JP2003200554A - 平版印刷版の固定方法及び平版印刷版用印刷機 - Google Patents

平版印刷版の固定方法及び平版印刷版用印刷機

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JP2003200554A
JP2003200554A JP2002001370A JP2002001370A JP2003200554A JP 2003200554 A JP2003200554 A JP 2003200554A JP 2002001370 A JP2002001370 A JP 2002001370A JP 2002001370 A JP2002001370 A JP 2002001370A JP 2003200554 A JP2003200554 A JP 2003200554A
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printing plate
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Application number
JP2002001370A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tashiro
宏 田代
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷機の版胴上における平版印刷版の版伸び、
位置ずれを確実に防止でき、例えば金属以外の材料を支
持体とする平版印刷版を、多色、多数枚の印刷にも適用
可能とし、厳しい印刷条件下での耐久性を満足する。更
には自動給版印刷システムでも容易に版材を装着でき
る。 【解決手段】 平版印刷版用印刷機の版胴に直接、重量
平均分子量が1×103〜5×106の、特定の樹脂(i)
及び特定の複合体(ii)から選ばれる少なくとも1種の粘
着材料を含有する粘着層を設け、且つ該粘着層が印刷時
に平版印刷版の裏面に密着して、平版印刷版を固定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷機の版胴上に
おける平版印刷版の位置ずれを防止するための、平版印
刷版用固定方法およびそれに用いる平版印刷版固定材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、平版印刷版用印刷機において
は、平版印刷版を版胴に巻き付けて機械的に固定し、印
刷を行う。従来、平版印刷版の支持体としては、金属、
プラスチックフィルム、紙等の材料からなるものが用い
られている。金属以外の材料を支持体とする平版印刷版
は、金属を支持体とする平版印刷版に比較して、取り扱
い適性に優れる反面、寸法安定性に欠ける。よって、平
版印刷では一般に、版胴とブランケット胴の周速が異な
り、版を引き伸ばすような力が印刷中にかかり続ける。
そのために、金属以外の材料を支持体とする平版印刷版
では、印刷中版が伸たり、位置ずれを起こし、精密な位
置精度が要求されるフルカラー印刷は困難とされてい
た。
【0003】そこで解決手段として、版を版胴上にスプ
レー糊を用いて回定する方法(特開昭56−11258
号)及び粘着材料を用いて固定する方法(特公平7−4
25号、特開昭61−104853号)が提案されてい
るが、一度版胴に固定してしまうと、後に必要になる位
置合わせの微調整が困難になり、実際にこのような方法
は有効ではない。
【0004】さらに、金属以外の材料を支持体とする平
版印刷版では、支持体が軟らかいために版胴の先端での
位置合わせ、くわえの固定が難しいという問題も生じ
る。その解決策として、位置合わせを容易にする、多点
ピンを設けた位置合わせ方法(特開平10−24555
号)が提案されているが、版が軟らかいことに起因する
問題には、本質的に対応できない。
【0005】また、版下シートの初期弾性率が300K
g/mm2以下の軟らかくかつ表面に凹凸を有すものを
利用することで版が版胴に張り付くことなく、位置合わ
せ、くわえの固定を容易にする、版掛け方法(特開平1
1−20130号)が提案されているが、位置合わせ、
くわえの固定が可能になっても、シートが軟らかいため
に凹凸が平版印刷版裏面に食い込むことができず、胴伸
びを抑制することは出来ない。
【0006】そこで、PETのような硬いシート表面に
凹凸を形成した版下シート(特開平11−59012
号)が提案されている。この版下シートは平版印刷版裏
面に食い込むことで、平版印刷版の版伸びを抑制し、さ
らには、表面の凹凸の効果で、微妙な位置合わせが可能
になる。しかし、この版下シートにおいても完全ではな
く、繰り返し使用が必須である版下シートにおいて、繰
り返し使用及び高い印圧での印刷において、表面の凹凸
が破壊されやすく、厳しい使用条件下での耐久性に問題
を有している。
【0007】更に、粘着層を設けた版下シート(特開平
10−324076号)が提案されている。これはフレ
キシブルな基体上の粘着層と版材裏面との粘着効果によ
り印刷時の版材寸度安定性を保つものである。
【0008】しかし、上記版下シートは、版下シートを
版材と印刷機の版胴との間に設置する必要がある。ま
た、近年の平板印刷方法において、印刷プロセスを効率
化する手段として、画像描画を最近のデジタル描画技術
の向上と、プロセスの効率化の要求から、版材を自動で
給版し、刷版上に直接デジタル画像情報を描画するシス
テムが数多く提案されているCTP(Computer-to-plat
e)、あるいはDDPP(Digital Direct Printing Pla
te)と呼ばれる技術を用いて印刷機上で行うシステムが
あり、安価でかつコンパクトな描画装置を応用したシス
テムが試みられている。よって、前記のようなシステム
では版下シートを版材と同時に装着すること、または版
下シートの取り替えなど困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、金属以外
の材料を支持体とする平版印刷版でフルカラー印刷を行
う場合、必須条件としての、版のび防止、版の位置合わ
せ、繰り返し使用での耐久性等をすべて満足する技術が
なく、このような平版印刷版でのフルカラー印刷は極少
部数印刷に限られるという問題があった。
【0010】従って本発明の目的は、印刷機の版胴上に
おける平版印刷版の版伸び、位置ずれを確実に防止する
ことができ、これにより例えば金属以外の材料を支持体
とする平版印刷版を、多色、多数枚の印刷にも適用可能
とするとともに、厳しい印刷条件下での耐久性を満足す
る、更には自動給版印刷システムでも容易に版材を装着
できる平版印刷版固定方法及び固定用材料を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の
(1)〜(4)の構成により達成されることが見出され
た。
【0012】(1)平版印刷版用印刷機の版胴に直接、
重量平均分子量が1×103〜5×106の下記(i)及
び(ii)で挙げられる材料から選択される少なくとも1
種の粘着材料を含有する粘着層を設け、且つ該粘着層が
印刷時に平版印刷版の裏面に密着することを特徴とする
平版印刷版の固定方法。
【0013】(i)アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リアルキレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、デンプ
ン誘導体、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、タマ
リンドガム、天然ガム類、ポリビニルアルコール、ポリ
アルキレングリコール、アリルアルコール共重合体、ア
クリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、ポリアミノ
酸、ポリアミド、ポリアミン及びポリウレア (ii)金属原子又は半金属原子が酸素原子又は窒素原子を
介して繋がった結合を含有する樹脂と、該樹脂と水素結
合を形成し得る基を含有する有機ポリマーとの複合体
【0014】(2)該粘着材料を、スプレー法、インク
ジェット法、グラビアコート法およびコータ法のうちの
少なくともいずれかの方法で塗布することにより設ける
ことを特徴とする上記(1)記載の平版印刷版の固定方
法。
【0015】(3)平版印刷版用印刷機の版胴に、上記
(1)記載の重量平均分子量が1×103〜5×106
(i)及び(ii)で挙げられる材料から選択される少なく
とも1種の粘着材料を含有し且つ静摩擦係数が0.2以
上である粘着層を有することを特徴とする平版印刷版用
印刷機。
【0016】(4)前記粘着層の粘着力が1〜20kg
f/cm2で、180℃剥離力が50gf/cm未満で
あることを特徴とする上記(3)記載の平版印刷版用印
刷機。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の平版印刷版固定方
法について詳細に説明する。平版印刷版の固定に用いら
れる粘着層は、好ましくは静摩擦係数が0.2以上、よ
り好ましくは0.5以上である。この静摩擦係数に特に
上限はないが、通常5以下程度であり、好ましくは3以
下である。この範囲において、粘着層と印刷版との摩擦
抵抗によって印刷時に発生する歪みを押さえる作用を充
分に発揮することができる。また、上記粘着層は、粘着
層の粘着力が1〜20kgf/cm2であることが好ま
しい。この範囲において、粘着層と印刷版との密着によ
って版胴の取り付け作業を容易にし、印刷時に発生する
歪みを押さえる作用をも発揮することができる。
【0018】更に前記粘着層の180℃剥離力は、好ま
しくは50gf/cm未満であり、より好ましくは30
gf/cm未満である。この180℃剥離力は、上記の
静摩擦係数や粘着力の値との関係にもよるが、小さけれ
ば小さいほど好ましい。この範囲において、版材裏面と
版胴上の粘着層との間を容易に剥がすことができるな
ど、良好な作業性を維持できる。
【0019】ここで、上記物性値は以下の通りに測定し
た。静摩擦係数は、JIS K7125の摩擦係数試験
方法に従って行った。ここでいう静摩擦係数とは、試験
片として本発明の粘着材料、相手材料としてELP−II
X(富士写真フィルム(株)社製)、滑り片として一辺
が60mmの正方形、荷重1kgのものを使用し、滑り
速度を300mm/minで行った試験結果である。
【0020】180°剥離力は、JIS K6854の
180°剥離強度試験方法に従い行った。試験片は、本
発明の粘着材料、たわみ材料として50μmのポリエチ
レンテレフタレー卜(富士写真フィルム(株)製)を用
い、粘着材料とたわみ性材料を張り合わせた後、プレス
機((有)丸協技研社製)を25kgfの荷重をかけた
後、寸法を幅20mmにし、剥離速度100mm/mi
nで直ちに室温にて測定した。
【0021】粘着力は、JIS K6850の接着剤の
引張せん断接着試験方法に従って行った。試験片は本発
明の粘着材料、相手材料として150μmのポリエチレ
ンテレフタレート(富士写真フイルム(株)製)を用
い、粘着材料と相手材料を張り合わせた後、プレス機
((有)丸協技研社製)を5kgfの荷重をかけた後、
直ちに室温にて測定した。
【0022】本発明の粘着層は、上記(i)〜(ii)に挙げ
られた粘着材料を用いるものであり、且つ、該粘着材料
は重量平均分子量が1×103〜5×106、好ましくは
5×103〜1×106である。上記(i)〜(ii)に挙げ
られた材料は、それぞれ単独で用いてもよいし、また2
種以上を組み合わせて用いてもよい。また、(i)で挙げ
られた材料と(ii)で挙げられた材料を組み合わせて用い
てもよい。更にこれらの粘着材料は、必要に応じて硬化
して用いることができる。
【0023】(i)で挙げられた有機樹脂としては、具体
的には、アクリル樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、
各種アルキル、アラルキルまたはアリールアクリレート
共重合体、各種アルキル、アラルキルまたはアリールメ
タクリレート共重合体等)、アルキッド樹脂(例えば、
メラミン樹脂、フェノール樹脂等)、ポリスチレン樹
脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアルキレ
ン樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース、セ
ルロース誘導体(例えば、セルロースエステル類;硝酸
セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロース、プロピ
オン酸セルロース、コハク酸セルロース、酪酸セルロー
ス、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢
酸フタル酸セルロース等、セルロースエーテル類;メチ
ルセルロース、エチルセルロース、シアノエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロ
ース等)、デンプン、デンプン誘導体(例えば、酸化デ
ンプン、エステル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン酸、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のエステル化
体、エーテル化デンプン類;メチル化、エチル化、シア
ノエチル化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチル
化等のエーテル化体)、アルギン酸、ペクチン、カラギ
ーナン、タマリンドガム、天然ガム類(例えば、アラビ
アガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカ
ントガム、キサンタンガム等)、ポリビニルアルコー
ル、ポリアルキレングリコール{例えば、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、(エチレン/
プロピレングリコール)共重合体等}、アリルアルコー
ル共重合体、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合
体、ポリアミノ酸、ポリアミド〔例えば、アクリルアミ
ド又はメタクリルアミドのN−置換体の重合体又は共重
合体{N−置換基として、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、フェニル、モノメチロー
ル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、
1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2,3,
4,5,6−ペンタヒドロキシペンチル基等}等〕、ポ
リアミン(例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルア
ミン、ポリビニルアミン等)、ポリウレア(例えば尿素
樹脂等)が挙げられる。
【0024】(ii)で挙げられた金属原子又は半金属原
子(以下、単に「(半)金属原子」とも称する)が酸素
原子又は窒素原子を介して繋がった結合を含有する樹脂
(以下、(半)金属含有樹脂とも称する)は、「酸素原
子(窒素原子)−(半)金属原子−酸素原子(窒素原
子)」から成る結合を主として含有するポリマーを示
す。
【0025】(半)金属含有樹脂の中で、酸素原子−
