43の操向センタギヤ4
4と、第5軸としての差動クラッチ軸47に軸回転する
差動センタギヤ48とを噛合連動させると共に、この差
動センタギヤ48の両側に、左右対称の遊星ギヤ機構P
Gを配置して構成させる。49は、該差動クラッチ軸4
7の一端部に配置した駐車ブレーキを示す。
【0027】該遊星ギヤ機構PGは、図15に示す如く
(左右対称であり片側についてのみ説明する)、該操向
クラッチ軸43の操向ギヤ45と差動クラッチ軸47に
軸遊転する短円筒形状のキャリア50の外周ギヤ50a
とを噛合連動させると共に、キャリア50の内周面側
に、外径の異なるギヤ51a及びギヤ51bからなる2
連遊星ギヤ51と別の遊星ギヤ52とを、キャリア50
に固定した支持軸51cと支持軸52aとによって各3
個宛交互に軸遊転配置して構成させる。
【0028】該差動クラッチ軸47の両端部に左右のサ
ンギヤ53を各々軸回転配置し、このサンギヤ53と該
各2連遊星ギヤ51のギヤ51aとを各々噛合連動さ
せ、各2連遊星ギヤ51のギヤ51bと各遊星ギヤ52
とを各々噛合連動させると共に、各遊星ギヤ52と差動
クラッチ軸47に軸遊転する2連出力ギヤ54の出力小
径ギヤ54aとを噛合連動して構成させる。
【0029】該キャリア50の一端部に、油圧作用の摩
擦多板による走行ブレーキ55を制動状態と非制動状態
とに制御可能に接続させると共に、該2連出力ギヤ54
の出力大径ギヤ54bの左右側と、第6軸としての走行
中間軸56に軸遊転する左右の2連走行中間ギヤ57の
中間大径ギヤ57aとを噛合連動して構成させる。
【0030】該左右の2連走行中間ギヤ57の中間小径
ギヤ57bと、第7軸としての左右の走行減速軸58の
各一端部に軸回転させる左右の減速大径ギヤ59とを噛
合連動させると共に、この走行減速軸58の各他端部に
軸回転させる左右の減速小径ギヤ60と、第8軸として
の左右の車軸61の各一端部に軸回転させる左右の車軸
ギヤ62とを噛合連動し、左右の車軸61の各他端部に
前記走行クローラ10を駆動する左右の走行駆動輪63
を軸回転配置して構成させる。
【0031】走行系Tとしての前記走行装置11の走行
用ミッションケース28の作用と、作業系Wとしての刈
取装置6の昇降作用,脱穀装置15の排穀オーガ14の
昇降作用,車体1に対する走行クローラ10のローリン
グ及びピッチング作用とを各々油圧制御回路Pによって
実行可能に接続構成させる。
【0032】該油圧制御回路Pは、図1に示す如く、油
タンク64から油圧ポンプ2により供給される圧油を、
走行系Tの各種の走行系油圧弁3として、減圧弁66を
介し設定圧力(二次圧)を保持させ、左右の固定絞り6
7とクラッチ切替電磁弁68を経て前記左右の操向クラ
ッチ46へ各々供給可能に接続すると共に、この油路途
中から左右のブレーキ圧力調整用の電磁比例減圧弁69
を経て前記左右の走行ブレーキ55へ各々供給可能に接
続して構成させる。
【0033】次に、油圧ポンプ2により供給される圧油
を、作業系Wの各種の作業系油圧弁5として、シーケン
ス弁70を介し主リリーフ弁71により設定圧力(一次
圧)を保持させ、まず、該刈取装置6の上昇用切替弁7
aと下降用切替弁7b及びこれらの各調整弁7c,7d
並びにリリーフ弁7eを組合わせた刈取昇降電磁弁7
(電磁比例流量制御弁)を介し、更にチェック弁付き絞
り弁65を経て前記刈取昇降シリンダ21へ供給可能に
接続して構成させる。
【0034】該刈取昇降電磁弁7を経た圧油を、切替電
磁弁72aと組合せたアンロード弁72へ供給すると共
に、各制御用電磁弁8として該脱穀装置15の排穀オー
ガ14用のオーガ昇降電磁弁8a及び逆止め弁73を経
てオーガシリンダ74へ供給可能に接続させ、更に、車
体1の水平制御作用を行う左右のローリング切替電磁弁
8bから逆止め弁75及びチェック弁付き絞り弁75a
を経た左右のローリングシリンダ76と、ピッチング切
替電磁弁8cから逆止め弁77を経たピッチングシリン
ダ78とに各々供給可能に接続して構成させる。