(半)金属原子−酸素原子の結合を有する樹脂は、下記
一般式(I)で示される(半)金属化合物の加水分解重
縮合によって得られるポリマーであることが好ましい。
ここで、加水分解重縮合とは、反応性基が酸性ないし塩
基性条件下で加水分解、縮合を繰り返し、重合していく
反応である。
【0026】一般式(I) (R0)nM(Y)x-n 〔一般式(I)中、R0は水素原子、炭化水素基または
ヘテロ環基を表し、Yは反応性基を表し、Mは3〜6価
の金属又は半金属を表し、xはMの価数を表し、nは
0、1、2、3又は4を表す。但しx−nは2以上であ
る。〕
【0027】一般式(I)で示される(半)金属化合物
について詳しく説明する。一般式(I)中のR0は、好
ましくは、炭素数1〜12の置換されてもよい直鎖状も
しくは分岐状のアルキル基{例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基等;これらの基に置換され得る基としては、ハロゲ
ン原子(塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、ヒドロキ
シ基、チオール基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ
基、エポキシ基、−OR′基〔R′は炭化水素基、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、プロペニ
ル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、2−
ヒドロキシエチル基、3−クロロプロピル基、2−シア
ノエチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、2−ブ
ロモエチル基、2−(2−メトキシエチル)オキシエチ
ル基、2−メトキシカルボニルエチル基、3−カルボキ
シプロピル基、ベンジル基等を示す}、−OCOR′
基、−COOR′基、−COR′基、−N(R″)
(R″){R″は、水素原子又は前記R′と同一の内容
を表し、各々同じでも異なってもよい}、−NHCON
HR′基、−NHCOOR′基、−Si(R′)3基、
−CONHR″基、−NHCOR′基等が挙げられる。
これらの置換基はアルキル基中に複数置換されてもよ
い。〕、炭素数2〜12の置換されてもよい直鎖状又は
分岐状のアルケニル基(例えば、ビニル基、プロペニル
基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテ
ニル基、デセニル基、ドデセニル基等、これらの基に置
換され得る基としては、前記アルキル基に置換され得る
基と同一の内容のものが挙げられ、また複数置換されて
いてもよい)、炭素数7〜14の置換されてもよいアラ
ルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フ
ェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエ
チル基等;これらの基に置換され得る基としては、前記
アルキル基に置換され得る基と同一の内容のものが挙げ
られ、また複数置換されてもよい)、炭素数5〜10の
置換されてもよい脂環式基(例えば、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、
2−シクロペンチルエチル基、ノルボニル基、アダマン
チル基等、これらの基に置換され得る基としては、前記
アルキル基の置換基と同一の内容のものが挙げられ、ま
た複数置換されてもよい)、炭素数6〜12の置換され
てもよいアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基
で、置換基としては前記アルキル基に置換され得る基と
同一の内容のものが挙げられ、また複数置換されてもよ
い)、又は、窒素原子、酸素原子及びイオウ原子から選
ばれる少なくとも1種の原子を合有する縮環してもよい
ヘテロ環基(例えばヘテロ環としては、ピラン環、フラ
ン環、チオフェン環、モルホリン環、ピロール環、チア
ゾール環、オキサゾール環、ピリジン環、ピペリジン
環、ピロリドン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサ
ゾール環、キノリン環、テトラヒドロフラン環等で、置
換基を含有してもよい。置換基としては、前記アルキル
基中の置換基と同一の内容のものが挙げられ、又複数置
換されてもよい)を表す。
【0028】反応性基Yは、好ましくは、ヒドロキシ
基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又
はヨウ素原子を表す)、−OR1基、−OCOR2基、−
CH(COR3)(COR4)基、−CH(COR3
(COOR4)基又は−N(R5)(R6)基を表す。
【0029】−OR1基において、R1は炭素数1〜10
の置換されてもよい脂肪族基(例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、プ
ロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル
基、オクテニル基、デセニル基、2−ヒドロキシエチル
基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル
基、2−(メトキシエチルオキシ)エチル基、2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル基、2−メトキシプ
ロピル基、2−シアノエチル基、3−メチルオキシプロ
ピル基、2−クロロエチル基、シクロヘキシル基、シク
ロペンチル基、シクロオクチル基、クロロシクロヘキシ
ル基、メトキシシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネ
チル基、ジメトキシベンジル基、メチルベンジル基、ブ
ロモベンジル基等が挙げられる)を表す。
【0030】−OCOR2基において、好ましくはR
2は、R1と同一の内容を表し、好ましくは脂肪族基又は
炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(芳香族基
としては、前記R0中のアリール基で例示したと同様の
ものが挙げられる)を表す。
【0031】−CH(COR3)(COR4)基及び−C
H(COR3)(COOR4)基において、R3は炭素数
1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等)又はアリール基(例えば、フェ
ニル基、トリル基、キシリル基等)を表し、R4は炭素
数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、
炭素数7〜12のアラルキル基(例えば、ベンジル基、
フェネチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル
基、メトキシベンジル基、カルボキシベンジル基、クロ
ロベンジル基等)又はアリール基(例えば、フェニル
基、トリル基、キシリル基、メシチル基、メトキシフェ
ニル基、クロロフェニル基、カルボキシフェニル基、ジ
エトキシフェニル基等)を表す。
【0032】また−N(R5)(R6)基において、R5
及びR6は、互いに同じでも異なってもよく、各々、好
ましくは水素原子又は炭素数1〜10の置換されてもよ
い脂肪族基(例えば、前記の−OR1基のR1と同様の内
容のものが挙げられる)を表す。より好ましくは、R5
とR6の炭素数の総和が12ヶ以内である。
【0033】Mは、好ましくは、遷移金属、希土類金
属、周期表III〜V族の金属又は半金属が挙げられる。