【0035】エンジン23からの動力を、油圧式無段変
速装置の可変ポンプ29へ入力し、この可変ポンプ29
によって駆動される油圧モータ31による主変速動力を
入力軸32に入力連動し、この入力軸32の入力ギヤ3
3から変速駆動軸34の変速伝動ギヤ35へ連動させ
る。
【0036】この連動による変速駆動軸34の中速ギヤ
41の左右摺動により低速ギヤ37及び高速ギヤ36へ
各別に接続させると共に、変速伝動軸40の高速駆動ギ
ヤ38,低速駆動ギヤ39,中速駆動ギヤ42への連動
により副変速駆動を行わせ、この副変速動力を中速駆動
ギヤ42から操向クラッチ軸43の操向センタギヤ44
へ連動させる。
【0037】車体1を旋回させるときは、該パワステレ
バー26の左(又は右)側への傾倒操作量をポジション
センサ26aによって検出し、このポジションセンサ2
6aの検出値により、左(又は右)の操向クラッチ46
がクラッチ切替電磁弁68の切替え作用により切り(非
接続状態)になると同時に、左(又は右)の走行ブレー
キ55に対し、該レバー26の操作量に応じた制動圧力
を電磁比例減圧弁69の作用により立ち上げることによ
り、該左(又は右)のサンギヤ53及びキャリア50と
その2連遊星ギヤ51,遊星ギヤ52のギヤ減速比によ
って、2連出力ギヤ54の回転数が減速する。
【0038】この回転数の減速により、該左(又は右)
のキャリア50の回転数とサンギヤ53の回転数とのギ
ヤ比によって、徐々に回転数が減速していく左(又は
右)の2連出力ギヤ54と、該右(又は左)の操向クラ
ッチ46の入り(接続状態)による通常回転数の右(又
は左)の2連出力ギヤ54とによって、この左右の2連
出力ギヤ54の出力大径ギヤ54bから左右の2連走行
中間ギヤ57の中間大径ギヤ57aへ連動させる。
【0039】この左右の2連走行中間ギヤ57の中間小
径ギヤ57bから左右の走行減速軸58の減速大径ギヤ
59を経て減速小径ギヤ60を駆動させ、この減速小径
ギヤ60から左右の車軸61の車軸ギヤ62へ連動し、
この車軸ギヤ62による通常回転数の右(又は左)の走
行駆動輪63に対し、左(又は右)の走行駆動輪63を
減速させて旋回作用を行わせる。
【0040】この旋回作用により、マイルド旋回モード
を経てブレーキ旋回モードへと移行し、更に、旋回内側
の走行駆動輪63が外側に対して逆方向に回転するスピ
ン旋回モードに至る無段の連続旋回を実行させることが
できる。このような旋回作用時に、前記油圧ポンプ2か
らの圧油を減圧弁66に供給して設定圧力を保持させ、
固定絞り67により流量を規制して操向クラッチ46及
び走行ブレーキ55を作用させることにより、旋回内側
に圧油量を取られ旋回外側の流量不足による圧力低下を
小さく抑えることができると共に、必要時のみ走行系T
側へ圧油が流れ、直進又は停止時には全流量を作業系W
側へ供給可能となるため油圧ポンプ2を小さく設定する
ことができる。
【0041】図2に示す如く、該減圧弁66を前記シー
ケンス弁70と一体型のユニットUとすることにより、
各油圧弁の組付け構成に合うようコンパクトな形状に収
めることが可能となり、メンテナンス性を向上させるこ
とができると共に、簡単に他の油圧回路への流用が可能
となる。なお、66aは減圧弁66のスプール,70a
はシーケンス弁70のスプールを示す。
【0042】前記油圧制御回路Pにおいて、作業系Wと
してシーケンス弁70から刈取装置6を昇降させる刈取
昇降電磁弁7へ、従来の如く、アンロード弁72を経由
することなく圧油を直接供給する優先回路とし、この回
路の戻り油路をアンロード弁72及び各制御用電磁弁8
に接続することにより、刈取装置6を昇降させるときに
アンロード弁72を同時に作用させる必要がないから、
刈高さ制御等の応答性を向上させることができる。
【0043】該油圧制御回路Pにおいて、刈取昇降電磁
弁7に上昇及び下降用切替弁7a,7bと各調整弁7
c,7dとを組合わせた電磁比例流量制御弁を用いるこ
とにより、従来の如く、上昇用と下降用のみの電磁比例
流量制御弁を用いているもののように、刈取昇降シリン
ダ21の負荷変動によって性能が不安定となったり、逆
止め弁が必要となりコスト高となることがなく、負荷変
動に対し性能が安定しており、比例弁でのリーク量も少
なく逆止め弁も不要でコスト低減も可能である。
【0044】該油圧制御回路Pにおいて、刈取昇降電磁
弁7と刈取昇降シリンダ21との間にスローリターン用
として、図3に示す如き下降速度の調整を行うことがで
きるチェック弁付き絞り弁65を接続することにより、
従来の如く、刈取装置6の負荷等で下降速度が速くなり
該弁の最大流量以上になるという不具合等がなく、調整
用ネジ65aにより最大流量の規制と刈取昇降電磁弁7
での最大指示に対する速度調整を行うことができる。
【0045】該油圧制御回路Pにおいて、刈取昇降電磁
弁7と刈取昇降シリンダ21との間に設けているスロー
リターン用としてのチェック弁付き絞り弁65を、従来
では刈取昇降電磁弁7内に設けており調整を行うときは
その度に前記操作席4を離れる必要があり不便なもので
あったから、図4に示す如く、前記操作装置22のパネ
ル部22a一側で、オペレータが操作席4を離れること
なく調整操作可能な位置に配設することにより、不便さ
を解消することができる。
【0046】該油圧制御回路Pにおいて、刈取昇降電磁
弁7の代わりに、図5に示す如く、3位置・4ポートの
刈取昇降電磁弁79と2位置・3ポートの優先分流弁8
0及び2位置・3ポートの方向切替弁81とを接続して
刈取昇降シリンダ21を作用させると共に、優先分流弁
80へ前記シーケンス弁70から圧油を供給可能に構成
させる。
【0047】このような構成により、刈取装置6の昇降
速度を刈高さ制御等では優先分流弁80による制御流s
を使用し、刈取装置6の上昇時には方向切替弁81を切
り替え全流量を流して上昇作用させることができるか
ら、前記の如き高価な電磁比例流量制御弁による刈取昇
降電磁弁7を用いることなく、作用別に圧油の流量を変
更して的確な制御を行わせることができる。
【0048】該油圧制御回路Pにおける減圧弁66とシ
ーケンス弁70の代わりに、図6に示す如く、2位置・
3ポートの優先分流弁82を用いた油圧制御回路Rにお
いて、制御流sを走行系Tへ供給すると共に余剰流yを
作業系Wへ供給し、この作業系Wへ供給する圧油を切り
替える2位置・4ポートの圧油切替弁83により、前記
刈取昇降電磁弁7と他の各制御用電磁弁8とに圧油を切
替え供給すると共に、刈取装置6の昇降作用時以外は刈
取昇降電磁弁7によりアンロード可能に構成させる。
(前記アンロード弁72を廃止する)このような構成に
より、該刈取昇降電磁弁7と他の各制御用電磁弁8との
回路を分岐することで、回路全体の圧力損失を低減する
ことができると共に、刈取昇降電磁弁7に直接圧油を供
給することが可能となり応答性を向上させることができ
るから、従来の如く、刈高さ制御等において応答性によ
る不具合が発生するようなことがない。
【0049】該油圧制御回路Pを構成する走行系Tの各
種の走行系油圧弁3として、図7に示す如く、該減圧弁
66とシーケンス弁70のユニットU,左右のクラッチ
切替電磁弁68,左右の制動圧力用電磁比例減圧弁69
を一つのブロックAに纏めてベース84に固定し、この
ベース84を、図8に示す如く、該操作席4のステップ
4aの下方部に取り付けを行い、これらの各弁66,7
0,68,69の各ポートaを同一方向に統一配置する
と共に、このポートaとは反対側に各手動プッシュピン
b及び各調整ネジcを配置して構成させる。、該油圧制
御回路Pを構成する作業系Wの各種の作業系油圧弁5と
して、図9に示す如く、該刈取昇降電磁弁7とアンロー
ド弁72を一つのブロックBに纏めると共に、該オーガ
昇降電磁弁8a,左右のローリング切替電磁弁8b,左
右のピッチング切替電磁弁8cを一つのブロックCに纏
め、この両ブロックB,Cをベース85に各々分割独立