より好ましくはAl、Si、Sn、Ge、Ti、Zr等
が挙げられ、更に好ましくは、Al、Si、Ti、Zr
等が挙げられる。特にSiが好ましい。
【0034】一般式(I)で示される(半)金属化合物
の具体例としては、以下のものが挙げられるが、これに
限定されるものではない。
【0035】メチルトリクロルシラン、メチルトリブロ
ムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチル
トリt−ブトキシシラン、エチルトリクロルシラン、エ
チルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシ
ラン、エチルトリt−ブトキシシラン、n−プロピルト
リクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−
プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキ
シシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n
−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−ヘキシルトリ
クロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘ
キシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシ
シラン、n−へキシルトリイソプロポキシシラン、n−
ヘキシルトリt−ブトキシシラン、n−デシルトリクロ
ルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルト
リメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n
−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt
−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリクロルシラ
ン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデ
シルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキ
シシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラ
ン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン、フェニ
ルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリ
t−ブトキシシラン、
【0036】テトラクロルシラン、テトラブロムシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジ
メトキシジエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、
ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジクロルシラ
ン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシ
シラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチル
ジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキ
シシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリブロムヒド
ロシラン、トリメトキシヒドロシラン、イソプロポキシ
ヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン、ビニル
トリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシ
ラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフ
ルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエト
キシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシ
シラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、
【0037】γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラ
ン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリt−ブトキシンラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン、
【0038】Ti(OR)4(Rはメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、
TiCl4、Zn(OR)2、Zn(CH3COCHCOC
3)2、Sn(OR)4、Sn(CH3COCHCOCH3)
4、Sn(OCOR)4、SnCl4、Zr(OR)4、Zr
(CH3COCHCOCH3)4、Al(OR)3等。 上記(半)金属化合物は、単独乃至組み合わせて(半)
金属含有樹脂の製造に用いられる。
【0039】窒素原子−(半)金属原子−窒素原子の結
合を有する(半)金属含有樹脂は、例えばポリシラザン
が挙げられる。
【0040】上記粘着材料の(ii)で挙げられる、上記
(半)金属含有樹脂と、該樹脂と水素結合を形成し得る
基を含有する有機ポリマーとの複合体について説明す
る。本発明において、(半)金属含有樹脂と有機ポリマ
ーとの複合体とは、ゾル状物質及びゲル状物質を含む意
味に用いる。
【0041】上記有機ポリマーは、(半)金属含有樹脂
と水素結合を形成し得る基(以下、「特定の結合基」と
もいう)を含有する。特定の結合基としては、好ましく
は、アミド結合(カルボン酸アミド結合及びスルホンア
ミド結合を含む)、ウレタン結合及びウレイド結合から
選ばれる少なくとも一種の結合及び水酸基を挙げること
ができる。
【0042】有機ポリマーは、繰り返し単位成分とし
て、本発明の特定の結合基をポリマーの主鎖及び/又は
側鎖に含有するものが挙げられる。好ましくは、繰り返
し単位成分として、−N(R11)CO−、−N(R11
SO2−、−NHCONH−及び−NHCOO−から選
ばれる少なくとも1種の結合がポリマーの主鎖及び/又
は側鎖に存在する成分、及び/又は−OH基を含有する
成分が挙げられる。上記アミド結合中のR11は、水素原
子又は有機残基を表し、有機残基としては、一般式
(I)中のR0における炭化水素基及びヘテロ環基と同
一の内容のものが挙げられる。
【0043】ポリマー主鎖に本発明の特定の結合基を含
有するポリマーとしては、−N(R 11)CO−結合また
は−N(R11)SO2−結合を有するアミド樹脂、−N
HCONH−結合を有するウレイド樹脂、−NHCOO
−結合を含有するウレタン樹脂が挙げられる。
【0044】アミド樹脂製造に供されるジアミン類とジ
カルボン酸類又はジスルホン酸類、ウレイド樹脂に用い
られるジイソシアナート類、ウレタン樹脂に用いられる
ジオール類としては、例えば高分子学会編「高分子デー
タハンドブック−基礎編−」第I章(株)培風舘刊(1
986年)、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブッ
ク」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物