して固定し、このベース85を、図10に示す如く、該
刈取装置6の懸架部6aに取り付けて構成させる。
【0050】このような構成により、走行系Tの各弁6
6,70,68,69を一つのブロックAとしてベース
84に纏めて固定すると共に、各ポートaを同一方向と
しその反対側に各手動プッシュピンb及び各調整ネジc
を配置していることにより、配管及び配索を簡略化でき
ると共に、メンテナンスも容易となりコスト低減にも効
果がある。
【0051】作業系Wの各弁7,73を一つのブロック
Bとし、更に、各弁8a,8b,8cを一つのブロック
Cとしてベース85に各々分割独立に纏めて固定し、該
刈取装置6の懸架部6aに取り付けていることにより、
前記油圧ポンプ2及び刈取昇降シリンダ21等との配管
が容易となり、メンテナンス性や加工性についても向上
させることができる。
【0052】また、該油圧制御回路Pにおいて、前記エ
ンジン23が停止状態でキースイッチ86をONしたと
きは、コントローラ87の制御により自動的にセーフテ
ィモードがONされ、セーフティスイッチ88の操作等
によるオペレータの意志によりセーフティモードを解除
しない限り、該刈取昇降電磁弁7の下降側への出力を行
わないよう構成させる。
【0053】なお、該油圧制御回路Pにおいて、前記と
異なる手段として、該エンジン23の回転数を回転セン
サ89により検出した検出値を該コントローラ87に入
力することにより、エンジン23の回転数がゼロのとき
はコントローラ87の制御により、該パワステレバー2
6を昇降操作しても無効とし、該刈取昇降電磁弁7の下
降側への出力を行わないよう構成させる。
【0054】図11に示す如く、CPUを主体的に配し
て演算制御を行うコントローラ87を設け、このコント
ローラ87の入力側へ、該キースイッチ86,セーフテ
ィスイッチ88,回転センサ89等を接続すると共に、
その出力側へ、該刈取昇降電磁弁7を接続して構成させ
る。
【0055】このような構成により、該エンジン23が
停止(又はエンジン23始動直後)しているとき、キー
スイッチ86のON時にはセーフティモードとなってい
ることにより、従来の如く、エンジン23が停止してい
るときに、キースイッチ86がON状態で、不用意に該
パワステレバー26を下降操作させても、刈取昇降電磁
弁7が作用して刈取装置6が下降するという危険性がな
いから、安全に作業を行うことができる。
【0056】なお、前記の如く、該エンジン23が停止
しているとき、キースイッチ86のON時にはセーフテ
ィモードとなるように構成せずとも、該エンジン23が
停止しているときには、該パワステレバー26の昇降操
作を無効とするよう構成させることにより、不用意に該
パワステレバー26を下降操作させても、刈取昇降電磁
弁7が作用して刈取装置6が下降するという危険性がな
いから、安全に作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行系と作業系に設定圧力を保持した圧油を流
す油圧回路を示すブロック図。
【図2】圧油を供給する減圧弁とシーケンス弁の一体型
ユニットの状態を示す側面図。
【図3】刈取装置下降時スローリターンするチェック弁
付絞り弁の状態を示す平面図。
【図4】操作装置のパネル部の一側にチェック弁付絞り
弁を設けた状態を示す平面図。
【図5】優先分流弁と方向切替弁を組合わせた刈取昇降
の油圧回路を示すブロック図。
【図6】図1と異なる油圧回路で作業系油圧弁への供給
回路の分岐を示すブロック図。
【図7】各種の走行系油圧弁を一ブロックとしてベース
に固定した状態を示す平面図。
【図8】操作席のステップの下方部に走行系のベースを
取り付けた状態を示す側面図。
【図9】各種の作業系油圧弁を分割ブロックとしベース
に固定した状態を示す平面図。
【図10】刈取装置を支持する懸架部に作業系のベース
を取り付けた状態を示す正面図。
【図11】エンジン停止時に刈取下降作用の停止を制御
する電気回路を示すブロック図。