を用いることができる。
【0045】また、他のアミド結合を有するポリマーと
して、下記一般式(II)で示される繰り返し単位含有の
ポリマー、ポリアルキレンイミンのN−アシル化体また
はポリビニルピロリドンとその誘導体が挙げられる。
【0046】
【化1】
【0047】式(II)中、Z1は−CO−、−SO2−又
は−CS−を表す。R20は式(I)中のR0と同一の内
容のものを表す。r1は水素原子又は炭素数1〜6のア
ルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基等)を表す。r1は同
じでも異なってもよい。pは2又は3の整数を表す。
【0048】一般式(II)で示される繰り返し単位を含有
するポリマーのうち、Z1が−CO−結合を表し、pが
2を表すポリマーは、置換基を有していてもよいオキサ
ゾリンを触媒の存在下で開環重合することにより得られ
る。触媒としては、例えば、硫酸ジメチル、p−トルエ
ンスルホン酸アルキルエステルなどの硫酸エステルやス
ルホン酸エステル;ヨウ化アルキル(例えばヨウ化メチ
ル)などのハロゲン化アルキル;フリーデルクラフツ触
媒のうち金属フッ素化物;硫酸、ヨウ化水素、p−トル
エンスルホン酸などの酸や、これらの酸とオキサゾリン
との塩であるオキサゾリニウム塩などが使用できる。な
お、このポリマーは単独重合体であってもよく、共重合
体であってもよい。また、他のポリマーにこのポリマー
がグラフトした共重合体であってもよい。
【0049】オキサゾリンの具体例としては、例えば、
2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2
−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキ
サゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−
ブチル−2−オキサゾリン、2−ジクロロメチル−2−
オキサゾリン、2−トリクロロメチル−2−オキサゾリ
ン、2−ペンタフルオロエチル−2−オキサゾリン、2
−フェニル−2−オキサゾリン、2−メトキシカルボニ
ルエチル−2−オキサゾリン、2−(4−メチルフェニ
ル)−2−オキサゾリン、2−(4−クロロフェニル)
−2−オキサゾリンなどが挙げられる。好ましいオキサ
ゾリンには、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキ
サゾリン、2−エチル−2−オキサゾリンなどが含まれ
る。このようなオキサゾリンのポリマーは一種又は二種
以上使用できる。
【0050】一般式(II)で示される繰り返し単位を有す
る他のポリマーについても、オキサゾリンの代わりにチ
アゾリン、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサジン又は
4,5−ジヒドロ−1,3−チアジンを用いて同様に得
ることができる。
【0051】ポリアルキレンイミンのN−アシル化体と
しては、カルボン酸ハライド類との高分子反応で得られ
る−N(CO−R20)−を含むカルボン酸アミド体、又
はスルホニルハライド類との高分子反応で得られる−N
(SO2−R20)−を含むスルホンアミド体(ここで、
20は上記式(II)におけるR20と同義である)が挙げら
れる。
【0052】また、ポリマーの側鎖に特定の結合基を含
有するポリマーとしては、少なくとも該特定の結合基か
ら選ばれた結合基の少なくとも1種を含有する成分を主
成分として含有するものが挙げられる。このような成分
としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、クロトンアミド、ビニル酢酸アミドあるいは以下の
化合物が挙げられる。但し、これらに限定されるもので
はない。
【0053】
【化2】
【0054】
【化3】
【0055】一方、水酸基含有の有機ポリマーとして
は、天然水溶性高分子、半合成水溶性高分子、合成高分
子のいずれでもよく、具体的には小竹無二雄監修「大有
機化学19、天然高分子化合物I」朝倉書店刊(196
0年)、経営開発センター出版部編「水溶性高分子・水
分散型樹脂総合技術資料集」経営開発センター出版部刊
(1981年)、長友新治「新・水溶性ポリマーの応用
と市場」(株)シーエムシー刊(1988年)、「機能
性セルロースの開発」(株)シーエムシー刊(1985
年)等に記載のものが挙げられる。
【0056】例えば、天然及び半合成の高分子として
は、セルロース、セルロース誘導体(セルロースエステ
ル類;硝酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロー
ス、プロピオン酸セルロース、コハク酸セルロース、酪
酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セル
ロース、酢酸フタル酸セルロース等、セルロースエーテ
ル類;メチルセルロース、エチルセルロース、シアノエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシ
エチルセルロース等)、デンプン、デンプン誘導体(酸
化デンプン、エステル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のエステル
化体、エーテル化デンプン類;メチル化、エチル化、シ
アノエチル化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチ
ル化等の誘導体)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナ
ン、タマリンドガム、天然ガム類(アラビアガム、グア
ーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、キ
サンタンガム等)、プルラン、デキストラン、カゼイ
ン、ゼラチン、キチン、キトサン等が挙げられる。
【0057】合成高分子としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアルキレングリコール(ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、(エチレングリ
コール/プロピレングリコール)共重合体等)、アリル
アルコール共重合体、水酸基を少なくとも1種含有のア
クリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合
体もしくは共重合体(エステル置換基として、例えば2
−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、
2,3−ジヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−2
−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル基、3−ヒド
ロキシ−2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロピル基、
ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、
等)、アクリルアミド又はメタクリルアミドのN−置換
体の重合体もしくは共重合体(N−置換基として、例え
ば、モノメチロール基、2−ヒドロキシエチル基、3−
ヒドロキシプロピル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチ
ル)エチル基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ
ペンチル基、等)等が挙げられる。但し、合成高分子と
しては、繰り返し単位の側鎖置換基中に少なくとも1個
の水酸基を含有するものであれば、特に限定されるもの
ではない。
【0058】本発明に供される上記水素結合を形成し得
る基を含有する有機ポリマーの重量平均分子量は、好ま
しくは103〜106、より好ましくは5×103〜4×
105である。
【0059】本発明の(半)金属含有樹脂と有機ポリマ
ーとの複合体において、(半)金属含有樹脂と有機ポリ
マーの割合は広い範囲で選択できるが、(半)金属含有
樹脂/有機ポリマーの質量比で10/90〜90/1
0、より好ましくは20/80〜80/20である。こ
の範囲において、粘着層の強度、印刷時の浸し水に対す
る耐水性が良好となる。
【0060】上記複合体を含有する粘着材料は、例え
ば、前記(半)金属化合物の加水分解重縮合により生成
した(半)金属含有樹脂の場合、そのヒドロキシル基
と、有機ポリマー中の前記特定の結合基とが水素結合作
用により均一な有機、無機ハイブリッドを形成し、相分
離することなくミクロ的に均質となる。(半)金属含有
樹脂に炭化水素基が存在する場合にはその炭化水素基に
起因して、有機ポリマーとの親和性がさらに向上するも
のと推定される。この複合体は成膜性に優れている。
【0061】(半)金属含有樹脂と有機ポリマーとの複
合体は、前記(半)金属化合物を加水分解重縮合し、有
機ポリマーと混合することにより製造するか、または有
機ポリマーの存在下、前記(半)金属化合物を加水分解
重縮合することにより製造される。好ましくは、有機ポ
リマーの存在下、前記(半)金属化合物をゾル−ゲル法
により加水分解重縮合することにより有機・無機ポリマ
ー複合体を得ることができる。生成した有機・無機ポリ
マー複合体において、有機ポリマーは、(半)金属化合
物の加水分解重縮合により生成したゲルのマトリックス
(すなわち無機(半)金属酸化物の三次元微細ネットワ
ーク構造体)中に均一に分散している。
【0062】上記好ましい方法としてのゾル−ゲル法
は、従来公知のゾル−ゲル法を用いて行なうことができ
る。具体的には、「ゾル−ゲル法による薄膜コーティン
グ技術」(株)技術情報協会(刊)(1995年)、作
花済夫「ゾル−ゲル法の科学」(株)アグネ承風社
(刊)(1988年)、平島碩「最新ゾル−ゲル法によ
る機能性薄膜作成技術」総合技術センター(刊)(19
92年)等の成書に詳細に記載の方法に従って実施でき
る。
【0063】上記(i)〜(ii)の粘着材料を含有する粘
着層の塗布液は、水系溶媒が好ましく、更には塗液調整
時の沈殿抑制による均一液化のために水溶性溶媒を併用
することが好ましい。水溶性溶媒としては、アルコール
類(メタノール、エタノール、プロピルアルコール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル
等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、エチレングリ
コールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチ
ルエーテル、テトラヒドロピラン、等)、ケトン類(ア
セトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等)、
エステル類(酢酸メチル、エチレングリコールモノメチ
ルモノアセテート等)、アミド類(ホルムアミド、N−
メチルホルムアミド、ピロリドン、N−メチルピロリド
ン等)等が挙げられる。溶媒は1種あるいは2種以上を
併用してもよい。
【0064】更に上記複合体を用いる場合には、一般式
(I)で示されるような(半)金属化合物の加水分解及
び重縮合反応を促進するために、酸性触媒又は塩基性触
媒を併用することが好ましい。触媒は、酸または塩基性
化合物をそのままか、あるいは水またはアルコールなど
の溶媒に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触
媒、塩基性触媒という)を用いる。そのときの濃度につ
いては特に限定しないが、濃度が濃い場合は加水分解及
び重縮合速度が速くなる傾向がある。但し、濃度の濃い
塩基性触媒を用いると、ゾル溶液中で沈殿物が生成する
場合があるため、塩基性触媒の濃度は1N(mol/L)
(水溶液での濃度換算)以下が望ましい。
【0065】酸性触媒または塩基性触媒の種類は特に限
定されないが、濃度の濃い触媒を用いる必要がある場合
には、焼結後に触媒結晶粒中にほとんど残留しないよう
な元素から構成される触媒がよい。具体的には、酸性触
媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、
亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸
や酢酸などのカルボン酸、構造式RCOOHのRを他元
素または置換基によって置換した置換カルボン酸、ベン
ゼンスルホン酸などのスルホン酸など、塩基性触媒とし
ては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチルア
ミンやアニリンなどのアミン類などが挙げられる。
【0066】また、膜強度をより向上させるために架橋
剤を添加してもよい。架橋剤としては、通常架橋剤とし
て用いられる化合物を挙げることができる。具体的に
は、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成
社刊(1981年)、高分子学会編「高分子データハン
ドブック、基礎編」培風舘(1986年)等に記載され
ている化合物を用いることができる。
【0067】例えば、塩化アンモニウム、金属イオン、
有機過酸化物、ポリイソシアナート系化合物(例えばト
ルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシ
アナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、ポ
リメチレンフェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジ
イソシアナート、イソホロンジイソシアナート、高分子
ポリイソシアナート等)、ポリオール系化合物(例え
ば、1,4−ブタンジオール、ポリオキシプロピレング
リコール、ポリオキシエチレングリコール、1,1,1
−トリメチロールプロパン等)、ポリアミン系化合物
(例えば、エチレンジアミン、γ−ヒドロキシプロピル
化エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、変性脂肪
族ポリアミン類等)、ポリエポキシ基含有化合物及びエ
ポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭
晃堂1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」日
刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物
類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著
「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年
刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)クリレー
ト系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編
「オリゴマー」講談社(1976年刊)、大森英三「機
能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)