【図12】パワステレバーに操作検出用のポジションセ
ンサを設けた状態を示す正面図。
【図13】走行用ミッションケースの伝動構成によるギ
ヤの配列状態を示す正面展開図。
【図14】走行用ミッションケースの伝動構成における
ギヤの配列状態を示す側面図。
【図15】走行用ミッションケースの伝動構成における
遊星ギヤ機構を示す正面線図。
【図16】コンバインにおける全体構成を示す側面図。
【符号の説明】
1. 車体 2. 油圧ポンプ 3. 走行系油圧弁 4. 操作席 4a.ステップ 5. 作業系油圧弁 6. 刈取装置 6a.懸架部 7. 刈取昇降電磁弁 8. 各制御用電磁弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 卓司 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 Fターム(参考) 2B076 AA03 BA03 BA05 BA07 BA08 CC02 CC12 CC13 EA05 3H089 AA25 AA71 BB10 BB19 BB27 CC01 CC11 DA02 DA13 DB05 DB13 DB32 DB33 DB43 GG02 HH05 JJ17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体1の走行を行う走行系Tと各種の作
    業を行う作業系Wとを油圧制御するコンバイン等におい
    て、単一の油圧ポンプ2から走行系Tと作業系Wとに各
    々独立した設定圧力を保持する圧油を送油し油圧作用さ
    せることを特徴とする油圧制御回路。
  2. 【請求項2】 車体1の走行を行う走行系Tと各種の作
    業を行う作業系Wとを油圧制御するコンバイン等におい
    て、単一の油圧ポンプ2から走行系Tと作業系Wとに各
    々独立した設定圧力を保持する圧油を送油し油圧作用さ
    せるもので、この油圧制御を行う走行系Tの各種の走行
    系油圧弁3を操作席4のステップ4aの下方部近傍に、
    作業系Wの各種の作業系油圧弁5を刈取装置6の懸架部
    6aの近傍に各々設けたことを特徴とする請求項1記載
    の油圧制御回路。
  3. 【請求項3】 車体1の走行を行う走行系Tと各種の作
    業を行う作業系Wとを油圧制御するコンバイン等におい
    て、単一の油圧ポンプ2から走行系Tと作業系Wとに各
    々独立した設定圧力を保持する圧油を送油し油圧作用さ
    せるもので、作業系Wにおける油圧回路では、作業系油
    圧弁5として刈取装置6を昇降させる刈取昇降電磁弁7
    を優先作用させ、その下手側にオーガ昇降,車体水平等
    の各制御用電磁弁8を各々配置接続したことを特徴とす
    る請求項1記載の油圧制御回路。
  4. 【請求項4】 車体1の走行を行う走行系Tと各種の作
    業を行う作業系Wとを油圧制御するコンバイン等におい
    て、単一の油圧ポンプ2から走行系Tと作業系Wとに各
    々独立した設定圧力を保持する圧油を送油し油圧作用さ
    せるもので、作業系Wにおける油圧回路では、作業系油
    圧弁5として刈取装置6の刈取昇降電磁弁7と、オーガ
    昇降,車体水平等の各制御用電磁弁8とを各々独立のブ
    ロックに纏めて配置接続したことを特徴とする請求項1
    記載の油圧制御回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109798271A (zh) * 2019-01-31 2019-05-24 江苏佳煤机械有限公司 一种铲板升降液压控制集成阀块及连续采煤机
KR102080086B1 (ko) * 2019-12-31 2020-02-24 대호 (주) 동시 작동이 가능한 트랙터 유압장치

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