等に記載された化合物類)が挙げられる。
【0068】更に膜の物性を調整するために、膜中に粘
着樹脂材料の他の成分として無機又は有機の微粒子を添
加してもよい。好ましい微粒子の平均粒径は、0.01
μm〜30μm、より好ましくは0.02μm〜20μ
mである。微粒子としては、無機材料、有機材料、有機
無機複合材料等よりなる粒子である。
【0069】無機粒子としては、例えば金属粉体、
(半)金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、金属硫
化物、金属炭化物及びこれらの複合金属化合物等が挙げ
られ、好ましくはガラス、SiO2、TiO2、ZnO、
Fe23、ZrO2、SnO2等の酸化物及びZnS、C
uS等の硫化物である。
【0070】有機粒子としては、例えば合成樹脂粒子、
天然高分子粒子等が挙げられ、好ましくはアクリル樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキ
サイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミ
ン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリイミド、カルボキシメチルセ
ルロース、ゼラチン、デンプン、キチン、キトサン等で
あり、より好ましくはアクリル樹脂、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン等の合成樹脂粒子である。
【0071】有機無機複合粒子としては、例えば、上記
の無機粒子及び有機粒子を形成する材料の少なくとも2
種以上の複合物等が挙げられ、好ましくは、ガラス、S
iO 2、TiO2、ZnO、Fe23、ZrO2、SnO2
等の酸化物及び/又はZnS、CuS等の硫化物とアク
リル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレ
ンイミン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリウレア、
ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、カルボキシメ
チルセルロース、ゼラチン、デンプン、キチン、キトサ
ン等の複合物等であり、より好ましくは、SiO2、T
iO2、ZnO、Fe23、ZrO2、SnO2等の酸化
物と水素結合性の官能基を有するアクリル樹脂、ポリエ
チレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエ
チレンイミン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイミド、カルボキシメチルセルロ
ース、ゼラチン、デンプン、キチン、キトサン等の複合
物等である。
【0072】粘着材料を版胴に塗布する方法としては、
調整された塗布液を従来公知の塗布方法のいずれかを用
いて、塗布・乾燥し、成膜する。塗布方法としては、コ
ータ塗布(エアドクター、ブレード、ロッド、スクイ
ズ、グラビア等)、スプレー塗布(エアスプレイ、静電
スプレイ等)、インクジェット方式塗布、グラビア印刷
方法等が挙げられる。
【0073】形成される粘着層の膜厚は0.2〜60μ
mが好ましく、より好ましくは1.0μm〜30μmで
ある。この範囲で均一な厚みの膜が作成され、かつ膜の
強度が十分となる。更に、形成される粘着層の面積は少
なくとも版胴面積の好ましくは20%以上、より好まし
くは30%以上、さらに好ましくは50%以上であり、
かつ均一に塗布されていることが好ましい。
【0074】本発明の粘着層は、繰り返し使用に耐えら
れるが、条件によっては粘着層表面に、版材裏面に付
着した埃、湿し水成分などが付着したり、粘着層が不
均一に破壊されたりして版材寸度安定性の性能を低下さ
せる場合がある。その場合はの場合には、水または石
油系溶剤(アイソパーE等)で洗浄する、の場合には
更に粘着層を再形成させることで性能を回復させ繰り返
し使用が可能である。
【0075】繰り返し性は、粘着層を水またはアイソパ
ーEを含ませた布(綿製)を粘着層と接触面積が0.5
×0.5mm2となるように専用治具に固定し、表面性
測定機HEIDON−14型にて荷重0.5kgで接触
部を平行に往復させ、粘着層が溶解または膜損したとき
の繰り返し往復回数を測定することにより評価すること
ができる。
【0076】平版印刷版用印刷機により印刷を行う場
合、各平版印刷版はそれぞれ各印刷ユニットの版胴上の
粘着層を介して装着される。この際、本発明に従い、平
版印刷版用印刷機の版胴に直接設けられた粘着層が平版
印刷版の裏面に密着されることにより、加圧に伴う平版
印刷版の版胴上における位置ずれを防止する。
【0077】
【実施例】以下、本発明を実施例により例証するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0078】実施例1 NBR樹脂を主成分とするラテックスのニッポールSX
−1503(日本ゼオン社製)を固形分が40wt%に
なるように水を加えた後、平版用印刷機オリバー52
(桜井株式会社製)の版胴の表面に、スプレーにて2g
/m2になるように塗布し、ランプヒーター(100
℃)で3分乾燥して目的の粘着層を設けた。次に、平版
印刷版として支持体がポリチレンでラミネートされた紙
であるELP−IIX(富士写真フィル(株)製)をEL
P415VX製版機で製版し不感脂化したものを用い、
上記印刷機にて毎分8000枚の印刷スピードで500
0枚印刷した。
【0079】比較例1 粘着層としてアクリルゴムラテックスAE945(JS
R社製)を用いた以外は実施例1と同様な材料及び作成
方法で粘着層を作成し、印刷を行った。
【0080】比較例2 粘着層としてジヒドロキシポリジメチルシロキサン(平
均分子量=3万)を用いた以外は実施例1と同様な材料
及び作成方法で粘着層を作成し、印刷を行った。
【0081】比較例3 粘着層を設けない以外は実施例1と同様にして印刷を行
った。
【0082】表1に上記実施例及び比較例の粘着層の膜
物性およびそれらを用いての印刷特性を示した。尚、本
実施例における評価項目の実施の態様は以下の通りであ
る。
【0083】〈静摩擦係数〉JIS K7125の摩擦
係数試験方法に従って行った。ここでいう静摩擦係数と
は試験片として本発明の粘着材料、相手材料としてEL
P−IIX(富士写真フィルム(株)製)、滑り片として
一辺が60mmの正方形、荷重1kgのものを使用し、
滑り速度を300mm/minで行った試験結果であ
る。
【0084】〈180°剥離強度〉JIS K6854
の180°剥離強度試験方法に従い行った。試験片は、
本発明の粘着材料、たわみ性材料として50μmのポリ
エチレンテレフタレート(富士写真フィルム(株)社
製)を用い、粘着材料とたわみ材料を張り合わせた後、
プレス機((有)丸協技研社製)を25kgfの荷重を
かけた後、寸法を幅20mmにし、引っ張り試験機テン
シロン(東洋ボールドウィン社製)を用い剥離速度10
0mm/minで直ちに室温にて測定した。
【0085】〈粘着力〉JIS K6850の接着剤の
引っ張りせん断接着試験方法に従って行った。試験片は
本発明の粘着材料、相手材料として150μmのポリエ
チレンテレフタレート(富士写真フィルム(株)社製)
を用い、粘着材料と相手材料を張り合わせた後、プレス
機((有)丸協技研社製)を5kgfの荷重をかけた
後、引っ張り試験機テンシロン(東洋ボールドウィン社
製)を用い直ちに室温にて測定した。
【0086】〈印刷寸度安定性〉刷りだしから印刷50
00枚後の印刷物トンボ間(トンボ−トンボは、印刷方
向で300mm)の変位で評価した。変位が小さいほど
印刷寸度安定性が良いことになる。
【0087】〈印刷作業性〉印刷版位置修正性は、印刷
機に印刷版を装着した後、胴版だけを縦、横にずらした
場合に安易に印刷版をずらすことができるかであり、印
刷版に支障つまりしわ、破れが出ないかで評価した。排
版性は、印刷5000枚終了後、印刷版が容易に剥がせ
るかをみたものであり、剥がすときに印刷版に破れ、さ
らに排版までの時間で評価した。印刷版に破れが起きた
り、排版までの時間がかかるものは印刷作業性が悪いこ
とになる。耐燥り返し性は、粘着層を水またはアイソパ
ーEを含ませた布(綿製)を粘着層と接触面積が0.5
×0.5mm2となるように専用治具に固定し、表面性
測定機HEIDON−14型にて荷重0.5kgで接触
部を平行に往復させ、粘着層が溶解または膜損したとき
の繰り返し往復回数を測定した。往復回数が50回以上
なら繰り返し性は良好である。以上の評価により得られ
た結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】上記の通りにして、版材の寸度安定性及び
印刷作業性の評価を行ったところ、本発明の粘着層のあ
る印刷機のみが良好な印刷特性および印刷作業性を示し
た。
【0090】実施列2〜4 粘着層材料を下記表2に示す通りの粘着材料に変更した
以外は実施例1と同様にして粘着層を印刷機の版胴に作
成した。また粘着層の膜物性も実施例1と同様に測定し
た。
【0091】
【表2】
【0092】その結果を表3に示す。表3に示す通り、
このようにして得られた粘着層を用いて、実施例1と同
様な方法で評価したところ、寸度安定性及び印刷作業性
はすべて良好であった。
【0093】
【表3】
【0094】実施例5 アクリル樹脂を主成分とするラテックスのセビアンMY
−7910(ダイセル(株)社製)を固形分が40wt
%になるように水を加えた後さらに、平均粒径0.2μ
mの酸化亜鉛粒子(堺化学(株)製)を樹脂成分/無機
粒子比が90/10(wt%)になるように加え、ガラ
スビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機
(株)製)に入れ、10分間分散した後、ガラスビーズ
を濾別し、分散物を得た。平版用印刷機オリバー52
(桜井株式会社製)の版胴の表面に、該塗布液をスプレ
ーにて2.5g/m2になるように塗布し、ランプヒー
ター(100℃)で3分乾燥して目的の粘着層を設け
た。
【0095】次に、平版印刷版としては、厚さ100μ
mのポリエチレンテレフタレート(PET)を支持体と
する銀拡散性感光材料であるアグファゲバルト社製スー
パーマスタープラス(総厚130μm)を、専用プレー
トメーカーSPM415で製版したものを用いた。なお
平版印刷版は、電子写真製版によって得ることもでき
る。上記印刷機にて毎分8000枚の印刷スピードで5
000枚印刷した。
【0096】実施例6〜8 表4に記載の無機粒子を用いた以外は実施例5と同様に
粘着層を作成し評価を行った。
【0097】
【表4】
【0098】このようにして得られた粘着層は、実施例
1と同様な方法で評価したところ寸度安定性及び印刷作
業性はすべて良好であった(後述の表5)。
【0099】実施例9 NBR樹脂を主成分とするラテックスのニッポールSX
−1503(日本ゼオン社製)を固形分が25wt%に
なるように水を加えた後、前記水分散粘着樹脂液をイン
クジェット描画システム ユニオンコーポレーション4
200(ユニオンコーポレーション社製)に入れ、平版
用印刷機HAMADA611XLA−II(ハマダ印刷機
株式会社製)の版胴の表面に3mm/ドット、膜厚1μ
mで版胴表面積の50%で均一に並ぶように塗布し、ラ
ンプヒーター(100℃)で3分乾燥して目的の粘着層
を設けた。
【0100】次に、平版印刷版として支持体がポリエチ
レンでラミネートされた紙であるELP−IIX(富士写
真フィルム(株)社製)をELP415VX製版機で製
版し不感脂化したものを用い、上記印刷機にて自動給版
し毎分7000枚の印刷スピードで5000枚印刷し
た。粘着層の膜物性も実施例1と同様に測定した。その
結果を表5に示す。このようにして得られた粘着層は、
実施例1と同様な方法で評価したところ寸度安定性及び
印刷作業性すべて良好であった。
【0101】実施例10 NBR樹脂を主成分とするラテックスのニッポールSX
−1503(日本ゼオン社製)を固形分が25wt%に
なるように水を加えた後、5mm厚のシリコンゴム板に
半径1.5mmの半球状のくぼみを付けたグラビア印刷
機から、平版印刷用印刷機HAMADA611XLA−
II(ハマダ印刷機株式会社製)の版胴の表面に上記粘着
剤が版胴表面積の50%で3mm/ドット、膜厚1.1
5μmが均一に並ぶように印刷し、ランプヒーター(1
00℃)で3分乾燥して目的の粘着層を設けた。
【0102】次に、平版印刷版として支持体がポリエチ
レンでラミネートされた紙であるELP−IIX(富士写
真フィルム(株)社製)をELP415VX製版機で製
版し不感脂化したものを用い、上記印刷機にて自動給紙
し版毎分7000枚の印刷スピードで5000枚印刷し
た。粘着層の物性も実施例1と同様に測定した。その結
果を表5に示す。このようにして得られた粘着層は、実
施例1と同様な方法で評価したところ寸度安定性及び印
刷作業性すべて良好であった。
【0103】
【表5】
【0104】
【発明の効果】以上、本発明によれば、平版印刷版用印
刷機における版材の寸度安定性及び印刷作業性を良好に
向上することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平版印刷版用印刷機の版胴に直接、重量
    平均分子量が1×103〜5×106の下記(i)及び
    (ii)で挙げられる材料から選択される少なくとも1種
    の粘着材料を含有する粘着層を設け、且つ該粘着層が印
    刷時に平版印刷版の裏面に密着することを特徴とする平
    版印刷版の固定方法。 (i)アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹
    脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアルキレ
    ン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロ
    ース、セルロース誘導体、デンプン、デンプン誘導体、
    アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、タマリンドガ
    ム、天然ガム類、ポリビニルアルコール、ポリアルキレ
    ングリコール、アリルアルコール共重合体、アクリル酸
    共重合体、メタクリル酸共重合体、ポリアミノ酸、ポリ
    アミド、ポリアミン及びポリウレア (ii)金属原子又は半金属原子が酸素原子又は窒素原子を
    介して繋がった結合を含有する樹脂と、該樹脂と水素結
    合を形成し得る基を含有する有機ポリマーとの複合体
  2. 【請求項2】 平版印刷版用印刷機の版胴に、請求項1
    記載の重量平均分子量が1×103〜5×106の(i)及
    び(ii)で挙げられる材料から選択される少なくとも1
    種の粘着材料を含有し且つ静摩擦係数が0.2以上であ
    る粘着層を有することを特徴とする平版印刷版用印刷
    機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022546026A (ja) * 2019-08-30 2022-11-02 テーザ・ソシエタス・ヨーロピア チューブ状接着印刷版取付層、および、その製造方法

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